JPH05194101A - 切り花の鮮度保持剤 - Google Patents

切り花の鮮度保持剤

Info

Publication number
JPH05194101A
JPH05194101A JP4010403A JP1040392A JPH05194101A JP H05194101 A JPH05194101 A JP H05194101A JP 4010403 A JP4010403 A JP 4010403A JP 1040392 A JP1040392 A JP 1040392A JP H05194101 A JPH05194101 A JP H05194101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
freshness
extract
cut flower
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4010403A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouji Inoue
広滋 井上
So Kawaguchi
創 川口
Harumi Miyashige
晴美 宮重
Eiji Ohashi
英治 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Suisan Kaisha Ltd filed Critical Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority to JP4010403A priority Critical patent/JPH05194101A/ja
Publication of JPH05194101A publication Critical patent/JPH05194101A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 海藻からの抽出物を含有する切り花の鮮度保
持剤。 【効果】 切り花の鮮度保持が確保され、切り花の種類
による差もなく、かつ、天然物である抽出物を用いるた
め、安全性にも優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切り花の活性を保持
し、延命させるための切り花鮮度保持剤に関するもので
ある。さらに詳しくは、この発明は、鮮度保持効果を切
り花を生けた状態でのみならず、水から上げて輸送する
際にも維持することのできる切り花の鮮度保持剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】豊かな生活と、文化的でゆと
りのある生活への希求の高まりとともに、人々の自然物
への愛着は強まり、日々の生活においても、新鮮な花々
を身近に置くことが普通になってきている。このため、
都市部をはじめとして、切り花に対する需要はますます
増大しており、そのための生産、流通に関する技術的見
地からの工夫、改善が積極的に進められてきてもいる。
【0003】このような改善策の一つとして、切り花の
鮮度を保つための鮮度保持剤の開発が進められ、すでに
いくつかのものが実用化されている。この切り花の鮮度
保持剤は、大別すると次の二つの目的を持つものに区別
される。まず第一は、生産者が切り花を収穫後、その出
荷に先立って短期間水上げを兼ねて処理し、消費者が生
け花とするまでその効果を維持させるためのものであ
る。このような鮮度保持剤の代表的なものとしては、S
TS銀製剤(硫酸銀とチオ硫酸ナトリウムとを一定割合
に混合して生成させた銀錯塩:Ag(S2 3 2 3 -
がある。また、テトラピラジノポルフィラジン誘導体が
有効であることも報告されている。(特開平2−268
102)。
【0004】また、第二は、小売店が切り花を販売する
間や、消費者が生け花してできるだけ鮮度を長持ちさせ
ようとするためのものである。これは後処理剤としての
性格を有し、バクテリアやカビの繁殖による導管閉塞を
防ぐための殺菌剤(特開昭49−24750、特開平2
−157201、特開平2−286601、特開平3−
74306)や、植物の活性を高めるための栄養剤(特
開昭49−115850、特開昭49−12078、特
開昭50−11853、特開昭54−60165、特開
昭62−169701、特開昭63−275503、特
開平2−501885)、水の吸収を高め、導管閉塞を
防ぐための界面活性剤(特開昭50−40355、特開
平3−24001)などが用いられてきている。
【0005】しかしながら、以上のようなこれまでに知
られている鮮度保持剤には、いずれも充分に満足するこ
とのできない欠点があった。それと言うのも、前処理剤
としての代表例であるSTSの場合には、その延命効果
が切り花の種類によってばらつき、その格差が大きく、
しかも、厳密な処理条件が必要とされる上、さらには処
理廃水の毒性にも問題があった。また、テトラピラジノ
ポルフィラジン誘導体の場合には、その製造コストが高
くつき、溶解に有機溶剤を使用しなければならないとい
う欠点があった。さらにまた、これらの前処理剤につい
ては、水から上げて輸送する時の延命効果は期待でき
ず、実際、この効果は報告されてもいない。
【0006】一方、後処理剤として用いられる殺菌剤の
多くは人間に対しても毒性があり、毎日の作業で接触す
る業務者に対する安全性において、また、家庭において
幼児などへの安全性についても問題があった。界面活性
剤の場合には水の吸収を高めることを主目的としている
ため、輸送の際に、水から上げるとむしろ鮮度の喪失を
早めることがあった。さらに栄養剤等では切り花の寿命
を大幅に延長することはできなかった。
【0007】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の鮮度保持剤の欠点を改善し、
切り花の種類によるバラツキを抑え、安定して、かつ安
全および簡便に、前処理および/または後処理のいずれ
においても優れた延命効果を発揮することのできる新し
い切り花の鮮度保持剤を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、海藻抽出物を含有する切り花の
鮮度保持剤を提供するものである。すなわち、この発明
は、海藻の各種のものからの抽出物によって切り花の延
命効果をより大きなものにしようとするものである。こ
の場合の海藻としては褐藻類を好適なものとすることが
でき、たとえばこのような海藻としては、エゾイシゲ、
アスコフィラム、チガイソ、アラメ、ウミトラノオ等が
例示される。なかでも、ヒバマタ目の海藻、たとえばエ
ゾイシゲ、アスコフィラム等がより好適なものとして例
示される。
【0009】抽出物は、これらの海藻から溶媒抽出した
ものであって、水または親水性溶媒、たとえばメタノー
ル、エタノールなどのアルコール、その他の溶媒によっ
て抽出したものが好適に使用される。切り花の鮮度保持
剤としては、これらの抽出物を、水あるいは親水性溶媒
による溶液として使用し、鮮度保持を図ることができ
る。この場合、抽出物の濃度には特に限定はなく、処理
対象物、処理量、処理時間に応じて適宜に選択すること
ができる。通常、水溶液としてはその濃度0.001 重量%
〜5重量%程度の範囲とすることができる。
【0010】
【作用】この発明においては、鮮度保持のために海藻抽
出物をその有効成分として使用するが、この抽出物は、
切り花植物体からの必要以上の水の蒸散を抑える作用等
があり、この作用が切り花の鮮度保持において充分に発
揮される。このため、水の蒸散を抑えることにより、切
り花の枯死までの時間を延長することができる。そして
この作用は、いわゆる前処理、後処理のいずれにおいて
も有効に働き、特に、輸送中に水が蒸発して切り花がし
おれてしまうことを効果的に防止する。
【0011】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0012】
【実施例】実施例1 エゾイシゲの乾燥粉末を10倍量のエタノールで一昼夜
抽出し、抽出液に等量のクロロホルムと水を加えて分配
した。水層を濃縮して凍結乾燥した。この抽出物を蒸留
水に溶解して0.1%濃度の溶液とした。
【0013】この溶液と蒸留水の各々、50mlにホト
ケノザ(20cmに切ったもの)をそれぞれ10本ずつ
生け、16時間室温で放置した。16時間後、それぞれ
3本を抜き出して空瓶に立てて室温に放置し、しおれ方
を観察した。残り7本ずつはそのまま生けておき、観察
を続けた。生けて16時間後までは両者の花の活性に違
いは見られなかったが、吸水量は蒸留水の方がかなり多
いことが観察された。水から上げてからの活性は、蒸留
水では18時間後(抜き出して2時間後)にはしおれた
のに対し、抽出物溶液においてしおれたのは22時間後
(抜き出してから6時間後)であった。また、生け続け
た7本については、22時間後には蒸留水の水は残り約
5mlまで減少したのに対し、抽出物溶液においてでは
まだ25ml程度残っていた。
【0014】この結果から、以下のことがわかる。 (1)抽出物においては生け花の吸水量を明らかに減少
させる。 (2)抽出物においては切り花を水から上げてからしお
れるまでの時間を延長させる。 おそらく、抽出物は植物表面からの水分の蒸散を阻害し
ているものと考えられる。実施例2 さらに大型の植物を用いて、吸水速度の違いを正確に求
めるとともに、吸水量の減少によって花持ちに違いが出
るかどうかを評価した。
【0015】材料としてデージー(キク科)を30cm
に切り揃えて大きな葉の数を6枚としたものを用い、実
施例1の0.1%のエゾイシゲ抽出物、0.1%のアス
コフィラム抽出物(Ascophyllum粉末より同様の方法で抽
出・分画したもの)のそれぞれ水道水溶液、および水道
水にそれぞれ8本ずつ生けて花持ちを観察するととも
に、水の減少量を66時間後まで測定した。
【0016】その結果、図1に示したように、エゾイシ
ゲ抽出物溶液(A)およびアスコフィラム抽出物溶液
(B)の場合の吸水量は水道水(C)の約半分に押えら
れていることがわかった。また、その後もそのまま水の
入れ替えをせずに室温で放置し続け、花持ちを比較した
ところ、水道水は生けて5日後にはしおれ始め、6日後
には完全にしおれたのに対し、エゾイシゲ抽出物溶液お
よびアスコフィラム抽出物溶液では葉の色が黄色くなっ
てきたもののまだ直立していた。それぞれ茎を切って断
面を調べたところ、蒸留水では茎が腐ってしまっていた
のに対し、エゾイシゲ抽出物溶液およびアスコフィラム
抽出物溶液ではやや乾燥してドライフラワー状になって
おり、先端に近い茎には空洞状になっている部分もあっ
たが、組織は崩れておらず、きれいな形を保持してい
た。以上の結果より、エゾイシゲ、アスコフィラム(Asc
ophyllum) 抽出物が切り花の吸水を押さえ、さらに延命
効果も期待できることがわかった。
【0017】なお、これまでの研究により、エゾイシ
ゲ、アスコフィラム(Ascophyllum) 抽出物中には高濃度
のポリフェノールが含まれており、しかもそのポリフェ
ノールは、他の褐藻のポリフェノールよりも高度に重合
した比較的高分子の物質であり、しかも強い凝集作用を
有していることが分ってきている。エゾイシゲやAscoph
yllum が潮間帯に生息する種であることより、これらの
高分子のポリフェノールが、乾燥から植物体を守る作用
等を持っている可能性があると考えられる。実施例3 エゾイシゲ抽出物の0.1%、0.01%、0.001
%溶液各450cc調製し、30cmに切り揃えたバラ
(つぼみ−半開き)を各区4本ずつ生け、効果を観察し
た。
【0018】その結果、表1に示したように、水道水で
は5日後にしおれて花が下を向いたが、抽出物溶液では
1週間花はしおれず、花を維持することができた。
【0019】
【表1】
【0020】実施例4 水から上げてからの花持ちについてバラを用いて評価し
た。すなわち、バラ(つぼみ−半開き)を30cmに切
り揃えたものを3本ずつ0.1%エゾイシゲ抽出物水溶
液および水道水中で19時間吸水させたのち、空瓶に立
て、しおれ方の違いを観察した。
【0021】その結果、水道水の場合には水から引き上
げて21時間ごろにはしおれ始めており、24時間後に
は花がかなり下がったが、抽出物区では24時間後にや
や傾いた程度であった。そこで両者を水に戻してやる
と、抽出物では水に戻して5時間後にはもとどおりに直
立したが、水道水ではしおれたままであった。以上のよ
うに、抽出物の、水から上げてからしおれるまでの時間
を延長する作用は顕著であった。実施例5 エゾイシゲおよび他の3種類の褐藻(チガイソ、アラ
メ、ウミトラノオ)から同様に調製した抽出物について
0.01%溶液(水道水溶液)を調製し、吸水量を測定
するとともに花持ちを観察した。材料としてはコギクを
約30cmに切り揃えたものを各区3本ずつ用いた。
【0022】図2に各区の吸水量を示した。どの海藻の
抽出物についても水道水よりは吸水速度は押さえられた
が、その効果はエゾイシゲが最も高く、ついでチガイ
ソ、アラメ、ウミトラノオ、水道水の順であった。花持
ちについては、花が上を向いたまま最もよく維持された
のは、吸水の場合と同様にエゾイシゲ、チガイソ、アラ
メ、ウミトラノオ、水道水の順であった。
【0023】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、切り花の鮮度保持がより長期に確保され、切り花の
種類による差もなく、かつ、天然物である抽出物を用い
るため、安全性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における吸水量と経過時間との相関図
である。
【図2】実施例5における吸水量と経過時間との相関図
である。
フロントページの続き (72)発明者 大橋 英治 東京都八王子市北野町559−6 日本水産 株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海藻抽出物を含有する切り花の鮮度保持
    剤。
  2. 【請求項2】 海藻が褐藻である請求項1の鮮度保持
    剤。
JP4010403A 1992-01-23 1992-01-23 切り花の鮮度保持剤 Pending JPH05194101A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4010403A JPH05194101A (ja) 1992-01-23 1992-01-23 切り花の鮮度保持剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4010403A JPH05194101A (ja) 1992-01-23 1992-01-23 切り花の鮮度保持剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05194101A true JPH05194101A (ja) 1993-08-03

Family

ID=11749177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4010403A Pending JPH05194101A (ja) 1992-01-23 1992-01-23 切り花の鮮度保持剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05194101A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62171641A (ja) * 1986-01-23 1987-07-28 Nisshin Oil Mills Ltd:The 蔬菜・花▲奔▼用植物鮮度保持剤
JPH05504583A (ja) * 1989-12-06 1993-07-15 ソシエテ ダングレ コンポゼ ミネロー エ アマンドマン (エス.ウー.セー.エム.アー.) 医薬品、化粧品、食品もしくは農業組成物を製造するための藻類抽出物の利用

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62171641A (ja) * 1986-01-23 1987-07-28 Nisshin Oil Mills Ltd:The 蔬菜・花▲奔▼用植物鮮度保持剤
JPH05504583A (ja) * 1989-12-06 1993-07-15 ソシエテ ダングレ コンポゼ ミネロー エ アマンドマン (エス.ウー.セー.エム.アー.) 医薬品、化粧品、食品もしくは農業組成物を製造するための藻類抽出物の利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002341368B2 (en) Microbiocidal formulation comprising essential oils or their derivatives
CN101686914B (zh) 包含肉桂酸或茴香酸和苯甲醛(衍生物)的无防腐剂组合物
CN104782684B (zh) 一种树木伤口保护剂及其制备、使用方法
JPS63255203A (ja) 無毒の組成物による農作物の保護方法
JP2003507397A (ja) 植物の防御
RO119676B1 (ro) Compoziţie fungicidă pentru controlul infestării plantelor
CN102450252A (zh) 绿色、长效抑菌防霉杀虫水基化微乳剂
JP2001521878A (ja) 植物病原性微生物に対する農薬
CN101913955A (zh) 防治长足竹大象的植物源复方农药及使用方法
CN107711834A (zh) 一种含有丁香酚、肉桂醛和柠檬醛天然复配杀菌剂
ES2728010T3 (es) Método para el tratamiento y control de enfermedades de postrecolección de frutas y hortalizas y composiciones que comprenden extractos naturales y formulaciones fitofortificantes y/o fungicidas para su uso en dicho método
CN109938013A (zh) 绣球切花的保鲜剂及保鲜方法
NL1033969C2 (nl) Carvacrol en Saponine.
CN100353871C (zh) 颗粒凹凸棒酒精保鲜剂
CN111802382A (zh) 一种互叶白千层精油配制的鲜切花保鲜剂
KR102056605B1 (ko) 드린국화 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 세균성 궤양병 방제용 조성물 및 이의 용도
RU2363158C1 (ru) Биоцидный состав для пропитки салфеток
JPH05194101A (ja) 切り花の鮮度保持剤
CN113575394B (zh) 一种白木香水培液及水培方法
CN105583927A (zh) 一种竹木用抗菌防霉剂及其使用方法
JP2003342111A (ja) 機能性木酢液
JPH11196765A (ja) 鮮度保持剤
Hollingsworth et al. Effectiveness of products containing metaldehyde, copper or extracts of yucca or neem for control of Zonitoides arboreus (Say), a snail pest of orchid roots in Hawaii
JPH09249886A (ja) 竹酢・木酢液の処理方法
JP5201678B2 (ja) 切花延命剤