JPH05230784A - セルロースパルプ解砕用パルパーの改善 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不純物の除去が容易なセルロースパルプ解砕
用のパルパーを提供することを、その目的とする。 【構成】 不純物を、らせん体により形成された液圧路
に沿って当該らせん体から出口に位置したアルキメデス
ねじへ移動させ、不純物を持ち上げ、排出させると共
に、当該物質をスプレイノズルで洗浄して、運びさられ
たパルプを回収し、回収したパルプおよび洗浄水を、基
部におけるアルキメデスねじ周囲の格子を通過させ、こ
れらをタンクに戻すことを、その構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、以下に記載のごとくセ
ルロースパルプの解砕用のパルパーの改善に関し、本発
明のパルパーは、異なるタイプの原料に適用することが
できる。当該装置は、そのらせん形アルキメデスねじに
より抽出された原料の連続的な洗浄によるパルプの回収
よって、寸法や非常に多様な形態の製造に応じ適用で
き、パルプの均一な解砕を達成できると共に不純物を連
続的に分離することができる。

【０００２】

【従来の技術】当該分野の現在の状態によれば、非常に
多様なパルプ解砕機が存在するが、これには、槽の基部
に位置するローターを備える垂直タイプのもの(従来型
のロータータイプ)、らせんタイプや他のタイプ、円筒
状または多角形のタンク、側方の供給を備える高濃度の
傾斜タイプなどが包含される。これらの解砕は、全てロ
ーターの動きによりなされるもので、このローターは、
古紙やパルプの塊を破壊し、またこの区域において強力
な乱流を起こす。ディフレクター板は、パルプの速度を
ゆるめ、下方に送って、パルプ塊などをローターの中央
に再度戻す。また、不純物抽出用の異なるシステムが市
販されている。最も通常のものは、エンドレスバンドや
バケットを備えた鎖を使用するものである。しかしなが
ら、これらの装置は、パルパーの寸法や、パルプ濃度
や、取り扱いが困難なことや、エネルギー消費が大であ
ることや、効率が低いことなどによって制限されたもの
である。

【０００３】設計上、らせん形のタンクを有する垂直タ
イプのパルパーは、パルプ製造で生じる種々の問題を解
決することができる。回収紙を原料として使用する場
合、これは、一般に多量の固体不純物を含有する。これ
ら異物塊は、ローターにより形成された渦によって濃縮
され、しばしばローターの動きを妨害し、その解砕能力
が喪失する。これにより、紙製造において長時間の停止
時間が生じる。なぜなら、ローターを洗浄せねばならな
く、またシステムを調節せねばならないからだからであ
り、これは、大きな時間のロスとなり、品質のむらが生
じる。ローターが中央に位置するパルパーにおける場合
と同様に、中央の渦は、ローターの上方に形成され、原
料の残りは、その周囲に塊りの状態で回転し、そのた
め、消費される動力の大半は当該塊り自体の回転に変換
されてしまい、パルプの解砕には変換されない。

【０００４】

【発明の開示】本発明の新規設計のらせん形のパルパー
タンクを用いれば、大量の不純物を、らせん体により形
成された液圧路に沿って当該不純物を抽出するためのア
ルキメデスねじまで移動させることができる。一方、陰
圧を、当該塊りがローター周囲を回転しないような方法
により形成して、当該塊りを、液圧剪断応力の状態で解
砕ローターの下方に送り込むが、これは、穏やかな切断
工程が好ましく、回収繊維にとって非常に有用である。
なぜなら、当該繊維が短く切断されないからである。同
様に、不純物により外部に運び去られるパルプの排除
は、アルキメデスねじおよび運ばれた材料に適用される
連続的な洗浄、およびパルパー側のねじ部の基部におい
て行なわれる回収により回避される。

【０００５】保守管理は、簡単である。なぜなら、ロー
ターおよび駆動メカニズムをタンク内部を介し移動させ
ることができるからである。不純物の抽出域は、容易に
洗浄でき、また修理方法も容易である。当該装置は、以
下の部分からなる。タンクの基部に位置したナイフを備
える切断用ローター、らせん形で、頂部が開口し、平ら
な基部を有するシート材料を収納するためのタンク、不
純物および異物抽出用のアルキメデスねじ、アルキメデ
スねじを駆動するためのモーターおよび減速ギヤー、切
断ローターを駆動するためのモーターおよび減速ギヤ
ー、排出およびアルキメデスねじ洗浄用のパネル、当該
装置支持用のカラム、

【０００６】

【発明の詳説】添付の図面は、種々の装置の詳細を示
す。図１は、パルパーの長手軸方向の垂直断面図、図２
は、ローターの位置および形状を示す、当該装置の平面
図である。パルパーの構造は、前記図面から理解するこ
とができる。パルパーは、らせん形であって平らな底部
(１)を備える金属シートからつくられたタンクからな
る。その設計は、密度９％までのセルロースまたは回収
紙全体の解砕をもたらすことができる。ローター(２)
は、タンク基部においてらせん体の中央に位置し、パル
プを解砕することができる一方、繊維を排除することが
できる。なぜなら、液圧剪断応力が優勢だからである。
パルプは、パルパーの底部から、ローター(２)の下方に
配置した格子を介して集めることができる。孔の直径
は、パルプを通過させる一方、ローターの羽根自体が妨
害されないようになっている。ローター(２)は、クロム
鉄合金からなり、これは、熱処理されたもので高い耐磨
耗性を有する。

【０００７】全てのローターメカニズムは、マイクロメ
ーター制御システムを備え、ローターと孔付き格子の間
において充分な距離を維持することができる。不純物お
よび固体異物塊は、出口に位置しかつ水平方向に対し効
果的な排出に適した傾きを有するアルキメデスねじ(３)
を介してらせん体(幅がひろい部分)から除去することが
できる。アルキメデスねじのらせん部分は、金属シート
からなる。固体異物塊をパルパーに導入すると、これ
は、液圧路次いでタンク(１)の壁と基部により形成され
るらせん体を通り、その結果、抽出域内に落下する。そ
の動作を介し、アルキメデスねじ(３)はこの固体物を拾
いあげ、排出出口(４)へと持ち上げる。異物は、移動す
るにつれて、外部スプレイにより洗浄され、これによ
り、不純物と共に外部へ運びさられたいずれのパルプ
も、回収することができ、その結果、原料の不要な損失
を回避することができる。この洗浄液は、パルプと共
に、アルキメデスねじの底部周囲の孔付格子を介し回収
することができ、当該洗浄液は、その傾きのため、重力
落下してパルパーに再度入り、セルロースパルプの解砕
および希釈工程において使用される。この方法により解
砕工程におけるいずれのパルプ損失をも回避することが
できる。アルキメデスねじ(３)は、外壁の底部部分にお
けるパネル(５)を介し容易に洗浄、修復することができ
る。全ての動力は、解砕工程で消費され、この結果、パ
ルパーのらせん形を介し、塊り全体が所定の位置に向け
られ、その結果、ローターの羽根によって形成された渦
周囲の当該塊の回転動作(これにより、従来のパルパー
では高いエネルギーコストが生じていた)よる停止期間
も、全く起こらない。

【０００８】同様に、アルキメデスねじを使用する不純
物抽出用のシステムは、エネルギー消費が最小で、現存
するいずれの他のシステムよりもより小さい。本明細書
記載の装置は、非常に頑丈で、種々の形態の機関に適用
可能な能力を有し、かつ建造および維持が容易である。
本発明の装置は、連続的または非連続的に作動すること
ができ、種々のタイプの原料および分量や、種々のタイ
プのパルプおよび希釈に対し、適用することができる。
ローターおよびアルキメデスねじは、個々の必要性や要
求に従い、２つの独立したモーターおよび減速ギヤー装
置により駆動することができる。本発明の装置につき、
市販の他のパルパーと区別される基本的な特徴は、以下
のとおりである:アルキメデスねじを基本とする本発明
のシステムにより、不純物および外部からの固体を、連
続的に抽出することができ、これは、新規でかつ有効な
技術的効果である;不純物と共に運びさられたパルプの
回収により、原料の良好な収率を保証することができ、
よって、本発明のパルパーは、経済的な装置である;パ
ルパーの設計により、抽出および解砕の両システムにお
いて、エネルギー消費を節約することができる;洗浄お
よび保守管理が容易である;原料グレイドの変更が容易
である;作業方法が自在でフレキシビリテイがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 パルパーの長手軸方向の垂直断面図

【図２】 ローターの位置および形状を示す、当該装置
の平面図

【符号の説明】

１:タンク ２:ローター ３:アルキメデスねじ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランシスコ・ガルシア・パストル スペイン46005バレンシア、ブリアナ19番

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セルロースパルプ解砕用のパルパーであ
   って、 古紙またはパルプが投入される槽またはタンクの基部に
   位置したローターを備える垂直タイプであること、 不純物抽出用の装置を備えること、 タンクがらせん形で平らな底部を有すると共に、ロータ
   ーをらせん体の中心に配置させたこと、 不純物または異物塊を、らせん体により形成された液圧
   路に沿って当該らせん体から出口に位置したアルキメデ
   スねじ(適当な収集用のインブリネーションを有する)へ
   移動させ、不純物を持ち上げ、排出させると共に、当該
   物質をスプレイノズルで洗浄して、運びさられたパルプ
   を回収し、回収したパルプおよび洗浄水を、基部におけ
   るアルキメデスねじ周囲の格子を通過させ、これらをタ
   ンクに戻すことを特徴とするパルパー。