JPH0524898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、フイルム情報検出装置、特にフイル
ムパトローネ外周のフイルム情報パターンを検出
するフイルム情報検出装置に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、この種の装置は第５図に示すようなパト
ローネ１の外周に設けたパターン２の検出を行う
のに、１パターンの対し１接点を有するものと２
接点を有するものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 現状のパトローネ外周の情報パターンは基準パ
ターンに対する導通、非導通を検知するものであ
るが、表面状態の不安定さに起因し、パターンに
対し１接点のみでは正確な情報検出が困難であ
る。

前述の理由により１パターン１接点タイプは情
報検知の信頼性に欠ける。情報検知の信頼性を向
上するために１パターン２接点タイプが存在する
のであるが、これらは独立した接点機構が２倍と
なり、組立作業性の低下、コストアツプ等を余儀
なくされていた。また、独立した接点を２個設け
るためにはピツチ上の限界があり、パトローネの
位置ズレによる他パターンへの接点接触の危険も
有するものであつた。

本考案は、前述従来例の欠点を除去し、簡単な
機構でかつ信頼性の高いフイルム情報検出装置を
提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 前述の目的を達成するための本考案の構成を実
施例に対応する第１図及び第２図ａ，ｂを用いて
説明する。

本考案は、フイルムパトローネ１の外周のフイ
ルム情報パターンを検出するフイルム情報検出装
置において、該フイルムパトローネ１の外周に接
する接点部材５の接触面をリング状突起５ａで形
成したものである。更にコイル状のばね６は接点
部材５の中空内部にまで進入して、リング状突起
５ａの裏側のリング状窪み５ｄで位置決めされて
該接点部材５を押圧するようにしたものである。

〈作用〉 接点部材５はカメラ本体のパトローネ室内面よ
り突出するようにばねに付勢されて所定の位置に
取付けらているので、パトローネ室にフイルムパ
トローネ１を装填状態では第２図ａの横断面図及
び第２図ｂの縦断面図に示すように接点部材５の
リング状突起５ａとフイルムパトローネ１の外周
のフイルム情報パターン２との接点はP₁，P₂の
２点接触となる。

したがつて、フイルムパトローネ１の傾き等の
誤差要因やフイルム情報パターンの表面状態の不
安定による接触不良が発生しても、前述のように
P₁，P₂の２点接触を確実に保証でき、信号伝達
の信頼性を向上させることができる。

また、コイル状のばね６は接点部材５の中空内
部にまで進入して、リング状突起５ａの裏側のリ
ング状窪み５ｄ位置を押圧するようにしたので、
ばね６の有効長が長くとれ、装置をコンパクト化
したとしてもばね定数が小さくできるので、ばね
圧の安定化（一定化）が可能となる。したがつ
て、ばね圧が強すぎてフイルム情報パターンの表
面を傷付けてしまつたり、逆に接触圧が小さすぎ
て接触不良を起こすことが防げる。更に、コイル
状のばねの押圧部はリング状窪みによつて位置が
安定するので、圧縮された際にかたよつた変形を
して押圧方向や押圧位置が変化してしまう問題も
防止することができる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を第１図ないし第４図に
基づいて説明する。

フイルム情報検出装置は、保持枠３、接点保持
部材４、接点部材５、ばね６、ばね規制部材７、
フレキシブルプリント基板８及び保持板９がユニ
ツトになつて構成されている。

該保持枠３はその内面側がカメラ本体１１のパ
トローネ室の内面に合せて円弧面をなし、その中
間部には接点保持部材４の接点保持部４ａの嵌入
する摺動開口部３ａが設けられ、その外面側には
四隅に係合突起３ｂが、上下両辺に位置決めボス
３ｃがそれぞれ設けられている。該接点保持部材
４は絶縁材料から成り、その接点保持部４ａに複
数個（図示例では６個）の接点部材保持穴４ｂが
一列に配設されている。該接点部材５は金属板を
絞り加工したキヤツプ状になし、その先端部にほ
ぼＲ形状をもつリング状突起５ａ及び凹部５ｂを
有し、かつコイル状のばね６の入る中空部５ｃを
形成しており、複数個（図示例では６個）設けて
いる。なお、コイル状のばね６の押圧端は、接点
部材５のリング状突起５ａの裏側となるリング状
窪み５ｄを押圧するように設けられている。該ば
ね規制部材７は絶縁材料から成り、その上下両端
部に該保持枠３の位置決めボス３ｃと嵌合する位
置決め穴７ａと複数個（図示例では６個）のばね
規制穴７ｂが一列に配設されている。該フレキシ
ブルプリント基板８はその一端部にパターン部８
ａと一対の取付穴８ｂを有し、該一対の取付穴８
ｂが該保持板９の内面側の一端部に突設した一対
の突起９ａに位置決めされて該保持板９に接着さ
れている。該保持板９は金属薄板から成り、該突
起９ａは半抜き加工で形成され、その一端部の上
下両辺部には前記保持枠３の係合突起３ｂ及び位
置決めボス３ｃがそれぞれ係合する係合部９ｂ及
び位置決め穴９ｃが形成され、さらに上下両辺部
にはカメラ本体１１にビス１０により取付けるた
めのビス穴９ｄと該カメラ本体１１の位置決めボ
ス１１ａと係合する位置決め穴９ｅとが設けてあ
る。

そこで、このフイルム情報検出装置の組立構造
は、保持枠３の摺動開口部３ａに接点保持部材４
の接点保持部４ａを嵌め込み、その６つの接点部
材保持穴４ｂに接点部材５をそれぞれ挿入する。
次に、保持枠３の位置決めボス３ｃとばね規制部
材７の位置決め穴７ａを位置合わせしてばね規制
部材７を取付け、ばね規制部材７の６つのばね規
制穴７ｂを通して接点部材５の中空部５ｃにコイ
ル状のばね６をそれぞれ挿入。この場合ばね規制
部材７はその取付高さが保持枠３で規制される大
きさになつており、その板厚はばね６のピツチよ
り大きく設定されてばね規制穴７ｃにばね６が引
掛からないようにし、ばね６の長さは一端がばね
規制穴７ｃより外方に突出する長さにしてある。
次いで、フレキシブルプリント基板８を接着した
保持板９をその位置決め穴９ｃと保持枠３の位置
決めボス３ｃで位置決めして保持枠３に取付け
る。この場合ばね６は圧縮され、また保持枠３の
係合突起３ｂは保持板９の係合部９ｂとの当接に
より弾性変形しながら所定位置まで押込まれると
係合突起３ｂと係合部９ｂとの係合が完了してユ
ニツトとなる。このユニツトはその保持枠３をカ
メラ本体１１のパトローネ室の開口部１１ｂに嵌
合するよう装着し、かつカメラ本体１１の位置決
めボス１１ａと保持板９の位置決め穴９ｅで位置
決めしてビス１０でビス穴９ｄを通してカメラ本
体１１に固定して第１図に示すように組立完了す
る。

第１図に示すカメラ本体１１の取付け状態では
保持枠３に対し接点保持部材４は摺動可能であ
り、接点保持部材４に対し、接点部材５は摺動可
能であつて、接点保持部材４及び接点部材５はば
ね６によりカメラ本体１１のパトローネ室中心方
向に突出するよう付勢されており、ばね６は、そ
の一端は接点部材５の中空部５ｃのリング状窪み
５ｄに当接し、その径方向も所定隙間で位置決め
され、その他端はフレキシブルプリント基板８の
パターン部８ａに当接し、かつ保持板９の剛性で
保持され、径方向はばね規制部材７のばね規制穴
７ｂでずれ規制されている。

そこで、第３図に示すようにカメラ本体１１の
パトローネ室に第５図に示すフイルムパトローネ
１を装填した状態では、接点部材５はばね６の付
勢力に抗してフイルムパトローネ１のフイルム情
報パターン２の部分外周により押し込まれる。こ
のとき、接点保持部材４は、第１図のフイルムパ
トローネ非装填時において接点部材５の突出量を
規制するが、フイルムパトローネ装填時の接点部
材５への引掛りを防止するようになつている。そ
して接点保持部材４及び接点部材５は押し込まれ
て、それぞればね規制部材７に当接し、フレキシ
ブルプリント基板８に直接当接することによるパ
ターン部８ａの損傷等の危険が生ずることがな
い。さらに、ばね規制部材７のばね規制穴７ｂは
ばね６のパターン部８ａとの当接端部のずれ規制
効果を有するため、電気的導通の信頼性及び接点
部材５の動きの信頼性の上で有効である。また、
電気的導通系はフイルム情報パターン２→接点部
材５→ばね６→パターン部８ａと接続されて、所
要のフイルム情報信号が伝達される。

ここで、フイルムパトローネ１のフイルム情報
パターン２の部分と接点部材５の接触状態は第２
図ａ，ｂに示すように、接点部材５はその先端部
のリング状突起５ａの内面側にばね６が当接して
おり、リング状突起５ａとフイルム情報パターン
とは接点P₁，P₂の２点接触となつている。した
がつて、接点部材５と接点保持部材４の接点保持
部４ａにガタを持たせることによりフイルムパト
ローネ１の傾き等の誤差要因が発生しても接点
P₁，P₂の２点接触を確実に保証でき、また接点
部材５のリング状突起５ａがＲ形状をしているの
でフイルムパトローネ１のフイルム情報パターン
を傷付けることなく、信号伝達の信頼性を向上さ
せることが可能となる。また、コイル状のばね６
は接点部材５の中空内部にまで進入して、リング
状窪み５ｄを押圧するようにしたので、ばね６の
有効長が長くとれ、ばね定数（変位に対するばね
圧の変化）を小さくでき、ばね圧が大きくなりす
ぎてフイルム情報パターンを傷付けることが防止
でき、逆に接触圧が小さすぎて接触不良となるこ
とを防止できる。更に、コイル状のばね６の押圧
端はリング状窪み５ｄで位置決めされるので、圧
縮による位置ずれやかたよつた変形も防止でき、
常に安定した接触圧を与えることができる。

〈考案の効果〉 本考案は、以上説明したように接点部材の接触
端部にリング状突起を形成することによりフイル
ムパトローネの１フイルム情報パターンに対し２
点接触が可能となりかつその２点接触のピツチを
小さくすることができて位置ずれに対する許容範
囲が大きくなり、信頼性の高いフイルム情報検出
装置を簡単な構成で低コストに製作できる効果が
ある。また、接点部材を押圧するコイル状のばね
は有効長を長くとれてばね定数を小さくすること
ができ、更に押圧端はリング状窪みにより位置決
めされるので、圧縮による位置ずれやかたよつた
変形を防止でき、安定した接触圧を与えることが
できることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカメラのフイルム情報検
出装置の実施例の要部断面図、第２図ａ，ｂはそ
のフイルムパトローネ装填時の接点部材接触状態
の説明図で、ａは横断面図、ｂはａのＡ−Ａ線断
面図、第３図は同じくフイルムパトローネ装填時
の要部断面図、第４図はそのフイルム情報検出装
置の分解斜視図、第５図は本考案の使用対象とな
るフイルム情報パターンを有するフイルムパトロ
ーネの斜視図である。 １……フイルムパトローネ、２……フイルム情
報パターン、３……保持枠、４……接点保持部
材、５……接点部材、５ａ……リング状突起、５
ｂ……凹部、５ｃ……中空部、５ｄ……リング状
窪み、６……ばね、７……ばね規制部材、８……
フレキシブルプリント基板、９……保持板、１１
……カメラ本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルムパトローネ外周のフイルム情報パター
   ンを検出するフイルム情報検出装置において、フ
   イルムパトローネ外周に接する接点部材と、前記
   接点部材を前記フイルムパトローネ外周に対して
   押圧するコイルばねと、を有し、前記接点部材は
   接触部をリング状突起に形成するとともに内部を
   中空に形成し、前記コイルばねは一端が前記接点
   部材の中空内部まで進入して、前記接触部の裏側
   のリング状窪みで位置決めされて該接点部材を押
   圧するように形成したことを特徴とするフイルム
   情報検出装置。