JPH0524982A - ダイヤモンドの気相合成方法 - Google Patents
ダイヤモンドの気相合成方法Info
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- JPH0524982A JPH0524982A JP17534091A JP17534091A JPH0524982A JP H0524982 A JPH0524982 A JP H0524982A JP 17534091 A JP17534091 A JP 17534091A JP 17534091 A JP17534091 A JP 17534091A JP H0524982 A JPH0524982 A JP H0524982A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】直流アーク放電による気相合成方法において、
放電電力を安定化させることにより電極物資の混入のな
い良質なダイヤモンド膜を得る。 【構成】放電ガス6として水素を用いずアルゴンのみ用
い、水素は陽極ノズル部供給口5などから加えることに
より水素を熱的に励起、分解する。
放電電力を安定化させることにより電極物資の混入のな
い良質なダイヤモンド膜を得る。 【構成】放電ガス6として水素を用いずアルゴンのみ用
い、水素は陽極ノズル部供給口5などから加えることに
より水素を熱的に励起、分解する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンドの気相合
成方法に関し、より詳しくは良質のダイヤモンドを高速
で析出させることのできるダイヤモンドの気相合成方法
に関する。
成方法に関し、より詳しくは良質のダイヤモンドを高速
で析出させることのできるダイヤモンドの気相合成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドの気相合成法には各種ある
が、高い析出速度を目的とする熱プラズマCVD法が特
開昭62−158195号公報に記載されている。ま
た、上記熱プラズマCVD法のうち、直流を用いる場合
に限定した具体的方法として直流熱プラズマCVD法が
特開昭64−33096号公報等に記載されている。
が、高い析出速度を目的とする熱プラズマCVD法が特
開昭62−158195号公報に記載されている。ま
た、上記熱プラズマCVD法のうち、直流を用いる場合
に限定した具体的方法として直流熱プラズマCVD法が
特開昭64−33096号公報等に記載されている。
【0003】直流熱プラズマCVD法に用いる装置とし
ては、通常「松本精一郎:熱プラズマCVD法によるダ
イヤモンド合成、ニューダイヤモンド誌、第8号、VO
l.4、No.1、p26(1988)(ニューダイヤ
モンドフォーラム発行)」に記載されているものが用い
られる。この装置は、ノズル形の陽極をもつプラズマト
ーチと水冷した基板ホルダとを基本構成としている。そ
して、該プラズマトーチの両極間にアルゴンガス及び水
素ガスを供給して放電させ、メタンガスなどの炭化水素
ガスなどを該プラズマトーチのノズルの途中などから供
給してプラズマジェットを得、上記の水冷した基板ホル
ダに密着して設置した基板に該プラズマジェットを当て
ることにより、該基板上にダイヤモンドを析出させて合
成するものである。
ては、通常「松本精一郎:熱プラズマCVD法によるダ
イヤモンド合成、ニューダイヤモンド誌、第8号、VO
l.4、No.1、p26(1988)(ニューダイヤ
モンドフォーラム発行)」に記載されているものが用い
られる。この装置は、ノズル形の陽極をもつプラズマト
ーチと水冷した基板ホルダとを基本構成としている。そ
して、該プラズマトーチの両極間にアルゴンガス及び水
素ガスを供給して放電させ、メタンガスなどの炭化水素
ガスなどを該プラズマトーチのノズルの途中などから供
給してプラズマジェットを得、上記の水冷した基板ホル
ダに密着して設置した基板に該プラズマジェットを当て
ることにより、該基板上にダイヤモンドを析出させて合
成するものである。
【0004】直流熱プラズマCVD法の合成条件におい
て、重要なパラメータとしては、ガス組成、放電電力、
チャンバー内圧力、プラズマトーチと基板との距離及び
基板温度などがあり、良質なダイヤモンドを高速で合成
するために前記パラメータを最適化する必要がある。前
記パラメータは各々が独立ではなく互に影響しあってい
る。例えば、あるガス組成において放電電力やチャンバ
内圧力を変えると、プラズマジェットの長さが変るた
め、特定の冷却条件及び特定の位置における基板温度が
変化する。したがって、ダイヤモンド合成の際には、前
記パラメータを安定化させることが重要である。
て、重要なパラメータとしては、ガス組成、放電電力、
チャンバー内圧力、プラズマトーチと基板との距離及び
基板温度などがあり、良質なダイヤモンドを高速で合成
するために前記パラメータを最適化する必要がある。前
記パラメータは各々が独立ではなく互に影響しあってい
る。例えば、あるガス組成において放電電力やチャンバ
内圧力を変えると、プラズマジェットの長さが変るた
め、特定の冷却条件及び特定の位置における基板温度が
変化する。したがって、ダイヤモンド合成の際には、前
記パラメータを安定化させることが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の直流熱
プラズマCVD法によるダイヤモンド合成では、放電電
力が不安定になりやすいという問題があった。放電電力
の変動幅が大きいと電源の制御範囲を超え、放電が停止
したり電力が上昇して暴走状態となる。ただし、通常、
暴走状態となっても、安全装置によりプラズマトーチの
破壊を防ぐことができる。そして、放電電力の変動幅が
大きいとプラズマジェットが不安定となり、得られるダ
イヤモンドの品質が低下する。この問題は電力が小さい
ときよりも、ダイヤモンドの析出面積を大きくするなど
の目的で電力を大きくした場合の方が基板温度が変化し
やすいため起こりやすく、析出物の品質を低下させやす
い。
プラズマCVD法によるダイヤモンド合成では、放電電
力が不安定になりやすいという問題があった。放電電力
の変動幅が大きいと電源の制御範囲を超え、放電が停止
したり電力が上昇して暴走状態となる。ただし、通常、
暴走状態となっても、安全装置によりプラズマトーチの
破壊を防ぐことができる。そして、放電電力の変動幅が
大きいとプラズマジェットが不安定となり、得られるダ
イヤモンドの品質が低下する。この問題は電力が小さい
ときよりも、ダイヤモンドの析出面積を大きくするなど
の目的で電力を大きくした場合の方が基板温度が変化し
やすいため起こりやすく、析出物の品質を低下させやす
い。
【0006】また、放電電力が不安定であると、銅など
のプラズマトーチの電極材料が溶け出し、あるいは蒸発
して合成したダイヤモンド中に混入しやすくなる。この
ため、チャンバ内圧力を30torr以下として放電電
圧を安定化させる方法が特開平2−55296号公報に
提案されている。
のプラズマトーチの電極材料が溶け出し、あるいは蒸発
して合成したダイヤモンド中に混入しやすくなる。この
ため、チャンバ内圧力を30torr以下として放電電
圧を安定化させる方法が特開平2−55296号公報に
提案されている。
【0007】また、チャンバー内圧力を下げることなく
放電電圧を安定化できる方法として、プラズマトーチの
電極間に供給する、通常水素とアルゴンなどからなる2
種以上の放電ガスを予め完全に混合する方法が、本出願
人により特願平2−3060号に提案されている。
放電電圧を安定化できる方法として、プラズマトーチの
電極間に供給する、通常水素とアルゴンなどからなる2
種以上の放電ガスを予め完全に混合する方法が、本出願
人により特願平2−3060号に提案されている。
【0008】しかしながら、上記の方法では、いずれに
しても、アルゴンなどの不活性ガスより放電が難しい水
素を放電させるため、アルゴンなどの不活性ガスを放電
させる場合より放電電力が不安定になりやすいという問
題があった。
しても、アルゴンなどの不活性ガスより放電が難しい水
素を放電させるため、アルゴンなどの不活性ガスを放電
させる場合より放電電力が不安定になりやすいという問
題があった。
【0009】本発明は、上記の如き従来の課題に鑑みて
なされたもので、その目的とするところは、放電電力が
安定となり、電極材料の混入のない、良質のダイヤモン
ドを製造することができるダイヤモンドの気相合成方法
を提供しようとするものである。
なされたもので、その目的とするところは、放電電力が
安定となり、電極材料の混入のない、良質のダイヤモン
ドを製造することができるダイヤモンドの気相合成方法
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラズマトー
チが陽極と陰極を有し、該電極間の放電により該電極間
に供給されるガスをプラズマ化し、炭素源料を含むプラ
ズマジェットを得、このプラズマジェットを基板に当て
てダイヤモンドを合成する直流アーク放電による気相合
成方法において、電極間に供給する放電ガスとして、水
素を含まず、かつ、不活性ガスを含むガスを用い、しか
も、水素ガスを該放電ガスとは別に励起、分解すること
を特徴とするものである。
チが陽極と陰極を有し、該電極間の放電により該電極間
に供給されるガスをプラズマ化し、炭素源料を含むプラ
ズマジェットを得、このプラズマジェットを基板に当て
てダイヤモンドを合成する直流アーク放電による気相合
成方法において、電極間に供給する放電ガスとして、水
素を含まず、かつ、不活性ガスを含むガスを用い、しか
も、水素ガスを該放電ガスとは別に励起、分解すること
を特徴とするものである。
【0011】また、水素ガスを該放電ガスとは別に励
起、分解する1つの手段として、プラズマトーチ内部の
陽極ノズル部、またはプラズマトーチから発生させたプ
ラズマジェット部のうち、少なくとも一方に該水素ガス
を供給する。
起、分解する1つの手段として、プラズマトーチ内部の
陽極ノズル部、またはプラズマトーチから発生させたプ
ラズマジェット部のうち、少なくとも一方に該水素ガス
を供給する。
【0012】放電ガスとして用いる不活性ガスとして
は、アルゴンまたはヘリウムなどを単独で用いることが
好ましい。また、炭素原料ガスは、電極間、陽極ノズル
部、あるいはプラズマジェットの雰囲気の少なくとも一
つに供給することができる。炭素原料ガスとしては、メ
タン、エタンなどの炭化水素ガス、一酸化炭素、二酸化
炭素、あるいはアセトンやエタノールなどの酸素原子を
含む有機化合物などのうち、少なくとも一つを用いるこ
とができる。
は、アルゴンまたはヘリウムなどを単独で用いることが
好ましい。また、炭素原料ガスは、電極間、陽極ノズル
部、あるいはプラズマジェットの雰囲気の少なくとも一
つに供給することができる。炭素原料ガスとしては、メ
タン、エタンなどの炭化水素ガス、一酸化炭素、二酸化
炭素、あるいはアセトンやエタノールなどの酸素原子を
含む有機化合物などのうち、少なくとも一つを用いるこ
とができる。
【0013】また、プラズマジェットを当ててダイヤモ
ンドを合成する基板は、水冷された基板ホルダに密着し
て設置される。
ンドを合成する基板は、水冷された基板ホルダに密着し
て設置される。
【0014】本発明では、ガス組成、放電電力、チャン
バ内圧力、基板温度などの合成条件としては、通常の直
流熱プラズマCVD法と同様とすることができるが、水
素を効率良く励起、分解するためには、装置にもよる
が、放電電力は好ましくは5KW以上、より好ましくは
10KW以上にするのが良い。
バ内圧力、基板温度などの合成条件としては、通常の直
流熱プラズマCVD法と同様とすることができるが、水
素を効率良く励起、分解するためには、装置にもよる
が、放電電力は好ましくは5KW以上、より好ましくは
10KW以上にするのが良い。
【0015】
【作用】従来の直流熱プラズマCVD法では、アルゴン
などより放電が難しい水素を放電させるため、アルゴン
などを放電させる場合と比べて放電電力が不安定になり
やすかった。これに対し、本発明では、水素を放電させ
ず、アルゴンなどを放電させるので、放電電力が安定に
なる。一方、水素は、高温のアルゴンなどのプラズマ中
にプラズマトーチ内の陽極ノズル部やプラズマジェット
部において添加されることにより、熱的に励起、分解さ
れ、かつ、該プラズマにすみやかに混合される。したが
って、この結果得られるプラズマジェットは、水素とア
ルゴンなどを放電させた場合のプラズマジェットと基板
に到達するまでに同様の状態となり、同様にダイヤモン
ドが合成できる。水素および炭素源を熱的に励起、分解
してダイヤモンドを合成する方法としては、特公昭63
−53159号公報に記載されている熱フィラメント法
がよく知られている。
などより放電が難しい水素を放電させるため、アルゴン
などを放電させる場合と比べて放電電力が不安定になり
やすかった。これに対し、本発明では、水素を放電させ
ず、アルゴンなどを放電させるので、放電電力が安定に
なる。一方、水素は、高温のアルゴンなどのプラズマ中
にプラズマトーチ内の陽極ノズル部やプラズマジェット
部において添加されることにより、熱的に励起、分解さ
れ、かつ、該プラズマにすみやかに混合される。したが
って、この結果得られるプラズマジェットは、水素とア
ルゴンなどを放電させた場合のプラズマジェットと基板
に到達するまでに同様の状態となり、同様にダイヤモン
ドが合成できる。水素および炭素源を熱的に励起、分解
してダイヤモンドを合成する方法としては、特公昭63
−53159号公報に記載されている熱フィラメント法
がよく知られている。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 図1は本発明に用いる直流アーク放電によるダイヤモン
ドの気相合成装置を説明する概略図である。同図におい
て、13は真空チャンバで、真空チャンバ13内には、
陽極2および陰極3を有するプラズマトーチ1ととも
に、基板11が取り付けられた水冷基板ホルダ12が設
けられ、基板ホルダ12内には冷却水14が注入され
る。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 図1は本発明に用いる直流アーク放電によるダイヤモン
ドの気相合成装置を説明する概略図である。同図におい
て、13は真空チャンバで、真空チャンバ13内には、
陽極2および陰極3を有するプラズマトーチ1ととも
に、基板11が取り付けられた水冷基板ホルダ12が設
けられ、基板ホルダ12内には冷却水14が注入され
る。
【0017】また、4は放電ガス6が供給される放電ガ
ス供給口、5は陽極ノズル部供給ガス7が供給される陽
極ノズル部ガス供給口、8は直流電源、9はプラズマジ
ェット、11はダイヤモンド、15は排気ガスである。
ス供給口、5は陽極ノズル部供給ガス7が供給される陽
極ノズル部ガス供給口、8は直流電源、9はプラズマジ
ェット、11はダイヤモンド、15は排気ガスである。
【0018】本装置は一般に知られる装置と基本的には
同様であるが、ガス供給装置(図示しない)により放電
ガス6としてアルゴン、陽極ノズル部供給ガス7として
水素およびメタンを供給できるように作製した。
同様であるが、ガス供給装置(図示しない)により放電
ガス6としてアルゴン、陽極ノズル部供給ガス7として
水素およびメタンを供給できるように作製した。
【0019】この装置により以下の条件で合成を行っ
た。 (合成条件) 放電ガス:アルゴンガス451/分 陽極ノズル部供給ガス:水素ガス201/分、メタンガ
ス1.01/分 ガス流量制御:株式会社エステック社製マスフローコン
トローラ 放電電力:15KW 放電電圧:30V チャンバ内圧力:150torr プラズマトーチと基板との距離:66mm 基板:25mm×25mm×3mmモリブテン金属板、
株式会社ニラコ社製 合成時間:20分 上記の条件で合成した結果、放電電力の変動幅は±0.
3KWであった。基板上に得られた合成物の外観は白色
に近い灰色で光を良く反射し、直径約15mmの面積で
あった。これをX線回折、レーザラマン分光、およびS
EMを用いて評価したところ、全面積にわたり膜厚50
μmの立方晶ダイヤモンドの多結晶膜であることが確認
され、レーザラマン分光においてダイヤモンド以外のピ
ークがほとんどなく、得られたダイヤモンドは良質であ
ることがわかった。また、光学顕微鏡を用いてこの膜の
表面を観察したところ、金属などの混入は見られなかっ
た。さらに、この基板を浸漬した10mlの過硫酸アン
モニウム水溶液の一部をとり、原子吸光法を用いて調べ
たところ、銅は検出感度0.01ppm以下で検出され
なかった。 比較例 実施例で用いた装置と基本的には同様であるが、ガス供
給装置を変え、放電ガスとしてアルゴンガス451/
分,水素ガス201/分、陽極ノズル部供給ガスとして
メタンガス1.01/分、放電電圧73Vとしたこと以
外は実施例と同様の条件で合成を行った。この結果、放
電電力の変動幅は±1.9KWであった。また、基板上
に得られた合成物の外観および析出の面積は実施例と同
様であった。この合成物をX線回折、レーザラマン分
光、およびSEMを用いて評価したところ、析出の外周
数mmの膜厚が30μmに低下したこと以外は実施例と
同様に良質なダイヤモンドであることがわかった。ま
た、この膜の光学顕微鏡による表面観察の結果、金属と
思われる混入物が十数箇所見られた。さらに、実施例と
同様にして得た水溶液を原子吸光法を用いて調べたとこ
ろ、0.7ppmの銅が検出された。この銅は陽極材料
である銅が溶け出して膜に混入したと考えられる。
た。 (合成条件) 放電ガス:アルゴンガス451/分 陽極ノズル部供給ガス:水素ガス201/分、メタンガ
ス1.01/分 ガス流量制御:株式会社エステック社製マスフローコン
トローラ 放電電力:15KW 放電電圧:30V チャンバ内圧力:150torr プラズマトーチと基板との距離:66mm 基板:25mm×25mm×3mmモリブテン金属板、
株式会社ニラコ社製 合成時間:20分 上記の条件で合成した結果、放電電力の変動幅は±0.
3KWであった。基板上に得られた合成物の外観は白色
に近い灰色で光を良く反射し、直径約15mmの面積で
あった。これをX線回折、レーザラマン分光、およびS
EMを用いて評価したところ、全面積にわたり膜厚50
μmの立方晶ダイヤモンドの多結晶膜であることが確認
され、レーザラマン分光においてダイヤモンド以外のピ
ークがほとんどなく、得られたダイヤモンドは良質であ
ることがわかった。また、光学顕微鏡を用いてこの膜の
表面を観察したところ、金属などの混入は見られなかっ
た。さらに、この基板を浸漬した10mlの過硫酸アン
モニウム水溶液の一部をとり、原子吸光法を用いて調べ
たところ、銅は検出感度0.01ppm以下で検出され
なかった。 比較例 実施例で用いた装置と基本的には同様であるが、ガス供
給装置を変え、放電ガスとしてアルゴンガス451/
分,水素ガス201/分、陽極ノズル部供給ガスとして
メタンガス1.01/分、放電電圧73Vとしたこと以
外は実施例と同様の条件で合成を行った。この結果、放
電電力の変動幅は±1.9KWであった。また、基板上
に得られた合成物の外観および析出の面積は実施例と同
様であった。この合成物をX線回折、レーザラマン分
光、およびSEMを用いて評価したところ、析出の外周
数mmの膜厚が30μmに低下したこと以外は実施例と
同様に良質なダイヤモンドであることがわかった。ま
た、この膜の光学顕微鏡による表面観察の結果、金属と
思われる混入物が十数箇所見られた。さらに、実施例と
同様にして得た水溶液を原子吸光法を用いて調べたとこ
ろ、0.7ppmの銅が検出された。この銅は陽極材料
である銅が溶け出して膜に混入したと考えられる。
【0020】
【発明の効果】本発明のダイヤモンドの気相合成方法に
よると、放電電力が安定となり、電極材料などの混入の
ない良質のダイヤモンドを合成することができる。
よると、放電電力が安定となり、電極材料などの混入の
ない良質のダイヤモンドを合成することができる。
【図1】本発明の一実施例に係わる直流アーク放電によ
るダイヤモンド合成装置を示す断面図である。
るダイヤモンド合成装置を示す断面図である。
1 プラズマトーチ
2 陽極
3 陰極
4 放電ガス供給口
5 陽極ノズル部ガス供給口
6 放電ガス
7 陽極ノズル部供給ガス
8 直流電源
9 プラズマジェット
10 ダイヤモンド
11 基板
12 水冷基板ホルダ
13 真空チャンバ
14 冷却水
15 排気ガス
Claims (2)
- 【請求項1】 プラズマトーチが陽極および陰極を有
し、該両電極間に供給する放電ガスとして、水素を含ま
ずかつ不活性ガスを含むガスを用い、しかも、水素ガス
を該放電ガスとは別に励起、分解することを特徴とする
直流アーク放電によるダイヤモンドの気相合成法。 - 【請求項2】 水素ガスを励起、分解する手段が、プラ
ズマトーチ内部の陽極ノズル部またはプラズマトーチか
ら発生させたプラズマジェット部のうち、少なくとも一
方に該水素ガスを供給するものであることを特徴とする
請求項1記載のダイヤモンドの気相合成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17534091A JPH0524982A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | ダイヤモンドの気相合成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17534091A JPH0524982A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | ダイヤモンドの気相合成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0524982A true JPH0524982A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=15994355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17534091A Pending JPH0524982A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | ダイヤモンドの気相合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0524982A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5454450A (en) * | 1993-02-08 | 1995-10-03 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Wear detection probe with a wire falling out prevention member |
-
1991
- 1991-07-16 JP JP17534091A patent/JPH0524982A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5454450A (en) * | 1993-02-08 | 1995-10-03 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Wear detection probe with a wire falling out prevention member |
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