JPH0523498A - アイロン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衣類の湿り具合やスチーム使用の有無、アイ
ロン掛けの早さなどにかかわらず、安定してアイロン掛
けを行うことのできるアイロンを提供する。 【構成】 ベースの温度上昇及び温度低下時の温度傾
斜、アイロン本体の姿勢及び動作を検出し、それらに応
じて設定温度を自動的に変更する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アイロン掛け状態に応
じてベースの設定温度を変更するアイロンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のアイロンは希望の温度に設定する
と、ベースの温度が設定された一定の温度となるように
ヒータの通電が制御される構成となっている（例えば特
開昭58-112588号公報）。しかしながら、衣類が湿って
いる場合やスチームを使ってアイロン掛けする場合、あ
るいはアイロン本体を頻繁に動作させる場合などには、
ベースから奪われる熱量が多くなりアイロン掛け面の温
度が設定温度よりも低い状態が継続するため、設定温度
が固定されていると、希望の温度でのアイロン掛けがで
きないという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、アイロン掛けの状態にかかわらず、希望する
温度でのアイロン掛けができるアイロンを提供するもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】第１の発明は、アイロン
本体のベースを加熱する加熱手段と、前記ベースの温度
を検出する温度検出手段と、前記ベースの温度を設定す
る温度設定手段と、該温度設定手段によって設定された
温度と前記温度検出手段によって検出された温度に基い
て前記加熱手段を制御する制御手段を備えるアイロンに
おいて、前記温度検出手段の出力に基いて前記ベースの
温度上昇及び温度低下時の温度傾斜を求める温度傾斜検
出手段と、該温度傾斜検出手段の出力に基いて前記温度
設定手段によって設定された温度を変更する設定温度変
更手段を設けた構成としたものである。

【０００５】第２の発明は、アイロン本体のベースを加
熱する加熱手段と、前記ベースの温度を検出する温度検
出手段と、前記ベースの温度を設定する温度設定手段
と、該温度設定手段によって設定された温度と前記温度
検出手段によって検出された温度に基いて前記加熱手段
を制御する制御手段を備えるアイロンにおいて、前記ア
イロン本体の動きを検出する状態検出手段と、該状態検
出手段の出力に基いて前記温度設定手段によって設定さ
れた温度を変更する設定温度変更手段を設けた構成とし
たものである。

【０００６】

【作用】第１の発明によれば、温度傾斜検出手段の出力
に基き、加熱中にもかかわらず温度上昇の傾斜が緩やか
な場合や、加熱停止中に温度低下の傾斜が急な場合に
は、湿った衣類にアイロン掛けあるいはスチームを使っ
てのアイロン掛けよってアイロン掛け面の温度が低下し
ていると判断し、ベースの設定温度を初期の設定時より
も高く変更し、アイロン掛け面の温度低下を防止する。

【０００７】第２の発明によれば、状態検出手段の出力
に基き、アイロン本体の動きが激しい場合には、ベース
のアイロン掛け面に接触する衣類の延べ面積が大きく、
アイロン掛け面の温度が低下していると判断し、ベース
の設定温度を初期の設定時よりも高く変更し、ベースの
アイロン掛け面の温度低下を防止する。

【０００８】

【実施例】図１は本発明のブロック図を示し、１はベー
スの温度を検出する温度検出手段、２はこの温度検出手
段１の出力に基いてベースの温度上昇及び温度低下時の
温度傾斜を検出する温度傾斜検出手段、３はベースの温
度を任意に設定する温度設定手段、４はアイロン本体の
姿勢や動作を検出する状態検出手段、５は前記温度傾斜
検出手段２、前記状態検出手段４の出力に基いて前記温
度設定手段３によって設定された温度を変更する設定温
度変更手段、６はこの設定温度変更手段５の出力する温
度と前記温度検出手段１の検出温度を比較して加熱手段
７を制御する加熱制御手段である。

【０００９】図２は本発明の一実施例を示す具体的な回
路図で、８は各部に所定の直流電圧を供給する直流電源
回路、９は予め定められたプログラムに従って動作する
１チップ型のマイコンである。このマイコン９は上記各
々の手段の一部あるいは全部を構成する。１０はベース
加熱用のヒータ、１１はこのヒータ９の発熱量を低下さ
せる制御抵抗、１２はこの制御抵抗１１の両端を短絡す
る常開の切替リレー、１３はヒータ１０を通断電する加
熱制御用のリレーである。１４はアイロン本体の姿勢や
動きを検出するための検出センサーで、ケース内のボー
ルの動きを受発光型のセンサーで検出する構成としてい
る。１５、１６はベースの温度を検出する第１、第２の
感熱素子で、サーミスターなどで構成している。１７は
ベースの温度を設定するための温度設定スイッチ、１８
はスチーム・ドライ切替用のスチームスイッチ、１９は
温度表示用の液晶表示器、２０はブザーである。２１は
タイマー回路、２２はスチーム用の水供給を制御するソ
レノイドである。

【００１０】次にアイロン本体の構造について図３を参
照して説明すると、２３はヒータ１０を埋設したベース
で、スチーム発生室２４、スチーム噴出孔２５を有して
いる。このベース２３にはチーム発生室２４を挟むよう
に第１、第２の感熱素子１５、１６を配置している。特
に、第１の感熱素子１５は、アイロン掛け時に衣類とベ
ース２３が最初に接触するベース２３の先端部分、すな
わち衣類自体の温度を検出しやすい位置に取り付けてい
る。

【００１１】２６はベース２３を覆うベースカバー、２
７はこのベースカバー２６に固定した把手体、２８はこ
の把手体２７に設けた中空の握り部である。この握り部
２８内にはプリント基板２９が配置され、前記した回路
を構成するマイコン９、検出センサー１４、設定スイッ
チ１７、スチームスイッチ１８、液晶表示器１９などが
取り付けられている。

【００１２】３０はベースカバー２６と把手体２７の間
に設けた水タンクで、底部にノズル３１を有している。
このノズル３１は開閉体３２により開閉され、開閉体３
２はソレノイドの軸３３によってシーソー動作するレバ
ー３４を介して上下移動する。

【００１３】次に動作について説明する。まず、設定ス
イッチ１７を押すことにより、「高・スチーム」、
「中」、「低」の温度設定が選択できる。ここで「高・
スチーム」に設定すると、マイコン９はその設定を内部
フラグにより記憶し、表示器１９の「高・スチーム」を
示す位置を点滅させるとともに、「高・スチーム」に対
応したベースの制御温度(200℃)を内部の温度記憶部に
初期設定する。そして感熱素子１５によって検出したベ
ース温度が制御温度となるようにリレー１３を制御しヒ
ータ１０に通電する。ベース２３の温度が制御温度に達
すると、表示器１９及びブザー２０によって適温となっ
たことを報知し、その後制御温度を維持するようにリレ
ー１３のオン・オフ制御を行う。

【００１４】マイコン９は、温度設定されると、ヒータ
１０の通電開始及び通電遮断時点から感熱素子１５の検
出した温度の単位時間当りの変化量に基いてベース２３
の温度上昇時及び温度低下時の温度傾斜を検出するとと
もに、検出センサー１４からのオン・オフ信号に基いて
アイロン本体の姿勢や動きを検出する。

【００１５】そしてマイコン９は、温度傾斜に応じて制
御温度を変更する。すなわち、ヒータ１０に通電中は正
の温度傾斜が小さくなるにしたがって制御温度を高くす
るように変更し、ヒータ１０への通電を停止していると
きは、負の温度傾斜が大きくなるにしたがって制御温度
を高くするように変更する。例えば、「高・スチーム」
の場合には２００〜２２０℃の範囲で変更する。したが
って、湿った布やスチームを使ってアイロン掛けする場
合などのように、アイロン掛け面温度が急に低下し、初
期の制御温度より所定温度低くなった場合は、ヒータ１
０に通電中の正の温度傾斜が極めて小さく、また、ヒー
タ１０への通電を停止中の負の温度傾斜が極めて大きい
ので、制御温度を２２０℃近くまで上昇させることによ
りアイロン掛け面の温度を上昇させることができる。一
方、乾いた布にスチームを使わないでアイロン掛けする
場合などには、ヒータ１０に通電中の正の温度傾斜が比
較的大きく、また、ヒータ１０への通電を停止中の負の
温度傾斜が比較的小さいので、初期の制御温度付近の温
度に変更される。

【００１６】また、マイコン９は、アイロン本体の動き
に応じて上記のように変更された制御温度をさらに変更
する。すなわち、検出センサー１４からの信号に応じ、
単位時間当りのオン・オフ信号の回数が所定回数を越え
るまでは、回数が少なくなるにしたがって制御温度を１
０℃を上限として順次低下させ、一方、所定回数を越え
ると回数が多くなるにしたがって１０℃を上限として順
次増加させる。したがって、アイロン本体の動きが遅く
衣類を過熱するおそれのある場合には、制御温度を低下
させてこれを防ぎ、一方、アイロン本体の動きが早く衣
類が十分に加熱されない場合には、制御温度を上昇させ
てこれを防ぐ。結局、「高・スチーム」の場合には、制
御温度は１９０〜２３０℃の範囲で変更される。

【００１７】また、マイコン９は、ベース温度が一旦適
温に達した後、検出センサー１４の出力によりアイロン
本体が一定時間動いていないことを検出すると、切替リ
レー１２を開放してヒーター１０に制御抵抗１１を直列
に接続し、ベース２３の加熱量を低下させる構成として
いるが、感熱素子１５の出力に基づき、加熱中の正の温
度傾斜がかなり大きく、また、加熱停止中の負の温度傾
斜がかなり小さいとき切替リレー１２を開放してもよ
い。

【００１８】尚、上記の実施例は温度設定が「高・スチ
ーム」の場合について説明したが、「中」、「低」の場
合にも適用できる。また、温度検出は第１の感熱素子１
５を用いた場合についてのみ説明したが、第１の感熱素
子１５と第２の感熱素子１６を目的に応じて使い分けて
もよい。例えば、検出センサー１４の出力に基き、アイ
ロン掛け動作時には第１の感熱素子１５の出力を取り込
み、休止時には第２の感熱素子１６の出力を取り込むよ
うにしてもよい。

【００１９】

【発明の効果】以上のように第１の発明によれば、ベー
スの温度上昇及び低下状況に応じてベースの設定温度を
適切な温度に変更するので、衣類の湿り具合やスチーム
使用の有無等にかかわらずベースの温度を安定させ、常
に良好な状態でアイロン掛けできる。

【００２０】また、第２の発明によれば、アイロンの動
作状態に応じてベースの設定温度を変更するので、アイ
ロン掛けの早さにかかわらず衣類を適切に加熱でき、常
に良好な状態でアイロン掛けできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図２】同実施例における回路図である。

【図３】同実施例におけるアイロン本体の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 温度検出手段 ２ 温度傾斜検出手段 ３ 温度設定手段 ４ 状態検出手段 ５ 設定温度変更手段 ７ 加熱手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アイロン本体のベースを加熱する加熱手
   段と、前記ベースの温度を検出する温度検出手段と、前
   記ベースの温度を設定する温度設定手段と、該温度設定
   手段によって設定された温度と前記温度検出手段によっ
   て検出された温度に基いて前記加熱手段を制御する制御
   手段を備えるアイロンにおいて、前記温度検出手段の出
   力に基いて前記ベースの温度上昇及び温度低下時の温度
   傾斜を求める温度傾斜検出手段と、該温度傾斜検出手段
   の出力に基いて前記温度設定手段によって設定された温
   度を変更する設定温度変更手段を設けたことを特徴とす
   るアイロン。
2. 【請求項２】 アイロン本体のベースを加熱する加熱手
   段と、前記ベースの温度を検出する温度検出手段と、前
   記ベースの温度を設定する温度設定手段と、該温度設定
   手段によって設定された温度と前記温度検出手段によっ
   て検出された温度に基いて前記加熱手段を制御する制御
   手段を備えるアイロンにおいて、前記アイロン本体の動
   きを検出する状態検出手段と、該状態検出手段の出力に
   基いて前記温度設定手段によって設定された温度を変更
   する設定温度変更手段を設けたことを特徴とするアイロ
   ン。