JPH051910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はICソケツト等のコネクタを配線基板
の配線パターン表面に半田にて融着し表面実装を
行なう際のコネクタの固定機構に関する。

従来技術 表面実装は第１図に示すようにコネクタ１のコ
ンタクト２の端部を外側方へ向け略Ｌ形に曲げて
載接片３を形成し、該載接片３を配線基板４の配
線パターン５表面に半田ペーストを介して予備搭
載し、然る後加熱工程に供して半田６による融着
を行ない、接続とコネクタ固装を図る実装技術で
あるが、微小ピツチの各コンタクトと配線パター
ンの位置合せが難しく、半田ペーストを介しての
予備搭載時や、予備搭載後の振動で位置ずれを来
たすことがあり、又半田融着前は単に半田ペース
トを介して表面粘着するのみであるから、コンタ
クトの浮上りを生ずる恐れがある。殊に表面実装
においては半田融着後の取付強度に弱点があり、
限定された面積の配線パターンの表面とコンタク
ト表面の半田付けのみに依存するため、コンタク
トを配線基板のスルーホールに挿入し半田デイピ
ングする実装方式に比べIC挿抜時の引抜強度に
おいて著しく劣る欠点がある。

例えば第１図に示すように表面実装コネクタ１
に複数の位置決ピン７を設け、これを配線基板４
の位置決孔８に圧入しつつ、コンタクトの載接片
３を半田ペーストを付着した配線パターン５の表
面に載装する方法が考えられるが、上記方法では
半田ペーストを介しての仮搭載時のコンタクトと
配線パターンの一対一の対応は略適正に得られる
ものの、上記半田付け後の表面実装の弱点である
引抜強度に対する補強としては殆ど寄与せず、有
効な解決策とならない。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上記コネクタ表面実装における上記課
題を解決し、半田ペーストを介しての予備搭載時
のコンタクトと配線パターンの位置合せの問題及
び予備搭載後の浮上りと振動等による位置ずれの
問題を有効に解決しつつ、表面実装の弱点である
半田融着後の取付強度、殊にIC等の挿抜に際し
ての引抜強度と横荷重に対する補強対策として有
効で且つ簡易なる手段を提供せんとするものであ
る。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決する手段として、挿
入部分と半田止部分とを連結片を介し並成して成
る止具を形成し、上記挿入止部分を平行に延在す
るコネクタ本体の両端を連結せる連結フレームの
中央部に設けた取付溝に貫挿して配線基板の取付
孔への圧入に供する構成とすると共に、上記半田
止部分を上記連結フレームの内側面に添わせつつ
連結フレーム下方へ突出させ、その下端に曲成し
た半田付け用取付片を上記連結フレームの内側空
間側へ向け突出させて配線基板の金属パツドへの
半田付けに供する構成としたものである。

作 用 本考案は上記のようにコネクタに具備させた止
具が配線基板の取付孔に圧入される挿入止部分と
配線基板表面に設けた金属パツドへ半田付けされ
る半田止部分を併備し、両者の協働にて表面実装
における上記各問題を有効に解決することができ
る。

即ち、表面実装コネクタは挿入止部分を以つて
半田ペーストを介しての予備搭載時のコンタクト
と配線パターンの位置ずれや、浮上りの問題を良
好に防止しつつ、該圧入固定される挿入止部分に
加え半田固定される半田止部分を具備させて二点
止支持とすることにより、例えばIC等の引抜荷
重に対しては圧入固定される挿入止部分による支
持によつて半田止部分に引剥力が集中付加される
のを防止し、同半田止部分への引剥力を減殺して
同半田止部分によるコネクタ固装効果を遺憾なく
発揮させると共に、コネクタに付加される横荷重
に対しても両者の協働にて良好な補強効果が期待
できる。

又半田止部分を半田付けする取付用金属パツド
はコンタクトを半田付けする配線パターンと異つ
て並設ピツチの制約がなく、半田付け面積を充分
に確保し、取付強度を高めることができ、加えて
表面実装の加熱工程において止具の半田付部分と
取付用金属パツドの融着が同時に行なえ、コネク
タ固装が容易に行なえる。

又本考案は多数の受口を並列配置した平行に延
在されたコネクタ本体と、その両端を連結する連
結フレームから成るコネクタ構造を活用し、上記
挿入止部分を連結フレームの中央部に設けた取付
溝に貫挿して下方へ突出させつつ、止具の半田止
部分を連結フレームの内側面に沿わせ、その半田
付け用取付片を連結フレームの内側空間側へ向け
突出し配線基板の金属パツドへの半田付けに供す
る構成としたので、上記止具に挿入止部分と半田
止部分を並成する構成を採りながら、該止具をコ
ネクタ外側方への張り出し部を生成することなく
所期の使用目的に供することができ、これにより
コネクタの大形化、従つてコネクタ実装面積の増
加を招かず、高密度実装を図りつつ、所期の固定
目的が有効に達成できる。又半田止部分の下端に
曲成された半田付け用取付片の半田付け状態も上
記連結フレーム内側の空間から容易に視認でき
る。又連結フレームの内側で半田付けするので、
取付片をフレームの外側に張り出して半田付けす
る場合に比べ、コネクタに加わる引剥れ力に対す
る強度をより増加することができる。

実施例 以下本考案の実施例を第２図乃至第７図に基い
て詳述する。

第２図乃至第４図において、１１はIC実装用
のコネクタを示す。該コネクタ１１は平行に延在
するコネクタ本体に並列配置された受口１２を有
し、該受口１２内にコンタクト１３を保有する。
コンタクト１３は受口１２内に挿入されたIC等
の雄端子と所定の接圧を以つて接触する雌端子部
１４を有し、下端にコネクタ１１の外側方へ曲げ
出された載接片１５を有する。

詳述するとコンタクト１３は図示のように逆Ｕ
字形に曲げて略折重ね状態にした部分を植込部と
しつつ受口１２の一方の内側壁に配して該雌端子
部１４の一方の固定挾持片１４ａとすると共に、
該固定挾持片１４ａの内側片下端を更にＵ字形に
折曲して受口１２の他方の内側壁に沿う立上げ支
片を形成し、更に該立上げ支片の先端を内側方へ
逆Ｕ字形に折曲げ、その先端を立上げ支片に向け
折曲し、該折曲部を上記固定挾持片に接触又は近
接状態に対向させて雌端子部１４の他方の弾性挾
持片１４ｂとする。他方上記固定挾持片１４ａの
外側片下端を側方へ折曲し載接片１５を形成す
る。雄端子は上記固定挾持片１４ａと弾性挾持片
１４ｂ間に挿入して上記接圧を得、第４図に示す
ように上記載接片１５を以つて配線基板１６の配
線パターン１７表面に半田付けし実装する。

上記表面実装コネクタ１１の両端部に同コネク
タ１１を配線基板１６に取付固装する止具１８を
具備させる。コネクタは第１図乃至第４図に示す
ように、多数の受口１２を配した平行に延在する
コネクタ本体１１′を有し、該コネクタ本体１
１′の両端部を連結フレーム２４で連結した構造
を有し、該各連結フレーム２４の中央に上記止具
１８を配設する。該止具１８は第４図乃至第６図
に示すように配線基板１６に貫設した取付孔１９
に圧入される挿入止部分２０と、配線基板１６の
表面に設けた取付用金属パツド２１の表面に載接
し半田付けされる半田止部分２２とを備えた単部
品構造である。

上記止具１８の具体例として、図示のように、
板材を略馬蹄形に曲げ加工し、一方の曲げ板部に
て上記挿入止部分２０を、他方の曲げ板部にて上
記半田止部分２２を並成し、両者を連結片２０ｃ
にて連結した形態とする。

詳述すれば上記挿入止部分２０は略挿入しろの
全域に亘る中割２０ａを有し、板厚部両側に圧入
突起２０ｂを有する。又挿入止部分２０の基部に
植込爪２０ｄを有する。他方上記半田止部分２２
は下端を略Ｌ形に曲げて形成した取付片２２ａを
有する。

而して、上記止具１８は第５図，第６図に示す
ように上記挿入止部分２０をコネクタ１１の両端
部中央部、即ち前記連結フレーム２４の中央部に
設けた取付溝２３に貫挿し植込爪２０ｄを該取付
溝２３の開口縁又は内壁に喰い付かせて固装する
と共に、該挿入止部分２０及び半田止部分２２を
コネクタ下方に突出させ、両者を連結フレーム２
４に連結片２０ｃを介して跨装する。詳述する
と、挿入止部分２０を連結フレーム２４の中央部
に設けた取付溝２３に貫挿して連結フレーム下方
へ突出させ、同時に上記半田止部分２２を連結フ
レーム２４の内側面に添わせつつ連結フレーム下
方へ突出させ、その下端に曲成した上記取付片２
２ａを連結フレーム２４，２４間の内側空間側へ
向け突出させ配線基板４の金属パツド２１への半
田付けに供する構成とする。

斯くしてコネクタ１１両端部に挿入止部分２０
と半田止部分２２を併備した一対の止具１８を具
備させる。

上記挿入止部分２０は前記の通り、コネクタを
配線基板１６に半田ペーストを介し予備搭載する
時取付孔１９に圧入され、コンタクト１３と配線
パターン１７の位置決めを行なう。この時挿入止
部分２０は第７図Ａ，Ｂに示すように圧入突起２
０ｂを以つて取付孔１９に圧入し、中割２０ａに
より縮小方向へ弾性変形しつつ、その復元力で同
圧入突起２０ｂを取付孔１９の内壁にしまりばめ
する。同時に上記半田止部分２２の取付片２２ａ
を配線基板１６の取付用金属パツド２１表面に半
田ペーストを介して載接する。然る後、加熱工程
に供することによつて、コンタクト１３の載接片
１５と配線パターン１７の半田２５による融着が
なされ、同時に上記半田止部分２２の取付片２２
ａと取付用金属パツド２１との融着が果される。

考案の効果 以上説明した通り本考案によれば、コネクタに
具備させた止具に配線基板の取付孔に圧入される
挿入止め部分と配線基板表面に設けた金属パツド
へ半田付けされる半田止部分とを併備させること
により、両者の協働にて表面実装における位置ず
れや引抜強度等の問題を有効に解決することがで
きる。

即ち、表面実装コネクタは止具の挿入止部分に
より半田ペーストを介しての予備搭載時のコンタ
クトと配線パターンの位置ずれや、浮上りの問題
を良好に防止しつつ、該圧入固定される挿入止部
分に加え半田固定される半田止部分を具備させて
二点止支持とすることにより、例えばIC等の抜
去荷重に対しては圧入固定される挿入止部分によ
り支持されて半田止部分に引剥力が集中付加され
るのを防止し、同半田止部分への引剥力を減殺し
て同半田止部分によるコネクタ固装効果を確実に
発揮させると共に、コネクタに付加される横荷重
に対しても両者の協働にて良好な補強効果が期待
できる。

又半田止部分を半田付けする取付用金属パツド
はコンタクトを半田付けする配線パターンと異つ
て並設ピツチの制約がなく、半田付け面積を充分
に確保し、取付強度を高めることができ、加えて
表面実装の加熱工程において止具の半田付部分と
取付用金属パツドの融着が同時に行なえ、コネク
タ固装が容易に行なえる。

又本考案は平行に延在されたコネクタ本体と、
その両端を連結するフレームから成るコネクタ構
造を活用し、上記挿入止部分を連結フレームの下
方へ突出させつつ、止具の半田止部分を連結フレ
ームの内側面に沿わせ、その半田付け用取付片を
連結フレームの内側空間側へ向け突出し配線基板
の金属パツドへの半田付けに供する構成としたの
で、上記止具に挿入止部分と半田止部分を並成す
る構成を採りながら、該止具の取付けによつてコ
ネクタ外側方への張り出し部を生成することなく
所期の使用目的に供することができ、これにより
コネクタの大形化、従つてコネクタ実装面積の増
加を招かず、高密度実装を可能とし、止具の所期
の固定目的を有効に達成できる。又半田止部分の
下端に曲成された半田付け用取付片の半田付け状
態も上記連結フレーム内側の空間から容易に視認
できる。又連結フレームの内側で半田付けするの
で、取付片をフレームの外側に張り出して半田付
けする場合に比べ、コネクタに加わる引剥れ力に
対する強度を一層増加することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の表面実装コネクタを示す断面
図、第２図乃至第７図は本考案の実施例を示し、
第２図は表面実装コネクタ平面図、第３図は同Ａ
−Ａ線断面図、第４図は同Ｂ−Ｂ線断面図、第５
図は止具、コネクタ、配線基板を分解して示す拡
大斜視図、第６図は同三者の組立拡大断面図、第
７図Ａは止具の挿入止部分断面図、同図Ｂは取付
孔への挿入状態を示す同挿入止部分断面図であ
る。 １１……IC実装用コネクタ、１３……コンタ
クト、１５……載接片、１６……配線基板、１７
……配線パターン、１８……止具、１９……取付
孔、２０……挿入止部分、２１……取付用金属パ
ツド、２２……半田止部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面実装コネクタ１１に該コネクタ１１を配線
   基板１６に固装するための止具１８を具備させ、
   該止具に配線基板の取付孔１９に圧入される挿入
   止部２０と、配線基板１６に設けた取付用金属パ
   ツド表面に半田付けされる半田止部分２２を併備
   させ、挿入止部分と半田止部分とを連結片を介し
   て並成して成る表面実装コネクタの固定機構にお
   いて、多数の受口１２を並列配置した平行に延在
   せるコネクタ本体１１′の両端を連結せる連結フ
   レーム２４の中央部に設けた取付溝２３に上記挿
   入止部分２０を貫挿すると共に、上記半田止部分
   ２２を上記連結フレーム２４の内側面に添わせつ
   つフレーム下方へ突出させその下端に曲成した上
   記金属パツドへの半田付け用の取付片２２ａを連
   結フレーム２４の内側空間側へ向け突出させたこ
   とを特徴とする表面実装コネクタの固定機構。