JPH0525762B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、印刷・製版工場と、ロール用自動倉
庫システムとの間で使用されるロール用ラツク装
置に関する。

＜従来技術＞ 従来、印刷・製版工場では、通路脇やロール保
管室に印刷ロールを立てて置いてあり、ロール製
造工場のロール保管倉庫においても同様であり、
ロールが倒れた場合危険であるとともに、印刷ロ
ールに変形や傷が生じたりする。印刷ロールを横
にすると、場所を多く取り、また、傷が生じない
ようにパレツトが必要となる。

一方、印刷ロールを立てて置いているロール保
管倉庫は、空間利用効率が低いものとなつている
ので、第１０図に示すように、パレツトＰを使用
してロールＲを横にして積重ね保管すること、及
び保管物を倉庫内一杯に縦横に移動して保管物を
棚に集配する保管物集配装置Ｑを備えた自動倉庫
システムＳとすることが提案されるが、パレツト
Ｐを使用してロールを積重ね保管すると、保管物
集配装置Ｑの設置幅ｗ１を棚幅ｗ２に合わせて
（略等しく）大きく取ることになるので空間利用
効率が低いものとなる。また、印刷ロールは、大
径、小径のもの種々あり、パレツトＰでは混載で
きないので不便である。

＜発明の目的＞ 本発明は、上述した点に鑑み案出したもので、
構造が簡素で、取扱いも容易であり、安価な材料
で簡単に構成でき、直径が異なるロールを積重ね
ることができ、少々傾いてもロールが転がり落ち
る虞れがなく、倉庫の利用効率を高くできる印
刷・製版工場と、ロール用自動倉庫システムとの
間で使用されるロール用ラツク装置を提供するも
のである。

＜発明の構成＞ 本発明のロール用ラツク装置は、 一対のラツク本体半部を枢着して、各半部がそ
れぞれ外側へ倒れて開いた平面状から、各半部を
立て起すことにより立脚した状態になるラツク本
体と、 このラツク本体が立脚状態のとき、ラツク本体
半部より内側に張り出すように各半部にそれぞれ
係合し昇降可能に案内され、かつ、ロールと交互
に積重なることによりロールを積重ね式に支持し
得る複数のロール支持用アームとからなり、 上記ラツク本体は、脚部材の一端に支柱兼ガイ
ド部材を立設してＬ形フレームを形成し、このＬ
形フレームを２個、所要間隔をあけて並べ連結部
材で連結してラツク本体半部を構成し、該各半部
の脚部材が対向するように並べて該脚部材の上端
同士を枢着してなり、支柱兼ガイド部材の内側の
面には、上下に渡りロール保護部材が添着されて
おり、 また、上気各ロール支持用アームは、支柱兼ガ
イド部材に嵌合して昇降自在である係合部をアー
ム本体の一端に有し、アーム本体の上面及び下面
にロール保護部材を添着してなり、この内、アー
ム本体の上面に添着されたロール保護部材の上面
が、ラツク本体が搬送時に若干傾いてもロールが
転がり落ちないように支柱兼ガイド部材より離れ
るに連れて高くなる傾斜面となつていることを特
徴とするものである。

＜実施例＞ 以下、本発明のロール用ラツク装置の実施例を
第１図、第２図、第３図、第４図、第５図及び第
６図を参照して説明する。

このロール用ラツク装置は、一対のラツク本体
半部１Ａ，１Ｂを折畳み自在に枢着して、第３図
に示すように各半部がそれぞれ外側へ倒れて180°
開いた平面状から、各半部を立て起すことによ
り、第１図に示すように立脚した状態になるラツ
ク本体と、このラツク本体が立脚状態のとき、ラ
ツク本体の半部より内側に張り出すように各ラツ
ク本体半部１Ａ，１Ｂにそれぞれ係合し昇降可能
に案内され、かつ、ロールＲと交互に積重なるこ
とによりロールＲを積重ね式に支持し得る複数の
ロール支持用アーム２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，…，２Ｊ
とからなつている。ラツク本体半部１Ａ，１Ｂ
は、それぞれ脚部材１１ａの一端に支柱兼ガイド
部材１１ｂを立設してなる２個のＬ形フレーム１
１，１１を有し、脚部材同士１１ａ，１１ａを上
下二本の連結部材１２，１２で一体に連結され、
さらに対面する脚部材１１ａの端部同士を蝶番１
３を介し共通連結部材１４で連結してなる。従つ
て、各ラツク本体半部１Ａ，１Ｂの脚部材１１
ａ，１１ａは、ラツク本体が立脚状態になると
き、床面あるいは載置面に沿つて互いに水平に向
い合い、該立脚状態を維持する役目を果してい
る。そして、第５図に示すように、支柱兼ガイド
部材１１ｂには軽量金属型材であるＣ形チヤンネ
ル材が用いられ、そのスリツトが立脚状態におい
て内側にに向くように配して、このスリツトがあ
るチヤンネル外面に、上下に渡りロール保護部材
１５が添着されている。そうして、各ラツク本体
半部１Ａ，１Ｂは、第１図及び第３図のいずれの
状態でも、フオークリフトで持上げが可能なよう
に、脚座１６が付設されている。また、Ｌ形フレ
ーム１１の上端に吊具１７を備えており、ワイヤ
ーロープＹを掛け図示しない吊上げ装置で吊上げ
できるようになつていて、特に、吊上げ装置で吊
上げを保ちつつ人力で第１図の状態と第３図の状
態に相互に移行させることを容易とするために、
各Ｌ形フレーム１１のコーナー部にコロ１８が設
けられている。

一方、ロール支持用アーム２は、第４図及び第
５図に示すように、アーム本体２１の基端に、支
柱兼ガイド部材１１ｂの上端において嵌合離脱自
在でかつ嵌合状態において支柱兼ガイド部材１１
ｂを案内に昇降自在である係合部２２が固設され
ている。この係合部２２は、チヤンネル材方向に
適当な長さを有し、Ｃ形チヤンネル材の溝内を弛
やかに摺動できるプレートが用いられている。ア
ーム本体２１は、係合部２２が支柱兼ガイド部材
１１ｂに嵌合した状態においてラツク本体が搬送
等のため若干傾いてもロールが転がり落ちないよ
うに、支柱兼ガイド部材１１ｂより離れるに連れ
て所要高く傾斜する上下に互いに平行に配される
載せ板２１ａ及び押え板２１ｂを、チヤンネルス
リツトを通る厚さのプレート状であり載せ板２１
ａと押え板２１ｂとの間に配するリブ２１ｃで固
設してなる。そうして、載せ板２１ａ及び押え板
２１ｂには、厚味が均一なロール保護部材２３，
２４が添着されている。ロール保護部材１５，２
３，２４には、ゴムや柔軟性のあるプラスチツク
スなどが使用される。

次に、上記構成のロール用ラツク装置の使用方
法を説明する。

先ず、ロール製造工場において、第３図に示す
ように、ラツク本体半部１Ａ，１Ｂを180°開いた
状態にして、支柱兼ガイド部材１１ｂの上端よ
り、ロール支持用アーム２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，…，
２Ｊの係合部２２を嵌合させた後、各ロール支持
用アーム２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，…，２Ｊの間隔を、
ロールＲの直径よりも所要大きく確保する。そし
て、図示しない吊上げ装置でロールＲを吊上げ
て、各アーム間に降下位置させる。すると、ロー
ルＲは、ロール保護部材１５に乗り、転がろうと
するとロール面がロール保護部材２３または２４
に当たり、傷が付くことなく、安定して収まる。
ラツク本体半部１Ａ，１Ｂのそれぞれに、四本の
ロールＲを載置したら、吊具１７にワイヤーロー
プＹを掛け、図示しない吊上げ装置で吊上げる。
すると、ラツク本体半部１Ａ，１Ｂは、コロ１８
が床面を転動するから、滑らかに閉じて行く。こ
のとき、ラツク本体半部１Ａ，１Ｂは、各側の重
心がコロ１８の外方から内方に移動するや否や勢
いよく閉じて行くので、これを防ぐため、ワイヤ
ーロープで外側から引つ張るようにして、徐々に
閉じるようにする。すると、ロール支持用アーム
２は、ラツク本体が搬送等のため若干傾いてもロ
ールが転がり落ちないように、支柱兼ガイド部材
１１ｂより離れるに連れて所要高く傾斜している
から、ロールＲが転がり落ちる虞れが全くなく、
第１図に示すように立脚状態になり、ロール支持
用アーム２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，…，２Ｊとロール
Ｒ，Ｒ，Ｒ，…は交互に重なる。すなわち、ロー
ルＲ，Ｒ，Ｒ，…は、アームを間に介在して積重
ね状態に支持される。この状態で、ロール製造工
場のロール保管倉庫（自動倉庫システムを含む。）
に一時保管や印刷工場への出荷・搬送を行う。印
刷工場では、吊具１７にワイヤーロープＹを掛
け、図示しない吊上げ装置で吊上げを確保してお
いて、高さが脚部材１１ａの長さと略等しく幅が
共通連結部材１４の幅よりも小さい図示しない開
き台を用意し、その上に共通連結部材１４が乗る
ようにして、ワイヤーロープＹをゆつくりと下げ
て行くと、ラツク本体半部１Ａ，１Ｂは、第３図
のよう開く。この場合、人はラツク本体半部１
Ａ，１Ｂが左右均等に開いていくように補助す
る。なお、再び閉じるときは、開き台を取外す。

また、開き台を使用しない場合には、ラツク本
体半部１Ａ，１Ｂのそれぞれの重心がコロ１８の
内側から外側に移行するまで、複数人でラツク本
体半部１Ａ，１Ｂを所定角度開き、コロ１８の内
側から外側に移行したら、吊上げ装置による吊上
げを徐々に下降させれば、コロ１８が床面を転動
するから、第３図に示すように、ラツク本体半部
１Ａ，１Ｂは滑らかに開いた状態になる。

しかる後に、アームとロールを交互に中央寄り
に移動させて、アーム間隔を開ければ、ベルトを
任意の位置のロールの下側に通してベルトを図示
しない吊上げ装置で吊上げれば、ロール吊上げが
可能である。

第６図は、このロールをロール用ラツク装置を
用いて積み重ねて、自動倉庫システムＳに保管す
る場合を示す一例である。

第１図と第６図から分かるようにロール用ラツ
ク装置の立脚状態の装置幅Ｗ４は、ロールＲの直
径の約３倍以内に押えることができるので、保管
物集配装置Ｑの吊腕のストロークを確保すれば、
従来と比べて、保管物集配装置Ｑの設置幅ｗ１を
縦幅ｗ２の1/2以下に押えることができ、空間利
用効率を大きくすることができる。

＜変形例＞ 本発明の技術的範囲に含まれる変形例（本発明
の実施例）を以下に示す。なお、上記実施例と同
一符号のものは、同一部材か、対応する部材であ
る。

(1) 第７図のロール用ラツク装置は、脚部材同士
１１ａ，１１ａの端部が蝶番１３で直接連結さ
れ、また第１図のコロ１８がない構成である。
従つて、このロール用ラツク装置は、人力によ
る開閉は困難が伴い、専用の開閉装置によつて
開閉する。

(2) 第８図に示すように、支柱兼ガイド部材１１
ｂに断面Ｔ形の軽量金属型材が使用され、これ
をロール支持用アーム２の係合部２２が包み込
むようにしても良い。

(3) 第９図に示すように、ロール保護部材の上面
の傾斜は、係合部を支柱兼ガイド部材に嵌合し
アーム本体にロールを載せるとき、アーム本体
の上面が略水平であるように設けられ、ロール
保護部材の厚味を支柱兼ガイド部材より離れる
に連れて厚くなるようにして、ロール保護部材
の上面の傾斜を確保しても良い。

＜発明の効果＞ 以上説明してきたように、本発明のロール用ラ
ツク装置によれば、以下のような効果を有する。

(1) 軽量金属型材に複雑な加工をすることなく切
断した軽量金属型材を溶接しゴムを添着するだ
けでラツク本体を構成でき、また、矩形に切断
したプレートを溶接して、ゴムを添着するだけ
でロール支持用アームを構成できる簡素な全体
構造となつているので、材料費・加工費・組立
費のどれも易く押えることができ、量産もし易
い。

(2) 開いてロールを載せて閉じれば良いので、取
扱いが極めて簡単である。

(3) ロール支持用アームが昇降するので、直径が
異なるロールを混載でき、効率的な保管とな
る。

(4) ロール支持用アームのロールを支持する面が
支柱兼ガイド部材から離れるに連れて高くなつ
ていて、ロールがロール支持用アームと交互に
位置して積重なり、ロール両端を三方から傷を
付けることなく押えることができ、搬送や吊上
げ時に揺れたり、傾いてもロールが転がり落ち
ることがない。

(5) 自動倉庫システムの保管物集配装置の設置幅
を従来より多幅に狭められ、空間利用効率を大
きくすることができる。

以上から、倉庫の利用効率を高くできる印刷・
製版工場と、ロール用自動倉庫システムとの間で
使用されるロール用ラツク装置として好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明のロール用ラツク
装置の実施例に係り、第１図と第２図は立脚状態
の側面図と正面図、第３図は開脚状態の側面図、
第４図は要部拡大側面図、第５図は第４図におけ
る−断面図である。第６図は、本発明のロー
ル用ラツク装置を使用してロールを積重ね保管す
る場合の自動倉庫システムの簡略立面図を示す。
第７図ないし第９図は本発明の実施例であつて、
ロール用ラツク装置のそれぞれ異なる全体変形例
または部分的な変形例に係り、第７図は立脚状態
の側面図、第８図は第５図に対応する要部断面
図、第９図は第４図に対応する要部拡大側面図で
ある。第１０図は、パレツトを使用してロールを
積重ね保管する提案例（従来例に属する）の自動
倉庫システムの簡略立面図を示す。 Ｒ……ロール、１Ａ，１Ｂ……ラツク本体半
部、２，２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，〜，２Ｊ……ロール
支持用アーム、１１ａ……脚部材、１１ｂ……支
柱兼ガイド部材、１１……Ｌ形フレーム、１２…
…連結部材、１５，２３，２４……ロール保護部
材、２１……アーム本体、２２……係合部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一対のラツク本体半部を枢着して、各半部が
   それぞれ外側へ倒れて開いた平面状から、各半部
   を立て起こすことにより立脚した状態になるラツ
   ク本体と、 このラツク本体が立脚状態のとき、各ラツク本
   体半部より内側に張り出すように各半部にそれぞ
   れ係合し昇降可能に案内され、かつ、ロールと交
   互に積重なることによりロールを積重ね式に支持
   し得る複数のロール支持用アームとからなり、 上記ラツク本体は、脚部材の一端に支柱兼ガイ
   ド部材を立設してＬ形フレームを形成し、このＬ
   形フレームを２個、所要間隔をあけて並べ連結部
   材で連結してラツク本体半部を構成し、該各半部
   の脚部材が対向するように並べて該脚部材の上端
   同士を枢着してなり、支柱兼ガイド部材のの面に
   は、上下に渡りロール保護部材が添着されてお
   り、 また、上気各ロール支持用アームは、支柱兼ガ
   イド部材に嵌合して昇降自在である係合部をアー
   ム本体の一端に有し、アーム本体の上面及び下面
   にロール保護部材を添着してなり、この内、アー
   ム本体の上面に添着されたロール保護部材の上面
   が、ラツク本体が搬送時に若干傾いてもロールが
   転がり落ちないように支柱兼ガイド部材より離れ
   るに連れて高くなる傾斜面となつていることを特
   徴とするロール用ラツク装置。