JP3033983B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP3033983B2 JP2161524A JP16152490A JP3033983B2 JP 3033983 B2 JP3033983 B2 JP 3033983B2 JP 2161524 A JP2161524 A JP 2161524A JP 16152490 A JP16152490 A JP 16152490A JP 3033983 B2 JP3033983 B2 JP 3033983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記録媒体の製造方法に関し、さらに詳し
くは、優れた電磁変換特性と耐蝕性とを有する磁気記録
媒体の製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 磁気記録媒体の特性を改良するため、磁性層を複数層
に分かち、その最上層に強磁性金属粉を含有させること
が知られている(特開昭64−19524号公報、特願昭64−7
7450号公報、特願昭64−79307号公報等)。
しかしながら、特開昭64−19524号公報に開示された
技術では、電磁変換特性と耐蝕性の改良が十分でなく、
また特願昭64−77450号公報および特願昭64−79307号公
報に開示された技術では、特にクロマ出力などの電磁変
換特性の改良が十分ではなかった。
本発明は上記事情を改善するためになされたものであ
る。
すなわち、本発明の目的は、非磁性支持体上に複数の
磁性層を設ける磁気記録媒体の製造方法において、電磁
変換特性(特にクロマ出力)も耐蝕性も共に優れた磁気
記録媒体の製造方法を提供することにある。
[前記課題を達成するための手段] 前記目的を達成するための本発明は、非磁性支持体上
に、−SO3M、−OSO2M、−COOM、及び−PO(OM1)(O
M2)(ただし、Mは水素原子またはアルカリ金属であ
り、M1およびM2はそれぞれ水素原子、リチウム、カリウ
ム、ナトリウムのいずれかであり、M1とM2とは同一であ
っても相違していても良い。)からなる群より選択され
る少なくとも一種の官能基を導入して変性された変性樹
脂を含有し、保磁力が500〜1200Oeに調製された磁性塗
料を塗布して下層を形成し、 この下層が湿潤状態にあるうちにこの上に、前記変性
樹脂を含有し、強磁性金属粉中のFe原子とAl原子との重
量比が100:0.5〜100:20に調製された磁性塗料を塗布し
て上層を形成した後に、 前記下層及び上層を乾燥することを特徴とする磁気記
録媒体の製造方法である。
−層構成− 本発明によれば磁気記録媒体は、基本的に、非磁性支
持体の表面に複数の磁性層、すなわち二層以上の磁性層
が積層されてなる。
たとえば、磁性層が二層構造である場合を例にとれ
ば、本発明によれば磁気記録媒体は、第1図に示すよう
に非磁性支持体1上に下層2と上層3とからなる磁性層
が積層されてなる。
なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設けられていな
い面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向上や帯電
防止および転写防止などを目的として、バックコート層
1′を設けてもよいし、また磁性層と非磁性支持体との
間には、たとえば接着層などの中間層を設けることもで
きる。
−強磁性金属粉、強磁性粉− 前記各磁性層のうち、上層は強磁性金属粉(Fe−Al
系)に分散せしめてなり、上層以外の磁性層は公知の強
磁性粉を結合剤中に分散せしめてなる。
本発明においては、上層に含有させる強磁性金属粉中
のFe原子とAl原子との重量比が100:0.5〜100:20である
こと、および下層の磁性層の保磁力(Hc)が500〜1,200
Oeであること、が重要である。
この条件を満足することによって、本発明によれば磁
気記録媒体は電磁変換特性と耐蝕性とに優れるという効
果が生じる。
前記重量比が前記範囲から外れると、本発明の効果は
十分に発現しない。
また、下層の磁性層の保磁力が500Oe未満であると、R
F出力やルミS/Nが劣化し、またその保磁力が1,200Oeを
超えると、クロマ出力が十分に向上しない。
前記上層に含有させる強磁性金属粉は、少なくともFe
とAlとを含む合金粉であり、他の成分、たとえばCa、N
i、P、Si、Mnなどの一種以上が含有されていても良
い。
Alが前記重量比で上層に含有されていると、磁性塗料
の分散性、分散安定性が向上し、磁気記録媒体の耐蝕性
が向上する。
さらにAlに加えて、上層にCaが含有されていると、磁
性塗料の分散性、分散安定性はさらに向上し、磁気記録
媒体の電磁変換特性を長期間にわたって高く保持するこ
とができる。
好ましいCaの含有量は、重量比でFe:Caが100:0.1〜10
0:10であり、より好ましくは100:1〜100:7である。
本発明において上層に用いる強磁性金属粉は以下の条
件を満たすことが好ましい。
まず、その保磁力は通常、800〜5,000Oe、好ましくは
1,000〜2,000Oeである。
この場合、保磁力が800Oe未満であると、RF出力、ル
ミS/Nが低下することがあり、また保磁力が5,000Oeを超
えると、通常のヘッドでは記録不能になることがあるの
で好ましくない。
次に、前記強磁性金属粉の比表面積をBET値で表現し
た場合、通常30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上であ
る。
比表面積がこの範囲にあると、高密度記録が可能であ
ってS/N比等に優れた媒体を容易に実現することができ
る。
また、前記強磁性金属粉は、磁気特性である飽和磁化
量(σ)が、通常、100emu/g以上、好ましくは120emu
/g以上である。
この飽和磁化量が100emu/g未満であると、電磁変換特
性が劣化することがある。
一方、前記上層以外の磁性層に含有させる公知の強磁
性粉としては、たとえばCo−γ−FeOx、Co含有γ−Fe2O
3粉末、Co含有Fe3O4粉末、あるいはFe−Al金属粉末、Fe
−Ni金属粉末、Fe−Al−Ca金属粉末、Fe−Al−Ni金属粉
末、Fe−Al−P金属粉末、Fe−Ni−Si−Al金属粉末、Fe
−Ni−Si−Al−Mn金属粉末、Ni−Co金属粉末、Fe−Mn−
Zn金属粉末、Fe−Ni−Zn金属粉末、Fe−Co−Ni−Cr金属
粉末、Fe−Co−Ni−P金属粉末、Co−Ni金属粉末および
Co−P金属粉末等などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのは微細なCo−γ−FeO
x(Xは1.33〜1.5)粉末である。
これらの強磁性粉はそれぞれ一種を用いることができ
るし、二種以上を併用することができる。
本発明において上層以外の磁性層に用いる強磁性粉
は、以下の条件を満たすことが好ましい。
まず、その保磁力は通常、500〜1,200Oe、好ましくは
650〜1,000Oeである。この場合、保磁力が500Oe未満で
あると、RF出力、ルミ/Nが低下することがあり、また保
磁力が1,200Oeを超えると、クロマー出力が十分に向上
しないことがあるので好ましくない。
また、前記強磁性粉の比表面積は、BET値で表現した
場合、通常20〜60m2/g、好ましくは30〜50m2/gである。
比表面積がこの範囲にあると、高密度記録が可能であ
ってS/N比等に優れた媒体を容易に実現することができ
る。
前記強磁性金属粉も強磁性粉も、形状は微細なもので
あれば特に制限はなく、例えば、針状、球状あるいは楕
円体状などのものをいずれも用いることができる。
−結合剤− 本発明では、各磁性層(上層とこれ以外の磁性層)に
含有させる結合剤として、官能基を導入して変性した樹
脂、特に変性塩化ビニル樹脂、変性ポリウレタン系樹脂
(ウレタンエラストマーもこの範疇に含める)、変性ポ
リエステル樹脂を用いる。
前記官能基は−SO3M、−OSO2M、−COOMおよび (ただし式中Mは水素原子またはリチウム、ナトリウム
等のアルカリ金属であり、M1およびM2はそれぞれ水素原
子、リチウム、カリウム、ナトリウムのいずれかであ
り、M1とM2とは同一であっても相違していても良い。)
からなる群より選択される少なくとも一種である。
変性樹脂がこのような官能基を含有していると、変性
樹脂と前記強磁性金属粉、前記強磁性粉とのなじみが向
上し、これらの磁性粉の分散性はさらに改良されるばか
りか、その凝集も防止されるので塗工液の安定性が一層
向上し、ひいては高域から低域までの周波数特性がバラ
ンス良く向上し、電磁変換特性に加えて磁気記録媒体の
耐久性も向上する。
前記変性樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹
脂またはポリエステル樹脂と分子中に陰性官能基および
塩素を有する化合物、たとえば (ただし式中Mは水素原子またはリチウム、ナトリウム
等のアルカリ金属であり、M1およびM2はそれぞれ水素原
子、リチウム、カリウム、ナトリウムのいずれかであ
り、M1とM2とは同一であっても相違していても良い。)
などの化合物とを脱塩酸反応により縮合させて製造する
ことができる。
なお、本発明では、従来から磁気記録媒体の分野で知
られている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、
電子線照射硬化型樹脂またはこれらの混合物を用いるこ
とができるし、あるいはこれらを前記変性樹脂と併用す
ることもできる。
上記熱可塑性樹脂としては、たとえば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−
エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレー
ト)、セルロースダイアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース
等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可塑性樹脂などを
挙げることができる。
前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、たとえ
ばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーとの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、およびポリアミ
ン樹脂などが挙げられる。
前記電子線照射硬化型樹脂としては、たとえば無水マ
レイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキシア
クリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ、ポリエー
テルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポ
リアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポリマー;エー
テルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキ
シアクリルタイプ、燐酸エステルアクリルタイプ、アリ
ールタイプおよびハイドロカーボンタイプ等の多官能モ
ノマーなどが挙げられる。
本発明においては、前記結合剤を1種単独で使用して
も良いし、2種以上を組み合せて使用しても良い。
各磁性層における結合剤の配合量は、前記強磁性金属
粉または強磁性粉100重量部に対し、通常、1〜200重量
部、好ましくは1〜50重量部である。
結合剤の配合量が多すぎると、結果的に強磁性金属粉
や強磁性粉の配合量が少なくなり、磁気記録媒体の記録
密度が低下することがあり、また配合量が少なすぎる
と、各磁性層の強度が低下し、磁気記録媒体の走行耐久
性が低くなることがある。
本発明では、硬化剤として芳香族または脂肪族ポリイ
ソシアネートを前記結合剤と併用することができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、たとえばトリレ
ンジイソシアネート(TDI)およびこれと活性水素化合
物との付加体などがあり、平均分子量100〜3,000の範囲
のものが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえばヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)およびこれと活性水
素化合物との付加体などがあり、平均分子量100〜3000
の範囲のものが好ましく、さらに非脂環式のポリイソシ
アネートおよびこれと活性水素化合物との付加体が好ま
しい。
前記芳香族または脂肪族ポリイソシアネートの添加量
は、前記結合剤に対して重量比で通常1/20〜7/10、好ま
しくは1/10〜1/2である。
−その他の成分− 本発明の磁気記録媒体の製造方法においては、各磁性
層に、必要に応じて、また発明の目的を阻害しないかぎ
りにおいて、潤滑剤、非磁性研磨剤粒子、導電性粉末、
界面活性剤など各種の添加成分を含有させることができ
る。
上記潤滑剤としては、たとえば、シリコーンオイル、
グラファイト、二硫化モリブデン、炭素原子数が12〜20
程度の一塩基性脂肪酸(たとえば、ステアリン酸)と炭
素原子数が3〜26程度の一価のアルコールとからなる脂
肪酸エステルなどを挙げることができる。
上記非磁性研磨材粒子としては、たとえば、アルミナ
[α−Al2O3(コランダム)等]、人造コランダム、溶
融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、ダイヤモンド、
人造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コラ
ンダムと磁鉄鉱)などを挙げることができる。
この研磨材粒子の含有量は、強磁性粉に対して20重量
部以下とするのが好ましく、またその平均粒径は0.5μ
m以下がよく、0.4μm以下がさらによい。
なお、前記潤滑剤および非磁性研磨材粒子を特に上層
に含有させれば、ヘッドとの接触特性(すべり走行性、
耐摩耗性等)を著しく改善することができる。
前記導電性粉末としては、たとえばカーボンブラッ
ク、グラファイト、銀粉、ニッケル粉等が挙げられ、前
記界面活性剤としては天然系、ノニオン系、アニオン
系、カチオン系、両性の界面活性剤を挙げることができ
る。
これらの導電性粉末や界面活性剤を、特に上層に適宜
含有させることにより表面電気抵抗を有効に下げること
ができ、耐電電荷の放電によるノイズの発生や塵埃の付
着によるドロップアウトの発生を防止することができ
る。
なお、本発明では各磁性層の膜厚に特に制約はない
が、各磁性層の合計の厚みは通常、0.1〜5μmの範囲
である。
−非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえば
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチック、Cu、Al、Zn等の金
属、ガラス、窒化ホウ素、Siカーバイド、セラミックな
どを挙げることができる。
前記非磁性支持体の形態は特に制限はなく、主にテー
プ状、フィルム状、シート状、カード状、ディスク状、
ドラム状などがある。
前記非磁性支持体の厚みには特に制約はないが、たと
えばフィルム状やシート状の場合は通常3〜100μm、
好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード状の場
合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコーダー等
に応じて適宜に選択される。
なお、この非磁性支持体は単層構造のものであっても
多層構造のものであってもよい。
また、この非磁性支持体は、たとえば樹脂の下引き層
を設けたり、放電処理等の易接着表面処理を施されたも
のであってもよい。
−磁気記録媒体の製造− 本発明の磁気記録媒体の製造方法には、公知の多層構
造型の磁気記録媒体の製造に適用されるウェット−オン
−ウェット方式に準じて製造することができる。
たとえば、一般的には強磁性金属粉または強磁性粉、
結合剤等の磁性層形成成分を溶媒に混練分散して磁性塗
料を調製した後、この磁性塗料を非磁性支持体の表面に
塗布する。
上記溶媒としては、たとえばアセトン、メチルエチル
ケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シ
クロヘキサノン等のケトン系:メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール系、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチ
レングリコールモノアセテート等のエステル系:ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノ
ール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素:メチレンクロライド、エチレンクロライド四塩化炭
素クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素などを用いることができ
る。
磁性塗料の調製に際しては、前記磁性層形成成分を同
時にまたは個々に混練機に投入する。
たとえば、分散剤を含む溶液中に前記強磁性金属粉ま
たは強磁性粉を加え、所定時間混練りした後、残りの各
成分を加えて、さらに混練りを続けて磁性塗料とする。
磁性層形成成分の混練分散にあたっては、各種の混練
機を使用することができる。
この混練機としては、たとえば二本ロールミル、三本
ロールミル、ボールミル、ペブルミル、サイドグライン
ダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー分散機、
高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパーニーダ
ー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機など
が挙げられる。
塗布方式としては、ウエット−オン−ウエット(wet
−on−wet)方式を採用する。
このウエット−オン−ウエット方式によると、下層が
湿潤状態にあるうちに上層をその上に塗布するので、下
層の表面(界面)が滑らかであって上層の表面性が良好
になり、しかも上層と下層との接着性も十分である。そ
して他の塗布方式に比べて、生産性がすぐれ、かつ上層
を薄膜化するのが容易であると言う利点がある。
磁性塗料の塗布方法としては、たとえばグラビアコー
ティング法、ナイフコーティング法、ワイヤーバーコー
ティング法、ドクターブレードコーティング法、リバー
スロールコーティング法、ディップコーテング法、エア
ーナイフコーテング法、カレンダーコーティング法、ス
キーズコーティング法、キスコーティング法、エクスト
ルージョン法およびファンティンコーテング法などがあ
る。
磁性塗料を非磁性支持体の表面に塗布した後は、一般
に、未乾燥の状態にある塗膜に磁場配向処理を施し、さ
らにスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化
処理を施す。
上記工程の一例を第2図に基いて説明すると、まず、
供給ロール4から繰り出されたフィルム状の非磁性支持
体5は、エクストルージョン方式の押し出しコーター6,
7(それぞれ液溜まり部6a、7aを有する)により下層用
塗料と上層用塗料とをウエット・オン・ウエット方式で
重層塗布されたのち、前段配向磁石8を経て後段配向磁
石9を配した乾燥ゾーン10に導入され、ここで上下に配
されたノズルから熱風を吹き付けられて乾燥される。
こうして乾燥された磁性層を有する非磁性支持体5
は、カレンダーロール11の組み合わせからなるスーパー
カレンダー装置12に導かれ、ここでカレンダー処理され
たのち、巻き取りロール13に巻き取られる。
このようにして得られた原反を所望の形状、寸法に裁
断すると、磁気記録媒体を得ることができる。
[実施例] 次に、実施例と比較例とを挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
なお、以下において「部」は「重量部」を意味する。
(実施例1) 下記の上層用塗料組成物を混練分散して塗料Aを調製
した。
上層用塗料組成物 強磁性金属粉 ……100部 (重量比Fe:Alは100:5、Hc:1580Oe、σs:120emμ/g、
BET値55.5m2/g) スルホン酸カリウム含有塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 ……10部 スルホン酸ナトリウム含有ポリウレタン樹脂……5部 (東洋紡績(株)製、商品名UR−8300部) α−Al2O3(粒径0.2μm) ……5部 カーボンブラック ……1部 ミリスチン酸 ……1部 ステアリン酸 ……1部 ブチルステアレート ……1部 シクロヘキサノン ……100部 メチルエチルケトン ……100部 トルエン ……100部 コロネートL ……5部 (日本ポリウレタン工業(株)製) 次に、上層用塗料組成物中の強磁性金属粉をCo含有磁
性酸化物(Hc:600Oe、BET値30m2/g)に代えたこと以外
は上層用塗料組成物と同じ組成の下層用塗料組成物を混
練分散して塗料Bを調製した。
次に、塗料Aと塗料Bとをウエットオンウエット方式
により、厚み10μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗布、乾燥し、膜厚0.5μmの上層と膜厚2.5μ
mの下層とからなる磁性層を形成した。
続いて、下記組成の塗料Cを上記ポリエチレンテレフ
タレートフィルムの磁性層とは反対側の面に塗布して、
乾燥後の厚みが0.8μmであるバックコート層を形成し
た。
バックコート層用塗料組成物 カーボンブラック(ラベン1035) ……40部 硫酸バリウム(平均粒径300μm) ……10部 ニトロセルロース ……25部 ポリウレタン ……25部 (日本ポリウレタン社製、N−2301) ポリイソシアネート化合物 ……10部 (日本ポリウレタン社製、コロネートL) シクロヘキサノン ……400部 メチルエチルケトン ……250部 トルエン ……250部 こうして得られた原反を8m幅に裁断し、得られた8mm
テープの特性の評価を下記の要領で行なった。
その結果を第1表に示す。
RF−出力およびクロマ出力; シバソク製ノイズメータ925Cを用い、8mmビデオムー
ビV900(ソニー社製)を用いて測定した。
ルミS/N; 試料テープ上にホワイト100%の信号を基準レベルで
入力するとともに、再生ビデオ信号を921D/1[(株)シ
バソク製ノイズメーター]に入力し、得られるノイズ絶
対値よりルミS/Nを読み取る。
クロマS/N; シバソク社製ノイズメーターを使用し、基準テープと
の比較において、クロマ信号における試料テープのS/N
の差を求めた。
耐蝕性(耐環境性); 試料テープの耐環境性テスト後における磁気特性の測
定値(Bm′)に対するテスト前の測定値(Bm)を百分率
で表わしたもの。
なお、耐環境性テストは温度60℃、相対湿度80%の下
で試料テープを7日間放置して行なった。
(実施例2) 実施例1の下層用塗料組成物中のCo含有磁性酸化物を
Hc800Oe、BET値50m2/gのものに代えたこと以外は実施例
1と同様の実験を行なった。
(実施例3) 実施例1の下層用塗料組成物中のCo含有磁性酸化物を
Hc1000Oe、BET値55m2/gのものに代えたこと以外は実施
例1と同様の実験を行なった。
(実施例4) 実施例1において上層用塗料組成物中の強磁性金属粉
のFe:Al重量比を100:2に代えたこと以外は実施例1と同
様の実験を行なった。
(実施例5) 実施例4において上層用塗料組成物中の強磁性金属粉
のFe:Al重量比を100:10に代えたこと以外は実施例1と
同様の実験を行なった。
(実施例6) 実施例4において上層用塗料組成物中の強磁性金属粉
のFe:Al重量比を100:15に代えたこと以外は実施例1と
同様の実験を行なった。
(比較例1) 実施例1の下層用塗料組成物中のCo含有磁性酸化物を
Hc405Oe、BET値30m2/gのものに代えたこと以外は実施例
1と同様の実験を行なった。
(比較例2) 実施例1の下層用塗料組成物中のCo含有磁性酸化物を
Hc1220Oe、BET値57m2/gのものに代えたこと以外は実施
例1と同様の実験を行なった。
(比較例3) 実施例1において、下層用塗料組成物中のCo含有磁性
酸化物を強磁性金属粉(Hc:1545Oe、BET値56m2/g)に代
えたこと以外は実施例1と同様の実験を行なった。
(比較例4) 実施例1において、上層用塗料組成物中の強磁性金属
粉中のFe:Al重量比を100:0.2に代えたこと以外は実施例
1と同様の実験を行なった。
(比較例5) 比較例4における強磁性金属粉中のFe:Al重量比を10
0:25に代えたこと以外は比較例4と同様の実験を行なっ
た。
(比較例6) 実施例1において上層用塗料組成物中の強磁性金属粉
のFe/AlをFe/Niに代えたこと以外は実施例1と同様の実
験を行なった。
(実施例7〜11) 上層の強磁性金属粉の組成、同金属粉の各元素の重量
比および下層のHcをそれぞれ第1表に示すように変えた
こと以外は実施例1と同様にして実験を行なった。
得られた8mテープの特性の評価を同様の要領で行なっ
た。
その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明によると、優れた電磁変換特性と耐蝕性とを有
する磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によって製造される磁気記録媒体の一例
を示す断面図、第2図は磁気記録媒体の製造工程の一例
を示すフローチャートである。 1……非磁性支持体、2……下層、3……上層、4……
供給ロール、5……非磁性支持体、6、7……コータ
ー、8……前段無配向化用磁石、9……後段無配向化用
磁石、10……乾燥器、12……スーパーカレンダー装置、
13……巻き取りロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 伸之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−16604(JP,A) 特開 昭63−171419(JP,A) 特開 平2−87319(JP,A) 特開 平2−107701(JP,A) 特開 昭60−256917(JP,A) 特開 昭58−56231(JP,A) 特開 昭64−19524(JP,A) 特開 昭63−187418(JP,A) 特開 昭63−146211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/716 G11B 5/706 G11B 5/708 G11B 5/842

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、−SO3M、−OSO2M、−C
    OOM、及び−PO(OM1)(OM2)(ただし、Mは水素原子
    またはアルカリ金属であり、M1およびM2はそれぞれ水素
    原子、リチウム、カリウム、ナトリウムのいずれかであ
    り、M1とM2とは同一であっても相違していても良い。)
    からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を導
    入して変性された変性樹脂を含有し、保磁力が500〜120
    0Oeに調製された磁性塗料を塗布して下層を形成し、 この下層が湿潤状態にあるうちにこの上に、前記変性樹
    脂を含有し、強磁性金属粉中のFe原子とAl原子との重量
    比が100:0.5〜100:20に調製された磁性塗料を塗布して
    上層を形成した後に、 前記下層及び上層を乾燥することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
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