JPH05179217A - 接着剤組成物 - Google Patents
接着剤組成物Info
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- JPH05179217A JPH05179217A JP1951692A JP1951692A JPH05179217A JP H05179217 A JPH05179217 A JP H05179217A JP 1951692 A JP1951692 A JP 1951692A JP 1951692 A JP1951692 A JP 1951692A JP H05179217 A JPH05179217 A JP H05179217A
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- Japan
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- propylene
- polymer
- adhesive
- adhesive composition
- olefin
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- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポ
リマーをベースポリマーとする耐熱性、耐湿性に優れ、
特にガラス用接着剤として好適な接着剤組成物を提供す
ること。 【構成】 シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポ
リマーからなるベースポリマー30〜80重量部中に、
190℃で測定したメルトインデックスが3.0〜4.
5の範囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体2
0〜70重量部が平均粒径80μm以下の分散相を形成
していることを特徴とする接着剤組成物。
リマーをベースポリマーとする耐熱性、耐湿性に優れ、
特にガラス用接着剤として好適な接着剤組成物を提供す
ること。 【構成】 シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポ
リマーからなるベースポリマー30〜80重量部中に、
190℃で測定したメルトインデックスが3.0〜4.
5の範囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体2
0〜70重量部が平均粒径80μm以下の分散相を形成
していることを特徴とする接着剤組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤組成物に関し、
さらに詳しくは、主としてガラスの貼り合わせ及び部品
の固定等で、特に耐熱性を要求される分野に好適な接着
剤組成物に関する。
さらに詳しくは、主としてガラスの貼り合わせ及び部品
の固定等で、特に耐熱性を要求される分野に好適な接着
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの合わせガラスは、接着剤と
なる可塑化した樹脂シートを2枚のガラス間にはさみ、
熱と圧力を加えて接着したものである。断熱及び遮音用
として用いられる複層ガラスは、2枚の板ガラスを中間
空気層を隔てて保持し、金属などのスぺーサーと接着剤
で接着して、周辺部をシーリング材でシールしたもので
ある。
なる可塑化した樹脂シートを2枚のガラス間にはさみ、
熱と圧力を加えて接着したものである。断熱及び遮音用
として用いられる複層ガラスは、2枚の板ガラスを中間
空気層を隔てて保持し、金属などのスぺーサーと接着剤
で接着して、周辺部をシーリング材でシールしたもので
ある。
【0003】ガラスは、表面にシラノール(Si−O
H)基を有しているため、ガラス用の接着剤も−OH
基、−COOH基、−CO基、−COOR基などの極性
基を有するポリマーが使用されている。これらの極性基
を有する接着剤は、ガラス表面のシラノール基との間に
水素結合や二重結合を生じて強固な結合を形成する。
H)基を有しているため、ガラス用の接着剤も−OH
基、−COOH基、−CO基、−COOR基などの極性
基を有するポリマーが使用されている。これらの極性基
を有する接着剤は、ガラス表面のシラノール基との間に
水素結合や二重結合を生じて強固な結合を形成する。
【0004】従来、ガラスや金属などに対する接着力を
改良する方法として、オレフィン系ポリマーにシラン化
合物をグラフト共重合させる方法が知られている。例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのオレフ
ィン系ポリマーにシラン化合物をグラフトさせた接着剤
が提案されている(特公平2−26660号、特公平2
−50147号、特開昭60−179483号)。これ
らのシラングラフト変性体は、ガラス表面に存在してい
るシラノール基と反応して高い接着力を発揮する。
改良する方法として、オレフィン系ポリマーにシラン化
合物をグラフト共重合させる方法が知られている。例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのオレフ
ィン系ポリマーにシラン化合物をグラフトさせた接着剤
が提案されている(特公平2−26660号、特公平2
−50147号、特開昭60−179483号)。これ
らのシラングラフト変性体は、ガラス表面に存在してい
るシラノール基と反応して高い接着力を発揮する。
【0005】ところが、EVAやEEAなどをベースポ
リマーとする接着剤は、これらのポリマーの融点が約6
0〜約100℃程度の範囲内のものが一般的である。そ
のため、ガラスなどの被着体に施工後、周囲の環境温度
が100℃以上となり、さらに力が加わる場合には、接
着剤が軟化して接着力が低下し、ズレ等の不都合を生じ
ることがある。また、これらの接着剤は、高温高湿下で
接着力が低下する。
リマーとする接着剤は、これらのポリマーの融点が約6
0〜約100℃程度の範囲内のものが一般的である。そ
のため、ガラスなどの被着体に施工後、周囲の環境温度
が100℃以上となり、さらに力が加わる場合には、接
着剤が軟化して接着力が低下し、ズレ等の不都合を生じ
ることがある。また、これらの接着剤は、高温高湿下で
接着力が低下する。
【0006】一方、光硬化タイプの接着剤は、硬化後は
容易に高温下でもズレたりはしないが、これらの接着剤
は、通常、液体で供給されるため、取り扱いが困難であ
り、さらに比較的広い空間を充填するには不適当であ
る。
容易に高温下でもズレたりはしないが、これらの接着剤
は、通常、液体で供給されるため、取り扱いが困難であ
り、さらに比較的広い空間を充填するには不適当であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
での接着性、耐熱変形性、耐湿性が向上した接着剤組成
物を提供することにある。また、本発明の目的は、シラ
ン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマーをベース
ポリマーとする耐熱性、耐湿性に優れ、特にガラス用接
着剤として好適な接着剤組成物を提供することにある。
での接着性、耐熱変形性、耐湿性が向上した接着剤組成
物を提供することにある。また、本発明の目的は、シラ
ン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマーをベース
ポリマーとする耐熱性、耐湿性に優れ、特にガラス用接
着剤として好適な接着剤組成物を提供することにある。
【0008】本発明者は、従来技術の問題点を克服する
ために鋭意研究した結果、シラン化合物をグラフトした
EVAやEEAなどのオレフィン系ポリマーをベースポ
リマーとし、これにプロピレン−αオレフィン共重合体
を配合するとともに、該プロピレン−αオレフィン共重
合体が微細な分散相を形成するように混合分散させるこ
とにより、ベースポリマーの有する接着性を損なうこと
なく、高温での接着性、耐熱変形性、耐湿性を改善でき
ることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づい
て完成するに至ったものである。
ために鋭意研究した結果、シラン化合物をグラフトした
EVAやEEAなどのオレフィン系ポリマーをベースポ
リマーとし、これにプロピレン−αオレフィン共重合体
を配合するとともに、該プロピレン−αオレフィン共重
合体が微細な分散相を形成するように混合分散させるこ
とにより、ベースポリマーの有する接着性を損なうこと
なく、高温での接着性、耐熱変形性、耐湿性を改善でき
ることを見いだした。本発明は、これらの知見に基づい
て完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマー
からなるベースポリマー30〜80重量部中に、190
℃で測定したメルトインデックスが3.0〜4.5の範
囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体20〜7
0重量部が平均粒径80μm以下の分散相を形成してい
ることを特徴とする接着剤組成物が提供される。
ば、シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマー
からなるベースポリマー30〜80重量部中に、190
℃で測定したメルトインデックスが3.0〜4.5の範
囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体20〜7
0重量部が平均粒径80μm以下の分散相を形成してい
ることを特徴とする接着剤組成物が提供される。
【0010】以下、本発明について詳述する。シラン化
合物をグラフトするオレフィン系ポリマーとしては、例
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−
ビニルエステル共重合体;エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン−ブテン共
重合体;エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−グリシジ
ルアクリレート共重合体などのグリシジル基含有オレフ
ィン系ポリマー;などを挙げることができる。
合物をグラフトするオレフィン系ポリマーとしては、例
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−
ビニルエステル共重合体;エチレン−アクリル酸エチル
共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン−ブテン共
重合体;エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−グリシジ
ルアクリレート共重合体などのグリシジル基含有オレフ
ィン系ポリマー;などを挙げることができる。
【0011】これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、グリシ
ジル基含有オレフィン系ポリマーなどが好ましい。グリ
シジル基含有オレフィン系ポリマーは、高温で接着する
と、被着体とグリシジル基に由来するエポキシ基が反応
し、接着力が向上する。また、これらのシラングラフト
変性体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、グリシ
ジル基含有オレフィン系ポリマーなどが好ましい。グリ
シジル基含有オレフィン系ポリマーは、高温で接着する
と、被着体とグリシジル基に由来するエポキシ基が反応
し、接着力が向上する。また、これらのシラングラフト
変性体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。
【0012】シラン化合物としては、例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリ(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの
不飽和アルコキシシラン化合物が挙げられる。
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリ(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの
不飽和アルコキシシラン化合物が挙げられる。
【0013】シラン化合物をグラフト共重合させる方法
は、特に限定されないが、常法によりオレフィン系ポリ
マーとシラン化合物をラジカル重合開始剤の存在下に溶
融混合する方法が好ましい。シラン化合物のグラフト量
は、通常、オレフィン系ポリマー100重量部に対し
て、0.2〜4重量部程度である。
は、特に限定されないが、常法によりオレフィン系ポリ
マーとシラン化合物をラジカル重合開始剤の存在下に溶
融混合する方法が好ましい。シラン化合物のグラフト量
は、通常、オレフィン系ポリマー100重量部に対し
て、0.2〜4重量部程度である。
【0014】本発明においては、シラン化合物をグラフ
トしたオレフィン系ポリマーからなるベースポリマー中
に、190℃でのメルトインデックスが3.0〜4.5
の範囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体を混
合分散させる。この場合、プロピレン−αオレフィン共
重合体がベースポリマー中で平均粒径80μm以下の分
散相を形成するように混合分散を行う。
トしたオレフィン系ポリマーからなるベースポリマー中
に、190℃でのメルトインデックスが3.0〜4.5
の範囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合体を混
合分散させる。この場合、プロピレン−αオレフィン共
重合体がベースポリマー中で平均粒径80μm以下の分
散相を形成するように混合分散を行う。
【0015】プロピレン−αオレフィン共重合体は、通
常、融点が120〜160℃の範囲内にあるものが好ま
しい。プロピレン−αオレフィン共重合体を微細な分散
相を成すようにベースポリマー中に混合分散すると、ベ
ースポリマーの融点付近に加熱されても、プロピレン−
αオレフィン共重合体の融解が始まらないため、あたか
もフィラーを充填したような効果を示し、接着剤組成物
全体の熱変形が抑制される。
常、融点が120〜160℃の範囲内にあるものが好ま
しい。プロピレン−αオレフィン共重合体を微細な分散
相を成すようにベースポリマー中に混合分散すると、ベ
ースポリマーの融点付近に加熱されても、プロピレン−
αオレフィン共重合体の融解が始まらないため、あたか
もフィラーを充填したような効果を示し、接着剤組成物
全体の熱変形が抑制される。
【0016】プロピレン−αオレフィン共重合体は、プ
ロピレンと炭素数4〜20のαオレフィン(例えば、4
−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ヘキセン、
1−ブテン)の1種以上とを共重合させたものである。
組成は、プロピレン10〜85モル%とαオレフィン9
0〜15モル%の範囲にあるものが一般的である。具体
例として、プロピレン10〜85モル%、1−ブテン3
〜60モル%、他のαオレフィン10〜85モル%のも
のが挙げられる。
ロピレンと炭素数4〜20のαオレフィン(例えば、4
−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ヘキセン、
1−ブテン)の1種以上とを共重合させたものである。
組成は、プロピレン10〜85モル%とαオレフィン9
0〜15モル%の範囲にあるものが一般的である。具体
例として、プロピレン10〜85モル%、1−ブテン3
〜60モル%、他のαオレフィン10〜85モル%のも
のが挙げられる。
【0017】ところで、一般にポリマーブレンドの分野
において、相溶系及び非相溶系の分散状態と物性との関
係について多くの研究がなされている。しかしながら、
特定のポリマーと他のポリマーとをブレンドした場合
に、その分散状態と特定の物性との関係がどのようにな
るかについては、具体的に実験により確認する以外に手
段はない。
において、相溶系及び非相溶系の分散状態と物性との関
係について多くの研究がなされている。しかしながら、
特定のポリマーと他のポリマーとをブレンドした場合
に、その分散状態と特定の物性との関係がどのようにな
るかについては、具体的に実験により確認する以外に手
段はない。
【0018】例えば、融点が120℃以上のポリマーと
しては、プロピレン−αオレフィン共重合体以外に、ポ
リエチレンやポリエステルエラストマーなど各種のもの
があるが、これらのポリマーはガラス等に対する接着性
のないものである。そこで、これらの高融点ポリマーを
シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマーから
なるベースポリマー中に分散させた場合に、熱変形性は
ある程度改良されるものの、ベースポリマーが本来有す
る接着性が低下する。ベースポリマーが本来有する接着
性を低下させることなく、熱変形性や高温での接着性が
改善されることが望ましい。
しては、プロピレン−αオレフィン共重合体以外に、ポ
リエチレンやポリエステルエラストマーなど各種のもの
があるが、これらのポリマーはガラス等に対する接着性
のないものである。そこで、これらの高融点ポリマーを
シラン化合物をグラフトしたオレフィン系ポリマーから
なるベースポリマー中に分散させた場合に、熱変形性は
ある程度改良されるものの、ベースポリマーが本来有す
る接着性が低下する。ベースポリマーが本来有する接着
性を低下させることなく、熱変形性や高温での接着性が
改善されることが望ましい。
【0019】本発明者は、各種ポリマーについて種々検
討したところ、190℃で測定したメルトインデックス
(MI)が3.0〜4.5の範囲内にあるプロピレン−
αオレフィン共重合体を前記ベースポリマー中に、平均
粒径80μm以下の分散相を形成するように混合分散さ
せると、熱変形性が顕著に改善されるとともに、高温で
の接着力も良好で、耐湿性にも優れていることを見いだ
した。
討したところ、190℃で測定したメルトインデックス
(MI)が3.0〜4.5の範囲内にあるプロピレン−
αオレフィン共重合体を前記ベースポリマー中に、平均
粒径80μm以下の分散相を形成するように混合分散さ
せると、熱変形性が顕著に改善されるとともに、高温で
の接着力も良好で、耐湿性にも優れていることを見いだ
した。
【0020】プロピレン−αオレフィン共重合体であっ
ても、MIが上記範囲外のポリマーでは、目的を達成す
ることができない。すなわち、MIが3.0未満でも、
4.5超過でも組成物全体のMIが影響を受け、接着剤
として不適当なものとなる。接着剤組成物のMIが小さ
すぎると流れにくく充填性に欠け、接着力低下につなが
り、逆に、大きすぎると流れ出しが多く、必要な箇所に
留まる接着剤量が少なくなり、かつ不必要な部分を汚す
ことになる。
ても、MIが上記範囲外のポリマーでは、目的を達成す
ることができない。すなわち、MIが3.0未満でも、
4.5超過でも組成物全体のMIが影響を受け、接着剤
として不適当なものとなる。接着剤組成物のMIが小さ
すぎると流れにくく充填性に欠け、接着力低下につなが
り、逆に、大きすぎると流れ出しが多く、必要な箇所に
留まる接着剤量が少なくなり、かつ不必要な部分を汚す
ことになる。
【0021】接着剤組成物中の両者の配合割合は、ベー
スポリマー対プロピレン−αオレフィン共重合体が80
/20〜30/70(重量比)となる範囲内である。ベ
ースポリマーであるシラン化合物グラフトポリマーの割
合がこの範囲より多いと十分な熱変形温度が得られず、
一方、プロピレン−αオレフィン共重合体の割合がこの
範囲より多くなると十分な接着力が得られない。
スポリマー対プロピレン−αオレフィン共重合体が80
/20〜30/70(重量比)となる範囲内である。ベ
ースポリマーであるシラン化合物グラフトポリマーの割
合がこの範囲より多いと十分な熱変形温度が得られず、
一方、プロピレン−αオレフィン共重合体の割合がこの
範囲より多くなると十分な接着力が得られない。
【0022】シラン化合物グラフトポリマーとプロピレ
ン−αオレフィン共重合体は、非相溶性であり、両者の
分散状態が接着剤としての特性や熱変形性に与える影響
は大きい。本発明では、シラン化合物グラフトポリマー
をベースポリマーとし、該ベースポリマー中に、プロピ
レン−αオレフィン共重合体が平均粒径80μm以下、
好ましくは30μm以下の分散相を形成するように混合
分散させる。
ン−αオレフィン共重合体は、非相溶性であり、両者の
分散状態が接着剤としての特性や熱変形性に与える影響
は大きい。本発明では、シラン化合物グラフトポリマー
をベースポリマーとし、該ベースポリマー中に、プロピ
レン−αオレフィン共重合体が平均粒径80μm以下、
好ましくは30μm以下の分散相を形成するように混合
分散させる。
【0023】プロピレン−αオレフィン共重合体の分散
相の径を80μm以下とするには、両ポリマーの混合条
件が重要となる。例えば、プロピレン−αオレフィン共
重合体の融点より少し低温側で10分程度2本ロールで
混合した場合、プロピレン−αオレフィン共重合体がシ
ラン化合物グラフトポリマー中に分散した形態をとる
が、共重合体からなる分散相の径の大きさは平均100
μm程度となる。こうして得られた組成物は、非常にも
ろく、厚さ2mmのシートに成形したものは、折り曲げ
により白化、亀裂が入る。これに対して、プロピレン−
αオレフィン共重合体の融点より5〜10℃以上高い温
度で2本ロールまたは2軸混合機で混合した場合、該共
重合体からなる分散相の径は、最大で80μm以下とな
る。さらに分散相の径の大きさが小さくなる程、熱変形
性は向上し、しかもシートにした場合、折り曲げによる
白化や亀裂が問題にならないレベルまで低下することが
できる。これらの検討結果から、プロピレン−αオレフ
ィン共重合体からなる分散相の径は、好ましくは30μ
m以下である。
相の径を80μm以下とするには、両ポリマーの混合条
件が重要となる。例えば、プロピレン−αオレフィン共
重合体の融点より少し低温側で10分程度2本ロールで
混合した場合、プロピレン−αオレフィン共重合体がシ
ラン化合物グラフトポリマー中に分散した形態をとる
が、共重合体からなる分散相の径の大きさは平均100
μm程度となる。こうして得られた組成物は、非常にも
ろく、厚さ2mmのシートに成形したものは、折り曲げ
により白化、亀裂が入る。これに対して、プロピレン−
αオレフィン共重合体の融点より5〜10℃以上高い温
度で2本ロールまたは2軸混合機で混合した場合、該共
重合体からなる分散相の径は、最大で80μm以下とな
る。さらに分散相の径の大きさが小さくなる程、熱変形
性は向上し、しかもシートにした場合、折り曲げによる
白化や亀裂が問題にならないレベルまで低下することが
できる。これらの検討結果から、プロピレン−αオレフ
ィン共重合体からなる分散相の径は、好ましくは30μ
m以下である。
【0024】本発明の接着剤組成物は、プロピレン−α
オレフィン共重合体の融点以上に加熱すると良好な流れ
性を示し、ガラスへの接着力はシラン化合物グラフトポ
リマー単体の接着力と同等レベルを維持できる。これは
ガラスと接触すると、ガラスに親和性のあるシラン化合
物グラフトポリマーがガラス表面に配向し、プロピレン
−αオレフィン共重合体はそれよりも内部にドメインを
形成するためと考えられる。
オレフィン共重合体の融点以上に加熱すると良好な流れ
性を示し、ガラスへの接着力はシラン化合物グラフトポ
リマー単体の接着力と同等レベルを維持できる。これは
ガラスと接触すると、ガラスに親和性のあるシラン化合
物グラフトポリマーがガラス表面に配向し、プロピレン
−αオレフィン共重合体はそれよりも内部にドメインを
形成するためと考えられる。
【0025】本発明の接着剤組成物の他の重要な特性と
して耐湿性が挙げられる。一般に、接着剤のガラスに対
する接着強度は、高温高湿下におかれると低下するが、
本発明の接着剤組成物は、疎水性のプロピレン−αオレ
フィン共重合体からなる分散相が組成物中に存在してい
るため、湿気の透過を抑制することが期待でき、実際
に、温度90℃、湿度95%の環境に1週間放置後の接
着力の変化は、シラン化合物グラフトポリマー単体のも
のより優れている。このことは、ポリエチレンやポリエ
ステルエラストマーなどの添加系では、接着力が大幅に
低下すること対称的である。
して耐湿性が挙げられる。一般に、接着剤のガラスに対
する接着強度は、高温高湿下におかれると低下するが、
本発明の接着剤組成物は、疎水性のプロピレン−αオレ
フィン共重合体からなる分散相が組成物中に存在してい
るため、湿気の透過を抑制することが期待でき、実際
に、温度90℃、湿度95%の環境に1週間放置後の接
着力の変化は、シラン化合物グラフトポリマー単体のも
のより優れている。このことは、ポリエチレンやポリエ
ステルエラストマーなどの添加系では、接着力が大幅に
低下すること対称的である。
【0026】
【実施例】以下、本発明について実施例および比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。
【0027】[実施例1〜5、比較例1〜6]ガラス用
接着剤として、融点92℃、ガラス転位温度45℃、M
I4.5のシラン化合物グラフトEVAを用い、プロピ
レン−αオレフィン共重合体、ポリエステルエラストマ
ーまたは高密度ポリエチレン(HDPE)を表1に示す
配合割合で混合し、2本ロールまたは2軸混合機を用い
て表1に示す温度条件で、10分間混練を行って接着剤
組成物を得た。得られた接着剤組成物について、物性を
評価し、その結果を表1に示した。
接着剤として、融点92℃、ガラス転位温度45℃、M
I4.5のシラン化合物グラフトEVAを用い、プロピ
レン−αオレフィン共重合体、ポリエステルエラストマ
ーまたは高密度ポリエチレン(HDPE)を表1に示す
配合割合で混合し、2本ロールまたは2軸混合機を用い
て表1に示す温度条件で、10分間混練を行って接着剤
組成物を得た。得られた接着剤組成物について、物性を
評価し、その結果を表1に示した。
【0028】なお、物性の測定方法は以下のとおりであ
る。 <熱変形開始温度(TMA)>10〜85モル%各接着
剤組成物を用いて厚み1mmのシートを作成し、島津社
製TMA測定機にて、15g印加、昇温速度10℃/分
で、室温から150℃までの範囲で試験し、その変形開
始温度を測定した。
る。 <熱変形開始温度(TMA)>10〜85モル%各接着
剤組成物を用いて厚み1mmのシートを作成し、島津社
製TMA測定機にて、15g印加、昇温速度10℃/分
で、室温から150℃までの範囲で試験し、その変形開
始温度を測定した。
【0029】<接着力>2枚のガラスを20mm×10
mmの大きさに切断した接着剤組成物シート片を用い
て、190℃でプレスして貼り合わせ、その剪断剥離力
を測定した。このときの引張速度は50mm/分であっ
た。
mmの大きさに切断した接着剤組成物シート片を用い
て、190℃でプレスして貼り合わせ、その剪断剥離力
を測定した。このときの引張速度は50mm/分であっ
た。
【0030】<耐湿性>上記と同様に、2枚のガラスを
貼り合わせた試験片を90℃×95%の恒温恒湿槽内に
1週間入れた後の剪断剥離力を測定した。 <シート外観>接着剤(組成物)シートを180°に折
り曲げて、その外観を判定した。 <分散相の径>分散相の径は、組成物を薄くスライスし
たサンプルを光学顕微鏡で観察し、測定した。
貼り合わせた試験片を90℃×95%の恒温恒湿槽内に
1週間入れた後の剪断剥離力を測定した。 <シート外観>接着剤(組成物)シートを180°に折
り曲げて、その外観を判定した。 <分散相の径>分散相の径は、組成物を薄くスライスし
たサンプルを光学顕微鏡で観察し、測定した。
【0031】表1中のポリマーは、次のとおりである。 (*1)プロピレン−αオレフィン共重合体:融点15
2℃、MI(190℃)4.0 (*2)プロピレン−αオレフィン共重合体:融点14
1℃、MI(190℃)1.7 (*3)ポリエステルエラストマー:融点170℃ (*4)HDPE:融点132℃
2℃、MI(190℃)4.0 (*2)プロピレン−αオレフィン共重合体:融点14
1℃、MI(190℃)1.7 (*3)ポリエステルエラストマー:融点170℃ (*4)HDPE:融点132℃
【0032】
【表1】
【0033】表1から明かなように、本発明の接着剤組
成物は、高温での接着力、熱変形温度、耐湿性のいずれ
においても優れている。
成物は、高温での接着力、熱変形温度、耐湿性のいずれ
においても優れている。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、高温での接着力、熱変
形性、耐湿性に優れた接着剤組成物が提供される。本発
明の接着剤組成物は、特に、高温、高湿下で、高い精度
にて、ガラス板の貼り合わせやガラス部品を保持するこ
とが要求される分野に好適である。
形性、耐湿性に優れた接着剤組成物が提供される。本発
明の接着剤組成物は、特に、高温、高湿下で、高い精度
にて、ガラス板の貼り合わせやガラス部品を保持するこ
とが要求される分野に好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 シラン化合物をグラフトしたオレフィン
系ポリマーからなるベースポリマー30〜80重量部中
に、190℃で測定したメルトインデックスが3.0〜
4.5の範囲内にあるプロピレン−αオレフィン共重合
体20〜70重量部が平均粒径80μm以下の分散相を
形成していることを特徴とする接着剤組成物。 - 【請求項2】 シラン化合物をグラフトしたオレフィン
系ポリマーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、グリシジル基含有オレ
フィン系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1
種のオレフィン系ポリマーのシラングラフト変性体であ
る請求項1記載の接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1951692A JPH05179217A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1951692A JPH05179217A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179217A true JPH05179217A (ja) | 1993-07-20 |
Family
ID=12001520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1951692A Pending JPH05179217A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05179217A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7204902B2 (en) | 2003-03-11 | 2007-04-17 | H.B. Fuller Licensing & Finance Inc | Low-temperature press process for making insulating glass assemblies |
EP0906378B2 (de) † | 1996-06-18 | 2008-03-12 | H.B. Fuller Licensing & Financing, Inc. | Reaktive schmelzklebstoff-zusammensetzung für isolierglas |
US8080308B2 (en) | 2003-03-11 | 2011-12-20 | H.B. Fuller Company | One-part moisture curable hot melt silane functional poly-alpha-olefin sealant composition |
-
1992
- 1992-01-07 JP JP1951692A patent/JPH05179217A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0906378B2 (de) † | 1996-06-18 | 2008-03-12 | H.B. Fuller Licensing & Financing, Inc. | Reaktive schmelzklebstoff-zusammensetzung für isolierglas |
US7204902B2 (en) | 2003-03-11 | 2007-04-17 | H.B. Fuller Licensing & Finance Inc | Low-temperature press process for making insulating glass assemblies |
US7414090B2 (en) | 2003-03-11 | 2008-08-19 | H.B. Fuller Licensing & Financing, Inc | Low-temperature press process for making insulating glass assemblies |
US8080308B2 (en) | 2003-03-11 | 2011-12-20 | H.B. Fuller Company | One-part moisture curable hot melt silane functional poly-alpha-olefin sealant composition |
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