JPH0521272U - 複写機の定着部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙に対するトナーの定着状態を選択するこ
とができる複写機の定着部であって，半定着状態を待ち
時間を小にして実現できるようにしたもの。 【構成】 トナーが転写されている用紙を加熱して，前
記トナーを前記用紙に定着が十分に行われるようにロー
ラの温度を制御維持された定着ローラ（高温ローラ）を
有する複写機の定着部において，定着または半定着を選
択する選択手段と，前記定着ローラより低い温度に制御
維持された半定着ローラ（低温ローラ）とを備え，前記
選択手段が半定着を選択した場合は，半定着ローラのみ
から加熱，加圧されるように，選択手段より出された選
択信号により，用紙の経路を変える経路切替器を具備す
るように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は用紙に対するトナーの定着状態を選択することができる複写機の定着 部の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

普通紙にコピーを行う複写機においては，帯電した感光ドラムに光学的手段に よって像を映し，これにより，静電潜像を形成する。そして，この静電潜像にト ナーを付着させた後，用紙にトナーを転写し，最後にトナーを加熱，加圧するこ とによって用紙に定着させる。 この定着処理は，一般に加熱制御された定着ローラによって行われ，用紙が定 着ローラを通過することにより，用紙に対して加熱および加圧が行われてトナー が定着する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで，コピー後に原稿を修正する場合は，トナーが容易に取り除ける方が よい。そこで，このような場合には，定着を行わないコピー原稿（可修正原稿） を排出するようにした複写機が開発されている。 しかしながら，従来のこの種の複写機における可修正複写原稿は，全く定着を 行っていなかったため，トナーが極めてとれ易く，原稿を汚損してしまうことが 多かった。また，一時的に保存することも不可能に近かった。 そこで，この点を改良するために，定着部にトナー原稿を半定着とするための 定着部よりも温度を低く制御するようにした手段を設けるようにした先行技術が 提案されている。 この場合には，半定着が選択されてから，ローラが所定の温度に低下するまで の待ち時間を必要とし，作業性が悪いという問題点があった。 本考案は，従来の上記問題点（課題）を解決するようにした複写機の定着部を 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はトナーが転写されている用紙を加熱して，前記トナーを前記用紙に定 着が十分に行われるようにローラの温度を制御維持された定着ローラ（高温ロー ラ）を有する複写機の定着部において，定着または半定着を選択する選択手段と ，前記定着ローラより低い温度に制御維持された半定着ローラ（低温ローラ）と を備え，前記選択手段が半定着を選択した場合は，半定着ローラのみから加熱， 加圧されるように，選択手段より出された選択信号により，用紙の経路をかえる 経路切替器を具備するようにした複写機の定着部に関する。 この場合，トナーが転写されている用紙を加熱して，前記トナーを前記用紙に 定着が十分に行われるようにローラの温度を制御維持された定着ローラ（高温ロ ーラ）を有する複写機の定着部において，定着または半定着を選択する選択手段 と，前記定着ローラより低い温度に制御維持された半定着ローラ（低温ローラ） とを備え，前記選択手段が定着を選択した場合は，半定着ローラ及び定着ローラ の双方または定着ローラのみにより加熱，加圧されるように，選択手段より出さ れた選択信号により，用紙の経路をかえる経路切替器を具備するようにすること もできる。

【０００５】

【作用】

半定着が選択されると，経路切替器により用紙の経路が半定着ローラ（低温ロ ーラ）のみの経路にかわり，定着ローラ（高温ローラ）より低い温度で定着処理 が行われる。この結果，トナーの用紙に対する定着率が低くなる。

【０００６】

【実施例】

まず，図１に示した第１の実施例により本考案を具体的に説明する。 同図において，１は感光ドラムである。２は感光ドラム１上に潜像を形成する 光学部であり，原稿台におかれた原稿の像を感光ドラム１に投影する。３はトナ タンク，５は潜像に付着したトナーを用紙６に写し取る転写部である。 一般に，転写部５は潜像とは逆の電荷を用紙に与えるチャージャーによって構 成され，トナーが転写された用紙６は，ベルト等の搬送手段７によって搬送され て定着部１０に達するようになっている。 次に，定着部１０の構成について説明する。１１はトナーを用紙６に定着が十 分に行われるようにローラの温度を制御維持された定着ローラであり，１２は定 着ローラより低い温度に制御維持された半定着ローラである。１３は経路切替器 であり，これは定着選択指令部１４より出された選択信号により用紙の経路をか えるものである。定着選択指令部１４は定着を指示するボタン１４ａと半定着を 指示するボタン１４ｂを備えている。

【０００７】 上述した構成によれば，操作者がボタン１４ａを押せば，定着選択指令部１４ より出された選択信号により経路切替機１３により用紙６は，半定着ローラ１２ 及び，定着ローラ１１双方を通過する経路に切り替えられ半定着ローラ１２及び ，定着ローラ１１双方により加熱，加圧される。 また，操作者がボタン１４ｂを押せば，定着選択指令部１４より出された選択 信号により経路切替器１３により用紙６は，半定着ローラ１２のみを通過する経 路に切り替えられ半定着ローラ１２のみによって半定着に適した温度（低温）で 加熱，加圧される。 なお，図２に示す本考案の第２の実施例のように，半定着ロ−ラ１２を経路切 替器１３の後段に定着ロ−ラ１１と切替可能に設けるようにすれば，操作者がボ タン１４ａを押した場合，経路切替器１３により用紙６の経路を定着ローラ１１ のみを通過する経路とすることも可能である。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように，本考案によれば，半定着が選択されると半定着ローラに より定着ローラよりも低い半定着に適した温度で定着処理を行うので，トナーが 不必要に取れることがなく，これにより原稿が汚損されず，一時的な保管もでき る可修正原稿を作成することができる。 また，定着ローラ，半定着ローラ共に予め定着及び半定着を行うための所定の 温度に制御維持されているため，従来のようにローラの温度を制御する場合のよ うに待ち時間が不要となり，半定着または定着の作業を効率良く行うことができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例の構成を示す正面図であ
る。

【図２】本考案の第２の実施例の構成を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

６：用紙 １１：定着ローラ １２：半定着ローラ １３：経路切替器 １４：定着選択指令部 １４ａ，１４ｂ：ボタン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トナーが転写されている用紙を加熱し
   て，前記トナーを前記用紙に定着が十分に行われるよう
   にローラの温度を制御維持された定着ローラ（高温ロー
   ラ）を有する複写機の定着部において，定着または半定
   着を選択する選択手段と，前記定着ローラより低い温度
   に制御維持された半定着ローラ（低温ローラ）を備え，
   前記選択手段が半定着を選択した場合は，半定着ローラ
   のみから加熱，加圧されるように，選択手段より出され
   た選択信号により，用紙の経路をかえる経路切替器を具
   備するようにしたことを特徴とする複写機の定着部。
2. 【請求項２】 トナーが転写されている用紙を加熱し
   て，前記トナーを前記用紙に定着が十分に行われるよう
   にローラの温度を制御維持された定着ローラ（高温ロー
   ラ）を有する複写機の定着部において，定着または半定
   着を選択する選択手段と，前記定着ローラより低い温度
   に制御維持された半定着ローラ（低温ローラ）とを備
   え，前記選択手段が定着を選択した場合は，半定着ロー
   ラ及び，定着ローラの双方または定着ローラのみにより
   加熱，加圧されるように，選択手段より出された選択信
   号により，用紙の経路をかえる経路切替器を具備するよ
   うにしたことを特徴とする複写機の定着部。