JPH05226222A - 露光装置の位置合わせ装置 - Google Patents

露光装置の位置合わせ装置

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JPH05226222A
JPH05226222A JP4059277A JP5927792A JPH05226222A JP H05226222 A JPH05226222 A JP H05226222A JP 4059277 A JP4059277 A JP 4059277A JP 5927792 A JP5927792 A JP 5927792A JP H05226222 A JPH05226222 A JP H05226222A
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JP
Japan
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light
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dichroic mirror
beam splitter
reticle
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Withdrawn
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JP4059277A
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English (en)
Inventor
Koichiro Komatsu
宏一郎 小松
Hideo Mizutani
英夫 水谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイクロイックミラーを介してアライメント
用の照明光を入射する場合に、アライメント用の照明光
の光量の損失を少なくする。 【構成】 光源3からの光を偏光ビームスプリッター
9、位相補償板11及びダイクロイックミラー2を介し
てレチクルRのマークに照射し、レチクルRのマークか
らの反射光をダイクロイックミラー2及び位相補償板1
1を介して偏光ビームスプリッター9に戻し、偏光ビー
ムスプリッター9での反射光を光電センサ13,14に
導く。位相補償板11及びダイクロイックミラー2が全
体として1/4波長板として作用するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子製造
用の縮小投影型露光装置においてレチクルとウェハとの
位置合わせを行うアライメント装置に適用して好適な露
光装置の位置合わせ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、レチクル
に形成された原画パターンを所定の縮小倍率の投影光学
系を介してステップ・アンド・リピート方式でウェハ等
の基板上の所定位置に順次露光する縮小投影型露光装置
(ステッパー)が使用されている。このような露光装置
を用いて例えば半導体素子を製造する場合には、ウェハ
表面に多数層の回路パターンを形成するので、数回〜数
十回のマスクワークが必要になる。このマスクワークの
主な作業は、新たに重ね合わせて露光すべきレチクルの
パターン像と、既にウェハ上に形成された回路パターン
領域とを精密に位置合わせするアライメント作業であ
る。
【0003】現在、実用化されている投影露光装置の多
くには、レチクルとウェハとを光学的に自動的に位置合
わせする自動アライメント装置が組み込まれており、こ
れにより半導体素子製造のスループットが向上してい
る。ところで、この自動アライメント装置には種々の方
式があるが、その内で最も精度が高いと期待されている
方式の一つに、TTR(スルー・ザ・レチクル)方式と
呼ばれているものがある。これは、レチクルの回路パタ
ーン領域周辺のアライメントマークと、ウェハ上の各シ
ョット領域周辺に形成されたアライメントマークとを、
レチクルの上方に配置したアライメント光学系によって
同時に検出し、両マークのずれを直接計測し、レチクル
又はウェハをそのずれ量が所定量になるように微動させ
る方式である。
【0004】図6はそのようなTTR方式のアライメン
ト装置が組み込まれた従来の投影型露光装置の要部を簡
略化して示し、この図6において、1は主コンデンサレ
ンズ、2は波長選択性を有するダイクロイックミラー、
Rはレチクルであり、ダイクロイックミラー2はレチク
ルR上に45°の傾斜角で固定されている。また、レチ
クルRのパターン領域の周辺部にはアライメントマーク
RM及び窓部が形成されている。図示省略した露光用光
学系より供給された露光光ILが主コンデンサレンズ1
により主光線がほぼ平行な光束に変換され、この変換後
の露光光ILがダイクロイックミラー2により反射され
てレチクルRのパターン領域を均一な照度で照明する。
レチクルRを透過した露光光は両側又は片側テレセント
リックな投影光学系PLを介してウェハW上に集束さ
れ、これによりレチクルRの回路パターンがウェハW上
の所定のショット領域に転写される。ウェハW上の各シ
ョット領域の近傍にもそれぞれアライメントマークWM
が形成されている。
【0005】露光光ILとしては、ウェハW上のレジス
トに対する感光性のある波長帯の光である水銀ランプの
g線、i線又はKrFエキシマレーザ光等が使用され
る。また、アライメント用の照明光としては、ウェハW
上のレジストに対する感光性の弱い、通常は露光光より
も長波長帯の光が使用される。アライメント用の照明光
としては、例えば波長633nmのHe−Neレーザ光
等が使用される。そして、ダイクロイックミラー2は、
露光光に対しては例えば90%以上の反射率を有し、ア
ライメント用の照明光に対しては例えば50%以上の透
過率を有するものである。
【0006】ダイクロイックミラー2の上方に配置され
たアライメント光学系において、光源3から射出された
アライメント用の照明光ALは送光系の第2対物レンズ
4によりほぼ平行な光束に変換されてビームスプリッタ
ー5に入射する。このビームスプリッター5の接合面で
反射された照明光ALは、第1対物レンズ6により集束
されてダイクロイックミラー2を透過してレチクルR上
のアライメントマークRM及び窓部を照明する。光源3
の射出面とレチクルRのパターン面とはほぼ共役であ
る。このアライメントマークRMから反射された照明光
ALはダイクロイックミラー2を透過した後、第1対物
レンズ6によりほぼ平行光束に変換されてビームスプリ
ッター5に入射し、このビームスプリッター5の接合面
を透過した照明光が受光系の第2対物レンズ7により光
電センサ8の受光面に集束され、この受光面にレチクル
RのアライメントマークRMの像が結像される。光電セ
ンサ8としては、2次元の電荷結合型撮像素子(CC
D)等が使用される。
【0007】一方、レチクルRの窓部を透過した照明光
ALは投影光学系PLを介してウェハW上のアライメン
トマークWM上に集束される。このアライメントマーク
WMから反射された照明光ALは投影光学系PL、レチ
クルRの窓部、ダイクロイックミラー2及び第1対物レ
ンズ6を経てビームスプリッター5に入射し、ビームス
プリッター5の接合面を透過した照明光ALは受光系の
第2対物レンズ7により光電センサ8の受光面に集束さ
れる。この受光面にはウェハW上のアライメントマーク
WMの像がレチクルRのアライメントマークRMの像と
平行に結像される。光電センサ8からの撮像信号を処理
して両マークの像の位置ずれに対応する信号を求め、こ
の信号に基づいてレチクルRが載置されているレチクル
ステージ又はウェハWが載置されているウェハステージ
を微動することにより、アライメントが自動的に行われ
る。
【0008】なお、投影光学系PLは露光光ILに関し
て収差が補正されており、アライメント光学系の照明光
ALに関しては色収差が存在する場合があるが、このよ
うな場合には、例えば光電センサ8を光軸方向に離して
2個設け、各光電センサで個別にアライメントマークR
Mの像及びアライメントマークWMの像を検出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、アライメント光学系の送光系と受光系
との分離にビームスプリッタを用いているためビームス
プリッタを通過する際に、光量が半分ずつ失われること
になる。この例で示した場合には往復で光量の3/4が
失われる。これに関して、例えば特開昭63−2293
05号公報に開示されているように、送光系と受光系と
の分離に偏光ビームスプリッターを用いることにより、
原理的には光量を損失を少なくすることができる。
【0010】図7は、図6においてビームスプリッター
5の代わりに偏光ビームスプリッター9を用いたアライ
メント光学系を簡略化して示し、この図7において、偏
光ビームスプリッター9と第1対物レンズ6との間には
更に1/4波長板10が配置されている。光源3からは
図7の紙面に垂直な方向に直線偏光した照明光、即ちプ
リズム型の偏光ビームスプリッター9に対してS偏光の
照明光が射出され、このS偏光の照明光は送光系の第2
対物レンズ4を介して偏光ビームスプリッター9に入射
する。偏光ビームスプリッター9の接合面はS偏光成分
をほぼ全て反射すると共に、P偏光成分をほぼ全て透過
するものであり、偏光ビームスプリッター9の接合面に
より反射されたS偏光の照明光は、次に1/4波長板1
0に入射する。そして、1/4波長板10により円偏光
に変換された照明光は、第1対物レンズ6により図示省
略したダイクロイックミラーを経てレチクルR上に照射
され、レチクルRの窓部を透過した照明光は更にウェハ
W上に照射される。
【0011】レチクルR又はウェハWにより散乱又は回
折された反射光は、円偏光の回転方向が逆転する。回転
方向が逆転した円偏光の反射光は第1対物レンズ6を経
て再び1/4波長板10に入射し、この1/4波長板1
0により図7の紙面に平行な方向の直線偏光、即ち偏光
ビームスプリッター9に対するP偏光の反射光に変換さ
れる。このP偏光の反射光は、偏光ビームスプリッター
9の接合面をそのまま透過して、受光系の第2対物レン
ズ7により光電センサ8の受光面に集束される。このよ
うにすると、ダイクロイックミラーの影響を無視した場
合には、原理的に光量の損失を無くすことができる。
【0012】しかしながら、実際には図6のダイクロイ
ックミラー2をアライメント用の照明光が透過する際
に、P偏光とS偏光とでは位相の変化量が異なるため
に、円偏光の状態が維持されなくなり、図7の偏光ビー
ムスプリッター9において光量の損失が生じる不都合が
ある。これに関して詳細に説明するに、TTR方式のア
ライメント光学系においては、ウェハ、レチクル共に露
光装置上で位置合わせ動作を行うために転写するパター
ンの露光エリアに従ってアライメントマークを入れる位
置を投影光学系PLの中心に対して可変にしなくてはな
らない。従って、アライメント光学系の視野位置を可変
としなくてはならない。
【0013】更に、露光の性能を左右する光学系に対し
影響(例えば、ケラレなど)を与えないようにしなくて
はならない。そのためには図6の如くレチクルRの照明
光学系側にダイクロイックミラー2を設け露光光ILと
アライメント光ALとを分離するような構成にする必要
がある。且つ、前記の手段によりアライメント光の光量
を増すためには、円偏光がダイクロイックミラー2を通
過しても円偏光の状態に変化がないようにしなくてはな
らない。ところが露光光は高い解像力を得るためにg
線、i線などの紫外線を用いているため蒸着物質等に制
限がある。更に、露光時間を短くするために光量が大き
いので吸収等があると熱膨張によりダイクロイックミラ
ー2が割れてしまう。そこで、ダイクロイックミラー2
におけるコーティング膜及びガラス基板での吸収をほと
んど0となるまで押さえなくてはならない。このためコ
ーティング膜の設計が難しく、上記の条件を満たしつつ
アライメント光ALに対するP偏光及びS偏光に対する
位相差を0とするような設計は困難であり、偏光ビーム
スプリッター9と1/4波長板10とを組み合わせてア
ライメント光ALの光量を増大させることは困難であっ
た。
【0014】本発明は斯かる点に鑑み、ダイクロイック
ミラーを介してアライメント用の照明光を入射すること
によりアライメントを行う場合に、そのアライメント用
の照明光の光量の損失が少ない露光装置の位置合わせ装
置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による露光装置の
位置合わせ装置は、例えば図1に示す如く、露光用光源
からの露光光ILをダイクロイックミラー(2)を介し
て第1物体Rに照明し、この第1物体Rのパターンを第
2物体W上に露光する際に、その第1物体Rと第2物体
Wとの相対的な位置合わせを行う露光装置の位置合わせ
装置において、そのダイクロイックミラー(2)をその
露光光ILとは異なる方向から介してその第1物体R及
び第2物体Wの各アライメントマークを照明する送光系
(3,4,6)と、そのダイクロイックミラー(2)を
介して戻って来るその第1物体R及び第2物体Wの各ア
ライメントマークからの光を受光する受光系(6,7,
12,13,14)と、その送光系からそのダイクロイ
ックミラー(2)に向かうアライメント光ALとそのダ
イクロイックミラー(2)からその受光系に向かうアラ
イメント光ALとを分離する偏光ビームスプリッター
(9)と、この偏光ビームスプリッター(9)とその第
1物体Rとの光路間に配置されそのダイクロイックミラ
ー(2)と共に4分の1波長板として作用する光学素子
(11)とを設けたものである。
【0016】この場合、例えば図2に示すように、その
偏光ビームスプリッター(9)の光学軸とそのダイクロ
イックミラー(2)の光学軸との相対角度を45°に設
定するようにしてもよい。
【0017】
【作用】斯かる本発明によれば、ダイクロイックミラー
(2)の位相特性を積極的に利用して、その光学素子
(11)とダイクロイックミラー(2)とで4分の1波
長板が構成される。従って、アライメント光の送光系か
ら偏光ビームスプリッター(9)に対して所定の直線偏
光の光を供給すると、偏光ビームスプリッター(9)か
ら射出されてそれら光学素子(11)及びダイクロイッ
クミラー(2)を経たアライメント光の偏光状態は円偏
光になる。そして、第1物体R及び第2物体Wから反射
されてくるアライメント光は逆回りの円偏光となってお
り、この円偏光のアライメント光がダイクロイックミラ
ー(2)及び光学素子(11)を経ると入射時とほぼ直
交する方向の直線偏光になる。従って、偏光ビームスプ
リッター(2)では送光系からのアライメント光と受光
系へのアライメント光とを効率良く分離でき、検出信号
のコントラストが大きくSN比の良い信号が得られ、位
置検出の精度が向上する。
【0018】また、その偏光ビームスプリッター(9)
の光学軸とそのダイクロイックミラー(2)の光学軸と
の相対角度を45°に設定した場合には、送光系からの
アライメント光の偏光方向と受光系へのアライメント光
の偏光方向とを完全に垂直にすることができるので、偏
光ビームスプリッター(9)における光量の損失を最も
少なくすることができる。従って、全体としてアライメ
ント光の損失を最も少なくすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明による露光装置の位置合わせ装
置の一実施例につき図1及び図2を参照して説明する。
本例は、図6の投影露光装置においてビームスプリッタ
ー5を図7の偏光ビームスプリッター9で置き換えた装
置に本発明を適用したものであり、図1及び図2におい
て図6及び図7に対応する部分には同一符号を付してそ
の詳細説明を省略する。
【0020】図1は本例の露光装置の要部を簡略化して
示し、この図1において、レチクルRの上方に45°の
傾斜角でダイクロイックミラー2を固定し、側面部に配
置された主コンデンサレンズ1により主光線がほぼ平行
光束に変換された露光光ILがダイクロイックミラー2
に反射されてレチクルRを均一な照度で照明する。レチ
クルRのパターンが投影光学系PLによりウェハW上に
転写される。ダイクロイックミラー2の上方には順に、
第1対物レンズ6、位相補償板11及びプリズム型の偏
光ビームスプリッター9を配置し、偏光ビームスプリッ
ター9の接合面(反射面)を透過した方向に順に、送光
系の第2対物レンズ4及びアライメント光ALの光源3
を配置する。また、偏光ビームスプリッター9の接合面
で反射された方向に順に、受光系の第2対物レンズ7、
光束分離プリズム12及び2次元CCD等よりなるレチ
クルマーク用の光電センサ14を配置し、光束分離プリ
ズム12の接合面で反射した方向に2次元CCD等より
なるウェハマーク用の光電センサ13を配置する。
【0021】位相補償板11は、水晶板等より形成し、
ダイクロイックミラー2と共にアライメント光ALに対
して1/4波長板として作用するように位相特性を定め
る。この場合、ダイクロイックミラー2に入射するP偏
光成分の偏光方向をDY、ダイクロイックミラー2に入
射するS偏光成分の偏光方向をDXとして、方向DX及
びDYをそれぞれX軸及びY軸にとる。例えばダイクロ
イックミラー2をアライメント光ALが往復する際にP
偏光成分の位相がS偏光成分に対してδだけ進む場合に
は、位相補償板11をアライメント用の照明光ALが往
復する際にP偏光成分の位相がS偏光成分の位相に対し
て((n+1/2)π−δ)だけ進むようにすればよい
(ただし、nは整数である)。
【0022】図2は図1の矢視A方向からの平面図であ
り、この図2に示すように、本例ではダイクロイックミ
ラー2の光学軸と偏光ビームスプリッター9の光学軸と
の相対角度を45°に設定する。また、光源3は偏光ビ
ームスプリッター9に対して偏光方向がD1のP偏光と
なるアライメント光ALを供給するが、その方向D1は
Y軸(又はX軸)に対して45°で交差している。
【0023】図1に戻り、本例の動作を説明するに、光
源3からのアライメント光ALは、送光系の第2対物レ
ンズ4を介して送光光と受光光との分離用の偏光ビーム
スプリッター9に入射する。光源3からのアライメント
光ALの偏光方向D1は、偏光ビームスプリッター9に
対してP偏光の方向であり、アライメント光ALはその
まま偏光ビームスプリッター9の接合面を透過する。偏
光ビームスプリッター9から射出されたアライメント光
は、位相補償板11、第1対物レンズ6及びダイクロイ
ックミラー2を経てレチクルR上のアライメントマーク
RM及び窓部を照明する。レチクルRの窓部を通過した
アライメント光は、投影光学系PLによりウェハW上の
アライメントマークWMに照明される。それぞれのアラ
イメントマークでは光の回折や散乱現象により、レチク
ル及びウェハの位置情報を持った光が発生する。これら
の光を、再びダイクロイックミラー2を介して第1対物
レンズ6で集光する。
【0024】次に、図1のように水平面内の直交するX
Y座標を考える。アライメント光学系の光軸は鉛直方向
なのでアライメント光ALの偏光方向は水平面(XY平
面)内である。アライメント光ALがダイクロイックミ
ラー2を透過する際、X軸方向の偏光とY軸方向の直線
偏光との間に位相差を生じる。位相補償板11は、光学
軸の方向D3がX軸方向に一致するように配置され、ア
ライメント光が位相補償板11及びダイクロイックミラ
ー2を通過した際に、X軸方向の直線偏光とY軸方向の
直線偏光の位相差がπ/2になるように位相補償板11
の補償量が定められている。いま、偏光方向がX軸と4
5゜の角度をなす方向の直線偏光のアライメント光AL
が位相補償板11、第1対物レンズ6及びダイクロイッ
クミラー2を通過すると、偏光状態は円偏光となる。
【0025】この円偏光のアライメント光ALがレチク
ルR及びウェハW上のアライメントマークに照射された
後に、反射、回折又は散乱等により再びダイクロイック
ミラー2を経て第1対物レンズ6により集光される。ア
ライメントマークにより反射、回折又は散乱等されたア
ライメント光は逆回りの円偏光なので、ダイクロイック
ミラー2、第1対物レンズ6及び位相補償板11を透過
して戻されたアライメント光ALの偏光状態は、入射し
たときの偏光方向D1と直交する方向D2の直線偏光と
なる。偏光ビームスプリッター9は、X軸と45゜の角
度をなすように配置されているので、戻されたアライメ
ント光ALはその偏光ビームスプリッター9の接合面で
全て反射されて水平方向に受光系の第2対物レンズ7に
入射する。
【0026】第2対物レンズ7を通過したアライメント
光ALは、光束分離プリズム12により2分され、レチ
クルRのアライメントマークRMからの反射光は光電セ
ンサ14に入射し、ウェハWのアライメントマークWM
からの反射光は光電センサ13に入射する。光電センサ
14及び光電センサ13から出力されるレチクル位置ず
れ信号及びウェハ位置ずれ信号に基づいて、不図示のレ
チクルステージまたはウェハステージを駆動することに
より位置合わせを行うことができる。
【0027】なお、この実施例ではアライメント光学系
の光軸を1本のみとして表したがX方向の位置合わせ用
とY方向の位置合わせ用等と複数の光軸を用いるように
してもよい。その場合にもダイクロイックミラー2が一
様に製造されている限り、位相補償板11はダイクロイ
ックミラーに対する補償を行えばよいので一種類でよ
い。しかし、アライメント光学系を折曲げたりするため
に全反射プリズムやミラー等を用いる場合には、それら
が直交する2偏光に対して位相差を生じるためにその影
響をも考慮して補償する必要がある。
【0028】また位相補償板11としては、位相差を変
化させることのできるバビネーソレイユ補償器を用いて
もよい。この場合にはアライメントマークの位置を露光
領域内で変えた場合に受光系に戻る光量が最大となるよ
うに位相補償量を変えてダイクロイックミラー2等の膜
の不均一による位相差のゆらぎを補償することもでき
る。
【0029】次に、本発明の他の実施例につき図3〜図
5を参照して説明する。本例は図1の位相補償板11の
代わりに全反射プリズムを使用するものであり、これら
図3及び図4において、図1に対応する部分には同一符
号を付してその詳細説明を省略する。
【0030】図3は本例の投影露光装置の要部を簡略化
して示し、この図3において、図1と同様にレチクルR
の面をXY面として、光源3、照明系の第2対物レンズ
4、偏光ビームスプリッター9及び第1対物レンズ6よ
りなる光学系の光軸を水平面(XY面)内でX軸に平行
にする。15は全反射プリズムを示し、この全反射プリ
ズム15をダイクロイックミラー2の上方に配置し、第
1対物レンズ6から射出されるアライメント光ALを全
反射プリズム15で全反射させて鉛直下方に曲げる。
【0031】図4は図3の矢視B方向から見た側面図を
示し、この図4に示すように、偏光ビームスプリッター
9の光学軸がレチクルRに対して垂直な軸(Z軸)に対
して45°傾斜するように偏光ビームスプリッター9を
取り付ける。そして、光源3から射出されるアライメン
ト光の偏光方向を、偏光ビームスプリッター9に対して
P偏光となる方向、即ちZ軸に対して時計方向に45°
傾斜した方向に設定する。この場合、P偏光のアライメ
ント光はそのまま偏光ビームスプリッター9を透過して
第1対物レンズ6を経て全反射プリズム15に入射す
る。
【0032】図3に戻り、全反射プリズム15により全
反射されたアライメント光をダイクロイックミラー2を
介してレチクルRのアライメントマーク及び窓部に照射
する。レチクルRのアライメントマーク及びウェハWの
アライメントマークから反射されてきたアライメント光
は、ダイクロイックミラー2を透過した後に、全反射プ
リズム15で再び全反射されて第1対物レンズ6に戻さ
れる。この場合、全反射プリズム15による全反射の際
にP偏光成分とS偏光成分とで位相の変化量が異なると
共に、この位相変化量の差は全反射面に薄膜を蒸着等す
ることにより調整できる量であるため、全反射プリズム
15及びダイクロイックミラー2がアライメント光に対
し1/4波長板となるように、その全反射プリズム15
における位相の変化量を調整する。第1対物レンズ6に
戻されたアライメント光は、偏光ビームスプリッター9
に対してS偏光となっているため偏光ビームスプリッタ
ー9の接合面で全て反射されて受光系の第2対物レンズ
7に向かう。以下の動作は図1の場合と同様である。
【0033】本例のレチクルR及び全反射プリズム15
の構成につき詳細に説明する。図5(a)はレチクルR
を示し、この図5(a)に示すように、レチクルRのパ
ターン領域PAの周囲のY方向の一端には一対のアライ
メントマークPMY1及び窓部WMY1が形成され、他
端にも一対のアライメントマークPMY2及び窓部WM
Y2が形成されている。また、レチクルRのパターン領
域PAの周囲のX方向の一端には一対のアライメントマ
ークPMX1及び窓部WMX1が形成され、他端にも一
対のアライメントマークPMX2及び窓部WMX2が形
成されている。同様にウェハWの各ショット領域の周囲
にはそれぞれ4個のアライメントマークが形成されてい
る。
【0034】また、図5(b)は全反射プリズム15の
側面図であり、この図5(b)に示すように、全反射プ
リズム15の斜面に所定の材質で所定の厚さの誘電体多
層膜16を形成する。これにより、その全反射プリズム
15で全反射されるアライメント光のP偏光とS偏光と
の間に所望の位相差を発生させることができる。本例で
は、全反射プリズム15が光路折り曲げ用のミラーと位
相補償板とを兼用しているので、構成が簡略化されてい
る。
【0035】なお、上述実施例では露光光がダイクロイ
ックミラー2に反射されてレチクルRを照明し、アライ
メント用の照明光がダイクロイックミラー2を透過して
レチクルRを照明しているが、逆に露光光がダイクロイ
ックミラーを透過してレチクルRを照明し、アライメン
ト用の照明光がダイクロイックミラーで反射されてレチ
クルRを照明する場合にも、本発明は適用することがで
きる。
【0036】また、上述の実施例ではレチクルR側のア
ライメントマークRMの像及びウェハW側のアライメン
トマークWMの画像を取り込み、画像処理により両者の
位置ずれを検出するようにしているが、2つのレーザビ
ームをアライメントマークに照射する二光束干渉方式の
アライメント光学系にも本発明は適用できる。このよう
に、本発明は上述実施例に限定されず本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0037】次に、参考のため図1の位相補償板11の
作用について数式を用いて解析する。ここではジョーン
ズ・ベクトル(Jones Vector)を用いて偏光の状態をよ
り正確に表示していくことにする。ジョーンズ・ベクト
ルは光の進行方向に対して垂直な平面内での偏光の方向
を示すベクトルであり、図1の例ではその平面は水平面
(XY面)に一致するので光をX軸に平行な成分とY軸
に平行な成分とに分けて考える。先ず、偏光ビームスプ
リッター9への入射光の偏光面はX軸に対して45゜傾
いているので、入射光のX軸成分及びY軸成分はともに
同じ値をとる。ベクトルの上段にX軸成分、下段にY軸
成分をとり、偏光ビームスプリッター9への入射光のベ
クトル表示を次の(数1)のよう表す。
【数1】
【0038】次に、送光光と受光光との分離用の偏光ビ
ームスプリッター9を透過するが、入射光の偏光方向は
偏光ビームスプリッター9に対してP偏光であり、入射
光はそのまま透過するだけなので(数1)の状態は保存
される。この偏光ビームスプリッター9の作用を(数
2)で表す。
【数2】
【0039】次に、位相補償板11では、光学軸はX軸
方向を向いているので、X軸成分に対してY軸成分は、
位相補償量φだけ位相が遅れる。位相補償板11を透過
した後のアライメント光のベクトル表示は(数3)の右
辺のようになる。
【数3】
【0040】更に、ダイクロイックミラー2は、Y軸方
向に対し斜めに取り付けられているためにX軸方向の偏
光がS偏光となり、Y軸方向の偏光がP偏光となる。従
って、ダイクロイックミラー2を透過することにより、
X軸成分よりY軸成分の方がψだけ位相が遅れる。ダイ
クロイックミラー2を通過した後のアライメント光のベ
クトル表示は(数4)の右辺となる。
【数4】
【0041】いま、φ+ψ=π/2となるようにφを選
ぶと、(数4)は(数5)のように変形できる。
【数5】
【0042】つまり、X軸成分に対しY軸成分は位相が
π/2だけ遅れるために時間が進むことにより、偏光面
が反時計回りに回転することになる。この状態が円偏光
である。さらに、アライメント光はアライメントマーク
に照射され反射光、回折光又は散乱光等が生ずる。アラ
イメント光はほぼ垂直に入射してくるため、反射光等は
X軸方向及びY軸方向に対し等方的に生ずる。反射によ
り偏光面は(数6)のようになる。
【数6】
【0043】次に反射光は、ダイクロイックミラー2及
び位相補償板11を通るので、そのベクトル表示は(数
7)の最後の式のようになる。
【数7】
【0044】(数7)よりアライメントマークから受光
系へと戻されたアライメント光は、X軸成分に対しY軸
成分の位相がπだけずれていることが分かる。これは、
光源3から偏光ビームスプリッター9への入射光に対し
て、位相補償板11から偏光ビームスプリッター9に戻
されるアライメント光は、偏光面が直交していることを
示している。このように入射光に対して偏光面が直交し
ている戻り光は、偏光ビームスプリッター9にはS偏光
として入射するので全て反射され受光系に導かれる。こ
れによって効率よく光が光電センサに導かれるので、よ
り高いSN比でアライメント用の信号を得ることができ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、光学素子とダイクロイ
ックミラーとがアライメント光に対して1/4波長板と
して作用するので、偏光ビームスプリッターにおけるア
ライメント光の損失を少なくできる利点がある。また、
偏光ビームスプリッターの光学軸とダイクロイックミラ
ーの光学軸との相対角度を45°に設定した場合には、
偏光ビームスプリッターにおけるアライメント光の損失
を最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の投影露光装置の要部を簡略
化して示す斜視図である。
【図2】図1の矢視A方向への平面図である。
【図3】本発明の他の実施例の投影露光装置の要部を簡
略化して示す斜視図である。
【図4】図3の矢視B方向への側面図である。
【図5】(a)は図3のレチクルRのパターン構成を示
す平面図、(b)は図3の全反射プリズム15の構成を
示す側面図である。
【図6】従来の投影露光装置の要部を簡略化して示す構
成図である。
【図7】偏光ビームスプリッターと1/4波長板とを組
み合わせた光学系の例を示す構成図である。
【符号の説明】
W ウェハ PL 投影レンズ R レチクル 1 主コンデンサレンズ 2 ダイクロイックミラー 3 光源 4 送光系の第2対物レンズ 6 アライメント光学系の第1対物レンズ 7 受光系の第2対物レンズ 9 偏光ビームスプリッター 11 位相補償板 12 分離プリズム 13,14 光電センサ 15 全反射プリズム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用光源からの露光光をダイクロイッ
    クミラーを介して第1物体に照明し、該第1物体のパタ
    ーンを第2物体上に露光する際に、前記第1物体と第2
    物体との相対的な位置合わせを行う露光装置の位置合わ
    せ装置において、 前記ダイクロイックミラーを前記露光光とは異なる方向
    から介して前記第1物体及び第2物体の各アライメント
    マークを照明する送光系と、 前記ダイクロイックミラーを介して戻って来る前記第1
    物体及び第2物体の各アライメントマークからの光を受
    光する受光系と、 前記送光系から前記ダイクロイックミラーに向かうアラ
    イメント光と前記ダイクロイックミラーから前記受光系
    に向かうアライメント光とを分離する偏光ビームスプリ
    ッターと、 該偏光ビームスプリッターと前記第1物体との光路間に
    配置され前記ダイクロイックミラーと共に4分の1波長
    板として作用する光学素子とを設けた事を特徴とする露
    光装置の位置合わせ装置。
  2. 【請求項2】 前記偏光ビームスプリッターの光学軸と
    前記ダイクロイックミラーの光学軸との相対角度を45
    °に設定した事を特徴とする請求項1記載の露光装置の
    位置合わせ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6661499B2 (en) 1998-06-12 2003-12-09 Nikon Corporation Projection exposure apparatus with a catadioptric projection optical system
JP2007273954A (ja) * 2006-02-27 2007-10-18 Asml Holding Nv 対称性形成システム
JP2018522292A (ja) * 2015-07-31 2018-08-09 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. アライメントシステムの光学システム

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