JPH05237325A - 活性炭シート及びフィルター - Google Patents

活性炭シート及びフィルター

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JPH05237325A
JPH05237325A JP4072205A JP7220592A JPH05237325A JP H05237325 A JPH05237325 A JP H05237325A JP 4072205 A JP4072205 A JP 4072205A JP 7220592 A JP7220592 A JP 7220592A JP H05237325 A JPH05237325 A JP H05237325A
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JP
Japan
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activated carbon
sheet
mycelium
carbon sheet
binder
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Pending
Application number
JP4072205A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Oku
恭行 奥
Masanobu Matsuoka
昌伸 松岡
Naoko Mamiya
直子 間宮
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
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Ajinomoto Co Inc
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は特殊な繊維状バインダーを用い、特
別の凝集剤を用いず、通常の湿式抄造により、強度と加
工性に優れた活性炭シート、さらに吸着性物質や繊維状
物を含有させた強度、加工性に優れた活性炭シートを提
供することを目的とする。また、この活性炭シートを利
用したフィルターを提供することを目的とする。 【構成】 活性炭に糸状菌の産生する菌糸体をバインダ
ーとして用いた活性炭シート。さらに、活性炭以外の吸
着性物質を含有する。また、繊維状物質を含有する。活
性炭シートはフィルターとして使用可能。また、型付け
加工し、フィルターとして使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活性炭と糸状菌の産生す
る菌糸体を混合し、通常の湿式抄造により得られる、強
度と加工性に優れた活性炭シートに関する。また、さら
に吸着性物質や繊維状物を含有させた強度、加工性に優
れた活性炭シートに関する。
【0002】
【従来技術】近年、悪臭や有機溶剤等の有毒ガスが公害
問題として論議される場が多くなってきている。これら
を防ぐ手だてとして、吸着性物質が利用されている。吸
着性物質の中では従来から活性炭が広く用いられてい
る。特にハンドリング、後加工の容易さ等から、活性炭
を様々な方法でシート化し、用いられている。
【0003】活性炭をシート化する方法は湿式抄造法が
最も一般的である。活性炭には自着性がないため、活性
炭のみでのシート化は困難で、通常繊維状の支持体に担
持させる方法、繊維状のバインダーを利用する方法、あ
るいは活性炭を電気的に凝集させ担持量を増加させる方
法、また、得られたシートに液状のバインダーを付与
し、シートの強度アップと共に活性炭の定着をはかった
り、抄紙時にスラリー中に熱融着繊維を含有させる方法
もある。あるいは、多孔質支持体に活性炭と液状バイン
ダー成分の分散液を含浸させる方法が例示されている。
【0004】しかしながら、繊維状の支持体や繊維状の
バインダーを利用した場合、これら繊維状物の含有量が
多くなり、活性炭を多く含有させシートの性能アップを
図ることは困難である。また、繊維状のバインダーとし
てよく利用されるものに木材パルプがあげられるが、多
量に含有されるとシートが可燃になり用途が限定され
る。
【0005】また、液状バインダーを使用すると、活性
炭表面を覆い、表面の細孔を塞ぎ吸着能力を低下させる
ため好ましくない。
【0006】具体例として特開昭51−29388号公
報、特開昭53−35712号公報のように、凝集剤を
利用することで抄造後の担持量は増加するものの、乾燥
すると、振動や衝撃で、シートから活性炭が落下する。
また、大きな凝集を形成させるとシートの地合が悪くな
り、シート内に弱点が形成され製造に支障をきたし好ま
しくない。
【0007】また特公平1−38533号公報に示され
ているように、単にシートのままでなく、シートを波型
に加工するとき、活性炭の脱落防止するため、ラテック
スやエマルジョン等の結合剤が用いられているため好ま
しくない。
【0008】糸状菌を製紙に利用した例としては、特公
昭57−10240号公報、イギリス公開特許第216
5865号公報が挙げられる。前者は、パルプと合成パ
ルプに糸状菌を混合し、パルプの増量剤としての利用に
関し述べているだけで、機能性シートのバインダーに関
しては何等記述はない。
【0009】後者は、糸状菌をアルカリで積極的に洗浄
することで菌糸表面を被うキチン質以外の物質を除外
し、キチン・キトサンを露出させ、キチン・キトサンそ
のものの特徴をいかし、傷病用不織布、イオン交換体と
しての利用を述べている。ここでは、キチン・キトサン
の特徴をいかすことについて述べられ、糸状菌をアルカ
リ洗浄せずにそのまま用いることで少量でバインダー効
果を発揮することに関しては何等記述はない。
【0010】この様に糸状菌を、バインダーとして利用
されてる例は限られており、活性炭のバインダーとして
用いた例は見られない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、活性炭に少量の特定の繊
維状バインダーを配合するだけで強度が高く、活性炭の
もつ吸着能力を高度に維持したシートを提供し、更に加
工性の良いシートおよび該シートにより製造したフィル
ターを提供するのを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意研究を行った。その結果、活性炭の
バインダーとして、糸状菌の産生する菌糸体を使用する
ことにより、活性炭の吸着能力を損うことなく、高強度
のシートが得られ、フィルターに適したハニカム構造体
への加工性をも付与できることを見い出し、本発明を完
成した。
【0013】即ち、本発明は以下の構成からなる。 (1)活性炭と糸状菌の産生する菌糸体を含有してなる
活性炭シート。 (2)活性炭以外の吸着性物質を含有してなる(1)記
載の活性炭シート。 (3)菌糸体以外の繊維状物を含有してなる(1)また
は(2)記載の活性炭シート。 (4)(1)、(2)または(3)記載の活性炭シート
からなるフィルター。 (5)(1)、(2)または(3)記載の活性炭シート
を型付けし、型付けした活性炭シートを積層するか、あ
るいは型付け前の活性炭シートと型付けした活性炭シー
トとを積層したフィルターである。
【0014】以下、本発明の詳細な説明を行う。本発明
で用いられる糸状菌の産生する菌糸体とは、カビ(アス
ペルギルス属,リゾプス属,フザリウム属,サプロレグ
ニア属等)、酵母(カンディダ属等)、放線菌(ストレ
プトミセス属等)、バクテリア(マイコバクテリウム属
等)、担子菌類(ヘテロバシジョン属,ラエティポルス
属,ティロミセス属等)、藻類(ボトリディウム属,ス
ペルリナ属)等、菌糸状になる全ての生物をさす。
【0015】培地は、有機及び無機栄養分を含む各菌糸
体に適した培地(例えば、カビの場合には、YM培地)
を用いる。この際、培地の有機栄養分の濃度は、通常の
1 /10〜1 /100 でも可能で、経済的にも優れている。
攪拌は、菌糸体が、玉状に固まってしまうこともあるの
で、緩やかな攪拌、あるいは、静置条件が望ましいが、
玉状になる恐れがない場合は、生育を促進するために、
振盪を行なってもよい。温度は、5〜95℃、期間は、
1〜90日間の範囲にて行う。
【0016】培養により得られた菌糸体は、そのまま使
用することもできるが、菌糸体はセルロース、キチンの
ような多糖類の他に、タンパク質、核酸、脂質、無機塩
類等種々の成分を含有しているので適当な処理でそれら
を除去することもできる。例えば、タンパク質の場合は
アルカリ溶液、脂質の場合は有機溶剤、無機塩類の場合
は酸溶液等にそれぞれ浸漬することにより除去が可能で
ある。また、菌糸体には色が着いている場合があるが、
これは目的に応じて上記の処理や漂白等で脱色する事が
可能である。通常、本発明の菌糸体に対する処理は、通
常のパルプ精製工程、すなわち、アルカリ処理や漂白処
理などの工程をそのまま使用することができる。
【0017】本発明で用いられる活性炭は、使用する目
的に応じ、比表面積、吸着能等を適宜選択すればよい。
賦活の方法にも特に制限はない。ただし、水中で分散す
るものであればよく、分散しにくい場合は濡れ剤等の界
面活性剤を極少量添加し攪拌すればよい。また、粒子の
大きさは、大体100メッシュ通過区分が全活性炭重量
の95重量%以上が好ましい。100メッシュ以下の活
性炭が少なく、大粒径の活性炭が多いと、乾燥後にシー
トから脱落する傾向が大きく好ましくない。
【0018】このような、粒状の活性炭は、菌糸体との
馴染みがよく、菌糸体の表面に均一に結合し、しかも大
きな凝集(フロック)を生じないため、スラリーの分散
がよくなることもその特徴である。そのため、抄紙機の
ワイヤー上に形成された湿紙の強度が強いため、次の工
程への転移が容易であり、通常の抄紙設備で効率よく製
造できる。このように菌糸体を混合することにより、特
別に凝集剤、バインダーを添加することなく、容易に、
均一なシートを得ることができる。
【0019】該シートは、上記菌糸体と活性炭とを水中
で均一に分散混合し、その水性スラリーを通常の抄紙機
で抄造し、乾燥することにより得られる。菌糸体の量
は、シート重量に対し、3%〜30%で、好ましくは5
%〜20%である。菌糸体が3%より少ないとシートの
強度が弱く、30%より多いとスラリーの濾水性が悪く
なり抄紙工程上好ましくない。
【0020】また、該活性炭シートは、活性炭以外の吸
着性の物質を含有させることも可能である。吸着性物質
としては、次のようなものが例示される。ゼオライト、
活性アルミナ、酸性白土、シリカゲル、ケイ藻土、キチ
ン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、トリポリリン酸二水
素アルミニウム、第1鉄化合物とL−アスコルビン酸の
噴霧乾燥物、等の粒子状物、セピオライト、活性炭繊
維、イオン交換繊維等の繊維状の吸着性物質がある。こ
のような物質を活性炭と混合し用いることで、活性炭で
は吸着が困難な、アセトアルデヒド、アンモニア等の吸
着力を補うことが可能になる。
【0021】さらに、シートに強度、こしを与えるた
め、菌糸体以外の繊維状物を混合することも可能であ
る。繊維状物としては、木材パルプ、麻パルプ、木綿パ
ルプ等の天然繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、トリア
セテート繊維等の半合成繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリオレフィ
ン繊維、ポリアクリルニトリル繊維等の合成繊維、炭素
繊維、セラミック繊維、ロックウール繊維、ガラス繊維
等の無機繊維が例示される。
【0022】但し、これらの繊維状物は、シート重量に
対し、50重量%以下の範囲が好ましい。50重量%を
超えると、シート内の吸着性物質が減少し、性能が劣
る。また、吸着性物質を担持させた繊維状物、あるいは
吸着性を有する繊維状物を混合し、抄紙することも可能
であるが、この場合は上記の範囲を超えても問題はな
い。繊維状物を含有させることで、シートにこしが出る
ため、菌糸体の量を減量することが出来る。これらの繊
維状物を含有させたとき、菌糸体の含有量は1〜30重
量%が好ましい。1%未満では、活性炭、吸着性物質が
シートから脱落するため好ましくない。
【0023】さらに、液状の消臭剤、天然・合成香料を
含有させることも可能である。しかし、これらの含有量
が本発明のシートの性能を阻害する範囲であってはなら
ない。上記の活性炭シートは必要であれば、溌水剤をス
プレー、塗布、含浸し、乾燥することにより、溌水加工
してもよい。また、サイズ剤をスラリーに混合し、抄紙
してもよい。
【0024】本発明の活性炭シートは、カッター、スリ
ッター等で容易に切断加工可能であり、ユニットなどに
組み込み、フィルターとして使用可能である。また、波
型、エンボス等の型付け加工を施しても破損することが
なく、これらの型付けした活性炭シートを積層し、ある
いは加工前の活性炭シートと型付けした活性炭シートを
積層しフィルターとして使用することが特に有効であ
る。必要に応じて、この積層体をさらに円筒状に巻きと
ったり、切断したり加工することも可能である。
【0025】
【作用】本発明の活性炭シートは、活性炭にバインダー
として菌糸体を用いることにより従来にない少量のバイ
ンダーで活性炭の細孔を塞ぐことのない強度の高いシー
トである。悪臭、溶剤等の吸着量の大きいフィルターと
して有効に作用する。また、加工性に優れ、型付け加工
を施し積層することでもフィルターとして有効に作用す
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例において、記載の部、%はすべて重量によるもの
である。
【0027】菌糸体を以下の通り調製した。培地として
以下の2種類の組成のものを用いた。 (培地I)イーストエキストラクト0.3g、マルトエ
キストラクト0.3g、ポリペプトン0.5g、グルコ
ース1.0g、水道水1.0l、pHは7.0に調整し
た。 (培地II)イーストエキストラクト3g、マルトエキス
トラクト3g、ポリペプトン5g、グルコース10g、
寒天20g、水道水1.0l、pHは7.0に調整し
た。
【0028】培地III 上で、30℃で、3日間、カビ
(アスペルギウス.オリゼー ATCC15240)を
前培養した。前培養したカビを生理食塩水に懸濁した。
吸光度を2.53(600nm)にし、これを、培地I
に対して2%の割合で接種した。マグネチックスターラ
ーにより、30rpmの緩やかな回転を行いながら、3
0℃で2日間培養した。培養後に、培養液から生成した
菌糸体を十分量の水で吸引ろ過しながら水洗した。以下
の実施例ではこの菌糸体を用いた。
【0029】実施例1 活性炭(白鷺C、武田薬品製、比表面積1020m2
g 、水蒸気賦活炭)を水中に添加し、0.3%濃度に調
製し、SV型往復反転式攪拌機(島崎製作所製、アジタ
ー)で分散後、先に調整した菌糸体をアジターで攪拌し
ながら添加混合した。このとき乾燥時の活性炭と菌糸体
の比を95/5となるように調整し、ついで該スラリー
に水を加え各々0.1%に希釈し、乾燥重量で70 g/
2 のシートを角型手抄装置(金網80メッシュ−金網
寸法25cm×25cm)で抄紙後、プレス、乾燥し活性炭
シートを得た。
【0030】実施例2 活性炭と菌糸体との比を80/20にする以外は実施例
1と同様の方法で活性炭シートを得た。
【0031】実施例3 活性炭/ゼオライト/菌糸体を50/30/20に比で
活性炭シートを得た。ただし、ゼオライトは合成ゼオラ
イト(ゼオラムF−9、東ソー社製)を用いた。
【0032】実施例4 活性炭/木材パルプ/菌糸体を60/30/10の比で
活性炭シートを得た。木材パルプは針葉樹漂白パルプを
未叩解で、カナダ標準ろ水度が600mlのものを用い
た。
【0033】実施例5 先に調整した菌糸体を絶乾重量で10g相当量を採取
し、2%NaOHで120℃、20分間蒸気滅菌処理し
た。処理後、洗浄し、絶乾重量を測定したところ2.5
gであった。同じ処理を施した菌糸体を用い、実施例1
〜3と同じ方法で、活性炭と菌糸体の配合比が80/2
0になるよう活性炭シートを得た。
【0034】さらに別種の菌糸体を以下の通り調製し
た。培地として以下の2種類の組成のものを用いた。 (培地III )ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学
社製)39g、寒天5gに水道水を加え、pHを5.6
に調整し(塩酸及び苛性ソーダ使用)全体を1Lにフィ
ルアップした。150mlずつルーフラスコに分注し、
120℃、20分オートクレーブによる殺菌を行った。 (培地IV)イーストエキストラクト3g、マルトエキス
トラクト3g(以上ディフコ社製)、ポリペプトン5g
(第五栄養社製)、グルコース20gに水道水を加え、
pHを7.0に調整し(塩酸及び苛性ソーダ使用)全体
を1Lにフィルアップした。培地IV1.5Lを3L容コ
ルベンに分注し、120℃、20分オートクレーブによ
る殺菌を行った。
【0035】培地III 上で、28℃で、3日間、カビ
(フザリウム・オキボリウム、AJ6716)を培養し
た。培養後、1つのルーあたり生理食塩水を30ml加
えて、生育したカビ菌体をよく懸濁させた。懸濁物を滅
菌した綿に浸透させ、得られた胞子懸濁液を1mlずつ
分注し、−80℃下で保存し、以後必要なときに溶かし
て用いた。培地IVに、胞子懸濁液1Lあたり1mlの割
合で接種し、28℃、2日間、80ストローク/分で培
養した。培養液を200メッシュのふるいを用いて濾過
し、さらに純水で洗浄を繰り返した。
【0036】実施例6 この菌糸体を実施例3と同様にして、乾燥時の活性炭/
菌糸体の比を80/20になるように調製し、活性炭シ
ートを得た。
【0037】比較例1 実施例1と同様の方法で分散した活性炭のスラリーに菌
糸体の代りに針葉樹漂白パルプ(NBKP、カナダ標準
ろ水度185ml)を混合し、活性炭/木材パルプの混合
比を70/30としてシートを得た。得られたシートは
シート形状は保っているものの、ハンドリング中に活性
炭の脱落が大きい。また、こしがなく、加工が困難であ
る。
【0038】比較例2 比較例1の活性炭シートにポリビニルアルコール溶液を
含浸した。シート重量に対し、2重量%の付着量であっ
た。シート強度はアップし、こしのあるシートが得られ
るものの、比表面積が著しく低下しており、ポリビニル
アルコールが活性炭の表面を覆ったものと考えられる。
【0039】以上、実施例1〜6、比較例1〜2の物性
の測定結果を表1に記す。項目は、坪量、密度、引張強
度、比表面積(窒素吸着法による)、乾燥時の活性炭の
脱落の有無を調べた。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、菌糸体は少量で
優れたバインダー効果を示し、活性炭の比表面積を殆ど
阻害しないため、脱臭あるいは吸着フィルターとして効
果がある。さらに、実施例1〜4で用いたアスペルギル
ス・オリゼーと属の違う、フザリウム属の菌糸体におい
ても、同様の優れたバインダー効果があった。また、菌
糸体を水酸化ナトリウム水溶液で処理し、蛋白質等を除
去し用いても、バインダーとしての効果は変わらなかっ
た。叩解された木材パルプを用いたものは、強度は充分
であるが活性炭の脱落が著しく実用上好ましくない。ポ
リビニルアルコールを用いたものも強度は充分である
が、活性炭の比表面積の減少が著しく好ましくない。
【0042】実施例7 実施例4で得られた活性炭シートを、ピッチ3.3mm、
高さ2mmで波型に型付けを行った。加工性はきわめて良
好で活性炭の脱落も殆ど見られなかった。このシートと
実施例2のシートを交互に、厚みが36mm程度になるよ
う積層した後、幅145mm、奥行き15mmになるよう切
断し、フィルターとして、電子写真転写方式の複写機に
設置した。2週間後も、複写機周辺にオゾン臭はしなか
った。
【0043】
【発明の効果】本発明の活性炭シートは、活性炭と菌糸
体を含有する。従来のバインダーを用いた活性炭シート
に比べ、少量のバインダーで充分な強度もち、活性炭の
細孔を塞ぐことなく、吸着性の高い、活性炭の脱落のな
い、シートを得ることができた。このシートはフィルタ
ーとして利用できる。また、高強度で加工性が良く、型
付け加工等が可能で、積層し、フィルターとして利用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間宮 直子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 渡部 乙比古 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭と糸状菌の産生する菌糸体を含有
    してなる活性炭シート。
  2. 【請求項2】 活性炭以外の吸着性物質を含有してなる
    請求項1記載の活性炭シート。
  3. 【請求項3】 菌糸体以外の繊維状物を含有してなる請
    求項1または2記載の活性炭シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の活性炭シー
    トからなるフィルター。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載の活性炭シー
    トを型付けし、型付けした活性炭シートを積層するか、
    あるいは型付け前の活性炭シートと型付けした活性炭シ
    ートとを積層したフィルター。
JP4072205A 1992-02-24 1992-02-24 活性炭シート及びフィルター Pending JPH05237325A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021014433A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 ダイキン工業株式会社 フルオロオレフィン化合物の製造方法
KR102218820B1 (ko) * 2019-12-30 2021-02-24 한국과학기술연구원 균사체를 이용한 분리막

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