JPH0523963A - テープによる研磨加工方法及び装置 - Google Patents

テープによる研磨加工方法及び装置

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JPH0523963A
JPH0523963A JP20121391A JP20121391A JPH0523963A JP H0523963 A JPH0523963 A JP H0523963A JP 20121391 A JP20121391 A JP 20121391A JP 20121391 A JP20121391 A JP 20121391A JP H0523963 A JPH0523963 A JP H0523963A
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JP
Japan
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tape
workpiece
thin film
polishing
film layer
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JP20121391A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tani
泰弘 谷
Junichi Ikeno
順一 池野
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
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Publication date
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超微細な砥粒を均一に、しかも適度の結合力
で付着させたテープにより、加工物の超精密仕上げ加工
を行う。 【構成】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜層を
設けたテープ2は、その導電性薄膜層が下面側となるよ
うにして、液槽7内のコロイダルシリカ9中に送られ
る。そのテープ2の導電性薄膜層には、導電ローラ12
から正電位が印加されている。したがって、そのテープ
2の下面には、電気泳動によってコロイダルシリカ9中
のシリカ粒子8が付着する。そのシリカ粒子8は超微細
な砥粒である。そして、そのシリカ粒子8が電気的結合
力によってテープ2に付着している間に、そのテープ2
が加工物16に押し付けられ、それによって加工物16
が研磨される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスや結晶材料、磁
性材料、あるいはセラミックス等の硬脆材料からなる加
工物をテープにより研磨加工する方法及び装置に関する
もので、特に、テープレコーダやビデオレコーダ等の磁
気ヘッドの曲面研磨、あるいは磁気ディスクの表面や光
ファイバ用コネクタの端面の鏡面仕上げ加工などのよう
な超精密仕上げに適した研磨加工方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】硬くて脆い材料からなる加工物を仕上げ
加工する場合には、一般に砥粒を用いた研磨加工が行わ
れる。最近では、電子部品や精密機器部品の精密仕上げ
が求められるようになり、その仕上げ加工に研磨テープ
が用いられるようになってきている。研磨テープは、ポ
リエステルからなる薄い基材フィルムの片面に微細な砥
粒を均一に塗布接着したもので、通常は、テープを送り
ながらその砥粒接着面を加工物の表面に押し当てること
によって、その加工表面を研磨するようにする。このよ
うな研磨テープによれば、次のような効果を得ることが
できる。砥粒が均一に塗布されているので、部分的な
研磨むらや不均一な傷が発生しにくく、優れた仕上げ面
を得ることができる。加工がテープの新たな部分で行
われるので、常に一定の加工精度を得ることができる。
フレキシブルな工具であるので、加工応力や加工変質
層の発生を軽減することができる。また、ロール状とし
ておくことにより連続自動送りができるので、研磨工程
の自動化が容易である。
【0003】従来の研磨テープは、その砥粒の粒径が
0.3〜30μm 程度のもので、その砥粒は基材フィル
ムに強固に接着するようにされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
ナノメータオーダの表面粗さ(Rmax =0.1〜10n
m)にまで仕上げる超精密研磨が求められるようになっ
てきている。そのような超精密研磨には、粒径がより小
さい超微細砥粒を用いることが望まれる。しかしなが
ら、粒径が1μm 以下になると、粒同士が凝集しやすく
なる。そして、そのような凝集粒子が存在すると、その
凝集粒子の大きさが仕上げ面粗さに対する実効粒径とな
るので、砥粒の粒径がいかに小さくても、仕上げ面にス
クラッチ等の傷が生ずることになる。また、そのように
粒同士が凝集すると、テープ上に砥粒を均一に分散させ
ることも難しくなる。
【0005】更に、超精密研磨を行うためには、砥粒の
結合力をある程度小さくすることが望まれる。砥粒の結
合力が小さければ、加工物の表面に接触することによっ
て砥粒が容易に脱落するので、一度研磨に関与して研磨
力の低下した砥粒が除去され、研磨力が一定に保たれる
ばかりでなく、研磨屑による目詰まりも防止されるよう
になる。しかしながら、従来のように砥粒を接着した研
磨テープの場合には、砥粒の接着力を小さくすると、搬
送中や保管中にもその砥粒が脱粒するので、テープ上の
砥粒が不均一となり、良好な仕上げ面を得ることができ
なくなってしまう。
【0006】このような問題のために、従来の研磨テー
プでは、ナノメータオーダの表面粗さにまで仕上げ加工
するということは不可能となっていた。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、超微細な砥粒を均一に付
着させたテープによって、加工物をナノメータオーダの
表面粗さにまで仕上げ加工することのできる研磨加工方
法及び装置を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、テープを送りながら、そのテープに電
気泳動法により超微細砥粒を付着させ、そのテープによ
って加工物を研磨加工するようにしている。すなわち、
本発明による研磨加工方法は、絶縁性基材フィルムの片
面に導電性薄膜層を設けたテープを、超微細な砥粒を分
散させた懸濁液中を通るようにして連続的に送り、その
テープの導電性薄膜層に電圧を印加することにより、懸
濁液中を通過するテープの片面にその懸濁液中の超微細
砥粒を付着させ、その砥粒が付着している間にそのテー
プの砥粒付着面を加工物に押し付けることによりその加
工物を研磨加工するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による第2の研磨加工方法は、絶縁性基材
フィルムの片面に導電性薄膜層を介して通常の砥粒を固
着した研磨テープを、超微細な砥粒を分散させた懸濁液
中を通るようにして連続的に送り、そのテープに固着さ
れている通常の砥粒によって加工物を粗研磨加工した
後、そのテープの導電性薄膜層に電圧を印加することに
より、懸濁液中を通過するテープの片面にその懸濁液中
の超微細砥粒を付着させ、その超微細砥粒によって加工
物を仕上げ加工するようにしたことを特徴としている。
そして、本発明による研磨加工装置は、絶縁性基材フィ
ルムの片面に導電性薄膜層が設けられたテープを一端側
において巻き取ることによって一方向に連続的に移動さ
せる巻取りローラと、そのテープの移動経路中に設けら
れ、超微細な砥粒を分散させた懸濁液を収容する導電性
材料からなる液槽と、その液槽内に配設され、前記テー
プにその絶縁性基材フィルム側の面から接触することに
よりそのテープが液槽内の懸濁液中を通るように案内す
る案内ローラと、前記液槽のテープ入口側に設置され、
そのテープの導電性薄膜層が設けられている面に接触す
る導電性材料からなる導電ローラと、その導電ローラと
液槽との間に電圧を印加する直流電源と、前記液槽のテ
ープ出口側に、そのテープの導電性薄膜層が設けられて
いる面に対向するようにして設置され、加工物を支持す
る支持台と、前記テープにその絶縁性基材フィルム側の
面から接触して、そのテープを前記支持台に支持された
加工物に押し付ける押付けローラと、を備えていること
を特徴としている。
【0009】
【作用】微細な粒子は液相、すなわち懸濁液の状態にお
いて電荷を持つ。したがって、その粒子間に電気的な反
発力が作用することにより、粒子は安定して分散する。
しかしながら、そのような懸濁液に電場を与えると、粒
子は電気泳動現象によって電極側に集まる。そして、そ
の吸引力が粒子間の電気的反発力を超えるときには、粒
子は電極に付着することになる。その場合、粒子は懸濁
液中において均一に分散しているので、電極に付着する
粒子も均一となる。したがって、上述のように、絶縁性
基材フィルムの片面に導電性薄膜層を設けたテープを、
超微細な砥粒を分散させた懸濁液中に通し、その導電性
薄膜層に正又は負電位を印加すると、その導電性薄膜層
が設けられている側のテープ面に超微細砥粒が均一に付
着する。しかも、その砥粒は電気的結合力によってテー
プに付着することになる。その電気的結合力は、印加す
る電圧の大きさによって制御することができる。こうし
て、超微細な砥粒を均一に、しかも比較的小さな結合力
で付着させた研磨テープが得られる。したがって、その
テープを用いて加工物の研磨加工を行うことにより、超
精密仕上げが可能となる。また、本発明の第2の研磨加
工方法のように、あらかじめ粒径の大きい砥粒を固着さ
せた研磨テープにより加工物を研磨加工し、次いで、そ
のテープに超微細砥粒を付着させて加工物を再度研磨加
工するようにすれば、粗加工と仕上げ加工とが連続して
行われるようになり、研磨工程のより合理的な自動化を
図ることが可能となる。そして、研磨加工装置を上述の
ように構成することにより、テープの導電性薄膜層には
導電ローラから電圧の印加が行われるようになる。ま
た、案内ローラ及び押付けローラはテープの砥粒が付着
しない絶縁性基材フィルム側の面に接触するので、付着
した砥粒によってそれらのローラが摩耗することが防止
される。こうして、その研磨加工装置により、上述のよ
うな研磨加工方法を実施することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による研磨加工装置の一実施例
を示す全体構成図であり、図2はその研磨加工装置に用
いられるテープの一例を示す断面図である。また、図3
はその研磨加工装置において形成される研磨テープの断
面図である。
【0011】図1から明らかなように、この研磨加工装
置1は、テープ2を繰り出す供給ローラ3と、そのテー
プ2を一端側において巻き取る巻取りローラ4とを備え
ている。その巻取りローラ4は図示されていないモータ
によって回転駆動され、それによってテープ2が供給ロ
ーラ3側から巻取りローラ4側へと連続的に送られるよ
うになっている。また、供給ローラ3の近傍及び巻取り
ローラ4の近傍にはそれぞれテンションローラ5,6が
設けられており、それらのテンションローラ5,6によ
ってテープ2に一定の張力が加えられるようになってい
る。
【0012】テープ2の移動経路中には、金属等の導電
性材料からなる液槽7が設置されている。その液槽7内
には、粒径10〜20nm程度の超微細な砥粒であるシリ
カ粒子8,8,…をアルカリ液に分散させたコロイダル
シリカ9、すなわち懸濁液が収容されている。そして、
その液槽7の上部に取り付けられた一対の案内ローラ1
0,11が、走行するテープ2の上面に接触することに
より、そのテープ2がコロイダルシリカ9中を通って図
で右側から左側へと移動するようにされている。
【0013】液槽7のテープ2が導かれてくる入口側の
側壁には、導電性材料からなる導電ローラ12が、絶縁
体13を介して回転自在に支持されている。そのローラ
12は、テープ2の下面に接触するようにされている。
そして、その導電ローラ12と液槽7との間に設けられ
た直流電源14により、その導電ローラ12に正電位が
印加されるようになっている。
【0014】また、液槽7のテープ2が出てゆく出口側
には、テープ2がコロイダルシリカ9から出たすぐ上の
位置に、そのテープ2に案内ローラ10,11と同じ側
の面から接触する押付けローラ15が設けられている。
そのローラ15は、図示されていないスプリング等によ
って、図で左方向に押圧付勢されている。一方、その押
付けローラ15に対向する位置には、加工物16を支持
する支持台17が設けられている。こうして、テープ2
がコロイダルシリカ9から出た直後に、そのテープ2の
液槽7内で下面となっていた面が加工物16に押し付け
られるようになっている。支持台17には、図示されて
いない加振装置によって、上下方向の往復振動が加えら
れるようになっている。
【0015】図2に示されているように、テープ2は、
絶縁性基材フィルム18の片面に、導電性高分子材料か
らなる導電性薄膜層19を形成したものとされている。
そのテープ2は、その導電性薄膜層19側の面が液槽7
内で下面となるようにして送られる。すなわち、導電ロ
ーラ12はその導電性薄膜層19に接触し、案内ローラ
10,11及び押付けローラ15は絶縁性基材フィルム
18に接触するようにされている。また、導電性薄膜層
19側の面が加工物16に押し付けられるようになって
いる。
【0016】次に、このように構成された研磨加工装置
1の作用について説明する。加工物16の研磨を行うと
きには、まず、供給ローラ3に巻き込まれているテープ
2を、その導電性薄膜層19側の面が液槽7内で下面と
なるようにして、図1のように取り回し、巻取りローラ
4を駆動する。すると、そのテープ2は、液槽7内にお
いてコロイダルシリカ9中を通って図1の右側から左側
へと移動する。
【0017】この状態で、直流電源14により導電ロー
ラ12に正電位、液槽7に負電位を印加する。その導電
ローラ12はテープ2の導電性薄膜層19に接触してい
る。したがって、その電圧印加により、導電性薄膜層1
9には正電位が印加されることになり、その導電性薄膜
層19が液槽7に対して陽極となる。一方、シリカ粒子
は、アルカリ液中においては負に帯電している。その結
果、液槽7内に収容されているコロイダルシリカ9中の
シリカ粒子8が電気泳動によりその導電性薄膜層19側
に集まり、電気的結合力によってテープ2の下面、すな
わちその導電性薄膜層19側の面に付着する。
【0018】こうして、テープ2がコロイダルシリカ9
中を通過する間に、そのテープ2の片面に超微細砥粒で
あるシリカ粒子8が付着し、そのテープ2が図3に示さ
れているような砥粒層20を有する研磨テープ21とな
る。その場合、シリカ粒子8が付着する導電性薄膜層1
9は高分子材料によって形成されているので、その粒子
8の一部は導電性薄膜層19内にもぐり込み、接着力が
発揮される。ただし、その導電性薄膜層19は導電ロー
ラ12に接触しても剥離することのないようにされてい
なければならないので、その接着力はあまり大きくな
い。すなわち、その接着力はシリカ粒子8と導電性薄膜
層19とのなじみをよくするためのもので、粒子8の結
合力は主として電気的に得られることになる。そして、
その電気的結合力は、直流電源14の電圧を調整するこ
とにより比較的小さくされている。また、シリカ粒子8
はコロイダルシリカ9中において均一に分散しているの
で、テープ2の導電性薄膜層19を介して一定の電場が
与えられることにより、テープ2に均一に付着する。し
たがって、得られる研磨テープ21は、超微細な砥粒を
均一に、しかも小さな結合力でもって付着させたものと
なる。
【0019】このようにして形成された研磨テープ21
は、次いで、液槽7内のコロイダルシリカ9から出たと
ころで、すなわち、シリカ粒子8の電気的結合力が保持
されている間に、押付けローラ15により加工物16に
押し付けられる。そして、そのテープ21が巻取りロー
ラ4の駆動力によって走行し、しかも、加工物16が支
持台17の加振装置によりテープ21の移動方向に沿っ
て往復振動するようにされているので、そのテープ21
の砥粒付着面、すなわち砥粒層20が加工物16の表面
に押し付けられることによってその加工物16が研磨加
工される。その場合、砥粒であるシリカ粒子8は超微細
であり、しかもその結合力が比較的小さいので、加工物
16は超精密に研磨される。
【0020】このようにして加工物16を研磨すると、
比較的小さな力で結合しているシリカ粒子8は、加工物
16との接触摩擦によってテープ2から離脱する。ま
た、液槽7から離れることによってその粒子8の電気的
結合力も失われる。したがって、加工物16の研磨が終
了すると、粒子8はほとんど脱落し、テープ2は元の状
態となる。そして、そのテープ2は巻取りローラ4に巻
きとられ、再使用される。
【0021】この間において、案内ローラ10,11及
び押付けローラ15はテープ2の基材フィルム18側の
面に接触するようにされている。そして、その面は電気
的に絶縁性に保たれているので、その面に砥粒であるシ
リカ粒子8が付着することはない。したがって、砥粒が
付着した後のテープ2によってそれらのローラ10,1
1,15が摩耗することは防止される。また、導電ロー
ラ12は、砥粒が付着する前にテープ2の導電性薄膜層
19に接触し、その薄膜層19に通電するようにされて
いるので、その導電ローラ12が砥粒によって摩耗する
ことも防止される。
【0022】このように、この研磨加工装置1を用いた
研磨加工方法によれば、加工時に通常のテープ2に砥粒
を付着させることによって研磨テープ21が形成され、
その研磨テープ21により加工物16の研磨加工が行わ
れるので、砥粒の結合力を十分に小さくすることができ
る。また、電気泳動によって砥粒をテープ2に付着させ
るようにしているので、超微細な砥粒であっても、その
砥粒を均一に分布させることができる。したがって、加
工物16の超精密仕上げを行うことが可能となる。
【0023】また、このような研磨加工装置1を用いれ
ば、加工物16の粗研磨加工から超精密仕上げ加工まで
を連続して行うこともできる。その場合には、工具テー
プ2として、図4に示されているように基材フィルム1
8の片面に比較的粒径の大きい砥粒22を接着した従来
と同様の研磨テープを用いる。ただし、その砥粒22を
接着する接着剤は、導電性高分子材料からなるものと
し、その接着剤によって導電性薄膜層19が形成される
ようにする。そして、そのテープ2を、砥粒22の固着
面が液槽7内で下面となるようにして図1のように取り
回し、まず、直流電源14を遮断した状態で加工物16
を研磨加工する。その場合には、シリカ粒子8はテープ
2に付着しないので、加工物16はテープ2に固着され
ている砥粒22によって研磨されることになる。その砥
粒22の粒径は大きい。したがって、それにより加工物
16は粗研磨加工される。加工物16の粗加工が終了す
ると、次に、直流電源14により導電ローラ12を介し
て導電性薄膜層19に正電位を印加する。すると、液槽
7内のコロイダルシリカ9中を通過するテープ2の導電
性薄膜層19側の面に、そのコロイダルシリカ9中のシ
リカ粒子8が電気泳動によって付着し、超微細砥粒から
なる砥粒層20が形成される。そして、その砥粒層20
によって、図5に示されているように、粒径の大きい砥
粒22が覆い隠される。したがって、その研磨テープ2
1が加工物16に押し付けられることにより、その加工
物16は超微細砥粒によって研磨されることになり、粗
研磨された加工物16が更に精密仕上げ加工される。た
だし、この場合には、テープ2の砥粒22固着面が導電
ローラ12に接触することになるので、その砥粒22に
よって導電ローラ12が摩耗することのないようにする
必要がある。そのためには、導電ローラ12としてブラ
シ状のものを用いることが考えられる。
【0024】なお、上記実施例においては、テープ2の
導電性薄膜層19を導電性高分子材料によって形成する
ものとしているが、その導電性薄膜層19は金属箔等に
よって形成することもできる。しかしながら、金属箔と
砥粒とはなじみがよくないので、砥粒の付着力が不足
し、加工物16に接触する前に砥粒が脱落してしまうこ
とがある。したがって、その場合には、図6あるいは図
7に示されているように、金属箔23の表面に高分子膜
24を被覆することが望ましい。ただし、その高分子膜
24が絶縁性のものであると、導電ローラから金属箔2
3に通電することができなくなるので、他の通電手段を
採用することが必要となる。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、加工物の加工時に、電気泳動法によってテー
プに砥粒を付着させ、その状態で加工物の研磨加工を行
うようにしているので、極めて微細な砥粒であっても均
一に分散させることができるとともに、その砥粒の結合
力も適切に設定することができる。したがって、ナノメ
ータオーダの表面粗さにまで仕上げ加工することが可能
となる。また、粗研磨加工から精密仕上げ加工までを連
続して行うことも可能となるので、研磨工程の全自動化
を図ることも容易となる。しかも、テープによる研磨加
工であるので、従来の研磨テープによる加工法の特徴は
完全に活かすことができる。更に、導電ローラや案内ロ
ーラ、押付けローラの配置により、その工程を円滑に進
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨加工装置の一実施例を示す全
体の構成図である。
【図2】その研磨加工装置に用いられるテープの一例を
示す要部の断面図である。
【図3】その研磨加工装置において形成される研磨テー
プの要部を示す断面図である。
【図4】図1の研磨加工装置に用いられるテープの異な
る例を示す要部の断面図である。
【図5】図4のテープから形成される研磨テープの要部
を示す断面図である。
【図6】本発明において用いられるテープの他の例を示
す要部の断面図である。
【図7】本発明において用いられるテープの更に異なる
例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1 研磨加工装置 2 テープ(研磨テープ) 3 供給ローラ 4 巻取りローラ 7 液槽 8 シリカ粒子(超微細砥粒) 9 コロイダルシリカ(懸濁液) 10,11 案内ローラ 12 導電ローラ 14 直流電源 15 押付けローラ 16 加工物 17 支持台 18 絶縁性基材フィルム 19 導電性薄膜層 20 砥粒層 21 研磨テープ 22 粒径の大きい砥粒 23 金属箔(導電性薄膜層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層を設けたテープを、超微細な砥粒を分散させた懸濁液
    中を通るようにして連続的に送り、 前記導電性薄膜層に電圧を印加することにより、前記懸
    濁液中を通過する前記テープの導電性薄膜層が設けられ
    ている側の面にその懸濁液中の超微細砥粒を付着させ、 次いで、その砥粒が電気的結合力によって前記テープに
    付着している間に、そのテープの砥粒付着面を加工物に
    押し付けて、その加工物を研磨加工することを特徴とす
    る、 テープによる研磨加工方法。
  2. 【請求項2】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層を介して砥粒を固着した研磨テープを、その砥粒より
    も微細な超微細砥粒を分散させた懸濁液中を通るように
    して連続的に送り、 その懸濁液中を通過した前記テープの砥粒固着面を加工
    物に押し付けることにより、その加工物を粗研磨加工
    し、 次いで、前記導電性薄膜層に電圧を印加することによ
    り、前記懸濁液中を通過する前記テープの導電性薄膜層
    が設けられている側の砥粒固着面にその懸濁液中の超微
    細砥粒を付着させ、 その超微細砥粒が電気的結合力によって付着している前
    記テープの面を前記加工物に押し付けることにより、そ
    の加工物を仕上げ研磨加工することを特徴とする、 テープによる研磨加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工物の研磨加工を、前記テープが
    前記懸濁液から出た直後に行うことを特徴とする、 請求項1又は2記載の研磨加工方法。
  4. 【請求項4】 前記テープとして、前記導電性薄膜層が
    導電性高分子材料により形成されているものを用いるこ
    とを特徴とする、請求項1又は2記載の研磨加工方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層が設けられたテープを、一端側において巻き取ること
    によって一方向に連続的に移動させる巻取りローラと、 そのテープの移動経路中に設けられ、超微細な砥粒を分
    散させた懸濁液を収容する導電性材料からなる液槽と、 その液槽内に配設され、前記テープにその絶縁性基材フ
    ィルム側の面から接触することにより、そのテープが前
    記液槽内の懸濁液中を通るように案内する案内ローラ
    と、 前記液槽の前記テープの入口側に設置され、そのテープ
    の前記導電性薄膜層が設けられている側の面に接触する
    導電性材料からなる導電ローラと、 その導電ローラと前記液槽との間に電圧を印加する直流
    電源と、 前記液槽の前記テープの出口側に、そのテープの前記導
    電性薄膜層が設けられている面に対向するようにして設
    置され、加工物を支持する支持台と、 前記テープにその絶縁性基材フィルム側の面から接触し
    て、そのテープを前記支持台に支持された加工物に押し
    付ける押付けローラと、 を備えてなる、テープによる研磨加工装置。
  6. 【請求項6】 前記支持台に、前記加工物を前記テープ
    の移動方向に沿って往復振動させる加振装置が設けられ
    ていることを特徴とする、請求項5記載の研磨加工装
    置。
JP20121391A 1991-07-17 1991-07-17 テープによる研磨加工方法及び装置 Pending JPH0523963A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07124853A (ja) * 1993-10-29 1995-05-16 Shin Etsu Handotai Co Ltd ウェーハのノッチ部研磨装置
JP2014083678A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 National Taiwan Univ Of Science & Technology 電気泳動式カッティングシステム及び電気泳動式カッティングキャリアの製造方法

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JPH07124853A (ja) * 1993-10-29 1995-05-16 Shin Etsu Handotai Co Ltd ウェーハのノッチ部研磨装置
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