JPH05246093A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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Publication number
JPH05246093A
JPH05246093A JP4047241A JP4724192A JPH05246093A JP H05246093 A JPH05246093 A JP H05246093A JP 4047241 A JP4047241 A JP 4047241A JP 4724192 A JP4724192 A JP 4724192A JP H05246093 A JPH05246093 A JP H05246093A
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JP
Japan
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recording
gear
driving force
platen roller
motor
Prior art date
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Application number
JP4047241A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Shigemura
芳裕 茂村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録時間を短縮し、記録系と読取系の動作を
独立して行うことのできる、小型でかつ装置コストの低
い画像記録装置を提供する。 【構成】 プラテンローラ24、排紙ローラ26および
カッター25は1つの記録モータ30で駆動される。記
録モータ30が正転するとき、プラテンローラ24およ
び排紙ローラ26はそれぞれ正転し、記録モータ30が
逆転するとき、カッター25は駆動される。また、記録
モータ30が逆転し、カッター25は駆動し、記録紙を
切り終ってから待機位置まで戻る間の一定時間、プラテ
ンローラ24は逆転する。プラテンローラ24が逆転す
るとき、排紙ローラ26は正転し、プラテンローラ26
によって記録紙を巻き戻す動作と、切断された記録紙を
排紙する動作は同時に行われる。上述した記録系の動作
と読取系の動作は独立して行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール状の記録紙に画
像を記録し、画像記録後の記録紙を所定の長さに自動的
に切断し、切断後の記録紙を装置外へ排出する機能を持
った、主にファクシミリ装置でみられる画像記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】主にファクシミリ装置でみられる、ロー
ル紙を用いた画像記録装置は、サーマルヘッドにより記
録紙をプラテンローラに圧接させ画像を記録し、プラテ
ンローラにより記録紙を搬送して、カッターにより所定
の長さに切断した後、排紙ローラにより装置外に設けら
れた記録紙トレイなどへ排出されるものが一般的であっ
た。
【0003】従来、このような画像記録装置では、プラ
テンローラからカッターまでの間の記録紙の無駄をなく
すため、記録紙の切断後に記録紙の先端をカッターから
プラテンローラの位置まで戻し、次の記録に供するよう
にしている。そのため、記録駆動系において、プラテン
ローラ駆動用のモータと、排紙ローラおよびカッター駆
動用のモータ(以下、排紙・カッターモータ)の互いに
独立した2個のモータを設けていた。そして、排紙・カ
ッターモータが一方向に回転するとき、排紙ローラが回
転し、逆方向に回転するとき、カッターが動作するよう
に駆動の伝達を切換えるために、ワンウェイクラッチを
用いたり、揺動アームに取付けた歯車を用いたりして記
録駆動系が構成されるものであった(第1の従来例)。
【0004】このように構成された画像記録装置では、
図22にその動作を示すように、サーマルヘッドによる
画像記録中には、両方のモータを回転させることによ
り、プラテンローラと排紙ローラを正転させ、1ページ
分の記録が終了すると、プラテンローラと排紙ローラに
よって、記録紙の切断位置をカッターまで搬送する。そ
して、排紙・カッターモータを逆転させて、カッターに
より記録紙を切断し、その後、プラテンローラ駆動用の
モータを逆転させて、未記録の記録紙の先端をプラテン
ローラの位置まで後退させ、カッターが待機位置にまで
戻って停止した後、排紙・カッターモータを再び正転さ
せて、記録済みの記録紙を排紙ローラにより、記録紙ト
レイへ排出するようにしていた。また、複数ページの記
録を行う際には、前ページの排出が終了した後次ページ
の記録を行うのではなく、前ページの排出の開始と同時
に、プラテンローラも正転させて次ページの記録を開始
し、ページ間に多くの時間をとられないようにしたもの
であった。
【0005】一方、他のファクシミリ装置では、原稿の
読取系のローラ等を駆動するためのもう一つの読取用モ
ータが設けられている。この読取用モータと、プラテン
ローラと排紙ローラのみを駆動する記録用の2個のモー
タを設け、装置全体では合計2個のモータとしたものも
あった。このようなファクシミリ装置では、読取用モー
タの駆動の伝達を、正転と逆転で切り替えることによっ
て、正転するとき原稿の読取系に伝達し、逆転するとき
カッターに伝達するようにして、効率よくモータを用い
ているものもあった(第2の従来例)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例では、記録駆動系だけで2個のモータを設け
ねばならず、装置コストの上昇を招き、また装置内部に
モータのためのより多くのスペースを確保しなければな
らないために、装置の大型化を引き起すという問題点が
あった。また、記録時には、プラテンローラおよび排紙
ローラを互いに同期させて副走査用のステップ回転を行
わせる必要があるため、各モータの同期合わせやその制
御が複雑化するという問題点があった。さらに、最終ペ
ージの記録紙の排出のため、カッターが待機位置に戻っ
た後、排紙・カッターモータをもう一度正転させなけれ
ばならない。
【0007】一方、上記第2の従来例では、読取用モー
タをカッターの駆動用にも用いているため、読取と記録
の動作を同時に行うことができず、通信相手から送られ
てきた文書の記録中には、送信するための原稿を読取ら
せることができないという問題点があった。また、記録
紙を切断するときのみ原稿の読取を中断したとしても、
よけいに時間がかかり、そして装置全体の制御もより複
雑なものとなり、原稿の読取時間の短縮を目指したファ
クシミリ装置には適さないものであった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、装置コストの低減や装置の小型化を達成で
き、かつモータの同期合わせや制御が容易になり、記録
中でも原稿の読取動作が可能な画像記録装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】また、両従来例とも、プラテンローラ駆動
用のモータとプラテンローラは、歯車あるいはタイミン
グベルトとプーリ等によって直結されている。したがっ
て、プラテンローラが記録紙を搬送するためにモータが
正転するときと、記録紙先端をカッターから記録位置ま
で巻き戻すためにモータが逆転するときとは、モータか
らの駆動力は同一の経路でプラテンローラに伝達される
こととなり、モータの回転に対するプラテンローラの回
転の減速比は、正転時と逆転時で同一の値にしかでき
ず、記録開始から次ページの記録開始が可能となるまで
の時間が長くなるという問題点もある。
【0010】本発明は、上記目的に加えて、記録開始か
ら次ページの記録開始が可能となるまでの時間を短縮で
きる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、プラテンローラと、該プラテンローラ上で
記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段と、前記プ
ラテンローラの下流側に設けられた、前記記録紙を搬送
して装置から排出するための排紙ローラと、前記プラテ
ンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、かつ前記記
録紙を切断するためのカッターと、前記プラテンロー
ラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動するため
のモータと、前記カッターが待機位置にあるか否かを検
知するための検知手段と、前記モータの回転を制御する
制御手段とを有する画像記録装置において、前記プラテ
ンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動す
るためのモータは1つの記録モータで構成され、該記録
モータが第1の方向に回転(以下、正転という)すると
き、前記プラテンローラが前記記録紙を前記カッターの
方向へ搬送する方向に回転(以下、正転という)するよ
うに、前記記録モータの駆動力を前記プラテンローラに
伝達する第1の駆動力伝達手段と、前記記録モータが正
転するとき、前記排紙ローラが前記記録紙を装置外へ排
出する方向に回転(以下、正転という)するように、前
記記録モータの駆動力を前記排紙ローラに伝達する第2
の駆動力伝達手段と、前記記録モータが逆転するときの
み、前記記録モータの駆動力を前記カッターへ伝達する
第3の駆動力伝達手段と、前記記録モータが逆転し、前
記カッターが前記記録紙を切り終ってから待機位置まで
戻る間のある一定時間のみに、前記プラテンローラが逆
転するように、前記記録モータの駆動力を前記プラテン
ローラに伝達する第4の駆動力伝達手段と、前記記録モ
ータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段によって前記
プラテンローラが逆転しているときのみ、前記排紙ロー
ラが正転するように、前記記録モータの駆動力を前記排
紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段と、前記記録
モータを正転させて、1ページ分の画像の記録を終了
し、前記記録紙の切断位置を、前記カッターによる切断
位置まで搬送した後、前記カッターの待機位置を検知す
る検知手段によって前記カッターが待機位置に戻ること
を検知するまで前記記録モータを逆転し、引き続き記録
するページがある場合は、再び前記記録モータを正転さ
せ、記録するページがない場合には、前記記録モータの
動作を停止するように制御する制御手段とを有し、前記
第1の駆動力伝達手段は、記録モータとプラテンローラ
軸の間に介在し、前記記録モータが正転するときのみ前
記記録モータの駆動力をプラテンローラ軸に伝達し、逆
転するときには空転するような第1のワンウェイクラッ
チを有し、前記第2の駆動力伝達手段は、前記記録モー
タと排紙ローラ軸との間に介在し、前記記録モータが正
転するときのみ前記記録モータの駆動力を前記排紙ロー
ラ軸に伝達し、逆転するときには空転するような第2の
ワンウェイクラッチを有し、前記第3の駆動力伝達手段
は、前記記録モータとカッターとの間に介在し、前記記
録モータが逆転するときのみ前記記録モータの駆動力を
前記カッターに伝達し、前記記録モータが正転するとき
には空転するような第3のワンウェイクラッチを有し、
前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッターが一回の動
作を行う間に一回転し、前記カッターが前記記録紙を切
り終ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみ
に、前記プラテンローラ軸に駆動力を伝達するプラテン
ローラ駆動用歯車と噛合うように配置されて、前記プラ
テンローラが逆回転するように前記記録モータの駆動力
を伝達する、外周の一部だけに歯が切られたセクタ歯車
を有し、前記第5の駆動力伝達手段は、前記プラテンロ
ーラ駆動用歯車と噛合い、該プラテンローラ駆動用歯車
の軸を回転中心として該プラテンローラ駆動用歯車の回
転と一緒に揺動する揺動部材に取付けられ、前記プラテ
ンローラが逆転するときには、排紙ローラが正転するよ
うに前記排紙ローラに駆動力を伝達する排紙ローラ駆動
用歯車に噛合う位置に揺動し、前記プラテンローラが正
転するときには、前記排紙ローラ駆動用歯車と噛合わな
い位置まで揺動するように配置された揺動歯車を有し、
前記第1の駆動力伝達手段による前記記録モータに対す
るプラテンローラの減速比と、前記第4の駆動力伝達手
段による前記記録モータに対する前記プラテンローラの
減速比が等しいことを特徴とする。
【0012】また、プラテンローラと、該プラテンロー
ラ上で記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段と、
前記プラテンローラの下流側に設けられた、前記記録紙
を搬送して装置から排出するための排紙ローラと、前記
プラテンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、かつ
前記記録紙を切断するためのカッターと、前記プラテン
ローラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動する
ためのモータと、前記カッターが待機位置にあるか否か
を検知するための検知手段と、前記モータの回転を制御
する制御手段とを有する画像記録装置において、前記プ
ラテンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆
動するためのモータは1つの記録モータで構成され、該
記録モータが第1の方向に回転(以下、正転という)す
るとき、前記プラテンローラが前記記録紙を前記カッタ
ーの方向へ搬送する方向に回転(以下、正転という)す
るように、前記記録モータの駆動力を前記プラテンロー
ラに伝達する第1の駆動力伝達手段と、前記記録モータ
が正転するとき、前記排紙ローラが前記記録紙を装置外
へ排出する方向に回転(以下、正転という)するよう
に、前記記録モータの駆動力を前記排紙ローラに伝達す
る第2の駆動力伝達手段と、前記記録モータが逆転する
ときのみ、前記記録モータの駆動力を前記カッターへ伝
達する第3の駆動力伝達手段と、前記記録モータが逆転
し、前記カッターが前記記録紙を切り終ってから待機位
置まで戻る間のある一定時間のみに、前記プラテンロー
ラが逆転するように、前記記録モータの駆動力を前記プ
ラテンローラに伝達する第4の駆動力伝達手段と、前記
記録モータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段によっ
て前記プラテンローラが逆転しているときのみ、前記排
紙ローラが正転するように、前記記録モータの駆動力を
前記排紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段と、前
記記録モータを正転させて、1ページ分の画像の記録を
終了し、前記記録紙の切断位置を、前記カッターによる
切断位置まで搬送した後、前記カッターの待機位置を検
知する検知手段によって前記カッターが待機位置に戻る
ことを検知するまで前記記録モータを逆転し、引き続き
記録するページがある場合は、再び前記記録モータを正
転させ、記録するページがない場合には、前記記録モー
タの動作を停止するように制御する制御手段とを有し、
前記第1の駆動力伝達手段は、記録モータから駆動力を
伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転中心
としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付
けられ、かつ前記記録モータが正転するときにプラテン
ローラ軸が正転するように該プラテンローラ軸に駆動力
を伝達する第1のプラテンローラ駆動用歯車に噛合う位
置に揺動し、前記記録モータが逆転するときに前記プラ
テンローラ軸に駆動力を伝達する前記第1のプラテンロ
ーラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺動するように配
置された第1の揺動歯車を有し、前記第2の駆動力伝達
手段は、前記記録モータから駆動力を伝達された歯車と
常に噛合い、この歯車の軸を回転中心としてこの歯車の
回転と一緒に揺動する揺動部材に取付けられ、かつ前記
記録モータが正転するときに排紙ローラ軸が正転するよ
うに該排紙ローラ軸に駆動力を伝達する第1の排紙ロー
ラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動し、前記記録モータが
逆転するときに前記排紙ローラ軸に駆動力を伝達する前
記第1の排紙ローラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺
動するように配置された第2の揺動歯車を有し、前記第
3の駆動力伝達手段は、前記記録モータとカッターの間
に介在し、かつ前記記録モータが逆転するときのみ前記
記録モータの駆動力を前記カッターに伝達し、前記記録
モータが正転するときには空転するようなワンウェイク
ラッチを有し、前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッ
ターが一回動作する間に一回転し、前記カッターが前記
記録紙を切り終ってから待機位置まで戻る間のある一定
時間のみに、前記プラテンローラ軸に駆動力を伝達する
第2のプラテンローラ駆動用歯車と噛合うように配置さ
れて、前記プラテンローラが逆回転するように前記記録
モータの駆動力を伝達する、外周の一部だけに歯が切ら
れたセクタ歯車を有し、前記第5の駆動力伝達手段は、
前記第2のプラテンローラ駆動用歯車と噛合い、該第2
のプラテンローラ駆動用歯車の軸を回転中心として該第
2のプラテンローラ駆動用歯車の回転と一緒に揺動する
揺動部材に取付けられ、前記プラテンローラが逆転する
とき、排紙ローラが正転するように前記排紙ローラに駆
動力を伝達する第2の排紙ローラ駆動用歯車に噛合う位
置に揺動し、前記プラテンローラが正転するときは、前
記第2の排紙ローラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺
動するように配置された第3の揺動歯車を有し、前記第
1の駆動力伝達手段による記録モータに対するプラテン
ローラの回転速度比が、第4の駆動力伝達手段による前
記記録モータに対する前記プラテンローラの回転速度比
と等しいかまたは、第4の駆動力伝達手段による前記記
録モータに対する前記プラテンローラの回転速度比より
小さいことを特徴とする。
【0013】さらに、プラテンローラと、該プラテンロ
ーラ上で記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段
と、前記プラテンローラの下流側に設けられた、前記記
録紙を搬送して装置から排出するための排紙ローラと、
前記プラテンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、
かつ前記記録紙を切断するためのカッターと、前記プラ
テンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動
するためのモータと、前記カッターが待機位置にあるか
否かを検知するための検知手段と、前記モータの回転を
制御する制御手段とを有する画像記録装置において、前
記プラテンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッター
を駆動するためのモータは1つの記録モータで構成さ
れ、該記録モータが第1の方向に回転(以下、正転とい
う)するとき、前記プラテンローラが前記記録紙を前記
カッターの方向へ搬送する方向に回転(以下、正転とい
う)するように、前記記録モータの駆動力を前記プラテ
ンローラに伝達する第1の駆動力伝達手段と、前記記録
モータが正転するとき、前記排紙ローラが前記記録紙を
装置外へ排出する方向に回転(以下、正転という)する
ように、前記記録モータの駆動力を前記排紙ローラに伝
達する第2の駆動力伝達手段と、前記記録モータが逆転
するときのみ、前記記録モータの駆動力を前記カッター
へ伝達する第3の駆動力伝達手段と、前記記録モータが
逆転し、前記カッターが前記記録紙を切り終ってから待
機位置まで戻る間のある一定時間のみに、前記プラテン
ローラが逆転するように、前記記録モータの駆動力を前
記プラテンローラに伝達する第4の駆動力伝達手段と、
前記記録モータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段に
よって前記プラテンローラが逆転しているときのみ、前
記排紙ローラが正転するように、前記記録モータの駆動
力を前記排紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段
と、前記記録モータを正転させて、1ページ分の画像の
記録を終了し、前記記録紙の切断位置を、前記カッター
による切断位置まで搬送した後、前記カッターの待機位
置を検知する検知手段によって前記カッターが待機位置
に戻ることを検知するまで前記記録モータを逆転し、引
き続き記録するページがある場合は、再び前記記録モー
タを正転させ、記録するページがない場合には、前記記
録モータの動作を停止するように制御する制御手段とを
有し、前記第1の駆動力伝達手段は、記録モータから駆
動力を伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回
転中心としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材
に取付けられ、かつ前記記録モータが正転するときにプ
ラテンローラ軸が正転するように該プラテンローラ軸に
駆動力を伝達する第1のプラテンローラ駆動用歯車に噛
合う位置に揺動し、前記記録モータが逆転するときに前
記プラテンローラ軸に駆動力を伝達する前記第1のプラ
テンローラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺動するよ
うに配置された第1の揺動歯車を有し、前記第2の駆動
力伝達手段は、前記記録モータから駆動力を伝達された
歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転中心としてこの
歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付けられ、か
つ前記記録モータが正転するときに排紙ローラ軸が正転
するように該排紙ローラ軸に駆動力を伝達する第1の排
紙ローラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動し、前記記録モ
ータが逆転するときに前記排紙ローラ軸に駆動力を伝達
する前記第1の排紙ローラ駆動用歯車と噛合わない位置
まで揺動するように配置された第2の揺動歯車を有し、
前記第3の駆動力伝達手段は、前記記録モータから駆動
力を伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転
中心としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に
取付けられ、かつ前記記録モータが逆転するとき、前記
カッターに駆動力を伝達するカッター駆動用歯車に噛合
う位置に揺動し、前記記録モータが正転するとき、前記
カッターに駆動力を伝達する前記カッター駆動用歯車と
噛合わない位置まで揺動するように配置された第3の揺
動歯車を有し、前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッ
ターが一回動作する間に一回転し、前記カッターが前記
記録紙を切り終ってから待機位置まで戻る間のある一定
時間のみに、前記プラテンローラ軸に駆動力を伝達する
第2のプラテンローラ駆動用歯車と噛合うように配置さ
れて、前記プラテンローラが逆回転するように前記記録
モータの駆動力を伝達する、外周の一部だけに歯が切ら
れたセクタ歯車を有し、前記第5の駆動力伝達手段は、
前記第2のプラテンローラ駆動用歯車と噛合い、該第2
のプラテンローラ駆動用歯車の軸を回転中心として該第
2のプラテンローラ駆動用歯車の回転と一緒に揺動する
揺動部材に取付けられ、前記プラテンローラが逆転する
とき、前記排紙ローラが正転するように前記排紙ローラ
に駆動力を伝達する第2の排紙ローラ駆動用歯車に噛合
う位置に揺動し、前記プラテンローラが正転するとき
は、前記第2の排紙ローラ駆動用歯車と噛合わない位置
まで揺動するように配置された第4の揺動歯車を有し、
前記第1の駆動力伝達手段による記録モータに対するプ
ラテンローラの回転速度比が、第4の駆動力伝達手段に
よる前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転
速度比と等しいかまたは、第4の駆動力伝達手段による
前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転速度
比より小さいことを特徴とする。
【0014】また、第1の揺動歯車と第2の揺動歯車が
同一のものとしたり、第1の揺動歯車と第2の揺動歯車
が同一で、第3の揺動歯車が、第1および第2の揺動歯
車と同軸であるものとすることができる。
【0015】さらに、第4の駆動力伝達手段の一つであ
る外周の一部だけに歯が切られたセクタ歯車の歯数によ
って、プラテンローラ上の記録位置からカッターによる
切断位置までの距離が決定されるものや、第5の駆動力
伝達手段によって、排紙ローラが駆動され、それにより
記録紙を搬送する量が、カッターによる切断位置から排
紙ローラの位置までの距離より長くなるように、排紙ロ
ーラの位置が決定されるものとすることができる。
【0016】
【作用】上記のとおり構成された本発明では、先ず、記
録モータが正転すると、この記録モータの駆動力は、第
1の駆動力伝達手段および第2の駆動力伝達手段をそれ
ぞれ介してプラテンローラおよび排紙ローラに伝達さ
れ、プラテンローラおよび排紙ローラは記録紙を搬送す
る方向にそれぞれ正転する。記録紙は搬送される際、所
定の画像記録手段により画像が形成され、このとき、カ
ッターは駆動されない。
【0017】記録終了後、記録モータの正転は継続さ
れ、記録紙の切断すべき部位がカッターによる切断位置
に達したら、記録モータを逆転させる。
【0018】記録モータの駆動力は第3の駆動力伝達手
段を介してカッターに伝達され、記録紙の切断すべき部
位はカッターにより切断される。この記録モータの逆転
が継続され、記録紙の切断終了からカッターが待機位置
に戻る間の一定時間に、記録モータの駆動力は、第4の
駆動力伝達手段を介してプラテンローラへ、第5の駆動
力伝達手段を介して排紙ローラへそれぞれ伝達され、プ
ラテンローラおよび排紙ローラはそれぞれ逆転,正転す
る。これにより、切断された記録紙の先端をカッターの
位置からプラテンローラの方へ巻戻す動作と、切断され
た記録紙を排紙する動作は同時に行われる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (第1の実施例)図1は本発明の画像記録装置を実施し
たファクシミリ装置の外観斜視図であり、図2はその主
要断面図である。
【0020】まず、図1と図2を参照し、ファクシミリ
装置の概略構成を説明する。
【0021】装置本体1の上面右側に、原稿(不図示)
を複数枚積載することができる原稿積載台2が設けられ
ており、その左側には操作部3、この操作部3の下部に
は原稿を自動的に搬送し、画像を読取る画像読取系4が
それぞれ設けられている。さらに、原稿積載台2の下部
には、ロール状の感熱紙からなる記録紙5、記録紙5の
左側で画像読取系4の下側に、記録系6がそれぞれ配置
される。そして、装置右側に電源7、底部にメイン基板
8、奥側にハンドセット9、左側に原稿排紙トレイ10
と記録紙排紙トレイ11がそれぞれ設けられている。
【0022】次に、記録系6の概略の構成とその動作に
ついて説明する。
【0023】図2に示すように、サーマルヘッド21
は、一端をサーマルヘッド支持部20に回動自在に支持
されたサーマルヘッドホルダー22に取付けられ、この
サーマルヘッド21はサーマルヘッド押圧ばね23によ
って、記録紙5をプラテンローラ24に圧接し、メイン
基板8からの指示により記録紙5に画像を記録する。プ
ラテンローラ24は詳しくは後述するが、図2では図示
しない記録モータにより駆動され、記録紙5を搬送す
る。記録紙5は、1ページ分の画像が記録されると、こ
のページの後端をカッター25のカット位置まで、プラ
テンローラ24と排紙ローラ26とによって搬送され、
カッター25により切断される。切断後の記録紙5は、
排紙ローラ26と排紙コロ27とに挟まれて、記録紙排
紙トレイ11上に排出される。これと同時に未記録の記
録紙5の先端は、プラテンローラ24が逆転することに
よってプラテンローラ24の位置まで引戻され、次の記
録に備える。また、記録紙5は、プラテンローラ24の
手前でサーマルヘッド支持部20に当らないように、ガ
イドシャフト28によってガイドされる。
【0024】次に、図3から図6によって、本発明に係
るファクシミリ装置の、記録系6の詳細な構造について
説明する。図3は図2に示した記録系6のサーマルヘッ
ド21と、排紙コロ27を除いた主要部品を示す平面
図、図4は図3の平面図の矢印A方向からみた側面図、
図5は図3の平面図の矢印B方向からみた側面図、図6
は図5で示した部分の一部の歯車を省略した斜視図であ
る。なお、図中の歯車はすべてモジュールm=0.8で
ある。
【0025】まず、図3に示すように、記録系6では、
モータとしては記録モータ30ただ一つだけ用い、この
記録モータ30は、図示しないフレームに固定され、そ
の出力軸にはモータギア30a(歯数Z30a =15)が
取付けられている。図4では簡単化のため、記録モータ
30は省略し、モータギア30aのみ示してある。ま
た、プラテンローラ24、排紙ローラ26はそれぞれプ
ラテンローラ軸33、排紙ローラ軸34に取付けられて
おり、これらの軸33,34は、2つの軸受33c,3
3h、および2つの軸受34c,34dを介して、フレ
ームの一部を構成する後側板29aと前側板29bとに
取付けられている。なお、図4〜図6では、軸受と両側
板は省略している。
【0026】以下、特許請求の範囲の請求項1で記述し
た、第1の駆動力伝達手段から第5の駆動力伝達手段ま
で、これらの構造について、順に説明していく。 <第1の駆動力伝達手段>図3と図4に示すように、モ
ータギア30aは、後側板29aに固定された軸31に
回転自在に取付けられた歯車31a(歯数Z31a =5
5)と噛合い、記録モータ30からの駆動力を伝達す
る。そして、歯車31b(歯数Z31b =20)は、歯車
31aと一体に形成されており、かつ後述する第1のば
ねクラッチ33bを介してプラテンローラ軸33に連結
されている歯車33a(歯数Z33a =55)と噛合って
いる。この第1のばねクラッチ33bは、歯車33aが
回転したとき、プラテンローラ軸33が矢印f方向に回
転するように駆動力を伝達するが、逆向きには駆動力を
伝達しないように、巻方向が定められている。
【0027】以上の構成からなる第1の駆動力伝達手段
による記録モータ30に対するプラテンローラ24の減
速比Rp は、 Rp =(Z31a /Z30a )×(Z33a /Z31b ) =(55/15)×(55/20) ≒10.0833 となる。 <第2の駆動力伝達手段>また、歯車31bは、後述す
る第2のばねクラッチ34bを介して排紙ローラ軸34
に連結されている歯車34a(歯数Z34a =31)にも
噛合っている。この第2のばねクラッチ34bは、歯車
34aが回転したとき、排紙ローラ軸34が矢印c方向
に回転するように駆動力を伝達するが、逆向きには駆動
力を伝達しないように、巻方向が定められている。 <第3の駆動力伝達手段>一方、モータギア30aは、
2つの軸受32c,32dを介して後側板29aと前側
板29bの間に渡って取付けられている駆動力伝達軸3
2に、第3のばねクラッチ32bを介して連結されてい
る歯車32a(歯数Z32a =55)とも、噛合ってい
る。ここで、第3のばねクラッチ32bは、歯車32a
が回転したとき、駆動力伝達軸32が矢印d方向に回転
するように駆動力を伝達するが、逆向きには駆動力を伝
達しないように、巻方向が定められている。そして、駆
動力伝達軸32の前側板29b側の端部には、歯車32
e(歯数Z32e =20)が固定され、この歯車32e
は、前側板29bに固定された軸37に回転自在に取付
けられた歯車37a(歯数Z37a =36)と噛合ってい
る。また、歯車37aは、前側板29bに固定された軸
38に回転自在に取付けられた歯車38a(歯数Z 38a
=41)と噛合っている。そして、図6および図7で示
すように、歯車38aと一体に形成されたセクタ歯車3
8bの側面で、回転中心から10mm離れた位置に、ク
ランク軸39が一体的に突設されている。歯車38aに
ついては後で詳しく述べる。さらに、クランク軸39に
はクランクアーム40の一端が取付けられ、このクラン
クアーム40の他端はカッターアーム41と連結され、
カッターアーム41は後述するカッター25に連結され
ている。
【0028】つぎに、カッター25の構造について説明
する。カッター25は、図6で示すように、主に上刃2
5aと下刃25bからなる。上刃25aの一端部に設け
られた回転軸25dにはねじりコイルバネ25eが巻か
れ、この回転軸25dの端部がカッター側板25cに回
転自在に支持されている。そして、上刃25aはねじり
コイルバネ25eによって、時計回りに回転するように
付勢されている。また、上刃25aと下刃25bの間の
通紙部25gの端の部分に、上刃25aのストッパー2
5fが上刃25aと一体に形成されており、このストッ
パー25fが下刃25bと当って上刃25aの回転が止
められている。下刃25bの端部にも回転軸25iが設
けられ、カッター側板25cに回転自在に支持されてい
る。さらに、回転軸25iの先端には、カッターアーム
41がはめ込まれ、その回転中心となっている。また、
下刃25bの端部にはもう一つの軸25jが設けられ、
この軸25jは、カッター側板25cに開けられた穴2
5hを貫通して、カッターアーム41に設けられた穴に
はめ合わされている。そして、カッターアーム41の下
側には、図示しないマイクロスイッチによるカッターホ
ームポジション検知センサが設けられており、このカッ
ターホームポジション検知センサは、カッター25が図
6で示すような待機位置にあるか否かを検知する。 <第4の駆動力伝達手段>セクタ歯車38bは、図7に
示すように、モジュールm=0.8、歯数Z38b=41
の歯車から、符号Cで示す領域の歯を25枚取り去っ
て、符号Dで示す領域の16枚の歯だけ残されたように
形成されている。そして、歯車38bは、一回転する間
に、前側板29b側でプラテンローラ軸33の端部に固
定されているプラテンローラ駆動用歯車33d(歯数Z
33d =55)と前記16枚の歯が噛合うように配置され
ている。
【0029】以上の構成からなる第3,4の駆動力伝達
手段による記録モータ30に対するプラテンローラ24
の減速比Rp ′は、 Rp ′= (Z32a /Z30a )×(Z37a /Z32e )×(Z38a /Z37a ) ×(Z33d /Z38b ) = (55/15)×(36/20)×(41/36) ×(55/41) = (55/15)×(55/20) ≒10.0833 となる。これは、第1の駆動力伝達手段による記録モー
タ30に対するプラテンローラ24の減速比Rp と等し
い。このように、第3,4の駆動力伝達手段の各歯車の
歯数は決定してある。
【0030】セクタ歯車38bの軸38への取付け方
は、カッター25が待機位置にあるときに、図5で示す
ように、セクタ歯車38bの16枚の歯が、プラテンロ
ーラ駆動用歯車33dとセクタ歯車38bが噛合う位置
から、セクタ歯車38bが回転する矢印e方向に、少し
だけずれた位置にくるような取付け方になっており、セ
クタ歯車38bがこの回転位置にあるときにはプラテン
ローラ駆動用歯車33dが回転しても、これら2つの歯
車38b,33dは噛合わない。そして、この時、クラ
ンク軸39は、カッターアーム41とクランクアーム4
0の連結位置からもっとも離れた位置(下死点)にくる
ように、その位置が決定される。 <第5の駆動力伝達手段>プラテンローラ軸33には、
プラテンローラ駆動用歯車33dの回転と一緒に揺動す
る揺動部材33fの一端部が設けられ、この揺動部材3
3fの他端部上の軸33gに、プラテンローラ軸33に
固定された前記プラテンローラ駆動用歯車33dと噛合
うように揺動歯車33e(歯数Z33e =20)が配置さ
れている。この揺動歯車33eは、プラテンローラ駆動
用歯車33dが矢印h方向に回転すると、揺動部材33
fと共に矢印h方向に揺動し、前側板29bに固定され
た軸42に取付けられている排紙ローラ駆動用歯車42
b(歯数Z42b =20)と噛合うように配置されてい
る。そして、歯車42a(歯数Z42a =55)は、排紙
ローラ駆動用歯車42bと一体に形成されており、排紙
ローラ軸34に固定された歯車34e(歯数Z34e =3
1)と、噛合うように配置されている。なお、図中には
示してないが、プラテンローラ駆動用歯車33dが矢印
hと逆の向きの矢印h′方向に回転するとき、揺動部材
33fが、図5で示す位置より矢印h′方向に揺動しな
いように、ストッパー部材が設けられている。
【0031】記録モータ30は図示しない制御手段によ
って駆動制御され、この制御手段は、記録モータ30を
正転させて、1ページ分の画像の記録を終了し、記録紙
5の切断位置を、カッター25による切断位置まで搬送
した後、カッター25の待機位置を検知するカッターホ
ームポジション検知センサによってカッター25が待機
位置に戻ることを検知するまで記録モータ30を逆転
し、引き続き記録するページがある場合は、再び記録モ
ータ30を正転させ、記録するページがない場合には、
記録モータ30の動作を停止するように制御する。
【0032】つぎに、この記録系6の詳細な動作につい
て説明する。
【0033】まず、記録モータ30が正転(矢印a方向
に回転)して、モータギア30aが矢印a方向に回転す
るときの動作について説明する。
【0034】モータギア30aが矢印a方向に回転する
と、モータギア30aが噛合っている歯車31aおよび
歯車32aに駆動力が伝達され、歯車31aは矢印b方
向に回転し、歯車32aは矢印d′方向に回転する。そ
うすると、歯車31aと一体に形成されている歯車31
bは、歯車31aと同じ回転数で矢印b方向に回転す
る。そして、歯車31bは、歯車34aと歯車33aに
噛合っているので、歯車34aは矢印c方向に回転を始
め、歯車33aは矢印f方向に回転を始める。そうする
と、歯車34aと排紙ローラ軸34を連結している第2
のばねクラッチ34bは、歯車34aの回転によって締
付けられ、排紙ローラ軸34は、歯車34aから第2の
ばねクラッチ34bを介して記録モータ30の駆動力を
伝達され、歯車34aと同じ回転数で回転し、それによ
って、排紙ローラ26は記録紙を搬送する方向に回転を
始める。また、歯車33aの回転により第1のばねクラ
ッチ33bは締付けられ、プラテンローラ軸33は、歯
車33aから記録モータ30の駆動力を伝達され、歯車
33aと同じ回転数で矢印f方向に回転し、それによっ
て、プラテンローラ24は記録紙を搬送する方向に回転
する。一方、歯車32aと駆動力伝達軸32を連結して
いる第3のばねクラッチ32bは、歯車32aの回転に
よって緩められ、駆動力伝達軸32には記録モータ30
からの駆動力は伝達されない。
【0035】また、プラテンローラ軸33の前側板29
b側に固定されているプラテンローラ駆動用歯車33d
も、矢印h′方向に回転する。これによって、揺動部材
33fも矢印h′方向に回転しようとするが、前述した
ように、図示しないストッパー部材により、揺動部材3
3fは矢印h′方向の回転を阻止され、図5で示す位置
で静止している。ただし、歯車33eは、プラテンロー
ラ駆動用歯車33dから駆動力を伝達されて回転する
が、歯車33eはプラテンローラ駆動用歯車33d以外
の歯車とは噛合わない。また、セクタ歯車38bは、図
5で示すように、プラテンローラ駆動用歯車33dと噛
合う位置には、歯のない部分がきており、プラテンロー
ラ駆動用歯車33dとセクタ歯車38bは噛合わない。
さらに、駆動力伝達軸32からカッター25へは駆動力
は伝達されてこないため、カッター25は駆動されな
い。そして、排紙ローラ軸34に固定された歯車34e
は、排紙ローラ26の回転と同じように回転して、歯車
34eと噛合っている歯車42a、それと一体の排紙ロ
ーラ駆動用歯車42bへ駆動力を伝達するが、歯車33
eは、図5で示す位置にあるため、同じ方向に回転する
排紙ローラ駆動用歯車42bの歯と、歯車33eの歯が
ぶつかることはない。
【0036】以上のように、記録モータ30が、矢印a
方向に回転したときには、プラテンローラ24と排紙ロ
ーラ26は、記録紙を搬送する方向に回転し、カッター
25は駆動されない。
【0037】ここで、本実施例における、プラテンロー
ラ24と排紙ローラ26が記録紙を搬送するときの搬送
量およびそれぞれのローラ径を計算しておく。
【0038】プラテンローラ24が正転するときの減速
比Rp は、前に計算したように Rp ≒10.0833 である。
【0039】排紙ローラ26の減速比Rh は、 Rh =(Z31a /Z30a )×(Z34a /Z31b ) =(55/15)×(31/20) ≒5.6833 である。
【0040】本実施例のファクシミリ装置は、GIVファ
クシミリであり、記録紙の搬送方向(副走査方向)の記
録解像度は、400dpi(dots/inch)であ
る。したがって、1ドットの副走査方向の長さL0 は、 L0 =25.4/400 =0.0635(mm) となる。
【0041】記録モータ30は、ステップ角7.5°、
2相のPM型ステッピングモータで、1−2相駆動で動
作させるので、記録モータ30の回転時の最小ステップ
角度θ0 は、 θ0 =7.5°/2 =3.75° となる。
【0042】したがって、プラテンローラ24の直径d
p は、プラテンローラ24の最小ステップ角度θp0〔r
ad〕によって、次の式より求められる。
【0043】L0 =(dp /2)×θp0 ここで、θp0=(θ0 ×π/180°)/Rp であ
る。
【0044】∴dp =2×L0 /θp0 ={2×L0 /(θ0 ×π/180°)}×Rp ≒19.565(mm) しかし、プラテンローラ24の直径dp を実際にこの寸
法で製造して、画像の記録を行うと、プラテンローラ2
4の表面の変形や、記録紙を搬送するための負荷によっ
て、記録紙の搬送量が減り、画像の縮みが生じる。した
がって、プラテンローラ24の直径dp の設計値は、計
算値より少し大きい値で次のように決定する。
【0045】dp =19.60±0.05(mm) また、画像記録時には、記録モータ30を400pps
(pulses/sec)で駆動するので、プラテンロ
ーラ24によって、記録紙が1秒間に搬送される長さL
1 は、画像の伸縮がないとすると次のようになる。
【0046】L1 =L0 ×400 =25.40(mm) これにより、プラテンローラ24と、排紙ローラ26の
間で記録紙がたわまないようにするために、排紙ローラ
26が1秒間に記録紙を搬送する長さを、プラテンロー
ラ24が搬送する長さより、わずかに大きくして、2
5.42mmと設定すると、排紙ローラ26の直径dh
と、排紙ローラ角回転速度ωh の関係は次のようにな
る。
【0047】dh /2×ωh =25.42 ここで、排紙ローラ角回転速度ωh は ωh =(3.75°×400×π/180°)/Rh ≒4.6064(rad/s) したがって、dh ≒11.037(mm) プラテンローラ24と同様に、設計値はわずかに大きく
して dh =11.10±0.05(mm) とする。
【0048】つぎに、記録モータ30が逆転して、モー
タギア30aが矢印a′方向に回転するときの動作につ
いて説明する。
【0049】モータギア30aが矢印a′方向に回転す
ると、モータギア30aが噛合っている歯車31aと歯
車32aに駆動力が伝達され、歯車31aは矢印b′方
向に回転し、歯車32aは矢印d方向に回転する。そう
すると、歯車31aと一体に形成されている歯車31b
も矢印b′方向に回転し、この歯車31bと噛合ってい
る歯車33aと歯車34aも、それぞれ矢印c′方向と
矢印f′方向に回転を始める。そして、歯車33aとプ
ラテンローラ軸33とを連結している第1のばねクラッ
チ33bと、歯車34aと排紙ローラ軸34とを連結し
ている第2のばねクラッチ34bは、歯車33a,34
aの回転によってそれぞれ緩められ、プラテンローラ軸
33と排紙ローラ軸34には、記録モータ30からの駆
動力は伝達されない。
【0050】一方、歯車32aと駆動力伝達軸32を連
結している第3のばねクラッチ32bは、歯車32aの
回転によって締付けられ、記録モータ30の駆動力が、
歯車32aから第3のばねクラッチ32bを介して、駆
動力伝達軸32へ伝達され、駆動力伝達軸32は歯車3
2aと同じ回転数で回転を始める。そして、前側板29
b側で、駆動力伝達軸32に固定されている歯車32e
も、矢印g方向に回転を始める。さらに、記録モータ3
0からの駆動力は、歯車37aを経由して、歯車38a
およびセクタ歯車38bへと順次伝達され、セクタ歯車
38bは矢印e方向に回転しはじめる。そして、セクタ
歯車38b上に設けられたクランク軸39の回転によ
り、クランクアーム40と、カッターアーム41を経由
して、カッター25が駆動される。このとき、図5で示
すカッターアーム41が下死点にある状態から、セクタ
歯車38bが回転して、図8で示すようにカッターアー
ム41が上死点に達するまでの間に、カッターの下刃2
5bも下死点から上死点に達し、カッター25の通紙部
25gにある記録紙5(図2参照)を切断する。一方、
このカッターアーム41が下死点から上死点まで動かさ
れる間には、セクタ歯車38bが矢印e方向に回転して
も、歯車33dと噛合う位置に、セクタ歯車38bの歯
はこない。したがって、プラテンローラ24には駆動力
は伝達されない。また、揺動部材33fも図5で示す位
置に静止したままであるので、排紙ローラ26にも、駆
動力は伝達されない。すなわち、この間、プラテンロー
ラ24と排紙ローラ26は静止したままで、記録系6は
記録紙5を切断する動作のみを行う。
【0051】次に、図8に示すカッターが上死点にある
状態から、セクタ歯車38bが矢印e方向に少し回転す
ると、図9で示すように、セクタ歯車38bの歯と、プ
ラテンローラ駆動用歯車33dの歯が噛合い始める。す
ると、プラテンローラ駆動用歯車33dへ記録モータ3
0からの駆動力が伝達され、矢印h方向に回転を始め
る。プラテンローラ駆動用歯車33dはプラテンローラ
軸33に固定されているので、これにより、プラテンロ
ーラ24は記録紙5を搬送する方向とは逆の方向に回転
を始め、切断後のプラテンローラ24とサーマルヘッド
21に挟持された記録紙5を巻き戻す。そして、歯車3
3dの回転によって、図9で示すように、揺動部材33
fとこれに支持された揺動歯車33eが揺動し、揺動歯
車33eが排紙ローラ駆動用歯車42bと噛合う。歯車
33eは矢印i方向に回転し、さらに、記録モータ30
の駆動力は、排紙ローラ駆動用歯車42b、歯車42a
を経由して、歯車34eが矢印j方向に回転するように
伝達される。これにより、排紙ローラ26は切断後の排
紙ローラ26に挟持された記録紙5を、装置外に備え付
けた記録紙排紙トレイ11へ排出するように回転する。
したがって、記録紙5の先端をカッター25の位置から
プラテンローラ24の方へ巻き戻す動作と、切断された
記録紙5を記録紙排紙トレイ11へ排出する動作は、同
時に行われることになる。
【0052】一方、後側板29a側で、第1のばねクラ
ッチ33bを介してプラテンローラ軸33に取付けられ
ている歯車33aは、記録モータ30が矢印a′方向に
回転することによって、図4で示す矢印f′方向に回転
する。これにより、歯車33aは第1のばねクラッチ3
3bを緩めることになる。また、プラテンローラ軸33
も矢印f′方向に回転するので、第1のばねクラッチ3
3bはプラテンローラ軸33の回転によって締付けられ
ることになる。
【0053】しかし、前述したように、プラテンローラ
24が正転するときの記録モータ30に対するプラテン
ローラ24の減速比Rp と、プラテンローラ24が逆転
するときの記録モータ30に対するプラテンローラ24
の減速比Rp ′が、同じになるように歯車の歯数を決定
しているので、歯車33aとプラテンローラ軸33の回
転速度は等しくなり、第1のばねクラッチ33bは緩み
も、締りもしない状態となる。したがって、第1のばね
クラッチ33bは、歯車33aとプラテンローラ軸33
の回転に影響は及ぼさない。
【0054】ここで、Rp <Rp ′となるように第3,
4の駆動力伝達手段の各歯車の歯数を決定すると、記録
モータ30が逆転するときのプラテンローラ軸33の回
転速度は、歯車33aの回転速度より遅くなる。このと
き、第1のばねクラッチ33bは、歯車33aによって
緩められ、プラテンローラ軸33によって締付けられる
が、歯車33aの方の回転速度が速いために、歯車33
aとプラテンローラ軸33の間で駆動力の伝達は行われ
ない。したがって、第1のばねクラッチ33bは、歯車
33aとプラテンローラ軸33の回転に影響は及ぼさな
い。しかし、記録モータ30の回転に対し、プラテンロ
ーラ24の回転はRp =Rp ′とした場合より遅くな
り、切断後の記録紙5をカット位置から記録位置近傍ま
で巻き戻すのに、より多くの時間がかかることとなる。
したがって、記録時間の短縮をめざした本発明には不適
当なものである。
【0055】一方、Rp >Rp ′となるように第3,4
の駆動力伝達手段の歯車の歯数を決定すると、記録モー
タ30が逆転するときのプラテンローラ軸33の回転速
度は、歯車33aの回転速度より速くなる。このとき第
1のばねクラッチ33bは、プラテンローラ軸33の回
転によって締付けられ、プラテンローラ軸33と歯車3
3aを連結した状態となり、駆動系の破壊を招くことと
なる。
【0056】したがって、記録時間の短縮をめざした本
発明においては、Rp =Rp ′とするのが最適であるこ
とがわかる。
【0057】また、歯車34aは記録モータ30が矢印
a′方向に回転すると、矢印c′方向に回転する。そし
て、排紙ローラ軸34は、これと逆の記録紙を搬送する
方向に回転するので、排紙ローラ軸34と歯車34aを
連結している第2のばねクラッチ34bは、両方から緩
められることになる。したがって、第2のばねクラッチ
34bは切れた状態となり、歯車34aと排紙ローラ軸
34の回転に影響を及ぼさない。
【0058】図9で示す状態から、さらにセクタ歯車3
8bが矢印e方向に回転して、セクタ歯車38bの歯が
プラテンローラ駆動用歯車33dの歯と噛合わなくなる
と、プラテンローラ駆動用歯車33dは回転を停止し、
同時にプラテンローラ24も、記録紙5を巻き戻す動作
を停止し、排紙ローラ26も回転を停止する。この時、
記録紙5の先端がプラテンローラ24上の記録位置よ
り、2mm程度カッター25よりの位置まで巻き戻され
るように、セクタ歯車38bの歯数と、プラテンローラ
24上の記録位置から、カッター25による記録紙切断
位置までの距離の関係を決定する。本実施例では、後述
の計算によりセクタ歯車38bの歯数を16枚とし、記
録位置とカット位置の距離を19.9mmと決定した。
また、排紙ローラ26が静止するまでに、記録紙5が完
全に排出されるようにするため、排紙ローラ26の搬送
量が、カッター25による記録紙カット位置から、排紙
ローラ26までの距離より、大きい必要があるので、こ
れを考慮して、カッター25と排紙ローラ26の位置関
係と、歯車33e,42b,42a,34eの歯数を決
定し、本実施例では、後述の計算で確認されるように2
4mmとしている。
【0059】このあと、図5で示すようにカッターアー
ム41が下死点に達し、図示していないカッターホーム
ポジション検知センサーにより制御手段がこれを検知す
ると、記録モータ30の回転を停止させる。さらに、記
録する必要があるときには、再び記録モータ30を正転
させ、揺動部材33fが図5で示す位置まで揺動して、
前述した動作を繰返す。
【0060】以上説明したように、記録モータ30が逆
転するときは、カッター25により記録紙5を切断し、
切断終了後、記録紙5の巻戻しと、排出を同時に行う。
そして、プラテンローラ24が記録紙5を巻き戻し終っ
たときには、記録紙5の先端がプラテンローラ24上の
記録位置より、2mm程度出ているだけであるので、次
のページの記録を行う際に、記録紙5のほぼ先端から画
像の記録を行うことができ、また、記録紙の無駄は生じ
ない。さらに、記録モータ逆転時に排紙ローラが記録紙
を搬送する量が、カッターの位置から排紙ローラの位置
までの距離より長くなるように、記録駆動系を決定する
ことにより、記録後の記録紙を確実に装置外へ排出でき
る。
【0061】ここで本実施例の、記録モータ30逆転時
における、プラテンローラ24の記録紙5の巻戻し量
と、切断後の記録紙5の排紙ローラ26による搬送量を
計算する。
【0062】セクタ歯車38bが一回転するとき、プラ
テンローラ軸33に固定されている歯車33d(歯数Z
33d =55)と噛合う歯数は16であるので、プラテン
ローラ24の回転量は16/55回転である。したがっ
て、プラテンローラ24による記録紙5の戻し量δp は δp =π・dp ×(16/55) ≒17.913(mm) この数値に記録紙5の頭の余白部分のマージン2mmを
加えて、プラテンローラ24上の記録位置からカッター
25の切断位置までの距離が、19.9mmとなるよう
に、プラテンローラ24とカッター25の位置関係を決
定する。
【0063】記録モータ30が逆転するときの、プラテ
ンローラ24に対する排紙ローラ26の回転速度比Rph
は、 Rph=(Z33e /Z33d )×(Z42b /Z33e )×(Z34e /Z42a ) =(20/55)×(20/20)×(31/55) ≒0.20496 ここで、揺動部材33fが図5の状態から、図9の状態
になるまでに、プラテンローラ駆動用歯車33dの歯が
セクタ歯車38bの歯と3枚噛合うとすると、排紙ロー
ラ26の回転量は (16−3)/55/Rph≒1.1532回転 したがって、このときの排紙ローラ26の記録紙の搬送
量δh は、 δh =1.1532×π・dh ≒39.986(mm) 本実施例では、カッター25の記録紙切断位置から排紙
ローラ26までの距離を24mmとしているので、排紙
ローラ26は問題なく記録紙5を排出できる。
【0064】以上説明してきた記録系6の動作を、図1
0にまとめて現す。図22と比較して、明らかなよう
に、次のような利点がある。
【0065】モータが1つしかないので、2つのモー
タを同期させて動かす必要がない。
【0066】一枚の記録紙に対して、記録して排出す
るまでに、記録モータを正転させて逆転させるだけなの
で、モータの制御が単純である。
【0067】記録紙が一枚だけの場合、記録して排出
するまでの時間が短い。
【0068】記録紙が複数枚ある場合でも、記録し始
めてから最終ページを排出し終るまでの、トータルの記
録時間が短い。 (第1実施例の変形例)つぎに、図11に示す記録系の
平面図によって、本実施例の変形例について説明する。
【0069】本例では、第1の駆動力伝達手段と第2の
駆動力伝達手段の構成が、第1の実施例と異なり、第3
から第5までの駆動力伝達手段は共通である。また、第
1の実施例と同様に、第1の駆動力伝達手段による記録
モータ30に対するプラテンローラ24の減速比R
p と、第3,4の駆動力伝達手段による記録モータ30
に対するプラテンローラ24の減速比Rp ′が等しくな
るように、それぞれを構成する歯車の歯数を決定してあ
る。
【0070】したがって、主に第1の駆動力伝達手段と
第2の駆動力伝達手段の構成について説明する。また、
側面図は図4,図5と同じであり、第1の実施例と共通
な部分は、符号も同じものとしている。 <第1,第2の駆動力伝達手段>第1の実施例と同様
に、モータギア30aは、後側板29aに固定された軸
31に回転自在に取付けられた歯車31a(歯数Z31a
=55)と噛合い、記録モータ30からの駆動力を伝達
する。そして、軸31に回転自在に取付けられたもう一
つの歯車31b(歯数Z31b =20)と、歯車31a
は、第1のばねクラッチ31cを介して連結されてい
る。第1のばねクラッチ31cは、歯車31aが回転し
たとき、歯車31bが矢印b方向に回転するように駆動
力を伝達するが、逆向きには駆動力を伝達しないよう
に、巻方向が定められている。そして、歯車31bは、
プラテンローラ軸33に固定された歯車33a(歯数Z
33a =55)と、排紙ローラ軸34に第2のばねクラッ
チ34bを介して連結されている歯車34a(歯数Z
34a =31)とに噛合い、それぞれの歯車に駆動力を伝
達する。ここで、第2のばねクラッチ34bは、歯車3
4aが回転したとき、排紙ローラ軸34が矢印c方向に
回転するように駆動力を伝達するが、逆向きには駆動力
を伝達しないように、巻方向が定められている。
【0071】つぎに、この記録系の動作を、図4,図5
および図11を用いて説明する。
【0072】まず、記録モータ30が正転(矢印a方向
に回転)して、モータギア30aが矢印a方向に回転す
るときの動作について説明する。
【0073】モータギア30aが矢印a方向に回転する
と、歯車30aが噛合っている歯車31aと歯車32a
に駆動力が伝達され、歯車31aは矢印b方向に回転
し、歯車32aは矢印d′方向に回転する。そうする
と、歯車31aと歯車31bを連結している第1のばね
クラッチ31cは、歯車31aの回転によって締付けら
れ、歯車31bは、歯車31aから第1のばねクラッチ
31cを介して、記録モータ30の駆動力を伝達され、
歯車31aと同じ回転数で回転を始める。そして、歯車
31bは、歯車33aと歯車34aに噛合っているの
で、歯車33aは矢印f方向に回転を始め、歯車34a
は矢印c方向に回転を始める。そうすると、歯車33a
はプラテンローラ軸33に固定されているので、プラテ
ンローラ軸33は、歯車33aから記録モータ30の駆
動力を伝達され、歯車33aと同じ回転数で回転し、そ
れによって、プラテンローラ24は記録紙5を搬送する
方向に回転する。一方、歯車34aと排紙ローラ軸34
を連結している第2のばねクラッチ34bは、歯車34
aの回転によって締付けられ、排紙ローラ軸34は、歯
車34aから第2のばねクラッチ34bを介して、記録
モータ30の駆動力を伝達され、歯車34aと同じ回転
数で回転し、それによって、排紙ローラ26は記録紙5
を搬送する方向に回転を始める。また、第1の実施例と
同様に、歯車32aと駆動力伝達軸32を連結している
第3のばねクラッチ32bは、歯車32aの回転によっ
て緩められ、駆動力伝達軸32には記録モータ30から
の駆動力は伝達されない。
【0074】つぎに、記録モータ30が逆転して、モー
タギア30aが矢印a′方向に回転するときの動作につ
いて説明する。
【0075】モータギア30aが矢印a′方向に回転す
ると、歯車30aが噛合っている歯車31aと歯車32
aに駆動力が伝達され、歯車31aは矢印b′方向に回
転し、歯車32aは矢印d方向に回転する。そうする
と、歯車31aと歯車31bを連結している第1のばね
クラッチ31cは、歯車31aの回転によって緩めら
れ、歯車31bには、記録モータ30からの駆動力は伝
達されない。したがって、記録モータ30が逆転してい
るときには、図4で示す後側板29a側では、プラテン
ローラ24と排紙ローラ26へは駆動力は伝達されな
い。
【0076】一方、歯車32aと駆動力伝達軸32を連
結している第3のばねクラッチ32bは、歯車32aの
回転によって締付けられ、記録モータ30の駆動力が、
歯車32aから第3のばねクラッチ32bを介して駆動
力伝達軸32へ伝達され、駆動力伝達軸32は歯車32
aと同じ回転数で回転を始める。以下、第1の実施例と
同様に、歯車38bが矢印e方向に回転して、歯車33
dと噛合わない間は、プラテンローラ24と排紙ローラ
26は静止したままで、記録紙5を切断する動作の妨げ
にはならない。
【0077】次に、図8に示す状態から、セクタ歯車3
8bが矢印e方向に少し回転して、第1の実施例と同様
に、プラテンローラ24が記録紙5を搬送する方向とは
逆の方向に回転を始めると、プラテンローラ軸33の後
側板29a側に取付けられた歯車33aは、図4の矢印
f′方向に回転する。これにより、歯車33aと噛合っ
ている歯車31bが矢印b′方向へ回転し、さらに、歯
車31bと噛合っている歯車34aが矢印c′方向に回
転する。そして、第1の実施例と同様に、前側板29b
側から記録モータ30からの駆動力を伝達されて、排紙
ローラ軸34は逆方向の矢印c方向に回転する。しか
し、歯車34a、排紙ローラ軸34とも、第2のばねク
ラッチ34bを緩める方向に回転するので、この動作に
第2のばねクラッチ34bの影響はない。また、第1の
ばねクラッチ31cの両側に取付けられている歯車31
bと、歯車31aは両方とも矢印b′方向に回転する。
そして、歯車31aは第1のばねクラッチ31cを緩め
る方向に回転し、歯車31bは第1のばねクラッチ31
cを締付ける方向に回転する事となる。しかし、前述し
たように、第1の駆動力伝達手段による記録モータ30
に対するプラテンローラ24の減速比Rp と、第3,第
4の駆動力伝達手段による記録モータ30に対するプラ
テンローラ24の減速比Rp ′が等しくなるように、そ
れぞれを構成する歯車の歯数を決定してあるので、歯車
31aの回転速度と、歯車31bの回転速度は等しくな
り、第1のばねクラッチ31cは緩みも締りもしない状
態となる。したがって、第1のばねクラッチ31cは、
歯車31aと歯車31bの回転に影響は及ぼさない。
【0078】ここで、本実施例における、歯車31aと
歯車31bの回転速度の比較を行う。
【0079】歯車31aの減速比R31a は、 R31a =Z31a /Z30a =55/15 ≒3.6667 記録モータ30逆転時における歯車31bの減速比R
31b は、 R31b =(Z32a /Z30a )×(Z37a /Z32e )×(Z38a /Z37a ) ×(Z33d /Z38b )×(Z31b /Z33a ) = (55/15)×(36/20)×(41/36) ×(55/41)×(20/55) = 55/15 ≒ 3.6667 したがって、R31a =R31b であるので、歯車31aと
歯車31bの回転速度は等しいことがわかる。
【0080】これに反して、Rp <Rp ′すなわち、R
31a <R31b となるように第3,第4の駆動力伝達手段
の歯車の歯数を決定すると、記録モータ30が逆転する
ときの歯車31bの回転速度は、歯車31aの回転速度
より遅くなる。このとき、第1のばねクラッチ31c
は、歯車31aによって緩められ、歯車31bによって
締付けられるが、歯車31aの方の回転速度が速いため
に、歯車31aと歯車31bの間で駆動力の伝達は行わ
れない。したがって、第1のばねクラッチ31cは、歯
車33aと歯車31bの回転に影響は及ぼさない。しか
し、記録モータ30の回転に対し、プラテンローラ24
の回転はRp =Rp ′とした場合より遅くなり、切断後
の記録紙5をカット位置から記録位置近傍まで巻き戻す
のに、より多くの時間がかかることとなる。したがっ
て、記録時間の短縮をめざした本発明には不適当なもの
である。
【0081】一方、Rp >Rp ′すなわち、R31a >R
31b となるように第3,第4の駆動力伝達手段の歯車の
歯数を決定すると、記録モータ30が逆転するときの歯
車31bの回転速度は、歯車31aの回転速度より速く
なる。このとき第1のばねクラッチ31cは、歯車31
bの回転によって締付けられ、歯車31bと歯車31a
を連結した状態となり、駆動系の破壊を招くこととな
る。
【0082】したがって、本実施例でも、Rp =Rp
とするのが最適であることがわかる。
【0083】本実施例においては、第1の実施例と同じ
効果に加えて、記録モータ30が逆転してカッター25
が記録紙5を切断している最中に、歯車31b,33
a,34aは静止しているので、駆動系の慣性負荷を減
らすことができるという効果がある。
【0084】また、図11で、排紙ローラ軸34と歯車
34aを直結とし、プラテンローラ軸33と歯車33a
の間に、記録モータ30が正転したときのみ、記録モー
タ30の駆動力をプラテンローラ軸33に伝達するよう
に、巻方向が定められたばねクラッチをいれても、同様
な効果がある。 (第2の実施例)次に、本発明の画像記録装置の第2の
実施例に係る記録系の詳細な構造について、第1の実施
例と相違する点を強調しつつ説明する。
【0085】図12は記録系の平面図、図13は図12
に示した記録系の後方側面図、図14は図12に示した
記録系の後方側面部の斜視図である。
【0086】以下、特許請求の範囲の請求項2で記述し
た、第1の駆動力伝達手段から第5の駆動力伝達手段ま
で、これらの構造について、順に説明していく。 <第1,第2の駆動力伝達手段>図12,13,14に
示すように、モータギア30aXは、後側板29aXに
固定された軸31Xに回転自在に取付けられた歯車31
aX(歯数Z31aX=55)と噛合い、記録モータ30X
からの駆動力を伝達する。そして、歯車31bX(歯数
31bX=20)は中空の連結軸31fXを介して歯車3
1aXと一体となっており、この連結軸31fXには前
記軸31Xが挿通されている。連結軸31fXには、揺
動部材31cXが回転自在に取付けられ、その先端で、
常に歯車31bXと噛合う第1および第2の揺動歯車と
しての揺動歯車31eXが、揺動歯車軸31dXに回転
自在に取付られている。さらに、図13および14で示
すように、第1および第2の揺動歯車31eXは、プラ
テンローラ軸33Xに固定された第1のプラテンローラ
駆動用歯車33aX(歯数Z33aX=55)と、排紙ロー
ラ軸34Xに固定された第1の排紙ローラ駆動用歯車3
4aXとに同時に噛合うことができるように配置され、
それぞれプラテンローラ軸33X、排紙ローラ軸34X
に記録モータ30Xからの駆動力を伝達する。これらの
記録モータ30Xからプラテンローラ軸33X、排紙ロ
ーラ軸34Xに駆動力を伝達する経路を、それぞれ、第
1の駆動力伝達手段、第2の駆動力伝達手段と呼ぶ。
【0087】以上の構成からなる第1の駆動力伝達手段
による記録モータ30Xに対するプラテンローラ24X
の減速比Rp は Rp =(Z31aX/Z30aX)×(Z33aX/Z31bX) =(55/15)×(55/20) ≒10.0833 となる。 <第3の駆動力伝達手段>一方、モータギア30aX
は、後側板29aXに固定された軸43aXに回転自在
に取付けられた歯車43aX(歯数Z43aX=15)に噛
合い、さらに、この歯車43aXは、2つの軸受32c
X,32dXを介して、後側板29aXと前側板29b
Xとの間に渡って取付けられている駆動力伝達軸32X
にばねクラッチ32bXを介して連結されている歯車3
2aX(歯数Z32aX=55)と噛合っている。ここで、
ばねクラッチ32bXは、歯車32aXが回転したと
き、駆動力伝達軸32Xが矢印d方向に回転するように
駆動力を伝達するが、逆向きには駆動力を伝達しないよ
うに、巻方向が定められている。そして、駆動力伝達軸
32Xの前側板29bX側の端部には、歯車32eX
(歯数Z32eX=20)が固定され、この歯車32eX
は、前側板29bXに固定された軸37Xに回転自在に
取付けられた歯車37aX(歯数Z37aX=36)と噛合
っている。また、歯車37aXは、前側板29bXに固
定された軸38Xに回転自在に取付けられた歯車38a
X(歯数Z38aX=41)と噛合っている。そして、図7
および図8で示したものと同様に、歯車38aXと一体
に形成されたセクタ歯車38bXの側面で、回転中心か
ら10mm離れた位置に、クランク軸39Xが突設され
ている。セクタ歯車38bXについては後で詳しく述べ
る。クランク軸39Xにはクランクアーム40Xの一端
部が回転自在に取付けられ、このクランクアーム40X
の他端部はカッターアーム41Xに回動自在に連結され
ている。 <第4の駆動力伝達手段>また、セクタ歯車38bX
は、図7に示したものと同様に、モジュールm=0.
8、歯数Z38bX=41の歯車から、Cで示す領域の歯を
25枚取り去って、Dで示す領域の16枚の歯だけ残さ
れたように形成されている。そして、このセクタ歯車3
8bXは、一回転する間に、前側板29bX側でプラテ
ンローラ軸33Xの端部に固定されている第2のプラテ
ンローラ駆動用歯車33dX(歯数Z33 dX=55)と1
6枚の歯が噛合うように配置されている。
【0088】以上の構成からなる第3,第4の駆動力伝
達手段による記録モータ30Xに対するプラテンローラ
24Xの減速比Rp ′は Rp ′= (Z32aX/Z30aX)×(Z37aX/Z32eX)×(Z38aX/Z37aX) ×(Z33dX/Z38bX) = (55/15)×(36/20)×(41/36) ×(55/41) = (55/15)×(55/20) ≒10.0833 となる。これは、第1の駆動力伝達手段による記録モー
タ30Xに対するプラテンローラ24Xの減速比Rp
等しい。このように、第3,第4の駆動力伝達手段の歯
車の歯数は決定してある。
【0089】そして、セクタ歯車38bXの軸38Xへ
の取付け方は、カッターが待機位置にあるときに、図5
で示したものと同様に、セクタ歯車38bXの16枚の
歯が、第2のプラテンローラ駆動用歯車33dXとセク
タ歯車38bXが噛合う位置から、セクタ歯車38bX
が回転する矢印e方向に、少しだけずれた位置にくるよ
うな取付け方になっており、セクタ歯車38bXがこの
回転位置にあるときには第2のプラテンローラ駆動用歯
車33dXが回転しても、これら2つの歯車は噛合わな
い。そして、この時、クランク軸39Xがカッターアー
ム41Xとクランクアーム40Xの連結位置からもっと
も離れた位置(下死点)にくるように、クランク軸39
Xの位置が決定される。 <第5の駆動力伝達手段>さらに、プラテンローラ軸3
3Xのまわりで、第2のプラテンローラ駆動用歯車33
dXの回転と一緒に揺動する揺動部材33fX上の軸3
3gXに、プラテンローラ軸33Xに固定された第2の
プラテンローラ駆動用歯車33dXと噛合うように第3
の揺動歯車33eX(歯数Z33eX=20)を配置し、ま
た、この第3の揺動歯車33eXは、第2のプラテンロ
ーラ駆動用歯車33dXが矢印h方向に回転すると、揺
動部材33fXと共に矢印h方向に揺動し、前側板29
bXに固定された軸42Xに取付けられている第2の排
紙ローラ駆動用歯車42bX(歯数Z42bX=20)と噛
合うように配置されている。そして、歯車42aX(歯
数Z42aX=55)は、第2の排紙ローラ駆動用歯車42
bXと一体に形成されており、排紙ローラ軸34Xに固
定された歯車34eX(歯数Z34eX=31)と、噛合う
ように配置されている。なお、図中には示してないが、
第2のプラテンローラ駆動用歯車33dXが矢印h方向
と逆の向きの矢印h′方向に回転するとき、揺動部材3
3fXが、図5で示す位置より矢印h′方向に揺動しな
いように、ストッパー部材が設けられている。
【0090】つぎに、この記録系の詳細な動作について
説明する。
【0091】まず、記録モータ30Xが正転(矢印a方
向に回転)して、モータギア30aXが矢印a方向に回
転するときの動作について説明する。
【0092】モータギア30aXが矢印a方向に回転す
ると、モータギア30aXが噛合っている歯車31aX
と、歯車43aXを介して歯車32aXに駆動力が伝達
され、歯車31aXは矢印b方向に回転し、歯車32a
Xは矢印d′方向に回転する。すると、歯車31aXと
連結軸31fXによって連結されている歯車31bX
も、矢印b方向に回転し、それによって第1および第2
の揺動歯車31eXは図4で示す位置、すなわち、第1
のプラテンローラ駆動用歯車33aXと第1の排紙ロー
ラ駆動用歯車34aXとに同時に噛合う位置へ揺動し、
矢印k方向へ回転を始める。そして、第1のプラテンロ
ーラ駆動用歯車33aXは矢印f方向へ、第1の排紙ロ
ーラ駆動用歯車34aXは矢印c方向に回転を始め、プ
ラテンローラ軸33Xと排紙ローラ軸34Xは、記録モ
ータ30Xから駆動力を伝達されて、それぞれ記録紙を
搬送する方向へ回転を始める。一方、歯車32aXと駆
動力伝達軸32Xとを連結しているばねクラッチ32b
Xは、歯車32aXの回転によって緩められ、駆動力伝
達軸32Xには記録モータ30Xからの駆動力は伝達さ
れない。
【0093】また、プラテンローラ軸33Xの前側板2
9bX側の端部に固定されている第2のプラテンローラ
駆動用歯車33dXも、矢印h′方向に回転する。これ
によって、揺動部材33fXも矢印h′方向に回転しよ
うとするが、前述したように、図示しないストッパー部
材により、揺動部材33fXは矢印h′方向の回転を阻
止され、図5で示す位置で静止している。ただし、第3
の揺動歯車33eXは第2のプラテンローラ駆動用歯車
33dXから駆動力を伝達されて回転するが、第3の揺
動歯車33eXは第2のプラテンローラ駆動用歯車33
dX以外の歯車とは噛合わない。また、セクタ歯車38
bXは、図5で示すように、歯車33dXと噛合う位置
には、歯のない部分がきており、第2のプラテンローラ
駆動用歯車33dXとセクタ歯車38bXは噛合わな
い。さらに、駆動力伝達軸32Xからセクタ歯車38b
Xには駆動力は伝達されてこないため、カッターは駆動
されない。そして、排紙ローラ軸34Xに固定された歯
車34eXは、排紙ローラ26Xの回転と同じように回
転して、歯車34eXと噛合っている歯車42aX、そ
れと一体の第2の排紙ローラ駆動用歯車42bXへ駆動
力を伝達するが、第3の揺動歯車33eXは、図5で示
す位置にあるため、同じ方向に回転する第2の排紙ロー
ラ駆動用歯車42bXの歯と第3の揺動歯車33eXの
歯が、ぶつかることはない。
【0094】以上のように、記録モータ30Xが、矢印
a方向に回転したときには、プラテンローラ24Xと排
紙ローラ26Xが、記録紙を搬送する方向に回転し、カ
ッターは駆動されない。
【0095】ここで本実施例における、プラテンローラ
24Xと排紙ローラ26Xが記録紙を搬送するときの搬
送量、そして、それぞれのローラ径を計算しておく。
【0096】プラテンローラ24Xが正転するときの減
速比Rp は Rp ≒10.0833 排紙ローラ26Xの減速比Rh は Rh =(Z31aX/Z30aX)×(Z31eX/Z31bX)×(Z34aX/Z31eX) =(55/15)×(31/20)×(31/31) ≒5.6833 本実施例のファクシミリ装置は、GIVファクシミリであ
り、記録紙の搬送方向(副走査方向)の記録解像度は、
400dpi(dots/inch)である。したがっ
て、1ドットの副走査方向の長さL0 は、 L0 =25.4/400 =0.0635(mm) 記録モータ30Xは、ステップ角7.5°、2相のPM
型ステッピングモータで、1−2相励磁で駆動させるの
で、記録モータ30Xの回転時の最小ステップ角度θ0
は、 θ0 =7.5°/2 =3.75° したがって、プラテンローラ24Xの直径dp は、プラ
テンローラ24Xの最小ステップ角度θp0〔rad〕に
よって、次の式より求められる。
【0097】L0 =(dp /2)×θp0 ここで θp0=(θ0 ×π/180°)/Rp ∴dp =2×L0 /θp0 ={2×L0 /(θ0 ×π/180°)}×Rp ≒19.565(mm) しかし、プラテンローラ24Xの直径dp を実際にこの
寸法で製造して、画像の記録を行うと、プラテンローラ
24Xの表面の変形や、記録紙を搬送するための負荷に
よって、記録紙の搬送量が減り、画像の縮みが生じる。
したがって、プラテンローラ24Xの直径dp の設計値
は、計算値より少し大きい値で次のように決定する。
【0098】dp =19.60±0.05(mm) また、画像記録時には、記録モータ30Xを400pp
s(pulses/sec)で駆動するので、プラテン
ローラ24Xによって、記録紙が1秒間に搬送される長
さL1 は、画像の伸縮がないとすると次のようになる。
【0099】L1 =L0 ×400 =25.40(mm) これにより、プラテンローラ24Xと、排紙ローラ26
Xの間で記録紙がたわまないようにするために、排紙ロ
ーラ26Xが1秒間に記録紙を搬送する長さを、プラテ
ンローラ24Xが搬送する長さより、わずかに大きくし
て、25.42mmと設定すると、排紙ローラ26Xの
直径dh と、排紙ローラ角回転速度ωhの関係は次のよ
うになる。
【0100】dh /2×ωh =25.42 ここで、排紙ローラ角回転速度ωh は ωh =(3.75°×400×π/180°)/Rh ≒4.6064(rad/s) したがって dh ≒11.037(mm) プラテンローラ24Xと同様に、設計値はわずかに大き
くして dh =11.10±0.05(mm) とする。
【0101】つぎに、記録モータ30Xが逆転して、モ
ータギア30aXが矢印a′方向に回転するときの動作
について説明する。
【0102】モータギア30aXが矢印a′方向に回転
すると、モータギア30aXが噛合っている歯車31a
Xと歯車32aXに駆動力が伝達され、歯車31aXと
歯車31bXは矢印b′方向に回転し、歯車32aXは
矢印d方向に回転する。そうすると、歯車31bXの回
転により、第1および第2の揺動歯車31eXは矢印
b′方向に揺動し、第1のプラテンローラ駆動用歯車3
3aXと第1の排紙ローラ駆動用歯車34aXとの噛合
いがはずれる。そして図示しないストッパー部材によっ
て、揺動部材31cXの矢印b′方向の揺動が阻止され
る位置で、揺動部材31cXは静止する。これにより、
第1のプラテンローラ駆動用歯車33aXと第1の排紙
ローラ駆動用歯車34aXには、記録モータ30Xから
の駆動力は伝達されない。したがって、記録モータ30
Xが逆転しているときには、後側板29aX側では、プ
ラテンローラ24Xと排紙ローラ26Xへは駆動力は伝
達されない。
【0103】一方、歯車32aXと駆動力伝達軸32X
を連結しているばねクラッチ32bXは、歯車32aX
の回転によって締付けられ、記録モータ30Xの駆動力
が、歯車32aXからばねクラッチ32bXを介して、
駆動力伝達軸32Xへ伝達され、駆動力伝達軸32Xは
歯車32aXと同じ回転数で回転を始める。そして、前
側板29bX側で、駆動力伝達軸32Xに固定されてい
る歯車32eXも、矢印g方向に回転を始める。さら
に、記録モータ30Xからの駆動力は、歯車37aXお
よび歯車38aXを介してセクタ歯車38bXへと伝達
され、セクタ歯車38bXは矢印e方向に回転しはじめ
る。そして、セクタ歯車38bX上に設けられたクラン
ク軸39Xの回転により、クランクアーム40Xとカッ
ターアーム41Xを経由して、カッターが駆動される。
このとき、図5で示したものと同様にカッターアーム4
1Xが下死点にある状態から、セクタ歯車38bXが回
転して、図9で示したものと同様にカッターアーム41
Xが上死点に達するまでの間に、カッターの下刃25b
Xも下死点から上死点に達し、カッターの通紙部にある
記録紙を切断する。一方、このカッターアーム41Xが
下死点から上死点まで動かされる間には、セクタ歯車3
8bXが矢印e方向に回転しても、セクタ歯車38bX
は、その歯は第2のプラテンローラ駆動用歯車33dX
と噛合う位置にこない。したがって、プラテンローラ2
4Xには駆動力は伝達されない。また、揺動部材33f
Xも図5で示す位置に静止したままであるので、排紙ロ
ーラ26Xにも駆動力は伝達されない。すなわち、この
間、プラテンローラ24Xと排紙ローラ26Xは静止し
たままで、記録系は記録紙を切断する動作のみを行う。
【0104】次に、図8に示したものと同様に、カッタ
ーが上死点にある状態から、セクタ歯車38bXが矢印
e方向に少し回転すると、図9に示したものと同様に、
セクタ歯車38bXの歯と第2のプラテンローラ駆動用
歯車33dXの歯が噛合い始める。すると、第2のプラ
テンローラ駆動用歯車33dXは、記録モータ30Xか
ら駆動力が伝達され、矢印h方向に回転を始める。第2
のプラテンローラ駆動用歯車33dXはプラテンローラ
軸33Xに固定されているので、これにより、プラテン
ローラ24Xは記録紙を搬送する方向とは逆の方向に回
転を始め、プラテンローラ24Xとサーマルヘッドに挟
持された切断後の記録紙を巻き戻す。そして、第2のプ
ラテンローラ駆動用歯車33dXの回転によって、図9
に示したものと同様に、揺動部材33fXとこれに支持
された第3の揺動歯車33eXが揺動し、第3の揺動歯
車33eXが第2の排紙ローラ駆動用歯車42bXと噛
合う。第3の揺動歯車33eXは矢印i方向に回転し、
さらに、記録モータ30Xの駆動力は第2の排紙ローラ
駆動用歯車42bXおよび歯車42aXを順次介して歯
車34eXに伝達され、歯車34eXは矢印j方向に回
転する。これにより、排紙ローラ26Xは排紙ローラ2
6Xに挟持された切断後の記録紙を、装置外に備え付け
た記録紙排紙トレイへ排出するように回転する。したが
って、記録紙の先端をカッターの位置からプラテンロー
ラ24Xの方へ巻き戻す動作と、切断された記録紙を記
録紙排紙トレイへ排出する動作は同時に行われることに
なる。
【0105】また、このときプラテンローラ軸33Xと
排紙ローラ軸34Xの後側板29aX側の端部にそれぞ
れ取付けられた第1のプラテンローラ駆動用歯車33a
Xと第1の排紙ローラ駆動用歯車34aXは、それぞ
れ、図13で示す矢印f′,矢印c方向にそれぞれ回転
するが、両方の歯車とも第1および第2の揺動歯車31
eXが噛合わない位置まで遠ざかっているので、その他
の歯車に記録モータ30Xからの駆動力を伝えることは
ない。
【0106】図9で示したと同様な状態から、さらにセ
クタ歯車38bXが矢印e方向に回転して、セクタ歯車
38bXの歯が第2のプラテンローラ駆動用歯車33d
Xの歯と噛合わなくなると、第2のプラテンローラ駆動
用歯車33dXは回転を停止し、同時にプラテンローラ
24Xも記録紙5Xを巻き戻す動作を停止し、排紙ロー
ラ26Xも回転を停止する。この時、記録紙5Xの先端
がプラテンローラ24X上の記録位置より、2mm程度
カッター25Xよりの位置まで巻き戻されるように、セ
クタ歯車38bXの歯数と、プラテンローラ24X上の
記録位置からカッター25Xによる記録紙切断位置(カ
ット位置)までの距離の関係を決定する。本実施例で
は、後述の計算によりセクタ歯車38bXの歯数を16
枚とし、記録位置とカット位置の距離を19.9mmと
決定した。また、排紙ローラ26Xが静止するまでに、
記録紙5Xが完全に排出されるようにするため、排紙ロ
ーラ26Xの搬送量が、カッター25Xによる記録紙カ
ット位置から排紙ローラ26Xまでの距離より、大きい
必要があるので、これを考慮して、カッター25Xと排
紙ローラ26Xの位置関係と、歯車33eX,42b
X,42aX,34eXの歯数を決定し、本実施例で
は、後述の計算で確認されるように24mmとしてい
る。
【0107】このあと、図5で示したものと同様に、カ
ッターアーム41Xが下死点に達し、図示していないカ
ッターホームポジション検知センサーにより制御手段が
これを検知すると、記録モータ30Xの回転を停止させ
る。さらに、記録する必要があるときには、再び記録モ
ータ30Xを正転させ、揺動部材33fXが図5で示し
たものと同様な位置まで揺動して、前述した動作を繰返
す。
【0108】以上説明したように、記録モータ30Xが
逆転するときは、カッター25Xにより記録紙5Xを切
断し、切断終了後、記録紙5Xの巻戻しと排出を同時に
行う。そして、プラテンローラ24Xが記録紙5Xを巻
き戻し終ったときには、記録紙5Xの先端がプラテンロ
ーラ24X上の記録位置より、2mm程度出ているだけ
であるので、次のページの記録を行う際に、記録紙のほ
ぼ先端から画像の記録を行うことができ、また、記録紙
の無駄は生じない。
【0109】また、本実施例では、前述したように、記
録モータ30Xに対するプラテンローラ24Xの減速比
は、プラテンローラ24Xの正転時と逆転時で同じとな
るように、それぞれの揺動系の歯車の歯数を決定してい
る。したがって、モータの回転速度を同一として従来例
と比較してみると、記録紙の巻戻しに要する時間は同じ
である。しかし、第4の駆動力伝達手段のなかで、例え
ば歯車32eXの歯数を20から22に変更すると、記
録モータ30Xの逆転時におけるプラテンローラ24X
の減速比Rp ″は Rp ″= (Z32aX/Z30aX)×(Z37aX/Z32eX)×(Z38aX/Z37aX) ×(Z33dX/Z38bX) = (55/15)×(36/22)×(41/36) ×(55/41) = (55/15)×(55/22) =9.1666 となる。したがって、Rp ″<Rp (1/Rp″>1/
p)であるので、記録モータ30Xの回転速度を同じ
とすると、記録紙搬送時より、記録紙巻戻し時のほう
が、プラテンローラ24Xの回転速度が速いことがわか
る。つまり、記録モータ30X正転時におけるプラテン
ローラ24Xの減速比より、記録モータ30X逆転時に
おけるプラテンローラ24Xの減速比を小さくすること
によって、記録紙5Xをカッター25Xの位置から記録
位置まで巻き戻す時間を短縮することができ、より記録
時間の短い記録駆動系を実現することができる。
【0110】ここで本実施例の、記録モータ30X逆転
時におけるプラテンローラ24Xの記録紙5Xの巻戻し
量と、切断後の記録紙5Xの排紙ローラ26Xによる搬
送量を計算する。
【0111】セクタ歯車38bXが一回転するとき、プ
ラテンローラ軸33Xに固定されている第2のプラテン
ローラ駆動用歯車33dX(歯数Z33dX=55)と噛合
う歯数は16であるので、プラテンローラ24Xの回転
量は16/55回転である。したがって、プラテンロー
ラ24Xによる記録紙の戻し量δp は δp =π・dp ×(16/55) ≒17.913(mm) この数値に記録紙の頭の余白部分のマージン2mmを加
えて、プラテンローラ24X上の記録位置からカッター
25Xの切断位置までの距離が、19.9mmとなるよ
うに、プラテンローラ24Xとカッターの位置関係を決
定する。なお、この値は、歯車32eXの歯数がいくつ
であっても変らない。
【0112】記録モータ30Xが逆転するときの、プラ
テンローラ24Xに対する排紙ローラ26Xの回転速度
比Rphは、 Rph=(Z33eX/Z33dX)×(Z42bX/Z33eX)×(Z34eX/Z42aX) =(20/55)×(20/20)×(31/55) ≒0.20496 ここで、揺動部材33fXが図5の状態から、図9の状
態になるまでに、第2のプラテンローラ駆動用歯車33
dXの歯がセクタ歯車38bXの歯と3枚噛合うとする
と、排紙ローラ26Xの回転量は (16−3)/55/Rph≒1.1532回転 したがって、このときの排紙ローラ26Xの記録紙の搬
送量δh は、 δh =1.1532×π・dh ≒39.986(mm) 本実施例では、カッター25Xの記録紙切断位置から、
排紙ローラ位置までを24mmとしているので、排紙ロ
ーラ26Xは問題なく記録紙を排出できる。また、この
値は、歯車32eXの歯数がいくつであっても変らな
い。
【0113】以上説明してきた記録系の動作は、図10
で示したものと同様な動作となり、従来例と比較して、
第1の実施例と同様な利点がある。 (第2の実施例の変形例)つぎに、図15に示す記録系
の平面図と、図15中矢印Aから見た側面図である図1
6によって、本実施例の変形例について説明する。な
お、本例では、第2の実施例と比較して、後側板29a
X側の、第1,第2の駆動力伝達手段の構成が異なるの
みで、主にその部分について説明する。 <第1,第2の駆動力伝達手段>第2の実施例と同様
に、記録モータ30Xの回転軸にはモータギア30aX
(歯数Z30aX=15)が固定され、このモータギア30
aXには揺動部材30bXの一端部が回動自在に連結さ
れている。この揺動部材30bXの他端部の軸30cX
に回転自在に取付けられ、かつモータギア30aXと常
に噛合うように配置された第1の揺動歯車30dX(歯
数Z30dX=55)と、この第1の揺動歯車30dXと接
着されて、かつ軸30cXに対し回転自在な歯幅の大き
い第2の揺動歯車30eX(歯数Z30eX=20)が取付
けられている。そして、第2の揺動歯車30eXは、後
側板29aXに固定されている軸31Xにそれぞれ回転
自在に取付けられている同じ形状の歯車31aX(歯数
31aX=20)および歯車31bX(歯数Z31bX=2
0)とに噛合うことができるように配置されている。さ
らに、歯車31aXはプラテンローラ軸33Xに取付け
られた歯車33aXと噛合い、歯車31bXは排紙ロー
ラ軸34Xに取付けられた歯車34aXと噛合ってい
る。その他の部分の構成は、第1の実施例とまったく同
一である。
【0114】つぎに、この記録系の動作について説明す
る。
【0115】まず、記録モータ30Xが正転(矢印a方
向に回転)して、モータギア30aXが矢印a方向に回
転するときの動作について説明する。
【0116】モータギア30aXが矢印a方向に回転す
ると、第1の揺動歯車30dXは矢印a方向に揺動す
る。同時に第2の揺動歯車30eXも矢印a方向に揺動
し、図13で示す位置、すなわち2つの歯車31aX,
31bXと噛合う位置まで揺動する。そして、モータギ
ア30aXの矢印a方向の回転により、第1の揺動歯車
30dXと第2の揺動歯車30eXはそれぞれ矢印b方
向に回転し、歯車31aXと歯車31bXは矢印k方向
に回転する。さらに、歯車33aXは矢印f方向へ、歯
車34aXは矢印c方向に回転を始め、プラテンローラ
軸33Xと排紙ローラ軸34Xは、記録モータ30Xか
ら駆動力を伝達されて、それぞれ、記録紙を搬送する方
向に回転を始める。また、第1の実施例と同様に、歯車
32aXと駆動力伝達軸32Xを連結しているばねクラ
ッチ32bXは、歯車32aXの回転によって緩めら
れ、駆動力伝達軸32Xには記録モータ30Xからの駆
動力は伝達されない。
【0117】したがって、記録モータ30Xが矢印a方
向に回転したときには、プラテンローラ24Xと排紙ロ
ーラ26Xが記録紙5Xを搬送する方向に回転し、カッ
ター25Xは駆動されない。
【0118】つぎに、記録モータ30Xが逆転して、モ
ータギア30aXが矢印a′方向に回転するときの動作
について説明する。
【0119】モータギア30aXが矢印a′方向に回転
すると、第1の揺動歯車30dXは矢印a′方向に揺動
し、それと同時に第2の揺動歯車30eXも矢印a′方
向に揺動して、2つの歯車31aX,31bXとの噛合
いがはずれる。そして、図示しないストッパー部材によ
って、揺動部材30bXの矢印a′方向の揺動が阻止さ
れる位置で、揺動部材30bXは静止する。したがっ
て、記録モータ30Xが逆転しているときには、後側板
29aX側では、プラテンローラ24Xと排紙ローラ2
6Xへは駆動力は伝達されない。
【0120】一方、歯車32aXと駆動力伝達軸32X
を連結しているばねクラッチ32bXは、歯車32aX
の回転によって締付けられ、記録モータ30Xの駆動力
が、歯車32aXからばねクラッチ32bXを介して駆
動力伝達軸32Xへ伝達され、駆動力伝達軸32Xは歯
車32aXと同じ回転数で回転を始める。以下、第2の
実施例と同様な動作を行い、記録モータ30Xが逆転す
るときは、カッター25Xにより記録紙5Xを切断し、
切断終了後、記録紙5Xの巻戻しと、排出を同時に行
う。
【0121】なお、記録モータ30Xに対する、プラテ
ンローラ24Xと排紙ローラ26Xの減速比は、正転時
・逆転時とも、第2の実施例と同じであるので、各ロー
ラの径、及び搬送量は第1の実施例とまったく同一にな
る。
【0122】本実施例においては、第2の実施例の効果
に加えて、次のような効果がある。
【0123】第2の実施例では、第1および第2の揺動
歯車31eXが、異なる軸に取付けられた歯車33aX
と歯車34aXに同時に噛合わなければならないため、
第1および第2の揺動歯車31eXの揺動中心と、歯車
33aX及び歯車34aXの中心の位置関係や、歯車の
外形に高い精度が要求される。しかし、本変形例では、
第2の揺動歯車30eXが、同軸で同じ形状の歯車31
aXと歯車31bXに、同時に噛合うような構成として
いるため、実質的に一枚の歯車と噛合うような形とな
り、それぞれの歯車の中心位置に、第2の実施例で必要
なほどの精度は要求されない。 (第3の実施例)次に、本発明の画像記録装置の第3の
実施例に係る記録系の詳細な構造について、第1の実施
例と相違する点を強調しつつ説明する。
【0124】図17は記録系の平面図、図18は図17
に示した記録系の、記録モータが正転している状態での
後方側面図であり、図19は図17に示した記録系の、
記録モータが逆転している状態での後方側面図である。
【0125】以下、特許請求の範囲の請求項3で記述し
た、第1の駆動力伝達手段から第5の駆動力伝達手段ま
で、これらの構造について、順に説明していく。 <第1,第2の駆動力伝達手段>図17と図18で示す
ように、記録モータ30Yの出力軸にはモータギア30
aY(歯数Z30aY=15)が固定されこのモータギア3
0aYには揺動部材30bYの一端部が一体的に連結さ
れている。また、揺動部材30bYの他端部の軸30c
Yに回転自在に取付けられ、かつモータギア30aYと
常に噛合うように配置された後述する第3の揺動歯車3
0dY(歯数Z30dY=55)と、この第3の揺動歯車3
0dYと接着されて軸30cYに対し回転自在で、歯幅
が大きい第1および第2の揺動歯車30eY(歯数Z
30eY=20)が取付けられている。そして、第1および
第2の揺動歯車30eYは、後側板29aYに固定され
ている軸31Yにそれぞれ回転自在に取付けられた同じ
形状の第1のプラテンローラ駆動用歯車31aY(歯数
31aY=20)と第1の排紙ローラ駆動用歯車31bY
(歯数Z31bY=20)とに、同時に噛合うことができる
ように配置されている。さらに、第1のプラテンローラ
駆動用歯車31aYはプラテンローラ軸33Yに取付け
られた歯車33aY(歯数Z33aY=55)と噛合い、第
1の排紙ローラ駆動用歯車31bYは排紙ローラ軸34
Yに取付けられた歯車34aYと噛合っている。記録モ
ータ30Yからプラテンローラ軸33Y、排紙ローラ軸
34Yに駆動力を伝達する経路を、それぞれ、第1の駆
動力伝達手段,第2の駆動力伝達手段と呼ぶ。
【0126】以上の構成からなる第1の駆動力伝達手段
による記録モータ30Yに対するプラテンローラ24Y
の減速比Rp は Rp =(Z30dY/Z30aY)×(Z31aY/Z30eY)×(Z31aY/Z30aY) =(55/15)×(20/20)×(55/20) ≒10.0833 となる。 <第3の駆動力伝達手段>また、第3の揺動歯車30d
Yは、図20で示す位置に揺動したとき、2つの軸受3
2cY,32dYを介して後側板29aYと前側板29
bYの間に渡って取付けられている駆動力伝達軸32Y
に取付けられている歯車32aY(歯数Z 32aY=55)
とも噛合うように配置されている。そして、駆動力伝達
軸32Yの前側板29bY側の端部には、歯車32eY
(歯数Z32eY=20)が固定され、この歯車32eY
は、前側板29bYに固定された軸37Yに回転自在に
取付けられた歯車37aY(歯数Z37aY=36)と噛合
っている。また、歯車37aYは、前側板29bYに固
定された軸38Yに回転自在に取付けられた歯車38a
Y(歯数Z38aY=41)と噛合っている。そして、歯車
38aYと一体に形成されたセクタ歯車38bYの側面
で、回転中心から10mm離れた位置に、クランク軸3
9Yが形成されている。セクタ歯車38bYについては
後で詳しく述べる。クランク軸39Yにはクランクアー
ム40Yの一端が取付けられ、このクランクアーム40
Yの他端はカッターアーム41Yと連結され、カッター
アーム41Yはカッター25Yに連結されている。 <第4の駆動力伝達手段>また、セクタ歯車38bY
は、図7に示したものと同様に、モジュールm=0.
8、歯数Z38bY=41の歯車から、Cで示す領域の歯を
25枚取り去って、Dで示す領域の16枚の歯だけ残さ
れたように形成されている。そして、このセクタ歯車3
8bYは、一回転する間に、前側板29bY側でプラテ
ンローラ軸33Yの端部に固定されている第2のプラテ
ンローラ駆動用歯車33dY(歯数Z33 dY=55)と、
前記16枚の歯が噛合うように配置されている。
【0127】以上の構成からなる第3,第4の駆動力伝
達手段による記録モータ30Yに対するプラテンローラ
24Yの減速比Rp ′は Rp ′= (Z30dY/Z30aY)×(Z32aY/Z30dY)×(Z37aY/Z32eY) ×(Z38aY/Z37aY)×(Z33dY/Z38bY) = (55/15)×(55/55)×(36/20) ×(41/36)×(55/41) = (55/15)×(55/20) ≒10.0833 となる。これは、第1の駆動力伝達手段による記録モー
タ30Yに対するプラテンローラ24Yの減速比Rp
等しい。このように、第3,第4の駆動力伝達手段の歯
車の歯数は決定してある。
【0128】そして、セクタ歯車38bYの軸38Yへ
の取付け方は、カッター25Yが待機位置にあるとき
に、図5で示したものと同様に、セクタ歯車38bYの
16枚の歯が、第2のプラテンローラ駆動用歯車33d
Yとセクタ歯車38bYとが噛合う位置から、セクタ歯
車38bYが回転する矢印e方向に、少しだけずれた位
置にくるような取付け方となっており、セクタ歯車38
bYがこの回転位置にあるときには第2のプラテンロー
ラ駆動用歯車33dYが回転しても、2つの歯車は噛合
わない。そして、この時、クランク軸39Yがカッター
アーム41Yとクランクアーム40Yの連結位置からも
っとも離れた位置(下死点)にくるように、クランク軸
39Yの位置が決定される。 <第5の駆動力伝達手段>さらに、プラテンローラ軸3
3Yのまわりで、第2のプラテンローラ駆動用歯車33
dYの回転と一緒に揺動する揺動部材33fY上の軸3
3gYに、プラテンローラ軸33Yに固定された第2の
プラテンローラ駆動用歯車33dYと噛合うように第3
の揺動歯車33eY(歯数Z33eY=20)を配置し、ま
た、この第3の揺動歯車33eYは、第2のプラテンロ
ーラ駆動用歯車33dYが矢印h方向に回転すると、揺
動部材33fYと共に矢印h方向に揺動し、前側板29
bYに固定された軸42Yに取付けられている第2の排
紙ローラ駆動用歯車42bY(歯数Z42bY=20)と噛
合うように配置されている。そして、歯車42aY(歯
数Z42aY=55)は、第2の排紙ローラ駆動用歯車42
bYと一体に形成されており、排紙ローラ軸34Yに固
定された歯車34eY(歯数Z34eY=31)と、噛合う
ように配置されている。なお、図中には示してないが、
第2のプラテンローラ駆動用歯車33dYが矢印h方向
と逆の向きの矢印h′方向に回転するとき、揺動部材3
3fYが、図5で示す位置より矢印h′方向に揺動しな
いように、ストッパー部材が設けられている。
【0129】つぎに、この記録系6Yの詳細な動作につ
いて説明する。
【0130】まず、図18によって、記録モータ30Y
が正転(矢印a方向に回転)して、モータギア30aY
が矢印a方向に回転するときの動作について説明する。
【0131】モータギア30aYが矢印a方向に回転す
ると、第3の揺動歯車30dYは矢印a方向に揺動す
る。同時に第1および第2の揺動歯車30eYも矢印a
方向に揺動し、図18で示す位置、すなわち、2つの歯
車31aY、歯車31bYと噛合う位置まで揺動する。
そして、モータギア30aYの矢印a方向の回転によ
り、第3の揺動歯車30dYと第1および第2の揺動歯
車30eYは、矢印b方向に回転し、第1のプラテンロ
ーラ駆動用歯車31aYと第1の排紙ローラ駆動用歯車
31bYは矢印k方向にそれぞれ回転する。さらに、歯
車33aYは矢印f方向へ、歯車34aYは矢印c方向
に回転を始め、プラテンローラ軸33Yと排紙ローラ軸
34Yは、記録モータ30Yから駆動力を伝達されて、
それぞれ、記録紙を搬送する方向に回転を始める。
【0132】また、プラテンローラ軸33Yの前側板2
9bY側に固定されている第2のプラテンローラ駆動用
歯車33dYも、矢印h′方向に回転する。これによっ
て、揺動部材33fYも矢印h′方向に回転しようとす
るが、前述したように、図示しないストッパー部材によ
り、揺動部材33fYは矢印h′方向の回転を阻止さ
れ、図5で示す位置と同様な位置で静止している。ただ
し、第1および第2の揺動歯車33eYは、第2のプラ
テンローラ駆動用歯車33dYから駆動力を伝達されて
回転するが、第1および第2の駆動歯車33eYは第2
のプラテンローラ駆動用歯車33dY以外の歯車とは噛
合わない。また、セクタ歯車38bYは、図5で示すも
のと同様に、第2のプラテンローラ駆動用歯車33dY
と噛合う位置には、歯のない部分がきており、第2のプ
ラテンローラ駆動用歯車33dYとセクタ歯車38bY
は噛合わない。さらに、駆動力伝達軸32Yからカッタ
ー25Yへは駆動力が伝達されてこないため、カッター
25Yは駆動されない。そして、排紙ローラ軸34Yに
固定された歯車34eYは、排紙ローラ26Yの回転と
同じように回転して、歯車34eYと噛合っている歯車
42aY、それと一体の第2の排紙ローラ駆動用歯車4
2bYへ駆動力を順次伝達するが、第4の揺動歯車33
eYは、図5で示す位置と同様な位置にあるため、これ
と同じ方向に回転する第2の排紙ローラ駆動用歯車42
bYの歯と第4の揺動歯車33eYの歯が、ぶつかるこ
とはない。
【0133】以上のように、記録モータ30Yが、矢印
a方向に回転したときには、プラテンローラ24Yと排
紙ローラ26Yが、記録紙を搬送する方向に回転し、カ
ッター25Yは駆動されない。
【0134】ここで本実施例における、プラテンローラ
24Yと排紙ローラ26Yが記録紙を搬送するときの搬
送量、そして、それぞれのローラ径を計算しておく。
【0135】プラテンローラ24Yが正転するときの減
速比Rp は Rp ≒10.0833 排紙ローラ26Yの減速比Rh は Rh =(Z30dY/Z30aY)×(Z31bY/Z30eY)×(Z34aY/Z31bY) =(55/15)×(20/20)×(31/20) ≒5.6833 本実施例のファクシミリ装置は、GIVファクシミリであ
り、記録紙の搬送方向(副走査方向)の記録解像度は、
400dpi(dots/inch)である。したがっ
て、1ドットの副走査方向の長さL0 は、 L0 =25.4/400 =0.0635(mm) 記録モータ30Yは、ステップ角7.5°、2相のPM
型ステッピングモータで、1−2相励磁で駆動させるの
で、記録モータ30Yの回転時の最小ステップ角度θ0
は、 θ0 =7.5°/2 =3.75° したがって、プラテンローラ24Yの直径dp は、プラ
テンローラ24Yの最小ステップ角度θp0〔rad〕に
よって、次の式より求められる。
【0136】L0 =(dp /2)×θp0 ここで θp0=(θ0 ×π/180°)/Rp ∴dp =2×L0 /θp0 ={2×L0 /(θ0 ×π/180°)}×Rp ≒19.565(mm) しかし、プラテンローラ24Yの直径dp を実際にこの
寸法で製造して、画像の記録を行うと、プラテンローラ
24Yの表面の変形や、記録紙を搬送するための負荷に
よって、記録紙の搬送量が減り、画像の縮みが生じる。
したがって、プラテンローラ24Yの直径dp の設計値
は、計算値より少し大きい値で次のように決定する。
【0137】dp =19.60±0.05(mm) また、画像記録時には、記録モータ30Yを400pp
s(pulses/sec)で駆動するので、プラテン
ローラ24Yによって、記録紙が1秒間に搬送される長
さL1 は、画像の伸縮がないとすると次のようになる。
【0138】L1 =L0 ×400 =25.40(mm) これにより、プラテンローラ24Yと、排紙ローラ26
Yの間で記録紙がたわまないようにするために、排紙ロ
ーラ26Yが1秒間に記録紙を搬送する長さを、プラテ
ンローラ24Yが搬送する長さより、わずかに大きくし
て、25.42mmと設定すると、排紙ローラ26Yの
直径dh と、排紙ローラ角回転速度ωhの関係は次のよ
うになる。
【0139】dh /2×ωh =25.42 ここで、排紙ローラ角回転速度ωh は ωh =(3.75°×400×π/180°)/Rh ≒4.6064(rad/s) したがって dh ≒11.037(mm) プラテンローラ24Yと同様に、設計値はわずかに大き
くして dh =11.10±0.05(mm) とする。
【0140】つぎに、図19によって、記録モータ30
Yが逆転して、モータギア30aYが矢印a′方向に回
転するときの動作について説明する。
【0141】モータギア30aYが矢印a′方向に回転
すると、第3の揺動歯車30dYは矢印a′方向に揺動
し、それと同時に第1および第2の揺動歯車30eYも
矢印a′方向に揺動して、第1のプラテンローラ駆動用
歯車31aYと第1の排紙ローラ駆動用歯車31bYと
の噛合いがはずれ、図19で示すように、第3の揺動歯
車30dYが歯車32aYと噛合う位置にくる。したが
って、記録モータ30Yが逆転しているときには、後側
板29aY側では、プラテンローラ24Yと排紙ローラ
26Yへは駆動力は伝達されない。このとき、第3の揺
動歯車30dYは、モータギア30aYから伝達される
記録モータ30Yからの駆動力により、矢印b′方向へ
回転するので、歯車32aYは矢印d方向へ回転を始
め、記録モータ30Yの駆動力が、駆動力伝達軸32Y
へ伝達され、駆動力伝達軸32Yは歯車32aYと同じ
回転数で回転を始める。そして、前側板29bY側で、
駆動力伝達軸32Yに固定されている歯車32eYも、
矢印g方向に回転を始める。さらに、記録モータ30Y
からの駆動力は、歯車37aYを経由して、歯車38a
Yおよびセクタ歯車38bYへと順次伝達され、セクタ
歯車38bYは矢印e方向に回転しはじめる。そして、
セクタ歯車38bY上に設けられたクランク軸39Yの
回転により、クランクアーム40Yと、カッターアーム
41Yを経由して、カッター25Yが駆動される。この
とき、図5で示すカッターアーム41Yが下死点にある
状態から、セクタ歯車38bYが回転して、図8で示し
たものと同様にカッターアーム41Yが上死点に達する
までの間に、カッター25Yの下刃も下死点から上死点
に達し、カッター25Yの通紙部にある記録紙を切断す
る。一方、このカッターアーム41Yが下死点から上死
点まで動かされる間には、セクタ歯車38bYが矢印e
方向に回転しても、第2のプラテンローラ駆動用歯車3
3dYと噛合う位置に、セクタ歯車38bYの歯はこな
い。したがって、プラテンローラ24Yには駆動力は伝
達されない。また、揺動部材33fYも図5で示す位置
と同様な位置に静止したままであるので、排紙ローラ2
6Yにも駆動力は伝達されない。すなわち、この間、プ
ラテンローラ24Yと排紙ローラ26Yは静止したまま
で、記録系6Yは記録紙を切断する動作のみを行う。
【0142】次に、図8に示したものと同様に、カッタ
ー25Yが上死点にある状態から、セクタ歯車38bY
が矢印e方向に少し回転すると、図9で示したものと同
様に、セクタ歯車38bYの歯と、第2のプラテンロー
ラ駆動用歯車33dYの歯が噛合い始める。すると、第
2のプラテンローラ駆動用歯車33dYへ記録モータ3
0Yからの駆動力が伝達され、第2のプラテンローラ駆
動用歯車33dYは矢印h方向に回転を始める。第2の
プラテンローラ駆動用歯車33dYはプラテンローラ軸
33Yに固定されているので、これにより、プラテンロ
ーラ24Yは記録紙を搬送する方向とは逆の方向に回転
を始め、切断後のプラテンローラ24Yとサーマルヘッ
ドに挟持された記録紙を巻き戻す。そして、第2のプラ
テンローラ駆動用歯車33dYの回転によって、図9で
示すように、揺動部材33fYとこれに支持された第4
の揺動歯車33eYが揺動し、第4の揺動歯車33eY
が第2の排紙ローラ駆動用歯車42bYと噛合う。第4
の揺動歯車33eYは、矢印i方向に回転し、さらに、
記録モータ30Yの駆動力は、第2の排紙ローラ駆動用
歯車42bYおよび歯車42aYを経由して、歯車34
eYが矢印j方向に回転するように伝達される。これに
より、排紙ローラ26Yは切断後の排紙ローラ26Yに
挟持された記録紙を、装置外に備え付けた記録紙排紙ト
レイへ排出するように回転する。したがって、記録紙の
先端をカッター25Yの位置からプラテンローラ24Y
の方へ巻戻す動作と、切断された記録紙を記録紙排紙ト
レイへ排出する動作は、同時に行われることになる。
【0143】また、このときプラテンローラ軸33Yと
排紙ローラ軸34Yの、後側板29aY側にそれぞれ取
付けられた歯車33aYと歯車34aYは、それぞれ、
図19で示す矢印f′,矢印c方向にそれぞれ回転し、
それによって、第1のプラテンローラ駆動用歯車31a
Yは矢印k′方向に回転し、第1の排紙ローラ駆動用歯
車31bYは矢印k方向に回転する。そして、第1およ
び第2の揺動歯車30eYは、図19で示す位置にまで
遠ざかっているので、この2つの歯車は、その回転方向
が逆であっても何の問題はない。
【0144】図9で示すと同様な状態から、さらにセク
タ歯車38bYが矢印e方向に回転して、セクタ歯車3
8bYの歯が第2のプラテンローラ駆動用歯車33dY
の歯と噛合わなくなると、第2のプラテンローラ駆動用
歯車33dYは回転を停止し、同時にプラテンローラ2
4Yも、記録紙を巻戻す動作を停止し、排紙ローラ26
Yも回転を停止する。この時、記録紙の先端がプラテン
ローラ24Y上の記録位置より、2mm程度カッター2
5Yよりの位置まで巻戻されるように、セクタ歯車38
bYの歯数と、プラテンローラ24Y上の記録位置から
カッター25Yによる記録紙切断位置までの距離との関
係を決定する。本実施例では、後述の計算によりセクタ
歯車38bYの歯数を16枚とし、記録位置とカット位
置の距離を19.9mmと決定した。また、排紙ローラ
26Yが静止するまでに、記録紙が完全に排出されるよ
うにするため、排紙ローラ26Yの搬送量が、カッター
25Yによる記録紙カット位置から排紙ローラ26Yま
での距離より、大きい必要があるので、これを考慮し
て、カッター25Yと排紙ローラ26Yの位置関係と、
各歯車33eY,42bY,42aY,34eYの歯数
を決定し、本実施例では、後述の計算で確認されるよう
に24mmとしている。
【0145】このあと、図5で示したものと同様に、カ
ッターアーム41Yが下死点に達し、図示していないカ
ッターホームポジション検知センサーにより制御手段が
これを検知すると、制御手段は記録モータ30Yの回転
を停止させる。さらに、記録する必要があるときには、
再び記録モータ30Yを正転させ、揺動部材33fYが
図5で示す位置まで揺動して、前述した動作を繰返す。
【0146】以上説明したように、記録モータ30Yが
逆転するときは、カッター25Yにより記録紙を切断
し、切断終了後、記録紙の巻戻しと排出を同時に行う。
そして、プラテンローラ24Yが記録紙を巻き戻し終っ
たときには、記録紙の先端がプラテンローラ24Y上の
記録位置より、2mm程度出ているだけであるので、次
のページの記録を行う際に、記録紙のほぼ先端から画像
の記録を行うことができ、また、記録紙の無駄は生じな
い。
【0147】また、本実施例では、前述したように、記
録モータ30Yに対するプラテンローラ24Yの減速比
は、プラテンローラ24Yの正転時と逆転時で同じとな
るように、それぞれの駆動系の歯車の歯数を決定してい
る。したがって、モータの回転速度を同一として従来例
と比較してみると、記録紙の巻戻しに要する時間は同じ
である。しかし、第4の駆動力伝達手段のなかで、例え
ば歯車32eYの歯数を20から22に変更すると、記
録モータ30Yの逆転時におけるプラテンローラ24Y
の減速比Rp ″は Rp ″= (Z30dY/Z30aY)×(Z32aY/Z30dY)×(Z37aY/Z32eY) ×(Z38aY/Z37aY)×(Z33dY/Z38bY) = (55/15)×(55/55)×(36/22) ×(41/36)×(55/41) = (55/15)×(55/22) ≒9.1666 となる。したがって、Rp ″<Rp (1/Rp ″>1/
p )であるので、記録モータ30Yの回転速度を同じ
とすると、記録紙搬送時より、記録紙巻戻し時のほう
が、プラテンローラ24Yの回転速度が速いことがわか
る。つまり、本実施例において、記録モータ30Y正転
時におけるプラテンローラ24Yの減速比より、記録モ
ータ30Y逆転時におけるプラテンローラ24Yの減速
比を小さくすることによって、記録紙をカッター25Y
の位置から記録位置まで巻戻す時間を短縮することがで
き、より記録時間の短い記録駆動系を実現することがで
きる。
【0148】ここで本実施例の、記録モータ30Y逆転
時におけるプラテンローラ24Yの記録紙の巻戻し量
と、切断後の記録紙の排紙ローラ26Yによる搬送量を
計算する。
【0149】セクタ歯車38bYが一回転するとき、プ
ラテンローラ軸33Yに固定されている第2のプラテン
ローラ駆動用歯車33dY(歯数Z33dY=55)と噛合
う歯数は16であるので、プラテンローラ24Yの回転
量は16/55回転である。したがって、プラテンロー
ラ24Yによる記録紙の戻し量δp は δp =π・dp ×(16/55) ≒17.913(mm) この数値に記録紙の頭の余白部分のマージン2mmを加
えて、プラテンローラ24Y上の記録位置から、カッタ
ー25Yの切断位置までの距離が、19.9mmとなる
ように、プラテンローラ24Yとカッター25Yの位置
関係を決定する。なお、この値は、歯車32eYの歯数
がいくつであっても変らない。
【0150】記録モータ30Yが逆転するときの、プラ
テンローラ24Yに対する排紙ローラ26Yの回転速度
比Rphは、 Rph=(Z33eY/Z33dY)×(Z42bY/Z33eY)×(Z34eY/Z42aY) =(20/55)×(20/20)×(31/55) ≒0.20496 ここで、揺動部材33fYが図5の状態から、図9の状
態になるまでに、第2のプラテンローラ駆動用歯車33
dYの歯がセクタ歯車38bYの歯と3枚噛合うとする
と、排紙ローラ26Yの回転量は (16−3)/55/Rph≒1.1532回転 したがって、このときの排紙ローラ26Yの記録紙の搬
送量δh は、 δh =1.1532×π・dh ≒39.986(mm) 本実施例では、カッター25Yの記録紙切断位置から、
排紙ローラ位置までを24mmとしているので、排紙ロ
ーラ26Yは問題なく記録紙を排出できる。また、この
値は、歯車32eYの歯数がいくつであっても変らな
い。
【0151】以上説明してきた記録系動作は、図10で
示したものと同様な動作となり、従来例と比較して、第
1の実施例と同様な利点がある。 (第3の実施例の変形例)第3実施例では、第1の揺動
歯車と第3の揺動歯車が同一で、第3の揺動歯車が第1
および第2の揺動歯車と同軸の場合であったが、本例で
は、第1の揺動歯車と第2の揺動歯車が同一で、第3の
揺動歯車が、第1および第2の揺動歯車と回転軸が異な
る場合である。
【0152】図20および図21に、本発明の第3の実
施例の変形例を表す。他の部分は、第1の実施例と同じ
である。
【0153】図20は、後側板29aY側からみた記録
系の側面図で、記録モータ30Yが正転している場合、
図21は逆転している場合である。第3の実施例と異な
る部分は、記録モータ30Yの出力軸に取付けられた揺
動部材30bYの形状が「へ」の字形になっており、揺
動歯車30dYとは反対の位置に、第3の揺動歯車30
gY(歯数Z30gY=55)が軸30fYに回転自在で、
歯車32aYと噛合うように取付けられていることであ
る。
【0154】そして、記録モータ30Yが正転して、モ
ータギア30aYが矢印a方向に回転するときには、図
20で示すように、第1および第2の揺動歯車30eY
が、2つの歯車31aY,31bYに噛合う位置に揺動
して、記録モータ30Yの駆動力をプラテンローラ24
Yおよび排紙ローラ26Yへ伝達する。
【0155】また、記録モータ30Yが逆転して、モー
タギア30aYが矢印a′方向に回転するときには、図
21で示すように、第3の揺動歯車30gYが歯車32
aYと噛合う位置に揺動し、第1および第2の揺動歯車
30eYと2つの歯車31aY,31bYとの噛合いは
外れる。そして、第3の実施例と同様に、記録モータ3
0Yの駆動力を、カッターやプラテンローラ24Y、排
紙ローラ26Yへ伝達する。
【0156】本変形例では、記録モータ30Yが正転か
ら逆転、あるいは逆転から正転に、回転方向をかえると
き、第3の実施例に比較して、揺動部材30bYの揺動
範囲が少なくて良いため、より記録時間を短くすること
が可能となる。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、以下に
記載するような効果を奏する。
【0158】請求項1に記載の発明では、ファクシミリ
装置等におけるロール紙に画像を記録する記録駆動系
に、モータをただ一つだけ用い、プラテンローラ、排紙
ローラ、及び、カッターを駆動する駆動力伝達手段を実
現することによって、プラテンローラと排紙ローラを、
別々のモータで駆動した場合に必要であった、二つのロ
ーラを互いに同期させて回転させる制御を不要とする。
【0159】記録紙の頭出しの動作と、排出の動作を同
時に行わせることによって、最終ページ記録後に、排紙
・カッターモータだけ正転させて、最終ページの記録紙
の排出を行う動作を不要とし、記録開始から排出終了ま
での、トータルの記録時間を短縮できる。
【0160】装置全体でモータは、読取用と記録用の2
個だけしか使用しないので、コストダウンと装置の小型
化を計ることができる。さらに、装置全体でモータは2
個だけしか使用しないにもかかわらず、記録系と読取系
の動作を完全に独立してできるようにして、記録中であ
っても、原稿の読取動作が可能なファクシミリ装置を提
供できる。
【0161】請求項2および3に記載の発明では、上記
効果の他、また、モータに対するプラテンローラの減速
比を、プラテンローラの正転時と逆転時とでかえること
によって、モータの回転速度が同じであっても、記録開
始から次ページの記録開始が可能となるまでの時間を短
縮できる。
【0162】駆動系で使用する歯車の歯の枚数と、プラ
テンローラからカッターまでの距離を関連させて決定す
ることにより、記録紙の頭出しを行い、記録紙の無駄を
省くことができる。
【0163】記録モータ逆転時に排紙ローラが記録紙を
搬送する量が、カッターの位置から排紙ローラの位置ま
での距離より長くなるように、記録駆動系を決定するこ
とにより、記録後の記録紙を確実に装置外へ排出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置を備えたファクシミリ装
置の外観斜視図である。
【図2】図1の主要断面図である。
【図3】図2に示した、本発明の画像記録装置の第1実
施例に係る記録系の平面図である。
【図4】図3に示した記録系の後方側面図である。
【図5】図3に示した記録系の前方側面図である。
【図6】図3に示した記録系の前方側面部の斜視図であ
る。
【図7】図6に示したセクタ歯車の正面図である。
【図8】図3に示した記録系の前方側面図であり、カッ
ターアームが上死点に達した状態を示している。
【図9】図3に示した記録系の前方側面図であり、プラ
テンローラが逆回転している状態を示している。
【図10】図2に示した本発明の画像記録装置の第1実
施例の動作を説明するための図である。
【図11】図3に示した記録系の変形例を示す平面図で
ある。
【図12】本発明の画像記録装置の第2実施例に係る記
録系の平面図である。
【図13】図12に示した記録系の後方側面図である。
【図14】図12に示した記録系の後方側面部の斜視図
である。
【図15】図12に示した記録系の変形例を示す平面図
である。
【図16】図15に示した記録系の後方側面図である。
【図17】本発明の画像記録装置の第3実施例に係る記
録系の平面図である。
【図18】図17に示した記録系の後方側面図であり、
記録モータが正転している状態を示している。
【図19】図17に示した記録系の後方側面図であり、
記録モータが逆転している状態を示している。
【図20】図17に示した記録系の変形例を示す後方側
面図であり、記録モータが正転している状態を示してい
る。
【図21】図20と同様な図であり、記録モータが逆転
している状態を示している。
【図22】従来のファクシミリ装置の記録系の動作を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 原稿積載台 3 操作部 4 画像読取系 5 記録紙 6 記録系 7 電源 8 メイン電源 9 ハンドセット 10 原稿排紙トレイ 11 記録紙排紙トレイ 20 サーマルヘッド支持部 21 サーマルヘッド 22 サーマルヘッドホルダー 23 サーマルヘッド押圧ばね 24 プラテンローラ 25 カッター 25a 上刃 25b 下刃 25c カッター側板 25d 回転軸 25e ねじりコイルばね 25f ストッパー 25g 通紙部 25h 穴 25i 回転軸 25j 軸 26 排紙ローラ 27 排紙コロ 28 ガイドシャフト 29a 後側板 29b 前側板 30 記録モータ 30a モータギア 31 軸 31a 歯車 31b 歯車 31c ばねクラッチ 32 駆動力伝達軸 32a 歯車 32b 第3のばねクラッチ 32c,32d 軸受 32e 歯車 33 プラテンローラ軸 33a 歯車 33b 第1のばねクラッチ 33c 軸受 33d プラテンローラ駆動用歯車 33e 揺動歯車 33f 揺動部材 33h 軸受 34 排紙ローラ軸 34a 歯車 34b 第2のばねクラッチ 34c,34d 軸受 34e 歯車 37 軸 37a 歯車 38 軸 38a 歯車 38b セクタ歯車 39 クランク軸 40 クランクアーム 41 カッターアーム 42 軸 42a 歯車 42b 排紙ローラ駆動用歯車 6X 記録系 24X プラテンローラ 25X カッター 26X 排紙ローラ 29aX 後側板 29bX 前側板 30X 記録モータ 30aX モータギア 30bX 揺動部材 30cX 軸 30dX 第1の揺動歯車 30eX 第2の揺動歯車 31aX 歯車 31bX 歯車 31cX 揺動部材 31dX 揺動歯車軸 31eX 第1および第2の揺動歯車 31fX 連結軸 32X 駆動力伝達軸 32aX 歯車 32bX ばねクラッチ 32cX,32dX 軸受 32eX 歯車 33X プラテンローラ軸 33aX 第1のプラテンローラ駆動用歯車 33cX 軸受 33dX 第2のプラテンローラ駆動用歯車 33eX 第3の揺動歯車 33fX 揺動部材 33hX 軸受 34X 排紙ローラ軸 34aX 第1の排紙ローラ駆動用歯車 34cX,34dX 軸受 34eX 歯車 37X 軸 37aX 歯車 38X 軸 38aX 歯車 36bX セクタ歯車 39X クランク軸 40X クランクアーム 41X カッターアーム 42X 軸 42aX 歯車 42bX 第2の排紙ローラ駆動用歯車 6Y 記録系 24Y プラテンローラ 25Y カッター 26Y 排紙ローラ 29aY 後側板 29bY 前側板 30Y 記録モータ 30aY モータギア 30bY 揺動部材 30cY 軸 30dY 第3の揺動歯車 30eY 第1および第2の揺動歯車 30fY 軸 30gY 第3の揺動歯車 31aY 第1のプラテンローラ駆動用歯車 31bY 第1の排紙ローラ駆動用歯車 32Y 駆動力伝達軸 32aY 歯車 32cY,32dY 軸受 32eY 歯車 33Y プラテンローラ軸 33aY 歯車 33cY 軸受 33dY 第2のプラテンローラ駆動用歯車 33eY 第4の揺動歯車 33fY 揺動部材 33hY 軸受 34Y 排紙ローラ軸 34aY 歯車 34cY,34dY 軸受 34eY 歯車 37Y 軸 37aY 歯車 38Y 軸 38aY 歯車 38bY セクタ歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/00 108 Q 7046−5C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテンローラと、該プラテンローラ上
    で記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段と、前記
    プラテンローラの下流側に設けられた、前記記録紙を搬
    送して装置から排出するための排紙ローラと、前記プラ
    テンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、かつ前記
    記録紙を切断するためのカッターと、前記プラテンロー
    ラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動するため
    のモータと、前記カッターが待機位置にあるか否かを検
    知するための検知手段と、前記モータの回転を制御する
    制御手段とを有する画像記録装置において、 前記プラテンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッタ
    ーを駆動するためのモータは1つの記録モータで構成さ
    れ、 該記録モータが第1の方向に回転(以下、正転という)
    するとき、前記プラテンローラが前記記録紙を前記カッ
    ターの方向へ搬送する方向に回転(以下、正転という)
    するように、前記記録モータの駆動力を前記プラテンロ
    ーラに伝達する第1の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが正転するとき、前記排紙ローラが前記
    記録紙を装置外へ排出する方向に回転(以下、正転とい
    う)するように、前記記録モータの駆動力を前記排紙ロ
    ーラに伝達する第2の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転するときのみ、前記記録モータの
    駆動力を前記カッターへ伝達する第3の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータが逆転し、前記カッターが前記記録紙を
    切り終ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみ
    に、前記プラテンローラが逆転するように、前記記録モ
    ータの駆動力を前記プラテンローラに伝達する第4の駆
    動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段に
    よって前記プラテンローラが逆転しているときのみ、前
    記排紙ローラが正転するように、前記記録モータの駆動
    力を前記排紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータを正転させて、1ページ分の画像の記録
    を終了し、前記記録紙の切断位置を、前記カッターによ
    る切断位置まで搬送した後、前記カッターの待機位置を
    検知する検知手段によって前記カッターが待機位置に戻
    ることを検知するまで前記記録モータを逆転し、引き続
    き記録するページがある場合は、再び前記記録モータを
    正転させ、記録するページがない場合には、前記記録モ
    ータの動作を停止するように制御する制御手段とを有
    し、 前記第1の駆動力伝達手段は、記録モータとプラテンロ
    ーラ軸の間に介在し、前記記録モータが正転するときの
    み前記記録モータの駆動力をプラテンローラ軸に伝達
    し、逆転するときには空転するような第1のワンウェイ
    クラッチを有し、 前記第2の駆動力伝達手段は、前記記録モータと排紙ロ
    ーラ軸との間に介在し、前記記録モータが正転するとき
    のみ前記記録モータの駆動力を前記排紙ローラ軸に伝達
    し、逆転するときには空転するような第2のワンウェイ
    クラッチを有し、 前記第3の駆動力伝達手段は、前記記録モータとカッタ
    ーとの間に介在し、前記記録モータが逆転するときのみ
    前記記録モータの駆動力を前記カッターに伝達し、前記
    記録モータが正転するときには空転するような第3のワ
    ンウェイクラッチを有し、 前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッターが一回の動
    作を行う間に一回転し、前記カッターが前記記録紙を切
    り終ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみ
    に、前記プラテンローラ軸に駆動力を伝達するプラテン
    ローラ駆動用歯車と噛合うように配置されて、前記プラ
    テンローラが逆回転するように前記記録モータの駆動力
    を伝達する、外周の一部だけに歯が切られたセクタ歯車
    を有し、 前記第5の駆動力伝達手段は、前記プラテンローラ駆動
    用歯車と噛合い、該プラテンローラ駆動用歯車の軸を回
    転中心として該プラテンローラ駆動用歯車の回転と一緒
    に揺動する揺動部材に取付けられ、前記プラテンローラ
    が逆転するときには、排紙ローラが正転するように前記
    排紙ローラに駆動力を伝達する排紙ローラ駆動用歯車に
    噛合う位置に揺動し、前記プラテンローラが正転すると
    きには、前記排紙ローラ駆動用歯車と噛合わない位置ま
    で揺動するように配置された揺動歯車を有し、 前記第1の駆動力伝達手段による前記記録モータに対す
    るプラテンローラの減速比と、前記第4の駆動力伝達手
    段による前記記録モータに対する前記プラテンローラの
    減速比が等しいことを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 プラテンローラと、該プラテンローラ上
    で記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段と、前記
    プラテンローラの下流側に設けられた、前記記録紙を搬
    送して装置から排出するための排紙ローラと、前記プラ
    テンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、かつ前記
    記録紙を切断するためのカッターと、前記プラテンロー
    ラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動するため
    のモータと、前記カッターが待機位置にあるか否かを検
    知するための検知手段と、前記モータの回転を制御する
    制御手段とを有する画像記録装置において、 前記プラテンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッタ
    ーを駆動するためのモータは1つの記録モータで構成さ
    れ、 該記録モータが第1の方向に回転(以下、正転という)
    するとき、前記プラテンローラが前記記録紙を前記カッ
    ターの方向へ搬送する方向に回転(以下、正転という)
    するように、前記記録モータの駆動力を前記プラテンロ
    ーラに伝達する第1の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが正転するとき、前記排紙ローラが前記
    記録紙を装置外へ排出する方向に回転(以下、正転とい
    う)するように、前記記録モータの駆動力を前記排紙ロ
    ーラに伝達する第2の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転するときのみ、前記記録モータの
    駆動力を前記カッターへ伝達する第3の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータが逆転し、前記カッターが前記記録紙を
    切り終ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみ
    に、前記プラテンローラが逆転するように、前記記録モ
    ータの駆動力を前記プラテンローラに伝達する第4の駆
    動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段に
    よって前記プラテンローラが逆転しているときのみ、前
    記排紙ローラが正転するように、前記記録モータの駆動
    力を前記排紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータを正転させて、1ページ分の画像の記録
    を終了し、前記記録紙の切断位置を、前記カッターによ
    る切断位置まで搬送した後、前記カッターの待機位置を
    検知する検知手段によって前記カッターが待機位置に戻
    ることを検知するまで前記記録モータを逆転し、引き続
    き記録するページがある場合は、再び前記記録モータを
    正転させ、記録するページがない場合には、前記記録モ
    ータの動作を停止するように制御する制御手段とを有
    し、 前記第1の駆動力伝達手段は、記録モータから駆動力を
    伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転中心
    としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付
    けられ、かつ前記記録モータが正転するときにプラテン
    ローラ軸が正転するように該プラテンローラ軸に駆動力
    を伝達する第1のプラテンローラ駆動用歯車に噛合う位
    置に揺動し、前記記録モータが逆転するときに前記プラ
    テンローラ軸に駆動力を伝達する前記第1のプラテンロ
    ーラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺動するように配
    置された第1の揺動歯車を有し、 前記第2の駆動力伝達手段は、前記記録モータから駆動
    力を伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転
    中心としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に
    取付けられ、かつ前記記録モータが正転するときに排紙
    ローラ軸が正転するように該排紙ローラ軸に駆動力を伝
    達する第1の排紙ローラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動
    し、前記記録モータが逆転するときに前記排紙ローラ軸
    に駆動力を伝達する前記第1の排紙ローラ駆動用歯車と
    噛合わない位置まで揺動するように配置された第2の揺
    動歯車を有し、 前記第3の駆動力伝達手段は、前記記録モータとカッタ
    ーの間に介在し、かつ前記記録モータが逆転するときの
    み前記記録モータの駆動力を前記カッターに伝達し、前
    記記録モータが正転するときには空転するようなワンウ
    ェイクラッチを有し、 前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッターが一回動作
    する間に一回転し、前記カッターが前記記録紙を切り終
    ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみに、前
    記プラテンローラ軸に駆動力を伝達する第2のプラテン
    ローラ駆動用歯車と噛合うように配置されて、前記プラ
    テンローラが逆回転するように前記記録モータの駆動力
    を伝達する、外周の一部だけに歯が切られたセクタ歯車
    を有し、 前記第5の駆動力伝達手段は、前記第2のプラテンロー
    ラ駆動用歯車と噛合い、該第2のプラテンローラ駆動用
    歯車の軸を回転中心として該第2のプラテンローラ駆動
    用歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付けられ、
    前記プラテンローラが逆転するとき、排紙ローラが正転
    するように前記排紙ローラに駆動力を伝達する第2の排
    紙ローラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動し、前記プラテ
    ンローラが正転するときは、前記第2の排紙ローラ駆動
    用歯車と噛合わない位置まで揺動するように配置された
    第3の揺動歯車を有し、 前記第1の駆動力伝達手段による記録モータに対するプ
    ラテンローラの回転速度比が、第4の駆動力伝達手段に
    よる前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転
    速度比と等しいかまたは、第4の駆動力伝達手段による
    前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転速度
    比より小さいことを特徴とする画像記録装置。
  3. 【請求項3】 プラテンローラと、該プラテンローラ上
    で記録紙を押圧し画像を記録する画像記録手段と、前記
    プラテンローラの下流側に設けられた、前記記録紙を搬
    送して装置から排出するための排紙ローラと、前記プラ
    テンローラと前記排紙ローラとの間に位置し、かつ前記
    記録紙を切断するためのカッターと、前記プラテンロー
    ラ、前記排紙ローラおよび前記カッターを駆動するため
    のモータと、前記カッターが待機位置にあるか否かを検
    知するための検知手段と、前記モータの回転を制御する
    制御手段とを有する画像記録装置において、 前記プラテンローラ、前記排紙ローラおよび前記カッタ
    ーを駆動するためのモータは1つの記録モータで構成さ
    れ、 該記録モータが第1の方向に回転(以下、正転という)
    するとき、前記プラテンローラが前記記録紙を前記カッ
    ターの方向へ搬送する方向に回転(以下、正転という)
    するように、前記記録モータの駆動力を前記プラテンロ
    ーラに伝達する第1の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが正転するとき、前記排紙ローラが前記
    記録紙を装置外へ排出する方向に回転(以下、正転とい
    う)するように、前記記録モータの駆動力を前記排紙ロ
    ーラに伝達する第2の駆動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転するときのみ、前記記録モータの
    駆動力を前記カッターへ伝達する第3の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータが逆転し、前記カッターが前記記録紙を
    切り終ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみ
    に、前記プラテンローラが逆転するように、前記記録モ
    ータの駆動力を前記プラテンローラに伝達する第4の駆
    動力伝達手段と、 前記記録モータが逆転し、前記第4の駆動力伝達手段に
    よって前記プラテンローラが逆転しているときのみ、前
    記排紙ローラが正転するように、前記記録モータの駆動
    力を前記排紙ローラに伝達する第5の駆動力伝達手段
    と、 前記記録モータを正転させて、1ページ分の画像の記録
    を終了し、前記記録紙の切断位置を、前記カッターによ
    る切断位置まで搬送した後、前記カッターの待機位置を
    検知する検知手段によって前記カッターが待機位置に戻
    ることを検知するまで前記記録モータを逆転し、引き続
    き記録するページがある場合は、再び前記記録モータを
    正転させ、記録するページがない場合には、前記記録モ
    ータの動作を停止するように制御する制御手段とを有
    し、 前記第1の駆動力伝達手段は、記録モータから駆動力を
    伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転中心
    としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付
    けられ、かつ前記記録モータが正転するときにプラテン
    ローラ軸が正転するように該プラテンローラ軸に駆動力
    を伝達する第1のプラテンローラ駆動用歯車に噛合う位
    置に揺動し、前記記録モータが逆転するときに前記プラ
    テンローラ軸に駆動力を伝達する前記第1のプラテンロ
    ーラ駆動用歯車と噛合わない位置まで揺動するように配
    置された第1の揺動歯車を有し、 前記第2の駆動力伝達手段は、前記記録モータから駆動
    力を伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転
    中心としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に
    取付けられ、かつ前記記録モータが正転するときに排紙
    ローラ軸が正転するように該排紙ローラ軸に駆動力を伝
    達する第1の排紙ローラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動
    し、前記記録モータが逆転するときに前記排紙ローラ軸
    に駆動力を伝達する前記第1の排紙ローラ駆動用歯車と
    噛合わない位置まで揺動するように配置された第2の揺
    動歯車を有し、 前記第3の駆動力伝達手段は、前記記録モータから駆動
    力を伝達された歯車と常に噛合い、この歯車の軸を回転
    中心としてこの歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に
    取付けられ、かつ前記記録モータが逆転するとき、前記
    カッターに駆動力を伝達するカッター駆動用歯車に噛合
    う位置に揺動し、前記記録モータが正転するとき、前記
    カッターに駆動力を伝達する前記カッター駆動用歯車と
    噛合わない位置まで揺動するように配置された第3の揺
    動歯車を有し、 前記第4の駆動力伝達手段は、前記カッターが一回動作
    する間に一回転し、前記カッターが前記記録紙を切り終
    ってから待機位置まで戻る間のある一定時間のみに、前
    記プラテンローラ軸に駆動力を伝達する第2のプラテン
    ローラ駆動用歯車と噛合うように配置されて、前記プラ
    テンローラが逆回転するように前記記録モータの駆動力
    を伝達する、外周の一部だけに歯が切られたセクタ歯車
    を有し、 前記第5の駆動力伝達手段は、前記第2のプラテンロー
    ラ駆動用歯車と噛合い、該第2のプラテンローラ駆動用
    歯車の軸を回転中心として該第2のプラテンローラ駆動
    用歯車の回転と一緒に揺動する揺動部材に取付けられ、
    前記プラテンローラが逆転するとき、前記排紙ローラが
    正転するように前記排紙ローラに駆動力を伝達する第2
    の排紙ローラ駆動用歯車に噛合う位置に揺動し、前記プ
    ラテンローラが正転するときは、前記第2の排紙ローラ
    駆動用歯車と噛合わない位置まで揺動するように配置さ
    れた第4の揺動歯車を有し、 前記第1の駆動力伝達手段による記録モータに対するプ
    ラテンローラの回転速度比が、第4の駆動力伝達手段に
    よる前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転
    速度比と等しいかまたは、第4の駆動力伝達手段による
    前記記録モータに対する前記プラテンローラの回転速度
    比より小さいことを特徴とする画像記録装置。
  4. 【請求項4】 第1の揺動歯車と第2の揺動歯車が同一
    のものである請求項2または3に記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 第1の揺動歯車と第2の揺動歯車が同一
    で、第3の揺動歯車が、第1および第2の揺動歯車と同
    軸である請求項2または3に記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 第4の駆動力伝達手段の一つである外周
    の一部だけに歯が切られたセクタ歯車の歯数によって、
    プラテンローラ上の記録位置からカッターによる切断位
    置までの距離が決定される請求項1乃至5のいずれか1
    項に記載の画像記録装置。
  7. 【請求項7】 第5の駆動力伝達手段によって、排紙ロ
    ーラが駆動され、それにより記録紙を搬送する量が、カ
    ッターによる切断位置から排紙ローラの位置までの距離
    より長くなるように、排紙ローラの位置が決定される請
    求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
JP4047241A 1992-03-04 1992-03-04 画像記録装置 Pending JPH05246093A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6503009B2 (en) 2000-07-17 2003-01-07 Alps Electric Co., Ltd. Recording paper cutting mechanism
KR100858339B1 (ko) * 2001-08-31 2008-09-11 피비알 오스트레일리아 프로퍼티 리미티드 드럼 브레이크 조립체
JP2012123123A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Ricoh Co Ltd 自動原稿搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP2013188937A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Citizen Holdings Co Ltd プリンタ

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