JPH0522865U - 電磁クラツチ／ブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 騒音対策をより改善した電磁クラッチ／ブレ
ーキを提供すること。 【構成】 ヨーク（１）とエンドプレート（４）との間
に、ヨークと対向する側に軸方向に所定量移動可能でか
つ非回転的に支持されたアーマチュア（２）が、またエ
ンドプレートに対向する側に軸方向に所定量移動可能で
かつ回転軸と一体的に回転するインナ−ディスク（５）
が、前記アーマチュアと前記インナーディスクとが相互
に接触するように設けられてなり、スタッドボルト
（６）により前記ヨークとエンドプレートとが離隔して
支持され、かつ前記アーマチュアが軸方向移動可能に支
持される電磁ブレーキ／クラッチにおいて、前記スタッ
ドボルトに嵌装されるディスタンスカラー（７）の面に
設けられた溝に緩衝リング（１１，１２）を装着したこ
とを特徴とする電磁クラッチ／ブレーキ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電磁クラッチおよびブレーキに係り、とくにその騒音対策構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

電磁クラッチおよび同ブレーキにおいては、作動時にアーマチュアとヨークと が衝突して騒音を発生することが不可避であり、その対策が長年に亘る懸案であ る。そこで、従来は、図３に縦断面を示すように、ヨーク１のアーマチュア２と 対向する面に円周方向の溝を設け、この溝内にゴム製のＯリング３を嵌装して緩 衝要素としている。

【０００３】 図４(a) は、図３の要部を拡大して示したもので、Ｏリング３はヨーク１の溝 からアーマチュア２の方に僅かに突出しており、この突出長がヨーク１とアーマ チュア２との間の空隙長Ｇと同程度に選ばれている。

【０００４】 したがって、クラッチまたはブレーキの作動時に、アーマチュア２がヨーク１ に接近すると最初にＯリング３に当接し、次いでヨーク１に圧接されることにな り、アーマチュア２が軸方向に移動してヨーク１に衝突することは防止でき、そ の結果衝突音を抑制することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

クラッチまたはブレーキの作動時には、アーマチュアの軸方向の運動による騒 音の他に、円周方向の運動によるものがある。これは、図４(b) に示すように、 ヨーク１とエンドプレート４とを、それらの相互間にアーマチュア２およびイン ナーディスク５を挟んだ状態で離間して固定関係に支持するスタッドボルト６に 嵌装するディスタンスカラー７が原因となるものである。

【０００６】 すなわち、クラッチまたはブレーキの作動時には、当然ながらアーマチュア２ はインナ−ディスク５から回転力を受け、空隙Ｓを介して配されているディスタ ンスカラー７に円周方向に衝突し、このとき衝突音を発生する。この衝突音は金 属性のものであり、解決すべき騒音である。

【０００７】 本考案は上述の点を考慮してなされたもので、騒音対策をより改善した電磁ク ラッチ／ブレーキを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案では、 ヨークとエンドプレートとの間に、ヨークと対向する側に軸方向に所定量移動 可能でかつ非回転的に支持されたアーマチュアが、またエンドプレートに対向す る側に軸方向に所定量移動可能でかつ回転軸と一体的に回転するインナ−ディス クが、前記アーマチュアと前記インナーディスクとが相互に接触するように設け られてなり、スタッドボルトにより前記ヨークとエンドプレートとが離隔して支 持され、かつ前記アーマチュアが軸方向移動可能に支持される電磁ブレーキ／ク ラッチにおいて、前記スタッドボルトに嵌装されるディスタンスカラーの面に設 けられた溝に緩衝リングを装着したことを特徴とする電磁クラッチ／ブレーキ、 を提供するものである。

【０００９】

【作用】

スタッドボルトに嵌装されたディスタンスカラーの面に設けられた溝には、緩 衝リングが装着されている。このため、クラッチまたはブレーキの作動時に、回 転力を受けたアーマチュアは緩衝リングを介してディスタンスカラーに当接する から、アーマチュアとディスタンスカラーとが直接衝突することがなく、金属性 の衝突音の発生を抑制する。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上述のように、電磁クラッチ／ブレーキにおけるスタッドボルトに嵌 装されるディスタンスカラーの外面に緩衝リングを設けてアーマチュアがディス タンスカラーに直接衝突しないようにしたため、従来の電磁クラッチ／ブレーキ におけるような金属性騒音を大幅に抑制することができる。

【００１１】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例の縦断面を示したもので、スタッドボルト６に嵌装 されたディスタンスカラー７のヨーク側の端面に溝が設けられており、この溝に 第１の緩衝リング１１が挿入され、またディスタンスカラー７の外周面にも二筋 の溝が設けられており、この溝には第２の緩衝リング１２が挿入されている。

【００１２】 図２(a) は、図１の要部を拡大して示したものである。この図２(a) に示すよ うに、ディスタンスカラー７のヨーク側の端面の最内周部にはスタッドボルト６ との間に溝を形成するように凹部が形成されており、この凹部とスタッドボルト ６とにより形成された溝にＯリング状の第１の緩衝リング１１が挿入されている 。この第１の緩衝リング１１は、内周面がスタッドボルト６に、外周面がディス タンスカラー７に、また図における左側面がヨーク１に、そして図における右側 面がディスタンスカラー７に接触している。したがって、スタッドボルト６にボ ルトを締め付けると、第１の緩衝リング１１の作用と相俟ってヨーク１、スタッ ドボルト６およびディスタンスカラー７相互間が強固かつ緩みなく固定される。

【００１３】 また、ディスタンスカラー７の外周面に設けられた２本の溝には、第２の緩衝 リング１２が挿入されている。この第２の緩衝リング１２は、ディスタンスカラ ー１２とアーマチュア２との間の緩衝作用を受け持つものである。

【００１４】 図２(b) は、スタッドボルト６、ディスタンスカラー７および第２の緩衝リン グ１２の相互関係が分かるようにディスタンスカラー７をヨーク１側から見た状 態を示したものである。

【００１５】 この図２(b) から分かるように、第２の緩衝リング１２はその外周がアーマチ ュア２に密着しており、他方内周でディスタンスカラー７の溝に嵌装されている から、アーマチュア２とディスタンスカラー７との間を遊びなく当接させる。

【００１６】 このため、クラッチまたはブレーキの作動時に、アーマチュア２に回転力が与 えられてディスタンスカラー７の外周面に衝突しようという際、アーマチュア２ の回転力はまず第２の緩衝リングに伝わり、次いでディスタンスカラー７に伝達 される。このような緩衝作用により騒音の発生が防止される。

【００１７】 上記第１および第２の緩衝リング１１、１２によりディスタンスカラー７周り の騒音発生が抑制され、電磁クラッチおよびブレーキにおける有効な騒音対策と なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の電磁クラッチ／ブレーキの縦断面図。

【図２】図１の要部拡大断面図。

【図３】本考案の一実施例の縦断面図。

【図４】図３の要部拡大断面図。

【符号の説明】

１ ヨーク ２ アーマチュア ３ Ｏリング ４ エンドプレート ５ インナ−ディスク ６ スタッドボルト ７ ディスタンスカラー １１ 第１の緩衝リング １２ 第２の緩衝リング

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヨークとエンドプレートとの間に、ヨーク
   と対向する側に軸方向に所定量移動可能でかつ非回転的
   に支持されたアーマチュアが、またエンドプレートに対
   向する側に軸方向に所定量移動可能でかつ回転軸と一体
   的に回転するインナ−ディスクが、前記アーマチュアと
   前記インナーディスクとが相互に接触するように設けら
   れてなり、スタッドボルトにより前記ヨークとエンドプ
   レートとが離隔して支持され、かつ前記アーマチュアが
   軸方向移動可能に支持される電磁ブレーキ／クラッチに
   おいて、 前記スタッドボルトに嵌装されるディスタンスカラーの
   面に設けられた溝に緩衝リングを装着したことを特徴と
   する電磁クラッチ／ブレーキ。
2. 【請求項２】請求項１のクラッチ／ブレーキにおいて、 前記ディスタンスカラーの内面、端面および周面に設け
   られた各溝に緩衝リングを挿入した電磁クラッチ／ブレ
   ーキ。
3. 【請求項３】請求項１のクラッチ／ブレーキにおいて、 前記ディスタンスカラーの緩衝リングの一つは、前記ス
   タッドボルト、前記ヨークおよび前記ディスタンスカラ
   ーに接触するように設けられた電磁クラッチ／ブレー
   キ。