JPH05201544A

JPH05201544A - 積み重ね式貨物保管庫

Info

Publication number: JPH05201544A
Application number: JP1228692A
Authority: JP
Inventors: Kunio Miyazaki; 邦雄宮崎; Hideo Ishikawa; 日出男石川; Masahiro Ueki; 雅洋植木
Original assignee: Kongo Co Ltd
Current assignee: Kongo Co Ltd
Priority date: 1992-01-27
Filing date: 1992-01-27
Publication date: 1993-08-10

Abstract

(57)【要約】【目的】低所での貨物の積み重ね保管作業ができるとと
もに、貨物の先入れや先出しが可能で、単位面積当りの
保管能力が大きい積み重ね式貨物保管庫を提供する。【構成】格納ガイド枠体５の入庫室５Ａに入庫してリフ
ター２の載置台２Ａ上に載置した貨物１を、リフター２
の載置台昇降機構２Ｂにより、格納ガイド枠体５の保管
室５Ｂ内に押し上げて、貨物支持装置３の貨物支持爪３
Ａに係合させて保管し、この保管した貨物１の下方に、
他の貨物１を順次入庫して押し上げ、複数の貨物１を保
管室Ｂ内に順次所定の間隙を保って積み重ねて保管す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、物品が収納されたパレ
ットまたはコンテナを積み重ねて保管するための積み重
ね式貨物保管庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の貨物の保管方法としては、一般的
に、パレットまたはコンテナに物品を収納し、このパレ
ットまたはコンテナを積み重ねて保管する方式が採られ
ている。この保管方式では、通常、パレットまたはコン
テナの積み重ねや取り出しが、リフトトラック等の揚重
機を使用して、その上方より行なわれている。このた
め、この従来の貨物保管方式では、揚重機の揚程によっ
て、パレットまたはコンテナの積み重ね高さが、比較的
低い高さに制約されてしまうとともに、この揚重機の運
搬通路を確保する必要があるため、単位面積当りの保管
能力が小さく、また、先に積み重ねたパレットまたはコ
ンテナを先に取り出す、「貨物の先入れ先出し」が不可
能となる等の問題点があった。従って、このような従来
の貨物保管方式は、あくまでも、少量の貨物の仮置き等
を目的としており、本格的な倉庫保管方式としては殆ど
活用されていない。

【０００３】一方、現在の貨物保管倉庫としては、大型
貨物の場合には、パレットラックを利用した自立または
移動ラックと、スタッカークレーン等を具備した自動倉
庫が使用され、小型貨物の場合には、貨物を収納したパ
レットまたはコンテナを移動させる回転ラック等が使用
されている。しかしながら、このような貨物保管倉庫の
場合には、その設備が非常に大掛かりになるため、その
設置に膨大な費用を必要とする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、この種の貨物の保管方式としては、揚程の小さな
揚重機により、比較的低い位置での貨物の積み重ね保管
作業ができ、また、積み重ねられた貨物を、必要に応じ
てその上方または下方から、取り出せることが望まし
い。また、この種の保管庫としては、従来のラックを利
用した保管倉庫と同等もしくはそれ以上の貨物を集積で
きる、大容量の保管倉庫として活用でき、しかも、あま
り大掛かりな設備を必要とせず設置コストが安価である
ことが望ましい。本発明は、上述の点に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、低所での貨物の積み重ね保
管作業ができるとともに、貨物の先入れや先出しが可能
で、単位面積当りの保管能力が大きい積み重ね式貨物保
管庫を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上述の課題を解決するために、物品を収納するための容
積を有し所定の間隙を保って積み重ね自在に形成された
パレットまたはコンテナと、複数個のパレットまたはコ
ンテナを積み重ねた状態で格納できる大きに形成された
保管室およびこの保管室の下方に位置して少なくとも１
個分のパレットまたはコンテナを入庫できる広さに形成
された入庫室を有する格納ガイド枠体と、上記入庫室に
入庫されたパレットまたはコンテナが載置される載置台
およびこの載置台を上記入庫室の底部から上記保管室の
底部の間で昇降させる載置台昇降機構からなるリフター
と、上記載置台の上昇によって上記保管室に押し上げら
れたパレットまたはコンテナに貨物支持爪を係合させて
このパレットまたはコンテナを上記保管室内に支持する
貨物支持装置とを具備する構成とする。

【０００６】また、請求項２記載の発明は、上述の課題
を解決するために、上記格納ガイド枠体の上部に、この
格納ガイド枠体内に格納されたパレットまたはコンテナ
を出庫するための開口部を形成し、この開口部を通し
て、上記格納ガイド枠体内に格納されている最上位のパ
レットまたはコンテナを、天井走行型クレーンによって
出庫する構成とする。

【０００７】さらに、請求項３記載の発明は、上述の課
題を解決するために、上記貨物支持装置の貨物支持爪を
上記パレットまたはコンテナに対して係脱自在に構成す
るとともに、上記保管室に格納された最下位のパレット
またはコンテナを上記載置台上に載置させた状態で、上
記貨物支持爪のパレットまたはコンテナとの係合を解除
し、上記リフターによりこの最下位のパレットまたはコ
ンテナを上記入庫室内に下降させた状態で、この最下位
のパレットまたはコンテナの上位のパレットまたはコン
テナを上記貨物支持爪により上記保管室内に支持して、
上記入庫室内に下降された最下位のパレットまたはコン
テナを出庫する構成とする。

【０００８】また、請求項４記載の発明は、上述の課題
を解決するために、複数の上記格納ガイド枠体を、互い
に連結した状態で並列に配置するとともに、これらの各
格納ガイド枠体のそれぞれの入庫室に対して、少なくと
も１台の上記リフターを移動自在にした構成とする。

【０００９】

【作用】請求項１記載の発明によれば、上記格納ガイド
枠体の入庫室に入庫されて上記リフターの載置台上に載
置されたパレットまたはコンテナが、上記リフターの載
置台昇降機構により、上記格納ガイド枠体の保管室内に
押し上げられることによって、このパレットまたはコン
テナに上記貨物支持装置の貨物支持爪が係合し、このパ
レットまたはコンテナが上記格納ガイド枠体の入庫室内
に保管される。さらに、この保管されたパレットまたは
コンテナの下方に、他のパレットまたはコンテナを上記
と同様に順次入庫して押し上げることにより、複数のパ
レットまたはコンテナが上記格納ガイド枠体の保管室内
に順次所定の間隙を保って積み重ねられて保管される。

【００１０】また、請求項２記載の発明によれば、上記
格納ガイド枠体の上部に形成された開口部を通して、上
記格納ガイド枠体内に格納されている最上位のパレット
またはコンテナが、天井走行型クレーンによって出庫さ
れる。

【００１１】さらに、請求項３記載の発明によれば、上
記保管室に格納された最下位のパレットまたはコンテナ
が上記載置台上に載置された状態で、上記パレットまた
はコンテナに対して係脱自在に構成された上記貨物支持
装置の貨物支持爪とパレットまたはコンテナとの係合が
解除され、上記リフターによりこの最下位のパレットま
たはコンテナが上記入庫室内に下降された状態で、この
最下位のパレットまたはコンテナの上位のパレットまた
はコンテナが上記貨物支持爪により上記保管室内に支持
されることによって、上記入庫室内に下降された最下位
のパレットまたはコンテナが出庫される。

【００１２】また、請求項４記載の発明によれば、互い
に連結した状態で並列に配置された複数の上記格納ガイ
ド枠体のそれぞれの入庫室に対して、少なくとも１台の
上記リフターが移動される。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を図によって詳細に
説明する。但し、この明細書の記述から明らかに想起し
得る範囲の構成・作用、及びこの発明の前記並びにその
他の目的と新規な特徴については、説明の煩雑化を避け
る上から、その図示並びに開示を省略、もしくは簡略化
する。

【００１４】先ず、本発明による積み重ね式貨物保管庫
の概要について説明する。本発明による積み重ね式貨物
保管庫は、物品の収納されたパレットまたはコンテナ
（以下これを貨物という）を押し上げて保管室内に支持
し、この貨物の下方に新たな貨物を順次挿入して、上記
保管室内に複数の貨物を積み重ねて保管することを特徴
としている。ここで、積み重ねられた貨物の下方に、新
たな貨物を挿入するためには、上位の貨物の下方に、次
の貨物を挿入し得るに足る挿入空間を設ける必要があ
る。

【００１５】そこで、本実施例では、図１に示すよう
に、貨物１の高さよりも十分に高い位置まで、リフター
２で貨物１を押し上げ、この押し上げられた貨物１が僅
かに下降したレベルで、この貨物１を貨物支持装置３で
支持することにより、この貨物支持装置３により支持さ
れた貨物１の底面と、最下降レベルでのリフター２の上
面とで形成された空間（入庫室５Ａ）を利用して、貨物
１の下方に、新たな貨物を順次挿入（入庫）しながら、
この入庫室５Ａの上方に形成した保管室５Ｂ内に、複数
の貨物を積み重ねて保管するように構成する。

【００１６】このようにして積み重ねて保管された貨物
を保管室５Ｂから取り出す方法には、保管室５Ｂに積み
重ねられた貨物の上段側から取り出す方法と、保管室５
Ｂに積み重ねられた貨物の下段側から取り出す方法と
の、２通りの方法がある。これらの貨物取り出し方法の
うち、前者の方法では、先に入庫した貨物を先に取り出
す「貨物の先入れ先出し」が可能であり、この場合に
は、天井走行型クレーン６により、保管室５Ｂの最上段
に保管されている貨物から取り出しを行なう。また、こ
の場合には、図示のようなマグネットロードセル６ａ、
または自動着脱可能なフックを利用して、保管室５Ｂの
上段での貨物の取り出し作業を簡易化もしくは自動的に
行なう方法を採る。

【００１７】一方、上記後者の貨物取り出し方法では、
「貨物の先入れ先出し」は不可能となるも、リフター２
の昇降操作のみで貨物の出し入れを行なうことができる
ので、保管庫の構造が簡素化され、設備コストの面で有
利となる。この場合には、最下段の貨物に対して、その
上部に積み重ねられた他の貨物の荷重が加わらないよう
にするために、この最下段の貨物と２段目以上の貨物と
を分離する必要がある。そこで、この貨物取り出し方法
の場合には、図５または図９に示す実施例（詳しくは後
述する）のように、貨物の出庫に際して、先ず、リフタ
ー２により全ての貨物を載置して、貨物支持装置３によ
る最下段の貨物の支持を解除し、この後、リフター２を
下降してこの最下段の貨物を定位置まで下降させた状態
で、貨物支持装置３により２段目の貨物を支持するよう
に構成する。

【００１８】ところで、上述のように、複数の貨物を上
下方向に積み重ねた場合には、貨物の荷崩れを防止する
必要がある。そこで、本実施例では、この荷崩れを防止
する方法として、図１並びに図７，図８，図９に示すよ
うに、貨物１の積載面が常に水平状態を維持するよう
に、貨物１が載置されるリフター２の載置台２Ａ、およ
びこの載置台２Ａを昇降させる載置台昇降機構２Ｂを構
成するとともに、貨物１の各側面を昇降自在にガイドす
る荷崩れ防止用の格納ガイド枠体５によって、前記の入
庫室５Ａおよび保管室５Ｂを形成する。

【００１９】また、この保管庫は、複数の上記の格納ガ
イド枠体５を、互いに連結して並列に配置することによ
り、多数の保管室を密集させて形成した集密型の保管庫
を実現できる。このような集密型の保管庫を構成する場
合には、図６に示すように、貨物１の荷崩れを防止する
ための互いに隣接した格納ガイド枠体５のガイド棒５ａ
およびステー５ｂが、隣接した各格納ガイド枠体５のガ
イド棒およびステーをそれぞれ兼用する構成とするとと
もに、各格納ガイド枠体５の各入庫室５Ａに対して、少
なくとも１台のリフター２が選択的に出入りできるよう
に、リフター５Ａを各入庫室間で移動自在に構成する。
これにより、保管庫の軽量化および簡素化を図ることが
可能となるとともに、各格納ガイド枠体５に対する貨物
１の出し入れが可能となることはもとより、各格納ガイ
ド枠体間で貨物１を移動させることが可能となる。

【００２０】さらに、この保管庫は、上記の集密型の保
管庫を多数配列して、大規模な保管倉庫を構成すること
もできる。このような大規模保管倉庫を構成した場合に
は、各入庫室間へのリフター２の移動や貨物昇降動作、
および、各保管室への天井走行クレーン６の移動や貨物
の取り出し動作を、自動制御装置で集中制御して、貨物
１の種類や保管位置を集中管理することによって、全自
動集密型積み重ね式保管倉庫システムを実現することが
可能となる。

【００２１】以下、図示の実施例について、その構成並
びに動作等を詳細に説明する。図１に示す保管庫は、格
納ガイド枠体５の下方の入庫室５Ａに入庫した貨物１を
リフター２で押し上げて保管室５Ｂ内に積み重ねて保管
し、必要に応じて、天井走行型クレーン６を使用して、
保管室５Ｂの上方より、最上位の貨物から順次取り出す
ように構成した、「貨物の先入れ先出し」の可能な請求
項２記載の発明の実施例である。この第１の実施例の保
管庫は、基本的に、物品（図示せず）を収納するための
容積を有し所定の間隙（パレットまたはコンテナの下部
に形成もしくは配設された脚部１ａによって他の貨物１
との間に確保される間隙ｔ）を保って積み重ね自在に形
成された貨物１を複数個積み重ねた状態で格納できる大
きに形成された保管室５Ｂ、および、この保管室５Ｂの
下方に位置して少なくとも１個分の貨物１を入庫できる
広さに形成された入庫室５Ａを有する格納ガイド枠体５
と、入庫室５Ａに入庫された貨物１が載置される載置台
２Ａ、および、この載置台２Ａを入庫室５Ａの底部から
保管室５Ｂの底部の間で昇降させる載置台昇降機構２Ｂ
からなるリフター２と、載置台２Ａの上昇によって保管
室５Ｂに押し上げられた貨物１に貨物支持爪３Ａを係合
させてこの貨物１を保管室５Ｂ内に支持する貨物支持装
置３とを具備しており、格納ガイド枠体５の入庫室５Ａ
に入庫されてリフター２の載置台２Ａ上に載置された貨
物１が、リフター２の載置台昇降機構２Ｂにより、格納
ガイド枠体５の保管室５Ｂ内に押し上げられることによ
って、この貨物１に上記の間隙ｔを通して貨物支持装置
３の貨物支持爪３Ａが係合し、この貨物１が格納ガイド
枠体５の入庫室５Ｂ内に保管される。そして、この保管
された貨物１の下方に、他の貨物１を上記と同様に順次
入庫して押し上げることにより、複数の貨物１が格納ガ
イド枠体５の保管室５Ｂ内に順次所定の間隙を保って積
み重ねられて保管されるように構成されている。

【００２２】すなわち、この第１の実施例では、先ず、
図１（ａ）に示すように、リフター２が下降された状態
で、入庫室５Ａに貨物１を入庫して、リフター２上に貨
物１を載置する。次いで、図１（ｂ）に示すように、リ
フター２を上昇し、入庫した貨物１の上部（パレットの
天板）で、保管室５Ｂ内に保管されている上段の貨物の
下部（パレットの脚部１ａ）を押し上げて、上段の貨物
および入庫した貨物をともに押し上げる。これにより、
貨物支持装置３にかかる負荷（保管室５Ｂ内に保管され
ている上段の貨物の重量）が解除され、貨物支持装置３
の貨物支持爪３Ａが、貨物１の上部両隅並びに両側面に
よって、その支軸３ａを中心に回動される。この状態
で、リフター２により入庫した貨物１をさらに押し上
げ、図１（ｃ）に示すように、この入庫した貨物１の底
部が、貨物支持装置３の貨物支持爪３Ａの端部より上方
に達すると、この貨物支持装置３の貨物支持爪３Ａが、
その支軸３ａを中心に貨物１の昇降経路内に延出する位
置に回動され、上段の貨物および入庫した貨物の荷重を
受ける位置にセットされる。この図１（ｃ）に示す状態
で、リフター２の上昇は停止され、リフター２が元位置
に向けて下降される。これにより、このリフター２とと
もに下降する最下段の貨物の底部に貨物支持装置３の貨
物支持爪３Ａが係合し、上段の貨物および入庫した貨物
が保管室５Ｂ内に保管される。この後、リフター２は、
次の貨物の入庫を可能にすべく、図１（ａ）に示す位置
に復帰されて停止される。以下、必要に応じて、上記の
操作が繰り返されることによって、保管室５Ｂ内に所定
の量の貨物が積み重ねられて保管される。この第１の実
施例において貨物１を取り出す場合は、格納ガイド枠体
５の上方に形成された保管室５Ｂの開口部５Ｃを通し
て、天井走行クレーン６に配置されたマグネットロード
セル６ａにより最上段の貨物を吸着して出庫する。

【００２３】ところで、本発明の実施例の各構成部材
は、次のように構成される。リフター２は、油圧式のテ
ーブルリフターで構成されており、その昇降時のストロ
ークが、入庫室５Ａの床面から貨物支持装置３の貨物支
持爪３Ａのレベル以上に設定されており、入庫される貨
物の挿入空間を十分に取れるように設定されている。ま
た、このリフター２の許容積載荷重は、保管室５Ｂに保
管可能な貨物の総重量に十分耐えられるように設定され
ている。ここで、上記の第１の実施例における貨物の昇
降手段としては、入庫室５Ａの床部に組付けられたリフ
ター２を使用しているが、このリフターに替えて、リフ
トトラックを使用することもできる。

【００２４】貨物支持装置３は、図２および図３に示す
ように、溝型鋼を組み合わせて保管可能な貨物１の荷重
を受ける強度を確保するように構成された貨物支持爪支
持台３Ｂの上部に、支軸３ａを中心に回転可能に軸支さ
れた貨物支持爪３Ａ配設して構成されている。ここで、
貨物支持爪３Ａは、前述したように、貨物１の上部両隅
並びに両側面によって、その支軸３ａを中心に回動され
る。従って、この貨物支持爪３Ａは、支軸３ａのセンタ
ーから貨物１（パレット）の側面までの距離ａと、パレ
ットの脚部１ａの高さによって形成される、上段の貨物
の下面と入庫された貨物の上面との間の離間距離ｂとに
基づいて、その回転時に、貨物支持爪端部が上段の貨物
に干渉しないような断面形状に形成されている。また、
この貨物支持装置３には、貨物支持爪３Ａがフリー状態
になったときに、図２に実線で示すように、貨物１の下
面と係合する位置に貨物支持爪３Ａの回動位置を確実に
復帰させる方向への回動習性を与えるためのバネ３ｂが
配設されている。さらに、この貨物支持装置３には、図
２に実線で示すように、貨物支持爪３Ａが貨物１の下面
を支持した状態で貨物支持爪３Ａの基部に係合して、貨
物１の荷重による貨物支持爪３Ａの盲動を阻止するため
のストッパー３ｃが設けられている。また、この貨物支
持装置３の貨物支持爪支持台３Ｂには、貨物１の上昇時
の位置を規制するための位置規制ローラ３ｄが配設され
ている。上記のように構成された貨物支持装置３は、格
納ガイド枠体５の下部の四隅にそれぞれ配置されて、こ
の格納ガイド枠体５内に挿入された貨物１の下面の四隅
を支持する。

【００２５】格納ガイド枠体５は、上記のように、貨物
支持装置３の上部に設けられており、前記のように積み
重ねられて保管される貨物１の昇降時における荷崩れを
防止するための部材である。すなわち、この格納ガイド
枠体５は、図１および図２に示すように、積み重ねられ
た貨物の前後左右の側面の位置に沿って、上下方向に互
いに平行に配置された複数のガイド棒５ａ（パイプ）を
ステー５ｂで繋ぎ合わせせて構成されている。ここで、
この格納ガイド枠体５は、これに掛る負荷が貨物１の荷
重に比較して極めて小さいので、比較的低強度の部材で
構成することができ、装置コストを低減できる。

【００２６】図４は、上記の実施例で使用される積み重
ね式パレット（貨物１）の一例である。このパレット
は、その上部に積み重ねられる他のパレットの荷重に耐
え得るように、その天板１ｂ，底板１ｃ，支柱１ｄ等が
十分な強度を有する部材で構成されており、その底板１
ｃには、前記のように、他のパレットとの間に所定の間
隙を形成するための脚部１ａが配設されている。また、
このパレットは、パレット自体の重量を低減させるため
に、その側面がメッシュで形成されている。また、この
パレットの少なくとも１つの側面は、開閉自在に構成さ
れており、この側面を通して、物品の出し入れが行なわ
れる。さらに、この実施例に使用されるパレットは、天
井走行クレーン６に配置されたマグネットロードセル６
ａへの吸引を可能とするために、少なくともその天板１
ｂが磁性体で構成されている。ここで、マグネットロー
ドセル６ａは、少なくとも１個のパレットの荷重を吊り
上げることのできる吸引能力を有した通常のもので構成
されている。なお、パレットの取り出しを行なう手段と
しては、上記のマグネットロードセルに替えて、真空吸
引式のロードセルや脱着遠隔操作の可能な自在フックを
使用してもよい。

【００２７】ところで、前述したように、請求項３記載
の発明によれば、保管室５Ｂに格納された最下位の貨物
が載置台２Ａ上に載置された状態で、この最下段の貨物
に対して係脱自在に構成した貨物支持装置３の貨物支持
爪３Ａと貨物との係合を解除し、リフター２によりこの
最下段の貨物を入庫室５Ａ内に下降させた状態で、この
最下段の貨物の上位の他の貨物を貨物支持爪３Ａにより
保管室５Ｂ内に支持させることによって、入庫室５Ａ内
に下降させた最下位の貨物を入庫室５Ａから出庫させる
ことができる。

【００２８】このように、装置下部の入庫室５Ａからの
貨物１の出し入れを可能にした第２の実施例を以下に示
す。この第２の実施例は、貨物支持装置３の貨物支持爪
３Ａと貨物との係合が適時解除できるように構成され
る。すなわち、この実施例では、図５に示すように、貨
物支持爪支持台３Ｂの支柱に配置された貨物支持装置３
が、貨物支持爪３Ａ，支軸３ａ，爪押し上げ部材３ｅ，
押し上げ部材作動レバー３ｆ，爪規制ストッパー３等で
構成されている。

【００２９】この実施例の貨物支持爪３Ａは、前記実施
例のそれと同様に、支軸３ａのセンターから貨物１（パ
レット）の側面までの距離ａと、パレットの脚部１ａの
高さによって形成される、上段の貨物の下面と入庫され
た貨物の上面との間の離間距離ｂとに基づいて、その回
転時に、貨物支持爪端部が上段の貨物に干渉しないよう
な断面形状に形成されている。また、支軸３ａと貨物支
持爪３Ａの軸穴３ｈとは、図５（ｄ）に示すように、リ
フター２の載置台２Ａによって貨物支持爪３Ａが上方の
爪規制ストッパー３ｇに当接する位置に回動された状態
で、貨物支持爪３Ａが支軸３ａに対して破線で示す位置
に変位してロックされるように、それぞれ矩形状に形成
されている。爪押し上げ部材３ｅは、押し上げ部材作動
レバー３ｆを介して、支軸３ａと貨物支持爪３Ａとのロ
ック状態を解除するための手段であって、回転ねじ機構
３ｉによりその長さが調整できるように構成されるとと
もに、ガイド部材３ｊによって垂直方向に駆動されるよ
うに規制されている。押し上げ部材作動レバー３ｆは、
一端が爪押し上げ部材３ｅの下端に揺動自在に嵌合さ
れ、他端がリフター２の載置台２Ａの昇降経路内に延出
するように、揺動自在に軸支されている。爪規制ストッ
パー３ｇは、貨物支持爪３Ａの回動範囲を規制する手段
であって、特に、下方の爪規制ストッパー３ｇは、積み
重ねられたパレットの荷重に十分耐え得る強度を有して
いる。

【００３０】図５（ａ）乃至（ｄ）は、貨物支持爪３Ａ
によって支持されて保管されている最下段の貨物１を出
庫させるべく、リフター２の載置台２Ａを上昇させて、
この載置台２Ａ上に最下段の貨物１を載置させた状態を
示している。すなわち、先ず、図５（ａ）および（ｂ）
に示すように、リフター２の載置台２Ａが上昇すること
によって、最下段の貨物１の脚部１ａがこのリフター２
の載置台２Ａ上に載置され、貨物支持爪３Ａが受けてい
た貨物１の荷重が除去され、貨物支持爪３Ａがフリー状
態になる。次いで、図５（ｃ）に示すように、リフター
２の載置台２Ａが更に上昇することにより、この載置台
２Ａの上昇力によって、貨物支持爪３Ａが貨物１から退
避する方向に回動される。そして、図５（ｄ）に示すよ
うに、リフター２の載置台２Ａによって貨物支持爪３Ａ
が上方の爪規制ストッパー３ｇに当接する位置に回動さ
れた状態で、貨物支持爪３Ａが支軸３ａに対して破線で
示す位置、すなわち、貨物１の昇降経路から退避した位
置に変位してロックされる。この状態で、リフター２の
上昇が停止され、リフター２が元位置に向けて下降され
る。リフター２が下降すると、リフター２の載置台２Ａ
上に載置された貨物が下降されるとともに、リフター２
の載置台２Ａの端部が、図５（ｅ）に示すように、押し
上げ部材作動レバー３ｆの端部を押し下げる。これによ
り、図５（ｅ）に実線で示すように、この押し上げ部材
作動レバー３ｆを介して、爪押し上げ部材３ｅが上方に
変位され、この爪押し上げ部材３ｅの上端により、貨物
支持爪３Ａが上方に押し上げられて、この貨物支持爪３
Ａの軸穴３ｈと支軸３ａとのロックが解除される。この
ようにしてロックが解除された貨物支持爪３Ａは、その
自重で貨物１を支持する位置に向けて回動され、最下段
の貨物１の側面に当接する。そして、リフター２の載置
台２Ａが更に下降して押し上げ部材作動レバー３ｆから
離れ、爪押し上げ部材３ｅが元位置に復帰された後、貨
物１の天板１ｂが貨物支持爪３Ａの下方に達すると、貨
物支持爪３Ａの最下段の貨物１の側面への当接が外れ
て、図５（ｆ）に示すように、貨物支持爪３Ａが下方の
爪規制ストッパー３ｇに当接される位置まで回動され
る。この状態で、リフター２の載置台２Ａが更に下降さ
れると、図５（ｆ）に示すように、最下段の貨物上に積
載された上段の貨物の底板１ｃに、貨物支持爪３Ａが当
接して、この貨物支持爪３Ａにより上段の貨物の下降が
阻止されるとともに、最下段の貨物１のみがリフター２
の載置台２Ａ上に搭載されて、入庫室５Ａ内に下降され
る。これにより、格納ガイド枠体５の下方の入庫室５Ａ
を通して貨物を出庫させることが可能となる。この第２
の実施例の貨物１の入庫時には、如何なる場合にも貨物
支持爪３Ａが爪押し上げ部材３ｅの作用を受けることが
ないので、前述の第１の実施例の場合と同様にして、格
納ガイド枠体５の下方の入庫室５Ａを通して貨物１を入
庫できる。

【００３１】ところで、図示の第２の実施例では、リフ
ター２の載置台２Ａと、貨物支持爪３Ａおよび押し上げ
部材作動レバー３ｆとの干渉を利用した純機械的方法に
より、貨物支持爪３Ａに目的とする動作を与えている
が、貨物支持爪３Ａを作動させる手段としては、リフタ
ー２の位置を検出して作動する、マグネット、空気圧装
置、油圧装置、ソレノイド、カム、または、ラックとピ
ニオン等を利用した方法を使用してもよい。この場合、
貨物支持爪３Ａの作動中にリフター２が上下動してもよ
いが、貨物支持爪３Ａが所定の位置に達した後に、リフ
ター２が上下動するように制御することが望ましい。

【００３２】以上、本発明の積み重ね式保管庫の実施例
として２つの方式を説明したが、この積み重ね式保管庫
は、複数の保管庫を互いに連結した状態で並列に配置す
ることによって、その貨物保管能力を増加させることが
できる。また、このように、複数の保管庫を互いに連結
した状態で並列に配置するとともに、相互の保管庫間を
リフター走行レールで連結して、相互の保管庫間でリフ
ターを移動可能に構成することにより、１台のリフター
によって、全ての保管庫に対する貨物の入庫（または出
庫）処理を行なうことができる。更に、上述の並列配置
方式の保管庫をリフター走行レールに対して直交する方
向に並べることによって、大容量の集密型積み重ね式保
管倉庫を構成することができる。この集密型積み重ね式
保管倉庫の場合には、例えば、コンピュータ処理によ
り、目的とする保管庫の位置を定めて、移動リフターの
走行停止位置決めや、天井走行クレーンおよびロードセ
ルの移動位置決めを行ない、リフター並びにクレーン等
の作動をシーケンサーで自動制御することによって、全
自動集密型の積み重ね式倉庫を実現できる。

【００３３】この全自動集密型の積み重ね式倉庫の一例
として、４列６連の全自動集密型の積み重ね式倉庫の平
面のレイアウトを図６に示す。また、この図６に示すレ
イアウトのＸ−Ｘ断面、および、Ｙ−Ｙ断面を図７およ
び図８にそれぞれ示す。更に、下部からの入庫および出
庫が可能な方式における全自動集密型の積み重ね式倉庫
の図７に相当する断面を図９に示す。この図９に示す全
自動集密型の積み重ね式倉庫において、天井走行クレー
ンを活用して貨物の上方からの出庫を可能とすることに
より、保管庫の上下の何れの方向からでも貨物を出庫で
きる多機能型の保管しシステムを実現させることができ
る。

【００３４】

【発明の効果】この発明によれば、比較的軽重量のパレ
ットまたはコンテナを積み重ねて保管する場合に、通常
行なわれている従来の方法に比して、より高く積み重ね
ることができ、且つ、本発明の保管庫を繋ぎ合わせるこ
とにより、集密した状態に貨物を保管できる。

【００３５】更に、貨物を入庫および出庫させる装置と
して、一般的に使用されている水平天板昇降式の油圧リ
フターおよび天井走行型クレーンを採用することによ
り、貨物の入庫並びに出庫の自動化が簡易となり、安価
で安定した自動倉庫システムを実現できる。

【００３６】また、この発明によれば、下部から入庫し
た貨物を上部から出庫させることが可能となり、貨物の
先入れ先出しができるとともに、天井走行クレーン等の
他の出庫手段を使用せずに、リフターの操作のみにより
保管庫の下部から貨物の入庫並びに出庫を行なうことも
でき、その特性に合った保管方法をニーズに応じて選択
できる。

【００３７】従って、本発明によれば、近年、生産工場
で採用されている「ＪＩＴ生産システム」の本流を占め
る、パレットまたはコンテナによる製品または組立部品
の輸送における、省スペース、省人化を図ることのでき
る安価で安定した高効率の一時保管倉庫を供給できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の構成および作用を示す概略
断面図である。

【図２】上記実施例における貨物支持装置の概略正面図
である。

【図３】上記実施例における貨物支持装置の概略側面図
である。

【図４】上記実施例に使用されるパレットの概略斜視図
である。

【図５】この発明の他の実施例の構成および作用を示す
概略断面図である。

【図６】この発明の更に他の実施例の構成を示す概略平
面図である。

【図７】図６のＸ−Ｘ断面図である。

【図８】図６のＹ−Ｙ断面図である。

【図９】この発明の更に他の実施例の構成を示す概略断
面図である。

【符号の説明】

１貨物（パレットまたはコンテナ）２リフター２Ａ載置台２Ｂ載置台昇降機構３貨物支持装置３Ａ貨物支持爪５格納ガイド枠体５Ａ入庫室５Ｂ保管室５Ｃ開口部６天井走行型クレーン６ａマグネットロードセル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】物品を収納するための容積を有し所定の間
隙を保って積み重ね自在に形成されたパレットまたはコ
ンテナと、複数個のパレットまたはコンテナを積み重ね
た状態で格納できる大きに形成された保管室およびこの
保管室の下方に位置して少なくとも１個分のパレットま
たはコンテナを入庫できる広さに形成された入庫室を有
する格納ガイド枠体と、上記入庫室に入庫されたパレッ
トまたはコンテナが載置される載置台およびこの載置台
を上記入庫室の底部から上記保管室の底部の間で昇降さ
せる載置台昇降機構からなるリフターと、上記載置台の
上昇によって上記保管室に押し上げられたパレットまた
はコンテナに貨物支持爪を係合させてこのパレットまた
はコンテナを上記保管室内に支持する貨物支持装置とを
具備することを特徴とする積み重ね式貨物保管庫。
【請求項２】上記格納ガイド枠体の上部に、この格納ガ
イド枠体内に格納されたパレットまたはコンテナを出庫
するための開口部を形成し、この開口部を通して、上記
格納ガイド枠体内に格納されている最上位のパレットま
たはコンテナを、天井走行型クレーンによって出庫する
ことを特徴とする請求項１記載の積み重ね式貨物保管
庫。
【請求項３】上記貨物支持装置の貨物支持爪を上記パレ
ットまたはコンテナに対して係脱自在に構成するととも
に、上記保管室に格納された最下位のパレットまたはコ
ンテナを上記載置台上に載置させた状態で、上記貨物支
持爪のパレットまたはコンテナとの係合を解除し、上記
リフターによりこの最下位のパレットまたはコンテナを
上記入庫室内に下降させた状態で、この最下位のパレッ
トまたはコンテナの上位のパレットまたはコンテナを上
記貨物支持爪により上記保管室内に支持して、上記入庫
室内に下降された最下位のパレットまたはコンテナを出
庫することを特徴とする請求項１記載の積み重ね式貨物
保管庫。
【請求項４】複数の上記格納ガイド枠体を、互いに連結
した状態で並列に配置するとともに、これらの各格納ガ
イド枠体のそれぞれの入庫室に対して、少なくとも１台
の上記リフターを移動自在に構成したことを特徴とする
請求項１記載の積み重ね式保管庫。
【請求項５】上記複数の格納ガイド枠体のそれぞれの上
部に形成した、各格納ガイド枠体内に格納されているパ
レットまたはコンテナを出庫するための開口部を通し
て、上記の各格納ガイド枠体内に格納されている最上位
のパレットまたはコンテナを選択的に出庫するための天
井走行型クレーン、および、互いに連結した状態で並列
に配置された複数の上記格納ガイド枠体のそれぞれの入
庫室に対して移動自在に構成された少なくとも１台の上
記リフター、の運行を自動制御する自動制御装置を具備
することを特徴とする請求項４記載の積み重ね式貨物保
管庫。