JPH05222393A - 油脂類の加水分解抑制法 - Google Patents

油脂類の加水分解抑制法

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JPH05222393A
JPH05222393A JP4059504A JP5950492A JPH05222393A JP H05222393 A JPH05222393 A JP H05222393A JP 4059504 A JP4059504 A JP 4059504A JP 5950492 A JP5950492 A JP 5950492A JP H05222393 A JPH05222393 A JP H05222393A
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JP
Japan
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oil
fat
oils
fats
hydrolysis
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Pending
Application number
JP4059504A
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English (en)
Inventor
Kosuke Kitabi
康祐 北陽
Yoko Imamura
陽子 今村
Masahiro Furukawa
正博 古川
Masahisa Ibuki
昌久 伊吹
Masaaki Miyabe
正明 宮部
Tsugio Izumi
次夫 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】油脂類の加水分解を抑制すること。 【構成】乳固形及び糖を、15重量%以上70重量%以
下の水分存在下で加熱処理し、その処理物を油脂中で、
真空度100mmHg以下、加熱温度70℃以上150℃以
下で処理する。 【効果】この方法の処理を行った油脂類は、長時間の加
熱及び保存を行っても加水分解を起こしにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油脂類の加水分解抑
制法に関する。
【0002】
【従来の技術】油脂及び油脂含有食品は、加熱または保
存中、油脂中の水分やリパーゼの存在によって油脂部分
が加水分解を起こすことが知られている。この加水分解
によって遊離脂肪酸を生成して酸価が上昇し、油脂とし
ての品質が劣化する。特にラウリン系の油脂などではソ
ーピー臭を発生してしまい食用油脂として使用できなく
なる。このように、油脂の品質を保持するため加水分解
を抑制することが要求されているが、実用的な方法は未
だ報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の解決しよう
とする課題は、油脂類の加水分解の効果的、かつ安全な
抑制方法を見出すことにある。
【0004】
【課題が解決するための手段】叙上の課題を解決すべく
鋭意研究した結果、乳固形及び糖を水系下で加熱処理
し、これを油脂類に付与することによって、加水分解を
抑制できることがわかり、この発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、この発明は乳固形及び糖を水系
下で加熱し、その処理物(以下、一次処理物と記すこと
がある)を油脂中で、減圧下加熱処理することを特徴と
する、油脂類の加水分解抑制法である。
【0006】この発明は、具体的には次に記すとおりで
ある。
【0007】使用できる乳固形としては、全脂粉乳、脱
脂粉乳、カゼイン、ホエー等の固形物であって、粉乳、
濃縮乳等の別を問わず、また、これらに加糖等した調製
品であってもよい。乳固形の脂肪分が少ない場合、例え
ば脱脂粉乳を処理する場合では、反応装置内での焦げつ
きが生じ、また分散性が悪くなることがあるのでこれを
防止するため、全脂粉乳程度の油分を添加することもで
きる。糖としては、グルコース、ガラクトース、キシロ
ース、マルトース等が例示でき、これらは、単独または
組み合わせて使用することができる。
【0008】乳固形に対する糖の混合割合は、前者10
0重量部に対して後者1重量部以上300重量部以下の
範囲がよく、より好ましくは20〜250重量部、最も
好ましくは50〜200重量部とするのが良い。糖の混
合割合が少ないと加水分解分解抑制の効果に乏しく、上
限を越えると粘度が上がり作業性が低下する。
【0009】加熱処理に際し、乳固形と糖と水の混合系
にアルカリ剤、例えば炭酸水素ナトリウム、リン酸塩等
を添加し、そのpHを、6.5〜9.0、好ましくは7
〜8となるように調整するのが良い。pH6.5未満で
は乳固形と糖の反応性が悪く、pH9.0以上では食用
油脂として好ましくないものとなる。
【0010】加熱処理は、乳固形と糖とを含む水系下で
行なう。水分は、15重量%以上70重量%以下になる
ように調整する。水分量がこの量より少ないと粘度が上
昇して作業性が悪化し、また一次処理物が油脂に均一に
分散しないため、加水分解抑制に効果的でない。この量
を超えても加水分解の抑制力は弱い。
【0011】上記のように乳固形と糖と水を加えた混合
物を通常30分以上加熱保持し、好ましくは加熱ととも
に攪拌する。加熱温度は、50℃〜150℃の範囲で実
施できる。好ましくは70℃以上で加熱する。ただし、
100℃を超える場合は水分減少が著しく、作業性が悪
くなるため加圧下で加熱するのが好ましい。50℃未満
では効果に乏しい。
【0012】この発明によれば、一次処理物の使用量
は、油脂に対する固形物換算で2重量%以上で有効な結
果が得られることが多い。ここでいう一次処理物とは、
後述する油脂中での反応後回収される固形分であっても
よい。
【0013】上記のようにして得られた一次処理物は油
脂中で、減圧下、加熱処理を行う。一次処理物は水分を
含んだまま油脂中に浸漬してもよいし、スプレードライ
などによって粉末化してから、または濃縮してから浸漬
してもよい。減圧条件は、絶対圧力100mmHg(100
Torr)以下、好ましくは70mmHg以下、より好ましくは
60mmHg以下とするのがよい。上限を超える低真空で処
理すると一次処理物の成分が油脂に移行し難く、また真
空に近づく程、成分は移行しやすくなる。接触温度は7
0℃以上180℃以下とするのが良く、下限以下では効
果が得られ難く、上限を超えると作業性が悪くなる。
【0014】次いで、加熱処理終了後、冷却し、ろ過、
遠心分離、デカンテーション等の分離手段にて油脂と固
形分とに分離することによって油脂を得る。ここで回収
される固形分を単独で、あるいは新しい一次処理物とと
もに新たな油脂中に添加し加熱処理すると、同様に加水
分解抑制の効果が生じる。
【0015】この発明において、対象油脂としては例え
ば、ナタネ油、大豆油、パーム油、綿実油、シア脂、サ
ル脂、落花生油、ヒマワリ種子油、コーン油、サフラワ
ー油、カポック油、月見草油、ヤシ油、パーム核油等の
植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性
油脂が例示でき、上記油脂類のそれらの硬化、分別、エ
ステル交換等を施した加工油脂または合成油脂であって
もよく、液油から融点の高い油脂に至るまで幅広い油脂
が適応できる。これらの油脂は一般に精製された油脂で
あることが好ましい。
【0016】以上の如く、この発明によって得られる加
水分解を抑制した油脂は、特定の食品用に限定されるこ
となく、フライ用油脂、スプレー用油脂または、チョコ
レート用、クリーム用等の製菓用油脂として各種食品の
用途に適した油脂として使用し得るものである。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を例示して、この発
明の効果をより一層明瞭にするが、これらは例示であっ
て、本発明の精神がこれらの例示に限定されるものでは
ない。なお、例中の部はいずれも重量基準を意味する。
【0018】実施例1 全脂粉乳25部、グルコース12.5部と水62.5部
を配合した後、炭酸水素ナトリウムを添加してpHを
7.5に調整した混合物を80℃、70分攪拌しながら
加熱処理して一次処理物を得た。この一次処理物1部に
精製パーム油を12部混合し、絶対圧力約60mmHgの減
圧下で120℃、90分加熱攪拌した後、約60℃まで
冷却した後、固形分をろ別し油脂を得た。
【0019】上記の処理を行った油脂と対照として未処
理の精製パーム油とを、常圧、180℃で加熱した。加
熱時間に応じてそれぞれの油脂の1部をサンプリング
し、酸価(AV)を常法により測定した。その結果を表
1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】上記の処理を行った油脂では、未処理の油
脂に比べ、加熱時間が長くなるにしたがって、加水分解
抑制効果が顕著に現れた。 実施例2
【0022】全脂粉乳25部、グルコース14.5部と
水60.5部を配合した後、炭酸水素ナトリウムを添加
してpHを7.8に調整した混合物を80℃、70分攪
拌しながら加熱処理して一次処理物を得た。この一次処
理物1部に精製硬化パーム油を12部混合し、絶対圧力
約60mmHgの減圧下で120℃、90分加熱攪拌した
後、約60℃まで冷却した後、固形分をろ別し油脂を得
た。
【0023】上記の処理を行った油脂と未処理のパーム
油を用いて、クリーミングパウダーを作成し、37℃で
クリーミングパウダーを保存した。保存日数に応じてク
リーミングパウダーをサンプリングし、クリーミングパ
ウダーから油分を抽出し、酸価を測定した。その結果を
表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】上記の処理を行った油脂を用いたクリーミ
ングパウダーでは、未処理の油脂のものに比べ、保存時
間が90日、180日と長くなるにしたがって、加水分
解抑制効果が増大することが確認された。
【0026】実施例3 全脂粉乳25部、グルコース14.5部と水60.5部
を配合した後、炭酸水素ナトリウムを添加してpHを
7.8に調整した混合物を85℃、70分攪拌しながら
加熱処理して一次処理物を得た。この一次処理物1部に
精製硬化ラウリン系油脂を12部混合し、絶対圧力約6
0mmHgの減圧下で135℃、90分加熱攪拌した後、約
60℃まで冷却した後、固形分をろ過し油脂を得た。
【0027】上記の処理を行った油脂と未処理のラウリ
ン系油脂を用いて、クリーミングパウダーを作成し、3
7℃でクリーミングパウダーを保存した。保存日数に応
じてクリーミングパウダーをサンプリングし、クリーミ
ングパウダーから油分を抽出し、酸価を測定した。その
結果を表3に示した。
【0028】
【表3】
【0029】上記の処理を行った油脂を用いたクリーミ
ングパウダーでは、精製硬化ラウリン系油脂のものに比
べ、保存時間が30日、90日、180日と長くなるに
したがって、加水分解抑制効果が増大することが確認さ
れた。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明によって、長時
間加熱及び保存しても、加水分解を起こしにくい、品質
の優れた油脂類を得ることが可能になったのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮部 正明 大阪府泉南郡阪南町箱作2874 (72)発明者 和泉 次夫 大阪府泉南郡熊取町大字小垣内218─400

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳固形及び糖を、水系下で加熱処理し、
    その処理物を油脂中で、減圧下、加熱処理することを特
    徴とする油脂類の加水分解抑制法。
JP4059504A 1992-02-12 1992-02-12 油脂類の加水分解抑制法 Pending JPH05222393A (ja)

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JP4059504A JPH05222393A (ja) 1992-02-12 1992-02-12 油脂類の加水分解抑制法

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JP4059504A JPH05222393A (ja) 1992-02-12 1992-02-12 油脂類の加水分解抑制法

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JPH05222393A true JPH05222393A (ja) 1993-08-31

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ID=13115169

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JP4059504A Pending JPH05222393A (ja) 1992-02-12 1992-02-12 油脂類の加水分解抑制法

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