JPH0319687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、リール式芝刈りカツタ及び車輪を駆
動するエンジンを設けた歩行型芝刈機に関する。

〔従来の技術〕

上記歩行型芝刈機において、従来では例えば実
願昭50−1461号公報に開示されているように、前
記リール式カツタを前車輪と後車輪との間の前後
中間位置に配置するとともに、このリール式カツ
タの回転軸を外側に突出させその突出軸に横軸芯
周りで回転する回転刃を着脱自在に取付ける構造
のものがあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来構造は、前記回転刃を装着しない状態
ではリールブレードによる通常の芝刈りの作業を
行ない、前記回転刃を装着して回転駆動すること
で、例えば芝の切断やあるいは芝生面の端縁にお
いて仕切り用のブロツクや石等の上方に乗りかか
る状態で生長している芝を刈取る場合等におい
て、上記したように横軸芯周りで回転する回転刃
によつて、上記したような際刈や芝切断を有効に
行えるよう構成したものである。

ところが、上記従来構造においては、前記回転
刃が前後車輪の中間位置に設けられるものである
から、例えば、前記際刈り作業の際に、芝生の一
辺の仕切り部に沿つて際刈りして角部まで至つた
とき、前輪が他方の仕切り部に接する位置までし
か作業できず角部付近での有効な際刈り作業が行
えない欠点があつた。

又、回転刃を装着した状態での移動走行時に
は、回転刃を対地浮上させるのに、上記従来構造
ではハンドルを持ち上げて、前輪のみが接地する
状態を維持しなければならないが、このハンドル
を持ち上げての前進歩行は大変行い難く、かつ、
労力を要する欠点もあつた。

本考案は、合理的配置構造により、上記不具合
点を解消する点に目的を有する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、リール式芝刈りカツタと
前車輪及び後車輪とを備えるとともに、後車輪を
駆動するエンジンを設けた歩行芝刈機であつて、
カツターの駆動回転軸を前車輪の機体前方に配置
し、この、駆動回転軸に、芝生切断用回転刃を前
車輪よりも横側外方側で一体回転及び着脱自在に
連結する取付部を備えるとともに、芝生切断用回
転刃を、その前端部がカツターを覆うカバーの前
端部よりも機体前方に位置し、かつ、その下端部
が前記各車輪の対地接地部よりも低位となる状態
に配設してある点にあり、その作用・効果は次の
通りである。

〔作用〕

前記回転刃を取付けた状態で際刈り作業を行う
と、芝生の一辺の端縁に沿つて際切り作業を行
い、角部まで到つた場合であつても、回転刃は前
車輪および機体最前端の双方よりも前方位置で、
しかもカツターおよ前車輪よりも横側外方に位置
するので、機体前方側の仕切り部にほぼ接する位
置まで近接されることができて、角部の際刈りを
有効に行える。

また、後輪を駆動する構成により、回転刃を装
着した状態での移動走行を行うには、ハンドルを
押し下げて回転刃を対地浮上させた状態を維持す
るようになるが、このハンドルを押し下げる状態
は、従来の持ち上げる場合に比べて労力、操作
性、および操向性のいずれについても有効とな
る。

〔考案の効果〕

従つて、本考案によれば、リール式カツタの駆
動軸を有効利用して、構造の大幅な複雑化を招く
ことなく、際刈り作業を行えるものを得られるも
のでありながら、芝生の角部での際刈りを刈残し
なく効率よく行え、しかも、回転刃装着時の移動
走行の操作性を極力良好にできりものを提供でき
るに至つた。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図に示すように、左右一対の遊転前車輪１
ａ，１ｂ及び駆動可能な後車輪２ａ，２ｂ、エン
ジン３、操縦ハンドル４を備えた走行機体に、リ
ール式芝刈りカツター５を切断芝飛散防止カバー
６内の前端部に配置した状態で駆動自在に取付け
ると共に、前記カバー６の内部に、刈取り芝容器
７をカツター５の回転によつて後方に飛散される
刈取り芝を回収貯留するように、かつ、機体後方
から抜き差し着脱するように設けて、歩行型芝刈
り機を構成してある。

前記カツター５及び後車輪２ａ，２ｂの駆動を
可能にするに、第２図に示すように、エンジン３
の出力軸３ａにベルトテンシヨン式主クラツチ８
を介して伝動切り自在に連動させた中間伝動軸９
を、第１伝動ケース１０に内装した状態で前記カ
バー６の前端側の上方に設け、前記中間伝動軸９
を、チエーンケース１１に内装の伝動チエーン１
２を介してカツター５の駆動回転軸５ａに連動連
結してある。そして、前記中間伝動軸９の回動力
をウオームギアー式減速連動機構１３及び回転伝
動軸１４を介して減速入力するように構成した第
２伝動ケース１５を、前記カバー６の後端側の上
方に設けると共に、前記第２伝動ケース１５の左
側出力軸１６をチエーンケース１７ａに内装の伝
動チエーン１８ａを介して左後車軸１９ａの連動
連結し、前記第２伝動ケース１５の右側出力軸２
０をチエーンケース１７ｂに内装の伝動チエーン
１８ｂを介して右後車軸１９ｂの連動連結してあ
る。

第２図に示すように、前車輪１ａ，１ｂよりも
機体前方側に配置してある。前記カツター駆動回
転軸５ａの入力側とは反対側の端部をカバー６の
横外側に突出させると共に、この突出端部に、芝
生切断用回転刃２１を取外し及び一体回転可能に
連結する取付部２２を形成する部材を装備してあ
り、第３図に示すように、前記回転刃２１をカツ
ター５の駆動力でもつて駆動するように装着し、
芝生切断機を構成できるようにしてある。

前記回転刃２１は右前車輪１ｂよりも右側外方
側に位置する状態で取付けてある。

また、回転刃２１の前端位置はカバー６の前縦
壁６ａ（カバーの前端部に相当）よりも前に位置
し、下端位置は右前車輪１ｂの接地部よりも下方
に位置している。

左右後輪２ａ，２ｂを同一回転方向に一体駆動さ
れる状態と、各別回転自在な遊転状態とに切換え
るクラツチ２３を、前記第２伝動ケース１５に内
装すると共に、前記クラツチ２３の揺動式操作ア
ーム２４にレリーズワイヤ２５を介して連動連結
した状態で操縦ハンドル４の握り部付近に配置し
てある操作レバー２６によつて操作するように構
成して、前記カツター５及び後車輪２ａ，２ａの
うち後車輪２ａ，２ｂのみをクラツチ２３によつ
て駆動停止できるように構成してあり、機体を走
行停止させた状態においても、あるいは人為的に
押し移動させながらも芝刈り作業したり、芝生切
断作業できるようにしてある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型芝刈機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は伝動系統図、
第３図は芝生切断用回転刃の装着状態の側面図で
ある。 １ａ，１ｂ……前車輪、２ａ，２ｂ……車輪、
３……エンジン、５……芝刈りカツター、５ａ…
…カツター駆動回転軸、６ａ……前端部、２１…
…芝生切断用回転刃、２２……取付部、２３……
クラツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ リール式芝刈りカツター５と、前車輪１ａ，
   １ｂ及び後車輪２ａ，２ｂとを備えるととも
   に、前記後車輪２ａ，２ｂを駆動するエンジン
   ３を設けた歩行型芝刈機であつて、前記カツタ
   ー５の駆動回転軸５ａを前車輪１ａ，１ｂの機
   体前方に配置し、この、駆動回転軸５ａに芝生
   切断用回転刃２１を前車輪１ａ，１ｂよりも横
   側外方側で一体回転及び着脱自在に連結する取
   付部２２を備えるとともに、前記芝生切断用回
   転刃２１をその前端部が前記カツター５を覆う
   カバー６の前端部６ａよりの機体前方に位置
   し、かつ、その下端部が前記各車輪１ａ，１
   ｂ，２ａ，２ｂの対地接地部よりも低位となる
   状態に配設してある歩行型芝刈機。 ２ 前記後車輪２ａ，２ｂのみを駆動停止させる
   クラツチ２３を設けてある実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の歩行型芝刈機。