JPH05188046A - 超音波探触子および超音波診断方法 - Google Patents

超音波探触子および超音波診断方法

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JPH05188046A
JPH05188046A JP4158188A JP15818892A JPH05188046A JP H05188046 A JPH05188046 A JP H05188046A JP 4158188 A JP4158188 A JP 4158188A JP 15818892 A JP15818892 A JP 15818892A JP H05188046 A JPH05188046 A JP H05188046A
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JP
Japan
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ultrasonic
signal lines
measured
signal
vibrators
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Application number
JP4158188A
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English (en)
Inventor
Akira Murayama
章 村山
Megumi Tanaka
恵 田中
Mitsuhiro Hoshino
充宏 星野
Akio Onimaru
昭夫 鬼丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JAPAN PUROOBU KK
JFE Engineering Corp
Tokimec Inc
Original Assignee
JAPAN PUROOBU KK
Tokimec Inc
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数種類の周波数fを有する超音波21を被測
定体4 に対して入射でき、被測定体4 の厚み(深さ)方
向の各領域において検出感度をほぼ任意に設定でき、小
さい対象から大きい対象まで精度よく診断する。 【構成】 同一容器31内に複数の振動子26,27 を楔25を
介して被測定体4 の取付面に対して傾斜する方向に積層
し接着する。そして、各振動子の両側の電極28a,28b,29
a,29b からそれぞれ信号線30a,30b,30c を容器外へ導出
するように超音波探触子を構成している。また、超音波
診断方法においては、この超音波探触子を用い、パルス
信号を印加する一対の信号線を選択することによって、
複数種類の周波数の超音波を目的に応じて選択して被測
定体に入射している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層し接着された複数の
振動子を同一容器内に組込んだ超音波探触子とこの超音
波探触子を用いた超音波診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鋼板等の被測定体内に存在する欠
陥を検出する欠陥探傷手法の一つとして超音波探傷法が
実用化されている。そして、この超音波探傷法は超音波
を被測定体の表面に対して垂直に入射させる垂直探傷法
と、超音波を被測定体の表面に対して傾斜して入射させ
る斜角探傷法とがある。図14は斜角探傷法を採用した
超音波探触子を用いた超音波探傷装置を示す図である。
【0003】超音波探触子1はダンパー材が充填された
容器2内に超音波の送信と受信とを行う1枚の振動子3
を楔5の一方面に取付けた構造を有する。楔5の他方面
は鋼板等の被測定体4の取付面4aに当接するように配
設されている。したがって、振動子3の垂線と取付面4
aとのなす角度iは楔5の形状によって定まる。また、
振動子3は信号線6で容器2に設けられた端子7から外
部に取出される。そして、外部の探傷器内のパルス発生
回路8から信号線6を介してパルス信号を振動子3に印
加すると、振動子3から超音波9が被測定体4の取付面
4aに対して前述した角度iで入射する。この超音波9
は取付面4aで屈折されて、被測定体4の内部へ斜め方
向に送出される。
【0004】被測定体4内を斜め方向に伝播される超音
波9は例えば被測定体4の反対面(底面)で反射され
る。ここで、被測定体4の内部に欠陥10が存在する
と、この欠陥10で超音波9が反射されるので、反射さ
れた超音波9は振動子3に入射する。振動子3に入射し
た欠陥10に起因する反射波(エコー)は電気信号に変
換されて受信信号として信号線6を介して前記探傷器の
受信回路11で受信される。受信回路11は受信信号を
検波して、ブラウン管12へ送出する。したがって、受
信回路11にて検波された受信信号には楔5に対する入
射面で反射された反射波に起因する送信パルス波Tと前
記欠陥に起因する欠陥波Fとが含まれる。ブラウン管1
2は、この送信パルス波Tと欠陥波Fとを表示する。
【0005】超音波9が振動子3から送出されてから欠
陥10にて反射されて再度振動子3に入射するまでに要
する時間が求まると、超音波10の被測定体4内の伝播
速度および超音波9の伝播角度は既知であるので、欠陥
位置(深さ)Xが特定される。また、欠陥波Fの波形高
(エコー高さ)より欠陥規模も特定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示す超音波探傷装置においてもまだ次のような問題が
ある。
【0007】すなわち、超音波探触子1の振動子3にパ
ルス信号が印加されると、振動子3は、厚みtに応じた
伸び縮みの振動(共振)を開始する。そして、数回振動
を繰り返して減衰して停止する。したがって、超音波探
触子1から被測定体4内へ入射される超音波9の周波数
fは、振動子3の厚みtによって一義的に定まる。この
ことは、一つの超音波探触子1でもって予め設定された
単一の周波数fを有する超音波9しか被測定体4内へ入
射できない。
【0008】一方、超音波9の被測定体4内における減
衰特性は超音波9の周波数fによって大きく変化する。
すなわち、周波数fが高いと比較的減衰しやすく、周波
数fが低いと比較的減衰しにくい。また、微細な欠陥は
高い周波数fの超音波で比較的検出しやすく、低い周波
数ではこのような微細欠陥に対する検出能力が低下する
懸念がある。
【0009】また、超音波探触子1から欠陥10が存在
する位置までに超音波9が伝播する距離で示すビーム路
程Wf と欠陥検出感度との関係を示すDGS線図を図1
5に示す。図示するように、欠陥10までのビーム路程
Wf で示す距離が大きくなると、エコー高さで示される
欠陥検出感度が低下する。また、周波数fによって検出
感度特性が変化する。さらに、図中のパラメータGは欠
陥10の大きさ(規模)dと振動子3の外径Dとの比
(G=d/D)である。このように、振動子3の寸法に
よっても検出感度特性は大きく変化する。
【0010】このように、被測定体4内の任意の位置に
おける欠陥の検出能力は、超音波9の周波数f(振動子
3の厚さt)と,外径D等の寸法でほぼ定まる。逆に、
このことは、被測定体4内における各位置の欠陥検出感
度分布を任意に設定できないことになる。また、振動子
の近距離音場距離と指向角は寸法と周波数(波長)の関
係で定まり、その結果として音場(有効ビーム幅)特性
も変化する。具体的に説明すると、振動子の指向角θは
振動子寸法と周波数の関係で定まり、一般的に、下記の
実験式で示される。 θ=70λ/D (円形振動子の場合) θ=57λ/L (正方形振動子の場合) 但し、λ(波長)=C/f D:振動子の外径
L:振動子の一辺の長さC:音速度 f:振動周波数
【0011】この式からも理解できるように、振動子が
同一寸法の場合、周波数が高いほど超音波の指向角θは
小さくなり、近距離音場距離が長くなる。また、減衰の
大きい材料の場合では、距離が遠くなるに従い超音波の
減衰が大きくなり検出感度が急激に低下する。逆に、周
波数が低いほど超音波の指向角θは大きくなり、近距離
音場距離は短くなる。また、たとえ距離が遠くなったと
して超音波の減衰が少ないために、検出感度が急激に低
下することはない。
【0012】その結果、被測定体4の内質部に対しては
目的とした検出能力(感度)が得られるが、表層部に対
しては検出能力(感度)が高すぎて、不必要な疵まで検
出してしまう問題がある。また、逆に表層部は目的とし
た検出能力(感度)が得られるが、内質部は検出能力
(感度)不足になる問題がある。
【0013】したがって、JISZ3060(鋼溶接部の超音波
探傷試験方法)規定では、0.5 スキップ以内では、近距
離と遠距離の検査水準を同等にするため、距離振幅補正
曲線を作成し、距離によって検出レベルを強制的に一致
させている。しかし、この距離振幅補正曲線は近距離音
場での感度変化を無理やり無視し、一定感度レベルで欠
陥の合否判定を行っている。これは、図15に示したD
GS線図からも理解できるように、S/N等を無視して
おり、かなり不合理である。また、建築材料の溶接部や
継ぎ手の溶接部の検査には、主として超音波射角探傷法
が用いられている。この場合、
【0014】(a)欠陥を検出したときその正確な欠陥
位置,規模を把握する必要がある (b)被測定体内における超音波の有効ビーム幅を狭く
して、S/Nを向上する必要がある (c)短い波長で微細欠陥まで検出する必要がある このような要求を満たすために、一般に、使用する超音
波周波数fを5MHz等の比較的高い周波数に設定してい
る。
【0015】しかし、前述したように、周波数fを高く
すると指向角θが小さくなり、疵の傾き等によっては、
超音波の反射指向性が鋭くなる。その結果、この疵で反
射された超音波(エコー)の方向が振動子の方向から大
きく外れて、振動子でもって欠陥に起因する反射波(エ
コー)を検出できない懸念がある。特に、欠陥が「割
れ」等に起因する面状欠陥の場合、反射指向性が鋭くな
り、この「割れ」欠陥を見落とす可能性が大きい。
【0016】そこで、前記建築材料のなかの重要な部材
に対しては、例えば2MHz等の低い周波数fを用いて、
超音波の有効ビーム幅を広く設定し、前記反射指向性を
鈍くすることによって、「割れ」等の面状欠陥の検出確
度を高めている。そして、面状欠陥が検出された時点
で、この面状欠陥の正確な位置や規模を5MHzの周波数
を用いて再度超音波探傷を行って測定する。
【0017】この場合、2MHzと5Mhzとの各々の超音
波探触子による感度校正が必要であることは勿論のこ
と、低い周波数を用いた探傷過程で欠陥が検出されたと
しても、その時点で即座に高い周波数で同一欠陥を詳細
に測定できない問題がある。すなわち、一旦、低い周波
数の超音波探触子を取外して、同一位置に高い周波数の
超音波探触子を取付け直す必要がある。
【0018】しかし、このように、周波数の異なる複数
の超音波探触子を準備して、被測定体4の同一場所を複
数回に分けて探傷する手法においては、別々に得られた
受信信号を合成したり、信号処理を行う必要があるの
で、超音波探触子の取付位置等の補正処理などを含んだ
高度で複雑なシステムが必要となる。また、同一場所を
異なる超音波探触子でもって2回以上測定する必要があ
り、探傷作業能率が低下する。
【0019】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、同一容器内に複数の振動子を積層し接着す
ることによって、各振動子単独で又は各振動子を連結し
て励振することができ、もって複数種類の周波数の超音
波を被測定体に入射でき、近距離から遠距離まで目的と
する検出感度を実現でき、小さい対象から大きい対象ま
で精度よく診断できる超音波探触子および超音波診断方
法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の超音波探触子は、同一容器内に組込まれ、
楔を介して被測定体の取付面に傾斜する方向に積層し接
着された複数の振動子と、この積層された各振動子の両
端に取付けられた電極と、この各電極に送受信する信号
を容器外へ導く複数の信号線とを備えたたものである。
【0021】また、別の発明の超音波探触子において
は、上記超音波探触子に加えて、各電極に送受信する信
号を容器外へ導く信号線または信号線相互間にインピー
ダンス整合用のインピーダンス素子が介挿されている。
【0022】さらに、積層し接着された複数の振動子は
それぞれ等しい厚さに設定されていても、またそれぞれ
異なる厚さに設定されていてもよい。さらに、各振動子
の形状は互いに異なる形状であってもよい。
【0023】また、本発明の超音波診断方法によれば、
楔を介して被測定体の取付面に傾斜する方向に積層し接
着された複数の振動子を同一容器内に組込み、各振動子
の両端に取付けられた電極から容器外にそれぞれ信号線
を導出し、この導出された複数の信号線のうちから一対
の信号線の組合せを選択し、選択した一対の信号線間に
パルス信号を印加することによって、被測定体内に所望
の周波数を有する超音波を入射させて超音波診断を行う
ようにしている。
【0024】また、別の発明においては、楔を介して被
測定体の取付面に傾斜する方向に積層し接着された複数
の振動子を同一容器内に組込み、各振動子の両端に取付
けられた電極から容器外にそれぞれ信号線を導出し、こ
の導出された複数の信号線のうちから一対の信号線の組
合せを同時または交互に選択していき、選択された一対
の信号線間にパルス信号を印加することによって、被測
定体内に複数の異なる周波数を有する超音波を入射させ
て超音波診断を行うようにしている。
【0025】さらに、別の発明においては、楔を介して
被測定体の取付面に傾斜する方向に積層し接着された複
数の振動子を同一容器内に組込み、各振動子の両端に取
付けられた電極から容器外にそれぞれ信号線を導出し、
この導出された複数の信号線のうちから信号線間相互間
に多くの振動子が接続された一対の信号線間にパルス信
号を印加して低い周波数を有する超音波を被測定体内に
入射させて粗超音波診断を行い、続いて導出された信号
線のうちから信号線間相互間に少ない振動子が接続され
た一対の信号線間にパルス信号を印加して高い周波数を
有する超音波を前記被測定体内に入射させて微細超音波
診断を行うようにしている。
【0026】また、厚みが異なる複数の振動子が組込ま
れていた場合には、導出された複数の信号線のうちから
厚い振動子が接続された一対の信号線間にパルス信号を
印加して低い周波数を有する超音波を被測定体内に入射
させて粗超音波診断を行い、続いて導出された信号線の
うちから薄い振動子が接続された一対の信号線間にパル
ス信号を印加して高い周波数を有する超音波を被測定体
内に入射させて微細超音波診断を行うようにしている。
【0027】
【作用】このように構成された超音波探触子および超音
波診断方法によれば、一つの容器内に複数の振動子が楔
を介して被測定体の取付面に傾斜する方向に積層し接着
されている。すなわち、一種の斜角探触子を形成する。
そして、各振動子の両側に取付けられた電極から信号線
が容器外へ導出されている。
【0028】したがって、積層された複数の振動子のう
ちの最下端に位置する振動子の下面の電極に接続された
信号線と最上端に位置する振動子の上面の電極に接続さ
れた信号線との間にパルス信号を印加すると、積層され
た複数の振動子が1個の振動子と見なして振動する。こ
の場合の振動の周波数は積層された振動子の全部の厚み
を加算した厚みで定まる。
【0029】逆に、最下端に位置する振動子の下面の電
極に接続された信号線と同じ振動子の上面の電極に接続
された信号線との間にパルス信号を印加すると、この最
下端の振動子のみが振動する。この場合の振動の周波数
は最下端の振動子の厚みで定まる。
【0030】また、上述したように積層し接着された複
数の振動子は、個々の振動子の厚さや接着された電極層
の厚さ、材質のバラツキ等により、それぞれ異なるイン
ピーダン値を有する場合がある。したがって、各振動子
の信号線また信号線相互間に例えばコイルや抵抗等のイ
ンピーダンス素子を介挿することによって、振動子相互
間におけるインピーダンス値を整合させている。よっ
て、たとえ積層し接着された複数の振動子の両端にパル
ス信号を印加して、これらを振動させたとしても単一の
整合された周波数で振動する。
【0031】このように、パルス信号を印加する一対の
信号線間を適宜切換えることによって、1個の超音波探
触子でもって複数種類の周波数を有した超音波を被測定
体に入射させることが可能である。
【0032】また、別の発明においては、積層し接着さ
れる各振動子をそれぞれ異なる厚みに設定している。こ
の場合、同時に振動させる1個のまたは複数の振動子の
組合わせを種々に変更することによって、1個の超音波
探触子によって実現できる超音波種類をさらに増加でき
る。よって、被測定体の取付面からの距離によって超音
波の周波数を使い分けることが可能となり、任意の検出
能力(感度)を設定できる。
【0033】このような超音波探触子を用いることによ
って、被測定体に対して複数種類の周波数を有した超音
波で超音波診断が可能となる。その手法として、例え
ば、低い周波数で被測定体に対して粗超音波診断を行
い、その粗超音波診断によって異常部位が検出される
と、その異常部位に対して高い周波数で被測定体に対し
て微細超音波診断を行うことによって、重要な診断対象
を見逃す事なく、かつ該当対象に対して微細診断を実施
できる。
【0034】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0035】図1は実施例の超音波探触子および超音波
診断方法を適用した超音波探傷装置を示す概略構成図で
ある。図14と同一部分には同一符号が付してある。し
たがって、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0036】この超音波探傷装置は、大きく分けて、鋼
板等の被測定体4に対して超音波21を送受信する超音
波探触子22と、この超音波探触子22の各振動子に対
する信号を切換える信号切換回路23と、信号切換回路
23を介して超音波探触子22にパルス信号を送出する
とともに受信信号を処理する探傷器24とで構成されて
いる。
【0037】超音波探触子22はダンパー材が充填され
た容器31内に同一構成の2枚の振動子26,27を例
えばアクリル樹脂で形成された楔25の一方面に取付け
た構造を有する。楔25の他方面は鋼板等の被測定体4
の取付面4aに当接するように配設されている。楔25
の角度は各振動子26,27から出力されてこの楔25
を介して被測定体4の内部へ入射した超音波21の伝播
方向が取付面4aに対して例えば45°方向になる角度
に設定されている。
【0038】各振動子26,27の下面,上面にはそれ
ぞれ電極28a,28b,29a,29bが取付けられ
ている。なお、実際の境界面は各々の振動子の電極で構
成されている。そして、各振動子26,27どうしは電
極28a,29bを介してごく薄い接着剤で接着されて
いる。
【0039】各電極28a,28b(29a),29b
は、図4(a)に示すように、各振動子26,27と同
一形状に形成されている。この各振動子26,27の振
動面全体を覆う電極を全面電極と言う。この電極の形状
は図4(a)に示す全面電極の他に、図4(b)に示す
同心状電極,図4(c)に示す分割電極,図4(d)に
示すガウス電極等が考えられる。そして、これらの電極
形状は、発生する超音波の音場を広げる,絞る、均一に
する、傾ける等の各種の機能を有する。したがって、使
用目的に応じて、その中の1種類の電極形状を選択すれ
ばよい。
【0040】各電極28a,28b(29a),29b
からの信号線30a,30b,30cは容器31に取付
られた端子32を介して信号切換回路23に接続されて
いる。信号切換回路23は、図2に示すように、前記3
本の信号線30a,30b,30cから一対の信号線を
選択する機能を有する。共通アースとなる信号線30a
はそのまま探傷器24の(−)側端子に接続され、信号
線30b,30cが切換スイッチ23aを介して探傷器
24の(+)側端子に接続されている。
【0041】切換スイッチ23aは例えばスナップスイ
ッチ,水銀リレー,通常のコイルを利用したリレー,I
CやSCR等の電子切換回路等で構成されている。そし
て、この切換スイッチ23aは探傷器24内の同期回路
34によって切換制御される。
【0042】なお、実際の回路においては、一対の振動
子26,27のうちの一方の振動子のみを励振した場合
には、励振された振動子による正規の振動に対して、背
面に存在する他方の振動子が振動する。その結果、図3
に示すように、受信信号波形にはその振動子による干渉
現象に起因する高調波成分が混入する。したがって、得
られた受信信号のS/Nが低下する懸念が生じる。
【0043】このような干渉現象を未然に防止するため
に、図2に示すように、信号線30aと信号線30bと
の間にに0.1 μHのインピーダンス整合コイル33aを
並列介挿し、さらに信号線30cに15μHのインピー
ダンス整合コイル33bを直列介挿している。
【0044】また、探傷器24は、パルス発生回路8,
受信回路11,ブラウン管12,および信号切換回路2
3の切換動作とブラウン管12の表示内容との同期を取
る同期回路34とで構成されている。このように構成さ
れた超音波探傷装置において、
【0045】(1) 信号切換回路23の切換スイッチ
23aを信号線30b側に投入した状態で、探傷器24
内のパルス発生回路8からパルス信号を出力すると、こ
のパルス信号は信号切換回路23および信号線30aと
信号線30bとを介して、下側の振動子26の電極28
a,28bに印加される。
【0046】その結果、下側の振動子26がこの振動子
26の厚みtで一義的に定まる周波数f1 で振動して、
周波数f1 の超音波21が被測定体4に入射される。そ
して超音波21は被測定体4内を、楔25の角度iと被
測定体4の屈折率とで定まる例えば45°の傾斜方向に
伝播する。被測定体4内を45°方向に伝播される超音
波21は例えば被測定体4の反対面(底面)で反射され
る。ここで、被測定体4の内部に欠陥10が存在する
と、この欠陥10で超音波21が反射されるので、反射
された超音波21は楔25を介して振動子26に入射す
る。
【0047】振動子26に入射した欠陥10に起因する
反射波(エコー)は電気信号に変換されて受信信号とし
て信号線30a,30bおよび信号切換回路23を介し
て探傷器24の受信回路11で受信される。受信回路1
1は受信信号を検波して、ブラウン管12へ送出する。
ブラウン管12は受信回路11にて検波された受信信号
に含まれる送信パルス波Tと欠陥波Fとを表示する。よ
って、前述した手法でもって欠陥10の発生位置(発生
深さ)と波形高さ(エコー高さ)で示される規模とを特
定できる。
【0048】(2) 次に、信号切換回路23の切換ス
イッチ23aを信号線30c側に投入した状態で、探傷
器24内のパルス発生回路8からパルス信号を出力する
と、このパルス信号は信号切換回路23および信号線3
0aと信号線30cとを介して、下側の振動子26の下
面の電極28aと上側の振動子27の上面の電極29b
との間に印加される。
【0049】この場合、各振動子26,27は薄い電極
28b(29a)およぴごく薄い接着層を介して積層さ
れているので、2個の振動子26,27が合成された一
つの振動子のように動作する。その結果、各振動子2
6,27の各厚みを加算した等価的な厚みで一義的に定
まる周波数f2 で振動し、周波数f2 の超音波21が被
測定体4内を45°の方向に伝播する。その結果、周波
数f1 の超音波21と同様に、ブラウン管12内に被測
定体4内に存在する欠陥10に起因する欠陥波Fが生じ
る。
【0050】同一材料で同一外径に形成された振動子に
おいては、振動子の厚さが厚いほど低い周波数で振動す
る。したがって、2枚の振動子26,27を励振した
(2)の組合せ条件の周波数f2 は1枚の振動子28の
みを励振した(1)の組合せ条件の周波数f1 に比較し
て約1/2の周波数となる。
【0051】よって、同期回路34でもって信号切換回
路23の切換スイッチ23aを一定周期で切換制御する
ことによって、被測定体4の取付面4aの同一位置にお
ける厚み方向の浅い表層部分を高い周波数f1 で探傷す
ることによって、表層部の微細な疵を検出でき、かつ、
厚み方向の深い比較的集中応力の起こりにくい内質部を
低い周波数f2 で探傷することによって、大きな疵を検
出する。
【0052】また、低い周波数f2 の超音波は厚み方向
の深い位置においても検出感度低下が少ないので、高い
周波数f1 の超音波を用いて検出感度を電気的に増幅す
る必要がない。すなわち、被測定体4の表面近傍の微細
な疵から内質部の大きな疵まで最良の検出感度で精度よ
く検出できる。
【0053】また、超音波の減衰が大きい被測定体4に
対しては、前述したように、近距離を高い周波数で探傷
し、遠距離を低い周波数で探傷することによって、近距
離から遠距離までの広範囲に亘って高い精度で欠陥探傷
が1回の探傷作業で実施できる。
【0054】逆に、超音波の減衰が小さい被測定体4に
おいては超音波探触子に近い近距離音場内に対して低い
周波数を用いて近距離音場を小さくして一定の感度を確
保すると共に、探触子から遠い位置は高い周波数で探傷
して微細な欠陥に対しても検出精度を向上させる探傷手
法も採用できる。
【0055】このような手法を採用すると、JISZ3060に
指定された距離振幅補正曲線を採用しなくても、2〜3
dBの感度変化を許容するならば、検出された欠陥波F
のエコー高さをそのまま欠陥規模に対応した値として採
用できる。すなわち、前記距離振幅補正曲線を用いて検
出感度を強制的に上昇させる必要がないので、広い距離
範囲に亘ってS/Nを一定値に維持でき、結果的に高い
S/Nを維持できる。
【0056】さらに、超音波の周波数が異なる複数の超
音波探触子を用いて取付面4a上の同一位置を探傷する
場合に比較して、取付け位置合わせ作業は1回で済むの
で、超音波探触子相互間の位置合わせ誤差を排除でき、
かつ探傷作業能率を大幅に向上できる。
【0057】また、図1の超音波探傷装置を例えば建築
材料の溶接部や継ぎ手の溶接部の検査に用いる場合にお
いては、同期回路34でもって信号切換回路23の切換
スイッチ23aを一定周期で切換えることなく、切換ス
イッチ23aを信号線30c側に投入した状態で、被測
定体4を低い周波数f2 で探傷する。そして、欠陥10
が検出された時点で、切換スイッチ23aを信号線30
b側に投入して、高い周波数f1 でもって再探傷する。
【0058】このように、反射指向性が鈍い周波数f2
で被測定体4全体をその表面位置を順番に移動させなが
ら、探傷することによって、「割れ」等に起因する面状
欠陥を確実に検出でき、かつ検出できた時点で、反射指
向性が鋭い周波数f1 を用いて該当面状欠陥の正確な位
置や規模を測定できる。
【0059】なお、振動子の厚みtと振動周波数fとの
関係は、周知のように、λを波長とし、Cを音速とし、
Kを定数とすれば、λ=C/f,t=λ/2であるの
で、下式となる。 f=2K/t したがって、必要な周波数fから振動子の厚みtを設計
制作することが可能である。次に、実際の超音波探触子
を用いた実験結果を説明する。
【0060】図1の振動子26,27として、外径D=
10mm,厚さt=0.4mm ,規格周波数f=5MHz,材質
=チタン酸鉛の振動子を用いる。また、実験は直接接触
法を採用し、楔距離は約15mmである。また、伝播され
てくる超音波21を反射して元の振動子へ入射させるた
めの反射源として、JIS規格で定めるSTB−A1の
100R面を用いた。
【0061】そして、信号線30aと信号線30bとの
間にパルス信号を印加した前述した(1)の組合せ条件
では、受信回路11に入力する受信信号の波形は図5
(a)となり、周波数はf1 = 4.8MHzである。また、
そのときのブラウン管12には図5(b)に示すような
送信波Tと100R面からの反射波Rとが表示された。
【0062】また、信号線30aと信号線30cとの間
にパルス信号を印加した(2)の組合せ条件では、受信
信号は図6(a)となり、周波数はf2 = 2.1MHzであ
る。ブラウン管12には図6(b)に示すような送信波
Tと100R面からの反射波Rとが表示された。
【0063】図5(a)および図6(b)の信号波形に
示すように、インピーダンス整合コイル33a,33b
を介挿することによって、図3に示した信号波形におけ
る高調波成分が除去され、ほぼ単一周波数fの超音波2
1が得られることが理解できる。
【0064】図7は各ビーム距程で示した取付面4aか
らの距離Wf(mm)における、(1)の条件(f1 =
4.8MHz)の検出感度特性と(2)の条件(f2 = 2.1
MHz)の検出感度特性とを合成したDGS特性である。
図中点線より遠距離の特性が(1)の条件(f1 = 4.8
MHz)の検出感度特性であり、点線より近距離が(2)
の条件(f2 = 2.1MHz)の検出感度特性である。この
ように、探傷すべき位置により測定条件を信号切換回路
23で同期回路34からの切換指令によって自動的に切
替えることによって、広い距離範囲に亘ってほぼ均一し
た欠陥検出精度を維持できる。
【0065】図8は本発明の他の実施例の超音波探触子
および超音波診断方法を適用した超音波探傷装置を示す
概略構成図である。図1の実施例と同一部分には同一符
号を付してある。したがって、重複する部分の詳細説明
は省略されている。
【0066】この実施例においては、同一外径を有し
た、厚さtが互いに異なる2種類の振動子41,42が
中間に絶縁材43及びごく薄い接着層を介して積層され
ている。そして、各振動子41,42のそれぞれの下
面,上面に取付けられた各電極41a,41b,42
a,42bから各信号線44a,44b,44c,44
dが容器31に取付けられた端子32を介して信号切換
回路45へ入力されている。
【0067】図9は信号切換回路45の回路図である。
この信号切換回路45は2個の切換スイッチ45a,4
5bと1個のスイッチ45cとで構成されている。ま
た、干渉防止用の各インピーダンス整合コイル46a,
46bが接続されている。そして、この信号切換回路4
5においては、探傷器24内の同期回路34の切換指令
にて、各振動子41,42に対して次に示す(3)
(4)(5)の3つ組合せ条件を設定できる。
【0068】(3)の組合せ条件は、スイッチ45cを
解放して、切換スイッチ45a,45bを信号線44
a,44b側に投入して、パルス信号を下側の振動子4
1のみに印加する。
【0069】(4)の組合せ条件は、スイッチ45cを
閉成して、切換スイッチ45aを信号線44a側に投入
して、切換スイッチ45bを信号線44d側に投入す
る。そして、パルス信号を積層し接着された振動子4
1,42の両端に印加する。
【0070】(5)の組合せ条件は、スイッチ45cを
解放して、切換スイッチ45a,45bを信号線44
c,44d側に投入して、パルス信号を上側の振動子4
2のみに印加する。
【0071】このように絶縁材43を介して厚さtの異
なる2種類の振動子41,42を積層し接着することに
よって、各振動子41,42をそれぞれ単独で励振する
場合と、合成して励振する場合とで、前述した(3)〜
(5)に示す3種類の等価的な厚みを確保できる。その
結果、各等価的な厚みtに対応して、3種類の周波数f
3 ,f4 ,f5 を実現できる。
【0072】したがって、図1に示した2種類の周波数
f1 ,f2 が得られる装置に比較して、周波数fの選択
の自由度が増し、被測定体4の厚み方向の距離を3つの
領域に分割して、各領域に最良の周波数fを割当てるこ
とが可能である。よって、より細かく検出感度調整を実
行できる。
【0073】なお、実施例の超音波探触子においては、
一方の振動子41として、外径D=10mm,厚さt=0.
25mm,規格周波数f=10MHz,材質=チタン酸鉛の振
動子を用いる。また、他方の振動子42として、外径D
=10mm,厚さt=1.0mm ,規格周波数f=2MHz,材
質=チタン酸鉛の振動子を用いている。
【0074】そして、(3)の組合せ条件では、被測定
体4に入射する超音波21の周波数はf3 =10.2MHzで
ある。また、(4)の組合せ条件における周波数はf4
=1.5 MHzである。さらに、(5)の組合せ条件におけ
る周波数はf5 =2.0 MHzであることが確認された。
【0075】このように、信号切換回路45でもってパ
ルス信号を印加する振動子41,42の組合せを変更す
ることによって、同一超音波探触子21でもって3種類
の周波数f3,f4,f5 を有する超音波21でもって探傷
できる。すなわち、種々の組合せおよび励振条件のうち
から最適な条件を選択して、信号処理を実施することに
よって、探傷処理における最良のS/Nを実現できる。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものでは
なく、必要に応じて種々に変更可能である。
【0076】実施例においては、信号切換回路23,4
5における前述した振動子の組合せ条件(1)〜(5)
の切換タイミングは同期回路34によって一定周期で切
換る交互励振の方式を採用したが、例えば、信号切換回
路23,45の回路構成を変更して、前述した複数の組
合せ条件による励磁を同時に実施する同時励振の方式を
採用してもよい。
【0077】また、図8の実施例においては、図10
(a)に示すよように、厚さtが薄い方の振動子41を
被測定体4側に配置したが、図10(b)に示すよう
に、厚い方の振動子42を被測定体4側に配置してもよ
い。この場合、被測定体4側に遠い方の振動子のみを振
動させる場合、超音波21が被測定体4の取付面4aに
達するまでの遅延時間に、被測定体4側の振動子の厚み
差に対応する時間差が発生する。
【0078】また、図1及び図8の実施例においては、
それぞれ図2及び図9に示す位置に、それぞれインピー
ダンス整合コイル33a,33b,46a,46bを介
挿したが、特に図2及び図9に示す位置に限定されるも
のではない。例えば図11に示すように、インピーダン
ス整合コイルの介挿位置は種々の位置が考えられる。図
11(a)は一つの信号線のみに介挿した直列介挿図で
あり、図11(b)は2本の信号線相互間に介挿した並
列介挿図である。さらに、図11(c),(d)(e)
に示すように、図11(a)及び図11(b)の直列介
挿及び並列介挿とを種々に組合わせた直列並列介挿も可
能である。
【0079】図12(a),図12(b),図12
(c)は、図3に示すような干渉現象に起因する高調波
成分が発生しないように、インピーダンス整合コイルを
それぞれ直列介挿,並列介挿,直列並列介挿した場合に
おける、各インピーダンス整合コイルのリアクタンス値
とそのときの超音波周波数の実測値である。
【0080】実験には、外径D=10mm、厚さt1 =0.
4mm 、規格周波数f=5MHzの振動子と外径D=10m
m、厚さt2 =1.0mm 、規格周波数f=2MHzの振動子
との2種類の振動子を用いた。
【0081】そして、高調波成分が発生しない条件にお
ける直列介挿されるインピーダンス整合コイルのリアク
タンス値は10μHであり、並列介挿される各インピー
ダンス整合コイルのリアクタンス値はそれそれ1.0 μH
および1.5 μHであった。そして、各信号線間にパルス
信号を印加した場合における振動周波数を測定した。
【0082】図示するように、インピーダンス整合コイ
ルの介挿位置やリアクタンス値によって、振動周波数が
微妙に変化することが確認できた。このことは、インピ
ーダンス整合コイルの介挿位置を適宜選択することによ
って、高調波成分が発生しない条件において、所望の周
波数f1 〜f5 を有する複数の超音波21を得ることが
できる。なお、インピーダンス素子として例えば抵抗等
を採用してもよい。
【0083】また、容器内に積層する各振動子の仕様は
同一である必要はなく、形状,材質等を例えば所望の周
波数および所望のビーム特性を得るために任意に組合せ
ることが可能である。
【0084】例えば、図13(a)〜13(d)に示す
ように、被測定体4側の振動子47の面積を被測定体4
と反対側の振動子48の面積より小さく設定することが
可能である。このように、互いに積層し接着されている
複数の振動子47,48の形状を異ならせることによっ
て、2つの振動子を合成して振動させた場合において、
等しい形状の超音波探触子に比較して、出力される超音
波の周波数f2 は等しいが指向角θは大きくなる。
【0085】このことは、ある一定範囲内においては、
指向角θを大きく変更しないで超音波周波数fを変更で
きることを示す。よって、この超音波探触子の適用範囲
をさらに拡大できる。
【0086】さらに、各振動子の材質もチタン酸鉛どう
しに限定されるものではなく、ジルコン酸鉛どうしであ
ってもよい。さらに、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との組
合わせであってもよい。
【0087】また、実施例においては、超音波診断方法
を超音波探傷装置に適用した場合について説明したが、
例えば、超音波を用いた材質検査や複合材の構造検査に
も適用することは勿論可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波探触
子によれば、同一容器内に楔を介して複数の振動子を被
測定体の取付面に対して傾斜して積層し接着している。
そして、各振動子の両側の電極からそれぞれ信号線を容
器外へ導出している。したがって、パルス信号を印加す
る信号線を選択することによって、各振動子単独で又は
各振動子を連結して励振することができ、もって複数種
類の周波数の超音波を被測定体に入射できる。
【0089】また、超音波診断方法においては、上述し
た超音波探傷探触子を用いることによって、超音波の周
波数を選択できるので、被測定体における取付面の近距
離から遠距離まで広い範囲に亘って目的とする検出感度
に設定でき、小さい対象から大きい対象まで精度よく診
断できる。
【0090】特に、鋼板等の被測定体に対しては、最初
に低い周波数を用いて超音波を広い範囲に発信して反射
指向性を鈍くすることにより、面状欠陥等を確実に検出
でき、その後に、その位置で周波数を高い周波数に切換
えて、該当欠陥の位置や規模をより詳細に調べることが
できる。したがって、より信頼性の高い超音波診断方法
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の超音波探触子および超音
波診断方法を用いた超音波探傷装置の概略構成図、
【図2】 同実施例装置の信号切換回路を示す回路図、
【図3】 同実施例装置におけるインピーダンス整合コ
イルを除去した場合の受信信号波形図、
【図4】 実施例超音波探触子に組込まれる電極形状を
示す図、
【図5】 同実施例装置における一つの組合わせ条件に
おける受信信号波形図、
【図6】 同実施例装置における他の組合わせ条件にお
れる受信信号波形図、
【図7】 同実施例装置で得られる合成されたDGS線
図、
【図8】 本発明の他の実施例の超音波探触子および超
音波診断方法を用いた超音波探傷装置の概略構成図、
【図9】 同実施例装置における信号切換回路を示す回
路図、
【図10】 本発明の他の実施例に係わる超音波探触子
の構造を示す図、
【図11】 実施例超音波探触子内に組込まれるインピ
ーダンス整合コイルの各介挿位置を示す図、
【図12】 同インピーダンス整合コイルの各介挿位置
と該当位置におけるリアクタンス値および超音波周波数
値との関係を示す図、
【図13】 本発明の他の実施例に係わる超音波探触子
の電極形状を示す図、
【図14】 従来の超音波探傷装置の概略構成図、
【図15】 同従来装置における検出感度特性図。
【符号の説明】
4…被測定体、4a…取付面、8…パルス発生回路、1
1…受信回路、12…ブラウン管、21…超音波、22
…超音波探触子、23,45…信号切換回路、24…探
傷器、25…楔、26,27,41,42…振動子、3
0a,30b,30c,44a,44b,44c,44
d…信号線、31…容器、33a.33b.46a,4
6b…インピーダンス整合コイル、34…同期回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 恵 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 星野 充宏 神奈川県横浜市中区西竹之丸106番4号 ジャパンプローブ株式会社内 (72)発明者 鬼丸 昭夫 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一容器内に組込まれ、楔を介して被測
    定体の取付面に傾斜する方向に積層し接着された複数の
    振動子と、この積層し接着された各振動子の両端に取付
    けられた電極と、この各電極に送受信する信号を容器外
    へ導く複数の信号線とを備えた超音波探触子。
  2. 【請求項2】 同一容器内に組込まれ、楔を介して被測
    定体の取付面に傾斜する方向に積層し接着された複数の
    振動子と、この積層し接着された各振動子の両端に取付
    けられた電極と、この各電極に送受信する信号を容器外
    へ導く複数の信号線と、この信号線または信号線相互間
    に介挿されたインピーダンス整合用のインピーダンス素
    子とを備えた超音波探触子。
  3. 【請求項3】 前記積層された各振動子はそれぞれ積層
    方向に等しい厚さを有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の超音波探触子。
  4. 【請求項4】 前記積層された各振動子はそれぞれ積層
    方向に異なる厚さを有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の超音波探触子。
  5. 【請求項5】 前記積層された各振動子はそれぞれ積層
    方向と直交する面内で異なる形状を有することを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の超音波探触子。
  6. 【請求項6】 楔を介して被測定体の取付面に傾斜する
    方向に積層し接着された複数の振動子を同一容器内に組
    込み、各振動子の両端に取付けられた電極から容器外に
    それぞれ信号線を導出し、この導出された複数の信号線
    のうちから一対の信号線の組合せを選択し、選択した一
    対の信号線間にパルス信号を印加することによって、前
    記被測定体内に所望の周波数を有する超音波を入射させ
    て超音波診断する超音波診断方法。
  7. 【請求項7】 楔を介して被測定体の取付面に傾斜する
    方向に積層し接着された複数の振動子を同一容器内に組
    込み、各振動子の両端に取付けられた電極から容器外に
    それぞれ信号線を導出し、この導出された複数の信号線
    のうちから一対の信号線の組合せを同時または交互に選
    択していき、選択された一対の信号線間にパルス信号を
    印加することによって、前記被測定体内に複数の異なる
    周波数を有する超音波を入射させて超音波診断する超音
    波診断方法。
  8. 【請求項8】 楔を介して被測定体の取付面に傾斜する
    方向に積層し接着された複数の振動子を同一容器内に組
    込み、各振動子の両端に取付けられた電極から容器外に
    それぞれ信号線を導出し、この導出された複数の信号線
    のうちから信号線間相互間に多くの振動子が接続された
    一対の信号線間にパルス信号を印加して低い周波数を有
    する超音波を前記被測定体内に入射させて粗超音波診断
    を行い、続いて前記導出された信号線のうちから信号線
    間相互間に少ない振動子が接続された一対の信号線間に
    パルス信号を印加して高い周波数を有する超音波を前記
    被測定体内に入射させて微細超音波診断を行う超音波診
    断方法。
  9. 【請求項9】 楔を介して被測定体の取付面に傾斜する
    方向に積層し接着されそれぞれ積層方向に異なる厚さを
    有する複数の振動子を同一容器内に組込み、各振動子の
    両端に取付けられた電極から容器外にそれぞれ信号線を
    導出し、この導出された複数の信号線のうちから厚い振
    動子が接続された一対の信号線間にパルス信号を印加し
    て低い周波数を有する超音波を前記被測定体内に入射さ
    せて粗超音波診断を行い、続いて前記導出された信号線
    のうちから薄い振動子が接続された一対の信号線間にパ
    ルス信号を印加して高い周波数を有する超音波を前記被
    測定体内に入射させて微細超音波診断を行う超音波診断
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531649A (ja) * 2000-02-23 2003-10-28 アキューソン コーポレイション 調波画像化のための超音波変換器システム及び方法
JP2004356900A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 Olympus Corp 超音波振動子
KR101494086B1 (ko) * 2012-07-19 2015-02-16 가부시키가이샤 히타치 파워 솔루션즈 측정 주파수 가변 초음파 영상 장치
JP2019002714A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 株式会社島津製作所 欠陥検出方法及び欠陥検出装置

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