JPH0524676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、一対のガイドローラと、そのガイ
ドローラ間において昇降可能に設けられたダンサ
ローラとでネガフイルム等の帯状物の移送方向を
変更すると同時に、帯状物にループを形成する搬
送帯状物のループ形成装置。

〔従来の技術およびその問題点〕

複数のネガフイルムをスプライスし、その一端
にリーダを接続し、このネガフイルム接続体をリ
ーダを先行してプリンタの露光部に導き、上記露
光部に設けた送り装置の作動によりネガフイルム
をコマ送りして連続的に露光処理することは従来
から普通に行なわれている。

露光処理後のネガフイルム接続体は、通常、オ
ーダ毎ならびに数駒分づつカツトされネガシート
の袋部に挿入される。その袋詰めに際し、所謂フ
イルムエンべロツパが使用される。このフイルム
エンベロツパにはネガフイルムを自動的に袋詰め
するものがあり、その自動フイルムエンべロツパ
を上記プリンタの露光部一側に配置して、上記露
光部の操作側に送り出されるネガフイルム接続体
を自動的に袋詰めしようとすると、露光部とエン
べロツパとの間において、ネガフイルム接続体の
搬送方向を変更し、かつループ部を形成する必要
が生じる。

ネガフイルム接続体等の帯状物の搬送方向を変
更する装置として、第３図に示したものがある。
この変更装置は、搬入ガイドローラ１０と搬出ガ
イドローラ１１とを相対的に傾斜させて設け、そ
の両ローラ１０，１１間の下方に回転可能な下部
ローラ１２を定置してあり、上記下部ローラ１２
を、水平線Ｘに対して角度α傾斜させてある。

上記変更装置において、ローラ１０，１１，１
２で帯状物Ａを案内することにより、その帯状物
Ａの移送方向を変更することができると共に、下
部ローラ１２の傾きによつて帯状物Ａの下部ロー
ラ１２に対する片当りがなく、帯状物Ａの幅方向
全体における張力分布を均一とすることができ
る。

ところで、上記変更装置の下部ローラ１２を昇
降可能に設けることにより、帯状物Ａの移送方向
の変更と同時に、帯状物Ａにループ部Ｂを形成す
ることができるが、この場合、下部ローラ１２の
位置によつて、帯状物Ａの幅方向一部が下部ロー
ラ１２の外周下部に片当りし、帯状物Ａの幅方向
全体において張力が不均一になり、帯状物が切れ
る危険がある。

したがつて、単に、下部ローラ１２を昇降可能
に支持するだけでは、帯状物の移送方向の変更と
同時にループを形成することができない。

〔考案の目的〕

この考案は、帯状物の移送方向の変更と同時に
ループ部を形成することができると共に、そのル
ープ部の幅方向における張力分布を常に均一にす
ることができるようにしたループ形成装置を提供
することを目的としている。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するために、この考案は、搬
入ガイドローラと搬出ガイドローラのそれぞれを
軸心を水平とし、かつ相対的に傾斜させて設け、
その両ガイドローラ間の下方にループ形成用のダ
ンサローラを昇降可能に、かつ左右方向に揺動可
能に設けた構成としたのである。

〔作用〕

上記のように構成すれば、各ローラに帯状物を
かけ渡すことにより、その帯状物の移送方向を変
更することができると共に、ダンサローラによつ
てループ部を形成することができる。このループ
部の幅方向における張力分布がダンサローラの上
下動によつて不均一になると、ダンサローラの軸
方向に片寄つた反力が作用する。その反力はダン
サローラの揺動調整力として作用するため、ダン
サローラは揺動し、安定位置に位置変化する。こ
の結果、帯状物の幅方向における張力分布を常に
均一化することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を第１図および第２図
に基づいて説明する。

図示のように、搬入ガイドローラ１と搬出ガイ
ドローラ２のそれぞれは軸心を水平として配置さ
れ、相対的に傾斜させて設けられている。この両
ガイドローラ１，２間の下方には、ダンサローラ
３が配置され、そのダンサローラ３のローラ軸４
を回動可能に支持するローラ支持部材５は、スラ
イドシヤフト６に沿つて昇降可能に、かつシヤフ
ト６を中心に回動可能に支持されている。

いま、帯状物Ａを搬入ガイドローラ１の外周上
部に沿わせて下方に導き、次にダンサローラ３の
外周下部に沿わせ、さらに搬出ガイドローラ２の
外周上部に沿わせて水平方向に引出すことによ
り、その帯状物Ａの移送方向を変更することがで
きると共に、搬入ガイドローラ１と搬出ガイドロ
ーラ２間において帯状物Ａにループ部Ｂを形成す
ることができる。

上記のような帯状物Ａのかけ渡し状態におい
て、搬入ガイドローラ１に至る帯状物Ａの搬入部
ａを前方に送り出すと、ダンサローラ３が下降
し、また、搬出ガイドローラ２から搬出される帯
状物Ａの搬出部ｂを引き取ることにより、ダンサ
ローラ３が引き上げられる。そのダンサローラ３
の上下動により、ループ部Ｂの長さが変化し、ダ
ンサローラ３の位置によつて、ループ部Ｂの幅方
向における張力分布が不均一になる。

このとき、ダンサローラ３の軸方向に片寄つた
位置に反力が作用するため、ダンサローラ３はス
ライドシヤフト６を中心に揺動し、上記反力を軸
方向の全体で均一に受ける位置まで揺動して停止
する。

このため、ループ部Ｂにおける幅方向の張力分
布を均一にすることができる。

実施例の場合は、スライドシヤフト６を中心に
ダンサローラ３を揺動可能に設けたが、ローラ支
持部材５に対してダンサローラ３を揺動可能に取
付けるようにしてもよい。

〔効果〕

以上のように、この考案は、搬入ガイドローラ
と搬出ガイドローラを相対的に傾斜させ、その両
ローラ間の下方に昇降可能なダンサローラを設け
たので、帯状物の移送方向の変更と同時に、ルー
プ部を形成することができる。

また、ダンサローラを左右方向に揺動可能に設
けたので、ダンサローラの位置により、ループ部
における幅方向の張力分布が不均一になると、ダ
ンサローラに作用する反力の片寄りが生じ、ダン
サローラに揺動調整力が作用する。その揺動調整
力によつてダンサローラが揺動して安定した位置
に変位するため、ループ部の幅方向における張力
分布を常に均一とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るループ形成装置の一
実施例を示す斜視図、第２図は同上の平面図、第
３図は従来の帯状物の移送方向変更装置を示す正
面図である。 １……搬入ガイドローラ、２……搬出ガイドロ
ーラ、３……ダンサローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬入ガイドローラと搬出ガイドローラのそれぞ
   れを軸心を水平とし、かつ相対的に傾斜させて設
   け、その両ガイドローラ間の下方にループ形成用
   のダンサローラを昇降可能に、かつ左右方向に揺
   動可能に設けた搬送帯状物のループ形成装置。