JPH05245285A - ミシンの制御装置 - Google Patents

ミシンの制御装置

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JPH05245285A
JPH05245285A JP8473292A JP8473292A JPH05245285A JP H05245285 A JPH05245285 A JP H05245285A JP 8473292 A JP8473292 A JP 8473292A JP 8473292 A JP8473292 A JP 8473292A JP H05245285 A JPH05245285 A JP H05245285A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンにおいて、上糸の異常移動トラブルに
関連する縫製不良を防止する。 【構成】 上糸供給源と針4との間に設けた回転糸案内
17にロータリエンコーダを設けて、上糸10の移動量
を検出する。縫製データから求められる適正な上糸10
の移動量に基づいてその上限許容値を設定する設定回路
を設け、上糸移動量の検出値が上限許容値を越えたとき
にミシン主軸の停止信号を出力するように構成する。あ
るいは、回転糸案内17に磁気ブレーキを設け、上糸1
0の移動量の検出値が上限許容値を越えたときに、その
磁気ブレーキで上糸10に制動力を付与するように構成
してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上糸のトラブルに対処
してミシンを制御するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に示すように、ミシンにおける上
糸41は、針42の上下動に伴い布43及び針板44の
針孔45を貫通して釜46に供給され、下糸47と共に
ステッチ48を形成する。しかし、上糸41が釜止め4
9に引掛かると(以下、釜止め掛かりという)、天秤
(図示略)による上糸41の適正な引締めが行われず、
そのステッチ48に対し必要以上の量の上糸41が送出
され、布43と釜止め49との間に上糸41の異常ルー
プ50が残る。
【0003】そして、ステッチ長が長く布送りが大きい
ときには、この異常ループ50が針板44の針孔45か
ら抜けて布43の裏側に残り、見映えが悪くなるという
問題があった。これは、例えばタオルの刺繍のように両
面が見える刺繍において特に問題となっていた。また、
ステッチ長が短く布送りが小さいとき(例えば、刺繍ミ
シンで細かい刺繍柄のとき)には、この釜止め掛かりに
よる異常ループ50が何回も繰返されて団子状になり
(以下、絡み糸51という。)、この絡み糸51が針板
44の針孔45に目詰りして布送り及び縫製が不能にな
るという問題があった。
【0004】また、図12に示すように、針42の上昇
時には上糸41のループ52が形成され、本来は、この
ループ52のうち針41からステッチ48に至る後半部
52bを釜の剣先53が引掛けるのであるが、上糸41
の撚りの偏り等のため、このループ52のうち糸供給側
から針42に至る前半部52aが針42の後側へ回り込
み、この前半部52aを剣先53が引掛けてしまう場合
(以下、前掛かりという。)があった。この場合、異常
なタイミングで必要以上の量の上糸41が送出され、図
11とは別の異常ループが発生するという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
着目してなされたものであり、その課題は、上糸の異常
移動トラブルに関連する縫製不良を未然に防止できるミ
シンの制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の本発明のミシンの制御装置は、上
糸供給源と針との間で上糸移動量を検出する検出手段
と、縫製データに基づいて上糸移動量の上限許容値を設
定する設定手段と、上糸移動量の検出値が上限許容値を
越えたときにミシン主軸の停止信号を出力する制御手段
とを備えるよう構成される。
【0007】ここで、「検出手段」としては、上糸が案
内される回転糸案内の回転角を検出するロータリエンコ
ーダ等を例示できる。「設定手段」としては、縫製デー
タを記憶するデータ記憶回路と、縫製データ中のステッ
チ長、布厚、糸種、縫製条件等から計算により求められ
る適正な上糸移動量に基づいてその上限許容値を換算設
定する換算テーブルが格納された設定回路との組み合わ
せを例示できる。「制御手段」としては、中央演算装置
(CPU)を例示できる。
【0008】また、本発明の実施態様として、次の態様
(1)(2)を例示できる。 (1) 上糸の釜止め掛かりによる一つの異常ループが発生
するまではミシンの運転を許容し、次の異常ループが繰
返し発生するときにミシンの運転を停止させる態様。こ
の態様は、異常ループが発生してもこれが一つで終わり
針板の針孔から抜けてしまうときは、少なくとも布送り
及び縫製は続行できるから、これを許容することとする
一方、異常ループが繰返し発生して絡み糸になるとき
は、布送り及び縫製が不能になるから、これを防止しよ
うとするものである。但し、両面が見える刺繍において
は、布の裏側に残る一つの異常ループにより多少見映え
が低下する。
【0009】この場合、検出手段は、複数ステッチ分の
上糸移動量を累積して検出する。また、設定手段は、縫
製データ中のステッチ長等から計算により求められる複
数ステッチ分の適正な上糸移動量に、許容分として一つ
の異常ループ長を加えた値を、上糸移動量の上限許容値
として設定する。この異常ループ長は布と釜止めとの間
隔の約2倍であるから、例えば布と釜止めとの間隔が8
mmであれば、許容分を16mmとするのが一般的であ
る。また、制御手段は複数ステッチ分の上糸移動量の検
出値と上限許容値との比較を行う。
【0010】(2) 上記(1) の態様より条件を厳しくし、
上糸の釜止め掛かりによる一つの異常ループ、前掛かり
による一つの異常ループ又はその他の原因による過剰な
上糸移動のいずれかが発生したときにミシン主軸を停止
させ、一つの異常ループをも見逃さない態様。この態様
は、絡み糸による布送り及び縫製の不能を防止すること
は勿論のこと、一つの異常ループをも見逃さないことに
より、特に両面が見える刺繍における見映えの低下を防
止しようとするものである。
【0011】この場合、検出手段は、一ステッチ分の上
糸移動量を検出する。また、設定手段は、縫製データ中
のステッチ長等から計算により求められる一ステッチ分
の適正な上糸移動量に、許容分として例えばその適正な
上糸移動量の20〜30%分又は1〜15mmを加えた
値を、上糸移動量の上限許容値として設定する。また、
制御手段は一ステッチ分の上糸移動量の検出値と上限許
容値との比較を行う。
【0012】また、請求項2記載の本発明のミシンの制
御装置は、上糸供給源と針との間で上糸移動量を検出す
る検出手段と、縫製データに基づいて上糸移動量の上限
許容値を設定する設定手段と、上糸供給源と天秤との間
で上糸に制動力を付与する制動手段と、上糸移動量の検
出値が上限許容値を越えたときに制動手段の駆動信号を
出力する制御手段とから構成される。
【0013】ここで、「検出手段」及び「設定手段」に
ついては、請求項1記載のミシンの制御装置における前
記それらと同様である。「制動手段」としては、上糸が
案内される回転糸案内に磁気抵抗又は摩擦抵抗を付与す
るものを例示できる。「制御手段」としては、制動手段
が常に一定の制動力を発生するように制御するもの、或
いは、制動手段が上糸移動量の検出値と上限許容値との
差の大きさに応じた制動力を発生するように制御するも
のを例示できる。また、本発明の実施態様としても、請
求項1記載のミシンの制御装置における前記態様(1)(2)
を例示でき、但しミシンの運転を停止する代わりに上糸
に制動力を付与する。
【0014】また、請求項3記載の本発明のミシンの制
御装置は、上糸供給源と針との間で上糸移動タイミング
を検出する検出手段と、ミシン主軸の回転角度を検出す
る検出手段と、検出したミシン主軸の回転角度に対する
上糸移動タイミングが異常であるときにミシン主軸の停
止信号を出力する制御手段とから構成される。
【0015】ここで、「上糸移動タイミングの検出手
段」としては、上糸が案内される回転糸案内の回転角を
検出するロータリエンコーダ等を例示できる。「ミシン
主軸の回転角度の検出手段」としては、ミシン主軸に取
付けられ直接ミシン主軸の回転角度を検出するロータリ
エンコーダや、針棒、天秤等に取付けられ間接的にミシ
ン主軸の回転角度を検出するロータリエンコーダ等を例
示できる。また、本発明の実施態様としても、請求項1
記載のミシンの制御装置における前記態様(1)(2)を例示
できる。
【0016】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、検出手段で検
出された上糸移動量の検出値が、設定手段で設定された
上限許容値を越えたときに、制御手段がこれを判断して
ミシン主軸を停止させる。ここで、例えば前記実施態様
(1) によれば、少なくとも絡み糸による布送り及び縫製
の不能を防止できる。また、前記実施態様(2) によれ
ば、絡み糸による布送り及び縫製の不能を防止できるだ
けでなく、特に両面が見える刺繍における見映えの低下
を防止することができる。
【0017】また、請求項2記載の本発明によれば、検
出手段で検出された上糸移動量の検出値が、設定手段で
設定された上限許容値を越えたときに、制御手段がこれ
を判断し、制動手段が上糸に制動力を付与する。ここ
で、例えば前記実施態様(1) (但しミシンの運転を停止
する代わりに上糸に制動力を付与する。)によれば、上
糸の釜止め掛かりによる一つの異常ループが発生した
後、次の釜止め掛かりによる異常ループが繰返し発生す
るときに上糸に制動力を付与するので、その釜止め掛か
りが起こりにくくなり、少なくとも絡み糸による布送り
及び縫製の不能を防止できる。また、前記実施態様(2)
(同じく上糸に制動力を付与する。)によれば、上糸の
釜止め掛かりによる一つの異常ループ又はその他の原因
による過剰な上糸移動が発生したときに上糸に制動力を
付与するので、次のステッチにおけるこれらの現象が起
こりにくくなり、自動糸調子に近い作用が得られる。な
お、いずれの態様においても、いちいちミシンを停止さ
せなくてもよいので、縫製効率が上がる。
【0018】また、請求項3記載の本発明によれば、検
出されたミシン主軸の回転角度に対する上糸移動タイミ
ングが異常であるときに、制御手段がこれを判断してミ
シン主軸を停止させる。従って、請求項1記載の本発明
と、制御の基礎が異なるだけで、その他は同様の作用を
奏する。
【0019】
【実施例】以下、本発明を刺繍ミシンに具体化した実施
例を図面に基づいて説明する。図1〜図8は本発明の第
一実施例を示し、図1及び図2において、1は刺繍ミシ
ンのヘッドであり、上下動可能に支持された針棒3には
針4と布押え5とが取着されている。針板6には針孔7
が形成され、その下側には釜8が配設されて釜止め9に
より内釜が保持されている。そして、針棒3がミシン主
軸(図示略)の回転に伴い上下動されて、針4に挿通さ
れた上糸10及び釜8から供給された下糸により布11
にステッチ35が形成されるようになっている。なお、
本実施例における布11と釜止め9との間隔は約8mm
である。
【0020】ヘッド1の前面には、上糸ボビン等の上糸
供給源(図示略)から供給された上糸10を針4に案内
するための複数の糸案内片12,13,14が突設され
るとともに、天秤16がミシン主軸の回転に伴って上下
動可能に設けられている。また、ヘッド1の上方の前面
には、上糸10が一回又は数回巻回される回転糸案内1
7と、上糸10の張力を調整する糸調子18と、糸取り
バネ15とが列設されている。
【0021】図3に示すように、回転糸案内17は軸1
9を介してヘッド1に回転可能に支持され、軸19の内
端側には検出手段としての光学式のロータリエンコーダ
21が設けられている。このロータリエンコーダ21
は、回転糸案内17と一体に回転するように軸19に固
定された多数スリット20a付きの回転円板20と、回
転円板20を挟む位置に配置された投光素子21a及び
受光素子21bとを備え、回転糸案内17の回転に伴い
スリット20aの数に応じたパルスを出力して、上糸供
給源と針4との間で上糸10の移動量を検出するように
構成されている。
【0022】図4は刺繍ミシンの制御回路を示すブロッ
ク図であり、23は縫製中の針棒3が多数ある場合に駆
動中の針棒3に対応するロータリエンコーダ21を選択
する選択回路、24は選択されたロータリエンコーダ2
1からのパルス信号を累積するカウンター回路、25は
ミシン主軸の回転角度に基づいて1ステッチ又は複数ス
テッチ毎にタイミング信号を発生するタイミング信号発
生回路である。26は刺繍ミシンの全体を制御する制御
手段としてのCPU、27は刺繍データを記憶するデー
タ記憶回路、28は刺繍データ中のステッチ長、布厚、
糸種、縫製条件等から計算により求められる適正な上糸
移動量に基づいてその上限許容値を設定する換算テーブ
ルが格納された設定回路である。29はモータドライブ
回路、30は主軸駆動モータである。
【0023】上記のように構成された刺繍ミシンにおい
て、上糸10が送出されると、回転糸案内17と一体に
回転円板20が回転され、ロータリエンコーダ21から
上糸10の移動量に相当するパルスが出力され、その検
出信号がカウンター回路24に累積される。タイミング
信号発生回路25が1ステッチ又は複数ステッチ毎にタ
イミング信号を発生すると、これに応答してCPU26
は、カウンター回路24の上糸移動量の検出値を読出す
とともに、データ記憶回路27及び設定回路28のデー
タに基づいて上限許容値を演算し、その上糸移動量の検
出値と上限許容値とを比較する。そして、上糸移動量の
検出値が上限許容値を越えた場合は、上糸10のトラブ
ルが判断され、モータドライブ回路29にミシン主軸の
停止信号が出力され、ミシン主軸が直ちに停止される。
【0024】ここで、上記制御回路のプログラミングの
態様の例について、図5〜図8を参照して説明する。図
8は天秤16の運動曲線と、針4の運動曲線と、布11
の駆動枠(図示略)の駆動タイミングと、糸取りばね1
5の回転タイミングと、上糸10の移動タイミングとの
対応線図である。特に、糸取りばね15の回転タイミン
グと上糸10の移動タイミングについては、上糸の移動
が正常な時と、釜止め掛かりした時と、前掛かりした時
の三通りの場合について示してある。
【0025】(1) 図5に示すように、上糸10が釜止め
9に引掛かって一つの異常ループ36が発生するまでは
刺繍ミシンの運転を許容し、次の異常ループが繰返し発
生するときにミシン主軸を停止させる態様。この釜止め
掛かり時には、図8に示すように糸取りばね15の回転
タイミングも上糸10の移動のタイミングも正常時より
早まる。この態様においては、刺繍データ中のステッチ
長等から計算により求められる複数ステッチ分の適正な
上糸移動量に、許容分として一つの異常ループ35長
(本実施例では布11と釜止め9との間隔の約2倍であ
る16mm)を加えた値を、上糸移動量の上限許容値と
して設定する。
【0026】(2) 図6に示すように、ブラウス、Tシャ
ツ等に平刺繍をする場合、釜止め掛かりによる一つの異
常ループ、前掛かりによる一つの異常ループ又はその他
の原因による過剰な上糸移動のいずれかが発生したとき
にミシン主軸を停止させ、一つの異常ループをも見逃さ
ない態様。なお、前掛かり時には、図8に示すように糸
取りばね15の回転タイミングも上糸10の移動のタイ
ミングも正常時から完全にずれる。この態様において
は、刺繍データ中のステッチ長等から計算により求めら
れる1ステッチ分の適正な上糸移動量に、許容分として
例えばその適正な上糸移動量の25%分を加えた値を、
上糸移動量の上限許容値として設定する。
【0027】具体的には、図6に示すようにステッチ3
5のステッチ長をL0 とすると、布11の刺繍裏におい
て上糸10の回込み長L1 がL0 /4程度、下糸37の
下糸長L2 がL0 /2程度になるのが好ましい。よっ
て、布11の布厚をtとすると、1ステッチ分の適正な
上糸移動量は3L0 /2+2tとなる。例えば、布厚t
を0.5mmすると、ステッチ長L0 が1mmのとき1
ステッチ分の適正な上糸移動量は2.5mmとなり、許
容分はその25%である0.625mmとなり、上限許
容値は3.125mmとなる。この例では、図6に示す
ような小ループ38の発生は許容されるが、これを越え
る異常ループの発生は許容されない。
【0028】(3) 図7に示すように、タオル等に両面が
見える刺繍をする場合、上記態様(2)と同様に一つの異
常ループをも見逃さない態様。この態様においては、刺
繍データ中のステッチ長等から計算により求められる1
ステッチ分の適正な上糸移動量に、許容分として例えば
1mmを加えた値を、上糸移動量の上限許容値として設
定する。
【0029】具体的には、図7に示すように、ステッチ
35のステッチ長をL0 、布11の布厚をtとすると、
1ステッチ分の適正な上糸移動量はL0 +2tとなる。
例えば、布厚tを1mmすると、ステッチ長L0 が3m
mのとき1ステッチ分の適正な上糸移動量は5mmとな
り、上限許容値は許容分1mmを加えた6mmとなる。
この例でも、図7に示すような小ループ39の発生は許
容されるが、これを越える異常ループの発生は許容され
ない。
【0030】次に、本発明の第二実施例を図9及び図1
0に基づいて説明する。第二実施例の刺繍ミシンの制御
装置においては、図9に示すように、回転円板20に磁
気抵抗を作用させて、回転糸案内17を介し上糸10に
制動力を付与する制動手段としての磁気ブレーキ32が
設けられている。図10において、33は前記磁気ブレ
ーキ32を駆動するブレーキドライブ回路であり、CP
U26は上糸移動量の検出値と上限許容値との偏差に基
づいて磁気ブレーキ31の制動力を制御するようになっ
ている。なお、図9及び図10において、第一実施例と
同一の符号は同一の部材を示すものである。
【0031】従って、上糸10が送出されると、第一実
施例と同様に上糸10の移動量の検出信号がカウンター
回路24に累積される。タイミング信号発生回路25の
タイミング信号に応答してCPU26は、カウンター回
路24の上糸移動量の検出値を読出すとともに、データ
記憶回路27及び設定回路28のデータに基づいて上限
許容値を演算し、その上糸移動量の検出値と上限許容値
とを比較する。そして、上糸移動量の検出値が上限許容
値を越えた場合は、両値の偏差に基づいて磁気ブレーキ
31の制動力を制御し、その移動量に応じた張力が上糸
10に作用する。
【0032】ここで、例えば前記第一実施例の態様(1)
に相当する態様を採用すれば、上糸の釜止め掛かりによ
る一つの異常ループが発生した後、次の釜止め掛かりに
よる異常ループが繰返し発生するときに上糸10に制動
力を付与するので、その釜止め掛かりが起こりにくくな
り、少なくとも絡み糸による布送り及び縫製の不能を防
止できる。また、前記態様(2) に相当する態様を採用す
れば、上糸の釜止め掛かりによる一つの異常ループ又は
その他の原因による過剰な上糸移動が発生したときに上
糸10に制動力を付与するので、次のステッチにおける
これらの現象が起こりにくくなり、自動糸調子に近い作
用が得られる。いずれの態様においても、いちいちミシ
ンを停止させなくてもよいので、縫製効率が上がる。
【0033】なお、上記第二実施例において、第一実施
例のミシン主軸の停止機能を付加し、上糸10の移動量
が上限許容値よりさらに大きい異常値を越えたときにミ
シン主軸を直ちに停止するように構成してもよい。
【0034】次に、本発明の第三実施例を第一実施例の
図1〜図8を援用して説明する。第三実施例の刺繍ミシ
ンの制御装置は、図8に示したような釜止め掛かり時又
は前掛かり時における上糸移動タイミングのずれを利用
して制御しようとするものである。本実施例において
は、設定回路28によりミシン主軸の回転角度に対する
適正な上糸移動タイミングが設定されるようになってお
り、CPU26は、カウンター回路24からの上糸移動
タイミングの検出値を読出すとともに、データ記憶回路
27及び設定回路28のデータに基づいて、ミシン主軸
の回転角度に対する上糸移動タイミングの検出値が異常
になったときに、ミシン主軸の停止信号を出力するよう
になっている。従って、第一実施例とは制御の基礎が異
なるだけで、その他は同様の作用及び効果を奏する。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、検出手段及び制動手段の設置場所
を適宜に変更するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体化するこ
とも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のミシンの
制御装置によれば、上糸の異常移動トラブルに関連する
縫製不良を防止でき、少なくとも絡み糸による布送り及
び縫製の不能を防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す刺繍ミシンの正面図
である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】検出手段の一例を示す図1の回転糸案内の断面
図である。
【図4】図1の刺繍ミシンの制御回路を示すブロック図
である。
【図5】異常ループが発生したときの図2の部分拡大図
である。
【図6】図1の刺繍ミシンによる平刺繍の拡大断面図で
ある。
【図7】図1の刺繍ミシンによる両面刺繍の拡大断面図
である。
【図8】図1の刺繍ミシンにおける天秤の運動曲線と、
針の運動曲線と、布の駆動枠の駆動タイミングと、糸取
りばねの回転タイミングと、上糸の移動タイミングとの
対応線図である。
【図9】本発明の第二実施例の刺繍ミシンにおいて制動
手段を示す断面図である。
【図10】第二実施例の刺繍ミシンの制御回路を示すブ
ロック図である。
【図11】従来例において絡み糸が発生したときの部分
断面図である。
【図12】従来例において前掛かりが発生したときの部
分断面図である。
【符号の説明】
4 針 10 上糸 16 天秤 17 回転糸案内 21 ロータリエンコーダ 26 CPU 27 データ記憶回路 28 設定回路 32 磁気ブレーキ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上糸供給源と針との間で上糸移動量を検
    出する検出手段と、縫製データに基づいて上糸移動量の
    上限許容値を設定する設定手段と、上糸移動量の検出値
    が上限許容値を越えたときにミシン主軸の停止信号を出
    力する制御手段とを備えたことを特徴とするミシンの制
    御装置。
  2. 【請求項2】 上糸供給源と針との間で上糸移動量を検
    出する検出手段と、縫製データに基づいて上糸移動量の
    上限許容値を設定する設定手段と、上糸供給源と天秤と
    の間で上糸に制動力を付与する制動手段と、上糸移動量
    の検出値が上限許容値を越えたときに制動手段の駆動信
    号を出力する制御手段とを備えたことを特徴とするミシ
    ンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上糸供給源と針との間で上糸移動タイミ
    ングを検出する検出手段と、ミシン主軸の回転角度を検
    出する検出手段と、検出したミシン主軸の回転角度に対
    する上糸移動タイミングが異常になったときにミシン主
    軸の停止信号を出力する制御手段とを備えたことを特徴
    とするミシンの制御装置。
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