JPH05239545A - 冷間圧延用作動ロールの製造方法 - Google Patents
冷間圧延用作動ロールの製造方法Info
- Publication number
- JPH05239545A JPH05239545A JP7814592A JP7814592A JPH05239545A JP H05239545 A JPH05239545 A JP H05239545A JP 7814592 A JP7814592 A JP 7814592A JP 7814592 A JP7814592 A JP 7814592A JP H05239545 A JPH05239545 A JP H05239545A
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- roll
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- cold rolling
- quenching
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性に優れたセミハイス系冷間圧延用
作動ロールを製造する際の焼き割れを防止する。 【構成】 重量％で、Ｃ：１〜１．５％、Ｓi ：１．
５％以下、Ｍn ：１．５％以下、Ｃr ：２〜６％、Ｍo
：０．７〜２％を含有し、さらにＶ：２％以下、Ｗ：
２％以下の１種または２種を含有し、残部がＦe および
不可避不純物からなるロール材を、焼入れ処理前に、８
５０〜９５０℃に加熱して油中に浸漬し、その後、５５
０〜６５０℃で焼戻し処理を行う。 【効果】 焼き入れ前の熱処理で、ロール内部の耐力
を増し、焼入れ時の熱歪みに起因する内部残留応力を軽
減して、焼き割れを有効に防止する。
作動ロールを製造する際の焼き割れを防止する。 【構成】 重量％で、Ｃ：１〜１．５％、Ｓi ：１．
５％以下、Ｍn ：１．５％以下、Ｃr ：２〜６％、Ｍo
：０．７〜２％を含有し、さらにＶ：２％以下、Ｗ：
２％以下の１種または２種を含有し、残部がＦe および
不可避不純物からなるロール材を、焼入れ処理前に、８
５０〜９５０℃に加熱して油中に浸漬し、その後、５５
０〜６５０℃で焼戻し処理を行う。 【効果】 焼き入れ前の熱処理で、ロール内部の耐力
を増し、焼入れ時の熱歪みに起因する内部残留応力を軽
減して、焼き割れを有効に防止する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、セミハイス系の冷間
圧延用作動ロールの製造方法に関するものである。
圧延用作動ロールの製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、圧延プロセスの高効率化に伴い、
使用される冷間圧延用作動ロールに対する要求品質は益
々厳しいものとなっている。特に、高負荷高速の過酷な
条件下で連続運転に耐えるためには、耐事故性とともに
耐摩耗性の改善が重要であることから、最近、Ｃr 以外
の炭化物形成元素を添加し、より硬質な炭化物を析出さ
せた、高耐摩耗性で、圧延損傷に強いセイミハイス系の
冷間圧延用作動ロール材が注目されている。このような
観点から、１〜１．５％Ｃ、２〜６％Ｃr 、０．７〜２
％Ｍo をベースとしたＣr −Ｍo 鋼に、さらにＶ：２％
以下、Ｗ：２％以下の１種以上を含有させることにより
冷間圧延用作動ロール材として、より優れた諸特性を付
与させたセミハイス系ロール材が提案されている。
使用される冷間圧延用作動ロールに対する要求品質は益
々厳しいものとなっている。特に、高負荷高速の過酷な
条件下で連続運転に耐えるためには、耐事故性とともに
耐摩耗性の改善が重要であることから、最近、Ｃr 以外
の炭化物形成元素を添加し、より硬質な炭化物を析出さ
せた、高耐摩耗性で、圧延損傷に強いセイミハイス系の
冷間圧延用作動ロール材が注目されている。このような
観点から、１〜１．５％Ｃ、２〜６％Ｃr 、０．７〜２
％Ｍo をベースとしたＣr −Ｍo 鋼に、さらにＶ：２％
以下、Ｗ：２％以下の１種以上を含有させることにより
冷間圧延用作動ロール材として、より優れた諸特性を付
与させたセミハイス系ロール材が提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セミハイス系
の冷間圧延用作動ロールでは、胴部にＨＳ（ショア硬
さ）９０以上の焼入れ硬化層を付与するため、必然的に
ロール表面層に熱応力による圧縮、ロール内部には引張
り残留応力が形成される。この引張り残留応力が焼き割
れの原因となっており、十分な焼入れに耐えることがで
きないという問題点がある。本発明は、上記事情に鑑み
てなされたものであり、ロールの焼き割れを防止して、
十分な焼入れに耐えることができるセミハイス系冷間圧
延用作動ロールの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
の冷間圧延用作動ロールでは、胴部にＨＳ（ショア硬
さ）９０以上の焼入れ硬化層を付与するため、必然的に
ロール表面層に熱応力による圧縮、ロール内部には引張
り残留応力が形成される。この引張り残留応力が焼き割
れの原因となっており、十分な焼入れに耐えることがで
きないという問題点がある。本発明は、上記事情に鑑み
てなされたものであり、ロールの焼き割れを防止して、
十分な焼入れに耐えることができるセミハイス系冷間圧
延用作動ロールの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】焼き割れは、焼入れ時の
内部機械的性質および内部で生成される残留応力に影響
を受けており、焼入れ前に耐力を高めて内部残留応力を
軽減することによって防止できることを見いだした。す
なわち、本願発明の冷間圧延用作動ロールの製造方法
は、重量％で、Ｃ：１〜１．５％、Ｓi ：１．５％以
下、Ｍn ：１．５％以下、Ｃr ：２〜６％、Ｍo：０．
７〜２％を含有し、さらにＶ：２％以下、Ｗ：２％以下
の１種または２種を含有し、残部がＦe および不可避不
純物からなるロール材を、焼入れ処理前に、８５０〜９
５０℃に加熱して油中に浸漬し、その後、５５０〜６５
０℃で焼戻し処理を行うことを特徴とする。また、ロー
ル組成の不可避不純物のうち、Ｓi ：０．１％以下、Ｍ
n ：０．１％以下、Ｐ：０．００５％以下、Ｓ：０．０
０５％以下を許容含有量とするのが望ましい。
内部機械的性質および内部で生成される残留応力に影響
を受けており、焼入れ前に耐力を高めて内部残留応力を
軽減することによって防止できることを見いだした。す
なわち、本願発明の冷間圧延用作動ロールの製造方法
は、重量％で、Ｃ：１〜１．５％、Ｓi ：１．５％以
下、Ｍn ：１．５％以下、Ｃr ：２〜６％、Ｍo：０．
７〜２％を含有し、さらにＶ：２％以下、Ｗ：２％以下
の１種または２種を含有し、残部がＦe および不可避不
純物からなるロール材を、焼入れ処理前に、８５０〜９
５０℃に加熱して油中に浸漬し、その後、５５０〜６５
０℃で焼戻し処理を行うことを特徴とする。また、ロー
ル組成の不可避不純物のうち、Ｓi ：０．１％以下、Ｍ
n ：０．１％以下、Ｐ：０．００５％以下、Ｓ：０．０
０５％以下を許容含有量とするのが望ましい。
【０００５】
【作用】すなわち、本願発明によれば、焼入れ前の熱処
理によって、ロール内部の耐力が増し、焼入れ時の熱歪
みに起因する内部残留応力が軽減される。この結果、焼
き割れが有効に防止される。また、ロール組成の不可避
不純物を調整することにより、偏析の発生が軽減され、
これにより焼き割れが一層防止される。以下に、焼入れ
前処理の条件の理由を説明する。
理によって、ロール内部の耐力が増し、焼入れ時の熱歪
みに起因する内部残留応力が軽減される。この結果、焼
き割れが有効に防止される。また、ロール組成の不可避
不純物を調整することにより、偏析の発生が軽減され、
これにより焼き割れが一層防止される。以下に、焼入れ
前処理の条件の理由を説明する。
【０００６】まず、調質時の加熱温度は８５０℃未満で
は十分な耐力の向上が得られず、９５０℃を越えると強
度は増すものの結晶粒の粗大化に伴う靱性の低下が生ず
るとともに、調質時に焼き割れが生じ易くなるため、こ
の範囲に限定した。加熱後の冷却は、油への浸漬で行う
が、これを越える冷却速度の得られる冷却媒体を用いて
冷却すると、調質時の焼き割れの可能性が高くなり、ま
た、衝風冷却などの油冷よりも小さい冷却速度で冷却す
ると、焼入れ硬化が十分でなく、耐力が十分に増加しな
いため、油中浸漬に限定した。調質時の焼戻し加熱温度
は、５５０℃未満とすると耐力は高いが、靱性と延性が
低くなり、かえって焼き割れの生ずる状態をつくり、ま
た、６５０℃を越えると、軸部の硬さが下がり過ぎて使
用に耐えられなくなるため、５５０〜６５０℃の範囲に
限定した。
は十分な耐力の向上が得られず、９５０℃を越えると強
度は増すものの結晶粒の粗大化に伴う靱性の低下が生ず
るとともに、調質時に焼き割れが生じ易くなるため、こ
の範囲に限定した。加熱後の冷却は、油への浸漬で行う
が、これを越える冷却速度の得られる冷却媒体を用いて
冷却すると、調質時の焼き割れの可能性が高くなり、ま
た、衝風冷却などの油冷よりも小さい冷却速度で冷却す
ると、焼入れ硬化が十分でなく、耐力が十分に増加しな
いため、油中浸漬に限定した。調質時の焼戻し加熱温度
は、５５０℃未満とすると耐力は高いが、靱性と延性が
低くなり、かえって焼き割れの生ずる状態をつくり、ま
た、６５０℃を越えると、軸部の硬さが下がり過ぎて使
用に耐えられなくなるため、５５０〜６５０℃の範囲に
限定した。
【０００７】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。表１に
示す組成を有する供試鋼を電孤炉にて溶解して鋼塊を溶
製し、これを鍛造して、ＥＳＲ電極とした。
示す組成を有する供試鋼を電孤炉にて溶解して鋼塊を溶
製し、これを鍛造して、ＥＳＲ電極とした。
【０００８】
【表１】
【０００９】この電極を用いて、ＥＳＲにより直径８０
０ｍｍ、長さ２０００ｍｍのＥＳＲ鋼塊を２本製造し
た。この鋼塊をそれぞれロールに熱間鍛造した後、８６
０℃で５時間保持し、徐冷する焼鈍を行った。 次い
で、２本のロールのうち１本を、８８０℃に加熱した
後、油中に浸漬して急冷し、さらに６４０℃で焼戻しす
る調質を行った。上記の焼鈍ままのロールと調質を行っ
たロールの内部より、それぞれ機械的性質を評価するた
めの試験材を切り出し、試験した結果を表２に示した。
０ｍｍ、長さ２０００ｍｍのＥＳＲ鋼塊を２本製造し
た。この鋼塊をそれぞれロールに熱間鍛造した後、８６
０℃で５時間保持し、徐冷する焼鈍を行った。 次い
で、２本のロールのうち１本を、８８０℃に加熱した
後、油中に浸漬して急冷し、さらに６４０℃で焼戻しす
る調質を行った。上記の焼鈍ままのロールと調質を行っ
たロールの内部より、それぞれ機械的性質を評価するた
めの試験材を切り出し、試験した結果を表２に示した。
【００１０】
【表２】
【００１１】焼鈍ままのロールより切り出した試験材
（比較材）と調質を行ったロールから切り出した試験材
（発明材）は、いずれも同様の靱性値を示しているが、
強度は発明材が大きく上回っていた。次に、焼入れ後の
内部残留応力の差異を確認するため、さらに上記のロー
ル内部より直径４６ｍｍ、長さ１５０ｍｍの丸棒試験材
をそれぞれ切り出して試験を行った。 試験は丸棒試験
材を焼入れ時のロール内部到達温度に相当する７００℃
から急冷した後、ザックス法により中心部における残留
応力を測定した。その結果は図１に示すとおりであり、
焼入れ前に耐力を高めた調質材（発明材）は、焼鈍材
（比較材）に比べて、焼入れ時の熱歪みに起因する内部
残留応力を軽減することができた。以上の点から、焼入
れ前処理によるロール内部の強度向上により焼き割れが
有効に防止されていることが明確となった。
（比較材）と調質を行ったロールから切り出した試験材
（発明材）は、いずれも同様の靱性値を示しているが、
強度は発明材が大きく上回っていた。次に、焼入れ後の
内部残留応力の差異を確認するため、さらに上記のロー
ル内部より直径４６ｍｍ、長さ１５０ｍｍの丸棒試験材
をそれぞれ切り出して試験を行った。 試験は丸棒試験
材を焼入れ時のロール内部到達温度に相当する７００℃
から急冷した後、ザックス法により中心部における残留
応力を測定した。その結果は図１に示すとおりであり、
焼入れ前に耐力を高めた調質材（発明材）は、焼鈍材
（比較材）に比べて、焼入れ時の熱歪みに起因する内部
残留応力を軽減することができた。以上の点から、焼入
れ前処理によるロール内部の強度向上により焼き割れが
有効に防止されていることが明確となった。
【００１２】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の冷間圧
延用作動ロールの製造方法によれば、焼入れ前に調質を
行ってロール内部の強度を高めたので、焼き割れを有効
に防止することができ、十分な焼入れを行うことができ
る。
延用作動ロールの製造方法によれば、焼入れ前に調質を
行ってロール内部の強度を高めたので、焼き割れを有効
に防止することができ、十分な焼入れを行うことができ
る。
【図１】図１は、発明材と比較材の、中心からの位置に
おける内部残留応力を示すグラフである。
おける内部残留応力を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ：１〜１．５％、Ｓi ：
１．５％、Ｍn ：１．５％以下、Ｃr ：２〜６％、Ｍo
：０．７〜２％を含有し、さらにＶ：２％以下、Ｗ：
２％以下の１種または２種を含有し、残部がＦe および
不可避不純物からなるロール材を、焼入れ処理前に、８
５０〜９５０℃に加熱して油中に浸漬し、その後、５５
０〜６５０℃で焼戻し処理を行うことを特徴とする冷間
圧延用作動ロールの製造方法 - 【請求項２】 ロール組成の不可避不純物のうち、Ｓi
：０．１％以下、Ｍn ：０．１％以下、Ｐ：０．００
５％以下、Ｓ：０．００５％以下を許容含有量とする請
求項１記載の冷間圧延用作動ロールの製造方法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7814592A JPH05239545A (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 冷間圧延用作動ロールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7814592A JPH05239545A (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 冷間圧延用作動ロールの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05239545A true JPH05239545A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=13653727
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7814592A Pending JPH05239545A (ja) | 1992-02-29 | 1992-02-29 | 冷間圧延用作動ロールの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05239545A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103667665A (zh) * | 2013-12-06 | 2014-03-26 | 天津重型装备工程研究有限公司 | 高铬铸钢离心复合工作辊差温热处理方法 |
| CN104195450A (zh) * | 2014-08-21 | 2014-12-10 | 宜兴市永昌轧辊有限公司 | 一种具备高耐磨及抗辊印性能冷轧工作辊的热处理方法 |
-
1992
- 1992-02-29 JP JP7814592A patent/JPH05239545A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103667665A (zh) * | 2013-12-06 | 2014-03-26 | 天津重型装备工程研究有限公司 | 高铬铸钢离心复合工作辊差温热处理方法 |
| CN103667665B (zh) * | 2013-12-06 | 2015-10-28 | 天津重型装备工程研究有限公司 | 高铬铸钢离心复合工作辊差温热处理方法 |
| CN104195450A (zh) * | 2014-08-21 | 2014-12-10 | 宜兴市永昌轧辊有限公司 | 一种具备高耐磨及抗辊印性能冷轧工作辊的热处理方法 |
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