JPH0520679A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0520679A
JPH0520679A JP3200030A JP20003091A JPH0520679A JP H0520679 A JPH0520679 A JP H0520679A JP 3200030 A JP3200030 A JP 3200030A JP 20003091 A JP20003091 A JP 20003091A JP H0520679 A JPH0520679 A JP H0520679A
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JP
Japan
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magnetic
tape
layer
magnetic powder
young
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Application number
JP3200030A
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English (en)
Inventor
Shoichi Sugitani
彰一 杉谷
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
Setsuko Kawahara
説子 河原
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Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体1上に、磁性粉を含有する複数の磁性
層2、4を重ねてなるテープ状の磁気記録媒体におい
て、最外層の磁性層4の前記磁性粉が六方晶板状磁性粉
であり、かつ、前記支持体1のテープ長手方向のヤング
率El (Kg/mm2 )とテープ幅方向のヤング率Et (Kg
/mm2 )が、 El ×Et 3 ≧1.5 ×1011〔但し、El は500 〜1400Kg
/mm2 である。〕 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。 【効果】 安定した再生エンベロープと、良好な走行耐
久性を有し、小型で長時間録画再生が可能な薄膜磁気テ
ープに適する磁気記録媒体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテープ状の磁気記録媒体
に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録媒体は益々高性能なものが
指向され、高密度記録が可能な高い電磁変換特性を有す
る磁気ディスク、磁気テープ等の出現が望まれている。
【0003】磁気記録媒体の電磁変換特性及び走行耐久
性を向上するために、従来より、飽和磁化量の大きい磁
性粉の使用、磁性粉の分散性向上、磁性層に関しては、
重層化或は角形比、抗磁力、飽和磁束密度等の向上、更
には表面平滑度の調整等多種の試みがなされて来た。ま
た、とくにビデオテープに関しては、長時間録画を可能
にするため、テープの薄膜化について種々の試みがなさ
れてきた。
【0004】磁気記録媒体の強度を数値によって表すた
めの一手段として、ヤング率を測定する方法がある。従
来から磁気記録媒体は、磁気ヘッドとの接触性、走行耐
久性等を良好にするために、ヤング率がある一定の範囲
に入るように調整されて来た。
【0005】上記ヤング率が低い場合には、磁気記録媒
体が柔軟性を有するため、磁気ヘッドとの接触性が良く
なるが、反対に走行耐久性が悪くなる。一方、ヤング率
が高い場合には媒体が剛性を持つようになるため、耐久
性は良くなるが、反対に磁気ヘッドとの接触性はヘッド
叩き等を発生して悪化する。
【0006】特に、最近の傾向として、磁気記録媒体の
小型化、前記の録画の長時間化に対応して磁気テープは
一層薄膜化する必要に迫られており、そのため、前記の
ヤング率の調整は非常に困難となってきていた。
【0007】即ち、支持体、磁性層等の材質を一定にし
た場合、磁気テープの薄膜化に伴ってヤング率は低下す
る。この結果、再生エンベロープ(再生出力)が不安定
となり、また、テープ走行中にエッジ折れが発生するな
ど走行耐久性にも問題があった。
【0008】更に、磁性層部分のヤング率については、
VHSビデオ用等に適するCo−γ−酸化鉄磁性粉を用
いた場合は問題はなかったが、ハイバンド8mmビデオ、
DAT等に適する六方晶板状磁性粉を用いた場合はヤン
グ率が低下し、走行耐久性が悪くなるという問題があっ
た。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、安定した再生エンベロ
ープと、良好な走行耐久性を有し、小型で長時間録画再
生が可能な薄膜磁気テープに適する磁気記録媒体を提供
することにある。
【0010】
【発明の構成及びその作用効果】本発明は、支持体上
に、磁性粉を含有する複数の磁性層を重ねてなるテープ
状の磁気記録媒体において、最外層の磁性層の前記磁性
粉が六方晶板状磁性粉であり、かつ、前記支持体のテー
プ長手方向のヤング率El (Kg/mm2 )とテープ幅方向
のヤング率Et (Kg/mm2 )が、 El ×Et 3 ≧1.5 ×1011Kg4 /mm8 〔但し、El は50
0 〜1400Kg/mm2 である。〕 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体に係り、特に前
記支持体の厚みが8μm以下の薄膜のテープ状磁気記録
媒体に係るものである。
【0011】本発明者は、磁気テープの小型化、録画の
長時間化のために磁気テープを薄膜にした場合に生じる
ヤング率の低下を、支持体のヤング率をEl×Et 3
1.5×1011Kg4 /mm8 (但し、El は500 〜1400Kg/mm
2 である。)とすることによって改良し、また、最外層
の磁性層(以下、上層という。)に六方晶板状磁性粉を
用いることによって磁気ヘッドとの接触性をも改良し
た。
【0012】従って、上記手段によって得られる本発明
の磁気記録媒体は、再生エンベロープが安定し、かつ、
エッジ折れ等のない信頼性の高いものである。
【0013】本発明に係る支持体は、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリカーボネート等の公知のも
のであり、例えば特開平2−260122号公報の2頁右下6
行目〜3頁左上10行目に挙げられるものである。
【0014】上記支持体の製造は、例えはポリエチレン
テレフタレートを例にとると、特公昭30−5639号公報等
に記載の逐次2軸延伸法によって延伸される。この支持
体のヤング率は、2軸延伸の際の延伸温度、延伸速度を
要因とする、分子或は、結晶の配向度合によって変化す
るが、勿論、原料ポリマーの化学構造、分子量、分子量
分布、分岐性、立体規則性、配向性、結晶性等も重要な
要因である。
【0015】本発明に係る支持体は、上記によって製造
された延伸フィルムの中から、縦方向(即ち、磁気テー
プとして断裁した後にテープ長となる方向)のヤング率
l が500 〜1400Kg/mm2 であり、かつ、横方向(即
ち、磁気テープとして断裁した後にテープ幅となる方
向)のヤング率Et (単位:Kg/mm2 )との間に El ×Et 3 ≧1.5 ×1011Kg4 /mm8 の関係が成り立つものを選択すれば良い。
【0016】上記のEl ×Et 3 が1.5 ×1011に満たな
い支持体は、腰が弱いため、走行中にエッジが折れた
り、貼り付きが生ずる等走行耐久性が悪く、本発明の効
果を発揮することができない。このEl ×Et 3 は1.5
×1011〜3.2 ×1012Kg4 /mm8 であることが好ましく、
1.8 ×1011〜2.7 ×1011Kg4 /mm8 であれば更に好まし
い。
【0017】また、ヤング率El が500 Kg/mm2 未満の
場合は、El ×Et 3 が1.5 ×1011未満の場合と同じく
走行耐久性が悪化し、一方、1400Kg/mm2 を超える場合
はヘッド叩き等のために再生エンベロープが不安定とな
り、いずれも本発明の効果を発揮することができない。
このEl の好ましい範囲は450 〜1300Kg/mm2 である
が、更に好ましくは400 〜1200Kg/mm2 である。
【0018】上記のEl とEl ×Et 3 の関係を図1に
示す。
【0019】更に、本発明においては、特に、支持体の
厚みが8μm以下、更には7.5 μm以下の場合に、走行
耐久性の改善された、安定した再生エンベロープを維持
できる本発明の磁気テープの特質を生かすことができ
る。
【0020】本発明において上層に含有する磁性粉は、
六方晶板状磁性粉である。このような磁性粉としては、
例えばバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト
等があるが、これらの鉄元素の一部は他の元素に置換さ
れていてよい。
【0021】例えばバリウムフェライト(以下、Ba−
フェライトという。)については、次の一般式で表され
るものが好ましく、置換金属としてCo、Ti、Zn、
Ni、Cu、Mg、Nb、Sn、Mnを含有するものが
更に好ましい。 BaO・n(Fe1-m m 2 3 〔但し、式中、MはZn、Co、Ti、Ni、Mn、I
n、Cu、Ge、Nb、Sn、Mg、Sr、Ta、C
r、Mo、W、Zr、Hf、Vから選ばれる少なくとも
1種、好ましくは2種以上の元素であり、mは0〜0.2
、nは5.4 〜11.0の数を表す。〕 Ba−フェライト以外の六方晶板状磁性粉についても、
上の式のBaが、例えばSr等の他の元素に変わったも
のが好ましい。
【0022】上記Ba−フェライトはBET値35m2/g
以上、板状比2〜15、保磁力200 〜2000Oeのものを使
用することが好ましい。また、平均粒径は0.3 μm以下
が好ましく、0.01〜0.3 μmが更に好ましい。平均粒径
が0.3 μmを超えると記録再生時のノイズが著しくなっ
て、高密度記録に適さなくなることがある。
【0023】上記のBa−フェライトを形成するには、
上記各元素の酸化物、炭酸化物を、たとえばホウ酸のよ
うなガラス形成物質とともに溶融し、得られた酸液を急
冷してガラスを形成し、次いでこのガラスを所定温度で
熱処理して目的とするBa−フェライトの結晶粉末を析
出させ、最後にガラス成分を熱処理によって除去するガ
ラス結晶化法が適用可能であり、その他にも、共沈−焼
成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシド法、プ
ラズマジェット法等が適用可能である。
【0024】上層以外の磁性層に用いる磁性粉には制限
がなく、上記の六方晶板状磁性粉の他、Co−γ−Fe
2 3 、Co含有Fe3 4 等の酸化鉄磁性粉、Fe、
Fe−Al、Fe−Al−Ni等の金属磁性粉、その他
CrO2 等の酸化物、窒化鉄、炭化鉄等公知のものを使
用することができるが、中でもCo含有酸化鉄磁性粉が
好ましい。
【0025】この磁性粉はCo含FeOx(但し、1.33
≦x≦1.50である。)で表すことができ、例としてはC
o含有γ−Fe2 3 、Co被着γ−Fe2 3 、Co
含有γ−Fe3 4 、Co被着γ−Fe3 4 、Co含
有磁性FeOx(3/2 >x>4/3 )、等を挙げることが
できる。
【0026】Co含有FeOxは例えば以下の方法によ
って製造される。すなわち、まず公知の方法で硫酸第1
鉄水溶液と苛性ソーダ水溶液から水酸化第1鉄の沈澱を
つくる。コバルト含有FeOxを調製する場合には、上
記の硫酸第1鉄水溶液中に塩化コバルト等の水溶性塩を
加えると良い。また、コバルト以外にもAl、Si、P
等の原子を導入して変性酸化鉄を調製することも可能で
ある。
【0027】次に、上記沈澱液中に空気を吹込みながら
攪拌してゲーサイト(α−FeOOH)とする。これを
水洗乾燥した後、更に焼成炉で脱水還元を行う。この
時、焼成温度及び焼成時間を適宜調整することによっ
て、所望のx値を有するマグネタイト化磁性粉を得るこ
とができる。更に、コバルト被着FeOxを調製するに
は、得られたマグネタイト化磁性粉を、塩化コバルト、
硫酸コバルト等を溶解した水溶液中へ分散し、苛性ソー
ダ水溶液で中和する。これを昇温攪拌後、スラリー状の
酸化鉄を取り出し、水洗、濾過、乾燥する。この場合に
も、Coだけでなく、Al、Si、P等の原子を導入し
て変性酸化鉄を調製することができる。
【0028】本発明の磁性層に用いることのできる結合
剤は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、その他特開平2−154320号公報3頁右上2行
目〜20行目に例示されるものであるが、前記各層に含ま
れる結合剤のうちの少なくとも一種には陰性有機基が導
入されていることが好ましい。
【0029】上記の陰性有機基とは、例えば−COO
M、−SO3 M、−PO(OM′)2 、−OSO3
(但し、Mは水素原子又はアルカリ金属原子であり、
M′は水素原子、アルカリ金属原子又はアルキル基であ
る。)であるが、中でも−COOM、−SO3 M及び−
PO(OM)2 (但し、Mは水素原子、Li、Na又は
Kである。)が磁性粉の分散性を向上し、ひいては媒体
の電磁変換特性及び耐久性を向上する上で好ましい。
【0030】上記各層用の結合剤に含まれる陰性有機基
は、夫々の陰性有機基を有する結合剤に対して0.1 〜8.
0 モル%、更には0.5 〜6.0 モル%含まれることが磁性
粉の分散性を向上させるために好ましい。含有率が0.1
モル%より少ないと分散性が低下し、8.0 モル%より多
いと磁性塗料がゲル化し易くなる。また、重量平均分子
量は好ましくは15,000〜80,000である。結合剤の磁性層
中の含有率は磁性粉100 重量部に対して、5〜40重量部
(好ましくは5〜30重量部)の範囲とする。この場合、
ポリウレタン及び/又はポリエステルと塩化ビニル系樹
脂との比は重量比で通常は100 :0〜30:70(好ましく
は90:10〜40:60)の範囲内とする。
【0031】その他磁性層には必要に応じて、カーボン
ブラック、分散剤、潤滑剤、研磨剤及び帯電防止剤等の
添加剤等を含有させてもよい。
【0032】カーボンブラックは、特に上層の磁性層に
含有させることによって、磁性層の表面性及びBa−フ
ェライトの分散性を改善する効果があり、更に、遮光性
及び導電性も付与される。このようなカーボンブラック
としては窒素吸着法比表面積であるBET値1〜800 m2
/g、平均粒径10〜1000mμ、DBP吸油量10〜400ml
/100gr のものがあり、例として特開平3−63928 号公
報第6頁左下16行目〜同第7頁左上12行目のものが挙げ
られる。
【0033】分散剤としては、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の脂肪
酸やリン酸エステル、アルキルコハクスルホン酸等があ
り、例えば特開平2−189713号公報3頁右上20行目〜3
頁左下9行目に示されるものが挙げられる。
【0034】潤滑剤としては、ブチルステアレートやオ
レイルオレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジ
オレイルアジペート、2−エチルヘキシルパルミテー
ト、ブチルパルミテート、ラウリルオレート等の脂肪酸
エステル、前記の脂肪酸やシリコーンオイルをはじめ、
例えば特開平2−154319号公報の13頁右上14行目〜14頁
左下2行目、特開平2−132639号公報の7頁左上20行目
〜右下1行目に示されるものが挙げられる。
【0035】研磨剤としては、アルミナ、酸化クロム、
α−酸化鉄(ベンガラ)、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸
化ジルコニウム、酸化ケイ素等の他、例えば特開平1−
277322号7頁左上15行目〜右上2行目のものが挙げられ
る。
【0036】帯電防止剤としては、例えば特開平2−13
2639号公報8頁右上4行目〜左下5行目に示されるもの
が挙げられる。
【0037】上記磁性層を形成するための磁性塗料に配
合される溶剤としては、トルエン、キシレン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸
エチル、エチレングリコールモノアセテート等の例えば
特開平1−159828号公報8頁右上1行目〜16行目に示さ
れるものが挙げられる。
【0038】本発明において使用される磁性塗料は、磁
性粉、結合剤、潤滑剤や必要に応じて研磨剤、分散剤、
帯電防止剤等を溶媒中で混練及び分散して製造される。
磁性塗料の混練及び分散に使用される混練分散機の例と
しては、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミ
ル、トロンミル,ペブルミル、コンボルミル、サンドミ
ル、サンドグラインダー、Szegveri アトライター、高
インペラー分散機、高速度衝撃ミル、高速ストーンミ
ル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音
波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニー
ダー、プラネタリーニーダー等が挙げられる。
【0039】なお、上記結合剤の強度及び耐久性を増す
ために混練、分散後に加える硬化剤としては、エポキシ
化合物やポリイソシアネート化合物等例えば特開平2−
132640号公報9頁右上1行目〜右下17行目に示されるも
のが挙げられる。
【0040】本発明の磁気記録媒体、例えば磁気テープ
は、図2に示すように、支持体1の片面に磁性粉を含有
する磁性層2及び4と、また、必要あれば更にオーバー
コート層(図示せず)とがこの順序にそれぞれ積層して
設けられている。
【0041】磁性層4は磁性粉としてBa−フェライト
を含有するものである。下層2は図2に示すような1層
でもよいが、2層或はそれ以上でもよい。
【0042】また必要があれば磁性層と反対の面にバッ
クコート層3を設けてもよく、更に、下層2と支持体1
との間に下引き層(図示せず)を設けたものであっても
よい。また、支持体1にコロナ放電処理を施してもよ
い。
【0043】本発明に係る磁性層の重層構造は、ウエッ
ト・オン・ウエット方式の重層塗布(即ち、下層の磁性
層用塗料が未乾燥のうちに、上層の磁性層用塗料を塗布
すること)により形成することが望ましいが、勿論ウエ
ット・オン・ドライ方式(即ち、下層を乾燥させた後に
上層を塗布すること)、或はその他の方法による形成で
あってもよい。
【0044】磁性層の厚みは、上層で2.5 μm以下で更
には0.05〜2.0 μmが好ましく、また、全ての磁性層の
合計厚さが5.0 μm以下、更には0.1 〜4.5 μmである
ことが好ましい。
【0045】次に、ウエット・オン・ウエット方式によ
る磁気記録媒体の製造法の一例を図3に従って説明す
る。まず供給ロール32から繰出されたフィルム状支持体
1上には、押し出しコータ10、11により、上記した磁性
層2、4用の磁性塗料が塗布される。
【0046】複数の磁性層を、ウエット・オン・ウエッ
ト方式で塗布するための押し出しコーターの一例を図4
に示す。ここにおいて、図4(A)は2基の押し出しコ
ーターを並べて使用する方法であり、図4(B)は押し
出し用スリットは分離されているが、吐出口は一体化し
た例である。また図4(C)は、スリット及び吐出口を
一体化した例である。
【0047】上記の塗布方法において、各塗料は、図示
しないインラインミキサーを通して押し出しコータ10、
11へと供給してよい。押し出しコータ10、11には夫々、
液溜り部13、14が設けられ、各コーターからの塗料をウ
エット・オン・ウエット方式で重ねる。
【0048】このウエット・オン・ウエット方式におけ
る重層塗布においては、下層が湿潤状態のままで下層の
磁性層を塗布するので、下層の表面(即ち、上層との境
界面)が滑らかになるとともに下層の表面性が良好にな
り、かつ、上下層間の接着性も向上する。
【0049】この結果、特に高密度記録のために高出
力、低ノイズの要求される例えば磁気テープとしての要
求性能を満たしたものとなり、更にドロップアウトも低
域することができるため、信頼性も向上する。
【0050】上記ウエット・オン・ウエット方式によっ
て形成される上下層間には、明確な境界が実質的に存在
する場合以外に、一定の厚みで以て、両層の成分が混在
してなる境界領域が存在する場合があるが、こうした領
域を除いた上側及び下側の層を上記の磁性層とするいず
れの場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0051】上記ウエット・オン・ウエット方式によっ
て磁性塗料が形成された後、例えば2000Gauss の前段配
向磁石33により配向され、更に、例えば2000Gauss の後
段配向磁石35を配した乾燥器34に導入され、ここで上下
に配したノズルから熱風を吹き付けて乾燥する。
【0052】次に、乾燥された各塗布層付きの支持体1
はカレンダーロール38の組合わせからなるスーパーカレ
ンダー装置37に導かれ、ここでカレンダー処理された後
に、巻き取りロール39に巻き取られる。
【0053】このようにして得られた磁性フィルムをス
リットして磁気テープを製造する。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに説明
する。成分、割合、操作順序等は、本発明の精神から逸
脱しない範囲において種々変更しうる。なお、下記の例
において「部」はすべて重量部である。
【0055】実施例1〜13、比較例1〜12 〈上層用磁性塗料〉 〔混練部〕 Ba−フェライト(表1参照) 100部 塩化ビニル共重合体(表2参照) 6〃 ポリウレタン樹脂 ( 〃 ) 13〃 カーボンブラック(平均粒径50mμ) 1〃 α−Al2 3 5〃 リン酸エステル(東邦化学工業:RE610 ) 2〃 メチルエチルケトン 適量 トルエン 適量
【0056】 〔希釈用組成〕 シクロヘキサノン 適量 メチルエチルケトン 適量 トルエン 適量 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1〃 脂肪酸エステル 1〃
【0057】 〈下層用磁性塗料〉 〔混練部〕 Co含有酸化鉄(表1参照) 100部 塩ビ系共重合体(表2参照) 10〃 ポリウレタン樹脂( 〃 ) 15〃 カーボンブラック(平均粒径50mμ) 1〃 メチルエチルケトン 適量 トルエン 適量 注) 〔希釈用組成〕は上層と同じである。
【0058】上記を混練し、希釈、分散して得られた上
層用磁性塗料と下層用磁性塗料とに、硬化剤としてそれ
ぞれポリイソシアネート化合物(コロネートL:日本ポ
リウレタン社製)5部を添加した後、ウエット・オン・
ウエット方式により、各ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの上に塗布した(支持体の詳細については、表3
参照)。これを、塗膜が未乾燥であるうちに磁場配向処
理を行い、続いて乾燥を施してからカレンダー表面平滑
化処理を行い、磁性層を形成した。カレンダー条件は、
温度80℃、圧力300Kg /cm2 、C/S(コーティングス
ピード)50m/min とした。
【0059】さらに、下記の組成を有するバックコート
層用塗料を上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの
磁性層と反対側の面に塗布し、乾燥後の膜厚が0.5 μm
であるバックコート層を形成した。 〈バックコート層用塗料〉 カーボンブラック(平均粒径26mμ) 40部 硫酸バリウム(平均粒径300 mμ) 10〃 ニトロセルロース 25〃 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製のN−2301) 25〃 ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製のコロネートL) 10〃 シクロヘキサノン 400〃 メチルエチルケトン 250〃 トルエン 250〃
【0060】各例によって得られた8mmテープ物性を測
定し、表4に示した。また、これらの測定方法を以下に
示す。
【0061】(a)RF出力 640 KHz及び7MHzにおけるRF再生出力を、20℃、65
%で、シバソク製ノイズメータ925 Cによって、8mmビ
デオムービーV900 (ソニー社製)を用いて測定し、リ
ファレンステープに対する値(dB)で表した。このリ
ファレンステープは、実施例の組成においてBa−フェ
ライトの代わりにメタル磁性粉(表1参照)を用い、結
合剤は表2の(i)、(vi)を用い、混練なしで分散し
たものである(他の組成は同じ)。
【0062】(b)クロマS/N カラービデオノイズメーター(Shibasoku 925 D/1)
を用い、ソニー社製「V−900 」の8mmビデオムービー
でリファレンステープに対する値(dB)で表した(信
号の周波数は629 KHz)。
【0063】(c)エンベロープ ソニー社製EV−S1(8mmテープ)を用いて、再生し
た信号のエンベロープをオシロスコープで観察し、RF
エンベロープの最大値と最小値の比をとった。
【0064】(d)走行耐久性 ソニー社製EV−S1(8mmテープ)を用いて、温度40
℃、湿度80%の条件でテープの全長繰り返し走行を100
時間行い、テープのエッジダメージについて次の3段階
に評価した。 ○ : エッジダメージの発生なし。 △ : テープのごく一部にエッジダメージが発生。 × : テープの全長に渡りエッジダメージが発生。
【0065】 表1 磁性粉No. (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) ──────────────────────────────────── 種類 Ba- フ Ba- フ Ba- フ Co- 含 Co-含 Co-含 メタル ェラ ェラ ェラ 有FeOx 有FeOx 有FeOx 磁性粉 イト イト イト x=1.45 x=1.45 x=1.35 含有金属 Co-Ti Co-Ti Co-Ti − − − − -Zn -Zn -Zn 抗磁力(Oe) 1050 1050 1200 770 780 770 1475 BET 値(m2/g) 37 42 37 45 50 45 54 飽和磁化量 62 62 62 75 75 80 120 (emu/g) 板状比 3.5 3.5 3.5 − − − − 平均粒径 (μm) 0.05 0.05 0.05
【0066】 表2 結合剤No. (i) (ii) (iii) (iv) (v) (vi) ──────────────────────────────────── 種類 塩ビ共 塩ビ共 塩ビ共 ポリウ ポリウ ポリウ 重合体 重合体 重合体 レタン レタン レタン 商品名 日本ゼオン 日本ゼ U.C.C 東洋紡績 武田薬品 日本ポリ 400 ×110A オン,MR110 VAGH UR8700 E620 ウレタン, N-2301 陰性有機基 -COOH -SO3K -OH -SO3Na なし なし その他 MEK/TOL の MEK/TOL の 固形分30wt 固形分40wt % 溶液 % 溶液
【0067】 表3 支持体No. 厚さ(μm) El(Kg/mm2) Et(Kg/mm2) El×Et3(Kg4/mm8) ─────────────────────────────────── A 7.7 590 770 2.7×1011 B 7.8 670 720 2.5×1011 C 7.7 1330 1300 2.9×1012 D 4.0 1200 1210 2.1×1012 E 5.0 860 1960 6.5×1012 F 3.5 670 680 2.1×1011 G 9.7 630 650 1.7×1011 H 7.5 550 570 1.0×1011 I 7.5 490 690 1.6×1011 J 7.5 1410 480 1.6×1011 K 10.0 560 580 1.1×1011 L 3.5 520 550 8.7×1010 M 7.7 500 670 1.5×1011 N 7.7 1400 530 2.1×1011 O 7.7 450 720 1.7×1011 P 7.7 1450 480 1.6×1011 Q 8.0 670 730 2.6×1011
【0068】 表4A 実施例 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── 支持体 A A B C D D E 磁性粉 上層 (1) (2) (3) (1) (1) (1) (1) 下層 (4) (4) (4) (5) (6) (4) (4) 結合剤 上層 (ii)/ (i)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (iv) (iv) (iv) (iv) (iv) (v) (iv) 下層 (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (iv) (iv) (iv) (iv) (iv) (iv) (v) 磁性層厚(μm) 上層 0.5 1.0 0.5 0.5 0.5 1.0 0.5 下層 2.5 2.0 2.5 2.5 2.5 2.0 2.5 RF出力(dB) +1.5 +0.8 +1.4 +1.0 +1.3 +1.3 +1.7 クロマS/N(dB) +1.8 +1.5 +1.7 +1.8 +1.8 +1.6 +2.0 エンベロープ(%) 90 92 88 75 77 80 85 走行耐久性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0069】 表4B 実施例 8 9 10 11 12 13 ───────────────────────────────── 支持体 F G G M N Q 磁性粉 上層 (2) (1) (3) (1) (1) (1) 下層 (5) (4) (6) (4) (4) (4) 結合剤 上層 (iii)/ (i)/ (i)/ (iii)/ (ii)/ (ii)/ (iv) (v) (iv) (v) (iv) (iv) 下層 (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (i)/ (i)/ (iv) (iv) (iv) (iv) (iv) (v) 磁性層厚(μm) 上層 0.5 0.5 1.0 0.5 0.5 0.3 下層 2.5 2.5 2.0 2.5 2.5 2.7 RF出力(dB) +0.9 +1.0 +1.4 +1.0 +1.3 +1.3 クロマS/N(dB) +2.1 +2.2 +1.7 +1.8 +1.9 +1.7 エンベロープ(%) 90 90 92 90 88 92 走行耐久性 ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0070】 表4C 比較例 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── 支持体 H H H I J J K 磁性粉 上層 (1) (1) (1) (2) (3) (2) (2) 下層 − (4) (4) (4) (4) − (6) 結合剤 上層 (ii)/ (ii)/ (ii)/ (ii)/ (i)/ (ii)/ (i)/ (iv) (iv) (iv) (v) (iv) (iv) (v) 下層 − (ii)/ (ii)/ (ii)/ (i)/ − (i)/ (iv) (iv) (v) (iv) (v) 磁性層厚(μm) 上層 3.0 1.0 0.5 0.5 0.5 3.0 0.5 下層 − 2.0 2.5 2.5 2.5 − 2.5 RF出力(dB) +1.2 +1.4 +1.4 +0.9 +0.5 +1.5 +0.9 クロマS/N(dB) -1.1 +1.0 +1.1 +0.8 +0.8 -1.9 +0.7 エンベロープ(%) 55 62 65 56 50 60 68 走行耐久性 × △ △ × ○ △ ×
【0071】 表4D 比較例 8 9 10 11 12 ──────────────────────────── 支持体 A L L O P 磁性粉 上層 (3) (3) (1) (1) (2) 下層 − − (5) (6) (5) 結合剤 上層 (ii)/ (i)/ (iii)/ (iii)/ (iii)/ (v) (iv) (v) (iv) (iv) 下層 − − (ii)/ (i)/ (iii)/ (iv) (v) (iv) 磁性層厚(μm) 上層 3.0 3.0 0.5 0.5 0.5 下層 − − 2.5 2.5 2.5 RF出力(dB) +1.5 +1.2 +0.5 +0.6 +0.5 クロマS/N(dB) -1.0 -1.0 +0.3 +0.2 -0.1 エンベロープ(%) 68 36 38 40 39 走行耐久性 × × × × ×
【0072】上記の結果から明らかなように、本発明に
基づく磁気テープは支持体のヤング率が前記の範囲にあ
るものを選定して使用しているため、電磁変換特性が高
く、かつ安定している。また走行耐久性もよく、100 時
間走行後にもエッジ折れ等のトラブルの発生しない優れ
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体の長手方向ヤング率(El )と幅方向の
ヤング率(Et )に関するEl −El ×Et 3線図であ
る。
【図2】重層塗布の磁気記録媒体の断面図の例である。
【図3】磁気記録媒体の製造工程の例である。
【図4】押し出しコータの断面図の例である。
【符号の説明】
1 支持体 2、4、 磁性層 3 バックコート層 10、11 押し出しコータ 13、14 液溜まり部 32 供給ロール 33 前段配向磁石 34 乾燥器 35 後段配向磁石 37 スーパーカレンダー装置 38 カレンダーロール 39 巻取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 説子 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、磁性粉を含有する複数の磁
    性層を重ねてなるテープ状の磁気記録媒体において、最
    外層の磁性層の前記磁性粉が六方晶板状磁性粉であり、
    かつ、前記支持体のテープ長手方向のヤング率El (Kg
    /mm2 )とテープ幅方向のヤング率Et (Kg/mm2
    が、 El ×Et 3 ≧1.5 ×1011Kg4 /mm8 〔但し、El は50
    0 〜1400Kg/mm2 である。〕 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記支持体の厚みが8μm以下である請
    求項1に記載の磁気記録媒体。
JP3200030A 1991-07-15 1991-07-15 磁気記録媒体 Pending JPH0520679A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6600797B1 (en) 1999-12-17 2003-07-29 Hitachi, Ltd. Phase frequency synchronism circuit and optical receiver
US10618694B2 (en) 2015-05-08 2020-04-14 Nissei Asb Machine Co., Ltd. Handle and container with handle

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US6600797B1 (en) 1999-12-17 2003-07-29 Hitachi, Ltd. Phase frequency synchronism circuit and optical receiver
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