JPH05178734A - 固型状油中水型乳化化粧料 - Google Patents

固型状油中水型乳化化粧料

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JPH05178734A
JPH05178734A JP3346355A JP34635591A JPH05178734A JP H05178734 A JPH05178734 A JP H05178734A JP 3346355 A JP3346355 A JP 3346355A JP 34635591 A JP34635591 A JP 34635591A JP H05178734 A JPH05178734 A JP H05178734A
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polymer
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(a)〜(d) (a)油剤及び油ゲル化剤からなる油性ゲル組成物 (b)シリコーンゲル組成物及び/またはペースト状シ
リコーン組成物 (c)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル (d)水を含有する固型状油中水型乳化化粧料。 【効果】 硬ゲル状〜固型状を呈し、のびの重さ、べた
つき、油っぽさといった従来の油中水型クリームの有す
る欠点を払拭するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固型状油中水型乳化化
粧料に関し、さらに詳しくは、のびの重さ、べたつき、
油っぽさ等が改善された硬ゲル状〜固型状の油中水型乳
化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、乳化基剤は、その乳化型(水中油型、油中水型また
は複合型)によらず、軟ペースト状(いわゆるクリーム
状)を呈する画一的なものであり、斬新さ、ユニークさ
に欠けるものである。
【0003】油中水型クリームは、その基剤の有する肌
の保護効果、柔軟効果、湿潤効果等が水中油型クリーム
より、優れていることが知られている。
【0004】しかしながら、油中水型クリームは、その
反面、のびが重い、べたつく、油っぽい等の欠点を有し
ているため一般にはあまり好まれておらず、これら欠点
を是正する製品の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる実情
に鑑み鋭意検討した結果、油性ゲル組成物、シリコーン
ゲル組成物、特定の脂肪酸エステル及び水を乳化分散す
ることにより、硬ゲル状〜固型状ののびの重さ、べたつ
き、油っぽさ等が著しく軽減された油中水型乳化化粧料
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、次の成分(a)〜
(d) (a)油剤及び油ゲル化剤からなる油性ゲル組成物 (b)シリコーンゲル組成物及び/またはペースト状シ
リコーン組成物 (c)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル (d)水を含有する固型状油中水型乳化化粧料を提供す
るものである。
【0007】本発明に使用される成分(a)の油剤は、
通常化粧品に使用されるものであれば特に制限されず、
鉱物油、植物油、動物油、高級脂肪酸、高級脂肪酸エス
テル、高級アルコール等が使用される。具体的には流動
パラフィン、ワセリン、固形パラフィンワックス、セレ
シンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物
油;スクワラン、ラノリン、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、
オリーブ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、ミンク
油、タートル油、アーモンド油、サフラワー油、アボガ
ド油、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミ
ツロウ、モクロウ、ゲイロウ等の動植物油;ポリエチレ
ンワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の合成
油;オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、パル
ミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン
酸トリグリセライド、トリオクタン酸グリセリル、ジグ
リセリルイソステアレート、ジカプリン酸プロピレング
リコール、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジペ
ンタエリトリット脂肪酸エステル等の高級脂肪酸エステ
ル;オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコール等の高級アルコール
などが挙げられ、これらの一種または二種以上が組み合
わされて使用される。
【0008】成分(a)の油ゲル化剤としては、ステア
リン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の金
属石鹸、ショ糖パルミチン酸エステル、デンプンパルミ
チン酸エステル、バクモンドウステアリン酸エステル等
の多糖脂肪酸エステル、ジオクタデシルジメチルアンモ
ニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチ
ルアンモニウム塩変性モンモリロナイト等の有機変性粘
土鉱物などが挙げられる。
【0009】油性ゲル組成物(a)中の油ゲル化剤の配
合割合は特に限定されないが、8〜30重量%(以下%
で示す)が好ましい。また、油性ゲル組成物(a)の本
発明化粧料への配合割合は30〜70%が好ましい。3
0%未満では、硬ゲル状〜固型状を維持することが困難
となり、また70%を超えると固くなりすぎるため、取
れ難くなり、またのびが重くべたつく等の欠点が現れて
くる。
【0010】成分(b)のシリコーンゲル組成物として
は、例えば部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物及
び低粘度シリコーン油を混練し、膨潤させて得られるも
のが挙げられる。
【0011】本発明において、成分(b)に使用される
部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物としては、例
えば、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られ
る、ベンゼンに不溶で、自重以上のベンゼンを含み得る
三次元架橋構造を一部に有するオルガノポリシロキサン
重合物が挙げられる。
【0012】該重合物は、R2SiO単位及びRSiO1.5単位を
有するものであり、R3SiO0.5単位及び/またはSiO2単位
を含んでいても良い。このものが、ベンゼンに不溶であ
るが、自重以上のベンゼンを含み得る三次元架橋構造を
有する構造をとるためには、RSiO1.5単位及び/またはS
iO2単位と、R2SiO単位及び/またはR3SiO0.5単位との比
が適当な範囲にあることが必要である。RSiO1.5単位及
び/またはSiO2単位が少なすぎると、オルガノポリシロ
キサン重合物は十分な三次元架橋構造とならず、ベンゼ
ンに可溶となり、たとえ見掛け上架橋構造をとっていて
も使用できない。また、R2SiO単位及び/またはR3SiO
0.5単位に比して、RSiO1.5単位及び/またはSiO2単位が
多すぎると、オルガノポリシロキサン重合物は強固な架
橋構造をとり、ベンゼンに不溶であるが、重合物の自重
未満しかベンゼンを含むことができないものとなり、低
粘度シリコーン油と混和するとオルガノポリシロキサン
重合物が十分に膨潤せず、シリコーン油の分離、排出を
生じ、安定維持ができないため使用できなくなる。この
ため、ソフトで安定性の良好なシリコーンゲル組成物を
得るためには、(該重合物の分子量にも影響されるが)
一般には(R2SiO単位及び/またはR3SiO0.5単位):(R
SiO1.5単位及び/またはSiO2単位)が1:1〜30:1
の範囲内であるものを用いるのが好ましい結果を与え
る。前記各構造単位において、Rは水素原子;メチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル
基、トリル基等のアリール基;ビニル基等の脂肪族不飽
和基などが例示され、同種でも、または異なった種類で
あってもよい。
【0013】このような、ベンゼンに不溶であるが、自
重以上のベンゼンを含み得る三次元架橋構造を有するオ
ルガノポリシロキサン重合物は、例えば次に示すような
種々の方法で合成することができる。 i)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンに、触媒量のアルカリ金属水酸化物のアルコール性水
溶液を加えて加熱し、脱水素反応及び縮合反応を行なう
方法。 ii)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンと、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合し
た水酸基を有するオルガノポリシロキサンとを、触媒量
のアルカリ金属水酸化物、白金化合物等の存在下に加熱
し、脱水素縮合反応を行なう方法。 iii)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合し
た水酸基を有するオルガノポリシロキサンを、触媒量の
アルカリ金属水酸化物、有機錫化合物等の存在下に加熱
し、脱水縮合反応を行なう方法。 iv)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水酸基を有するオルガノポリシロキサンと、1分子中に
少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルコキシル基
を有するオルガノポリシロキサンとを、触媒量のアルカ
リ金属水酸化物、有機金属錫化合物等の存在下に加熱
し、脱アルコール反応を行なう方法。これらのいずれの
方法にても、ベンゼンに不溶であるが、自重以上のベン
ゼンを含み得る三次元架橋構造を有するオルガノポリシ
ロキサン重合物を容易に得ることができる。
【0014】また、部分架橋型オルガノポリシロキサン
重合物の上記以外の例としては、シリコーン油に不溶で
あるが、十分に膨潤するオルガノポリシロキサン重合物
で、(イ)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(ロ)脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンを付
加重合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋
構造をするものが挙げられる。ここで用いられる(イ)
及び(ロ)のオルガノポリシロキサンの分子構造は、直
鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、目的の
オルガノポリシロキサン重合物の合成反応をコントロー
ルするためには、直鎖状であることがより好ましい。こ
こで、反応性基である(イ)のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンにおけるケイ素原子に結合した水素原子
及び(ロ)の脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサ
ンにおける脂肪族不飽和基は、それぞれ1分子中に少な
くとも2個存在することが両者を重合させて得られるオ
ルガノポリシロキサン重合物の一部に三次元架橋構造を
形成する上で必須である。また、これら反応性基のそれ
ぞれの分子中における位置は、一般的には分子鎖内部で
あるが、分子鎖末端であってもよい。また、これら反応
性基の各々のオルガノポリシロキサン中に占める含有量
は、ソフトで安定性の良好なシリコーンゲル組成物を得
るためには、その分子構造が直鎖状または分岐状のもの
の場合1〜20モル%、また環状のものの場合1〜50
モル%であるのが好ましい。含有量が該範囲を超えると
硬い重合物となってしまうと共に後述する低粘度シリコ
ーン油が三次元架橋構造中に内包し難くなる傾向とな
り、分離、排出が起こり安定保持できなくなってしま
う。逆に含有量が該範囲に満たないと、シリコーンゲル
組成物の構造粘度が乏しくなる傾向にある。
【0015】(イ)のオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンは、HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、R2S
iO単位、R2HSiO0.5単位、R3SiO0.5単位等からなるもの
である。ここで、Rとしては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ト
リル基などのアリール基、シクロヘキシル基、またはこ
れらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全
部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した基などから
選択される、ビニル基などの脂肪族不飽和基を除く非置
換または置換一価炭化水素基が例示される。このような
ものの代表的な例としては、(CH3)3SiO−、−[(CH3)2Si
O]p−、−[CH3HSiO]q−、−Si(CH3)3(但し、p=10
〜500、q=2〜50)の単位を含んでなるメチルハ
イドロジェンポリシロキサンが挙げられ、好適な材料と
なる。
【0016】また、(ロ)の脂肪族不飽和基含有オルガ
ノポリシロキサンの脂肪族不飽和基としては、ビニル
基、アリール基等が挙げられるが、ビニル基が一般的で
あり、オルガノビニルポリシロキサンとしては、(CH2=C
H)SiO1.5単位、RSiO1.5単位、R(CH=CH2)SiO単位、R2SiO
単位、R2(CH=CH2)SiO0.5単位、R3SiO0.5単位等からなる
ものが挙げられる。ここでRは前記(イ)の場合と同じ
意味を示す。このようなものの代表的な例としては、(C
H2=CH)(CH3)2SiO−、−[(CH3)2 SiO]r−及び−Si(CH3)2
(CH=CH2)(但し、r=10〜100)の単位、あるいは
(CH3)3SiO−、−[(CH3)2SiO]m−、−[(CH=CH2)CH3SiO]n
−及び−Si(CH3)3(但し、m=10〜500、n=2〜
50)の単位を含んでなるメチルビニルポリシロキサン
が挙げられ、これらは混合物であってもよく、好適な材
料となる。
【0017】このような(イ)のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンと(ロ)の脂肪族不飽和基含有オルガ
ノポリシロキサンの付加反応は、従来公知の一般的な方
法で行えばよい。例えば、然るべきオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンとオルガノビニルポリシロキサン
を、各々の反応性基であるケイ素原子に結合した水素基
とビニル基のモル比で1/3〜3/1の範囲となるよう
に配合したのち、白金あるいはパラジウムなどの付加重
合触媒を添加し、加温撹拌することにより容易に目的と
するシリコーン油に不溶なオルガノポリシロキサン重合
物が得られる。特に本付加重合触媒としては、特公昭3
3−9969号公報に記載されている塩化白金酸を用い
ることが好ましい。
【0018】成分(b)に使用される低粘度シリコーン
油は、特に限定されるものではないが、粘度50cs程度
以下のものであれば好適に使用し得る。これは高粘度に
なるにつれ、それを多量に用いた結果として感触的に油
っぽさが生じ、使用感上好ましくない方向となるからで
ある。そして低粘度シリコーン油としては低重合度で鎖
状のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、環状のオクタメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、必要
に応じてこれらの1種又は2種以上を適宜選択して用い
ることができる。
【0019】また、成分(b)のペースト状シリコーン
組成物としては、例えば下記シリコーン重合体中に前記
低粘度シリコーン油を内包せしめたものが挙げられる。
【0020】本発明において、成分(b)に使用される
ペースト状シリコーン組成物は新規なものであり、一般
式(1) R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2 (1) {ここにR1 は同種または異種の炭素数1〜18の非置
換または置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基
またはハロゲン化炭化水素基、R2 は一般式CnH2nO(C2H
4O)d(C3H6O)eR3 [ここにR3 は水素原子または炭素数
1〜10の飽和脂肪族炭化水素基もしくは-(CO)-R5(R
5 は炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基)で示される
基、dは2〜200の整数、eは0〜200の整数、d
+eは3〜200の整数、nは2〜6]で示されるポリ
オキシアルキレン基、aは1.0≦a≦2.5、bは
0.001≦b≦1.0、cは0.001≦c≦1.
0}で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、及び/または一般式(2) R1 fHgSiO(4-f-g)/2 (2) (ここにR1 は上記と同じ、fは1.0≦f≦3.0、
gは0.001≦g≦1.5)で示されるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンと、一般式(A) CmH2m-1O(C2H4O)h(C3H6O)iCmH2m-1 (A) (ここにhは2〜200の整数、iは0〜200の整
数、h+iは3〜200の整数、mは2〜6)で示され
るポリオキシアルキレン及び/または一般式(B) R1 jR4 kSiO(4-j-k)/2 (B) (ここにR1 は前記に同じ、R4 は末端に脂肪族不飽和
基を有する炭素数2〜10の1価炭化水素基、jは1.
0≦j≦3.0、kは0.001≦k≦1.5)で示さ
れるオルガノポリシロキサンとの組合せにおいて、前記
一般式(1)及び/または一般式(A)で示される成分
を必須成分とする合計量100重量部の組成物を、25
℃における粘度が100cs以下である低粘度のシリコー
ン油及び/または多価アルコール3〜200重量部の存
在または不存在下に付加重合させて得られるシリコーン
重合体100重量部と低粘度シリコーン油5〜1,00
0重量部とを剪断力下で混練して得られるものを指称す
るものである。
【0021】本発明の成分(b)のペースト状シリコー
ン組成物を構成するシリコーン重合体はオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンと脂肪族不飽和基含有化合物と
を25℃における粘度が100cs以下であるシリコーン
油及び/または多価アルコールの存在または不存在下で
付加重合させたものであるが、オルガノハイドロジェン
ポリシロキサン又は脂肪族不飽和基を含有する化合物の
いずれかがポリオキシアルキレン基を含有することが必
須要件とされるものである。
【0022】従って、オルガノハイドロジェンポリシロ
キサンと脂肪族不飽和基含有化合物との組合せについて
例示すると、まず一方はポリオキシアルキレン基を含有
する一般式(1) R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2 (1) で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンで、
1 がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
のアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール
基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、ま
たはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一
部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメチル基、
トリフルオロプロピル基などから選択される、同一また
は異種の炭素数1〜18の非置換又は置換のアルキル
基、アリール基、アラルキル基又はハロゲン化炭化水素
基、R2 が一般式(3) CnH2nO(C2H4O)d(C3H6O)e-R3 (3) で示され、R3 が水素原子又はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基などの炭素数1〜10の飽和脂肪族炭
化水素基、もしくは式 -(CO)-R5 で示され、R5 が炭素
数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基であり、dが2〜20
0の整数、eが0〜200の整数、d+eは3〜200
の整数、nが2〜6であるポリオキシアルキレン基であ
るものとされる。
【0023】なお、このa、b、c値のaについて1.
0未満では得られた重合体がシリコーン油に対して十分
に膨潤せず、2.5より大きいと得られる重合体をシリ
コーン油と剪断力下で混練処理して得られるペースト状
組成物に水分を十分に分散させることができないので
1.0≦a≦2.5、好ましくは1.0〜2.0とする
ことが必要であり、bについては0.001未満では得
られる重合体をシリコーン油と剪断力下で混練処理して
得たペースト状組成物が水に十分に分散せず、1.0よ
り大きいと得られる重合体のシリコーン油への膨潤性が
十分でなくなるので0.001≦b≦1.0、好ましく
は0.005〜1.0とされるし、cについては0.0
01未満では付加重合により得られる重合体に3次元構
造体の形成が困難となり、シリコーン油の増粘性に乏し
いものとなり、1.0より大きいと付加重合により形成
される3次元構造体の架橋密度が高くなりすぎ、シリコ
ーン油を安定に保持することができないので、0.00
1≦c≦1.0、好ましくは0.005〜1.0とされ
るものである。
【0024】しかして、この一般式(1)で示されるオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンと組合わされるも
のは一般式(B) R1 jR4 kSiO(4-j-k)/2 (B) で示され、R1 は前記と同じ、R4 は末端にビニル基、
アリル基などのような脂肪族不飽和基を有する炭素数が
2〜10の1価炭化水素基、jは1.0未満では付加重
合により形成される3次元構造体の架橋密度が高くなり
すぎてシリコーン油を安定に保持する重合体が得られ
ず、3.0より大きいと付加重合により得られる重合体
中における3次元構造体の形成が不十分となり、シリコ
ーン油の増粘性の乏しいものとなるので、1.0≦d≦
3.0、好ましくは1.0〜2.5とされ、kについて
は0.001未満であると目的とする重合体中における
3次元構造体の形成が困難となってシリコーン油の増粘
性の乏しいものとなり、1.5より大きいと付加重合に
より形成される3次元構造体の架橋密度が高くなりすぎ
て、シリコーン油を安定に保持することができる重合体
を得ることができなくなるので0.001≦k≦1.
5、好ましくは0.005〜1.0とされる脂肪族不飽
和基を含有するオルガノポリシロキサンとされるが、こ
の一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと一般式(B)で示されるオルガノポリシロ
キサンとの混合物は以下混合物−Iと略記される。
【0025】尚、一般式(1)で示されるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンと一般式(A)で示されるポ
リオキシアルキレンとの組み合わせを用いることもでき
る。
【0026】また、このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンと脂肪族不飽和基含有化合物との他の組み合わ
せについては、一般式(2) R1 fHgSiO(4-f-g)/2 (2) で示され、R1 が前記と同じで、fは1.0未満では得
られた重合体のシリコーン油への膨潤性が十分に得られ
ず、3.0より大きいと付加重合により得られる重合体
中に3次元構造を形成することが困難となり、シリコー
ン油の増粘性が乏しいものとなるので1.0≦f≦3.
0、好ましくは1.0〜2.5とされ、gは0.001
未満であると付加重合により得られる重合体中に3次元
構造を形成することが困難となり、シリコーン油の増粘
性が乏しいものとなり、1.5より大きいと付加重合に
より形成される3次元構造の架橋密度が高くなりすぎて
得られる重合体がシリコーン油を安定に保持しなくなる
ので0.001≦g≦1.5、好ましくは0.005〜
1.0であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
一般式(A) CmH2m-1(C2H4O)h(C3H6O)iCmH2m-1 (A) で示され、hは2〜200、好ましくは5〜100、i
は0〜200、好ましくは0〜100であり、得られる
重合体に水を十分に分散させるためにはh/i≧1であ
ることが望ましく、mは2〜6、好ましくは3〜6であ
るポリオキシアルキレンとの混合物(以下混合物−IIと
略記する)が例示される。
【0027】本発明において、混合物−Iまたは−IIを
付加重合する際に使用される25℃における粘度が10
0cs以下である低粘度シリコーン油としては直鎖状又は
分枝状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロ
キサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロ
キサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサンなどのような環状ジメチルポリシロキサンなどが
挙げられるが、これらは25℃における粘度が100cs
以下のものであればその粘度は特に限定されず、これは
好ましくは粘度が50cs以下のものとすることがよい
が、これらは単独で用いても2種以上の混合物であって
もよい。
【0028】また、多価アルコールとしてはエチレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグ
リセリンなどが例示されるが、これらは単独で使用して
も2種以上を併用してもよい。
【0029】低粘度シリコーン油及び/または多価アル
コールの量は上記した混合物−Iまたは−IIの100重
量部に対して3〜200重量部が好ましい。低粘度シリ
コーン油及び/または多価アルコールの存在下付加重合
を行うと、これらを含有した重合体が得られ、これらの
不存在下付加重合して得られるものに比較し、シリコー
ン油に対し高い膨潤性を示し、優れた増粘性を示すよう
になる。
【0030】尚、この混合物−Iまたは−IIの付加重合
は、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸また
は塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体などのような公知
の白金化合物触媒またはロジウム化合物触媒の存在下
に、室温または50〜150℃の加温下に反応させて行
えばよい。
【0031】この場合には必要に応じ有機溶剤を使用し
てもよく、これにはメタノール、エタノール、2−プロ
パノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ペ
ンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族ま
たは脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、
フッ化塩化炭化水素などのハロゲン化炭化水素が例示さ
れる。
【0032】上記シリコーンゲル組成物中の部分架橋型
オルガノポリシロキサンの割合及び上記ペースト状シリ
コーン組成物中のシリコーン重合体の割合はいずれも1
0〜30%である。
【0033】かくして得られたシリコーンゲル組成物及
び/またはペースト状シリコーン組成物(b)の本発明
化粧料への配合割合は10〜40%が好ましく、15〜
35%がより好ましい。10%未満では使用感の改善効
果はみられず、また40%を超えると硬ゲル状〜固型状
を維持するのが困難となる。
【0034】成分(c)のポリオキシエチレンソルビッ
ト脂肪酸エステルは、無色〜淡黄色で液状〜ペースト状
の非イオン界面活性剤であり、市販品としてはニッコー
ルGO−4、GO−430、GO−440、GO−46
0、GL−1、GS−460(いずれも日本サーファク
タント工業製)等が挙げられる。ポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル(c)のHLBは4以上が好ま
しく、10〜16がより好ましい。上記化合物(c)を
2種以上組合せて使用する場合には、組合せたHLBが
上記範囲にあればよい。
【0035】ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エス
テル(c)の本発明化粧料への配合量は0.5〜5%が
好ましい。0.5%未満では本発明の効果は得られず、
また5%を超えて配合しても効果の向上はみられず、か
えって使用感が悪化する場合がある。
【0036】成分(d)の水の本発明化粧料への配合量
は、5〜35%であることが好ましい。5%未満では使
用感の向上がみられず、また35%を超えると経時安定
性が悪化する。上記成分(d)には、通常化粧料に用い
られる水性成分を適宜配合することができる。
【0037】本発明の固型状油中水型乳化化粧料は、油
性ゲル組成物(a)とシリコーンゲル組成物またはペー
スト状シリコーン組成物(b)とからなる混合油分中へ
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル(c)を
用いて水(d)を乳化分散し冷却固化することにより製
造することができる。
【0038】本発明の固型状油中水型乳化化粧料には、
上記成分(a)〜(d)のほか、本発明の効果を妨げな
い範囲で、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、エモリエント剤、美容成分、香料、水溶性高分子、
保質顔料、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、疎水化処
理顔料、タール色素等通常化粧料に用いられる成分を配
合することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の固型状油中水型乳化化粧料は、
硬ゲル状〜固型状を呈する斬新かつユニークなものであ
り、しかものびの重さ、べたつき、油っぽさといった従
来油中水型クリームが抱えていた問題点を一挙に解決す
るものである。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0041】参考例1 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の合成:トリ
メチルシリル末端封鎖ジメチルメチルハイドロジェンポ
リシロキサン〔分子量2300、CH3HSiO対(CH3)2SiO=
1対4(モル比)〕に1%水酸化カリウム溶液(エタノ
ール対水=2対1)を適量加え、加熱、還流して重合反
応を行ない、反応生成物を得た。次いでこの反応生成物
を水洗浄してアルカリ剤を除去後、自然乾燥させること
により、ベンゼンに不溶であり、ベンゼンを自重の18
0%含み得るオルガノポリシロキサン重合物を得た。
【0042】参考例2 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の合成:内容
積約5lのプラネタリーミキサーに、トリメチルシリル
末端封鎖ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン
(平均分子量2340,Si−H 4.5モル%)1790
g、及びジメチルビニルシリル末端封鎖ジメチルポリシ
ロキサン(平均分子量930、ビニル基7.7モル%)
710gを投入し、攪拌混合した。同混合溶液に、塩化
白金酸の2%イソプロパノール溶液の0.5g添加を行
ない、70〜80℃に昇温し、2時間攪拌を続けた。そ
の後、系内を5〜10mmHgに減圧し、ストリッピングを
30分間続行することにより、無色の柔軟性を有する固
形状のオルガノポリシロキサン重合物を得た。
【0043】参考例3 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の合成:内容
積約5lのプラネタリーミキサーに、トリメチルシリル
末端封鎖ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン
(平均分子量2340,Si−H 4.5モル%)1790
g、及びジメチルビニルシリル末端封鎖ジメチルメチル
フェニルポリシロキサン(平均分子量5560,ビニル
基1.5モル%)4240gを投入し、攪拌混合した。
同混合溶液に、塩化白金酸の2%イソプロパノール溶液
の0.5g添加を行ない、70〜80℃に昇温し、2時
間攪拌を続けた。その後、系内を5〜10mmHgに減圧
し、ストリッピングを30分間続行することにより、無
色の柔軟性を有する固形状のオルガノポリシロキサン重
合物を得た。
【0044】参考例4 (1)反応器中に平均組成式(4)
【0045】
【化1】
【0046】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン68g、エタノール100g、平均組成式が C
H2=CHCH2O(C2H4O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレ
ン32g及び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液0.
3gを仕込み、内温を70〜80℃に維持して2時間攪
拌したのち、減圧下で溶媒を除去したところ、平均組成
式(5)
【0047】
【化2】
【0048】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンが得られた。 (2)反応器中に、前記(1)で得たオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン100g、エタノール100g及
び平均組成式(6)
【0049】
【化3】
【0050】で示されるジメチルビニルシリル末端封鎖
ジメチルポリシロキサン28.9g及び塩化白金酸3重
量%のエタノール溶液0.3gを仕込み、内温を70〜
80℃に維持して2時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除
去し、弾力性のある重合体を得た。
【0051】この重合体20重量部と、ジメチルポリシ
ロキサン(粘度6cS)80重量部とを分散混合した後、
三本ロールミルにより剪断力下で十分混練してシリコー
ン組成物を作製した。この組成物は、滑らかな感触を有
し、粘度が32,000cPの均一なペースト状組成物で
あった。
【0052】参考例5 反応器中に、平均組成式(7)
【0053】
【化4】
【0054】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン100g、エタノール62g、平均組成式が式
CH2=CHCH2O-(C2H4O)10-CH2CH=CH2 (8)で示されるポ
リオキシアルキレン23.6g及び塩化白金酸3重量%
のエタノール溶液0.3gを仕込み、内温を70〜80
℃に維持して2時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去
し、粒状の重合体を得た。
【0055】得られた重合体33重量部と、ジメチルポ
リシロキサン(粘度6cS)67重量部とを分散混合した
後、三本ロールミルにより剪断力下で十分混練し、膨潤
させてシリコーン組成物を作製した。この組成物は、滑
らかな感触を有し、粘度が24,800cPの均一なペー
スト状組成物であった。
【0056】参考例6 反応器中に、参考例1の(1)で得た平均組成式(4)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン10
0g、エタノール75g、参考例2で使用した平均組成
式(8)で示されるポリオキシアルキレン49.4g及
び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液0.3gを仕込
み、内温を70〜80℃に維持して2時間攪拌した後、
減圧下で溶媒を除去し、粒状の重合体を得た。
【0057】この重合体33重量部と、ジメチルポリシ
ロキサン(粘度6cS)67重量部とを分散混合した後、
三本ロールミルにより剪断力下で十分に混練し、膨潤さ
せてシリコーン組成物を作製した。この組成物は滑らか
な感触を有し、粘度が10,600cPの均一なペースト
状であった。
【0058】参考例7 反応器中に、平均組成式(9)
【0059】
【化5】
【0060】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン100g、エタノール57g、参考例2で使用
した平均組成式(8)で示されるポリオキシアルキレン
13.5g及び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液
0.3gを仕込み、内温を70〜80℃に維持して2時
間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去し、粒状の重合体を
得た。
【0061】この重合体20重量部とジメチルポリシロ
キサン(粘度6cS)80重量部とを分散混合した後、三
本ロールミルにより剪断力下で十分混練し、膨潤させて
シリコーン組成物を作製した。この組成物は、滑らかな
感触を有し、粘度が22,800cPの均一なペースト状
であった。
【0062】参考例8 反応器中に、参考例2で使用した平均組成式(7)のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、エタノ
ール103g、参考例2で使用した平均組成式(8)で
示されるポリオキシアルキレン23.6g、25℃にお
ける粘度が6cSであるジメチルポリシロキサン82.4
g及び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液0.3gを
仕込み、内温を70〜80℃に維持して2時間攪拌した
後、減圧下で溶媒を除去したところ、シリコーン重合体
が得られた。
【0063】ついで、このシリコーン重合体100重量
部に25℃における粘度が6cSであるジメチルポリシロ
キサン100重量部を分散混合した後、三本ロールミル
により剪断力下で十分混練し、膨潤させてシリコーン組
成物を作製した。このものは滑らかな感触を有し、粘度
が82,800cPである均一なペースト状組成物であっ
た。
【0064】参考例9 反応器中に、参考例4で使用した平均組成式(9)で示
されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン100
g、エタノール95g、参考例2で使用した平均組成式
(8)のポリオキシアルキレン13.5g、25℃にお
ける粘度が5cSであるジメチルポリシロキサン75.7
g及び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液0.3gを
仕込み、参考例5と同様に処理して重合体を作った。
【0065】つぎにこの重合体100重量部とオクタメ
チルシクロテトラシロキサン200重量部とを分散混合
した後、三本ロールミルにより剪断力下に十分混練して
膨潤されたシリコーン組成物を作製した。このものは滑
らかな感触を有する粘度が44,000cPの均一なペー
スト状組成物であった。
【0066】参考例10 反応器中に、平均組成式(10)
【0067】
【化6】
【0068】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン100g、エタノール74g、平均組成式が式
CH2=CHCH2O(C2H4O)30CH2CH=CH2 (11)で示されるポ
リオキシアルキレン18.5g、25℃における粘度が
6cSであるジメチルポリシロキサン29.6g及び塩化
白金酸3重量%のエタノール溶液0.3gを仕込み、参
考例5と同様に処理して重合体を作った。
【0069】ついで、この重合体100重量部とフェニ
ルトリス(トリメチルシロキシ)シラン200重量部と
を分散混合した後、三本ロールミルにより剪断力下に十
分混練して膨潤させたシリコーン組成物を作製した。こ
のものは滑らかな感触を有する粘度が25,500cPの
均一なペースト状組成物であった。
【0070】参考例11 反応器中に、参考例1の(1)で得た平均組成式(5)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン10
0g、エタノール72g、平均組成式(12)
【0071】
【化7】
【0072】で示されるジメチルビニルシリル基で末端
が封鎖されたジメチルポリシロキサン28.9g、25
℃における粘度が30cSであるジメチルポリシロキサン
14.3g及び塩化白金酸3重量%のエタノール溶液
0.3gを仕込み、参考例5と同様に処理して重合体を
作った。
【0073】ついでこの重合体22.2重量部と25℃
における粘度が6cSであるジメチルポリシロキサン7
7.8重量部とを分散混合した後、三本ロールミルによ
り剪断力下に十分混練してシリコーン組成物を作った。
このものは滑らかな感触を有する粘度が48,000cP
の均一なペースト状組成物であった。
【0074】参考例12 反応器中に、参考例2で使用した平均組成式(7)のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、エタノ
ール103g、参考例2で使用した平均組成式(8)の
ポリオキシアルキレン23.6g、1,3−ブチレング
リコール82.4g及び塩化白金酸3重量%のエタノー
ル溶液0.3gを仕込み、内温を70〜80℃に維持し
て2時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去したところ、
シリコーン重合体が得られた。
【0075】ついで、このシリコーン重合体100重量
部に25℃における粘度が50cSであるジメチルポリシ
ロキサン100重量部を分散混合した後、三本ロールミ
ルにより剪断力下で十分混練し、膨潤させてシリコーン
組成物を作製した。このものは滑らかな感触を有し、粘
度が65,000cPである均一なペースト状組成物であ
った。
【0076】参考例13 反応器中に、平均組成式(13)
【0077】
【化8】
【0078】で示されるオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン100g、エタノール160g、平均組成式が
CH2=CHCH2O(C2H4O)30-(C3H6O)10-CH2CH=CH2 (14)
で示されるポリオキシアルキレン34.7g、エチレン
グリコール20g、25℃における粘度が10cSである
ジメチルポリシロキサン13.7gと塩化白金酸3重量
%のエタノール溶液0.3gを仕込み、参考例5と同様
に処理して重合体を作った。
【0079】次にこの重合体100重量部とデカメチル
シクロペンタシロキサン300重量部とを分散混合した
後、三本ロールミルにより剪断力下に十分混練して膨潤
させてシリコーン組成物を作製した。このものは滑らか
な感触を有する粘度が52,000cPの均一なペースト
状組成物であった。
【0080】実施例1〜5、比較例1〜4 表1(実施例1〜3,比較例1〜3)及び表2(実施例
4〜5,比較例4)に示す組成の固型状油中水型乳化化
粧料を下記製造方法により調製した。
【0081】(製造方法) (イ)(1)〜(8)を加熱溶解する。 (ロ)(イ)、(9)または(10)、及び(11)〜
(18)を加熱混合する。 (ハ)(ロ)に(19)及び(20)を加えて乳化す
る。 (ニ)容器に充填し冷却して製品を得る。
【0082】得られたそれぞれの製品を15℃恒温槽に
放置し、1日、1週間及び2週間経過後のバルク中及び
容器底への水の分離の有無を調べた。結果は分離なしを
○、やや分離ぎみを△、分離ありを×として経時安定性
を評価し、表1〜2に示した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】なお、表1及び表2中のシリコーンゲン組
成物(9)は、上記参考例2で得られたオルガノポリシ
ロキサン重合物25重量部に25℃における粘度が10
CSであるジメチルポリシロキサン75重量部を分散混合
後、充分混練し、膨潤させて調製した。また、表1中の
ペースト状シリコーン組成物(10)は、上記参考例8
で得られたシリコーン重合体25重量部に25℃におけ
る粘度が10CSであるジメチルポリシロキサン75重量
部を分散混合後、三本ロールミルにより剪断力下で充分
混練し、膨潤させて調製した。
【0086】表1〜2より明らかなように本発明品(実
施例1〜5)は良好な経時安定性を示す。
【0087】さらに、上記実施例1〜3で得られた製
品、市販の油中水型ナリシングクリーム(比較例5)及
び市販の水中油型クリーム(比較例6)を、表3に示す
評価項目について、下記の評価方法及び評価基準により
それぞれ官能評価を行なった。結果を表3に示す。
【0088】レオメーター針入度: (評価方法)レオメーター((株)不動工業製)を用
い、針入度を測定した(径;1cm,速度;6cm/分,深
さ;1.5mm,温度;15℃)。 (評価基準)結果を数値で示した。
【0089】固型状の維持: (評価方法)金皿容器中、50℃で固型状を維持しうる
か観察した。 (評価基準)固型状を維持できたものを○、できなかっ
たものを×とした。
【0090】取れ易さ及び使用感: (評価方法)10名の専門パネルによる使用テストを行
ない、各人の絶対評価結果を平均した。 (評価基準)非常に良いを3点、良いを2点、普通を1
点、悪いを0点とし、平均2点以上を○、平均1点以上
2点未満を△、平均1点未満を×とした。
【0091】
【表3】
【0092】表3から明らかなごとく、本発明品(実施
例1〜3)は、適度な固さを有するとともに、油中水型
でありながら、のびが良く、油っぽさ、べたつき感がな
く、しかも保護効果の持続性にも優れていた。これに対
し、比較例5及び6のクリームは、外観的にも本発明品
のような硬ゲル状〜固型状のものではなく、いずれも高
温では固型状を維持することができず、使用感において
も表3中の評価項目のすべてを満足するものではなかっ
た。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】なお、表1及び表2中のシリコーンゲル
成物(9)は、上記参考例2で得られたオルガノポリシ
ロキサン重合物25重量部に25℃における粘度が10
CSであるジメチルポリシロキサン75重量部を分散混
合後、充分混練し、膨潤させて調製した。また、表1中
のペースト状シリコーン組成物(10)は、上記参考例
8で得られたシリコーン重合体25重量部に25℃にお
ける粘度が10CSであるジメチルポリシロキサン75
重量部を分散混合後、三本ロールミルにより剪断力下で
充分混練し、膨潤させて調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 83/12 LRT 8319−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(d) (a)油剤及び油ゲル化剤からなる油性ゲル組成物 (b)シリコーンゲル組成物及び/またはペースト状シ
    リコーン組成物 (c)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル (d)水を含有することを特徴とする固型状油中水型乳
    化化粧料。
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