JPH05207505A - 輪郭補正回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は輪郭強調した色信号の色相変化部分
に生じる括れ部分を減少させて忠実な色再現性を有する
輪郭補正回路を提供することを目的としている。 【構成】 本発明において、両波整流器２とローパスフ
ィルタ３によって入力色信号の輪郭が抽出され、この輪
郭波形が微分回路４にて微分された信号が掛算器５に入
力される。トラップフィルタ６は入力色信号をその搬送
波周波数を中心周波数としてトラップする。両波整流器
７とローパスフィルタ８によって前記トラップフィルタ
６から出力される信号の輪郭が抽出され、この輪郭波形
が微分回路４にて微分された信号が掛算器５に入力され
る。掛算器５は微分回路４、９から出力される両微分信
号を掛け算して得られた結果により、可変ゲインアンプ
１のゲインを変化させる構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は映像信号の色信号の輪郭
を補正する輪郭補正回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ＮＴＳＣ方式の映像信号に含ま
れる色信号は周波数３．５８ＭＨｚの搬送波を色のレベ
ルによって直角二相変調されて形成されたものである。
このような色信号の帯域は輝度信号に比べて制限され狭
くなっており、特にビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）等
において記録再生されたものは更に帯域の狭いものにな
っており、この帯域の狭さがテレビジョン画面では色滲
みとなって現れ、その画質を悪くする要因となってい
る。このような不具合を回避するために、テレビジョン
受像機では前記色信号をベースバンドに復調した後に輪
郭強調を行っているが、ＶＴＲでは前記色信号を復調す
る回路をわざわざ設けるにはコストが高くなってできな
いため、上記のような輪郭強調を行うことができなかっ
た。そこでＶＴＲでは、前記色信号を復調せずに変調色
信号のままで前記輪郭強調と同等の処理を行うようにす
ればよいが、これには位相調整等が必要となり、やはり
コスト上昇要因となってしまうため、実施することがで
きなかった。

【０００３】ＶＴＲにおける色信号の輪郭強調は上記事
情に鑑みて変調色信号を可変ゲインアンプに通してその
ゲインを制御する方法にて行うことが提案（特願平１−
６０７４５号）されている。図３は上記ゲイン制御方式
を採用した色信号の輪郭補正回路の従来例を示したブロ
ック図である。可変ゲインアンプ１は、図４（Ａ）に示
したような変調色信号（以降単に色信号と略称する）１
００を入力すると、微分回路４から出力されるゲイン制
御信号に対応するゲインで前記入力色信号100を増幅し
て、図４（Ｄ）に示すような色信号２００とし、これを
次段に出力する。この色信号２００は両波整流器２によ
って両波整流された後ローパスフィルタ３により平滑さ
れて、図４（Ｂ）に示すような包絡線とほぼ等しいレベ
ル検波信号（入力色信号１００の輪郭に相当）３００と
なり、これが微分回路４に入力される。微分回路４は入
力されたレベル検波信号３００を微分して図４（Ｃ）に
示すような入力の立ち上がりで正パルス、入力の立ち下
がりで負パルスとなる微分信号を得、これをゲイン制御
信号４００として可変ゲインアンプ１に出力する。これ
により、可変ゲインアンプ１は微分回路４から与えられ
るゲイン制御信号400 に基づいてそのゲインを変化させ
て、図４（Ａ）に示すような入力色信号１００を図４
（Ｄ）に示すような輪郭強調した色信号２００にする。
尚、可変ゲインアンプ１は前記ゲイン制御信号レベルが
高くなるとそのゲインを増大させるものとする。

【０００４】しかし、上記のような方式の従来の輪郭補
正回路では、図４（Ｄ）に示す如く輪郭強調後の色信号
２００の波形全体が矢印イで示す進行方向にシフトして
しまうという欠点があると共に、色相が大きく変化する
部分に生じる括れロが広がってしまうという欠点があっ
た。そこで、上記微分回路４により図４（Ｃ）に示した
微分波形を更にもう１度微分した図４（Ｅ）に示すよう
な２回微分信号を得て、これを可変ゲインアンプ１のゲ
イン制御信号とすれば、上記した１回微分の信号を用い
た場合よりも、可変ゲインアンプ１から出力される輪郭
強調色信号の波形のバランスは図４（Ｆ）に示す如く改
善されるが、このようにしても色相変化の大きいところ
に生じる括れロの広がりは改善されないという欠点があ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の変
調色信号をレベル検波した後これを微分して得た制御信
号によって、前記変調色信号のレベルを変化することに
より、前記変調色信号の輪郭強調を行う従来の輪郭補正
回路では、輪郭強調された色信号の色相変化部分に括れ
が生じ、ここの部分で再生画像の色が薄くなってしまう
という欠点があった。

【０００６】そこで本発明は上記の欠点を除去するもの
で、輪郭強調した色信号の色相変化部分に生じる括れ部
分を減少させてより自然な色再現性を有する輪郭補正回
路を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は搬送波を変調し
て成る入力信号のレベルを制御することによって前記入
力信号の輪郭を補正する輪郭補正回路において、前記入
力信号の輪郭を検出する第１の輪郭検出回路と、前記入
力信号の搬送波周波数を中心周波数として持ち、入力信
号をトラップするトラップフィルタと、このトラップフ
ィルタを通過した前記入力信号の輪郭を検出する第２の
輪郭検出回路と、前記第１の輪郭検出回路から出力され
る信号を微分する第１の微分回路と、前記第２の輪郭検
出回路から出力される信号を微分する第２の微分回路
と、前記第１の微分回路の微分出力と前記第２の微分回
路の微分出力とを掛け算する掛算回路と、この掛算回路
の掛け算結果信号に従って前記入力信号の増幅ゲインを
変化させる可変ゲイン増幅回路とを具備した構成を有す
る。

【０００８】

【作用】本発明の輪郭補正回路において、第１の輪郭検
出回路は入力信号の輪郭を検出する。トラップフィルタ
は前記入力信号の搬送波周波数を中心周波数として持
ち、入力信号をトラップする。第２の輪郭検出回路は前
記トラップフィルタを通過した前記入力信号の輪郭を検
出する。第１の微分回路は前記第１の輪郭検出回路から
出力される信号を微分する。第２の微分回路は前記第２
の輪郭検出回路から出力される信号を微分する。掛算回
路は前記第１の微分回路の微分出力と前記第２の微分回
路の微分出力とを掛け算する。可変ゲイン増幅回路は前
記掛算回路の掛け算結果信号に従って前記入力信号の増
幅ゲインを変化させる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図１は本発明の輪郭補正回路の一実施例を示し
たブロック図である。１は入力される変調色信号１００
をそのゲインを変化させながら増幅する可変ゲインアン
プ、２は入力される変調色信号１００を両波整流する両
波整流器、３、８は入力信号を平滑するロ−パスフィル
タ、４、９は入力信号を微分する微分回路、５は微分回
路４、９から出力される微分信号を掛け算して、可変ゲ
インアンプ１のゲイン制御信号を発生する掛算器、６は
前記入力変調色信号の搬送波周波数を中心周波数として
持つトラップフィルタである。

【００１０】次に本実施例の動作について説明する。変
調色信号１００は図２（Ａ）に示すような波形を有し、
この変調色信号１００が可変ゲインアンプ１、両波整流
器２、トラップフィルタ６に入力される。両波整流器２
は変調色信号１００を両波整流する。ロ−パスフィルタ
３はこのように両波整流された変調色信号を平滑して図
２（Ｂ）に示すようなレベル検出信号（変調色信号の輪
郭に相当）３００として、これを微分回路４に出力す
る。微分回路４は入力されるレベル検出信号３００を微
分して図２（Ｃ）に示すような微分信号とした後、これ
を掛算器５に出力する。一方、トラップフィルタ６は入
力される変調色信号１００の変調周波数信号をトラップ
するため、前記変調信号の信号変化部分が抽出された図
２（Ｄ）に示すような信号を両波整流器７に出力する。
両波整流器７は入力された前記信号を両波整流して、こ
れをロ−パスフィルタ８に出力するため、ロ−パスフィ
ルタ８は入力された信号を平滑して図２（Ｅ）に示すよ
うなレベル検出信号５００を微分回路９に出力する。従
って、微分回路９はロ−パスフィルタ８から入力される
レベル検出信号５００を微分して得られる図２（Ｆ）に
示すような微分信号６００を掛算器５に出力する。ここ
で、ロ−パスフィルタ８から出力される図２（Ｃ）に示
されるようなレベル検出信号４００は色の立上がり、色
の立ち下がり及び括れ部分のいずれにおいても正パルス
となるため、これを微分回路９で微分した微分信号６０
０は図２（Ｆ）で示す如く正パルスから負パルスへ変化
する信号となる。従って、掛算器５にてこの微分信号６
００を反転した微分信号と微分回路４から出力される微
分信号４００とを掛け算すると、図２（Ｇ）に示す如く
色の立上がりで負から正パルスに、色の立ち下がりで正
から負パルスに、括れ部分で正から正パルスに変化する
ゲイン制御信号が得られ、このゲイン制御信号が可変ゲ
インアンプ１に供給される。可変ゲインアンプ１は前記
ゲイン制御信号によりそのゲインを変化させて、変調色
信号１００を増幅して図２（Ｈ）に示すように輪郭強調
された輪郭強調信号２００を出力する。

【００１１】本実施例によれば、微分回路４から得られ
る図２（Ｃ）に示すような微分信号４００と微分回路９
から得られる図２（Ｆ）に示すような微分信号６００と
を掛算器５にて掛け算して得られる図２（Ｇ）に示すよ
うな色の立上がりで負パルスから正パルスに、色の立ち
下がりで正パルスから負パルスに、括れ部分で正パルス
から正パルスに変化するゲイン制御信号に従って、可変
ゲインアンプ１のゲインを制御することにより、変調色
信号１００の輪郭強調を行っているため、図２（Ｈ）に
示す如く、その輪郭強調された色信号の波形のバランス
を良好にすると共に、色相変化の大きい部分で発生する
括れを減少させているため、色再現性良くその輪郭を強
調することができ、しかも、変調色信号のレベルの制御
のみで上記輪郭強調を行っているため、色相ずれ等の弊
害が生じる恐れをなくすこともできる。

【００１２】尚、上記実施例の掛算器５は二重平行変調
器で構成するものが最も簡単でよいが、微分信号４００
と微分信号６００のいずれか一方或いは両方がリミッタ
等で振幅制限される構成としても、同様の効果を得るこ
とができる。又、微分回路４、９は出力波形が同等であ
ればバンドパスフィルタで構成することもできる。

【００１３】

【発明の効果】以上記述した如く本発明の輪郭補正回路
によれば、輪郭強調した色信号の色相変化部分に生じる
括れ部分を減少させてより自然な色再現性を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の輪郭補正回路の一実施例を示したブロ
ック図。

【図２】図１に示した輪郭補正回路の動作を説明する信
号波形図。

【図３】従来の輪郭補正回路の一例を示したブロック
図。

【図４】図３に示した輪郭補正回路の動作を説明する信
号波形図。

【符号の説明】

１…可変ゲインアンプ ２、７…両波整流
器 ３、８…ロ−パスフィルタ ４、９…微分回路 ５…掛算器 ６…トラップフィ
ルタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送波を変調して成る入力信号のレベル
   を制御することによって前記入力信号の輪郭を補正する
   輪郭補正回路において、前記入力信号の輪郭を検出する
   第１の輪郭検出回路と、前記入力信号の搬送波周波数を
   中心周波数として持ち該入力信号をトラップするトラッ
   プフィルタと、このトラップフィルタを通過した前記入
   力信号の輪郭を検出する第２の輪郭検出回路と、前記第
   １の輪郭検出回路から出力される信号を微分する第１の
   微分回路と、前記第２の輪郭検出回路から出力される信
   号を微分する第２の微分回路と、前記第１の微分回路の
   微分出力と前記第２の微分回路の微分出力とを掛け算す
   る掛け算回路と、この掛け算回路の出力信号に従って前
   記入力信号の増幅ゲインを変化させる可変ゲイン増幅回
   路とを具備したことを特徴とする輪郭補正回路。