JPH052482B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 合板基板上に、いわゆる突板と称される化粧単
板を接着した化粧合板であつて、その長手方向に
上に突出する反りを与える構成の化粧合板および
その化粧合板の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、基板として合板を選択し、該合板の表面
に、いわゆる突板と称される化粧単板を接着し、
化粧加工した合板は、天然木化粧合板又は単板オ
ーバーレイ合板とも呼ばれる化粧合板であつて、
建築物の内装壁材、床材、家具・木工製品の表面
材等として広く利用され、その合板基板上に化粧
単板を接着した化粧合板の構成及びその化粧合板
の製造方法は、普通に実施されているものであ
る。 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来普通に実施されている化粧合板の構成
およびその製造方法では、合板の縦方向すなわち
長手方向において第１図ａに示すように下に突出
する凹状の反りが出る欠点があり、このような向
きの反りは、該化粧板を例えば床板、内装壁材と
して使用する場合、基板上に連続して施工するの
がやりにくく、かつ、施工後平坦化しにくい等の
問題があつた。 これを解決するためには、本来、反りのない平
坦な化粧合板が製造できれば良いが、熱圧操作後
に水平平坦な化粧合板を製造しても平坦状態は一
時的なものにすぎず、環境の乾湿状態により、化
粧合板自体の木材含水量が変化し、収縮、膨張等
の作用が生じ、経時的に下に突出する凹状の反り
が出ることになる。 本願発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
決した化粧合板を提供することにある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、上記問題点を解決すべく研究を
重ねた結果、第１図ｂに示すような、その長手方
向において上に突出する凸状の反りを化粧合板に
与えると、上記問題が解決することを見出した。
そこで、この新知見に基づいて、さらに研究を重
ねた結果、化粧合板の構成を２枚の合板を積層接
着してなる２枚重の合板及びその裏面に接着され
た合板の中板と繊維方向を同じくする裏打ち単板
とすることにより、上記長手方向において上に突
出する凸状の反りを化粧合板が得られることに成
功し、本発明を完成するに至つたものである。 すなわち、本発明の化粧合板は、２枚の合板を
積層接着してなる２枚重ねの合板の表面に化粧単
板を、２枚重ね合板の裏面に合板の中板と繊維方
向を同じくする裏打ち単板を積層接着したことを
特徴とするものであり、本発明の化粧合板の製造
方法は、合板２枚を重ね、その裏面に合板の中板
と繊維方向を同じくする裏打ち単板を積層し、そ
れらを熱圧接着した後、該積層接着したものの表
面に化粧単板を積層し、熱圧接着することを特徴
とするものである。 なお、前記２枚重の合板を構成する各合板とし
ては、通常は、３プライ合板が用いられる。 〔作用〕 合板の表面に化粧単板を接着した化粧合板は通
常化粧単板は高含水率状態で熱圧接着するため、
化粧単板は膨張状態から熱圧による収縮状態、そ
の後の乾燥状態により経時的にも収縮状態に置か
れることになり、この収縮状態に起因して、第１
図ａに示すような下に突出する凹状の反りとなる
ものと考えられる。 本発明は、基板合板の中板の繊維方向と同じく
した裏打ち単板を基板合板の裏面に接着すること
により、裏打ち単板の熱圧接着および裏打ち単板
の裏割れの存在等による収縮作用に起因して、上
記化粧単板による表面収縮反り作用よりも強く化
粧合板の裏面において収縮反り作用が生じ、第１
図ｂおよび第２図に示すような上に突出する凸状
の反りを有する化粧合板になるものと考えられ
る。 〔実施例〕 第２図および第３図を参照しながら、本発明の
実施例を詳細に説明すると、本発明の化粧合板の
構成は、第２図に示されるように、２枚重ねた合
板１，２の表面に化粧単板４、裏面に合板１，２
の中板と繊維方向を同じくする裏打ち単板３を積
層接着した構成であり、２枚の合板１，２はそれ
ぞれ同厚、例えば2.5mmであつて、３プライ構成
の表裏単板が例えば、それぞれ0.65mm、中板は
1.2mm厚の単板からなる、ものを選択し、さらに
化粧単板４は0.2〜1.0mm厚の銘木からなるもので
あり、裏打ち単板３としては、上記合板１，２の
中板と同一厚みの1.2mmの単板を選択し、合板１，
２の中板と同一繊維方向で接着した構成である。 次に本発明の化粧合板の製造方法は、第３図
ａ，ｂに示されるように、ａおよびｂの二工程の
積層接着工程に大別さる。 まず、第３図ａに示されるように、３プライ構
成で、表裏単板、中板が同一厚さの２枚の合板
１，２を重ね、２枚の合板１，２の裏面に繊維方
向を合板１，２の中板と同じくして裏打ち単板３
を配置するが、それぞれの接着面には予めフエノ
ール樹脂、尿素樹脂やメラミン樹脂のアミノ系樹
脂等通常合板製造に使用している接着剤が塗布さ
れており、温度110〜140℃、圧締圧力４〜10Kg／
cm²、圧締時間２〜10分間の条件下で熱圧操作し、
２枚の合板１，２の裏面に繊維方向を合板の中板
と同じくした裏打ち単板３を積層接着したものを
製造し、次に第３図ｂに示される工程に移る。す
なわち、上記工程で積層接着したものの合板１表
面に、化粧単板４に裏打ち接着紙を介装するか又
はしないで、スチレンブタジエン系接着剤又は水
性ビニルウレタン樹脂接着剤等を塗布して、化粧
単板４を積層し、温度100〜140℃、圧締圧力４〜
10Kg／cm²、熱圧時間0.5〜５分間の熱圧操作によ
り、熱圧接着したものである。 このように、a2枚の合板と裏打ち単板の積層、
熱圧接着する工程とｂ，ａによつて積層接着され
たものの表面に化粧単板を熱圧接着する工程とを
先後の関係で分けた理由は、接着剤の種類、単
板、合板の積層する材料の厚み等に基づく熱圧条
件が相違するためであり、ｂ工程を先行すれば、
すなわち裏打ち単板の熱圧接着前に、化粧単板の
合板に対する熱圧接着を行えば、裏打ち単板の熱
圧接着時にもより熱圧条件が強い状態で再度化粧
単板の合板に対する熱圧操作が行われることにな
り、化粧単板の過乾状態等に起因して表面割れが
発生することも考えられるからである。そして、
その後の工程として必要ならば、例えば３尺×６
尺のものを適宜大きさ１尺幅で切断加工し、１尺
×６尺のものにし、実加工を施した後、表面塗装
加工する。また、上記実施例の２枚重ねの合板
１，２の総計厚み５mmと同一厚の３プライ又は５
プライの合板の裏面に1.2mm厚の裏打ち単板を接
着した合板を使用すれば、上記実施例の化粧合板
と略同一の構成となるが、これらのものでは長手
方向には、本発明の化粧合板と同様上に突出する
凸状の反りができるが、幅方向において下に突出
する凹状の反りが出たりし、不安定な状態となる
ため、上記１枚の合板のみを使用する例は実施の
範囲内となり得ないものである。 なお、本発明の実施例として使用される２枚重
ねの合板は、2.5mm厚で総計厚み５mmのものを示
したが、このものに限定されず、各合板の厚さが
５mm以上のものを示したが、このものに限定され
ず、各合板の厚さが５mm以上のものにも本発明は
適用でき、また、裏打ち単板の厚さも上記実施例
記載のものに限定されない。 実施例 １

【表】 上記の条件により、本発明の化粧合板を30枚製
造したが、すべて若干上に凸状の化粧合板であつ
た。 実施例 ２

〔発明の効果〕

本発明は、合板２枚を重ね、その裏面に繊維方
向を合板の中板と同じくした裏打ち単板を熱圧
し、積層接着してあるため、裏打ち単板の熱圧接
着および裏割れの存在等による収縮作用に起因し
て、化粧単板による表面収縮反り作用よりも強く
化粧合板の裏面において収縮反り作用が生じ、上
に突出する凸状の反りを有する化粧合板になるも
のであり、該上に突出する凸状の反りを有する化
粧合板は、例えば床板、内装壁材として使用する
場合でも、基板上に連接して施工するのが比較的
容易で、かつ、施工後平坦化しやすいものであ
る。 また合板２枚を重ね、その裏側に裏打ち単板を
熱圧接着した後に、該積層接着したものの表面に
化粧単板を積層し、熱圧接着したため、裏打ち単
板および化粧単板を同時に合板２枚重ねのものの
表裏に熱圧接着する方法又は、合板２枚にまず化
粧単板を熱圧接着し、後これらの積層接着したも
のの裏面に裏打ち単板を熱圧接着する方法に比較
し、化粧単板の表面割れの発生を防止した方法で
あるということができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは、従来の化粧合板の反りの状態
と本発明の化粧合板の反りの状態を示し、第２図
は本発明の化粧合板の構成の一例を示し、第３図
ａ，ｂは本発明の化粧合板の製造方法の一例を示
すものである。 １，２……合板、３……裏打ち単板、４……化
粧単板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２枚の合板を積層接着してなる２枚重ねの合
   板の表面に化粧単板を、また前記２枚重ね合板の
   裏面に合板の中板と繊維方向を同じくする裏打ち
   単板を積層接着したことを特徴とする化粧合板。 ２ ２枚重ねの合板がそれぞれ３プライ合板であ
   る請求項１記載の化粧合板。 ３ 合板２枚を重ね、その裏面に合板の中板と繊
   維方向を同じくする裏打ち単板を積層し、それら
   を熱圧接着した後、該積層接着したものの表面に
   化粧単板を積層し、熱圧接着することを特徴とす
   る化粧合板の製造方法。