JPH05200858A - シンジオタクティックポリスチレン系フィルム - Google Patents

シンジオタクティックポリスチレン系フィルム

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JPH05200858A
JPH05200858A JP4034492A JP4034492A JPH05200858A JP H05200858 A JPH05200858 A JP H05200858A JP 4034492 A JP4034492 A JP 4034492A JP 4034492 A JP4034492 A JP 4034492A JP H05200858 A JPH05200858 A JP H05200858A
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勝也 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明のシンジオタクティック構造ポリスチ
レンフィルムは延伸条件を最適化することにより工業
用、包装用、磁気テープ用、コンデンサ用などに要求さ
れる電気的特性、透明性や機械的強度のみならず平面
性、印刷性、耐熱性などに優れた基材を提供せんとする
ものである。 【構成】 主としてシンジオタクティック構造からなる
ポリスチレン系重合体における少なくとも1軸方向に延
伸された、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.62
00以上でありかつ150℃の熱収縮率が3%未満であ
ることを特徴とするフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装材料、工業用材
料、磁気テープ、コンデンサなどに用いる際、平面性、
印刷性、耐熱性に優れた、シンジオタクティック構造を
有するスチレン系樹脂からなるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シンジオタクティック構造を有す
るスチレン系重合体が開発され(特開昭62−1048
18号公報)、またこれらを用いた延伸フィルムの開発
も行われている(特開平1−110122号、同1−1
68709号、同1−182346号、同2−2797
31号、同3−74437号、同3−109453号、
同3−99828号、同3−124427号、同3−1
31644号など)これらのシンジオタクティックポリ
スチレン系フィルムは機械的特性、透明性、耐薬品性、
誘電損失や誘電率などの電気的特性が優れているため、
各種工業用、包装用フィルムに展開されることが期待さ
れている。しかしこれまでのシンジオタクティックポリ
スチレン系フィルムは、平面性、印刷性、耐熱性の点で
満足のいくものではなかったため、非常に限られた用途
展開しか行われなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前期の欠
点、即ち、平面性、印刷性、耐熱性に優れかつ機械的、
電気的特性、透明性、耐薬品性の満足する基材を提供せ
んとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわちこれらを解決す
るための手段としての本発明の主旨は、主としてシンジ
オタクティック構造を有するポリスチレン系重合体にお
いて少なくとも1軸方向に延伸され、フィルムの厚み方
向の屈折率Nzが1.6200以上でありかつ150℃
の熱収縮率が3%以下であることを特徴とするフィルム
に関する。本発明におけるシンジオタクティック構造を
有するポリスチレンとは、立体規則性がシンジオタクテ
ィック構造すなわち、炭素−炭素結合からなる形成され
た主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基
が交互に反対方向に位置する立体構造を持つものであ
る。
【0005】本発明におけるスチレン重合体は、分子量
については特に制限はないが、重量平均分子量が1万以
上300万以下が望ましい(特開平3−124427号
公報)。本発明の基材には静電密着性、易滑性、延伸
性、加工適性などを向上させるためや粗面化、不透明
化、空洞化、軽量化などの理由により他の樹脂、無機粒
子、耐候剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑
剤、相溶化剤、着色剤、帯電防止剤などを添加してもよ
い。これらは特開平3−124427号公報はじめこれ
までに開示されている方法により、シンジオタクティッ
クポリスチレン系フィルムのもつ特徴を著しく落とさな
い範囲で、ポリスチレン基材のフィルムのみならずポリ
エステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリル
などの熱可塑性樹脂フィルムに用いられた技術を用いる
ことができる。またこれらの添加剤はシンジオタクティ
ックポリスチレン系フィルムのもつ特徴を著しく落とさ
ない範囲で添加する方法は限定されない。よって、重合
時添加でも、重合後にマスターバッチとして予備混練し
ても、また溶融押しだし時に直接投入しても構わない。
こうして得た重合体混合物は、以下に例示する方法で延
伸フィルムを得るが、後で述べる特性を満足するもので
あればここに示された方法に限定されるものではない。
まずシンジオタクティック構造ポリスチレンを主とする
重合体混合物を好ましくは3時間以上100〜150℃
で乾燥し、290〜350℃で溶融押しだしし、エアー
ナイフ法、水冷法、静電密着法などにより樹脂を冷却し
て、未延伸シートを得る。ここで用いる押出機は、特に
限定されるものではなく、1軸押出機、2軸押出機で
も、またベントあり、なしいずれも、またタンデム型で
もシングルでも構わない。
【0006】得られた未延伸シートは少なくとも1軸に
延伸する。その方法は速度差をもったロール間での延伸
(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくことに
よる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げること
による延伸(インフレーション延伸)などいずれでも構
わない。しかし、機械的特性などから考えると、最初に
フィルムの流れ方向にあたる縦方向(または横方向)に
延伸し、次に横方向(または縦方向)に延伸する逐次2
軸延伸が好ましい。この縦、横方向の順に延伸する逐次
二軸延伸を例にとって、具体的に説明するが後のフィル
ムの特性を満足するものであれば以下の方法に限定され
るものではない。
【0007】まず縦延伸はロール延伸により行う。この
時の延伸倍率は1.2〜6.0倍、延伸温度は90〜1
40℃の範囲で実施することが望ましい。延伸倍率が
1.2倍未満であると機械的強度が不足し、また6.0
倍を越えると後の横延伸が困難になり平面性に優れたフ
ィルムが得られない。延伸温度が90℃未満であるとシ
ートが軟化せず延伸が困難であり、140℃を越えると
結晶化度が高くなりすぎ後の横延伸が困難になる。延伸
時のシートの加熱方法は、加熱したロールでも、赤外線
による加熱でも、またその他の方法でも構わない。また
予熱、延伸ロールの任意の場所にガイドロールまたはニ
ップロールを用いてもよい。続く横延伸においてはテン
ター延伸が望ましい。また縦延伸は2回以上続けて行う
ことが後に述べる特性を満足するためにも好ましい。こ
の時の延伸倍率は1.2〜6.0倍、延伸温度は100
〜140℃の範囲で実施するのが望ましい。延伸倍率が
1.2倍未満であると機械的強度が不足し、また6.0
倍を越えると破断が生じやすくなる。延伸温度が100
℃未満であるとシートが軟化せず延伸が困難であり、1
40℃を越えると結晶化度が高くなりすぎ破断が生じや
すくなる。さらに横延伸終了後に縦または横方向に1回
以上再延伸することによりその方向の機械的強度を高く
することも可能である。また先に横延伸をした後に縦延
伸をする方法(たとえば特開昭64−5819号、特開
平1−188322号公報など)やフィルムの端部と中
央部の物性差をなくすための方法(たとえば特開平3−
158225号公報など)を用いることもできる。
【0008】以上の条件に加えて本発明において特に重
要となる点は、少なくとも1回は95〜115℃の範囲
で延伸速度10000%/分、好ましくは15000%
/分、さらに好ましくは20000%/分以上で延伸す
る工程を含むことである。延伸速度が10000%/分
未満の場合フィルムの厚み方向の屈折率Nzを1.62
00以上とすることが困難になり、機械的強度や特に平
面性に優れたフィルムを得ることが困難になる。特にこ
のシンジオタクティックポリスチレン系フィルムは延伸
時にフィルムにかかる応力がポリエチレンテレフタレー
トなどに比べて低くなるため、平面性を良好にするため
には延伸時の温度、速度などの条件が重要になる。この
条件を満たせば延伸方法は特に限定されるものではない
が延伸速度が高くするため、ロール延伸法による縦延伸
時にこの条件を満たすようにし、好ましくはこの縦延伸
を2回以上続けて行うことが重要である。
【0009】また本発明においては、延伸終了後に17
0〜270℃、好ましくは200〜270℃において熱
処理する。この時縦および/または横方向に2%以上緩
和させながら熱処理させることにより、より熱収縮率の
小さいものが得られる。このようにして得られたフィル
ムは厚み方向の屈折率が1.6200以上、好ましくは
1.6210以上、さらに好ましくは1.6220以
上、より好ましくは1.6230以上でなくてはならな
い。シンジオタクティックポリスチレンは側鎖にベンゼ
ン環があるため、分子の配向度が高くなるほどフィルム
の厚み方向の屈折率は上がる。よって1.6200未満
では特に平面性、印刷性を良好にすることができない。
【0010】また熱収縮率は3%好ましくは好ましくは
2%、さらに好ましくは1%未満であることが好まし
い。3%以上では、乾熱転写、OHP、グラビア印刷な
どで印刷のピッチずれやコピー機、転写機内でつまりが
生じ、好ましくない。このようにして得られたフィルム
は平面性、印刷性、耐熱性に優れかつ機械的、電気的特
性、透明性、耐薬品性の満足するため、工業用、包装
用、磁気テープ、コンデンサ用テープ、金属化用フィル
ムなどあらゆる用途に展開できる。特にこれらの用途に
展開するためにこれまでに開示されているポリエステ
ル、ポリオレフィンその他のフィルムの知見を応用する
ことにより、本発明のシンジオタクティックポリスチレ
ン系フィルムの特徴をあわせて持つ、きわめて付加価値
の高いフィルムが得られることがわかった。たとえば工
業用においては、制電性フィルム(たとえば特公昭64
−10136号公報)、紫外線吸収フィルム(たとえば
特開昭59−98109号、同60−54865号公
報)、高透明フィルム(たとえば特開昭60−8592
5号公報)、粗面化フィルム(たとえば特公昭49−4
9180号、同54−44031号公報)、空洞含有フ
ィルム(たとえば特開昭49−134755号公報)、
白色フィルム(たとえば特開昭62−241928号公
報)、透明導電性フィルム(たとえば特開平2−637
36号公報)など、包装用においては熱接着性フィルム
(たとえば特公昭52−30028号公報)、熱収縮性
フィルム(たとえば特公昭57−31975号公報)、
易切断性フィルム(たとえば特公昭55−19167号
公報)、易印刷性フィルム(たとえば特開昭63−28
6346号公報)、防曇性フィルム(たとえば特公平1
−14252号公報)、金属蒸着フィルム(たとえば特
公昭62−54671号公報)、ひねり包装フィルム
(たとえば特公昭56−52748号公報)など、磁気
テープ用(たとえば特開昭61−112629号、同6
1−170518号、同62−196121号公報)、
コンデンサ用(たとえば特公平1−28493号、同2
−39855号公報など)などの技術が応用できる。
【0011】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される(たとえば特開昭60−19522号公
報)。該塗布層を構成する化合物としては、ポリエステ
ル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、オレフィン
系樹脂、ゴム系樹脂などの接着性を向上させる手段とし
て開示させている化合物が適用可能である。また塗布層
を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコー
ト方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテン
コート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方
式、リバースロールコート方式など通常用いられている
方法が適用できる。塗布する段階としては、配向処理を
行う前の混合重合体物表面にあらかじめ塗布する方法、
1軸方向に配向した空洞含有フィルム表面に塗布し、そ
れを更に直角方向に配向させる方法、配向処理の終了し
た空洞含有フィルム表面に塗布する方法などのいずれの
方法も可能である。本発明においては、必要に応じて表
層と中心層を積層したいわゆる複合フィルムとしても構
わない。その方法は特に限定されるものではない。しか
し生産性を考慮すると、表層と中心層の原料は別々の押
出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得
た後、少なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法
による積層がもっとも好ましい。これらはこれまで例示
した添加物などを表層かつ/または中心層に添加しても
よい。また表層と中心層の添加剤の量かつ/または種類
をそれぞれ変えることによりフィルムの特性を変えるこ
とも可能である。
【0012】
【作用】本発明において、主としてシンジオタクティッ
ク構造を持つポリスチレンを用いるのは、平面性、印刷
性、耐熱性に優れかつ機械的、電気的特性、透明性、耐
薬品性の満足する基材を提供せんとするためである。本
発明において、該重合体を少なくとも一軸に配向するの
は、機械的強度や平面性、耐熱性を良好にするためであ
る。特に本発明において、フィルムの厚み方向の屈折率
Nzを1.6200以上にするのは平面性、機械的強度
を良好にするためであり、熱収縮率を3%未満にするの
は耐熱性を良好にするためである。かくして得られたシ
ンジオタクティック構造ポリスチレンフィルムは工業
用、包装用、磁気テープ用、コンデンサ用などに要求さ
れる電気的特性、透明性や機械的強度に優れ、かつ、平
面性、印刷性、耐熱性などに優れるものとなった。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。本
発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。 1)フィルムの厚み方向の屈折率Nz アタゴ光学社製アッベ屈折計を用いて、接眼レンズに偏
光板を取り付け、偏光板の向きおよびフィルムの向きを
厚み方向に合わせて屈折率を測定した。
【0014】2)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力下で固定し印の間隔A
を測る。続いて、無荷重で30分間、150℃雰囲気中
のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求め、以下の式に
より熱収縮率とした。 (A−B)/A×100(%)
【0015】3)初期弾性率 フィルムを幅10mm、長さ間隔40mmにおいて引っ
張り試験機(島津製作所製オートグラフ)に取付け、2
00mm/分の速度で引っ張り、立ち上がりの伸びに対
する強度をkg/mm2 単位で求めた。
【0016】4)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学社製)を用い、フィルムの光
線透過率を測定した。
【0017】5)ヘイズ JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学社製)を用い、フィルムのヘ
イズを測定した。
【0018】6)表面粗さ JIS−B0601−1982に準じ、サーフコム30
0A型表面粗さ計(東京精密社製)を用い、中心線平均
厚さ、最大粗さを測定した。
【0019】7)フィルムの加工性 フィルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを金属ガ
イドロールにこすりつけて高速、長時間走行させると
き、一定の供給張力に対してガイドロール擦過後のテー
プ張力の大小およびガイドロール表面に発生する白粉量
の多少をそれぞれ5段階に評価し次のランク付けで表
す。 (イ)滑り性 1級・・・張力大(擦り傷多い) 2級・・・張力やや大(擦り傷かなり多い) 3級・・・張力中(擦り傷ややあり) 4級・・・張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級・・・張力小(擦り傷まったくなし) (ロ)耐摩耗性 1級・・・白粉発生非常に多い 2級・・・白粉発生多い 3級・・・白粉発生ややあり 4級・・・白粉発生ほとんどなし 5級・・・白粉発生なし
【0020】8)耐久走行性能 図1に示した装置を用い、23℃、相対湿度65℃の雰
囲気下にフィルムの粗面側の面のステンレス製ピンとの
摩擦係数で評価する。
【0021】9)電磁変換特性 得られたフィルムを磁気塗工し、0.5インチ幅のビデ
オテープを得た後、S/Nの測定には、(株) シバソ
ク製TG−7/1形NTSC−TV試験信号発生器およ
び925D/1形NTSCカラーテレビノイズ測定器を
用い、標準テープに対するクロマS/Nを3段階に評価
し、次のランク付けで表す。 1級・・・−1dB以下 2級・・・−1dB〜+1dB 3級・・・+1dB以上
【0022】実施例1 重量平均分子量43万の主としてシンジオタクティック
構造をとるポリスチレンに平均粒径0.3μmのシリカ
を1000ppm添加したものをスクリュー径30mm
の2軸押出機で310℃でT−ダイより押し出した。こ
の溶融押し出ししたシートを静電印荷法により55℃の
冷却ロールに密着させ、冷却固化させることにより12
0μmの実質的に非晶質で無配向のシートを得た。この
シートをロール周速度を変えることにより約95℃で予
熱した後すぐに縦方向に約103℃で1.4倍に延伸し
続けて約106℃で縦方向に2.15倍延伸した。この
時の延伸速度は約3万%/分であった。続いてテンター
で110℃で予熱した後すぐに横方向に120℃で3.
3倍延伸し、次に5%縦、横方向にリラックスさせなが
ら260℃で10秒間熱処理したところ12μmの透明
性に優れたフィルムが得られた。得られたフィルムをグ
ラビア印刷したところ、印刷のヌケやゆがみ、ピッチず
れなどは起こらず良好なものであった。
【0023】比較例1 実施例1において縦延伸の延伸速度を5000%/分に
した以外はまったく同様の方法において、2軸延伸フィ
ルムを得、グラビア印刷を行った。Nzが1.6200
に満たないため平面性が不良で、印刷のヌケやゆがみが
生じ、印刷性が不良であった。
【0024】比較例2 実施例1において熱処理の温度を140℃に変更した以
外はまったく同様の方法において2軸延伸フィルムを
得、グラビア印刷を行った。熱収縮率が大きいため特に
印刷のピッチずれが起こってしまい印刷性が不良であっ
た。
【0025】実施例2 実施例1において最終フィルムの厚みが188μmにな
るようにした以外はまったく同様の方法において2軸延
伸フィルムを得た。このフィルムを5×5mの大きさに
切り、平面なガラス板の上に広げたところ、フィルム全
体をガラス板に密着させることができる平面性に優れた
フィルムとなった。またこのフィルムをA4版の大きさ
に切り、OHPコピーをしたところ平面性、耐熱性に優
れるため、複写機の中に詰まることなくコピーできた。
たとえばポリエチレンテレフタレートに比べ延伸応力が
低くなり、条件を最適化することにより平面性を良好に
しやすいことがわかった。
【0026】比較例3、4 それぞれ比較例1、2において最終フィルムの厚みが1
88μmになるようにした以外はまったく同様の方法に
おいて2軸延伸フィルムを得た。このフィルムを実施例
2と同様の試験をしたところ、厚み方向のNzが1.6
200未満の場合、平面性に劣るためフィルム全面のう
ち約5%がガラス板に密着させることができなかった。
またOHPコピーではフィルム送りが不良であった。ま
た熱処理温度が低い場合、OHPコピーの際に複写機内
の高温のかかる部分でつまりが生じた。
【0027】実施例3 実施例1において、添加物として平均粒径0.3μmの
シリコン粒子を1000ppm使用し、最終フィルムの
厚みが3μmになるようにした以外はまったく同様の方
法において2軸延伸フィルムを得た。このフィルムにア
ルミニウムを真空中で蒸着してコンデンサを作ったとこ
ろ常温、高温での誘電特性tanδ、絶縁破壊電圧など
が良好であった。特にtanδはポリエチレンテレフタ
レートフィルムよりも低くて良好である。また厚みムラ
が少ないため場所による誘電特性や絶縁破壊電圧の差が
ほとんどなかった。
【0028】実施例4 実施例1において、添加物として球状シリカを2500
ppm使用し、最終フィルムの厚みが9μmになるよう
にした以外はまったく同様の方法において2軸延伸フィ
ルムを得た。このフィルムは滑り性、耐摩耗性および耐
久走行性が良好であった。またニッケル−コバルトで磁
性層をフィルム上に設け電磁変換特性を調べたところ良
好であった。
【0029】
【発明の効果】本発明のシンジオタクティック構造ポリ
スチレンフィルムは工業用、包装用、磁気テープ用、コ
ンデンサ用などに要求される電気的特性、透明性や機械
的強度に優れ、かつ、延伸条件の最適化により平面性、
印刷性、耐熱性などに優れるものとなった。
【0030】
【図面の簡単な説明】
図1はフィルムの耐久性、走行性を測定する装置であ
り、1はクランク、2、4、6、8はフリーロール、
3、7は張力検出装置、9は荷重、5は市販VTRガイ
ドを表わす。
【0031】
【図1】
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシンジオタクティック構造からな
    るポリスチレン系重合体における少なくとも1軸方向に
    延伸された、フィルムの厚み方向の屈折率Nzが1.6
    200以上でありかつ150℃の熱収縮率が3%未満で
    あることを特徴とするシンジオタクティックポリスチレ
    ン系フィルム。
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