JPH0520918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動変速装置のシフトバルブ切換
用ガバナ圧を与えるガバナ装置に関する。

（従来の技術） 従来のガバナ装置としては、第２図に示すよう
なものが知られている。

第２図において、１はガバナス本体となるスリ
ーブ（回転シヤフト）であり、スリーブ１内に形
成したスプール穴２には、ガバナスプール３を軸
方向に摺動自在に装嵌している。また、スリーブ
１の外周にはギヤ４が設けられ、ギヤ４は車輪側
に対するオートマチツクトランスミツシヨンから
の出力回転伝達部のギヤに噛合しており、車輪の
回転数に応じてスリーブ１を回転する。

スリーブ１の上側には、左右に開いた箱形のサ
ポート５が固定され、相対したサポート辺５Ａの
間には一対のガバナピン６を挿入して両端のカシ
メ等でつぶして抜け止めし、各ガバナピン６には
セカンダリーウエイト７及びプライマリーウエイ
ト８のそれぞれの一端を軸支しており、一対のセ
カンダリーウエイト７及び一対のプライマリーウ
エイト８のそれぞれが、ガバナピン６を回転軸と
して回転自在に装着されている。セカンダリーウ
エイト７に一体成形した支持部７Ａとプライマリ
ーウエイト８に一体成形した支持部８Ａの間に
は、荷重設定用のスプリング９が設けられてお
り、スリーブ１の回転に伴つて発生する遠心力に
応じてプライマリーウエイト８及びセカンダリー
ウエイト７がスプリング９を介して相互に連係
し、ガバナピン６を回転軸として外側に拡がる方
向に回動してガバナスプール３を下側に押し下げ
る。

１０は所定の液圧が与えられる入口室であり、
スリーブ１の回転に伴う遠心力でプライマリーウ
エイト８及びセカンダリーウエイト７を外側に拡
げる方向に回動させてガバナスプール３を下側に
押し込むことにより入口室１０を調圧室１１に連
通し、調圧室１１の液圧制御を行う。この調圧室
１１の液圧は、出口室１２を介して自動変速機の
シフトバルブ系に与えられる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のガバナ装置に
おいてはガバナスプールはスプール穴内で上下動
するが、軸まわりに回転しないため、ガバナスプ
ールとスリーブとの間の間隙に異物が進入すると
バルブステイツクが生じるという問題点があつ
た。

（問題点を解決するための手段） この考案は、このような従来の問題点に鑑みて
なされたものであつて、異物の進入によるバルブ
ステイツクを防止するようにしたガバナ装置を提
供することを目的としている。

この目的を達成するために、この考案は、軸方
向に摺動自在なガバナスプールを内蔵した回転シ
ヤフトの軸端にサポート部材を固着し、該サポー
ト部材に遠心回転でガバナピンを中心として外側
に揺動するプライマリーウエイトおよびセカンダ
リーウエイトとこれらのウエイトの間にスプリン
グを設け、ウエイトの揺動による力を前記ガバナ
スプールに加えてなるガバナ装置において、ガバ
ナスプールに質量アンバランスをつくりだす切り
込み部を形成したものである。

（作用） この考案においては、ガバナスプールの所定の
軸部に切り込み部を形成したため、質量アンバラ
ンスを意図的につくりだすことができる。したが
つて、ガバナスプールは微振動中、自己の質量ア
ンバランスにより軸まわりに差動回転するので異
物を排出することができ、異物の噛み込みによる
バルブステイツクを防止することができる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の一実施例を示す図である。

なお、従来例と同一部分については同一符号を
付してその説明を省略する。

まず、構成を説明すると、第１図において、３
０はガバナスプールであり、このガバナスプール
３０はプライマリーウエイト８およびセカンダリ
ーウエイト７により押圧されてスプール穴２内を
上下動して調圧作用を行う。

ガバナスプール３０は頭頂部３１と、頭頂部３
１に連続する第１軸部３２と、第１軸部３２に連
続する鍔部３３と、鍔部３３に連続する第２軸部
３４と、第２軸部３４に連続する第３の軸部３５
と、第３軸部３５に連続する第４軸部３６と、を
有している。また、スプール３０内には圧力室３
７が形成されており、圧力室３７はオリフイス３
８を介して調圧室１１に連通している。

ここで、前記第１軸部３２または第２軸部３
４、または両方の軸部３２，３４に切り込み部３
９，４０が形成されている。切り込み部３９，４
０はガバナスプール３０の質量アンバランスを意
図的につくり出すためのものであり、このアンバ
ランスによつてガバナスプール３０が軸中心まわ
りに差動回転が可能となつている。

次に、作用を説明する。

ガバナスプール３０の第１軸部３２および第２
軸部３４には切り込み部３９，４０が形成されて
いるため、ガバナスプール３０の軸中心に対して
質量アンバランスがつくりだされる。

したがつて、ガバナスプール３０は微振動中に
自己の質量アンバランスにより軸中心まわりに回
転する。このため、ガバナスプール３０とスリー
ブ１との間に進入した異物が排出されるので、バ
ルブステイツクを未然に防止することができる。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案によれば、
ガバナスプールに切り込み部を形成して、質量ア
ンバランスをつくり出し、それによつて軸まわり
に差動回転させるようにしたため、異物の噛み込
みによるバルブステイツクを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は従来例を示す断面図である。 １……スリーブ（回転シヤフト）、５……サポ
ート（サポート部材）、６……ガバナピン、７…
…セカンダリーウエイト、８……プライマリーウ
エイト、９……スプリング、３０……ガバナスプ
ール、３９，４０……切り込み部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向に摺動自在なガバナスプールを内蔵した
   回転シヤフトの軸端にサポート部材を固着し、該
   サポート部材に遠心回転でガバナピンを中心とし
   て外側に揺動するプライマリーウエイトおよびセ
   カンダリーウエイトとこれらのウエイトの間にス
   プリングを設け、ウエイトの揺動による力を前記
   ガバナスプールに加えてなるガバナ装置におい
   て、前記ガバナスプールに質量アンバランスをつ
   くりだす切り込み部を形成したことを特徴とする
   ガバナ装置。