JPH05213958A - 優れた抗寄生虫剤である13β−O−メトキシメチル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン - Google Patents

優れた抗寄生虫剤である13β−O−メトキシメチル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン

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JPH05213958A
JPH05213958A JP4229988A JP22998892A JPH05213958A JP H05213958 A JPH05213958 A JP H05213958A JP 4229988 A JP4229988 A JP 4229988A JP 22998892 A JP22998892 A JP 22998892A JP H05213958 A JPH05213958 A JP H05213958A
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Bruce O Linn
ブルース・オー・リン
Helmut Mrozik
ヘルムート・ムロツイク
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 長期持続性に優れた抗寄生虫剤・駆虫剤とし
て有用な、アベルメクチンB1a /B1b アグリコンの新規
置換及び未置換13β-O- メトキシメチル誘導体の提供。 【構成】 図示一般式で示される化合物、その製造方法
及び該化合物の有効量を含有する寄生虫感染動物を治療
するための医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗寄生虫剤として有用
な新規置換13β−メトキシメチルアベルメクチンアグ
リコン誘導体、並びに同誘導体合成において有用な新規
中間体に関する。さらに本発明は、同誘導体の組成物及
びその組成物を投与する方法にも関する。
【0002】かつてC-076と呼ばれたアベルメクチンな
る用語は、ストレプトミセス・アベルミチリス及びその
誘導体の醗酵液から単離された、一連の化合物を指すの
に用いられる。該培養物の形態的特徴は、米国特許第
4,310,519号に全て記載されており、これを本明細書に
参照して組み入れる。アベルメクチン化合物は一連のマ
クロライドで、その各々は 13-位に 4′-(α-L- オレア
ンドロシル)-α-L- オレアンドロース基を有する。本発
明のアベルメクチン化合物及びその誘導体は、極めて優
れた駆虫性・抗寄生虫性を有する。
【0003】
【従来の技術】本発明誘導体の原料となるべき一連のア
ベルメクチン類は、次式の構造を有する:
【0004】
【化3】
【0005】〔式中、Rは次式:
【0006】
【化4】
【0007】の 4′-(α-1- オレアンドロシル)-α-1-
オレアンドロース基であり;また式中破線は単一結合又
は二重結合であり;R1 は水酸基で、前記破線が単一結
合を示すときのみに存在し;R2 はイソプロピル又はse
c-ブチルであり;そしてR3 はメトキシ基又は水酸基で
ある〕天然の産物にはそれぞれ異なる8種の主たるアベ
ルメクチン化合物があり、個々の化合物の構造に基づ
き、A1a 、A1b 、A2a 、A2b 、B1a 、B1b 、B2a 、B2b
と命名されている。
【0008】前記構造式において、個々のアベルメクチ
ン化合物は下記のとおりである。なお、Rは 4′-(α-L
- オレアンドロシル)-α-L- オレアンドロース基であ
る。
【0009】
【表1】
【0010】アベルメクチン化合物類は、通常同族体a
とbとの混合物として分離される。このような化合物類
は、R2 置換基の種別のみが相違しているところ、この
僅かな構造上の差異がこのような化合物の分離操作、化
学反応性及び生理活性に及ぼす影響は極めて小さいこと
が判明した。
【0011】アベルメクチン化合物類を本発明操作の出
発物となる醗酵ブロスから分離する場合、各種アベルメ
クチン化合物類は異なった存在量で生成されることが認
められている。特に、“a”系列の化合物は、対応する
“b”系列の化合物よりも高い比率で得られる。この
“a”系列と“b”系列の差異はアベルメクチン化合物
を通じて同一で、 25-位のsec-ブチル又はイソプロピル
にそれぞれ相当する。この差異が関連反応のいずれをも
妨害しないのは勿論である。特に“b”成分を関連する
“a”成分から分離する必要は必ずしもない。この格別
近縁の化合物の分離は通常行なわれないが、それは
“b”成分が少量成分としてしか存在せず、かつその構
造上の差が反応操作や生理活性に及ぼす影響が無視でき
る程度だからである。
【0012】本発明化合物の出発物質の場合、アベルメ
クチンB1a 又はA1a 約80〜95%とアベルメクチンB1b 又
はA1b 20%未満の比率で調製するのが便利であることが
示された。従って、本発明の好ましい組成物は、80%を
下回らない“a”成分と20%を上回らない“b”成分と
を含む。
【0013】本発明者らの特開昭 61-200993号には、 1
3-ポリアルコキシアベルメクチン誘導体が記載されてお
り、中でも 13-メトキシメチルアベルメクチン B1a/B1
b アグリコン化合物と、その製造方法が開示されてい
る。しかしながらそこには、当該化合物の立体化学につ
いて特定がなく、13β-O- メトキシメチル-22,23- ジヒ
ドロアベルメクチンB1a /B1b の製造について具体的な
示唆はない。本発明化合物の予想外に優れた活性につい
ては、そこには示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アベルメク
チンアグリコンの新規置換 13-β-(アルコキシ)メチル
誘導体、特に 13-β-O- メトキシメチル誘導体、並びに
その製造方法に係る。アベルメクチンの糖部分はβ位の
メトキシメチル基で置換される。
【0015】従って本発明は、抗寄生虫剤として有用
な、アベルメクチンB1a /B1b アグリコンの新規置換及
び未置換13β-O- メトキシメチル誘導体の提供を、その
目的とする。
【0016】本発明の次の目的は、該新規化合物の合成
方法を教示することである。
【0017】本発明のまた次の目的は、該新規化合物を
投与するための医薬組成物を提供することである。
【0018】本発明のさらに次の目的は、農業害虫に対
する駆虫剤・抗寄生虫剤として有用な該新規化合物を提
供することである。
【0019】本発明のさらにまた次の目的は、寄生虫罹
患状態の動物の治療方法を提供することである。
【0020】本発明の前記した、又はさらに他の目的及
び作用効果は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、次の
構造式:
【0022】
【化5】
【0023】〔式中、Rはsec-ブチル又はイソプロピル
である〕で示される。
【0024】上記の一対の同族化合物は、駆虫剤・抗寄
生虫剤として驚くべき活性を有することが見出だされ
た。特にこれら化合物は、家畜の外部寄生虫に対して予
期せぬ長期持続効果を有する。本発明の化合物、即ち
“a”及び“b”化合物の両者を通常のイヌ蚤に対する
外用抗寄生虫剤として試験したところでは、一回の治療
で6週間にも亘り何回も蚤に外寄生を試みさせたのに対
し、完全な保護を与えたものと見られる。対応する 13-
α- 化合物では、4週間未満の保護が得られたに過ぎな
い。
【0025】出発物質の調製 本発明化合物の本原的出発物質は、上記でアベルメクチ
ン B1a/B1b と特に定義したアベルメクチン醗酵産物で
ある。従って本発明化合物の合成には、さらに反応を要
することが明らかである。具体的には、13位及び22,23-
位での反応が実施される。一般に、本基質の13位にβ−
メトキシメチル基を導入する反応をなす前に、これらの
位置に要する置換基を予め入れておくのが好ましい。こ
のようにすることにより、好ましからざる副反応が一般
に防止できる。但しこの手法は必須のものではなく、所
望ならば他の手順によることも可能である。
【0026】反応性水酸基で上記試薬と反応させたくな
いものについては、しばしばそれを保護する必要が生じ
る。適当な位置の保護により、分子の他の部分に影響を
及ぼすことなく、上記反応を進めることができる。所期
の反応終了後、保護基を取り除き、脱保護製品を回収す
る。使用すべき保護基は、合成が容易で、ハロメチルエ
ーテル試薬と反応せず、分子の他の官能基に影響せずに
容易に除去できるものがよい。本発明での保護された化
合物も新規で、それ自体かなりの抗寄生虫性を有する。
このようなものも、本発明の範疇に含めるものとする。
アベルメクチン型化合物分子のための保護基の好適例は
三置換シリル基で、トリアルキルシリル基がよく、格別
好適なものにはt-ブチルジメチルシリル基がある。保護
化合物を得る反応は、ヒドロキシ化合物を適当な置換シ
リルハライド、好ましくはシリルクロライドと、ジメチ
ルホルムアミドのような非プロトン性極性溶媒中で反応
させるとよい。イミダゾールを触媒として加える。反応
は、0〜25℃で1〜24時間で終わる。5位の水酸基につ
いては、反応は0℃ないし室温で 1/2〜3時間で完了す
る。この反応は上記の条件によれば5位に選択的で、他
のヒドロキシ置換位置についてのシリル化は、もし起こ
るとしても、極めて僅かである。
【0027】シリル基は、他の所期反応がなされた後に
除去可能である。このシリル基除去は、シリル化化合物
を触媒量の酸、好ましくはp-トルエンスルホン酸等のス
ルホン酸に触媒させて、メタノール中で撹拌して行な
う。反応は、0〜50℃で約1〜12時間で終わる。
【0028】前述の反応様式で用いられる他の出発物質
は、B1化合物の22,23-二重結合が単一結合に還元されて
いるものである。アベルメクチン出発物質の構造を解析
すれば容易に判明するように、1-系列の化合物には5個
の不飽和がある。従って、1-系列の化合物にあっては、
残りの4個の不飽和や分子上にある他の官能基に影響を
及ぼさないようにしながら22,23-二重結合を還元して、
選択的に22,23-ジヒドロアベルメクチンとすることが必
要である。水素化には、一連の不飽和に妨害されること
が最も少なく選択的水素化をもたらすような特殊な触媒
を選ぶことを要する。このような選択的水素化操作に好
適な触媒は、式: 〔(Ph3 P)3 RhZ〕 〔式中、Phはフェニルで、Zはハロゲンである〕を有す
るものである。この還元操作は、Chabala らの米国特許
第4,199,569 号に詳記されている。
【0029】本発明の化合物のためのアベルメクチン出
発物質にあっては、その全てで2個のα-L- オレアンド
ロシルから成るジサッカライド部分を除去することを要
する(Mrozikらの米国特許第4,206,205 号に記載があ
る)。
【0030】アグリコン合成に一般に適用可能な反応条
件には、次のものを含む。まずアベルメクチン化合物な
いし水素化アベルメクチン化合物を、水混和性の酸性非
求核性有機溶媒、好ましくはジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ビ
ス-2- メトキシエチルエーテル等の水溶液(水は 0.
1から20容量%の濃度)に溶かす。反応混合物を、一
般に約20〜40℃で、好ましくは室温で6〜24時間撹拌す
る。製品を採取し、混合物をカラムクロマト、薄層クロ
マト及び分取HPLC等の常法で分離する。
【0031】上記の操作で用いる酸には、硫酸、ハロゲ
ン化水素酸、燐酸、三弗化酢酸、三弗化メタンスルホン
酸等の鉱酸及び有機酸を含む。ハロゲン化水素酸は、好
ましくは塩酸又は臭酸である。上記の操作で好ましい酸
は硫酸である。
【0032】アベルメクチン化合物ないし水素化アベル
メクチン化合物のアグリコンを合成する場合、他の溶媒
系を用いることがある。アグリコン合成には、メタノー
ル中の容量で1%の酸が、前記反応条件の下で適当であ
ることが判明した。
【0033】22,23-位に二重結合を有する出発物質に本
法を適用するには、当該二重結合に溶媒の酸触媒付加が
生ずる可能性がある。そのような場合には、それ以後の
反応のために副生物をクロマト精製で除く。
【0034】前記の酸が本法に適しており、繰り返すが
硫酸が好ましい。
【0035】化学反応の記述 本発明の化合物は、 13-位置換基が水酸基である、適宜
保護されたアベルメクチンアグリコンを、ハロメチルエ
ーテル、特にクロロメチルメチルエーテルと、立体障害
第3級アミンのような非反応性酸受容体の存在下に、無
水非プロトン性溶媒の中で反応させて合成する。この操
作は、下の一般反応図式Iに概説されている。この図式
では、理解の便宜から環構成炭素原子の10、11、12、1
3、14及び15番のみを含む、部分構造式をもって示して
ある。
【0036】
【化6】
【0037】クロロメチルメチルエーテル試薬は、反応
速度を増し転化率改善のため、過剰に、約11当量、用い
られる。しかしながら、1.1 から11当量というより低い
過剰であっても、製品が得られるものと思われる。酸受
容体として好ましいのはN,N-ジイソプロピルエチルアミ
ンであるが、他の障害非求核性トリアルキルアミンも用
い得る。トリエチルアミンはハロメチルエーテルと反応
性を有するが、それでも本反応に好適である。アミンは
クロロメチルメチルエーテルに対し過剰に、即ち、N,N-
ジイソプロピルエチルアミンを10〜18当量、好ましくは
13当量用いる。クロロメチルメチルエーテルの好適な溶
媒は塩化メチレンであり、マクロライドg当たりの濃度
が約4mlとなるようにする。クロロホルム、テトラヒド
ロフラン及びアセトニトリル等の他の非プロトン性溶媒
も好ましい。温度は10〜120 ℃、好ましくは10〜60℃、
より好ましくは20〜40℃とする。反応は通常12〜24時間
で終わる。
【0038】クロロメチルメチルエーテルは市販品が入
手可能だが、塩化水素存在下でのメタノールのパラホル
ムアルデヒド〔(CH2 O) n′〕との反応により容易
に合成できる。この方法は、H.W.Lucien and C.T.Maso
n、J.Am.Chem.Soc., 71, 258(1949)記載のヘンリー合成
の変法である。また、ジメトキシメタン、メタノール及
び塩化アセチルから、直接クロロメチルメチルエーテル
を合成する改良法が、Amato ら、Synthesis, 970-971
(1979) に記載されている。
【0039】本発明化合物の出発物質であるアベルメク
チンアグリコンの13- ヒドロキシエピマーは、下記に概
説するようにして、また本発明者らの特開昭 61-200993
号及びMrozikら、J.Med.Chem.,32, 375(1989) に記述さ
れているようにして合成できる。
【0040】
【化7】
【0041】13-位置換基が水酸基である通常の(norma
l)保護アベルメクチンアグリコンを、N,N-ジイソプロ
ピルアミン、トリエチルアミン等の塩基並びに沃化テト
ラブチルアンモニウムの存在下に、塩化o-ニトロベンゼ
ンスルホニルで処理すると、13-β- (13-epi- とも呼
ぶ)ヨード-13-デオキシアベルメクチンアグリコンが得
られる。ヨード中間体を 2,6- ルチジン及び水の中で 1
00℃に熱すると、 13-β- アベルメクチンアグリコンが
得られる。この 13-β- エピマーを前記手法により誘導
化すると、同様に 13-β- メトキシメチルアベルメクチ
ンアグリコンが得られる。 13-normal- (13- α)化合
物(上)及び 13-epi-( 13-β)化合物(下)は下記の
部分構造に示される通りである。
【0042】
【化8】
【0043】
【作用】本発明の新規な化合物は、人間および動物の健
康および農業における駆虫剤、外部寄生虫殺虫剤、殺虫
剤および殺ダニ剤として顕著な殺寄生虫活性を有してい
る。
【0044】一般に寄生虫症として知られている病気は
蠕虫として知られている寄生原虫による動物宿主の感染
によるものである。寄生虫症は、豚、羊、馬、牛、山
羊、犬、猫および家禽に流行しておりそして重大なる経
済的問題を与える。蠕虫の中で線虫として知られている
寄生原虫は、種々な種類の動物に感染する流行病であ
る。前述した動物に感染する線虫のもっとも普通の属は
ハエモンチュス(Haemonchus)、トリコストロンギルス
(Trichostrongylus)、オスタータジア(Ostertagi
a)、ネマトジルス(Nematodirus )、クーペリア(Coo
peria)、アスカリス(Ascaris )、ブノストマム(Bun
ostomum)、オエソファゴストマム(Oesophagostomum
)、チアベルチア(Chabertia )、トリチュリス(Tri
churis )、ストロンギルス(Strongylus)、トリコネ
ム(Trichonema)、ジクチオカウルス(Dictyocaulu
s)、カプラリア(Capillaria)、ヘテラキス(Heterak
is )、トキソカラ(Toxocara)、アスカリジア(Ascar
idia )、オキシウリス(Oxyuris )、アンシロストマ
(Ancylostoma )、ウンシナリア(Uncinaria )、トキ
サスカリス(Toxascaris)およびパラスカリス(Parasc
aris)である。ネマトジルス、クーペリアおよびオエス
ファゴストマムのような或るものは、主として、腸管を
攻撃し、他方ハエモンチュスおよびオスタータジアのよ
うな他のものは、胃中で繁殖し、そしてジクチオカウル
スのような他のものは肺中に見出される。更に他の寄生
虫は心臓および血管、皮下およびリンパ組織に見出され
る。寄生虫症として知られている寄生虫感染は、貧血、
栄養不良、衰弱、体重損失、腸管壁および他の組織に対
する重大なる損傷を招きそして放置する場合は感染宿主
の致死を招く。
【0045】本発明の置換されたアベルメクチン化合物
は、これらの寄生虫に対して意外に高度な活性を有しそ
して更にまた犬におけるジロフィラリア(Dirofilaria
)、齧歯動物におけるネマトスピロイデス(Nematospi
roides )、シファシア(Syphacia)、アスピキュルリ
ス(Aspiculuris )、羊におけるだに、チーズだに、し
らみ、のみ、おおばえなどのような動物および鳥の節足
動物外部寄生虫、牛におけるルシリア種(Lucilia sp.
)刺し昆虫およびハイポデルマ種(Hypoderma sp. )
のような遊走性昆虫幼虫、馬におけるガストロフィルス
(Gastrophilus)および齧歯動物におけるカテレブラ種
(Cuterebra sp. )に対しても活性である。
【0046】本発明の化合物は、また、人間に感染する
寄生虫に対しても有用である。人間の胃腸管の寄生虫の
もっとも普通の属は、アンシロストマ(Ancylostoma
)、ネカトール(Necator )、アスカリス(Ascaris
)、ストロンギロイデス(Strongyloides )、トリチ
ネラ(Trichinella )、カピラリア(Capillaria)、ト
リチュリス(Trichuris )およびエンテロビウス(Ente
robius)である。胃腸管以外の血液および他の組織に見
出される他の医学的に重要な寄生虫の属は、ウチエレリ
ア(Wuchereria)、ブルギア(Brugia) 、オンコセルカ
(Onchocerca)およびロア(Loa )、ドラキュンキュル
ス(Dracunculus )および腸外段階の腸原虫ストロンギ
ロイデスおよびトリシネラ(Trichinella )のような原
虫である。化合物は、また、人間に寄生する節足動物、
刺し昆虫および人間を困らせる双翅害虫に対して価値を
有する。
【0047】本発明の化合物は、また、油虫ブラテラ種
(Blatella sp.)、衣蛾チネオラ種(Tineola sp. )、
ひめまるかつおぶし虫アタゲヌス種(Attagenus sp. )
および家ばえムスカドメスチカ(Muscadomestica)のよ
うな家庭の害虫に対しても活性である。
【0048】化合物は、また、トリボリウム種(Tribol
ium sp. )テネブリオ種(Tenebriosp.)のような貯蔵
穀類の害虫に対して、くもだに(Tetranychus sp. )、
あぶら虫(Acyrthiosiphon sp.)のような農業植物の害
虫に対して、植物組織上の幼虫段階の昆虫のような遊走
性直翅類に対して有用である。化合物は、農業において
重要であるメロイドギネ種(Meloidogyne sp. )のよう
な土壌線虫および植物寄生虫の抑制に対する殺線虫剤と
して有用である。化合物は、南軍虫(Southernarmy wor
m)及びメキシコ豆虫(Mexican bean beetle larvae)
のような、他の植物害虫に対して活性を持つ。
【0049】これらの化合物は、カプセル、大丸薬また
は錠剤のような単位使用形態として、または哺乳動物に
おける駆虫剤として使用する場合の液状飲み薬として経
口的に投与することができる。飲み薬は、普通、懸濁剤
たとえばベントナイトおよび湿潤剤または同様な賦形剤
とともに存在せしめた普通水中の活性成分の溶液、懸濁
液または分散液である。一般に、飲み薬は、また、泡止
め剤を含有している。飲み薬処方は、一般に、活性化合
物約0.001 〜0.5 重量%を含有している。好適な飲み薬
処方は、0.01〜0.1 重量%を含有している。カプセルお
よび大丸薬は、澱分、タルク、ステアリン酸マグネシウ
ムまたは燐酸二カルシウムのような担体ベヒクルと混合
した活性成分からなる。
【0050】アベルメクチン誘導体を乾燥した固体の単
位使用形態で投与することが望ましい場合は、望ましい
量の活性化合物を含有するカプセル、大丸薬または錠剤
が普通使用される。これらの使用形態は、活性成分を適
当に粉砕された稀釈剤、充填剤、崩かい剤および(また
は)結合剤たとえば澱粉、ラクトーズ、タルク、ステア
リン酸マグネシウム、植物性ゴムなどと一様に且つ緊密
に混合することによって製造される。このような単位使
用処方は、処理される宿主動物の型、感染の程度および
型、および宿主の重量のようなファクターによって、全
重量および抗寄生虫剤の含量に関して広範囲に変化し得
る。
【0051】活性化合物を動物飼料によって投与する場
合は、それを飼料中に緊密に分散するまたはトップ・ド
レッシングとしてまたはペレットの形態で使用し、これ
を最終飼料に加えるまたは随意に別個に供給する。この
ようにする代りに、本発明の抗寄生虫化合物を、例えば
ルーメン内(intraruminal)、筋肉内、気管内(intrac
heal)または皮下的注射によって非経口的に動物に投与
することができる。この場合においては、活性成分を液
状担体ベヒクル中に溶解または分散する。非経口的投与
に対しては、活性物質は、好適には、落花生油、綿実油
などのような植物油の利用し得るベヒクルと適当に混合
する。ソルケタール、グリセロール、フォルマルおよび
水性非経口的処方を使用する有機製剤のような他の非経
口的ベヒクルもまた使用される。活性アベルメクチン化
合物の1種またはそれ以上を投与用の非経口的処方に溶
解または懸濁する。このような処方は一般に、活性化合
物0.005 〜5重量%を含有する。
【0052】本発明の抗寄生虫剤は、主に寄生虫症の治
療および(または)予防に使用されることが判ったけれ
ども、化合物は、また、他の寄生虫たとえば家庭動物お
よび家禽におけるだに、しらみ、のみ及び他の刺し昆虫
のような節足動物によって起される病気の予防および治
療に有用である。化合物は、また、人間を含む他の動物
において起る寄生虫病の治療に有効である。最適の結果
を得るために使用される最適の量は、もちろん、使用さ
れる特定の化合物、治療される動物の種類、寄生虫感染
または繁殖の程度および型によってきまってくる。一般
に、良好な結果は、動物体重1kg当り約0.001 〜10mgを
経口投与することによって、本発明の新規な化合物によ
り得られる。このような全体の使用量は、1〜5日のよ
うな比較的短期間にわたって1度にまたは分割された量
で与えられる。本発明の好適な化合物を使用した場合、
このような寄生虫のすぐれた抑制は、単一の使用量で体
重1kg当り約0.025 〜0.5mg を動物に投与することによ
って得られる。反復処理は、再感染をなくするために必
要に応じて与えられるそして寄生虫の種類および使用さ
れる技術によってきまってくる。これらの物質を動物に
投与する技術は、家禽分野に精通せし者に知られてい
る。
【0053】前述した化合物を動物の飼料の成分として
投与する場合または飲み水に溶解または懸濁する場合
は、1種またはそれ以上の化合物を不活性担体または稀
釈剤中に緊密に分散した組成物が与えられる。不活性担
体とは、抗寄生虫剤と反応しないもの及び安全に動物に
投与し得るものを意味する。好適には、飼料投与に対す
る担体は、動物飼料の成分である。
【0054】適当な組成物は、活性成分を比較的大なる
量で存在せしめた飼料プレミックスまたはサプリメント
である。そして、これは、動物に直接供給するのにまた
は直接または中間稀釈または混合工程後に飼料に添加す
るのに適している。このような組成物に対して適当な代
表的な担体または稀釈剤は、例えば、ディスチラーズ・
ドライド・グレーンズ、玉蜀忝粉末、柑橘類粉末、醗酵
残留物、粉砕したかきのかく、小麦片、モラッセス・ソ
リューブルス(Molasses solubles )、玉蜀忝穂軸粉、
可食大豆粉、ソヤ・グリット(Soya grits)、粉砕石灰
石などを包含する。活性の水素添加されたアベルメクチ
ン化合物を粉砕、撹拌、ミル処理またはタンブリングの
ような方法によって担体中に緊密に分散する。活性成分
約0.005〜2.0 重量%を含有する組成物が、飼料プレミ
ックスとして特に適している。直接動物に供給される飼
料サプリメントは、活性成分約0.0002〜0.3 重量%を含
有している。
【0055】このようなサプリメントは、活性化合物の
濃度が寄生虫病の治療および抑制に対して望ましいよう
な最終飼料を与える量で動物飼料に加えられる。活性化
合物の望ましい濃度は前述したファクターならびに使用
される特定のアベルメクチン誘導体によって変化するけ
れども、本発明の化合物は、普通、望ましい抗寄生虫結
果を達成するために、飼料中0.00001 〜0.002 %の濃度
で供給される。
【0056】本発明のアベルメクチン化合物は、また、
生長中または貯蔵中に農作物に対して損害を与える農業
害虫を抑制するのに有用である。化合物は、既知の技術
を使用して、スプレー、粉末、乳濁液などとして、生長
作物または貯蔵農作物に適用して、このような農業害虫
から保護する。
【0057】本発明の化合物を使用する場合において
は、個々の置換されたアベルメクチン化合物を製造しそ
してその形態で使用し得る。またはこのようにする代り
に、2種またはそれ以上の個別置換アベルメクチン成分
の混合物、並びにもとのアベルメクチン化合物、他のア
ベルメクチン化合物、さらには他のアベルメクチンとは
無関係の活性化合物と本発明の化合物との混合物を使用
することができる。
【0058】
【実施例】以下の例は、本発明をより充分に理解せしめ
るために記載するものである。これらを、本発明を限定
するために示すものと解してはならない。
【0059】以下の実施例で得られる置換アベルメクチ
ン誘導体は、概して結晶質固体としてではなく、非晶質
固体として単離される。従ってこれらは質量分析、核磁
気共鳴等の手法で解析・同定される。しかし非晶質なる
が故に鋭い融点により特徴づけることはできず、化合物
が純粋であることはクロマト的ないし分析的手法で実証
された。
【0060】反応完結及び製品純度は、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC )及び高圧液体クロマトグラフィー(HP
LC)により定めた。TLC はAnaltech社のシリカゲルGFプ
レートを用い、塩化メチレン中の低率のメタノールで展
開して実施した。HPLCはWhatman 社のPartisil PXS 10/
25 ODS-3逆相C18カラムを用い、低率の水をメタノール
中に含む溶液により、244 nmの紫外部検出で運転した。
【0061】以下の実施例中の出発物質のいくつかは、
アベルメクチン化合物の誘導体である。このアベルメク
チン化合物、その醗酵ブロスからの製造・単離法は、19
82年1月12日付米国特許第4,310,519 号に記載されてい
る。アベルメクチン化合物の選択的に水素化された22,2
3-ジヒドロ誘導体は、1980年4月22日付米国特許第4,19
9,569 号に記載されている。アベルメクチン化合物のア
グリコン誘導体は、米国特許第4,206,205 号に記載され
ている。
【0062】実施例1 5-O-t-ブチルジメチルシリル-22,23- ジヒドロアベルメ
クチンB1a/B1b アグリコン 4.41 gの塩化t-ブチルジメチルシリルを、7.64 gの22,2
3-ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコン及び4.15
gのイミダゾールを23 ml の無水ジメチルホルムアミド
中に含む撹拌溶液中に、室温(22℃)で手早く加えた。
3時間後、反応混合物を200 mlの水に注ぎ、エーテルで
抽出した。このエーテル溶液を水で抽出し、無水硫酸ナ
トリウムで脱水し蒸発して10.3 gの固体残渣を得た。こ
の製品をシリカゲルと塩化メチレンを用いるカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、非晶質固体の5-O-t-ブチ
ルジメチルシリル-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/
B1b アグリコン8.6 g を得た。この構造は、核磁気共
鳴、質量分析、紫外分析及び元素分析により確認した。
【0063】実施例2 13β- ヨード-13-デオキシ-5-O-t- ブチルジメチルシリ
ル-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコン 1.05 g(4.7 mmol)の塩化o-ニトロベンゼンスルホニル
を15 ml の塩化メチレン中に含む溶液を、1.00 g(1.43
mmol )の5-O-t-ブチルジメチルシリル-22,23- ジヒド
ロアベルメクチンB1a/B1b アグリコン、1.1 ml(6.3 mm
ol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン、770 mg(6.3
mmol)の4-ジメチルアミノピリジン及び2.0 g (5.4 mm
ol)のテトラブチルアンモニウムアイオダイドを20 ml
の塩化メチレン中に含む溶液中に、室温(23℃)で撹拌
しながら30分かけて滴下した。3.5 時間撹拌を継続し
た。反応混合物を氷水に注ぎ、エーテルで稀釈した。こ
のエーテル層を分離し、水層をエーテルで抽出した。エ
ーテル溶液を合わせ、水と塩水で抽出し、硫酸マグネシ
ウムで脱水した。溶媒を蒸発して1.5 g の残渣を得、こ
れをシリカゲルと塩化メチレンを用いるクロマトグラフ
ィーに付した。13β-ヨード-13-デオキシ-5-O-t- ブチ
ルジメチルシリル-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/
B1b アグリコン540 mgを黄色泡状固体として得た。この
構造は、核磁気共鳴及び質量分析により確認した。
【0064】実施例3 13β-5-O-t- ブチルジメチルシリル-22,23- ジヒドロア
ベルメクチンB1a/B1b アグリコン 実施例2で得られた13β- ヨード-13-デオキシ-5-O-t-
ブチルジメチルシリル-22,23- ジヒドロアベルメクチン
B1a/B1b アグリコン902 mgを、5.3 mlの2,6-ルチジン及
び 135μlの水中に含む溶液を窒素下に封じ、TLC で出
発物質残留が認められなくなるまで100 ℃に14.5時間加
熱した。溶液を減圧下に蒸発させた。残渣をトルエンに
溶かし、減圧下に蒸発させた。これを数回繰り返し、残
存ルチジンを除いた。固体残渣をエチルエーテルで抽出
した。不溶物は捨て、瀘液を減圧蒸発すると1.1 g の固
体が残った。この固体をシリカゲルカラムと塩化メチレ
ン/メタノール(98:2)を用いるクロマトグラフィーに
付したところ、主たるバンドが2本現れた。ゆっくり動
く方のバンドの370 mgをシリカゲルカラムと塩化メチレ
ン/メタノール(99:1)を用いるクロマトグラフィーに
付し、245 mgの13β-5-O-t- ブチルジメチルシリル-22,
23- ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコンを非晶
質固体(HPLCによる純度:97%)として得た。この構造
は、核磁気共鳴及び質量分析により確認した。
【0065】実施例4 13β-O- メトキシメチル-5-O-t- ブチルジメチルシリル
-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコン 2.0gの5-O-t-ブチルジメチルシリル -13β-22,23- ジヒ
ドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコン(2.86 mmol, 1
eq.)を、窒素下室温で20 ml の無水塩化メチレンに溶
かし、磁気撹拌した。6.00 ml のN,N-ジイソプロピルエ
チルアミン(4.45 g, 34.5 mmol, 12 eq. )を加え、次
いでAmato ら、Synthesis 1979, 970 (下記参照)のよ
うに調製したクロロメチルメチルエーテル2.30 g(28.6
mmol )を含む溶液4.8 mlを添加した。この添加は滴下
で行ない、若干の昇温が認められた。反応状況は、TLC
(シリカ、25 %酢酸エチル/ヘキサン)で調べた。室温
窒素下に反応液を一夜撹拌すると、TLC は反応完結を示
した。
【0066】7.9 g (500 mmol)のNa2 2 3 の30 m
l 水中への溶液を反応混合物に添加し、室温で30分間撹
拌して未反応のクロロメチルメチルエーテルを分解す
る。溶液を分液漏斗に移し、各層を分離した。有機層を
40 ml の飽和重曹水で2回、次いで水で洗い、硫酸ナト
リウム上で脱水・高真空濃縮すると、褐色油状物が得ら
れた。この褐色油状物を100 g のシリカゲルカラムで5
〜10%酢酸エチル/ヘキサンにより精製すると、1.9 g
の純粋な13β-O- メトキシメチル-5-O-t- ブチルジメチ
ルシリル-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグ
リコンが得られた。この構造は、核磁気共鳴及び質量分
析により確認した。
【0067】ビス〔クロロメチル〕エーテルを含まない
クロロメチルメチルエーテルの製造 35.3 ml (0.49 mol)の塩化アセチルを、45 ml (0.51
mol)の分子篩で脱水したジメトキシメタンと1.2 ml
(0.49 mol)の無水メタノールの溶液に、3回に分け室
温窒素下に撹拌しながら添加した。添加の間に反応溶液
の温度は、16゜から25℃に上がった。36時間室温で放置
すると、この溶液には1 ml当たり6 mmolのクロロメチル
メチルエーテルが含まれていた。約83 ml (0.5 mol )
が調製されたことになる。詳細については、J.S.Amato
ら、Synthesis 1979, 970-971 を参照のこと。
【0068】注意事項 本試薬の調製及び取扱いに際しては、効率良いフードと
特別の配慮により、試薬との接触及びその蒸気吸入を避
けることを要する。
【0069】実施例5 13β-O- メトキシメチル-22,23- ジヒドロアベルメクチ
ンB1a/B1b アグリコン 0.5% p-トルエンスルホン酸モノハイドレート/メタノ
ール5.0 ml中の、実施例4で得られた81 mg の13β-O-
メトキシメチル-5-O-t- ブチルジメチルシリル-22,23-
ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリコンを、室温
(23℃)で反応完結がTLC で認められるまで撹拌した。
50分後、反応溶液を塩化メチレンで稀釈して、稀重曹水
溶液で抽出した。塩化メチレン溶液を無水硫酸ナトリウ
ム上で脱水し、減圧濃縮した。残渣を2個の500 μ 20
x 20 cm シリカゲルGFプレートで塩化メチレン/メタノ
ール(95:5)によりクロマト精製し、13β-O- メトキシ
メチル-22,23- ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b アグリ
コンを非晶質固体〔E (1 cm,1%, MeOH)のλmax が450 n
mに所在〕として得た。この構造は、核磁気共鳴、質量
分析、紫外分析及び元素分析により確認した。
フロントページの続き (72)発明者 ヘルムート・ムロツイク アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージイ・ 07747、マタワン、アイドルブロツク・レ ーン・159

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 〔式中、Rはsec-ブチル又はイソプロピルである〕で示
    される化合物。
  2. 【請求項2】 次式: 【化2】 〔式中、Rはsec-ブチル又はイソプロピルである〕で示
    される化合物を、塩基の存在下にCH3 OCH2 Clで処
    理する、請求項1記載の化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物の治療上有効量と
    医薬的に許容可能な担体とから成る、寄生虫に感染した
    動物の治療のための医薬組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の化合物の治療上有効量を
    投与することから成る、寄生虫感染状態にある非ヒト動
    物の治療方法。
JP4229988A 1991-09-04 1992-08-28 優れた抗寄生虫剤である13β−O−メトキシメチル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコン Pending JPH05213958A (ja)

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JP2014040468A (ja) * 2013-10-17 2014-03-06 Merial Ltd C−13アルコキシエーテルマクロライド化合物及びフェニルピラゾール化合物を含む組成物

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