JPH0525056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はテープレコーダのヘツド取付機構に関
する。

（従来技術及びその問題点） 従来のテープレコーダにおいては、第７図に示
すように、磁気ヘツド１を固定した取付ブラケツ
ト１ａの一端側を、ヘツド取付板３上に金属また
は合成樹脂製の短軸状のパイプよりなるスペーサ
２を介して高さ位置を規定してねじ４にて固定す
ると共に、前記取付ブラケツト１ａの他端側を、
前記ヘツド取付板３上にコイル状のバネ５及びワ
ツシヤ６を介して高さ方向に移動自在にねじ７に
て固定して前記磁気ヘツド１をアジマス調整（テ
ープの走行軸線に対する磁気ヘツド１の傾斜微調
整）可能に取り付けていた。

従つて、テープレコーダの設計毎に磁気ヘツド
１の高さをアジマス調整位置に合わせる関係上、
軸長の異なる複数のスペーサ２を備えなければな
らず、その管理が複雑であると共に、その製造作
業が複雑であり、しかも組立時において、スペー
サ２を押さえておかねばならず、その作業性が悪
い（量産性に乏しい）。

また、前記取付ブラケツト１ａの一端側を前記
ヘツド取付板３上に固定するねじ４にねじロツク
のための接着剤を塗布することが行なわれる。こ
の場合、接着剤は、ねじ４の頭部側に塗布するよ
り下端側ねじ部に塗布した方が、ねじロツク効果
は高いものであるにも拘らず、従来は、前記ヘツ
ド取付板３と図示しないシヤーシとの間に延出す
るねじ４の下端ねじ部側に前記接着剤を塗布する
ための開口部がない。従つて、該接着剤を前記ね
じ４の下端ねじ部側に塗布することが困難である
ため、該ねじ４の頭部側に前記接着剤を塗布せざ
るをえなかつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、ス
ペーサの製造作業が容易で、煩雑な管理を行なう
必要がなく、しかも組立作業性が良好で量産性が
向上し、更に接着剤によるねじロツク効果を高め
たテープレコーダのヘツド取付機構を提供するこ
とを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上述の問題点を解決するため本考案のテープレ
コーダのヘツド取付機構は、取付ブラケツトの一
端側とヘツド取付板との間に介装されるスペーサ
を、前記ヘツド取付板の一部を折り曲げてなる折
曲片により構成すると共に、この折曲片に設けた
磁気ヘツド取付孔に前記取付ブラケツトの一端側
をねじ止固定するようにし、前記ヘツド取付板の
前記磁気ヘツド取付孔に対向する部位に開口部を
設けてなることを特徴とするものである。

（作用） スペーサを、ヘツド取付板の一部を折り曲げて
なる折曲片にて構成したので、スペーサの製造作
業が容易で、しかもスペーサはヘツド取付板と一
体であるから組立時に該スペーサを押さえておく
必要がなくなり、従つて、組立作業性が良好とな
り、量産性が向上する。また、前記折曲片に設け
た磁気ヘツド取付孔に前記取付ブラケツトの一端
側をねじ止固定するようにし、前記ヘツド取付板
の前記磁気ヘツド取付孔に対向する部位に開口部
を設けたので、この開口部から前記ねじの下端ね
じ部にねじロツク用の接着剤を容易且つ確実に塗
布することができ、従つて、ねじロツク効果が高
くなる。

（実施例） 以下、本考案の各実施例を添付図面に基づき説
明する。

［第１実施例］ まず、第１図乃至第５図を基に本考案の第１実
施例を説明する。第１図は本実施例に係るヘツド
取付機構を備えたテープレコーダの平面図、第２
図は同底面図である。両図中、１０はシヤーシ
で、該シヤーシ１０の下面には、ヘツド取付板１
１が所定範囲移動自在に装着されている。

該ヘツド取付板１１は、第３図に示す如く一端
側が幅広で他端側が幅狭な平面略三角形状をなす
主板１１ａの一端側縁部に、直角上方に向けて側
壁部１１ｂを設けて成る。前記ヘツド取付板１１
の一端側上面には、磁気ヘツド（再生用）１２
と、ピンチローラ１３とがそれぞれ取り付けられ
ている。

前記磁気ヘツド１２は、その前面部がテープカ
セツト（図示省略）内のテープに接離するもの
で、第４図に示す如く、その後面部には、取付ブ
ラケツト１４が固定されている。

該取付ブラケツト１４の一端側は、前記ヘツド
取付板１１の側壁部１１ｂの上端縁略中間部に前
記主板１１ａと離間対向する如く直角内方に向け
て折曲形成された折曲片１５（従来のスペーサ部
材に相当するもの）のねじ孔（磁気ヘツド取付
孔）１６に、高さ位置を規定してねじ１７にて固
定されている。

また、前記取付ブラケツト１４の他端側は、ワ
ツシヤ１８及びコイル状のバネ１９を介して、前
記主板１１ａのねじ孔２０にアジマス調整（テー
プの走行軸線に対する磁気ヘツド１２の傾斜微調
整）可能にねじ２１にて固定されている。

前記主板１１ａには、第２図及び第５図に示す
如く、前記側壁部１１ｂをプレス加工する際の直
角精度を高めるための開口部２２が設けられてい
る。該開口部２２は、前記折曲片１５のねじ孔１
６と対向する位置に設けられている。該開口部２
２を介して前記ねじ１７の下端ねじ部に、ねじロ
ツクのための流動性のある速乾性の接着剤を塗布
することができる。

なお、この接着剤は、ねじ１７の頭部側に塗布
するより下端側ねじ部に塗布した方が、ねじロツ
ク効果は高いものである。

前記ピンチローラ１３は、前記シヤーシ１０の
上面に回転自在に支持されたキヤプスタン軸２３
に前記テープカセツト内のテープを介して接離す
るものである。このピンチローラ１３は、前記磁
気ヘツド１２の一側方に位置して前記ヘツド取付
板１１の主板１１ａの上面にねじ２４にて固定さ
れた弾性合成樹脂より成る取付ブラケツト２５の
上、下取付壁２５ａ，２５ｂ相互間に回転自在に
支持されている。

［第２実施例］ 第６図は本考案の第２実施例を示す第４図と同
状図である。本実施例は、ヘツド取付板１１′が
側壁部１１ｂを有していないと共に、折曲片１
５′を、磁気ヘツド１２のテープ接触面と直交す
る方向に向けて設けた点が、上述した第１実施例
と異なるものである。

本実施例の如く、折曲片１５′を磁気ヘツド１
２のテープ接触面と直交する方向に向けて設けた
ことにより、折曲片１５′は、磁気ヘツド１２の
前後方向の曲げに対して強くなり、該磁気ヘツド
１２のテープ接触面の位置の狂いが生じない。

なお、本実施例において、その他の構成は、第
１実施例と同一であるから、図面に同一符号を付
して、その説明を省略する。

（考案の効果） 上述した如く本考案のテープレコーダのヘツド
取付機構によれば、取付ブラケツトの一端側とヘ
ツド取付板との間に介装されるスペーサを、ヘツ
ド取付板の一部を折り曲げてなる折曲片にて構成
したから、軸長の異なる複数のスペーサを備える
必要がないと共に、その製作が容易であり、しか
も、前記スペーサはヘツド取付板と一体であるか
ら、従来のように組立時にスペーサを押さえてお
く必要がなくなり、従つて、作業性が良好になる
と共に、量産性が向上して、コストダウンを円滑
に図ることができる。

また、ヘツド取付板の折曲片に設けた磁気ヘツ
ド取付孔に対向する部位に開口部を設けたから、
この開口部からねじの下端ねじ部にねじロツク用
の接着剤を容易に塗布することができ、従つて、
接着剤によるねじロツク効果が高くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係るヘツド取付
機構を備えたテープレコーダの平面図、第２図は
同底面図、第３図は第１図のテープレコーダにお
けるヘツド取付板の斜視図、第４図は同ヘツド取
付板に対する磁気ヘツドの取付構造を示す分解斜
視図、第５図は同組立状態の断面図、第６図は本
考案の第２実施例を示す第４図と同状図、第７図
は従来例を示す第４図と同状図である。 １１……ヘツド取付板、１２……磁気ヘツド、
１４……取付ブラケツト、１５，１５′……折曲
片（スペーサ）、１６……ねじ孔（磁気ヘツド取
付孔）、１７……ねじ、２２……開口部、２４…
…ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 磁気ヘツド１２を固定した取付ブラケツト１
   ４の一端側を、ヘツド取付板１１上にスペーサ
   １５を介して高さ位置を規定してねじ止固定す
   ると共に、前記取付ブラケツト１４の他端側を
   前記ヘツド取付板１１上に高さ方向に移動自在
   にねじ止して前記磁気ヘツド１２をアジマス調
   整可能に取り付けてなるテープレコーダのヘツ
   ド取付機構において、 前記スペーサ１５を、前記ヘツド取付板１１
   の一部を折り曲げてなる折曲片により構成する
   と共に、この折曲片に設けた磁気ヘツド取付孔
   １６に前記取付ブラケツト１４の一端側をねじ
   止固定するようにし、前記ヘツド取付板１１の
   前記磁気ヘツド取付孔１６に対向する部位に開
   口部２２を設けてなることを特徴とするテープ
   レコーダのヘツド取付機構。 ２ 前記折曲片１５を前記磁気ヘツド１２のテー
   プ接触面と直交する方向に向けて設けたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のテープレコーダのヘツド取付機構。