JPH0521072B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「本発明が属する技術分野」 本発明は印刷工程の前工程で大まかな仮位置決
めをした被印刷体を両工程を覆う長さの移動吸引
部材を往復移動させて移送するとともに、この被
印刷体を印刷工程での印刷テーブル上面から突出
する位置決め用部材で完全に位置決めした後、こ
れを印刷テーブルに固定して印刷処理を行なうよ
うにしたスクリーン印刷における被印刷体への印
刷方法に関する。

「従来技術と本発明が解決しようとする問題点」 従来から印刷工程の直前に設置した位置決め工
程においてスクリーン版に対する被印刷体の完全
な位置決めを行ない、これをそのまま印刷工程に
移送して印刷処理を行なうことを意図した印刷方
法や、そのための装置は広く知られている。

しかし、この種の印刷方法や、装置において
は、位置決め工程での事前の位置決め状態を印刷
工程まで完全なかたちのまま持続させることは各
作動要素の経時変化や、印刷工程での受渡しのさ
いの誤作動などから極めて困難であり従つて、こ
こにおいて位置決め状態をできるだけ完全なかた
ちで維持するために両工程を覆う長さを有する被
印刷体の移送手段を用いて行なう印刷方法や、装
置が案出されているが、この場合にも移送手段は
位置決め工程で位置決めした被印刷体を確実に保
持するためには、位置決めのさい、その上面を位
置決め工程の表面と同一面にしておくことが必要
でありまた、印刷工程においても、その引き渡し
を確実なものにするには、この移送手段は印刷工
程での印刷テーブル表面に対し、その上面を同一
にした状態で一時、停止して引き渡しのさいのづ
れ防止に配慮する必要がある。

しかしながら、このように移送手段の操作に特
段の配慮をしてもなおまだ、印刷工程でのその引
き渡しには、外的要因によつて被印刷体が変位す
るなどの不安が残る。

しかも、この印刷方法では被印刷体の移送手段
がすくなくとも三段階以上につまり、被印刷体の
フローラインを中心に上、中、下の三段階以上の
作動をしなければならないことから一回の印刷サ
イクルの所要時間はどうしても長いものとなり、
能率の面からも問題のあるものであつた。

「問題を解決するための手段」 本発明は叙上の従来技術の状態に鑑みてなされ
たものであつて、スクリーン版に対する被印刷体
の正確な位置決めは印刷工程で行なうようにし、
印刷工程前の工程では大まかな仮位置決めに止め
るものでありしかも、印刷工程での位置決めは、
移動吸引部材から仮位置決めされた被印刷体を印
刷テーブル上面よりやや、上方で受取つて、スク
リーン版に対する正確な位置決めを行なう位置決
め用部材を利用して行ない、位置決め完了後にこ
の被印刷体を印刷テーブルに固定して印刷処理を
行なうとともに被印刷体を移送した移動吸引部材
は被印刷体を位置決め用部材に引き渡した後は、
印刷テーブルの下方へ所定ストローク降下し、降
下後は即座に原点位置へ復帰するようにして問題
解決のための手段としている。

「作用」 本発明によれば、印刷工程前の工程で大まかに
仮位置決めされた被印刷体は印刷工程での印刷テ
ーブルから突出する位置決め用部材に保持されて
正確な位置決めがなされまた、同時に印刷処理さ
れた被印刷体は排出工程に引き渡されるので、印
刷工程でのスクリーン版に対する被印刷体の正確
な位置決めが確実に行なわれるとともに、被印刷
体の移送手段である移動吸引部材の原点位置への
復帰がスピードアツプされることになり、一回の
印刷サイクルの所要時間も短縮される。

「実施例」 以下、本発明の実施例について、直接使用する
装置に係わる概念図を参考にして説明する。

仮位置決め工程１と位置決め印刷工程２は直列
状に設置してあるが、被印刷体Ｍは仮位置決め工
程１へベルトコンベアー１ａで移送され、そこで
大まかな仮位置決めがなされる。

被印刷体Ｍの仮位置決めはまず、コンベアー１
ａ進行方向の端部に設けた出没自在なストツパー
Ｓに当接して進行方向の位置決めが行なわれる
が、ストツパーＳに当接した時、コンベアー１ａ
の駆動を停止させるとともに、当該コンベアー１
ａ上で進行方向に対する直角方向の位置決めを行
なつてもよくまた、別にコンベアー１ａと相対的
に上下移動する仮位置決め用のテーブル（図示せ
ず）を設けてこのテーブルの上で仮位置決め作業
を行なわせてもよい。

進行方向に対する直角方向の仮位置決め用の手
段は適宜に定めてよく例えば、予め後記のスクリ
ーン版４の被印刷***置合せ部材５との関係でそ
の後動量を大まかに規定した直角方向で前後動可
能なアーム部材Ｘを怒角方向の他側面に設定した
当て板部材Ｙに対向して設けたものでもよい。

また、この仮位置決め工程１での被印刷体Ｍの
保持要素は先記のとおり被印刷体Ｍの搬入するベ
ルトコンベアー１ａ自体であつてもあるいはま
た、平たん面のテーブルであつてもよいが、これ
らはその上面から後に詳記する移動吸引部材６が
突出できかつ、位置決め印刷工程２へ向つて移動
できるような構造であることが必要であつて、こ
こで挙げた例では複数のベルトから構成したベル
トコンベアー１ａの間に相応の空間部７が形成し
てある。

位置決め印刷工程２は、印刷用のテーブル８
と、この印刷テーブル８の表面８ａに対して相対
的に出没可能な被印刷***置合せ部材５と、被印
刷体Ｍに捺染する所定のパターンを形成してなる
スクリーン版４などからなるものであつて、移送
されてきた被印刷体Ｍは位置合せ部材５に保持さ
れてスクリーン版４に対する正確な位置決めがな
され、位置決めが完了した後は印刷テーブル８に
に固定されて印刷処理が行なわれることになる。

印刷テーブル８に位置合せ部材５の調整作動に
よつてスクリーン版４に対する正確な位置決めを
完了した被印刷体Ｍを固定するための負圧吸引孔
８ｂが穿設してある。

負圧吸引孔８ｂの吸引のオン、オフ作用は別に
装置した真空ポンプ（図示せず）の作動によつて
奏される。

また、印刷テーブル８には先記の位置合せ部材
５が当該テーブル８の上面から突出し、スクリー
ン版４に対して左右前後に作動できるとともに回
動可能なように相応の空間部が設けてあり更に、
仮位置決め工程１での場合と同様に移動吸引部材
６が印刷テーブル８の上面８ａから突出できか
つ、位置決め印刷工程２の後に配設した排出工程
３方向へ移動できるだけの相応の溝８ｃが形成し
てある。

スクリーン版４は印刷テーブル８に対し上下動
するものであつて、被印刷体Ｍが印刷テーブル８
に固定されたとき下降し、印刷処理が完了したと
きは所定の位置まで上昇して待機するようにその
作動は調整してある。

仮位置決めした被印刷体Ｍを位置決め印刷工程
２へ移送し、そこへ引き渡すとともに印刷処理が
行なわれた被印刷体Ｍを同時に排出工程３へ移送
する移動吸引部材６は、仮位置決め工程１と位置
決め印刷工程２を覆う長さを有するものでありま
た、被印刷体Ｍを保持する表面は負圧吸引パツト
６ａで形成してある。負圧吸引パツト６ａの吸引
のオン、オフ作用が別に装置した真空ポンプ（図
示せず）の作動によることは印刷テーブル８の負
圧吸引孔８ｂのオン、オフ作用の場合と同様であ
る。

移動吸引部材６は両工程１，２を覆う長さを有
しかつ、被印刷体Ｍを確実に保持して移送できる
ものであることが肝心であつて、ここでの例のよ
うに連結杆９で結ばれて一体移動する複数の細管
６ｂの表面に複数の比較的小径な負圧吸引パツト
６ａを形成したものに限るものでないことは勿論
であるが、移動吸引部材６を一体移動する複数の
細管６ｂのそれぞれの表面に比較的小径（例え
ば、５mm〜８mmぐらい）の負圧吸引パツト６ａを
形成して構成したものには、次のような利点があ
る。すなわち、平面状の板状体に負圧吸引孔を穿
設したものなどと比較してまず、軽量であり従つ
て、構造が簡単で済むことから精度の点や耐久性
の点で優れている。

また、被印刷体の歪み具合によつては、平面状
の板状体に穿孔したものでは確実にな保持ができ
ない場合があるが、弾性を有するパツト６ａによ
つて吸着では、それぞれの吸引パツト６ａが批印
刷体Ｍを満遍なく吸引することが可能であること
から、その保持は確実なものとなり、移送中にお
ける外的な衝撃力などによつて被印刷体が途中で
変位するといつた悪弊は確実に防止きる点で有利
である。

移動吸引部材６を構成する複数の細管６ｂは先
記のとおり、その長手方向の端部で連結杆９によ
つて連結され、仮位置決め工程１、位置決め印刷
工程２および排出工程３の間をガイド部材（図示
せず）によつてガイドされて移動しかつ、昇降駆
動装置（図示せず）の作用で仮位置決め工程１と
位置決め印刷工程２の上面１a′，８ａに対し、上
下方向で二段階に昇降移動するようにしてある。

また、移動吸引部材６は仮位置決め工程１上の
被印刷体Ｍを吸引保持する第１の吸引部６a′と、
位置決め印刷工程２上の被印刷体Ｍを吸引保持す
る第２の吸引部６a″からなつている。

被印刷体Ｍを保持してスクリーン版４に対する
位置決め作動を行なう位置合せ部材５は先記のと
おり、印刷テーブル８の上面８ａから突出して左
右前後にかつ、回動可能にしてあるが、被印刷体
Ｍを保持するその表面は、移動吸引部材６の表面
と同様に負圧吸引パツト５ａで構成してある。吸
引パツト５ａの効用は移動吸引部材６のそれと同
一であつて、先記したとおりである。

第４図ａ〜ｅは本発明において被印刷体Ｍが仮
位置決め工程１へ搬入され、移動吸引部材６の作
用を介して印刷処理を経て排出工程３へ至るまで
の過程を説明した概念図で あるが、いま被印刷体Ｍが仮位置決め工程１上に
至り、仮位置決めがなされるときは、これより以
前に仮位置決めされた被印刷体M′は移動吸引部
材６の第１の吸引部６a′に保持されて位置決め印
刷工程２上にありまた、第２の吸引部６a″で保持
された印刷処理済みの被印刷体M″は排出工程３
上にある（第４図ａ参照）。

かくして、印刷処理と排出処理が行なわれてい
る間に移動吸引部材６は仮位置決め工程１方向へ
移動して原点位置つまり、第１の吸引部６a′が仮
位置決め工程１の下方に位置しまた、第２の吸引
部６a″が位置決め印刷工程２の下方に位置する状
態に復帰している（第４図ｂ参照）。

次いで、印刷処理の終了と、スクリーン版４の
上方への移を待つて移動吸引部材６は両工程１，
２から突出して上昇し（第４図ｃ参照）、第１の
吸引部６a′で仮位置決めした被印刷体M′を吸引
保持しまた、第２の吸引部６a″では印刷処理され
た被印刷体M″を吸引保持して排出工程３方向へ
所定量つまり、第１の吸引部６a′が位置決め印刷
工程２の上方に位置しまた、第２の吸引部６a″は
排出工程３の上方に位置するまで、移動する（第
４図ｄ参照）。

所定量、移動した後は、移動吸引部材６は位置
決め印刷工程２と排出工程３の下方へ所定量つま
り、両工程２，３から下方において離間する位置
へ移動することになる。このとき、第１の吸引部
６a′で保持された仮位置決め済みの批印刷体
M′は印刷テーブル８の上面８ａから突出する位
置合せ部材５に当該被印刷体M′を吸着換えしま
た、第２の吸引部６a″で保持された印刷処理済み
の被印刷体M″は、排出工程であるベルトコンベ
アー３ａへ引き渡されて次の工程へ排出される
（第４図ｅ参照）。このとき、移動吸引部材６の第
１の吸引部６a′と第２の吸引部６a″の吸引力が解
除され、第１の吸引部材６a′から被印刷体M′を
受取る位置合せ部材５に吸引力が付与されること
になる。

位置合せ部材５に引き渡された被印刷体M′は
位置合せ部材５の調整作動によつてスクリーン版
４に対して正確に位置決めされた後、位置合せ部
材５から印刷テーブル８へ吸着換えされてテーブ
ル８上に吸引固定される（第４図ａ参照）。この
とき、位置合せ部材５の吸引パツト５ａの吸引力
が解除され、印刷テーブル８の吸引孔８ｂに吸引
力が付与されることは勿論である。

印刷テーブル８へ被印刷体M′を吸着換えした
位置合せ部材５は、印刷テーブル８の上面８ａよ
り下方へ降下し次いで、被印刷体M′が印刷テー
ブル８に固定されると、スクリーン版４が被印刷
体M′との間に所定の間隙をおいて位置するよう
に降下して印刷処理が行なわれることになる。

この印刷処理が行なわれるときには既に、移動
吸引部材６が原点位置に復帰し続いて、両工程
１，２の上面１a′，８ａから突出して仮位置決め
された被印刷体M′と位置処理済みの被印刷体
M″を吸着保持しながら排出工程３方向へ所定量、
移動することは先記のとおりである。

なお、図中１０はスクリーン版４に対する被印
刷体M′の正確な位置を記憶した固体撮像素子で
あつて、被印刷体M′を受取つた位置合せ部材５
の調整作動の基準となるものである。

「本発明の効果」 本発明は以上のとおり、移動吸引部材の第１の
吸引部が仮位置決めされた被印刷体を吸引保持し
た時、第２の吸引部は印刷処理を完了した被印刷
体を吸引保持して印刷テーブルから離間して位置
するようになし、この状態の移動吸引部材を移動
させて仮位置決めした被印刷体を位置決め印刷工
程の位置合せ部材に引き渡し、位置合せ部材の調
整作動でスクリーン版に対する正確な位置決めを
行ない次いで、この被印刷体を印刷テーブルに固
定して印刷処理を行なうとともに、移動吸引部材
はこれを位置決め印刷工程と排出工程とに関係し
た後は即座に、原点位置に復帰させてなるもので
あるから、精緻な印刷パターンの確実な印刷処理
が安全にかつ、迅速に行なえるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施にさいし、使用する装置
について説明した概略説明上面図、第２図は第１
図Ａ―Ａ断面図であつて、移動吸引部材が印刷テ
ーブルの上面から没入している状態を説明しま
た、第３図は第２図において、移動吸引部材が印
刷テーブルの上面から突出した状態を示した説明
図である。 第４図ａ〜ｅは本発明の実施過程に係わるもの
であつて、一回の印刷サイクルについて説明した
概念図である。 １…仮位置決め工程、１ａ…ベルトコンベア
ー、１a′…上面、２…位置決め印刷工程、３…排
出工程、３ａ…ベルトコンベアー、４…スクリー
ン版、５…位置合せ部材、５ａ…吸引パツト、６
…移動吸引部材、６ａ…吸引パツト、６a′…第１
の吸引部、６a″…第２の吸引部、８…印刷テーブ
ル、８ａ…上面、８ｂ…負圧吸引孔、１０…固体
撮像素子、Ｍ…被印刷体、M′…被位置決め済み
被印刷体、M″…印刷処理済み被印刷体、Ｓ…ス
トツパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 直列状に配設した仮位置決め工程と位置決め
   印刷工程の間で両工程を覆う長さの移動吸引部材
   を長手方向で往復移動可能に配設し、この移動吸
   引部材の第１の吸引部が仮位置決め工程の被印刷
   体を吸引保持した時、位置決め印刷工程の被印刷
   体はすでに、印刷処理がほどこされかつ、移動吸
   引部材の第２の吸引部に保持されて、位置決め印
   刷工程での印刷テーブルから上方へ離間して位置
   するようにするとともにこの状態のまま、移動吸
   引部材を位置決め印刷工程の後に配設した排出工
   程の方向へ移動させ、第１の吸引部が位置決め印
   刷工程の上に位置しまた、第２の吸引部が排出工
   程の上に位置した時、これを所定ストローク下降
   させて第１の吸引部が保持する被印刷体を位置決
   め印刷工程での印刷テーブル上面から上方へ突出
   する被印刷***置決め部材に保持させ次いで、移
   動吸引部材はこれを仮位置決め工程の方向へ移動
   させて、原点位置に復帰させるとともに被印刷体
   を保持した前記位置決め用部材の調整作動により
   スクリーン版に対する位置決めを完了した被印刷
   体を前記印刷テーブルに固定して印刷処理を行な
   うことを特徴とするスクリーン印刷における被印
   刷体への印刷方法。