JPH0518882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、サツチ（芝の枯れたものや枯れ草な
ど）を吸引収集する装置を備えた根切り機に関す
るものである。

(ロ) 従来の技術 芝植生地は、ある期間を経るごとに根切りをし
て切り取られた根屑やサツチと呼ばれる枯れ芝な
どを除去することによつて排水を良くすると共に
芝根部への通気性を良好ならしめて活性化する必
要があり、このような根切り作業を省力的に行な
う根切り機が、例えば、実公昭57−42244号公報
などにみられる。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 ところで、従来の根切り機は、回転する作溝直
刃が掘りあげた土壌等を、前記作溝直刃が掘削し
た溝の側方の表層部に移動させて覆土として用い
るようになつており、作溝直刃の掘削によつて生
ずる根の切り屑やサツチ等が入り混じつた土壌が
植生地の表層に展開されることになるので、牧草
地では特に支障はないけれども、ゴルフ場や庭園
など仕上がりの優美さが要求される芝植生地の根
切りには不向きである。

そこで、芝刈機において一般的に行われている
刈草の吸引収集装置を根切り機に応用して根の切
り屑やサツチ等を収集除去することが考えられる
のであるけれども、根切り機では掘削された土壌
と根の切り屑やサツチ等が入り混じるため、軽い
刈草のみを吸引処理すればよい芝刈機の刈草収集
装置では対応しきれない。

本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであ
つて、芝植生地の根切り作業と共に、根切りによ
つて生ずる根の切り屑や、その他のサツチ等を土
壌と分離して効率よく吸引収集して仕上がり良好
に作業できるように改良された根切り機を提供す
るものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 すなわち、本考案におけるサツチ等の吸引装置
を備えた根切り機は、車輪１２に対して反対方向
に回転するロータ２２を機枠３２に装備し、該ロ
ータ２２における刃２８の回転圏の外方を覆うカ
バー３７を、前記刃２８の回転圏の前がわに位置
する部分が斜め下方前方に延出してその延出端部
が最も地面に近く位置するように形成するととも
に、前記刃２８の回転圏の後がわ部位に、前記ロ
ータ２２の全幅と略等幅の吸引口部３６を装設し
て、その前面がわ及び底面部を開口して構成して
あることを特徴とするものである。

(ホ) 実施例 以下、本考案の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は本考案に係る根切り機の一部破断側面
図、第２図は根切り機のロータ部の一部分を示す
断面図、第３図は根切り機のロータ部の一部分の
斜視図、第４図は第１図のＡ−Ａ断面部分図であ
る。

根切り機は、芝植生地１０を走行し易いように
造られた車輪１２と、当該車輪１２の上方部位に
配設されるエンジン１４と、操縦ハンドル１６
と、上記エンジン１４からの動力で回転される横
駆動軸１８とを備えて構成されている。

車輪１２は、芝植生地１０を走行し易いよう低
圧車輪とされ、また、トレツドパターンが小さく
形成されている。

横駆動軸１８は、エンジン１４からケース２０
中のスプロケツト、チエン等を経て伝達される動
力で上記車輪１２と反対の方向、つまりアツプカ
ツト方向に回転されるようになつており、この横
駆動軸１８にロータ２２が装備固定されている。

ロータ２２は、第２図および第３図に示される
ように、複数個の円板２４を中空棒２６で連結し
各円板２４に板状の刃２８を数枚放射状に固定し
て構成され、左右一対のロータ２２，２２が横駆
動軸１８に嵌装されている。

そして、ロータ２２の刃２８の回転圏外方がカ
バー３７で覆われるが、該カバー３７は、前記刃
２８の回転圏の前がわに位置する部分を斜め下方
前方に延出させて、その延出端部が最も地面に近
く位置するように形成されている。

一方、前記ロータ２２における刃２８の回転圏
の後がわ部位には、ロータ２２の全幅と略等幅の
吸引口部３６が装設される。

吸引口部３６は、箱状体の前面がわ及び底面部
を開口して形成されており、箱状体の壁部の適所
吸引導管３８が連設されている。

吸引導管３８は吸引口部３６を支持する支承部
材をも兼ねており、この吸引導管３８を介して吸
引口部３６が機枠３２に取付けられる。

なお、４０は機枠に装着された吸引用のポンプ
またはブロワー、４１は収集箱、３０はロータに
よる切割裂創を展圧矯正するローラであり縦棒３
４に回転可能に枢支されている。

(ヘ) 作用 このように構成された根切り機が芝植生地を進
行すると、ロータ２２が車輪１２に対して反対方
向に回転し、その刃２８によつて芝植生地を筋状
に切割して根切りする。

この根切りの際には、切断された根の切り屑や
地表に散在するサツチ等を含む土壌が前方上向き
に跳ね上げられるのであるけれども、その土壌等
は、前記刃の回転圏の前がわ部分で斜め下方前方
に延出して延出端部が最も地面に近く位置してい
るカバー３７に衝突し、重量のある土壌が先に落
下され、根の切り屑やサツチ等の軽いものは土壌
から浮上状態に分離される。

そして、土壌から浮上状態に分離された根の切
り屑やサツチ等が外気とともに吸引口部３６に吸
引されて、吸引導管３８を経て収集箱４１内に送
り込まれ、外気のみがフイルタで収容箱４１の外
方に抜け出し、サツチ等はフイルタで遮断されて
収容箱４１内に留まることになつて収集が行なわ
れる。

また、ロータ２２の刃２８によつて切割されな
い部分（筋状切割部の間の部分）の表面に散在す
るサツチ等は、ロータ２２の全幅と略等幅に形成
された吸引口部３６の底面開口部分から同時に吸
引されて、上記のものと同様に収集処理されるの
であり、従つて根切り機の通過跡は全面的にサツ
チ等が散在しない整斎な状態に仕上がるのであ
る。

(ト) 考案の効果 以上のように、本考案における根切り機は、車
輪１２に対して反対方向に回転するロータ２２を
機枠３２に装備し、該ロータ２２における刃２８
の回転圏の外方を覆うカバー３７を、前記刃２８
の回転圏の前がわに位置する部分が斜め下方前方
に延出してその延出端部が最も地面に近く位置す
るように形成すると共に、前記刃２８の回転圏の
後がわ部位に、前記ロータ２２の全幅と略等幅の
吸引口部３６を装設し、その前面がわ及び底面部
を開口して構成してあるから、芝植生地の根切り
を行なうとともに、根切りによつて生ずる根の切
り屑やその他のサツチ等を土壌と分離して効率よ
く吸引収集して、芝植生地を全面的にサツチ等が
散乱しない良好な状態に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る根切り機の一部破断側面
図、第２図は根切り機のロータ部の一部分を示す
断面図、第３図は根切り機のロータ部の一部分の
斜視図、第４図は第１図のＡ−Ａ断面部分図であ
る。 １２……車輪、２２……ロータ、２８……刃、
３６……吸引口部、３７……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪１２に対して反対方向に回転するロータ２
   ２を機枠３２に装備し、該ロータ２２における刃
   ２８の回転圏の外方を覆うカバー３７を、前記刃
   ２８の回転圏の前がわに位置する部分が斜め下方
   前方に延出してその延出端部が最も地面に近く位
   置するように形成すると共に、前記刃２８の回転
   圏の後がわ部位に、前記ロータ２２の全幅と略等
   幅の吸引口部３６を装設し、その前面がわ及び底
   面部を開口して構成してあることを特徴とするサ
   ツチ等の吸引装置を備えた根切り機。