JPH0522832U - ボールジヨイントの防振構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】例えば自動車用ステアリング装置のタイロッド
とアーム部材との連結用として用いられるボールジョイ
ントに防振機能をもたせる。 【構成】タイロッド５の端部に筒状部５１を設け、この
筒状部５１の内周面にゴム等の弾性材よりなるブッシュ
６の外周面を接合固着し、ブッシュ６の内周面をボール
ジョイント１のソケット２の外周面に接合固着し、ボー
ルジョイント１のボールスタッド４にアーム部材７をナ
ット８で締付固定し、タイロッド５とアーム部材７との
いずれか一方から入力した振動をブッシュ６にて吸収
し、他方への振動伝達を低減するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば自動車用ステアリング装置のタイロッドとアーム部材との連 結用等として用いられるボールジョイントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のステアリング装置において、タイロッドとギヤアームとの連結或はタ イロッドとナックルアームとの連結にはボールジョイントが使用されるのが一般 的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記ボールジョイントは基本的には、ソケットと該ソケットの内腔部内に嵌着 されるボールシートと該ボールシート内に嵌装抱持される球状部を一端にもった ボールスタッドとからなり、従来はタイロッドの一端部にソケットを一体的に固 着し、ボールスタッドにギヤアーム或はナックルアーム等のアーム部材を固着し た構造であるから、操舵輪（前輪）から入力される振動が操舵系の各部に伝わり 、操舵フィーリングを悪化させたり、操舵系の各部に悪影響を及ぼすといった課 題を有している。

【０００４】 本考案は上記従来の課題に対処することを主目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ボールジョイントのソケットとそれに取付けられる部材との間又は ボールスタッドとそれに取付けられる部材との間に、ゴム等の弾性材よりなるブ ッシュを介装したことを特徴とするものであり、これにより一方の部材から入力 した振動はブッシュにより吸収され、他方の部材への振動伝達を大幅に低減でき るものである。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００７】 図１は本考案の第１の実施例を示すもので、１はボールジョイントであり、該 ボールジョイント１は、ソケット２と、該ソケット２内に嵌着された合成樹脂製 のボールシート３と、該ボールシート３内に嵌装抱持された球状部４１を一端に 有するボールスタッド４とから構成される。

【０００８】 ５はタイロッドであり、該タイロッド５の端部には筒状部５１が設けられてい る。該筒状部５１は、その内径が前記ソケット２の外径より所定寸法大でソケッ ト２の外周を所定間隔をもって囲むよう構成され、該筒状部５１の内周とソケッ ト２の外周との間にはゴム等の弾性材よりなるブッシュ６が介装される。

【０００９】 該ブッシュ６は、その外周面を筒状部５１の内周面に接合固着され、その内周 面をソケット２の外周面に接合固着される。

【００１０】 ボールスタッド４のテーパ軸部４２は、例えばギヤアーム或はナックルアーム 等のアーム部材７に設けたテーパ孔７１に嵌合され、ねじ軸部４３にナット８を ねじ込み締付けることによりボールスタッド４はアーム部材７に締結される。

【００１１】 上記において、タイロッド５とアーム部材７とのいずれか一方から他方への操 舵力の伝達は、アーム部材７の回動面にはほぼ平行な面内にて行われるので、該 操舵力はブッシュ６を主として圧縮変形させる方向に作用する。又上記アーム部 材７の回動面に直交する方向の相対的動きに対してはブッシュ６は剪断方向に弾 性変形する。

【００１２】 一般にブッシュのばね定数は、剪断方向に対し圧縮方向がはるかに大であるか ら、操舵時のブッシュ６の圧縮変形は小であり、操舵の応答性に問題を生じるよ うなことはほとんどない。一方走行時の振動のうちアーム部材７の回動面に直交 する方向の振動成分はブッシュ６の剪断方向の弾性変形により吸収され、全体と して振動荷重の大幅な低減をはかることができる。

【００１３】 図２は本考案の第２実施例を示すもので、ゴム等の弾性材よりなるブッシュ６ を、ボールスタッド４とアーム部材７との結合部に介装した例を示している。

【００１４】 即ち、この第２実施例ではソケット２とボールシート３とボールスタッド４と からなるボールジョイント１において、タイロッド５はソケット２に直接固着さ れ、ボールスタッド４のテーパ軸部４２には内筒９が嵌装されナット８にて締付 固定される。該内筒９の外周面にはブッシュ６の内周面が接合固着され、該ブッ シュ６の外周面には外筒１０の内周面が接合固着される。そして該外筒１０はア ーム部材７に設けた取付孔７２内に圧入され、必要に応じて溶接或はカシメ等の 手段にて固定される。

【００１５】 この第２実施例のものは、第１実施例ではブッシュ６をソケット２とタイロッ ド５との結合部間に設けたに対し、ボールスタッド４とアーム部材７との間に設 けたものであり、その作用，効果は第１実施例の場合と全く同じである。

【００１６】 上記第１と第２の実施例では、本考案を自動車用ステアリング装置のタイロッ ドとアーム部材との連結用として用いられるボールジョイントに適用した例を示 しているが、本考案はその他防振を必要とするあらゆるボールジョイントに適用 可能であり、又ボールジョイント自体の構造も図示実施例に限定されることなく 、従来より公知の任意のボールジョイント構造のものに適用できる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、極めて簡単なる施策により防振機能をもったボ ールジョイントを提供することができるもので、実用上多大の効果をもたらし得 るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の第２の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ボールジョイント ２ ソケット ３ ボールシート ４ ボールスタッド ５ タイロッド ６ ブッシュ ７ アーム部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソケットと、該ソケットの内腔部内に嵌
   着されるボールシートと、該ボールシート内に嵌装抱持
   される球状部を一端にもったボールスタッドとからなる
   ボールジョイントにおいて、上記ソケットと該ソケット
   に取付けられる部材との間又は上記ボールスタッドと該
   ボールスタッドに取付けられる部材との間に、ゴム等の
   弾性材よりなるブッシュを介装したことを特徴とするボ
   ールジョイントの防振構造。