JPH0520522A - 硬貨鑑別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、通過するコインによってコイルの
インピーダンスが変化することに基づいてその硬貨の金
種，真贋を鑑別する硬貨鑑別装置において、硬貨がジャ
ンプすることによりコイルに対する通過位置が変動して
誤検出することを防止するためになされた。 【構成】ジャンプするコインは例えば品質が劣悪な贋硬
貨やゲームコインなどが多いことに鑑み、一定以上ジャ
ンプしたものはコイルによる鑑別によらず、ジャンプし
たことにより贋硬貨と判定するようにした。これによ
り、上記贋硬貨やゲームコインなどを的確に鑑別するこ
とが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動取引処理装置や
自動販売機において投入された硬貨の真贋・金種を鑑別
する硬貨鑑別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】投入された硬貨の通路にコイルを設けて
高周波を印加し、振幅レベル，周波数または位相の変動
などに基づいて硬貨の金種や真贋を判定する硬貨鑑別装
置が実用化されている。すなわち、通過する硬貨の大き
さや材質によって磁気抵抗が異なり上記要素の変動量
（測定値）も異なるため、これに基づいて金種や真贋を
判定することができるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記測定値
に基づいて正確な判定を行うためには、一定金種であれ
ば一定量の変動が生じることが不可欠である。また、こ
のためには、通過する硬貨はコイルに対して常に一定の
位置を通過することが必要である。

【０００４】一般的に硬貨通路は硬貨が立った状態で転
がって移動するように構成されているが、硬貨によって
は転がる途中に硬貨が飛び跳ねる（ジャンプする）こと
があった。硬貨がジャンプするとコイルに対する硬貨の
通過位置が変動し、同種の硬貨でも測定値が異なる場合
があった。このため、硬貨の判定にエラーが生じること
があり、硬貨鑑別装置の信頼性を低下させる原因になっ
ていた。

【０００５】ところで、硬貨がジャンプする原因として
は、硬貨のキズ，バリや汚れのため硬貨の周が真円でな
いことがあげられるが、このようなキズ，バリ，汚れ
は、真の日本円の硬貨よりも、粗製の贋硬貨や不良硬貨
の回収があまり行われない外国硬貨やいわゆるゲームコ
インに多いものである。

【０００６】従来は、キズなどが原因でジャンプした贋
硬等をそのジャンプによる誤検出によって真の硬貨と判
定してしまう欠点があった。

【０００７】この発明は、飛び跳ねた硬貨は贋硬貨と判
定することにより上記課題を解決した硬貨鑑別装置を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、硬貨通路に
対向してコイルを設け、このコイルのインダクタンス変
化に基づいて通過した硬貨の真贋・金種を鑑別する硬貨
鑑別装置において、前記硬貨通路に硬貨が通過した位置
を検出する通過位置検出手段と、前記硬貨通路を硬貨が
通過したとき、前記通過位置検出手段が、この硬貨が前
記硬貨通路の底面から一定以上上方を通過したと判定し
た場合には、その硬貨を贋硬貨と判定する手段と、を設
けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明の硬貨鑑別装置は、硬貨が硬貨通路の
どの位置を通過したかを検出する通過位置検出手段と、
通過位置が通路底面から一定以上上方であった場合、す
なわち、硬貨が一定以上ジャンプしていた場合にはその
硬貨が贋硬貨であると判定する手段と、を設けた。ジャ
ンプする硬貨は上述したように贋硬貨等がある確率が極
めて高く、また、真貨であっても傷んだものであるため
贋硬貨と判断することによりより精度の高い硬貨鑑別を
実現することができる。

【００１０】

【実施例】図１はこの発明の実施例である硬貨鑑別装置
の硬貨通路の構成を示す図であり、図２は同硬貨鑑別装
置の制御部のブロック図である。硬貨通路３０には硬貨
の直径を検出するイメージセンサ２３およびインピーダ
ンスの変化により硬貨の大きさや材質を検出するための
コイル（送信コイル１５，受信コイル１６）およびコイ
ル付近に硬貨が通過したことを検出するための光センサ
２７，２８が設けられている。硬貨通路３０は図１に示
すように硬貨３１が立った状態で転がって通過するよう
な形状に構成されており、硬貨３１は同図左から右に向
かって移動する。正常な硬貨であれば同図に示すように
硬貨通路の底面３０ａに沿って移動するが、不良硬貨な
どであると転がっている途中でジャンプし硬貨通路底面
３０ａから離れることがある。

【００１１】前記イメージセンサ２３，コイル１６，光
センサ２８の検出内容はＣＰＵ１０によって判断され
る。ＣＰＵ１０はバス１１を介してＲＯＭ１２，ＲＡＭ
１３，イメージデータ制御回路２０，データ処理回路２
５，コイル駆動回路１４，Ａ／Ｄコンバータ１８，ＬＥ
Ｄ駆動回路２６，アンプ２９と接続されている。ＲＯＭ
１２には各種の動作プログラムや、検出された硬貨の直
径やインピーダンス変化量に基づいて通過した硬貨の金
種を判断するためのテーブルなどが記憶されている。Ｒ
ＡＭ１３には通過したコイルのデータを一時記憶するレ
ジスタなどが設定されている。コイル駆動回路１４には
送信コイル１５が接続されており、このコイルに印加さ
れる高周波の周波数，電圧などを制御する。また、Ａ／
Ｄコンバータ１８には受信コイル１６が受信した高周波
を増幅するアンプ１７が接続されている。Ａ／Ｄコンバ
ータ１８は受信コイル１６が受信した高周波の振幅や周
波数などをディジタルデータに変換してバッファリング
する。このデータは必要なときＣＰＵ１０によって読み
出される。イメージセンサ制御回路２０にはＬＥＤアレ
イ２２を駆動するＬＥＤアレイ駆動回路２１およびイメ
ージセンサ２３が接続されている。イメージセンサ２３
はＣＣＤアレイなどで構成されており、硬貨が通過した
とき、硬貨によってＬＥＤアレイ２２からの光りを遮断
されたセルの数でその硬貨の直径が検出される。イメー
ジセンサ２３の読取データはアンプ２４によって増幅さ
れ、データ処理回路２５に入力される。データ処理回路
２５はイメージセンサ制御回路２０の制御により硬貨３
１の最大径（直径）を検出してバッファリングする。こ
のデータは必要なときＣＰＵ１０によって読み出され
る。

【００１２】ＬＥＤ駆動回路２６にはＬＥＤ２７が接続
されいてる。ＬＥＤ２７はフォトダイオードなどで構成
されている光センサ２８と硬貨通路３０を隔てて対向し
ている。光センサ２８は図１に示すようにコイル１５，
１６の近傍に設けられているため、この光センサが硬貨
を検出したとき受信コイル１６の振幅変化などを検出す
る。光センサ２８はアンプ２９に接続されており、この
アンプ２９の出力に基づいて硬貨の通過が判断される。
アンプ２９は所謂コンパレータであり、光センサの出力
がしきい値よりも低くなれば硬貨が通過していると判断
される。

【００１３】ＣＰＵ１０は硬貨３１が通過したとき、ま
ずイメージセンサ２３によってその直径を検出し、次に
光センサ２８が硬貨を検知したときコイル１５，１６の
インピーダンス変化によってその硬貨の大きさや材質を
検出する。これらの情報に基づいてその硬貨の金種およ
び真贋を鑑別する。

【００１４】図３は前記ＣＰＵ１０の動作を示すフロー
チャートである。この動作は硬貨がコイル１５，１６の
部分を通過したときの動作のみを示している。光センサ
２７，２８によって硬貨の通過が検出されるとイメージ
センサ２３によって捕らえられた硬貨３１の通過位置に
基づいて硬貨３１がジャンプしているか否かを判断す
る。硬貨がジャンプしているか否かは硬貨３１の映像の
下端が硬貨通路３０の底面３０ａからどれだけ離れてい
るかによって検出することができる。この距離がしきい
値（３ｍｍ程度に設定される）よりも大きければ硬貨３
１は不当にジャンプしているため贋硬貨と判定して（ｎ
４）動作を終える。これによって、品質の悪い偽造硬貨
やゲームコインなどを的確に鑑別することが可能にな
る。一方、ジャンプが検出されなかった場合にはｎ３に
おいてイメージセンサが検出した直径およびコイル１６
によって検出されたインダクタンス変化量などに基づい
てその硬貨の金種などを鑑別する。

【００１５】図４はこの発明の他の実施例の構成を示す
図である。この実施例において図１に示した実施例と同
一構成の部分は同一番号を付して説明を省略する。この
発明においてはイメージセンサ２３によって硬貨のジャ
ンプを検出するのではなく、コイル１５，１６付近に新
たにジャンプセンサ３５を設けている。コイル１５，１
６は硬貨３１の中心付近が通過する高さに設けられてお
り、通過センサ２７，２８はコイルよりもやや底面３０
ａ寄りに設けられている。一方、ジャンプセンサ３５は
通過センサ２７，２８よりも底面３０ａに近く、通路底
面３０ａから約３ｍｍ上方に設けられている。通過セン
サ２７，２８から硬貨を検出しているにも拘わらずジャ
ンプセンサ３５が硬貨を検出しなかった場合その硬貨は
ジャンプしていると判断することができる。すなわち、
図５のグラフにおいて、ジャンプセンサの出力が（Ｃ）
の形状となった場合には硬貨はジャンプせずに正常に通
過しているが、（Ｄ）のように全く検出パルスが出力さ
れなかった場合には硬貨はジャンプしていると判断され
贋硬貨と鑑別される。

【００１６】この実施例においても、ＣＰＵは図４のフ
ローチャートと同様の動作で鑑別処理を実行することが
できる。この場合、ｎ２のジャンプ検出がこのジャンプ
センサ３５の検出値に基づいて行われる。

【００１７】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、硬貨が
一定以上ジャンプしたとき、その硬貨を贋硬貨と判定す
るようにしたことにより、コイルによる検出精度の低下
を防止することができ、また品質の劣悪な贋硬貨やゲー
ムコインを的確に鑑別することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例である硬貨鑑別装置の硬貨通
路付近の構成図

【図２】同硬貨鑑別装置のブロック図

【図３】同硬貨鑑別装置の制御部の動作を示すフローチ
ャート

【図４】この発明の他の実施例を示す図

【図５】同硬貨鑑別装置における各検出波形を示す図

【符号の説明】

１５−送信コイル、１６−受信コイル、２３−イメージ
センサ、３０ａ−硬貨通路底面、３５−ジャンプセン
サ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 硬貨が転がって通過する硬貨通路に対向
   してコイルを設け、このコイルのインダクタンス変化に
   基づいて通過した硬貨の真贋，金種を鑑別する硬貨鑑別
   装置において、 前記硬貨通路に硬貨が通過した位置を検出する通過位置
   検出手段と、 前記硬貨通路を硬貨が通過したとき、前記通過位置検出
   手段が、この硬貨が前記硬貨通路の底面から一定以上上
   方を通過したと判定した場合には、その硬貨を贋硬貨と
   判定する手段と、 を設けたことを特徴とする硬貨鑑別装置。