JPH05252859A - でんぷん質冷凍食品及びその製造法 - Google Patents

でんぷん質冷凍食品及びその製造法

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JPH05252859A
JPH05252859A JP4089852A JP8985292A JPH05252859A JP H05252859 A JPH05252859 A JP H05252859A JP 4089852 A JP4089852 A JP 4089852A JP 8985292 A JP8985292 A JP 8985292A JP H05252859 A JPH05252859 A JP H05252859A
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Kazuo Kamibayashi
一雄 上林
Takao Watanabe
隆夫 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 でんぷん質冷凍食品の品質改良。 【構成】 パン、スポンジケーキなどのでんぷん質食品
において、レシチンと穀物蛋白質の部分分解物であっ
て、特定の平均分子量を有する部分分解物との配合物を
添加し、冷凍保存処理した品質の改良されたでんぷん質
冷凍食品。 【効果】 各種でんぷん質食品の生地品質を向上させる
とともに、過酷な冷凍保存条件における品質劣化を防止
でき、長期保存においても製造直後と比較してほとんど
遜色ない製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、でんぷん質冷凍食品
に関し、さらに詳しくは、解凍後においても冷凍前と比
較してその品質が変化しない、品質の改良されたでんぷ
ん質冷凍食品に関する。
【0002】
【従来の技術】パンや麺類等は、でんぷんを主素材とす
る、いわゆるでんぷん質食品の代表的なものである。か
かるでんぷん質食品には、食感や風味を高めたり常温保
存時におけるそれらの劣化を防止するような各種の品質
改良剤が添加されている。その代表的なものとしてグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル等のいわゆる多価アルコ
ール脂肪酸エステル型界面活性剤にアスコルビン酸やグ
ルクロノラクトンを併用したり(特公昭56−42887 号、
特開昭55−118334号及び特開昭55−118335号公報)、上
記グリセリン脂肪酸エステルを特定の処理に付して用い
る提案(特公昭59−41379 号公報)等がなされている。
【0003】また、小麦グルテン酵素分解物をスポンジ
ケーキ等の製菓、製パン用品質改良剤として利用したり
(「化学工業時報」:昭和62年6月25日発行)、品質改
良効果を高めた穀物蛋白質部分分解物(特開平1−2022
34号及び特開平1−202235号公報)等蛋白系乳化剤や、
酵素分解レシチンの小麦粉に対する品質改良効果(特公
平1−55871 号公報)等が報告されている。また、上記
特開平1−202234号及び特開平1−202235号公報におい
ては、レシチンとの併用が示唆されているが、でんぷん
質食品を冷凍後、解凍することにより生じるでんぷんの
老化に対する効果については何ら記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここ数年、電子レンジ
の普及に伴い冷凍食品の品種及び量の増大化が望まれる
ようになってきた。しかし、でんぷん質食品において
は、冷凍保存時に氷結晶が成長し、結果として離水が発
生することによりでんぷんの老化が起こると推定され、
パン、ケーキ類では生地が硬くなってパサついてしま
い、カステラ、菓子パン等の菓子類においても同様にパ
サつきが見られ、麺はコシがなくなってしまう等の問題
点があった。
【0005】そこで、従来の技術で紹介した各種の品質
改良剤を添加することによって上記問題点を解決するこ
とを試みたが、でんぷん質食品の食感や風味を高めたり
常温保存時におけるそれらの劣化を防止する程度の効果
は有していても、長期間冷凍保存した場合の品質劣化防
止効果は十分ではなく、満足できるものではなかった。
このように、いわゆる常温における品質劣化防止作用や
品質改良作用と、冷凍により生じるでんぷんの老化の防
止作用は異なっており、常温において品質劣化防止作用
や品質改良作用を有する品質改良剤を用いたでんぷん質
冷凍食品の品質劣化防止は、ほとんど効果を期待できる
ものではなかった。
【0006】この発明は、上記問題点を鑑み少量の添加
で冷凍保存耐性が向上し、食品衛生上安全な、品質が改
良されたでんぷん質冷凍食品を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記観点から本発明者ら
は、でんぷん質食品を冷凍することにより生じるでんぷ
んの老化を防止するための品質改良剤について検討した
結果、レシチンと特定の穀物蛋白質の部分分解物との配
合物を添加したでんぷん質食品を冷凍保存処理すること
により、上記問題点を解決したでんぷん質冷凍食品が得
られることを確認し、この発明に到達した。
【0008】このような効果は、レシチン又は穀物蛋白
質の部分分解物のそれぞれ単独を添加して同様なでんぷ
ん質冷凍食品を調製した場合には得られなかったもので
あり、意外なものであった。その作用は、明確ではない
が、両者の配合物による特殊な作用が発揮されたものと
考えられる。
【0009】かくして本発明によれば、レシチンと、穀
物蛋白質の部分分解物であって重量平均分子量が約50
0〜約110,000の範囲で、かつ、分解後の重量平
均分子量Mwと分解前の重量平均分子量Moとの比率
(Mw/Mo)が0.004〜0.85の部分分解物と
の配合物を添加したでんぷん質食品を冷凍保存処理した
品質の改良されたでんぷん質冷凍食品が提供される。本
発明の対象となるでんぷん質食品としては、パン類、麺
類が代表的なものであるが、これ以外に例えば、カステ
ラ、スポンジケーキ等のでんぷん質を主たる素材とする
食品や食品原料があげられる。
【0010】本発明で用いるレシチンとしては、大豆・
菜種・ひまわり等の植物性油糧種子から得られる植物性
リン脂質や卵黄から得られる卵黄リン脂質等の各種レシ
チンが利用可能であるが、価格的・品質的な面から大豆
リン脂質が最も適当である。かかるレシチンのうち、実
際的には油分を含有するペースト状レシチンが使用で
き、またこれを出発物質として溶剤分別、カラム精製処
理を単独又は組合せて行い、さらに純度を高めた種々の
レシチンを用いることができる。
【0011】さらにまた本発明では、上記の各種レシチ
ンを酵素により選択的に加水分解した酵素分解レシチン
を用いることも可能である。酵素分解は、レシチンに対
してリン脂質の第1位又は第2位の脂肪酸を選択的に加
水分解するホスホリパーゼA活性を有する酵素を作用さ
せることにより行い、酵素分解率は、70%以上である
ことが望ましい。かかる酵素分解レシチンと穀物蛋白質
部分分解物との配合物を添加して得られたでんぷん質冷
凍食品は、冷凍によって生じるでんぷんの老化を防止す
る効果が最も優れたものとなる。上記の各種レシチンは
そのまま、あるいはさらに品質・剤型の安定化のために
各種粉末化基材、可溶化成分、抗酸化剤等を加えたもの
も本発明で使用できる。
【0012】一方、本発明に用いる穀物蛋白質部分分解
物は、ゲル濾過法での重量平均分子量Mwが約500〜
約110,000の範囲で、かつ、分解後の重量平均分
子量Mwと分解前の重量平均分子量Moとの比率(Mw
/Mo)が0.004〜0.85のものが適しており、
でんぷん質食品を冷凍することによって生じるでんぷん
の老化防止効果の点で、重量平均分子量Mwが約3,0
00〜約100,000の範囲で、かつ、Mw/Mo値
が0.023〜0.77のものがより好ましい。なお、
Mwが500未満であったり、Mw/Mo値が0.00
4未満では実質的にアミノ酸やそのオリゴマーが主体と
なって効果が低下し、また,Mwが110,000を超
えたり、Mw/Mo値が0.85を超えると未分解のも
のの性状に近く効果が低いため適さない。なお、これら
の分子量は、標準物質として1,600、6,500、
16,000、65,000、88,000の分子量を
有するポリスチレンスルホン酸ソーダを用い、ファルマ
シア社製のセファデックスG−75又はG−100を担
体としてゲル濾過法によって測定した値である。
【0013】なお、本発明で穀物蛋白質とは、穀物に含
有される蛋白質を意味し、ここで穀物としては、麦類
(例えば小麦)、とうもろこし類、豆類(例えば大豆)
などが挙げられる。かかる穀物に含まれる蛋白質のう
ち、例えば小麦蛋白質はグルテニンとグリアジンを主成
分として含み、通常小麦グルテンと称せられる。また、
とうもろこし蛋白質はゼインを主成分として含み、通常
トウモロコシグルテンと称せられる。これらはいずれも
公知の物質であり、穀物から常法によって分離や抽出し
て得ることができる。なお、この発明で用いられる穀物
蛋白質部分分解物は、上記穀物蛋白質をアルカリ、酸、
酵素、還元剤又は酸化剤による分解処理に付して得られ
る。具体的な調製法としては、特開昭64−14274 号公報
に記載の方法等が利用できる。
【0014】このような分解処理は単独のみならず、2
種以上を組み合わせて行ってもよい。ことに、本発明者
らの知見によれば、アルカリによる分解処理(A)と、
これに酸、酵素、酸化剤、還元剤の1種又は2種以上の
分解処理(B)を組み合わせた2工程以上の分解処理に
より得られる分解物が、この発明に用いる部分分解物と
して好適なもののひとつであることも見い出した。
【0015】かかる穀物蛋白質部分分解物は前記の重量
平均分子量のほかさらに以下の物性により特性づけられ
るものである。 (a) 紫外吸収λmax が260〜280nm付近で、かつ赤
外吸収が1,400、1,630及び3,400cm-1
近である。 (b) 等電点が3.9〜5.0の範囲にある。 (c) pH緩衝性(本品の5重量%水溶液100mlのpH
を6から2まで低下させるのに1N−塩酸を2〜25ml
必要とする)を有する。 (d) 水に可溶であり、メタノール、エタノール、アセト
ン、エーテルに不溶である。 (e) 外観は淡黄色ないし赤茶色の粉末である。 (f) キサントプロテイン反応、ニンヒドリン反応によっ
て呈色する。 (g) 強い表面張力低下能(本品を25℃の純水に0.1
重量%添加することによって、純水の表面張力を50dy
ne/cm以下(デュヌイの表面張力計で計測)に低下させ
る)を有する。 (h) 強い乳化能(本品を1gの添加使用により少なくと
も、大豆油を30重量%含有する水─大豆油混合物10
0gを完全乳化(均一な乳化状態を少なくとも10分、
好ましくは1時間以上維持することを意味する)しう
る)を有する。
【0016】なお、上記多段分解処理の順序は特に限定
されない。即ち、小麦グルテン等の原料を最初にアルカ
リ分解処理(A)に付した後、上述した酸、酵素、還元
剤又は酸化剤を用いた分解処理(B)(アルカリ以外の
分解処理)又はその2種以上の処理に付してもよく、ま
たこの逆の順で分解処理を行ってもよい。また、先にア
ルカリ以外の分解処理(B)に付した後、アルカリ分解
処理(A)に付し、再びアルカリ以外の分解処理(B)
に付すことにより得ることも可能である。また、これら
の各処理間では、適宜、中和処理がなされてもよい。こ
れらのうち、アルカリ分解処理と酸による分解処理とを
組み合わせた部分分解物とレシチンとの配合物を添加し
て得られた、でんぷん質冷凍食品は、冷凍によるでんぷ
んの老化防止効果が非常に優れたものとなる。
【0017】本発明において、レシチンと穀物蛋白質部
分分解物との配合の方法及び配合物の形態としては、両
者が粉末状の場合は単純な粉体混合でもよいが、例えば
糖液に分散・溶解した液体状のものや、水に溶解させた
のちそのまま、あるいはでんぷん加水分解物等の賦型剤
を配合した後乾燥させた粉末状のものなど各種の形態が
可能である。配合物中の、レシチンと穀物蛋白質部分分
解物との配合比は、重量比として1:0.2〜5である
のが、でんぷん質冷凍食品のでんぷん老化防止効果の点
で好ましい。該配合比が、0.2未満であったり、5を
超える配合物を添加して得られたでんぷん質冷凍食品に
おいてもある程度効果は認められるが、老化防止効果を
必ずしも十分に発揮しない場合もある。
【0018】これらの配合物が適用できるでんぷん質食
品としては、例えばパン、スポンジケーキ、麺類等があ
り、パンおよびスポンジケーキには特に好適である。こ
れら配合物の添加量としては、例えば、でんぷん質食品
の原料である小麦粉に対して通常、レシチン及び蛋白質
部分分解物の総量で、0.01〜1重量%程度の範囲で
用いることが可能であるが、0.2%以下の比較的少量
でも良好な効果を期待できる。添加量が0.01重量%
未満ではでんぷん質冷凍食品の老化防止効果が不十分と
なり、1重量%を超えても添加量の増大に見合う効果の
向上が期待できないため、好ましくない。添加方法とし
ては、食品の原材料に予め添加することも、処方中の水
に対して溶解しこれを添加する方法も可能である。ま
た、食品製造工程中に添加する方法も可能である。
【0019】このようにして得られたでんぷん質食品生
地、該生地の成形物、又は該生地の成形物を加熱処理し
て得られたでんぷん質加工食品等のでんぷん質食品を、
通常の冷凍保存処理を行うことにより本発明のでんぷん
質冷凍食品が得られる。上記加熱処理されたでんぷん質
加工食品は、一般需要者が解凍することにより、食する
ことのできる商品形態物に変換されたものであり、本発
明の好ましい実施態様の一つである。該加熱処理とは、
例えば、パン、ケーキ、カステラ等においては焼成され
ることを意味し、麺類等においては、該生地を製麺後ゆ
でることを意味する。
【0020】なお、この発明のでんぷん質冷凍食品中に
はこの発明の効果を阻害しない限り、上記成分以外に他
の乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、キラヤサポニン等)、増粘安定剤(キ
サンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アルギン
酸、及びでんぷん加水分解物などの加工でんぷん等)、
増量剤、防腐剤、着色剤、香料、防臭剤(シクロデキス
トリン等)等が含まれていてもよい。
【0021】
【実施例】
〔品質改良剤の製造例〕各種レシチンおよび穀物蛋白質
部分分解物を次の方法により調製した。
【0022】製造例1(精製粉末レシチン) ペースト状大豆レシチン(日清製油(株)製、「レシチ
ンDX」)100gを300mlのアセトンで室温にて2
回洗浄した。この残渣を50℃にて48時間、減圧乾燥
したのち粉砕し、精製粉末レシチン55gを得た。
【0023】製造例2(酵素分解レシチン) ペースト状大豆レシチン(日清製油(株)製「レシチン
DX」)100gを、ホスホリパーゼA2 活性を有する
酵素(ノボ社製、「レシターゼ」)で加水分解処理後、
乾燥を行い、ホスファチジルコリンの分解率が約80%
のペースト状酵素分解レシチン90gを得た。
【0024】製造例3(抽出レシチン) ペースト状大豆レシチン(日清製油(株)製「レシチン
DX」)100gを300mlの95%エタノールで40
℃において抽出後、濃縮・乾燥し、アセトン不溶分52
%、ホスファチジルコリン含量45%のエタノール抽出
レシチン32gを得た。
【0025】製造例4(大豆蛋白分解物) 脱脂大豆を水抽出して得られる分離大豆蛋白20gを、
0.1N塩酸150gが入ったフラスコに加え、これに
ペプシン0.2gを添加して加水分解処理を行ったの
ち、水酸化ナトリウムで中和後乾燥し、重量平均分子量
15,000に調整した大豆蛋白酵素分解物を調製し
た。(Mw/Mo=0.06)
【0026】製造例5(小麦蛋白分解物) 塩化水素換算で2gに相当する塩酸水溶液100gの入
ったフラスコに和光純薬工業(株)製の小麦グルテン
(試薬品)20gを加え、100℃で60分間加熱攪拌
した。その後、水酸化ナトリウムで中和し、純水で総量
を200gにして、酸による部分分解物を得た。平均分
子量 (Mw) は、64,000であった。この小麦グル
テンの酸による部分分解物の10%水溶液100gをフ
ラスコに入れ、これらに水酸化ナトリウム1gを加え、
100℃にて60分間加熱攪拌した。その後、塩酸にて
中和したのち乾燥し、小麦蛋白分解物を得た。平均分子
量は、22,000であった。(Mw/Mo=0.16
9)
【0027】製造例6(精製粉末レシチンと酵素分解大
豆蛋白との製剤) 製造例1の精製粉末レシチンと製造例4の大豆蛋白酵素
分解物を重量比50:50にて混合し、粉末製剤を得
た。
【0028】製造例7(酵素分解大豆レシチンと小麦蛋
白分解物との製剤) 製造例2の酵素分解大豆レシチンを製造例5の小麦蛋白
分解物に重量比25:75で混合・吸収させ、粉末製剤
を得た。
【0029】製造例8(抽出レシチンと小麦蛋白分解物
との製剤) 製造例3の抽出レシチンと製造例5の小麦グルテン分解
物、およびでんぷん加水分解物を重量比20:40:4
0の比率で水に分散させたのちスプレードライにて乾燥
を行い、粉末製剤とした。
【0030】〔各種製品への添加効果〕本発明による品
質改良剤は、冷凍保存による品質低下について顕著な防
止効果を発揮した。以下にそれらの実施例を示す。
【0031】実施例1(スポンジケーキでの実施例)
【0032】
【表1】
【0033】表1のスポンジケーキの配合中、表2に示
す各種の添加物を薄力粉に対し0.5%量混合し、常法
によりスポンジケーキを試作した。各スポンジケーキ毎
にビニール袋に封入し、−20℃の冷凍温度にて、6カ
月間保存を行い、室温による自然解凍後、品質評価を行
った。評価は、専門パネラー10名による品質試験で行
い、それぞれの評価項目について、評点5(良)〜1
(不良)の5段階の絶対評価により判断した。結果を表
2に示す(評点の平均値)。この結果から、本発明の製
剤を用いた製品は、レシチンまたは分解蛋白を単独で用
いた比較品に比べて、品質の劣化防止効果が顕著に現れ
ていることがわかる。特に特徴的であるのは、冷凍保存
後も組織のきめが細かくふくらみを保った柔らかい食感
を有していることから、充分に製品として流通すること
が可能であると判断された。
【0034】
【表2】
【0035】実施例2(食パンでの実施例)
【0036】
【表3】
【0037】表3の食パンの配合中、表4に示す各種の
添加物を強力粉に対し0.2%量混合し、常法により食
パンを試作した。各食パンを、3cm厚にカットし、パラ
フィン紙で1枚ずつ包装した後、−20℃にて1か月保
存を行ったのち、電子レンジで加熱解凍した。品質評価
は、スポンジケーキと同様、専門パネル10名にて官能
検査を行った。結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】冷凍保存後、電子レンジで解凍・加熱した
場合の品質に対しては、無添加品が激しい硬化を起こし
たのに対し、レシチンや蛋白を単独で添加した比較品8
〜10においてもある程度の防止効果を示したが、表4
の結果に示したように本発明による製品ではさらに顕著
な改善が認められた。なお、本発明の製剤を用いた食パ
ンは、焼き上げ直後の評価においてもソフト感が良好で
あり、組織のきめが細かくボリュームも大きくなった
(無添加品と比較して10〜20%程度増加した)。
【0040】
【発明の効果】この発明の品質の改良されたでんぷん質
冷凍食品は、過酷な保存条件における品質劣化を防ぎ、
解凍時において冷凍前と比較して遜色のない食品が得ら
れるという効果を有する。より具体的には、食パン等に
おいてその製品のきめが細かくなるとともに容積が増大
し、ソフトな食感が得られる。また、スポンジケーキ等
においては、製品の乾燥感がなくなるとともに水分の過
度の蒸散が防止され、特に表面のパサツキ発生が抑えら
れるという効果を有する。このような効果は、これまで
の製菓・製パン用や麺用の乳化剤等を添加したでんぷん
質食品では認められなかった効果であり、極めて有用で
あると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半埜 賢治 大阪府大阪市東淀川区東淡路2−10−15 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 上林 一雄 大阪府大阪市東淀川区東淡路2−10−15 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 渡辺 隆夫 東京都世田谷区代沢3−20−7

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レシチンと、穀物蛋白質の部分分解物で
    あって重量平均分子量が約500〜約110,000の
    範囲で、かつ、分解後の重量平均分子量Mwと分解前の
    重量平均分子量Moとの比率(Mw/Mo)が0.00
    4〜0.85の部分分解物との配合物を添加したでんぷ
    ん質食品を冷凍保存処理した、品質の改良されたでんぷ
    ん質冷凍食品。
  2. 【請求項2】 レシチンと穀物蛋白質の部分分解物との
    配合物を添加したでんぷん質食品が加熱処理されたでん
    ぷん質加工食品である請求項1記載のでんぷん質冷凍食
    品。
  3. 【請求項3】 レシチンと穀物蛋白質の部分分解物との
    配合物における該レシチンと該部分分解物との配合比
    が、重量比として1:0.2〜5である請求項1又は2
    に記載の冷凍食品。
  4. 【請求項4】 レシチンが酵素分解レシチンである請求
    項1〜3のいずれかに記載の冷凍食品。
  5. 【請求項5】 穀物蛋白質の部分分解物が、穀物蛋白質
    をアルカリ、酸、酵素、還元剤又は酸化剤による分解処
    理の1種又は2種以上の組合せによる分解処理に付して
    得られるものである請求項1〜4のいずれかに記載の冷
    凍食品。
  6. 【請求項6】 穀物蛋白質の部分分解物が、穀物蛋白質
    をアルカリによる分解処理(A)と酸、酵素、還元剤又
    は酸化剤による分解処理の1種又は2種以上(B)との
    組合せによる部分分解処理に付して得られるものである
    請求項5に記載の冷凍食品。
  7. 【請求項7】 穀物蛋白質の部分分解物が、穀物蛋白質
    をアルカリによる分解処理と酸による分解処理との組合
    せによる部分分解処理に付して得られる酸アルカリ併用
    多段分解物である請求項6に記載の冷凍食品。
  8. 【請求項8】 でんぷん質冷凍食品がパン又はスポンジ
    ケーキである請求項1〜7のいずれかに記載の冷凍食
    品。
  9. 【請求項9】 レシチンと、穀物蛋白質の部分分解物で
    あって重量平均分子量が約500〜約110,000の
    範囲で、かつ、分解後の重量平均分子量Mwと分解前の
    重量平均分子量Moとの比率(Mw/Mo)が0.00
    4〜0.85の部分分解物との配合物を、でんぷん質食
    品の生地調製時に添加し、得られる生地をそのまま又は
    加熱処理後、冷凍保存処理することを特徴とするでんぷ
    ん質冷凍食品の製造法。
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Cited By (1)

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