JPH05229137A

JPH05229137A - 液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニット、及び該液体貯蔵容器を搭載した記録装置

Info

Publication number: JPH05229137A
Application number: JP4036263A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Ujita; 敏彦氏田
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1992-02-24
Filing date: 1992-02-24
Publication date: 1993-09-07
Anticipated expiration: 2015-01-31
Also published as: JP3005104B2

Abstract

(57)【要約】【目的】液体の貯蔵効率、使用効率が高く、安定した
供給を行える液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記
録ヘッドユニット、及び該液体貯蔵容器を搭載した記録
装置を提供すること。【構成】液体を貯蔵した第１の容器を覆うように第２
の容器を設け、第２の容器に備えられた弁機構によっ
て、第１及び第２の容器の間の空間の圧力を調整するこ
とにより、液体の供給圧を一定範囲に維持して供給を行
う構成である。【効果】複雑な機構を用いる必要がない為、液体の貯
蔵効率、使用効率を高くして、安定した液体の供給を、
行わせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体の貯蔵するための
容器に関し、特に、筆記具、インクジェット記録装置、
複写機またはファクシミリなどの記録装置において使用
されるような、液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する
記録ヘッド、該記録ヘッドを搭載した記録装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】液体貯蔵容器から液体の供給を必要とす
る部位に液体を供給する場合、この液体貯蔵容器と液体
の供給を受ける部位の配置高さが異なる場合には、液体
の供給を受ける部位の液体には水筒圧が作用してしま
う。

【０００３】このような水筒圧に伴う影響は、記録を行
う分野において、特に重要なものである。

【０００４】例えば、液体であるインクを用いて記録を
行うインクジェット記録分野においては、インク容器と
記録ヘッドとの配置高さが異なることから生ずる水筒圧
による記録ヘッドからのインクの漏れや、記録性能変化
や、画質不良を防止するため、従来、記録ヘッドの吐出
口よりも液体貯蔵容器であるインク容器のインク液面を
低い位置に配置していた。このことで記録ヘッド位置で
のインクの圧力が外気に対して負圧となるように成され
ていた。

【０００５】しかし、この記録ヘッド位置での負圧発生
法では、インク容器を記録ヘッドに対してほぼ所定の位
置にインク容器を配さなくてはならず、装置の構成上大
きな制約となっていた。

【０００６】上記制約を解決する手段として、インク容
器内にスポンジなどの多孔質体を配し、これにインクを
保持させ、多孔質体の毛間力を利用して負圧を発生させ
る方法が従来知られている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、記録ヘッドに
対して適当な性能を維持させるために、多孔質体を高密
度に配して使用する必要があるため、インク容器の体積
に対して充填できるインクの量が少なくなってしまう。
また、インクが消費されて少なくなるにしたがって多孔
質体の毛間力が上昇して、負圧が極端に高くなる結果、
インクタンクにインクを残したままインクのヘッド側へ
の供給が止まってしまう。したがって実際に使用できる
インク容量は、インク容器の容量に対して少なく、使用
効率が低くなってしまう。このため、ある一定容量のイ
ンクの使用が必要な場合には、この分を見込んでインク
容器自体を大型化しなければならなく、これに伴って、
記録装置自体も大型化してしまうという解決すべき課題
があった。

【０００８】（発明の目的）本発明は、上記従来の技術
の有する問題点を鑑みて成されたものであって、適度の
負圧発生し、かつ保持した液体の使用効率の高いインク
タンクを実現することを目的とするものである。

【０００９】

【目的を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の液体貯蔵容器、この液体貯蔵容器を有する記
録ヘッド、及びこの記録ヘッドを搭載した記録装置は、
液体を保持する第１の容器と、この第１の容器を覆うよ
うに配された第２の容器とを、有する液体貯蔵容器にお
いて、第２の容器は、第１，第２の容器との間に存在す
る気体の圧力を調整するための、弁機構を有する液体貯
蔵容器であり、この液体貯蔵容器を有する記録ヘッド、
及びこの記録ヘッドを搭載した記録装置である。

【００１０】その態様として、液体貯蔵容器の弁機構
は、第１，第２の容器との間に存在する気体の圧力がイ
ンク外部の圧力よりもある一定以上低くなったとき、容
器外部から空気を取り込むための逆止弁であっても良
い。

【００１１】また他の態様として、液体貯蔵容器の弁機
構は、第１，第２の容器との間に存在する気体の圧力が
貯蔵容器の外部の圧力よりも高くなったとき、貯蔵容器
内部から外部へ気体を排出するための逆止弁であっても
良い。

【００１２】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１３】尚、本発明は記録分野に限られることな
く、あらゆる液体の貯蔵容器として有効なものであるこ
とは言うまでも無いが、ここでは、記録分野におけるイ
ンク容器（インクタンク）を例にとって説明する。

【００１４】図１は、本実施例の液体貯蔵容器の模式的
外観斜視図を示している。第２の容器であるインク容器
１には、インク容器内の圧力を調整するための弁機構を
構成する弁１０が設けられている（図１においては、弁
は１つしか示されていないが、インク容器内の圧力の調
整の行い方によっては複数で合っても良い）。液体であ
るインクの供給が行われる記録ヘッドとの接続は、コネ
クタである３本の接続爪１６によっておこなわれ、イン
ク供給口２７を介して記録ヘッド側にインクの供給が行
われる。

【００１５】図２は図１で示したような、インク容器の
模式的断面図であり、同図においては弁機構は２つの弁
１０によって構成されている。同図に示すように、イン
ク容器１は、インク容器内圧と外圧が平行状態において
は、密封構造となっている。

【００１６】インク容器１の内部には、インクを貯留す
る第１の容器としてのインク袋２が配置されており、イ
ンク袋２の内部からインク５を記録ヘッド側に排出する
ための排出口３がインク容器２の壁の一部を貫通して設
けられている。

【００１７】このインク袋は十分柔軟にできているた
め、インク容器に納められるインクの容量はインク容器
の容積とほとんど同じくすることができ、インク容器の
容積に対するインクの収容可能容積の割合を、多孔質体
を用いる場合に比べ、非常に高くすることができる。従
って、このインク容器を搭載する装置をも小型化するこ
とができる。

【００１８】前述のインク袋内部と、インク袋（第２の
容器）とインク容器（第１の容器）に挟まれた空間６の
連絡は通常完全に遮断されている。

【００１９】このように弁機構を備えた第２の容器であ
るインク容器と、インクを保持する為の第１の容器であ
るインク袋との２重構造とし、これらの間の空間６の気
体の圧力を調整する構成とすることによって、容器外部
へのインクの漏れの心配なしに、インクを供給される側
に適切な圧力でインクを供給を行うことができる。

【００２０】液体であるインクの供給を受ける記録ヘッ
ドとインク容器との接続が成されていない場合、インク
袋内と記録ヘッドとの連通は、押えバネ７等の弾性部材
の反発力により、連通路２８を閉鎖する方向に常時押圧
された状態のボ−ルおよびゴム栓９により閉じられてい
る。

【００２１】なお、本図で示す弁機構は、２つの弁によ
って空間６とインク容器外部との圧力調整を行わしめる
例を示しており、同図上部の弁は、空間６からインク容
器外部への気体の流出が可能な一方向弁であり、同図右
側の弁は、逆方向への気体の流入が可能な一方向弁を設
けた場合を示している。弁機構の詳細な説明は後述する
が、上述の気体の流通制御の観点から、同図上部の弁に
おいては、連通口１１より外部側に、同図右部の弁にお
いては、連通行１１より内部にマイラシ−トが配されて
いる。

【００２２】図３は、弁（バルブ）機構を構成する弁１
０の構成を説明する模式的分解図である。弁１０は、連
通口１１と該連通口に連なる圧力作用部（ｔ₂ ＝５ｍ
ｍ）と該圧力室を覆うように配置されるマイラシ−ト１
２（ｔ₁ ＝１５ｍｍ，ｔ₃ ＝０．０４ｍｍ）と、および
該マイラシ−トを容器本体へ固定するための押え部材
（押え板）１３（Ｔ＝５ｍｍ）とを有しており、さらに
マイラシ−トと容器本体との界面（シ−リング液塗布
面）には、気密性を上げる為のシリコ−ンオイル等のシ
−リング液１４が配置されることによって構成されてい
る。

【００２３】これらの部材によって形成された弁（バル
ブ）１０を押え部材の長さ方向の縦断面と横断面を示す
図を図４に示す。同図で示される様に、マイラシ−ト１
２は押え部材１３によって連通口を中心に対象となる位
置の一部を押えられており、圧力作用室４の部分を覆う
部分は押えられていない構成となっている。本実施例の
弁においては、連通口１１を通して圧力室４に伝えられ
た圧力によって、押え部材に押えられていないマイラシ
−トの一部が浮き上がることによって、気体が連通口１
１、圧力室４、インク容器とマイラシ−トとの透き間を
通して解放される。この時のマイラシ−トの浮き上がり
を妨げない様に、また、適当な圧力でマイラシ−トが浮
き上がる様に、図４（ａ）に示されるごとく、押え部材
のマイラシ−トとの接触面の一部（角部）を、適当な範
囲で削除している。

【００２４】図５は、本実施例の液体貯蔵容器を記録ヘ
ッド２０などの記録部と接続している記録ヘッドユニッ
トの例を示した。この記録部との接続の際、記録部より
突き出したパイプ１８により、前述した貯蔵容器側のボ
−ル８を押えバネ７の押圧力に抗して、インク容器側に
押圧し、ボ−ルを連通路２８のゴム栓９から離反させ、
インクはインク袋から記録ヘッド２０に供給可能とな
る。

【００２５】次に本実施例の液体貯蔵容器の動作説明を
行う。

【００２６】先ず容器内の圧力Ｐ_out と容器外部の圧力
Ｐ_inが等しい場合、例えば本容器が記録ヘッドと未接続
状態、あるいは本容器と接続されたインクジェット記録
装置などの記録装置が停止状態で、インクの消費は行な
われず、また環境（温度、圧力等）の変化が無い場合に
おいては、２つのバルブ（Ｖ₁ 、Ｖ₂ ）のマイラシ−ト
はインク容器の一部であるオイル塗布面１５とオイルを
介して密着しており、容器内部と容器外部は完全に遮断
されている。

【００２７】つぎに、空間６の圧力Ｐ_inが外気圧Ｐ_out
より低圧の時、例えば記録を開始するとインクは排出口
より排出されて消費されていく。このインク消費にした
がって袋の体積は、減少し空間６の圧力Ｐ_inは外気圧Ｐ
_out に対して負圧となる。記録時において、通常インク
ジェット記録ヘッドのノズル位置での適当な負圧は０〜
−１５０ｍｍＡｑであり、この負圧が大きくなり過ぎる
と、記録ヘッド部の吐出口からのインクの吐出が良好に
行われなかったり、さらには不吐出となってしまう場合
もある。初期の負圧が０であったとしても、インクのわ
ずかな消費で速やかに負圧が発生する。インクの消費に
伴って空間内の負圧は上昇して行くが、この負圧が記録
に影響を与えない範囲においては、前述の図６（ａ）の
如く、それぞれのバルブ（Ｖ₁ 、Ｖ₂ ）は閉じられた状
況となっている。

【００２８】更にインクが消費されると負圧もさらに増
大して行くが、空間６内の負圧が余り大きくならない様
にする為に、ある一定差圧（△Ｐ₁ ）より負圧が大きく
なった場合（△Ｐ₁ ＜Ｐ_out −Ｐ_in）、つまり、Ｐ_out
−Ｐ_inの差圧によってバルブＶ₁ のマイラシ−トに働く
力が、シ−リング液によるマイラと容器面の密着力やマ
イラシ−トを変形させる力等によって決まるバルブ作動
圧△Ｐ₁ よりも大きくなった場合には、マイラシ−トの
一部が変形することによって、シ−リング液塗布面１５
とマイラシ−トとが離れ、この透き間を介して、外気が
インク容器内部へ導入される（図６（ｂ））。この結
果、空間６の負圧すなわちインク袋内の負圧が緩和さ
れ、インクの圧力が制御される。また、負圧が緩和され
ると、前述の差圧によって変形していたマイラシ−トが
元の形状に戻ることによって、再び空間６と外部とは遮
断される。なお、このようなバルブＶ₁ の動作圧として
は、インクの供給が行われる記録ヘッドのノズル位置の
圧力が０〜−１５０ｍｍＡｑとなる様に、設定すること
が望ましい。一方、ノズル位置での適切な圧力を得る為
のタンク内圧は、液体貯蔵容器の配置高さと、供給を受
けるノズルの配置高さとによって異なるが、両者の配置
高さの差によって生ずる差圧に容器内の液体の圧力を加
えた値が前述の範囲に入る様に設定すれば良い。

【００２９】次に、逆に空気室内の圧力がＰ_in＞Ｐ_out
の場合、例えばインクが消費されない状態で外気温度が
上昇した場合、空間６内の気体は熱により膨張する為、
当然Ｐ_inはＰ_out に対して高い圧となる。しかし、上述
の様に空間内の圧力と外部との圧力差（Ｐ_in−Ｐ_out ）
が、バルブＶ₂ の動作圧（△Ｐ₂ ）より大きくなった場
合、今度はバルブＶ₂ が開くことによって空間６と外部
とが連通し、空間内の気体の膨張分が外部へ排出され
る。Ｐ_inの圧力、即ちインク袋内の圧力が緩和される。
インクジェット記録ヘッドなどの液体の供給を受ける側
から液体であるインクが漏れだすことはない。

【００３０】なお、バルブＶ₂ の作動圧△Ｐ₂ ＝Ｐ_in−
Ｐ_out は、０に近ければ近いほど有効であるが、インク
の供給が行われる記録ヘッド位置においてインクが漏れ
ない程度の圧力に設定されれば良い。そのような圧力
は、用いるインクの性質や記録ヘッドのノズルの状態に
よって変化するが、ノズル位置での圧力が１５０ｍｍＡ
ｑ以下となる様に設定されれば良い。

【００３１】また例えば、航空機による輸送中のよう
に、本発明の貯蔵容器を取り巻く外圧が変化した場合
も、上述したのと同様の動作が行われることによって圧
力変化に対応した調整が行われ、圧力変化に伴うインク
の漏れ当の防止が成される。

【００３２】外圧が空間６の許容し得る圧力より低くな
った場合は、図６（ｃ）で示されるような動作が起こ
り、逆に外圧が空間６の許容し得る圧力より高くなった
場合には図６（ｂ）で示されるような動作が起こる。

【００３３】以上の様なバルブＶ₁ とバルブＶ₂ の構成
及びその動作圧力は、記録装置の仕様に合わせて適当に
調整する必要があるが、本実施例に用いたバルブの場合
比較的簡単に設定可能である。

【００３４】バルブの動作圧の決定要因としては、圧力
作用部のシ−ト面での面積（圧力作用部の面積）、シ−
リング液塗布面の面積、シ−トの材質や直径（面積）や
厚み、オイルの材質、押え板で押える範囲や面積、など
をあげることができるが、圧力作用部の面積、シ−トの
厚みとシ−リング液の粘性以外のパラメ−タを固定し、
これら３つのパラメ−タを変えることで、容易に動作圧
を調整することができる。

【００３５】以下の表１に、オイル粘度とシ−トの厚み
と圧力作用部の面積（直径）を変化させたバルブと動作
圧力差の関係の例を示す。

【００３６】

【表１】

【００３７】このようなバルブを採用した本実施例にお
いては、バルブの動作圧を設定するために、シ−ト面
積、シ−リング液の物性、圧力作用部径４の面積を変え
るだけで容易に任意の圧力に設定することが可能であ
り、また部品点数も少ないため組み立ても容易なインク
タンクを得ることが可能となった。

【００３８】なお、上述したバルブを構成するシ−トと
しては、マイラシ−トを用いたが、経時変化が少なく、
組み合わされるシ−リング液であるオイルに対して侵さ
れないものであり、弾性を示すものであればよい。その
ような代表的な材料としては、マイラシ−トの他にアル
ミ，リン青銅，ステンレス（ＳＵＳ）等の金属フィル
ム、ポリエチレン（ＰＥ），ポリプロピレン（ＰＰ），
ポリエチレンテレフタレエト（ＰＥＴ），ポリアミド，
ポリエステルなどのプラスチックフィルム等である。ま
た、その表面荒さは、６．３以下が望ましい。

【００３９】シ−リング液としては、非揮発性のもので
あればよいが、バルブの性能安定性を維持する為に、温
度−粘度特性がよく、環境変化に強く、酸化や湿潤が少
なければよい。そのような材料としては、シリコ−ンオ
イルの他に、ポリブテン、ポリブタン、テフロン等のオ
イルがあげられる。

【００４０】図７は第２の実施例であり、弁機構をユニ
ット化したものである。

【００４１】本実施例においてはインク容器１の一部を
構成するユニットホルダ１’にバルブユニット１９を保
持する構成となっている。バルブユニット内のそれぞれ
のバルブによって、前述の実施例の如くにインク容器１
とインク袋２との間の空間の圧力調整を行っている。

【００４２】図８は，バルブユニットの模式的正面図
（ａ）及び模式的縦断面図（ｂ）、を示している。本実
施例のバルブユニットにおいては、先の実施例において
示されたような２つの弁を、先の実施例の弁機構と同様
の動作を行わせる様に構成している。なお、各符号は先
の実施例と同じ機能の部位を示している。

【００４３】本実施例の様に弁機構を１つのユニットと
することで、例えばインク容器の外枠の形状によって直
接バルブを取りつけられない場合であっても、バルブユ
ニット１９だけを別体として組み立て、インク容器に取
りつけることが可能であるため、容易にしかも設計の自
由度を持たせて液体貯蔵容器を製造することができる。
また他の形状の液体貯蔵容器であっても、このバルブユ
ニット適適用するだけでよいので、設計時間が短縮でき
ると共に、同一の工程が利用できるため効率よく製品化
できる効果もある。

【００４４】図９は第３の実施例であり、別の方式のバ
ルブを採用した液体貯蔵容器の例を示す。ここで弁機構
は、柔軟シ−トで構成される一辺が開口した袋構造のバ
ルブ２０，２１を有している。それぞれのバルブの片側
単部２２は、インク容器本体の連通口２３に連通されて
おり、反対単部２４は開口されている。袋の内面２５に
は先の実施例で用いたような、シ−リング剤としての不
揮発性のオイル２６が塗布されているため、袋の内面は
密着し、前述の実施例と同様に、圧力差が大きくない状
態では、容器外部と内部の気体の流通はない。

【００４５】この実施例においても前述の例と同様に、
一方のバルブ２０が外部からの空気の流入を調整するバ
ルブで、もう一方のバルブ２１がインク袋とインク容器
との空間から外部への気体の流出を調整するバルブであ
る。本実施例のバルブにおいても、インク容器外部と前
記空間との差圧が一定の差圧△Ｐ₃ ＝Ｐ_in−Ｐ_out （バ
ルブ２１の場合）、もしくは△Ｐ₄ ＝Ｐ_out −Ｐ_in（バ
ルブ２０の場合）で、バルブ２０及び２１の内面２５に
作用する圧力がオイル２６によるシ−ト同士の密着力よ
りも大きくなり、シ−ト同士の密着がはがれ、気体の流
通が生じる。この結果、前記実施例と同様に空間の圧力
が制御される。

【００４６】以上説明した各実施例のように、インク容
器内の空間の圧力即ちインク袋内のインクの圧力が、弁
機構を構成するそれぞれ２つのバルブの動作圧の差で決
定されるため、２つのバルブの動作圧を調整することに
よってインク容量をインクの残量に関係なく、任意の圧
力範囲にインクの圧力を維持することができる。

【００４７】なお、上述の実施例では、弁機構を２つの
バルブで構成した例を示したが、温度、圧力等の外部環
境の変化が少ない場合においては、１つのバルブを有す
る液体貯蔵容器であってもさしつかえない。

【００４８】本発明の液体貯蔵容器は、その大きさや形
状等を変化させ、適宜第１の容器や第２の容器の材質等
を選択し、またバルブの動作圧を上述の様に調整するこ
とによってインク容器のほかにも、液体の漏れの防止
や、供給圧の調整の行い易さからガソリンや灯油等の石
油類や揮発性や可燃性を伴う液体や、漏れによる危険を
伴う薬品等の貯蔵容器として、また安定した供給が望ま
れる液体の貯蔵容器として広く適用することが可能であ
る。しかし、特にインクジェット記録に用いるインク容
器としての適用は、記録ヘッド位置でのメニスカスを保
持するに必要な微妙な圧力の調整、インクの使用状態に
左右されない安定したインクの供給を行う上で、最も好
ましいものである。

【００４９】図１０は本発明の液体貯蔵容器をインクタ
ンクとして用い、記録ヘッドを一体化させて搭載したイ
ンクジエツト記録装置ＩＪＲＡの概観図でる。駆動モー
タ５０１３の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア５０１
１，５００９を介して回転するリードスクリユー５００
５のら線溝５００４に対して係合するキヤリツジＨＣは
ピン（不図示）を有し、矢印ａ，ｂ方向に往復移動され
る。５００２は紙押え板であり、キヤリツジ移動方向に
わたって被記録媒体である記録紙をプラテン５０００に
対して押圧する。本記録装置は、この記録紙に対して記
録ヘッドからインクを吐出して記録を行う。

【００５０】符号の５００７，５００８はフォトカプラ
でキヤリツジのレバー５００６のこの域での存在を確認
してモータ５０１３の回転方向切換等を行うためのホー
ムポジシヨン検知手段である。５０１６は記録ヘツドの
前面をキヤツプするキヤツプ部材５０２２を支持する部
材で、５０１５はこのキヤツプ内を吸引する吸引手段で
キヤツプ内開口５０２３を介して記録ヘツドの吸引回復
を行う。５０１７はクリーニングブレードで、５０１９
はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であ
り、本体支持板５０１８にこれらは支持されている。ブ
レードは、この形態でなく周知のクリーニングブレード
が本例に適用できることはいうまでもない。又、５０２
１は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キヤ
リツジと係合するカム５０２０の移動に伴って移動し、
駆動モータからの駆動力がクラツチ切換等の公知の伝達
手段で移動制御される。

【００５１】これらのキヤツピング、クリーニング、吸
引回復は、キヤリツジがホームポジシヨン側領域にきた
ときにリードスクリユー５００５の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。

【００５２】なお、本実施例の記録装置においては、搭
載した記録ヘッドを駆動する為の信号を記録ヘッドに与
える記録信号供給手段を有し、記録装置の駆動をつかさ
どる制御手段を有する制御部を有している。

【００５３】また、本装置に搭載したインク容器は、記
録ヘッドと一体となったインクジェッドヘッドユニット
として構成された例を示したが、これに限らず、インク
容器と記録ヘッドが別体で、インク供給路を通して記録
ヘッドに供給される形態としてもよいことは言うまでも
ない。

【００５４】上述の様に本発明は、特にインクジェット
記録方式の中で熱エネルギ−を利用して飛翔液滴を形成
し、記録を行うインクジェット記録方式に利用されるイ
ンク容器、記録ヘッドユニット、及び記録装置におい
て、特に優れた効果をもたらす。

【００５５】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体（インク）内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長，収
縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。

【００５６】この駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に
優れた液体（インク）の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第４
４６３３５９号明細書、同第４３４５２６２号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第４３１３１
２４号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。

【００５７】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許第４
４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭５９年第１２３６７０号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭５９年第１３８４６１号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。

【００５８】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。

【００５９】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。

【００６０】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。更に、記録
装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モ
ードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色
カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００６１】更に加えて、本発明のインクジェット記録
装置の形態としては、コンピュ−タ等の情報処理危機の
画像出力端末として用いられるものの他、リ−ダと組み
合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を取るものであってもよい。

【００６２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の液体貯蔵容
器は、第２の容器内の空間の圧力即ち第１の容器内の液
体の圧力を適切な圧力に保ちつつ液体の外部への供給が
可能であるため、安定した液体の供給を行わせることが
できる。

【００６３】弁機構を採用したことにより、液体の使用
効率の良いインク容器を提供できる。

【００６４】液体であるインクを保持させる為の多孔質
体等を必要としない為、インク容器内の容量を大きくす
ることができる。このことはつまり、インク貯蔵容器を
小型化でき、記録ヘッドユニット、記録装置をも小型に
することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の液体貯蔵容器の第一の実施例の模式的
外観斜視図。

【図２】第一の実施例における容器の断面模式図。

【図３】本実施例のバルブの模式的分解図。

【図４】本実施例の容器のバルブ位置での断面図

【図５】液体貯蔵容器を適用した記録ヘッドユニットの
断面模式図。

【図６】本実施例の容器に置ける動作説明図。

【図７】本発明の液体貯蔵容器の第二の実施例を示す模
式図。

【図８】本実施例のバルブユニットを示す模式図。

【図９】本発明の液体貯蔵容器の第三の実施例を示す模
式図。

【図１０】本発明の液体貯蔵容器を適用した記録装置の
１実施例を示す模式図。

【符号の説明】

１容器２インク袋３排出口４作用部５インク６空間７バネ８ボ−ル９ゴム栓１０バルブ１１連通口１２マイラシ−ト１３押さえ１４非揮発性液体１５シ−リング剤塗布面１６コネクタ１７記録ヘッド１８パイプ１９バルブユニット２０バルブ２１バルブ２２端部２３連通口２４反対端部２５袋内面２６非揮発性液体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液体を貯蔵する第１の容器と、該第１の
容器を覆うように第２の容器が配されており、前記第
１，第２の容器を通して前記第１の容器に保持された液
体を前記第２の容器の外部に導く連通路を有する液体貯
蔵容器において、前記第２の容器は、前記第１の容器と第２の容器との空
間に存在する気体の圧力を制御するための弁機構を有し
ていることを特徴とする液体貯蔵容器。
【請求項２】前記弁機構は、前記空間に存在する気体
の圧力が、前記第２の容器の外部の圧力よりも、ある一
定以上低くなったとき、前記第２の容器の外部から気体
を取り込むよう機能する逆止弁を有している請求項１記
載の液体貯蔵容器。
【請求項３】前記弁機構は、前記空間に存在する気体
の圧力が、前記第２の容器の外部の圧力よりも、ある一
定以上高くなった時、前記第２の容器の外部へ気体を放
出するよう機能する逆止弁を有している請求項１記載の
液体貯蔵容器。
【請求項４】前記弁機構は２つの弁で構成されてお
り、一方の弁は該弁の動作圧以上の圧力が該弁に作用し
た時に、前記空間に前記第２の容器の外の気体を導入
し、他方の弁は該弁の動作圧以上の圧力が該弁に作用し
た時に、前記空間から前記第２の容器の外へ気体を放出
するように動作し、前記空間の圧力を前記２つの弁の動
作圧の差の範囲内に保持する請求項１記載の液体貯蔵容
器。
【請求項５】前記弁機構を構成する弁は、前記第２の
容器内部の前記空間と外部とを連通させる連通口と、該
連通口に連結した作用部と、該作用部を覆うように配置
されたシ−トを有する請求項１乃至３に記載の液体貯蔵
容器。
【請求項６】前記弁は、該弁を構成する前記第２の容
器の一部と前記シ−トとの間にシ−リング液を配置した
請求項５記載の液体貯蔵容器。
【請求項７】前記シ−トを押圧するための押えを有し
た請求項６の液体貯蔵容器。
【請求項８】前記シ−トの一部と前記第２の容器とを
接合した請求項１もしくは請求項４記載の液体貯蔵容
器。
【請求項９】前記第１の容器は柔軟な袋である請求項
１もしくは請求項４記載の液体貯蔵容器。
【請求項１０】第１の容器内にインクを保持した請求
項１の液体貯蔵容器と、該液体貯蔵容器からインク供給
を受け、該インクを用いて記録を行う記録ヘッドとを有
する記録ヘッドユニット。
【請求項１１】第１の容器内にインクを保持した請求
項４の液体貯蔵容器と、該液体貯蔵容器からインク供給
を受け、該インクを用いて記録を行う記録ヘッドとを有
する記録ヘッドユニット。
【請求項１２】第１の容器内にインクを保持した請求
項１の液体貯蔵容器と、該液体貯蔵容器からインク供給
を受け該インクを用いて記録を行う記録ヘッドと、該記
録ヘッドを駆動する為の信号供給手段とを有しているこ
とを特徴とする記録装置。
【請求項１３】前記記録ヘッドは、供給を受けたイン
クを被記録媒体に飛翔させて記録を行うインクジェット
記録ヘッドである請求項１０乃至１１に記載の記録ヘッ
ドユニット。
【請求項１４】前記記録ヘッドは、供給を受けたイン
クを被記録媒体に飛翔させて記録を行うインクジェット
記録ヘッドである請求項１２記載の記録装置。