JP4272837B2 - 圧力調整室およびこれを有するインクジェット記録ヘッド、これを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

圧力調整室およびこれを有するインクジェット記録ヘッド、これを用いたインクジェット記録装置 Download PDF

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    • B41J2/235Print head assemblies

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体圧力を調整するために用いる弾性変型体、これを用いた気体圧力調整室、気体圧力調整機構を有するインクジェット記録ヘッド、および該記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に関し、さらに詳細には、インク吐出動作時にインクジェット記録ヘッド内の液室に発生する負圧を調整するための気体圧力調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ等の記録方式のうち、吐出口(ノズル)からインクを吐出させて被記録媒体に文字や画像等を形成するインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるため、近年では広く採用されている。
【0003】
一般的なインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドと、これを搭載するキャリッジを駆動する手段と、被記録媒体を搬送する手段と、これらを制御するための制御手段とを備えている。このように、キャリッジを移動させながら記録動作を行うものをシリアル型という。一方、インクジェット記録ヘッドを移動させずに被記録媒体の搬送のみで記録動作を行うものをライン型という。ライン型のインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドは、被記録媒体の幅方向全幅にわたって配列された多数のノズルを有する。
【0004】
インクジェット記録ヘッドは、ノズルからインク滴を吐出させるために、ノズル内のインクに与える吐出用のエネルギーを発生するエネルギー発生手段を有する。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体素子を用いたもの、発熱抵抗体等の電気熱変換体素子を用いたもの、あるいは電波やレーザ等の電磁波を機械的振動または熱に変換する電磁波機械変換体素子、電磁波熱変換体素子を用いたもの等がある。その中でも、熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式は、ノズルを高密度に配列させることができるため高解像度の記録を行うことが可能である。特に、電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いたインクジェット記録ヘッドは、電気機械変換体素子を用いたものよりも小型化が容易であり、更には、最近の半導体製造分野において進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術を応用してその長所を十分に活用することにより、高密度実装化が容易でかつ製造コストを低くできるという利点がある。
【0005】
インクジェット記録ヘッドへのインクの供給方式としては、インクを収容するインクタンクをインクジェット記録ヘッドと一体としたいわゆるヘッドタンク一体方式、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとをチューブで接続したいわゆるチューブ供給方式、および、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとを別々に設け、必要に応じてインクジェット記録ヘッドをインクタンクの位置まで移動させて両者を接続し、その間にインクタンクからインクジェット記録ヘッドへインクを供給する、いわゆるピットイン方式がある。
【0006】
インクタンクの交換頻度を少なくするために、インクタンクの容量を大きくすると、インクタンクの重量が増大するため、シリアル型のインクジェット記録装置においては、キャリッジに加わる重量が増大することを考慮すると、ヘッドタンク一体方式は好ましくない。したがって、大容量のインクタンクを用いるシリアル型のインクジェット記録装置では、チューブ供給方式やピットイン方式を採用する場合が多い。中でも、ピットイン方式はインクの供給中は記録動作を停止させる必要があるため、長時間の連続記録が可能なチューブ供給方式が多く採用される。
【0007】
以下に、チューブ供給方式のインクジェット記録装置のインク供給系について、図13を参照して説明する。
【0008】
図13に示すインク供給系は、インク309を内部に収納するメインタンク304と、メインタンク304が着脱可能に装着される供給ユニット305と、供給チューブ306を介して供給ユニット305と接続されている記録ヘッド301とを有する。
【0009】
供給ユニット305はインク室305fをその内部に有している。インク室305fは、大気口305gにより大気に開放されるとともに、インク室305fの底部において供給チューブ306と接続されている。また、供給ユニット305には、それぞれ下端がインク室305f内に位置し、かつ上端が供給ユニット305の上面から突出している中空のインク供給針305aおよび大気導入針305bが固定されている。インク供給針305aの下端は、大気導入針305bの下端よりも低い位置にある。
【0010】
メインタンク304は、メインタンク304の内部を密閉するための、ゴム栓等で構成される2つのコネクタ部を底部に有し、メインタンク304単独では密閉構造となっている。メインタンク304を供給ユニット305に装着する際は、インク供給針305aおよび大気導入針305bがそれぞれコネクタ部を貫通しメインタンク304の内部に侵入するように装着する。インク供給針305bフ下端の位置と大気導入針305bの下端の位置は上記のように設定されているので、メインタンク304内のインクはインク供給針305aを介してインク室305fへ供給され、それによるメインタンク304内の圧力の減少分を補うように、大気導入針305bを介してメインタンク304内に大気が導入される。そして、大気導入針305bの下端がインクに浸かる位置までインク室305f内にインクが供給されると、メインタンク304内へ大気が導入されなくなるので、メインタンク304からインク室305fへのインクの供給が停止する。
【0011】
記録ヘッド301は、インク収納部として一定量のインクを蓄えるサブタンク部301bと、インクを吐出する複数のノズルが配列されたインク吐出部301gと、サブタンク部301bとインク吐出部301gとを接続する流路301fとを有する。インク吐出部301gではノズルの開口面が下方を向いており、インクは下向きに吐出される。インク吐出部301gの各ノズル内には、上述したエネルギー発生手段が設けられている。サブタンク部301bはインク吐出部301gの上方に位置しており、供給チューブ306はこのサブタンク部301bと接続されている。サブタンク部301bと流路301fとの間には、インク中の微細な異物がインク吐出部301gに侵入することによって生じるノズルの目詰まりを防止するために、微細なメッシュ構造を有するフィルタ301cが取り付けられている。
【0012】
フィルタ301cの面積はインクによる圧力損失を許容値以下とするように設定される。フィルタ301cでの圧力損失は、フィルタ301cのメッシュが細かいほど、また、フィルタ301cを通過するインクの流量が多いほど高くなる。逆に、フィルタ301cの面積には反比例する。近年の高速、多ノズル、小ドットの記録ヘッドにおいては圧力損失が高くなる傾向にあるので、フィルタ301cの面積をできるだけ大きくして圧力損失の上昇を抑えている。
【0013】
記録ヘッド301の上面には、サブタンク部301b内の急激な圧力変化を吸収してサブタンク部301b内の圧力を調整する圧力調整室322を形成するために、外形形状がほぼ直方体状の弾性部材321が取り付けられている。圧力調整室322は、記録ヘッド301の上壁部に形成された開口部301dを介してサブタンク部301b内とのみ連通している。弾性部材321がサブタンク部301b内の圧力の変化に応じて変形することにより、そのサブタンク部301b内の圧力変化が吸収されるように圧力調整室322の容積が変化する。弾性部材321における記録ヘッド301の上面と平行の方向の断面形状は、記録ヘッド301の上面とほぼ同じ大きさか、あるいは、その上面よりも小さくなっている。そのため、圧力調整室322の必要な容積を確保するために一定の高さが必要となる。
【0014】
インク吐出部301gのノズルは大気に対して開放されており、しかもノズルの開口面は下方を向いて配置されているので、ノズルからのインクの漏れを防止するために、記録ヘッド301の内部は負圧に保たれている必要がある。一方、負圧が大きすぎるとノズル内に空気が侵入し、ノズルからインクを吐出することができなくなってしまう。そこで、記録ヘッド301内を適度の負圧状態とするために、ノズルの開口面の位置がインク室305f内でのインクの液面に対して高さHだけ高い位置になるように記録ヘッド301を配置し、記録ヘッド301内が高さHの水頭差分の負圧に保たれた状態とする。これによりノズルは、開口面にメニスカスを形成した状態でインクを満たした状態に保たれる。
【0015】
ノズルからのインクの吐出は、エネルギー発生手段の駆動によりノズル内のインクを押し出すことによって行われる。インクの吐出後、ノズル内には毛管力によってインクが充填される。記録動作中は、ノズルからのインクの吐出と、ノズル内へのインクの充填が繰り返され、インクは供給チューブ306を介して随時インク室305fから吸い上げられる。
【0016】
インク室305f内のインクが記録ヘッド301に吸い上げられ、インク室305f内のインクの液面位置が大気導入針305bの下端よりも低くなると、大気導入針305bを介してメインタンク304内に大気が導入され、それに伴ってメインタンク304内のインクがインク室305fに供給され、大気導入針305bの下端が再びインク室305fのインクに浸かる。こういった挙動を繰り返しながら、記録ヘッド301からのインクの吐出に伴い、メインタンク304内のインクが記録ヘッド301へ供給される。
【0017】
ところで、記録ヘッド301のサブタンク部301bには、供給チューブ306などの樹脂材料を透過して侵入した空気や、インク中に溶存していた空気が次第に蓄積してくる。サブタンク部301bに蓄積した余分な空気を排出するために、サブタンク部301bには、排気ポンプ310cと接続された排気チューブ310aが接続されている。ただし、上述したように記録ヘッド301内を適度な負圧状態に保つため、排気チューブ310aには弁310bが設けられており、排気動作時にのみ弁310bを開くことによって、記録ヘッド301内が大気圧にならないようにしている。
【0018】
なお、インク吐出部301g内にインクの増粘物が詰まった場合や、インク吐出部301gのインク中に溶存していた空気が蓄積され気泡となって生じた場合に、これらを除去するために、インクジェット記録装置においては回復ユニット307が一般的に設けられている。回復ユニット307は、記録ヘッド301のノズルの開口面をキャッピングするキャップ307aと、このキャップ307bノ接続された吸引ポンプ307cとを有し、キャップ307aでノズルの開口面をキャッピングした状態で吸引ポンプ307cを駆動し、記録ヘッド301内のインクを強制的に吸引することで、インクの増粘物や余分な気泡をインク吐出部301gから除去する。
【0019】
この吸引回復動作の際、インクの流速が速ければ、インクの増粘物や余分な気泡を効果的に除去できるので、流路301f内でのインクの流速を速くするために、流路301fの断面積は小さくされる。一方、前述したように、フィルタ301cの断面積はできるだけ大きく設定されるので、フィルタ301cの下では流路は断面積を絞った形状とされる。
【0020】
以上、チューブ供給方式を例に挙げて従来のインク供給系を説明したが、ヘッド一体方式やピットイン方式においても、インクタンクから記録ヘッドまでのインクの供給経路に関する構造が異なるだけで、記録ヘッドのフィルタから下側の構造は、基本的にはチューブ供給方式と同様である。
【0021】
一方、一般的なカラーインクジェット記録装置では、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを用いて減法混色にて被記録媒体上に色が形成される。さらに、画像の発色性を高めるためには、上記の三原色に加えてブラックインク、淡シアンインク、淡マゼンタインク、淡イエローインクなどのように階調性を高めるためのインクや、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、オレンジインク、ヴァイオレットインクなどのように色再現域を広げるためのインクを用いる。よって、インクジェット記録ヘッドは、1つのヘッドに一色のインク滴吐出部、もしくはカラーの場合には1つのヘッドに複数色のインク滴吐出部の構成をとり、このヘッドをインクジェット記録装置に搭載することでカラー記録が実現される。したがって、図10に示した記録ヘッド301がカラー用のものである場合には、インク吐出部301gや、流路301f、サブタンク部301b、圧力調整室322のそれぞれが、インクの色の数に対応して記録ヘッド301内に並列に複数設けられている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示したインク供給系のように記録ヘッド301にサブタンク部301b用の圧力調整室322を設けるように弾性部材321を取り付けた場合、弾性部材321の容積を最大限に確保する為には直方体形状であることが望ましい。ただし、直方体形状であると、弾性部材321内の気圧が負圧になった場合には、収縮する直方体の面が常に一定とはならない為に、弾性部材321の変形形状が安定しない。そのために、弾性部材321の変形形状が不規則に変化するので、弾性部材321内の減少した空気体積と圧力調整室322内の負圧力との関係が不安定になる。
【0023】
また、直方体形状の弾性部材321の更なる問題として、弾性部材321内が加圧状態になった場合には隣の弾性部材321に干渉するという現象がある。
【0024】
本発明の目的は、容器内の気体圧力を調整するために設けられた弾性変形部材を用いた圧力調整室において、コンパクトでかつ圧力調整室の機能を最大限に引き出すことが可能な簡単な構造かつ低コストの弾性部材、およびその弾性部材を用いた圧力調整室を有し、かつコンパクトなインクジェット記録ヘッド、この記録ヘッドを有するインクジェット記録装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の圧力調整室は、連通する容器内の気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する圧力調整室において、前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明の圧力調整機構は、気体の出入りが行われる室と、該室に連通する気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する圧力調整室と、をそなえる圧力調整機構において、前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明の記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うためのインク吐出部と、該インク吐出部に供給するインクおよび気体を収納するインク収納室と、該インク収納室に連通して前記インク収納室内の気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記インク収納室に支持するための支持部と、を有する圧力調整室と、を有する記録ヘッドにおいて、前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0028】
上記本発明の圧力調整室、圧力調整機構または記録ヘッドのいずれかにおいて、前記平らな面は、実質的に同形状であることとしてもよい。
【0029】
また、前記平らな2つの面は、前記先端部の曲面部を介して実質的に対称形であることとしてもよい。
【0030】
また、前記平らな面には、少なくとも一部に窪みがあることとしてもよい。
【0031】
また、前記平らな面は他の前記外周面より少なくとも一部の肉厚が薄いこととしてもよい。
【0032】
上記目的を達成するために、本発明の記録ヘッドは、並列に配列されて各々がインクを個別に収納する複数のインク収納室が形成されたインク収納部と、前記インク収納部から供給されたインクを吐出して記録を行い、各々が前記各インク収納室に対応した複数のインク吐出部と、前記インク収納部内の圧力を調整するために前記各インク収納室に対応して設けられる圧力調整機構と、を有する記録ヘッドにおいて、前記圧力調整機構は、少なくとも2つの前記インク収納部の上部にまたがって配置されるとともに、複数の前記弾性変形部が前記インク収納室の配列方向および、該配列方向に対して交差する方向と、に配列される複数の弾性変形部を有し、前記弾性変形部は、前記インク収納部側の形状が円形である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする。
【0035】
また、前記インク収納部は、前記圧力調整機構と連通する開口部を複数の前記インク収納室にそれぞれ有し、該開口部は千鳥状に配列されていることとしてもよい。
【0036】
また、前記開口部の形状が半月状であることとしてもよい。
【0037】
また、前記各インク収納室は、前記複数のインク吐出部に対応してインク吐出部の配置方向と並行に配置されるとともに、前記インク収納部から前記インク吐出部との連通部分から前記圧力調整機構に向かって放射状に拡がる形状であることとしてもよい。
【0038】
また、前記インク収納室および前記インク吐出部は、長手方向の形状を有し、かつ各長手方向が平行となるように配置されていることとしてもよい。
【0039】
また、前記複数のインク収納室の各容積が等しいこととしてもよい。
【0040】
また、前記複数のインク供給液室の各容積が、各インク収納室の配列方向に交差する長手方向の長さを調整することにより等しくなっていることとしてもよい。
【0041】
また、複数の前記インク収納室の各々が、異なる色のインクを個別に収納するものであることとしてもよい。
【0042】
また、前記インク収納室内に前記インク吐出部へ前記インク中の異物を混入を防止するフィルタを有することとしてもよい。
【0043】
本発明のインクジェット記録装置は、上記のいずれかに記載の記録ヘッドを搭載して一直線上を往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドの前記インク吐出部から吐出されたインクを受ける被記録媒体を前記キャリッジの移動方向と直交する方向に搬送する搬送手段とを有する。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【0046】
図1に示すインクジェット記録装置は、記録ヘッド201の往復移動(主走査)と、一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動きと同期させながら記録ヘッド201から選択的にインクを吐出させ、被記録媒体である記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル型の記録装置である。
【0047】
図1において、記録ヘッド201は、2本のガイドレールに摺動自在に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って一直線上を往復移動されるキャリッジ202に着脱可能に搭載されている。記録ヘッド201のインク吐出部から吐出されたインクを受ける記録用シートSは、搬送手段である搬送ローラ203により、記録ヘッド201のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、キャリッジ202の移動方向と交差する方向(例えば、直交する方向である矢印A方向)に搬送される。
【0048】
記録ヘッド201は、複数のインク吐出部として、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。記録ヘッド201から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したメインタンク204が、インク供給ユニット205に着脱可能に装着される。インク供給ユニット205と記録ヘッド201とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ206によって接続され、メインタンク204をインク供給ユニット205に装着することで、メインタンク204内に収納された各色のインクを、記録ヘッド201の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
【0049】
記録ヘッド201の往復移動範囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、回復ユニット207が、記録ヘッド201のインク吐出面と対面するように配置されている。回復ユニット207は、記録ヘッド201のインク吐出面をキャッピングするためのキャップ部、インク吐出口面をキャッピングした状態で記録ヘッド201から強制的にインクを吸引するための吸引機構、インク吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード等を有する。前述した吸引動作は、このインクジェット記録装置の記録動作に先立って、この回復ユニット207によって行われる。
【0050】
これにより、このインクジェット記録装置を長期間放置後に動作させた場合は、回復ユニット207はメインタンク204の底部に存在していた濃度の高いインクを吸引し、実際の記録には、撹拌されて濃度が安定したインクが使用される。したがって、インクジェット記録装置が長期間にわたって使用されず、例えばインク中の顔料成分や、記録用シートSへの定着性を向上させるための樹脂微粒子がインクタンク204の底部に沈降していたとしても、これら顔料成分や樹脂微粒子の濃度が安定した高品質な画像等を良好に形成することが可能となる。
【0051】
ここではシリアル型のインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、記録ヘッドの吸引手段を有するものであれば、ノズル列が被記録媒体の幅方向全幅にわたって設けられたライン型のインクジェット記録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置にも、本発明は適用可能である。
【0052】
図2は、図1に示されるキャリッジ202に搭載される記録ヘッド201の側断面図である。図3は、記録ヘッド201をその一部を分解して示す斜視図である。図4は、ヘッド基板が記録ヘッド201の前面に取り付けられる前の状態である記録ヘッド201の斜視図である。図5は、記録ヘッド201に備えられる弾性部材、押さえ部材およびサブタンクカバーを示す一実施例の斜視図である。図5(a)が弾性部材および押さえ部材の斜視図、図5(b)が分解斜視図、図5(c)が、サブタンクカバーに押さえ部材および取り付けネジによって複数の弾性部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。図6は、記録ヘッド201内にある複数のサブタンクの配置を示す平面図である。図7は、ヘッド本体に弾性部材およびサブタンクカバーを取り付けた状態を示す平面図である。
【0053】
本実施形態の記録ヘッド201の形状は、上面40、下面41、前面42、後面43、右側面および左側面の概ね6面で構成され、上面40側を除いて一体的に形成されている。また、本実施形態の記録ヘッド201は、6色のインクを吐出可能であり、各色毎にニードル受容部23に接続されるニードル保持部材のニードルを介してメインタンク204から各色のインクが、図6に示すようにヘッド本体3の隔壁50で仕切られることによってインク収納部として形成された6つの各サブタンク36内へと供給される構成となっている。このサブタンク36に供給されたインクは、そのインク中の不純物(異物)を除去してインクを濾過するためのフィルタ5を介してインク溜め21で一旦貯留される。そして、連通部37および流路6を介してインク供給液室20へと流れ込む。インク供給液室20へと流れ込んだインクは、下面41に設けられたヒータボード26から供給される電気エネルギーを熱エネルギに変換する不図示の電気熱変換体により生じる発泡エネルギーにより、図4に示されるように各色毎に並列して配置された複数の吐出口29から吐出される。ヒータボード26には、ノズル列から構成されたインク吐出部が各色のインクに対応して、すなわち各サブタンク36に対応して複数設けられており、各ノズルの先端が吐出口29となってヒータボード26の表面に開口している。
【0054】
複数のサブタンク36の上方には、サブタンクフタ9に開口部として形成された空気孔38によりサブタンク36内と連通する、弾性変形部であるゴム等の弾性部材10で形成された、サブタンク36内の急激な圧力変化を吸収する圧力調整室8が各サブタンク36に対応して複数設けられている。本実施形態では、複数の圧力調整室8を形成するように、各サブタンク36に対応した個別の弾性部材10を複数個用いたが、それらが一体となるような形状、すなわち複数の弾性変形部を有する形状の弾性部材を用いて複数の圧力調整室8を形成してもよい。各弾性部材10の形状はドーム状となっており、この弾性部材10で囲まれた空間である圧力調整室8は、サブタンク36内の圧力に応じて弾性部材10の変形に伴って容積が変化することで、後述するようにサブタンク36内の圧力を調整する機能を有している。
【0055】
これについては図8を用いて説明する。但し、X軸とY軸の数値は、一例であるため、本発明の内容がこの数値に限定されるものではない。図11は、図8を説明するために用いる直方体形状の弾性変形体の一例の代表図である。よって、この形状のみが本発明の内容に適合するものではない。
図8において直線Aは弾性変形体内の減少した空気体積と気体圧力調整室内の負圧力とが理想の関係を示す場合である。つまり、弾性変形体内の容積が減少すると、その割合で気体圧力調整室内の負圧が発生し相関関係が成り立つ。この場合は、気体圧力調整室内の負圧力が低減すると、それに応じて弾性変形体内の容積が増加する。このように、弾性変形体内容積の変化量と気体圧力調整室の負圧力がヒステリシスの関係であると、連通室内の圧力の変化に対する気体圧力調整室の応答性が常に安定することになり、インク吐出部へのインク供給状態も安定するので、印字画像に与える影響は少ない。
【0056】
ところが、弾性変形体の変形がある時点で収縮し難くなると、曲線Bで示すように気体圧力調整室内の負圧力は急激に上昇する。そうなると、インク吐出部へのインク供給が印字に因るインク消費量に対して追いつかなくなり、印字濃度が低下するなど印字画像に悪影響を及ぼす恐れが生じるので、気体圧力調整室内の負圧力が低下するまでインク吐出部からインクを吐出させるのを控える必要が生じる。これを無視して更に上昇することになれば、インク吐出部のノズル内に大気側からの空気が進入し、ノズルからインクを吐出しない不吐状態になる。
【0057】
図11(b)は図11(a)で示す直方体形状の弾性変形体321が長手方向の側面から矢印方向に収縮した場合の一例図である。また、図11(c)は弾性変形体321の上面から矢印方向に収縮した場合の一例図である。これらの場合、ある時点から収縮し難くなる場合があり、その時は図8に示す曲線Bを描くようになる。
【0058】
また、弾性変形体321の変形がある時点から、収縮し難くなったり、し易くなったりして不安定になると、曲線Cで示すように区間Iで気体圧力調整室322内の負圧力が変移点Pを幾つか持つ様に不安定となり、最後は区間IIで急激に負圧力が上昇する。このような場合には、インク吐出部301gへのインクの供給が不安定となり印字画像が乱れ、最後には不吐状態となる。このような特性を持つ弾性変形体321は、気体圧力調整室322内の負圧力が低下するとこれに応じて弾性変形体321内の容積が増加すると言うわけでもないので、連通室内の圧力の変化に対する応答性が安定しないことになる。
【0059】
図11(d)は弾性変形体321が矢印方向から収縮している場合を示す一例図である。この場合、当初は図11(c)で示す様に上面方向から収縮し始め、更に短手方向の側面からも収縮してくる。この辺りは、図8で示す曲線Cの区間Iに当たる。最終的には収縮し難くなり、曲線Cの区間IIの様に急激に負圧力が上昇する。この時、上面方向と側面方向からの収縮変形の違いが、曲線Cの区間I変移点Pとして現れてくるものと考えている。
【0060】
本発明は、直線Aもしくは直線Aの性質に近い曲線Dになるような弾性部材321を選択すればよい。そして、その弾性部材は、図8において例えば直線Aもしくは曲線Dの性質を持った弾性部材、つまり安定したヒステリシスを持つような弾性部材の形状について詳しく説明する。
【0061】
図9(a)は、弾性変形体10の一実施例の形状を示す側面図であり、図9(b)は弾性変形体10の上面図である。図10(a)は、弾性変形体10に対する比較例を示す側面図であり、図10(b)はその比較例の上面図である。
【0062】
まず、記録ヘッド201をコンパクトにまとめるためには、気体圧力調整室の必要な容積を確保するために形状を直方体形状にすることが好ましい。しかし上述したように、直方体形状では安定した負圧特性を得ることは難しい。
【0063】
次に容積を大きく確保できるのは図10に示される比較例のように、弾性変形体90の形状が円筒状であり、また、弾性変形体90の先端部の形状が半球形状となっている「ドーム型」形状である。このように、弾性変形体90の外周面に平坦面が全くないような場合には、最初に潰れ出す位置が一定せず、また、潰れる形状も一定しないために気体圧力調整室の負圧特性も安定しない。これは、「ドーム型」弾性変形体90の内面が開口部以外凹面で構成されているために、内面から見ると引っ張りにくい構造になっている。よって、何かの「きっかけ」、例えば「肉厚が他より薄い」とか「折り目がついている」とかがないと内面側に潰れ難い。この「きっかけ」が場合によって異なるために上述の現象が起きると考えられる。
【0064】
それを改善するためには、弾性変形体の一部に窪みや平面を設けることである。この形状だと、弾性変形体は特定の個所から必ず変形を開始することが可能となる。
【0065】
しかし、縮小変形状態は一定の状態変化を得ることが可能となるが、気体圧力調整室内部の圧力が上昇した場合、つまり、図8で示すところの「弾性変形体容積からの減少量」が下がる方向(値0に近づく方向)へ条件が変化する場合には、縮小変形していた弾性変形体が復元する時の変形状態が必ずしも一定とはならない。それは、内面から見ると押し出ししやすい個所がたくさんある形状となるからである。
【0066】
よって、図9(a)および図9(b)などに示すように、弾性変形体10におけるサブタンクフタ9側の底面の形状、つまり開口部は、気体圧力調整室8の上記のような機能を最大限に引き出すために円形となっている。弾性変形体10は、その底面から上方に向かって気体圧力調整室8の断面積が小さくなるように、かつ、弾性変形体10を上面から見てその底面の中心を通る直線に関して左右対称な2つの平坦面10aを弾性変形体10がその外周面に有するように、サブタンクフタ9から上方に向かって延びている。それら2つの平坦面10aは、弾性変形体10が変形前の状態で平らとなっており、弾性変形体10の底面と平行な一直線上に延びる先端部10bを介して繋がっている。すなわち、弾性変形体10は変形前の状態においていわゆる「烏帽子」形状となっていて、先端部10bの表面は曲面となっている。従って、2つの平坦面10aは、弾性変形体10の底面と同じ角度を成しており、平坦面10a同士の間隔が弾性変形体10の底面側から先端部10bへと上方に向かって徐々に小さくなっている。先端部10bにおける弾性変形体10の底面と平行な長手方向の長さは、その底面の直径とほぼ同じであってもよいし、その直径よりも大きくなっていてもよいが、その直径よりも大きくすることにより、気体圧力調整室8の容積を大きくとることが可能となる。
【0067】
このような形状の弾性変形体10では、気体圧力調整室8の容積が減少するように弾性変形体10が変形する際に、図12(a)、図12(b)に示すように、それらの平坦面10aのほぼ中央部が互いに近づくように平坦面10aからへこんでいくことになる。このとき、弾性変形体10がその外周面に2つの平坦面10aを有したことにより、必ず、平坦面10aから潰れ出すことになる。さらには、これら平坦面aのほぼ中央に窪み(不図示)を設けて、変形する個所を積極的に設けても良い。また、弾性変形体10が潰れる形状もほぼ一定である上に、先端部10bを中心にして平坦面10aがほぼ対称で設けられていることにより復帰する形状もほぼ一定であるため、気体圧力調整室8の負圧特性が安定することになる。
【0068】
本実施形態では、このように気体圧力調整室8の負圧特性が安定するような形状の弾性変形体10を、気体圧力調整室8の容積を十分に確保した上でサブタンクフタ9に取り付けることができるように、複数の弾性変形体10を、サブタンク36の配列方向だけでなく、その配列方向に対して交差する方向にも配列させている。すなわち、ヘッド本体3には複数のサブタンク36を形成するための壁部と、サブタンクフタ9とからタンク部が構成されており、タンク部の内部は、5つの隔壁50によって6つのサブタンク36に分割されている。
【0069】
そして、そのタンク部の上壁部すなわちサブタンクフタ9に、各空気孔38を覆うように複数の弾性部材10が取り付けられており、サブタンク36上の気体圧力調整室8が、サブタンク36の配列方向と、その配列方向に対して交差する方向とのそれぞれで分割されている。このような弾性変形体10の配列により、各弾性変形体10を少なくとも2つのサブタンク36の上方にまたがって配置させることができ、その結果、幅の狭いサブタンク36や、幅が制限された各サブタンク36に対しても弾性変形体10の底面の直径をより大きくとることができる。また、そのような弾性変形体10の配列を実現するために、図6および図7に示すように空気孔38が千鳥状に配列されている。各空気孔38の形状は、各弾性変形体10が2つのサブタンク36の上部にまたがっている関係で半月状となっていることが好ましい。
【0070】
さらに、この弾性部材10を保護するために、弾性部材10の上方にサブタンクカバー7が取り付けられている。サブタンクカバー7は、記録ヘッド201の前面42から後面43に向かって延びるようにサブタンクカバー7と一体的に形成されたリブ15と、このリブ15に対して交差する方向に延びるようにサブタンクカバー7と一体的に形成された補強リブ14とを有している。このリブ15は、サブタンク36や、インク溜め21、流路6、インク供給液室20を各色毎に仕切る隔壁50と共に、前面42から後面43に向かう前後方向で記録ヘッド201の剛性を高める機能を有する。また、記録ヘッド201においてその側面に対して垂直な方向である左右方向の剛性は、サブタンクカバー7の補強リブ14およびサブタンクフタ9により確保されている。
【0071】
図3や、図5(a)−図5(b)に示すように、複数の弾性部材10が押さえ部材11によってサブタンクフタ9に押さえ付けられるように、各弾性部材10がサブタンクフタ9や複数の取り付けネジ12によってサブタンクフタ9に取り付けられている。このようにしてサブタンクフタ9に複数の弾性部材10が組み付けられたものが、図3に示すようにヘッド本体3の凹部3a内に挿入され、これにより、複数のサブタンク36が記録ヘッド201に形成されている。図6に示すように複数のサブタンク36が並列に配列されるようにヘッド本体3に複数の隔壁50が形成され、各サブタンク36の形状は、その配列方向と直交する方向に長く延びる直方体形状となっている。そして、各サブタンク36に対応する空気孔38がサブタンクフタ9に複数形成されており、各空気孔38が、対応するサブタンク36と連通している。これら複数の空気孔38は、図7に基づいて後述するように複数の弾性部材10をサブタンク36の配列方向と、その配列方向と直交すなわち交差する方向とにそれぞれ配列させるために千鳥状に配列されている。
【0072】
また、隔壁50は、前面42と後面43とを繋ぐように、カートリッジ3本体と一体的に成形されている。さらに、隔壁50の長手方向がキャリッジ202の走査方向とほぼ直交した構成であるため、キャリッジ202の走査時の振動によるサブタンク36内、あるいはインク供給液室20内のインクの揺動を最小限に抑制することができる。
【0073】
記録ヘッド201の、ニードル受容部23が設けられた後面43の対向面であり、記録装置本体が設置された際、奥面側となる前面42には、ヘッド基板35が取り付けられている。このヘッド基板35には、キャリッジ202に設けられた複数の電極に対して押し付けられることで電気的に接続する複数の電極4が、図4に示されるように設けられている。ヘッド基板35は、図4に示すようにフレキシブル基板16によりヒータボード26と電気的に接続されている。
【0074】
次に、気体圧力調整室8の動作などについて詳しく説明する。
【0075】
気体圧力調整室8は、内部の負圧が高まるにつれてその容積が縮小する部屋であり、気体圧力調整室8が本実施形態のように弾性変形体10で構成される場合は、弾性変形体10としてはゴム材等が好ましく用いられる。また、弾性変形体10の他に、プラスチックシートとばねとの組み合わせによって構成してもよい。
【0076】
図21(a)、図21(b)、図21(c)は、弾性変形体10を用いた気体圧力調整室8の機能を示す一概念図である。この気体圧力調整室8には液体注入管101と液体供給管102が図の様に配置されている。矢印A方向から液体供給管101によって圧力調整室8に注入された液体110は、矢印B方向へ液体供給管102によって供給される。本説明で用いるこの2つの管の直径は、図に示すように液体注入管101より液体供給管102が大きい。これを用いるのは、液体供給管102の先に瞬間的に大量に液体を消費する機構がある場合であり、場合によっては2つの管の直径が同じであっても構わない。
【0077】
図21(a)は、気体圧力調整室8内に液体110が満たされている初期状態を示した図である。
【0078】
図21(b)は、液体110が瞬時的に大量に液体供給管102を通じて供給された状態を示す図である。液体注入管101から液体110が注入される液体量よりも、液体供給管102によって供給される液体量が多いために、気体圧力調整室8内の液量が減少する。この際に、弾性変形体10の収縮した容積の分が、気体圧力調整室8内の減少した液量に相当する。この働きにより、液体供給管102からの液体110の供給量が、液体注入管101からの液体110の注入量を瞬時的に上回っても、単位時間あたりの供給量は変動することがない。
【0079】
図21(c)は、液体供給管102による液体110の供給が、単位時間あたりの供給量を変動せずにできる限界の状態を示した図である。よって、液体注入管101からの圧力調整室8への液体110の注入は、図21の(a)から(c)までの間であれば、液体供給管102による液体110の供給を、単位時間あたりの供給量を変動せず行うことが可能である。つまり、液体供給管102からの液体110の供給が止まっている間に行えばよい。この時、弾性変形体10は、ヒステリシスに復元することが重要である。復元することができない場合は、液体注入管101からの液体110の注入量が不安定になるばかりでなく、単位時間あたりの供給量を変動せずに供給可能となる時間や回数なども不安定となる。本発明の弾性変形体10を用いると、図21にて示す(a)←→(b)←→(c)の状態変化がヒステリシスに行えることが可能となる。
【0080】
本例で用いた圧力調整室8は、弾性変形体10と分離されているが、これらが同一であっても、本発明の機能を満たすことが可能である。
【0081】
本例では、液体を用いて説明したが、この液体が気体であっても同じ効果を得ることが可能である。
【0082】
気体圧力調整室8の容積は、この記録ヘッド201が使用される環境温度やサブタンク36の容積等に応じて設定されるが、本実施形態では約0.5mlとした。
【0083】
気体圧力調整室8を設けない場合、サブタンク36内の圧力は、インクがメインタンク204、インク供給ユニット205、およびインク供給チューブ206を通過する際の圧力損失による抵抗を直接受ける。そのため、記録ヘッド201の全てのノズルよりインクを吐出するなど、総ノズル数に対する高い割合でインクを吐出するいわゆる高デューティー吐出の場合には、吐出されるインクに対して記録ヘッド201に供給されるインクが不足状態となり、負圧が急激に上昇してしまう。記録ヘッド201のノズル内の負圧が、限界値である−200mmAq(約−2.027kPa:ただし、インクの比重≒水の比重とする)を越えると、吐出が不安定になり印字が乱れるなど画像形成の上で不都合な状態となる。
【0084】
本実施形態のような、シリアル型の記録装置においては、高デューティー吐出での画像形成であってもキャリッジ202(図1参照)の反転の際にインクの吐出を中断する状態が存在する。これを利用して、気体圧力調整室8は、インクの吐出中には容積を縮小させてサブタンク36内の負圧の上昇時間を緩和し、反転時にはインク供給チューブ206を介して供給されるインク増加によって復元するといった、コンデンサのような役割を果たす。
【0085】
例えば、気体圧力調整室8の容積の縮小に対する負圧の変化の割合をK=−1.013kPa/ml、サブタンク36の容積をVs=2mlとすると、吐出されたインクに対して供給されたインクがΔV=0.05ml不足した場合を考える。この場合、気体圧力調整室8がなければ、「PV=一定」の原理により、サブタンク36内の負圧の変化はΔP=Vs/(Vs+ΔV)−1=−2.471kPaとなり、前述した限界値を越えてしまうため、吐出が不安定になる。これに対し、気体圧力調整室8があると、ΔP=K×ΔV=-0.051kPaとなり、負圧の上昇が抑制され、安定した吐出が可能となる。
【0086】
更には、回復ユニット207のキャップ部によりインク吐出口面をキャッピングした状態で、記録ヘッド201を長期使用しない場合には、温度によってはサブタンク36内の気体の熱膨張や蒸気圧の上昇によって、サブタンク36内の圧力が上昇する。これにより、記録ヘッド201のノズルからインクが漏れたり、インクをインクタンク204に押し戻してサブタンク36内のインクと切れたりすることになる。
【0087】
そのような場合には、気体圧力調整室8の容積を弾性変形体10の働きにより拡大して、サブタンク36内の気体の熱膨張や蒸気圧の上昇を吸収する。その後、回復ユニット207のキャップ部を開放する前に、インク吐出口面をキャッピングした状態で記録ヘッド201から強制的にインク吸引機構にてインクを吸引することにより、サブタンク36内の負圧を通常値に戻す。これにより、安定した印字を確保することが可能となる。
【0088】
上述のように、気体圧力調整室8により、インクの吐出の安定化を図るとともに、メインタンク204から記録ヘッド201までのインクの供給経路での圧力損失の影響が抑えられる。そのため、気体圧力調整室8の材質を調整することにより、キャリッジ202に従動させるインク供給チューブ206も直径の細いものを使用することができ、キャリッジ202の移動の負荷低減にも貢献することが可能となる。
【0089】
本実施形態では、このように圧力調整室8の負圧特性が安定するような形状の弾性部材10を、圧力調整室8の容積を十分に確保した上でサブタンクフタ9に取り付けることができるように、複数の弾性部材10を、サブタンク36の配列方向だけでなく、その配列方向に対して交差する方向にも配列させている。すなわち、サブタンク36上の圧力調整室8が、サブタンク36の配列方向と、その配列方向に対して交差する方向とのそれぞれで分割されている。このような弾性部材10の配列により、各弾性部材10を少なくとも2つのサブタンク36の上方にまたがって配置させることができ、その結果、幅の狭いサブタンク36や、幅が制限された各サブタンク36に対しても弾性部材10の底面の直径をより大きくとることができる。また、そのような弾性部材10の配列を実現するために、図6および図7に示すように空気孔38が千鳥状に配列されている。各空気孔38の形状は、各弾性部材10が2つのサブタンク36の上部にまたがっている関係で半月状となっていることが好ましい。
【0090】
図7では、各弾性変形体10の先端部10bがサブタンク36の配列方向に対して直角となるように各弾性変形体10が配置されている。これに対して、先端部10bの長さを弾性変形体10の底面の直径よりも大きくして、弾性変形体10の容積を大きくする場合などには、図3および図5に示したように各先端部10bをサブタンク36の配列方向に対して斜めにしてもよい。弾性変形体10と取り付けネジ12との位置関係などに応じて、取り付けネジ12を締め易くなるように、サブタンク36の配列方向に対する各先端部10bの角度を設定してもよい。図7に示される例では、取り付けネジ12が取り付け易くなるように各弾性変形体10が配置されている。
【0091】
この場合の弾性変形体10の形状は、上記に示したものに限定されない。弾性変形体10の変形が安定すると共に、その変形が一定のものであり、気体圧力調整室8の上記の機能が十分に引き出されれば、弾性変形体10の形状はどのようなものであってもよい。また、弾性変形体10の大きさも、記録ヘッド201の構成やインク供給系の構成などに応じて適宜決定すればよい。
【0092】
上記のように弾性部材10をサブタンク36の配列方向と、その配列方向に対して交差する方向の両方向に配列させる構成では、各サブタンク36の幅が狭くても、圧力調整室8の負圧特性が安定するとともにその容積を十分に確保できる弾性部材10を各サブタンク36に対応して設けることができる。よって、複数のサブタンク36を有する記録ヘッド201をコンパクトに収めることができ、また、圧力調整室8の機能を最大限に引き出すことが可能となる。また、記録ヘッド201のコンパクト化に伴って、インクジェット記録装置本体もコンパクトになり、製品としてもユーザーにとって望ましいものとなり、その上、記録ヘッド201およびインクジェット記録装置のコストダウンもできた。
【0093】
次に、インク供給ユニット205およびメインタンク204について図14を用いて説明する。
【0094】
メインタンク204は、供給ユニット205に対して着脱可能な構成であり、その底部に、ゴム栓204bで密封されたインク供給口と、ゴム栓204cで密封された大気導入口とを有する。メインタンク204は、単体では気密な容器であり、インク209はメインタンク204内にそのまま収容される。
【0095】
一方、インク供給ユニット205は、メインタンク204からインク209を取り出すためのインク供給針205aと、メインタンク204内へ大気を導入させるための大気導入針205bとを有する。インク供給針205aおよび大気導入針205bはともに中空の針であり、メインタンク204のインク供給口および大気導入口の位置に対応させて針先を上方に向けて配置されており、メインタンク204がインク供給ユニット205に装着されることで、インク供給針205aおよび大気導入針205bがそれぞれゴム栓204b,204cを貫通し、メインタンク204の内部に侵入する構成となっている。
【0096】
インク供給針205aは、液路205c、遮断弁210、および液路205dという経路を経て、インク供給チューブ206と接続される。大気導入針205bは、液路205e、バッファ室205f、大気連通口205gを経て大気と連通する。インク供給針205aからインク供給チューブ206までのインク供給経路のうち最も高さの低い位置にある液路205cと、大気導入針205bから大気連通口205gまでの経路のうち最も高さの低い位置にある液路205eとは、ともに同じ高さである。インク供給針205aおよび大気導入針205bは、本実施形態では、インクの流動抵抗を抑えるため、内径が1.6mmの太いものを使用し、また、針穴についても直径を1〜1.5mmとした。
【0097】
遮断弁210は、ゴム材からなるダイアフラム210aを有し、このダイアフラム210aを変位させることにより2つの液路205c,205d間の開閉を行う。ダイアフラム210aの上面には、押圧ばね210cを内部に保持する筒状のばねホルダ210bが取り付けられており、この押圧ばね210cによりダイアフラム210aを押し潰すことにより、液路205c,205d間が遮断される。ばねホルダ210bは、後述する回復ユニット207のリンク207eにより動作されるレバー210dが係合するフランジを有する。レバー210dを動作させて、押圧ばね210cのばね力に抗してばねホルダ210bを持ち上げることで、液路205c,205d間が連通する。遮断弁210は、記録ヘッド201がインクを吐出している状態では開かれ、待機中および休止中は閉じられ、後述するインク充填動作時には、回復ユニット207とタイミングを合わせて開閉される。
【0098】
上述したインク供給ユニット205の構成は、レバー210dを除き、メインタンク204ごと、すなわちインクの色ごとに設けられている。レバー210dは全ての色に共通のものであり、全ての色についての遮断弁210を同時に開閉させる。
【0099】
以上の構成により、記録ヘッド201内のインクが消費されると、その負圧により、インクが随時メインタンク204からインク供給ユニット205およびインク供給チューブ206を介して記録ヘッド201へ供給される。その際、メインタンク204から供給されたインクと同量の空気が、大気連通口205gからバッファ室205f、大気導入針205bを経て、メインタンク204内に導入される。
【0100】
バッファ室205fは、メインタンク204内の空気の膨張によりメインタンク204から流出したインクを一時的に保持する目的の空間であり、大気導入針205bの下端はバッファ室205fの底部に位置している。インクジェット記録装置の待機中または休止中に環境温度が上昇したり外気圧が低下する等、メインタンク204内の空気が膨張した場合は、遮断弁210は閉じられているため、メインタンク204内のインクが大気導入針205bから液路205eを経てバッファ室205fへ流出する。逆に、環境温度が低下する等、メインタンク204内の空気が収縮した場合は、バッファ室205f内に流出していたインクはメインタンク204へ戻る。また、バッファ室205fにインクが存在している状態で記録ヘッド201からインクを吐出させると、まず、バッファ室205f内のインクがメインタンク204へ戻り、バッファ室205f内のインクがなくなった後、メインタンク204内に空気が導入される。
【0101】
バッファ室205fの容積Vbは、製品の使用環境を満足するように設定する。例えば、5℃(278K)〜35℃(308K)の温度範囲内での使用を前提とする製品であれば、メインタンク204の容量を100mlとすると、Vb=100×(308-278)/308=9.7ml以上として設定される。
【0102】
ここで、メインタンク204の基本水頭と、メインタンク204内に空気が導入される際のインク供給ユニット205の液路内での空気およびインクの挙動について、図15を用いて説明する。
【0103】
図15(a)に、メインタンク204から記録ヘッド201(図14参照)へインクを供給可能な通常の状態を示す。この状態では、メインタンク204内は、バッファ室205fを除いて気密状態であるためメインタンク204内は負圧に保たれ、インクの先端209aは、液路205eの途中に留まっている。インクの先端209aの圧力は、大気と接しているため大気圧(=0mmAq)である。
インクの先端209aが位置する液路205cとインク供給チューブ206(図14参照)に連通する液路205eとは同じ高さであり、両液路205c,205e間はインクのみで連通されているので、液路205cの圧力も大気圧となる。これはインクの先端209aと液路205cとの高さの関係で決まるものであり、メインタンク204内のインク209の量には影響されない。
【0104】
メインタンク204内のインクが消費されると、図15(b)に示すように、インクの先端209aは徐々に大気導入針205bへ向かって移動し、大気導入針205bの直下に達した時点で、図15(c)に示すように、気泡となって大気導入針205b内を浮上し、メインタンク204内に導入される。これと入れ替えに、メインタンク204内のインクが大気導入針205b内に侵入し、インクの先端209aは図15(a)に示した元の状態に戻る。
【0105】
図15(d)に、バッファ室205f内にインクが溜まった状態を示す。この場合、インクの先端209aはバッファ室205fの高さ方向中間の、液路205cよりもh1(mm)だけ高い位置に位置しており、液路205cの圧力が-h1(mmAq)となっている。
【0106】
以上より、本実施形態において、ノズル201g(図14参照)にかかる水頭差による圧力は、図16に示すように流路205cからサブタンク部201b内のインク上面209bまでの高さをh2(mm)、フィルタ201cからサブタンク部201b内のインク上面209bまでの高さをh3(mm)、ノズル201gの下端から液室201f内のインク上面209cまでの高さをh4(mm)とすると、ノズル201g下端での負圧Pnは、通常の状態では、Pn≒-(h2-h3-h4)mmAqとなり、バッファ室205fにインクが溜まった状態では、Pn≒-(h2-h1-h3-h4)mmAqとなる。Pnの値は、前述した負圧の範囲(-40mmAq〜-200mmAq)の範囲に収まるように設定される。
【0107】
再び図14を参照すると、インク供給針205aと大気連通針205bとにはインクの電気抵抗を測定する回路205hが接続されており、メインタンク204内のインクの有無を検出可能となっている。この回路205hは、メインタンク204内にインクが存在している状態では、メインタンク204内のインクを介して回路205hに電流が流れるため電気的クローズを検出し、インクが存在しないまたはメインタンク204が装着されていない状態では電気的オープンを検出する。検出電流は微弱であるため、インク供給針205aと大気導入針205bとの絶縁は重要であり、本実施形態では、インク供給針205aから記録ヘッド201までの経路と、大気連通針205bから大気連通口205gまでの経路とを完全に独立させ、メインタンク204内のインクのみの電気抵抗を測定可能なように配慮している。
【0108】
次に、回復ユニット207について説明する。
【0109】
回復ユニット207は、ノズル201gからのインクや空気の吸引と、遮断弁210の開閉を行うものであり、記録ヘッド201のインク吐出面(ノズル201gが開口した面)をキャッピングする吸引キャップ207aと、遮断弁210のレバー210dを動作させるリンク207eとを有する。
【0110】
吸引キャップ207aは、少なくともインク吐出面と接触する部分がゴム等の弾性部材で構成され、インク吐出面を密閉する位置と記録ヘッド201から退避した位置との間を移動可能に設けられている。吸引キャップ207aには、中間部位にチューブポンプ式の吸引ポンプ207cを有するチューブが接続されており、ポンプモータ207dによって吸引ポンプ207cを駆動することで、連続吸引が可能である。また、ポンプモータ207dの回転量に応じて吸引量を変えることが可能である。本実施形態では、0.4atm(40.53kPa)まで減圧可能な吸引ポンプ207cを用いている。
【0111】
カム207bは吸引キャップ207aを動作させるものであり、カム制御モータ207gにより、リンク207eを動作させるカム207fと同期して回転される。カム207bのa〜cの位置がそれぞれ吸引キャップ207aと接触するタイミングは、カム207fのa〜cの位置がそれぞれリンク207eと接触するタイミングと一致している。aの位置では、カム207bは吸引キャップ207aを記録ヘッド201のインク吐出面から離間させ、カム207fはリンク207eを押しつけてレバー210dを押し上げ、遮断弁210を開かせる。bの位置では、カム207bは吸引キャップ207aをインク吐出面に密着させ、カム207fはリンク207eを引き戻して遮断弁を閉じさせる。cの位置では、カム207bは吸引キャップ207aをインク吐出面に密着させ、カム207fはリンク207eを押しつけて遮断弁210を開かせる。
【0112】
記録動作の際は、カム207b,207fをaの位置とし、ノズル201gからのインクの吐出、およびメインタンク204から記録ヘッド201へのインクの供給を可能とする。待機中および休止中を含む非動作時は、カム207b,207fをbの位置とし、ノズル201gの乾燥を防止するとともに、記録ヘッド201からのインクの流出を防止する(特に装置自身の移動時は、装置が傾けられてインクが流出する場合もある)。カム207b,207fのcの位置は、以下に説明する、記録ヘッド201へのインク充填動作時に用いられる。
【0113】
以上、メインタンク204から記録ヘッド201までのインク供給経路を説明したが、図14に示したような構成では、長期にわたって見ると、記録ヘッド201内に空気が蓄積してしまう。
【0114】
サブタンク部201bにおいては、インク供給チューブ206や弾性部材201hを透過して侵入する空気や、インク内に溶存していた空気が蓄積する。インク供給チューブ206や弾性部材201hを透過する空気については、それらを構成する材料としてガスバリア性の高いものを使用すればよいが、ガスバリア性の高い材料は高価であり、大量生産される民生用の機器では、コスト面の都合上、高性能な材料を容易に使用することはできない。本実施形態では、インク供給チューブ206には低コストかつ柔軟性が高く使い易いポリエチレンチューブを用い、弾性部材201hにはブチルゴムを使用している。
【0115】
一方、液室201fにおいては、ノズル201gからインクを吐出する際にインクの膜沸騰により生じた気泡が***して液室201fに戻ったり、インク中に溶存している微細な気泡がノズル201g内のインクの温度上昇により集まって大きな気泡となることにより、徐々に空気が蓄積する。
【0116】
本発明者らが行った実験によると、本実施形態に示した構成においては、サブタンク部201b内での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約1ml、液室201f内での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約0.5mlであった。
【0117】
サブタンク部201b内および液室201f内での空気の蓄積量が多いと、サブタンク部201bおよび液室201fが各々収納しているインク量が減少してしまう。サブタンク部201bにおいては、インクが不足すると、フィルタ201cが空気に露出してフィルタ201cの有効面積が減少し、その結果的としてフィルタ201cの圧力損失が上昇し、最悪の場合は液室201fへインクが供給できなくなってしまう。一方、液室201fにおいては、ノズル201gの上端が空気に露出すると、ノズル201gへのインク供給が不能となる。このように、サブタンク部201bおよび液室201fのいずれも、一定量以上のインクが収納されていないと致命的な問題が生じる。
【0118】
そこで、所定の期間ごとにサブタンク部201bおよび液室201fの各々に適量のインクを充填することで、ガスバリア性の高い材料を使用しなくてもインクの吐出機能を長期間にわたって安定して維持することができる。例えば本実施形態の場合、1ヶ月当たりに蓄積する空気の量に充填時のばらつきをプラスした量を、サブタンク部201bおよび液室201fにそれぞれ1ヶ月ごとに充填すればよい。
【0119】
サブタンク部201bおよび液室201fへのインクの充填は、回復ユニット207による吸引動作を利用して行う。すなわち、吸引キャップ207aで記録ヘッド201のインク吐出面を密閉した状態で吸引ポンプ207cを駆動し、記録ヘッド201内のインクをノズル201gから吸引することによって行う。ただし、単にノズル201gからインクを吸引しただけでは、ノズル201gから吸引したインクとほぼ同量のインクがサブタンク部201bから液室201fへ流れ込み、同様に、サブタンク201bから流出したインクとほぼ同量のインクがメインタンク204からサブタンク部201bへ流れ込むだけで、吸引前と状況はほとんど変わらない。
【0120】
したがって、本実施形態では、フィルタ201cで仕切られたサブタンク部201bと液室201fとに各々適量のインクを充填するために、遮断弁210を利用してサブタンク部201bおよび液室201fを所定の圧力まで減圧し、サブタンク部201bおよび液室201fの容積設定を行う。
【0121】
以下に、サブタンク部201bと液室201fとへのインク充填動作、および容積設定について説明する。
【0122】
インク充填動作は、まず、記録ヘッド201が吸引キャップ207aと対向する位置までキャリッジ202(図1参照)を移動させ、回復ユニット207のカム制御モータ207gを駆動してカム207b,207eを、それぞれbの位置が吸引キャップ107aおよびリンク207eと接触するまで回転させる。これにより、記録ヘッド201のインク吐出面が吸引キャップ207aにより密閉され、遮断弁210はメインタンク204から記録ヘッド201までのインク経路を閉じた状態となる。
【0123】
この状態でポンプモータ207dを駆動し、吸引ポンプ207cにより吸引キャップ207aから吸引を行う。この吸引により、記録ヘッド201内に残留しているインクおよび空気がノズル201gを通して吸引され、記録ヘッド201内が減圧される。吸引ポンプ207cによる吸引量が所定の量に達した時点で、吸引ポンプ207cを停止させ、カム制御モータ207gを駆動してカム207b,207fをそれぞれcの位置が吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触するまで回転させる。これにより、吸引キャップ207aによるインク吐出面の密閉状態はそのままで、遮断弁210が開かれる。吸引ポンプ207cによる吸引量は、記録ヘッド201内の圧力が、サブタンク部201bおよび液室201f内に適量のインクを充填するのに必要な所定の圧力となる吸引量であり、これは計算や実験等によって求めることができる。
【0124】
記録ヘッド201内が減圧されると、インク供給チューブ206を介して記録ヘッド201内にインクが流れ込み、サブタンク部201bおよび液室201fの各々にインクが充填される。充填されるインクの量は、減圧されているサブタンク部201bおよび液室201fがほぼ大気圧に戻るのに必要な体積であり、サブタンク部201bおよび液室201fの容積および圧力により決定される。
【0125】
サブタンク部201bおよび液室201fへのインクの充填は、遮断弁210が開かれてから約1秒程度で完了する。インクの充填が完了すると、カム制御モータ207gを駆動してカム207b,207fをbの位置がそれぞれ吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触する位置まで回転させる。これにより吸引キャップ207aを記録ヘッド201から離間させ、再び吸引ポンプ207cを駆動して吸引キャップ207a内に残ったインクを吸引する。またこの状態では遮断弁210は開いた状態であるので、ノズル201gからインクを吐出して記録用シートS(図1参照)へ文字や画像等を形成可能な状態となる。なお、待機中および休止中の場合は、カム制御モータ207gを再び駆動してカム207b,207fをそれぞれbの位置が吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触する位置まで回転させ、記録ヘッド201のインク吐出面を吸引キャップ207aで密閉するとともに、遮断弁210を閉じる。
【0126】
サブタンク部201bおよび液室201f内のインクの量が長期間にわたって不足することがなければ、回復ユニット207による吸引動作を頻繁に行う必要もなく、インクを無駄にする機会も減る。さらに、サブタンク部201bおよび液室201fの両方にインクの充填が必要な場合であっても1回の充填動作で済むのでインクを節約することができる。
【0127】
ここで、サブタンク部201bの容積をV1、サブタンク部201bに充填すべきインクの量をS1、サブタンク部201b内の圧力をP1(大気圧からの相対値)とする。ここで、「PV=一定」の原理により、これらの関係をV1=S1/│P1│となるように設定することにより、充填動作によりサブタンク部201bに対して適量のインクを充填することができる。同様に、液室201fの容積をV2、液室201fに充填すべきインクの量をS1、液室201f内の圧力をP2(大気圧からの相対値)としたとき、これらの関係をV2=S2/│P2│となるように設定することにより、充填動作により液室201fに対して適量のインクを充填することができる。
【0128】
また、サブタンク部201bと液室201fとを区画するフィルタ201cは微細なメッシュ構造であり、前述したようにメニスカスが形成された状態では空気の流れが困難な性質を持っている。ここで、メニスカスが形成されたフィルタ201cに対して空気を透過させるのに必要な圧力をPmとする。回復ユニット207のよりノズル201gから吸引した場合、液室201f内の圧力P2は、フィルタ201cを通してサブタンク部201b内の空気を透過させるために、サブタンク部201b内の圧力P1よりも上記圧力Pm分だけ低くなる。よって、この関係を、サブタンク部201bおよび液室201fの容積を決定する際に用いると、充填動作の条件を容易に決定することができる。
【0129】
ここで、上述した充填動作および容積設定についての具体的な例を説明する。
【0130】
インクの充填は、1ヶ月に1回実施し、1ヶ月間で蓄積する空気の量は、サブタンク部201bで1ml、液室201fで0.5mlとする。また、サブタンク部201bにおいてフィルタ201cを空気に露出させないようにするために必要なインクの量は0.5ml、液室201fにおいてノズル201gを空気に吐出させないようにするために必要なインクの量は0.5ml、インクの充填量のばらつきは、サブタンク部201b、液室201fとも0.2mlとする。これらの数値は、実験によって求められたものである。以上より、1回の充填で充填すべきインクの量はこれらの合計値であり、サブタンク部201bでは1.7ml、液室201fでは1.2mlと設定される。
【0131】
記録ヘッド201内の減圧圧力は、回復ユニット207の能力を超えない範囲で設定される。本実施形態では吸引ポンプ207cの実力限界が-0.6atm(-60.795kPa)であるため、余裕を持たせて、吸引キャップ207a内の圧力が-0.5atm(-50.6625kPa)となるように、吸引ポンプ207cの吸引量が実験により求められて設定され、ポンプモータ207dの回転量として制御される。
【0132】
ここで、ノズル201gのメニスカスによる空気を透過させるのに必要な圧力は実験値で-0.05atm(-5.06625kPa)であるので、吸引キャップ207a内の圧力と液室201f内の圧力との間にノズル201gの抵抗分の差が生じ、液室201f内の圧力がキャップ207a内の圧力よりも0.05atm(5.06625kPa)だけ高くなる。同様に、フィルタ201cのメニスカスによる空気を透過させるのに必要な圧力は実験値で-0.1atm(-10.1325kPa)なので、液室201f内の圧力とサブタンク部201b内の圧力との間にフィルタ201cの抵抗分の差が生じ、サブタンク部201b内の圧力が液室201f内の圧力よりも0.1atm(10.1325kPa)だけ高くなる。よって、吸引キャップ207a内の圧力を-0.5atm(-50.6625kPa)に設定すると、液室201f内の圧力は-0.45atm(-45.5963kPa)、サブタンク部201b内の圧力は-0.35atm(-35.4638kPa)となる。
【0133】
サブタンク部201bに1.7mlのインクを充填するためには、内圧がほぼ1atm(101.325kPa)となっているサブタンク部201bから1.7mlだけインクを吸引した時点で内圧が-0.35atm(-35.4638kPa)となるように、サブタンク部201bの容積V1を設定する。すなわち、V1=1.7/0.35=4.85mlとなる。同様にして、液室201fの容積V2についても、V2=1.2/0.45=2.67mlと設定する。
【0134】
以上の条件で記録ヘッド201内を減圧した後、遮断弁210を開くことで、負圧となっている記録ヘッド201内へインクが流れ込む。より詳しく説明すると、まず、サブタンク部201b内にインクが流れ込み、減圧によってV1まで膨張していた空気がほぼ大気圧まで復元する。そのときのサブタンク部201b内での空気の体積をV1aとすると、V1a=V1×(1-0.35)=3.15mlであり、サブタンク部201bにV1-V1a=1.7mlのインクが充填された時点で落ち着く。同様に液室201fについても、サブタンク部201bからインクが流れ込み、減圧によってV2まで膨張していた空気がほぼ大気圧まで復元する。そのときの液室201f内での空気の体積をV2aとすると、V2a=V2×(1-0.45)=1.47mlであり、液室201fにV2-V2a=1.2mlのインクが充填された時点で落ち着く。
【0135】
以上のように、サブタンク部201bおよび液室201fの各々の容積と減圧する圧力とを設定することにより、フィルタ201cで仕切られたサブタンク部201bと液室201fとに各々適量のインクを1回の充填動作で充填することができ、空気が記録ヘッド201内に蓄積する状況下であってもその吸引動作なしに、長期間にわたって正常に稼働させることができる。
【0136】
また、前述したように、フィルタ201cと液室201f内のインクの上面との間には空気層が介在しているが、この空気層の量は回復ユニット207による吸引動作での吸引圧力で任意に設定することが可能である。つまり、空気層は管理可能な空気層である。
【0137】
そのため、従来、フィルタとノズルとの間に発生した気泡が原因となって起こっていた吐出不良に対する信頼性を大幅に向上させることができる。すなわち、管理できない気泡がフィルタの下に存在することによってフィルタの有効面積が変化(低減)するという従来の問題に対しては、本実施形態においては、フィルタ201cは初めから管理された部分(図14の開口部201d)で空気層と接しており、フィルタ201cの有効面積は変化しないので、設計段階よりこのことを考慮しておけばよい。
【0138】
また、フィルタとノズルとの間の流路を気泡が塞いでしまうという問題に対しては、液室201f内に存在し得る気泡の直径に対して液室201fの断面積を十分に大きく構成しているので、液室101f内の気泡がインクの流れを妨げることはなくなる。
【0139】
さらに、液室内の気泡がノズル内に侵入したり液室とノズルとの間の連通部を塞いでしまうことによる問題に関しては、上述したように液室201fの断面積が十分に大きいので、液室201f内に生じた気泡はその浮力により液室201f内のインク中を上昇し、空気層と合体するので、ノズル201g内に侵入することはなくなる。しかも、液室201f内に生じた気泡が空気層と合体しても、この空気層は上述のように管理された空気層であるため、フィルタ201cの有効面積は変化しない。
【0140】
すなわち、フィルタ201cでサブタンク部201bと仕切られた液室201fを以上のように構成することで、液室201f内に気泡が生じたり、生じた気泡が移動することが原因となって発生していた吐出不良に対する信頼性を大幅に向上させることができる。
【0141】
図17は、図14に示した記録ヘッド201の構成を詳細に示す断面図である。
【0142】
図17に示す断面図は、図14を図面左から右に向かって見たときの断面図である。本実施例の記録ヘッド201は、6個のノズル201gからそれぞれインクを吐出するもので、各ノズル201gのそれぞれについて、図1に示したメインタンク204およびインク供給チューブ206、さらに、サブタンク201bおよび液室201fを介してインクが独立に供給されている。
【0143】
図18は記録ヘッド201をノズル201g側から見た底面図である。
【0144】
ノズル201gは、複数の記録素子列からなる長手方向を有するもので、本実施例のものにおいては6個(201g1〜201g6)設けられている。また、サブタンク201bおよび液室201fもノズル201gと平行な長手方向を有する形状とされている。
【0145】
本実施例において、各ノズル201g1〜201g6は201g1〜201g3、201g4〜201g6それぞれが一組とされ、各組内でノズルは近接して配置され、その結果、記録ヘッドのインク吐出面としての幅(図18における左右方向の長さ)はサブタンク201b群についての幅よりも短いものとしている。これは、吸引キャップ207aによるインク吐出面についての密閉空間を小さくするためである。
【0146】
本実施例のようなインクを大量に消費するインクジェット記録装置の場合、サブタンク201bの容量が大きくなることからサブタンク201b群の幅も従来のものよりも大きくなる。各サブタンク201bからインクの供給を受けるノズル201g1〜201g6を各サブタンク201bの下方に配置すると、インク吐出面の幅も大きくなり、吸引キャップ207aによるインク吐出面についての密閉空間も大きくなってしまい、吸引量も大きくなってしまう。このため、必要とされる吸引ポンプも大型化してしまい、装置全体が大きくなってしまう。本実施例においては、上述のようにインク吐出面としての幅はサブタンク201b群についての幅よりも短いものとして装置の大型化を防止している。
【0147】
本実施例においては、インク吐出面の幅をサブタンク201b群の幅よりも短いものとするために、各サブタンク201bと各ノズル201gとを結ぶ液室201fのそれぞれを各ノズル201gから各サブタンク201bに向けて放射状に拡がるものとしている。これにより、従来と同等の吸引ポンプを使用することができるとともに、複数のノズル列からなる吐出面について、小型のインクジェット記録装置との共通化を図ることができ、製造コストを低減することができるものとなっている。
【0148】
図19は本実施例に用いられる液室(インク収納室)201fの形状を示す斜視図である。
【0149】
本実施例における液室201fは、各ノズル201g1〜201g6に対応する液室201f1〜201f6から構成されている。上述したように、各液室201f1〜201f6のそれぞれは、各ノズル201g1〜201g6から各サブタンク201bに向けて放射状に拡がるものとしており、各液室201f1〜201f6の形状も異なるものとなっている。各液室201f1〜201f6はその容積が実質的に等しいものとなるようにその長さが断面形状に応じて異なるものとされている。このように、容積を等しいものとしたことにより、各液室201f1〜201f6における容積V2、充填すべきインクの量S1、液室内の圧力P2を概ね等しいものとして見ることができ、各液室201f1〜201f6に対して同じ設定で適量のインクを充填することができる。このことは吐出回復動作についても同様である。
【0150】
図20は各液室201f1〜201f6の容積を等しくするための異なる実施例の要部を説明するための図である。
【0151】
図19に示した例においては、容積を等しくするために長さを異ならせた各液室201f1〜201f6のそれぞれを1つの部材として実現していたのに対し、本実施例においては、長さが等しい第1の部材と、第1の部材に対応する長さが異なる複数の突起を備えた第2の部材とを組み合わせることにより液室201f1〜201f6を実現している。
【0152】
図20に示す容積調節部材901は、各液室201f1〜201f6に対応し、それぞれ長さが異なる突起9011〜9016を備えており、容積調節部材901を組み合わせることにより各液室201f1〜201f6の容積が実質的に等しいものとなる。
【0153】
上記のように構成される本実施例のものにおいては、各突起9011〜9016の長さにより、各液室201f1〜201f6の容積を等しくするとともにその容積自体をも調節することができるものとなっている。
【0154】
上述したような各実施例に示される液室を使用したインクジェット記録ヘッドを、図1に示したインクジェット記録装置に搭載して印字を行ったところ、良好な印字を行うことができた。なお、各実施例に示されるインクジェット記録ヘッドを搭載することにより効果を奏するインクジェット記録装置としては、図1に示したようなシリアル型に限定されることはなく、ライン型のものであっても同様の効果を奏する。
【0155】
本発明で用いた実施例は、インクジェット記録ヘッドに用いた圧力調整室の弾性変形体についてであるが、本発明の主旨を当てはめることができれば、本実施例以外の用途にも適応し、同様の効果を得ることが可能である。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、容器内の気体圧力を調整するようにこの気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形体を有する気体圧力調整室において、弾性変形体の形状を一つのほぼ円形形状である開口部と、外周面に変形前の状態でほぼ平らな2つの面で構成し、この2つの面が前記開口部と反対側の先端部で曲面部を介して繋がっているような形状にすることにより、気体圧力調整室の機能を安定させ、また、その機能を最大限に引き出すことが可能になるという効果がある。また、この弾性変形体を採用した気体圧力調整室を有する記録ヘッドにおいては、弾性変形体の上記の配列では、弾性変形体の底面形状を円形とした際に、幅の狭いインク収納部や、幅が制限されたインク収納部に対しても弾性変形体の底面の直径も大きくすることができるので、複数のインク収納部を有するタンク部をコンパクトに収めることができ、また、記録ヘッドのコンパクト化に伴って、インクジェット記録装置本体もコンパクトになるという効果がある。さらに、そのように弾性変形体の底面を大きくとることができるので、気体圧力調整室の機能を最大限に引き出すことが可能な弾性変形体の形状を模索する上でも可能性が広がる。
【0157】
本発明のインクジェット記録装置は、上述したようにコンパクトになった記録ヘッドが搭載されるので、インクジェット記録装置本体もコンパクトになり、製品としてもユーザーにとって望ましいものとなる。インクジェット記録装置のコストダウンも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるキャリッジに搭載される記録ヘッドの側断面図である。
【図3】記録ヘッドをその一部を分解して示す斜視図である。
【図4】ヘッド基板が記録ヘッドの前面に取り付けられる前の状態の記録ヘッドの斜視図である。
【図5】記録ヘッドに備えられる弾性部材、押さえ部材およびサブタンクカバーを示す斜視図である。
【図6】記録ヘッド内の複数のサブタンクの配置を示す平面図である。
【図7】ヘッド本体に弾性部材およびサブタンクカバーを取り付けた状態を示す平面図である。
【図8】圧力調整室に取り付けられた弾性部材の特性を説明するためのグラフである。
【図9】弾性変形体の一実施例の形状を示す側面図および上面図である。
【図10】弾性変形体の比較例の形状を示す側面図および上面図である。
【図11】図8を説明するために用いる直方体形状の弾性変形体の一例の代表図である。
【図12】図9に示される弾性部材の変形状態を示す模式図である。
【図13】チューブ供給方式の従来のインクジェット記録装置のインク供給系を模式的に示す図である。
【図14】本実施形態のインク供給ユニット、メインタンクおよび記録ヘッドの模式図である。
【図15】メインタンクの基本水頭と、メインタンク内に空気が導入される際のインク供給ユニットの液路内での空気およびインクの挙動を説明する説明図である。
【図16】メインタンクの基本水頭と、メインタンク内に空気が導入される際のインク供給ユニットの液路内での空気およびインクを説明する説明図である。
【図17】図14に示した記録ヘッドの構成を詳細に示す断面図である。
【図18】図18は記録ヘッドをノズル側から見た底面図である。
【図19】本実施例に用いられる液室の形状を示す斜視図である。
【図20】各液室の容積を等しくするための異なる実施例の要部を説明するための図である。
【図21】弾性変形体を用いた気体圧力調整室の機能を示す一概念図である。
【符号の説明】
3 ヘッド本体
3a 凹部
4 電極
5、201c フィルタ
6 流路
7 サブタンクカバー
8、201i 圧力調整室
9 サブタンク蓋
10、90、201h 弾性部材(弾性変形体)
10a 平坦面
10b 先端部
11 押さえ部材
12 取り付けネジ
14 補強リブ
15 リブ
16 フレキシブル基板
20 インク供給液室
21 インク溜め
23 ニードル受容部
26 ヒーターボード
29 吐出口
35 ヘッド基板
36、201b サブタンク
37 連通部
38 空気孔
40 上面
41 下面
42 前面
43 後面
50 隔壁
101 液体注入管
102 液体供給管
110 液体
201 記録ヘッド
201d 開口部
201e 仕切部
201f、201f1〜201f6 液室
201g ノズル
202 キャリッジ
203 搬送ローラ
204 メインタンク
205 インク供給ユニット
205a インク供給針
205b 大気導入針
205c、205d、205e 液路
205f バッファ室
205g 大気連通口
205h 回路
206 インク供給チューブ
207 回復ユニット
207a 吸引キャップ
207b、207f カム
207c 吸引ポンプ
207g カム制御モータ
209 インク
209a 先端
209b、209c インク上面
210 遮断弁
210a ダイアフラム
210b ホルダ
210c 押圧ばね
210d レバー
901 容積調節部材
9011〜9016 突起
S 記録用シート

Claims (29)

  1. 連通する容器内の気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する圧力調整室において、
    前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、
    前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、
    前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする圧力調整室。
  2. 前記平らな面は、実質的に同形状であることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。
  3. 前記平らな2つの面は、前記先端部の曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。
  4. 前記平らな面には、少なくとも一部に窪みがあることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。
  5. 前記平らな面は、他の前記外周面より少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。
  6. 前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部の長さは、前記開口部の直径以上の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整室。
  7. 気体の出入りが行われる室と、該室に連通する気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記容器に支持するための支持部と、を有する圧力調整室と、をそなえる圧力調整機構において、
    前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、
    前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、
    前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする圧力調整機構。
  8. 前記平らな面は、実質的に同形状であることを特徴とする請求項7に記載の圧力調整機構。
  9. 前記平らな2つの面は、前記先端部の曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とする請求項7に記載の圧力調整機構。
  10. 前記平らな面には、少なくとも一部に窪みがあることを特徴とする請求項7に記載の圧力調整機構。
  11. 前記平らな面は、他の前記外周面より少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項7に記載の圧力調整機構。
  12. 前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部の長さは、前記開口部の直径以上の大きさであることを特徴とする請求項7に記載の圧力調整機構。
  13. インクを吐出して記録を行うためのインク吐出部と、
    該インク吐出部に供給するインクおよび気体を収納するインク収納室と、
    該インク収納室に連通して前記インク収納室内の気体圧力を調整するように該気体圧力に応じて容積が変化可能な少なくとも一つの弾性変形部と、該弾性変形部を前記インク収納室に支持するための支持部と、を有する圧力調整室と、を有する記録ヘッドにおいて、
    前記弾性変形部は、一つの円形形状である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、
    前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、
    前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする記録ヘッド。
  14. 前記平らな面は、実質的に同形状であることを特徴とする請求項13に記載の記録ヘッド。
  15. 前記平らな2つの面は、前記先端部の曲面部を介して実質的に対称形であることを特徴とする請求項13に記載の記録ヘッド。
  16. 前記平らな面には、少なくとも一部に窪みがあることを特徴とする請求項13に記載の記録ヘッド。
  17. 前記平らな面は、他の前記外周面より少なくとも一部の肉厚が薄いことを特徴とする請求項13に記載の記録ヘッド。
  18. 前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部の長さは、前記開口部の直径以上の大きさであることを特徴とする請求項13に記載の記録ヘッド。
  19. 並列に配列されて各々がインクを個別に収納する複数のインク収納室が形成されたインク収納部と、
    前記インク収納部から供給されたインクを吐出して記録を行い、各々が前記各インク収納室に対応した複数のインク吐出部と、
    前記インク収納部内の圧力を調整するために前記各インク収納室に対応して設けられる圧力調整機構と、を有する記録ヘッドにおいて、
    前記圧力調整機構は、少なくとも2つの前記インク収納部の上部にまたがって配置されるとともに、複数の前記弾性変形部が前記インク収納室の配列方向および、該配列方向に対して交差する方向と、に配列される複数の弾性変形部を有し、
    前記弾性変形部は、前記インク収納部側の形状が円形である開口部と、変形前の状態で平らな2つの面と、前記開口部と反対側に設けられ、表面が曲面の先端部とを有し、
    前記平らな2つの面は、前記開口部の底面の中心を通る直線に対して対称であり、前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部を介して繋がっており、
    前記平らな面同士の間隔が前記先端部に向かって徐々に小さくなっていることを特徴とする記録ヘッド。
  20. 前記インク収納部は、前記圧力調整機構と連通する開口部を複数の前記インク収納室にそれぞれ有し、該開口部は千鳥状に配列されている請求項19に記載の記録ヘッド。
  21. 前記開口部の形状が半月状である請求項20に記載の記録ヘッド。
  22. 前記各インク収納室は、前記複数のインク吐出部に対応してインク吐出部の配置方向と並行に配置されるとともに、前記インク収納部から前記インク吐出部との連通部分から前記圧力調整機構に向かって放射状に拡がる形状であることを特徴とする請求項19に記載の記録ヘッド。
  23. 前記インク収納室および前記インク吐出部は、長手方向の形状を有し、かつ各長手方向が平行となるように配置されていることを特徴とする請求項19に記載の記録ヘッド。
  24. 前記複数のインク収納室の各容積が等しいことを特徴とする請求項22に記載の記録ヘッド。
  25. 前記複数のインク供給液室の各容積が、各インク収納室の配列方向に交差する長手方向の長さを調整することにより等しくなっていることを特徴とする請求項24に記載の記録ヘッド。
  26. 複数の前記インク収納室の各々が、異なる色のインクを個別に収納するものである請求項19に記載の記録ヘッド。
  27. 前記インク収納室内に前記インク吐出部へ前記インク中の異物を混入を防止するフィルタを有する請求項19に記載の記録ヘッド。
  28. 前記開口部と平行な一直線上に延びる前記先端部の長さは、前記開口部の直径以上の大きさであることを特徴とする請求項19に記載の記録ヘッド。
  29. 請求項19〜28のいずれか1項に記載の記録ヘッドを搭載して一直線上を往復移動するキャリッジと、前記記録ヘッドの前記インク吐出部から吐出されたインクを受ける被記録媒体を前記キャリッジの移動方向と直交する方向に搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置。
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