JPH05178644A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JPH05178644A
JPH05178644A JP14260992A JP14260992A JPH05178644A JP H05178644 A JPH05178644 A JP H05178644A JP 14260992 A JP14260992 A JP 14260992A JP 14260992 A JP14260992 A JP 14260992A JP H05178644 A JPH05178644 A JP H05178644A
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JP
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glass
laminated glass
silicone oil
film
layer
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JP14260992A
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English (en)
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Tadahiko Yoshioka
忠彦 吉岡
Yoshinari Sannomiya
伊成 三宮
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着力が良好で、耐湿性に優れ、かつ屋外暴
露、紫外線照射又は温度により接着力の経時変化がほと
んどない合わせガラスを得る。 【構成】 少なくとも内面に金属酸化物層または金属層
12が形成された透明板11と、ガラス板16との間に、ポリ
ビニルアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物より形
成される合わせガラス用中間膜17を介装する。この合わ
せガラス用中間17膜は、変性シリコンオイルを含有する
接着力調整層13,15を有する。その接着力調整層13,15と
上記金属酸化物層又は金属層12との接着力は経時によっ
て低下し難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス用中間膜
及びその中間膜を用いた合わせガラスに関し、より詳し
くは、少なくとも内面に金属酸化物層あるいは金属層が
形成された透明板と、ガラス板との間に介装される合わ
せガラス用中間膜及びその合わせガラス用中間膜とこれ
らの透明板より構成される合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より積層安全ガラスは、建築用及び
自動車のフロントガラス用等に広く使用されている。こ
の積層安全ガラスの代表的なものとして、可塑化された
ポリビニルアセタール樹脂組成物からなる中間膜を一対
のガラス板間に介装して貼り合わせたものがある。この
ような積層安全ガラスは、外部から衝撃が加えられると
ガラス部分が破損するが、ガラスの間に介装された中間
膜は容易に破損せず、また破損したガラスは中間膜に貼
着した状態であるため、そのガラス破片が飛散すること
が少ない。従って、輸送機関や建造物の中の人体がガラ
スの破片により傷害を受けることを防止することができ
る。
【0003】このような安全ガラスとしての機能を満足
するためには、中間膜とガラスとの接着力をある範囲内
に調整する必要がある。ガラス板と中間膜との接着力が
小さい安全ガラスでは、外部からの衝撃によってガラス
破片が中間膜よりはがれて飛散してしまい、一方、接着
力が大きい場合には、ガラス板と中間膜とが同時に割れ
てしまう。従って、中間膜とガラス板との接着力をある
範囲内に調整することは、自動車事故等の場合では、運
転者及び乗客がガラスへ衝突するときの衝撃を吸収した
り、安全ガラスの貫通を防止するために必要であり、ま
た建築物の場合では、外部からの飛来物に対してガラス
の貫通を防止したり、ガラス破片の飛散を防止するため
に必要である。
【0004】そこで、従来から中間膜とガラス板との接
着力を所定の範囲に設定できるように、中間膜用の接着
力調整添加剤が種々検討されており、今日では、主にカ
ルボン酸の金属塩、特に経時変化の小さい炭素数の少な
いものが用いられている。このカルボン酸金属塩を中間
膜に含有させると、特に中間膜形成時及びオートクレー
ブ等の中、高温において、中間膜中からカルボン酸金属
塩がブリードして中間膜表面に多く集まり、そして、カ
ルボン酸金属塩の水吸収性のために中間膜とガラスとの
界面に水分を多く保持することにより接着力を低下させ
る。従って、カルボン酸金属塩の接着力調整効果は、中
間膜中と中間膜表面とのカルボン酸金属塩の分布状態を
変化させるか、あるいは水分量を変化させることによっ
て調整される。
【0005】ところが、カルボン酸金属塩を添加した中
間膜を合わせガラスに使用した場合、耐湿性に問題があ
る。即ち、合わせガラスの周辺部が空気中の水分と接す
ると、カルボン酸金属塩が水分を吸収することにより白
化を起こし、透明性が低下する。またカルボン酸金属塩
は中間膜中の水分量の影響を受けやすいため、中間膜の
水分量を厳密にコントロールする必要があった。
【0006】この問題を解決する方法として、中間膜に
接着力調整剤として変性シリコンオイルを併用する方法
が提案されている。この方法は、カルボン酸金属塩と変
性シリコンを併用することで耐湿性を改善し、かつ中間
膜中の水分量の変化による接着力の変動を小さくするも
のである。
【0007】ところで、近年、ガラスあるいはシートの
表面に高機能を有する層を設け、選択光透過性や(透
明)導電性等を有する合わせガラスが提案されている。
例えば、熱線反射ガラス、熱線反射フィルム、結露防止
導電ガラス等であり、これら特殊なガラス及びシート
が、建築物及び自動車等に使用されはじめている。これ
らの特性は、主に機能性薄膜を真空蒸着やスパッタリン
グ法によりガラス表面、あるいは透明なプラスチックシ
ート表面に形成することで得られる。
【0008】高機能を有する層の構成例として、例え
ば、建築物用熱線反射ガラスは、ガラス板に金属酸化物
層を設けて構成されたものが多い。また、自動車用熱線
反射ガラスでは、貴金属層を金属酸化物で挟みこんだ被
膜が用いられている。他の高機能を有する層について
も、いずれも金属酸化物層あるいは金属層で形成されて
いる場合が多い。
【0009】これらガラスもしくはシートを用いた合わ
せガラスとしての使用時の代表的な構成は、熱線反射ガ
ラス/中間膜/ガラス、ガラス/中間膜/熱線反射シー
ト/中間膜/ガラスという構成であり、ガラス又はシー
トに設けられている高機能層はそれを保護するために合
わせガラスの内側に配置されている。従って、金属酸化
物層(スパッタリング条件や接着調整のために金属を含
む)又は金属層と中間膜が接することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したような熱線反
射ガラス等の機能性薄膜を有するガラスを、通常のガラ
ス板と同様に用いて安全ガラスを作成する場合にも、機
能性薄膜を有するガラスと中間膜との間の接着力を所定
のレベルに調整する必要がある。ところが、接着力調整
剤(カルボン酸金属塩)を含有した中間膜を用いて、こ
れと熱線反射ガラスとを積層すると通常のガラス板の場
合とは異なり、屋外暴露や紫外線照射により経時で両者
間の接着力が低下し易く、衝撃等によりガラス板が中間
膜より剥離しやすくなるという欠点があった。この接着
力低下は、合わせガラスにおいて中間膜と金属酸化物が
接触している部分に紫外線が当たることにより、接着力
調整剤が加水分解を受けて、有機酸とカルボン酸金属塩
が中間膜と機能性薄膜を有するガラスの間に多く存在す
ることにより接着力が大幅に低下するものと考えられ
る。
【0011】また、熱線反射フィルム等、高機能を有す
るシートにおいても同様に中間膜との接着力が低下し、
衝撃時にシートと中間膜との間が剥離しやすくなるとい
う欠点があった。
【0012】さらに機能性薄膜を有すガラスやシートを
使用した合わせガラスにおいても、前述と同様に空気中
の湿気により、カルボン酸金属塩が水分を吸収して白化
を起こすという欠点があった。
【0013】そこで、接着力を減少させているカルボン
酸金属塩の含有量を減少させる方法が考えられるが、こ
の方法では、初期の接着力が大きくなりすぎ、衝撃によ
りガラスが貫通しやすくなる。
【0014】またカルボン酸金属塩の含有量を減らすか
または無くし、かつ変性シリコンオイルの含有量を増加
させる方法が考えられるが、この方法では、紫外線照射
や屋外暴露(紫外線)による接着力の経時変化は小さい
が、温度により接着力の経時変化が大きくなり、衝撃な
どによりガラスが中間膜より剥離しやすくなる。この接
着力の低下は、変性シリコンオイルが液体であり、かつ
ブチラール樹脂及び可塑剤と完全には相溶しないため、
中間膜と機能性薄膜を有するガラス(または金属、金属
酸化膜)との界面に徐々にブリードしてくるためであ
る。
【0015】本発明は上記の欠点を解決しようとするも
ので、その目的は、製造初期から機能性薄膜を有するガ
ラスまたはシートとの接着力に優れ、耐湿性が良好で透
明性に優れ、かつ屋外暴露、紫外線照射及び温度により
接着力が低下しない合わせガラス用中間膜及び合わせガ
ラスを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の合わせガラス用
中間膜は、少なくとも内面側に金属酸化物層または金属
層が形成された透明板と、ガラス板との間に介装される
合わせガラス用中間膜であって、ポリビニルアセタール
樹脂を主成分とする樹脂組成物より形成される基層と、
該基層の少なくとも該透明板の金属酸化物層または金属
層側の面に設けられており、変性シリコンオイルを含有
する接着力調整層とを有することを特徴とし、そのこと
により上記目的が達成される。
【0017】また、本発明の合わせガラスは、少なくと
も内面に金属酸化物層あるいは金属層が形成された透明
板とガラス板との間に、請求項1の合わせガラス用中間
膜が、その接着力調整層が該金属酸化物層あるいは金属
層と接するように介装されていることを特徴とし、その
ことにより上記目的が達成される。
【0018】次に本発明を詳しく説明する。
【0019】本発明の合わせガラス用中間膜の基層は、
ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする樹脂組成物を
含有する。
【0020】本発明の合わせガラス用中間膜の基層に使
用されるポリビニルアセタール樹脂としては、従来安全
ガラス用の中間膜用樹脂として用いられている種類のも
のが使用でき、具体的にはブチラール化度60〜70モ
ル%、重合度1000〜2000のポリビニルブチラー
ルが好適に使用される。
【0021】また本発明の合わせガラス用中間膜の基層
に使用されるその他の樹脂としては、従来使用されてい
るものが用いられる。
【0022】また本発明の合わせガラス用中間膜の基層
は、可塑剤を含有させてもよい。
【0023】上記可塑剤としては、エチレングリコール
−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−ブ
チレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,2
−ブチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエ
チレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、ジプ
ロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリ
エチエレングリコール−ジ−2−エチルペントエート、
トリエチレングリコール−2−エチルヘキソエート、ト
リエチレングリコール−2−エチルブチレート、トリエ
チレングリコール−2−エチルヘキシレート、テトラエ
チレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチ
レングリコールジカプリエート、トリエチレングリコー
ルジカプリエート、ジヘキシルアジペート等が挙げられ
る。これら可塑剤の添加量は本発明においてポリビニル
アセタール樹脂100重量部に対して20〜60重量部
の範囲が好ましい。
【0024】また本発明の合わせガラス用中間膜の基層
は、紫外線吸収剤または酸化防止剤を含有させてもよ
く、これらは従来のものが使用される。
【0025】また本発明の合わせガラス用中間膜の基層
にカルボン酸金属塩または変性シリコンオイルを添加し
てもよい。
【0026】上記カルボン酸金属塩としては、炭素数が
12以下の脂肪族モノまたはジカルボン酸のアルカリま
たはアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。金属成
分としては、各種挙げられるが、特に好ましくはMg,
Ca,Zn等、またカルボン酸としては、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、琥珀酸、アジ
ピン酸等が挙げられる。カルボン酸金属塩の例として
は、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カ
リウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸ナト
リウム、酪酸カリウム、酪酸マグネシウム、酪酸ナトリ
ウム、カプロン酸マグネシウム、カプロン酸ナトリウ
ム、2−エチルカプロン酸マグネシウム、2−エチルカ
プロン酸ナトリウム、カプリル酸マグネシウム、カプリ
ル酸ナトリウム、琥珀酸マグネシウム、琥珀酸ナトリウ
ム、アジピン酸マグネシウム、アジピン酸ナトリウムな
どが挙げられる。特に好ましくは酢酸マグネシウム、酢
酸カリウムである。これらは単独で使用しても良いが、
併用することも可能である。カルボン酸金属塩の添加量
としては、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対
して、通常0.01〜0.5重量部、好ましくは0.0
2〜0.2重量部である。添加量が0.01重量部未満
の場合、接着力調整効果が得られず、一方、0.5重量
部を超える場合、接着力が低くなりすぎ、かつ耐湿性が
低下し、膜の透明性が失われる。
【0027】上記変性シリコンオイルとしては、エーテ
ル変性シリコンオイル、エポキシ変性シリコンオイル、
エステル変性シリコンオイル、アミン変性シリコンオイ
ル、α−メチルスチレン変性シリコンオイル、α−オレ
フィン変性シリコンオイル、アルコール変性シリコンオ
イル、フッ素変性シリコンオイル、メルカプト変性シリ
コンオイル、カルボキシル変性シリコンオイル、高級脂
肪酸変性シリコンオイル、カルナバ変性シリコンオイ
ル、末端反応性シリコンオイル、及びその共変性タイプ
(例えば、エーテルエポキシ変性シリコンオイル)等が
挙げられ、これらは、一般にはポリシロキサンに変性す
べき化合物を反応せしめて得られる粘綢な液体である。
変性シリコンオイルの添加量としては、ポリビニルアセ
タール樹脂100重量部に対して、通常0.005〜
0.5重量部であり、好ましくは0.02〜0.2重量
部である。添加量が0.005重量部未満の場合、接着
力調整効果が得られず、一方、0.5重量部を超える場
合、接着力が低くなりすぎ、かつ耐湿性が低下し、膜の
透明性が失われる。
【0028】また、金属酸化物層または金属層を有する
透明板と中間膜、およびそれらの層が設けられていない
ガラス板と中間膜の接着力が同等である必要がある。ど
ちらかが極端に高かったり低かったりすると、耐貫通性
が悪くなる。上記のように変性シリコンオイルを含有す
る接着力調整層を、基層と上記各透明板との間に介在さ
せることにより、経時での両者の接着力の変化を少なく
できるのであるが、さらに、用いる変性シリコンオイル
種と混合比を様々に変えることにより、合わせガラスの
表裏面の適度な接着力を調整することもできる。
【0029】金属酸化物層または金属層を有する透明板
と中間膜、およびそれらの層が設けられていないガラス
板と中間膜の接着力を同等にするためには、特に、非極
性の変性シリコンオイル、例えば、ポリエーテル変性シ
リコンオイルと、極性の変性シリコンオイル、例えば、
カルボキシル変性シリコンオイルとの混合シリコンオイ
ルを用いるのが好ましい。ポリエーテル変性シリコンオ
イルと、カルボキシル変性シリコンオイルとの重量比
は、変性度合によっても異なるが、100/1〜1/5
0が好ましく、特に50/1〜1/4が好ましく、さら
に好ましくは、30/1〜5/1である。両者の重量比
が100/1〜1/50の範囲を外れると、合わせガラ
スの表裏面でパンメル値が異なる恐れがある。
【0030】本発明の合わせガラス用中間膜の基層の形
成方法は、ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする樹
脂組成物に必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤または、接着力調整剤としてカルボン酸金属塩、変
性シリコンオイルを添加して混練後、プレスすることに
より得ることができる。またカルボン酸金属塩または変
性シリコンオイルは、基層形成後、水または溶剤に溶か
したものを塗布またはスプレーにより基層表面に付着さ
せることもできる。
【0031】本発明の合わせガラス用中間膜は、上記の
ように形成される基層の少なくとも片面に変性シリコン
オイルを含有する接着力調整層が設けられている。
【0032】本発明の合わせガラス用中間膜の基層の少
なくとも片面に変性シリコンオイルを含有する接着力調
整層を形成する方法としては、種々の方法があるが、少
量の液体をシートまたはフィルムにほぼ均一に塗布でき
る方法であれば全ての方法を採用することができる。例
えば、変性シリコンオイルを含有する材料を基層表面に
スプレーする方法、ロール表面から転写する方法、変性
シリコンオイル含有溶液に基層を浸漬する方法、および
塗工機で変性シリコンオイルを含有する材料を塗布する
方法等が挙げられる。非常に少量の変性シリコンオイル
を均一に塗布するためには、変性シリコンオイルを含有
する材料を溶剤に溶かしたものをスプレー、転写、浸
漬、または塗布する方法が好ましい。
【0033】また脱気性を良好にするために表面にエン
ボスが付けられた中間膜の場合には、例えば、変性シリ
コンオイルを含有する材料を溶剤に溶解したものを基層
表面にスプレー、転写、浸漬、または塗布するが、いず
れの場合でも基層表面のエンボスを変形させないために
基層組成物をあまり溶解しない溶剤を用いるか、または
ある程度基層表面に馴染ませるために基層組成物と相溶
する溶剤を用いることもある。またいわゆる印刷により
基層表面に塗布することも可能である。また押出工程に
おいて、エンボスのついたロールにより基層にエンボス
をつけるが、その場合のエンボスロールに変性シリコン
オイルを少量連続的に付けることにより、基層にエンボ
ス加工処理と同時に変性シリコンオイルを塗布すること
も可能である。
【0034】上記変性シリコンオイルとしては、前述の
ものを使用することができる。変性シリコンオイルの中
間膜への塗布量は、通常10-6〜10-1g/m2であ
り、好ましくは10-5〜5.0×10-2g/m2であ
る。変性シリコンオイルの塗布量が10-6g/m2未満
の場合、接着力調整効果が得られず、一方、10-1g/
2を超える場合、接着力が低下する。
【0035】本発明の合わせガラスは、少なくとも内面
に金属酸化物層または金属層が形成された透明板と、ガ
ラス板と、上記基層と上記基層の少なくとも片面に設け
られた接着力調整層より形成される合わせガラス用中間
膜とを有している。
【0036】図1および図2に本発明の合わせガラスの
代表的な構成を示す。図1に示す合わせガラスは、基層
14の表裏面に接着力調整層13、15が形成された中間膜17
の一方の面に金属酸化物層または金属層12が設けられた
ガラス板11を積層するとともに、中間膜17の他方の面に
ガラス16を積層して構成されたものであり、図2に示す
合わせガラスは、基層23の表裏面に接着力調整層22、24
が形成された中間膜29の裏面に金属酸化物層または金属
層25が設けられたシート26を積層し、さらにシート26の
裏面に上記と同構成の中間膜基層27およびガラス板28を
積層するとともに、中間膜29の表面にガラス板21を積層
して構成されたものである。
【0037】また、熱反射層などの機能性層を多層有す
る構造の合わせガラスも可能である。例えば、熱反射ガ
ラス(熱反射層)/接着力調整層/中間膜基層/接着力
調整層/(熱反射層)熱反射ガラス/中間膜基層/ガラ
スなどの構造が考えられる。本発明の合わせガラスに使
用される金属酸化物層または金属層が形成された透明板
としては、次のような機能性被膜(薄膜)を表面に有す
るガラス板または樹脂シートがある。
【0038】透明電導性付与の例として、酸化インジウ
ム+酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、金、銀、銅等の被
膜が形成されたもの、また、熱線を通さない光選択透過
性の例としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケ
ル、パラジウム、スズ及びこれらの合金、あるいは混合
物の金属薄膜、またはこの金属の片面あるいは両面に同
種または異種のこれら金属の酸化物あるいは硫化物を積
層したものが挙げられる。さらに、金属酸化物または硫
化物の例として、チタンの酸化物、ビスマスの酸化物タ
ングステンの酸化物、イソジウムの酸化物、ジルコニウ
ムの酸化物、珪素の酸化物、亜鉛の酸化物、亜鉛の硫化
物等が挙げられる。その他の保護層として、各種金属酸
化物及び金属の被膜が利用される。また、これら各種機
能性被膜を有するガラス板または樹脂シートの材料とし
ては従来あるものが全て利用可能である。また機能性皮
膜を有する透明板に形成される金属酸化物層または金属
層の表面に上記変性シリコンオイルを塗布することによ
り同様の効果が得られる。この塗布方法についても従来
の方法をすべて用いることができる。
【0039】本発明の合わせガラスの製造方法として
は、上記の金属酸化物層または金属層が形成された透明
板とガラス板との間に、合わせガラス用中間膜を配して
積層する際に、透明板の金属酸化物層または金属層を内
側にし、かつ合わせガラス用中間膜を、その接着力調整
層を金属酸化物層または金属層と向い合わせにして上記
金属酸化物層または金属層が形成された透明板とガラス
板により合わせガラス用中間膜を挟持する。次いで、オ
ートクレーブなどの装置を用いてこの積層体を加熱、加
圧する。
【0040】本発明の合わせガラスは、中間膜とガラス
板との接着力が適当な範囲にあることが望ましい。具体
的には、そのパンメル値が3〜7、またはピール強度が
1.8〜3.8であることが望ましい。パンメル値また
はピール強度が上記範囲より小さい場合、接着力が弱
く、衝撃等によりガラス破片が飛散しやすくなる。一
方、パンメル値またはピール強度が上記範囲より大きい
場合、接着力が強すぎて、衝撃等によりガラスが貫通し
やすくなる。
【0041】
【作用】本発明においては、合わせガラス用中間膜の少
なくとも片面に変性シリコンオイルを含有する接着力調
整層を設けているため、この合わせガラス用中間膜を用
いて金属酸化物層又は金属層を内面に有する透明板と貼
り合わせた合わせガラスにおいては、変性シリコンオイ
ルが金属酸化物層または金属層の界面に飽和状態で存在
するが、すでにブリードして平衡に近い状態であるた
め、紫外線や温度による接着力の経時変化が起こらず、
また起きたとしてもその変化が小さいものとなる。
【0042】
【実施例】以下、本発明に係る合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスの実施例を詳細に説明する。
【0043】実施例1 ポリビニルアセタール樹脂として、ブチラール化度65
モル%、アセチル化度1モル%、残存ビニルアルコール
34モル%で重合度1700のポリビニルブチラール樹
脂100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコー
ル−ジ−2−エチルブチレート40重量部、紫外線吸収
剤0.2重量部及び酸化防止剤0.2重量部をそれぞれ
加える。これらの混合物を80℃に加熱された二本ロー
ルでよく混練して厚さ0.8mm程度の中間膜を得た。
この中間膜を0.76mm厚みスペーサにより規制して
温度120℃のプレスで加熱、加圧して厚みの均一なの
シートを得た。
【0044】このシートの片面に下式(1)で表される
ポリエーテル変性シリコンオイル(m=n=15,x=
2〜3)をアセトンで100倍に希釈し、ガーゼで薄く
塗布した(表面に塗布された変性シリコンオイル量は約
0.005g/m2)。その後、このシートを恒温恒湿
室で含水率が0.4〜0.5%になるように調整した。
得られた中間膜をその変性シリコンオイルを塗布した面
をITOと接するように、ガラス/ITOの構造を持つ
導電性ガラスとフロートガラスの間に挟み込み、ロール
法にて予備接着した。ついで130℃のオートクレーブ
で13kg/cm2の圧力で圧着し、合わせガラスを得
た。
【0045】
【化1】
【0046】比較例1 実施例1と同じ樹脂100重量部、可塑剤40重量部、
紫外線吸収剤0.2重量部、酸化防止剤0.2重量部、
ポリエーテル変性シリコンオイル0.02重量部に、酢
酸カリウム0.03gを10%水溶液として加えた混合
物を混練、プレスにより実施例1と同様にして中間膜の
シートを得、実施例1と同様にして合わせガラスを得
た。
【0047】比較例2 実施例1と同じ樹脂100重量部に、可塑剤としてトリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシレート40
重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、酸化防止剤0.2
重量部、ポリエーテル変性シリコンオイル0.2重量部
を加えた混合物を混練、プレスにより実施例1と同様に
して中間膜のシートを得、実施例1と同様にして合わせ
ガラスを得た。
【0048】実施例2 実施例1と同じ材料を用い、140℃でプレスした以外
は実施例1と同様にしてシートを得た。このシートをア
セトンで500倍に希釈したエポキシ変性シリコンオイ
ル液(信越シリコン製X−22−163C,エポキシ当
量2790g/mol)に3秒間浸漬し、60のオーブ
ン中で約5分間乾燥させた。エポキシ変性シリコンオイ
ルの塗布量は約0.008g/m2であった。このシー
トを実施例1と同様にして水分率を調整し、中間膜を得
た。次にポリエチレンテレフタレートフィルム/酸化チ
タン/銀/酸化チタンの構造を有する熱線反射フィルム
と通常の5mm厚ガラス板を用いて、上から順に通常ガ
ラス板/中間膜/熱線反射フィルム(酸化チタンを上面
にして)/中間膜(エポキシ変性シリコンオイル塗布面
を上面にして)の構成となるように各層を貼り合わせ予
備プレス、オートクレーブにより合わせガラスを得た。
【0049】比較例3 実施例1と同じ樹脂100重量部、可塑剤40重量部、
紫外線吸収剤0.2重量部、酸化防止剤0.2重量部、
ポリエーテル変性シリコンオイル0.025重量部に、
酢酸マグネシウム0.03重量部を加えた混合物を混
練、プレスにより実施例1と同様にしてシートを得た。
このシートを実施例2と同様にしてポリエチレンテレフ
タレートフィルム/酸化チタン/銀/酸化チタンの構造
を有する熱線反射フィルムと貼り合わせて合わせガラス
を得た。
【0050】比較例4 実施例1と同じ樹脂100重量部、可塑剤40重量部、
紫外線吸収剤0.2重量部、酸化防止剤0.2重量部、
および接着力調整剤としてポリエーテル変性シリコンオ
イル0.15重量部(可塑剤中に添加した)からなる混
合物を混練、プレスにより実施例2と同様にしてシート
を得た。このシートを実施例1と同様にしてポリエチレ
ンテレフタレートフィルム/酸化チタン/銀/酸化チタ
ンの構造を有する熱線反射フィルムと貼り合わせて合わ
せガラスを得た。
【0051】実施例3 実施例1で得られたシートの片面にカルボキシル変性シ
リコンオイル(信越シリコンX−2−3720)をメチ
ルエチルケトンで500倍に希釈した溶液をメイヤーバ
ーコータで塗布し、60℃オーブン中5分間乾燥させ
た。このシートをガラス板/ZnO/Ag/ZnOの構
成からなる熱線反射ガラスと貼り合わせて合わせガラス
を得た。
【0052】実施例4 実施例1で得られたシートを、エステル変性シリコンオ
イル(信越シリコン製X−22−715)をアセトンで
300倍に希釈した溶液中に浸漬させ、約5秒後取り出
して湿度25%の部屋で20時間乾燥した。このシート
をガラス板/ITOの構造を持つ熱線反射ガラスに貼り
合わせて合わせガラスを得た。
【0053】実施例5 接着力調整剤として酢酸マグネシウム0.015重量部
を練り込んだ以外は実施例1と同様にしてシートを得、
このシートを、カルボキシル変性シリコンオイル(信越
シリコン製X−22−3701E)をアセトンで150
0倍に希釈した溶液中に浸漬し、実施例4と同様に乾燥
した。得られた中間膜をガラス板/ITOの構造を持つ
熱線反射ガラスに貼り合わせて合わせガラスを得た。
【0054】実施例6 接着力調整剤として実施例1のポリエーテル変性シリコ
ンオイルを0.02重量部を練り込んだ以外は実施例1
と同様にしてシートを得、このシートを、実施例5のカ
ルボキシル変性シリコンオイルをアセトンで2000倍
に希釈した溶液中に浸漬し、湿度25%の部屋で20時
間乾燥した。得られた中間膜をガラス板/ZnO/Ag
/ZnOの構造を持つ熱線反射ガラスに貼り合わせて合
わせガラスを得た。
【0055】実施例7 接着力調整剤として酢酸マグネシウム0.01重量部と
実施例1のポリエーテル変性シリコンオイルを0.01
重量部を練り込んだ以外は実施例1と同様にしてシート
を得、このシートを、実施例5のカルボキシル変性シリ
コンオイルをメチルエチメケトンで3000倍に希釈し
た溶液中に2秒浸漬し、70℃オーブン中で3秒乾燥さ
せた。得られた中間膜を水分が0.45%になるように
調整し、この中間膜をガラス板/ITOの構造を持つ熱
線反射ガラスに貼り合わせて合わせガラスを得た。
【0056】比較例5 接着力調整剤として実施例1のポリエーテル変性シリコ
ンオイルを0.01重量部を練り込んだ以外は実施例1
と同様にしてシートを得、このシートをガラス板/酸化
チタンの構造を持つ建築用熱線反射ガラスに貼り合わせ
て合わせガラスを得た。
【0057】比較例6 接着力調整剤として実施例3のカルボキシル変性シリコ
ンオイルを0.2重量部を練り込んだ以外は実施例1と
同様にしてシートを得、このシートをガラス板/ITO
の構造を持つ熱線反射ガラスに貼り合わせて合わせガラ
スを得た。
【0058】比較例7 接着力調整剤として酢酸マグネシウムを0.015重量
部を練り込んだ以外は実施例1と同様にしてシートを
得、このシートをガラス板/ITOの構造を持つ熱線反
射ガラスに貼り合わせて合わせガラスを得た。
【0059】比較例8 接着力調整剤として実施例1のポリエーテル変性シリコ
ンオイルを0.02重量部を練り込んだ以外は実施例1
と同様にしてシートを得、このシートをガラス板/Zn
O/Ag/ZnOの構造を持つ熱線反射ガラスに貼り合
わせて合わせガラスを得た。
【0060】比較例9 接着力調整剤として酢酸マグネシウムを0.01重量部
と実施例1のポリエーテル変性シリコンオイルを0.0
1重量部を練り込んだ以外は実施例1と同様にしてシー
トを得、このシートをガラス板/ITOの構造を持つ建
築用熱線反射ガラスに貼り合わせて合わせガラスを得
た。
【0061】実施例8 実施例1で得られたシートを、実施例1のポリエーテル
変性シリコンオイル及びカルボキシル変性シリコンオイ
ルをそれぞれの希釈倍率が1000倍、5000倍にな
るようにアセトンで希釈した溶液に浸漬し、取り出す際
にガラス棒で両面をしごいた。得られた中間膜を60℃
オーブン中5分間乾燥させた。得られた中間膜を水分率
が0.45%になるように調整した。この中間膜をガラ
ス板/ITOの構造を持つ建築用熱線反射ガラスに貼り
合わせて合わせガラスを得た。
【0062】またこの中間膜のシートをポリエチレンテ
レフタレートフィルム/酸化チタン/銀/酸化チタンの
構造を有する熱線反射フィルムと通常の5mm厚ガラス
板により、上から順に通常ガラス板/シート/熱線反射
フィルム(酸化チタンを上面にして)/シート(エポキ
シ変性シリコンオイル塗布面を上面にして)の構成で貼
り合わせ予備プレス、オートクレーブにより90°剥離
接着強度測定用試験片を作成した。
【0063】実施例1、3〜6及び比較例1〜2、5〜
8で得られた合わせガラスの金属酸化物層を有する面側
よりJIS3212に規定される耐光性試験に準じて7
50Wで200時間の紫外線照射前後でパンメル試験を
行った。また得られた合わせガラスを60℃のオーブン
中で4週間保管前後でパンメル試験を行った。また実施
例2、7、8及び比較例3、4で得られたフィムルにつ
いて90°剥離接着強度試験を行った。その結果を表2
に示す。
【0064】〈パンメル試験〉合わせガラスを−18℃
±0.6℃の温度に16時間放置して調整し、これを頭
部の重量が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒
径が6mm以下になるまで粉砕した。ガラスが部分剥離
した後の膜の露出度を、表1に示したように、あらかじ
めグレード付けした限度見本で判定した。その結果を表
2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】〈90°剥離接着強度試験〉ガラス/中間
膜/測定フィルム/測定中間膜/裏打ちフィルム/離型
材フィルム/ガラスの積層構造で加熱、加圧して合わせ
ガラスを得た。次いで離型材フィルム及びガラスを完全
に剥離、除去した後、測定フィルムと測定中間膜間の一
端を剥がし、固定した他の積層材料と90°をなすよう
に前記中間膜を曲げて、その際の剥離強度を求めた。こ
のサンプルに紫外線照射を行う場合は、ガラス/中間膜
/測定フィルム/測定中間膜/裏打ちフィルム/離型材
フィルム/ガラスのうち離型材フィルムを除きこのフィ
ルムに接していたガラス面側より紫外線を照射した。そ
の結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】表2、3より、実施例の合わせガラスまた
はフィルムの接着力が良好で、かつの紫外線または温度
による経時変化がほとんどなく、優れていることがわか
る。また実施例1において中間膜のシート表面にエンボ
ス加工したものについても同様の結果を得た。
【0070】実施例9 実施例1と同じ樹脂100重量部、可塑剤40重量部、
紫外線吸収剤0.2重量部、酸化防止剤0.2重量部、
および接着力調整剤として実施例1のポリエーテル変性
シリコンオイル0.025重量部を膜製造機に投入し、
この膜製造機から押し出して製膜し、厚さ0.38mmの
基層を得た。一方、実施例1で用いたポリエーテル変性
シリコンオイルと実施例3で用いたカルボキシル変性シ
リコンオイルとの重量比が7対1となるように混合した
オイルをアセトンで希釈し、0.1重量%、0.6重量
%、1.0重量%,および1.2重量%のオイルが含ま
れる種々の塗液を調製した。上記で得られた基層に、ダ
イレクトグラビアコーター(180メッシュ)を用いて
以下の塗工条件で塗布し、2段乾燥機で乾燥した(変性
シリコンオイル付着量は、0.1重量%のもので約5×
10-3g/m2であった)。
【0071】図3は、基層の片面に塗液を塗布するダイ
レクトグラビアコーターを示したものであり、このダイ
レクトグラビアコーターは、塗液4が収納されるタンク
5と、ダンク5内の塗液4を外面に付着させるメッシュ
ロール2と、押圧ロール1とを有している。メッシュロ
ール2と押圧ロール1との間に基層3を供給することに
より、基層3の片面に塗液4が塗布される。次いで、図
4に示す乾燥機6中にこの塗液が塗布された基層3’を
通すことにより、塗液中の溶媒を蒸発させて中間膜が得
られる。
【0072】この乾燥機6は、吹き付けエアー圧30mmH
g、温度60℃の前乾燥装置7と、吹き付けエアー圧40mmH
g、温度10℃の後乾燥装置8とからなり、前後乾燥装置
6内には、図5に示すような多数のフロートノズル9が
配置されており、このフロートノズル9から吹き出すエ
アー圧によって中間膜が浮き上がり搬送されるようにな
っている。また、この時の塗工条件は、基層張力3kg/
巾、処理速度5m/minである。このようにして得られ
た中間膜30,302枚と、実施例1と同じ熱線反射ガラス3
1を、図6のように、それぞれの塗膜32,32がITO被膜
33とフロートガラス34に面するように積層した。積層方
法は、実施例1と同様にした。
【0073】また実施例9で得られた合わせガラスの表
裏両面よりJIS3212に規定される耐光性試験に準
じて750Wで200時間の紫外線照射前後でパンメル
試験を行った。その結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】表4より、実施例9の熱線反射ガラス(ガ
ラス板/ITO)を用いた合わせガラスにおいて、表裏
の接着力を揃えることができ、かつ経時による接着力低
下を抑えることができることがわかる。また、塗工され
るオイルの濃度を調整でき、その結果、ガラスと中間膜
の接着力を調整することもできることがわかる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、合わせガラス用中間膜と機能性の薄膜を有する透
明板とを良好な接着力で接着させることができ、しかも
屋外暴露、紫外線照射または温度による接着力の低下を
最小限にとどめることができ、また耐湿性の低下がない
ため、透明性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラスの実施例の分解断面図で
ある。
【図2】本発明の合わせガラスの他の実施例の分解断面
図である。
【図3】実施例9で使用したグラビアコーターの説明図
である。
【図4】実施例9で使用した塗工ラインの概略工程図で
ある。
【図5】本発明の実施例9で使用した乾燥機の内部にあ
るフロートノズルの拡大側面図である。
【図6】実施例9で得られた合わせガラスの分解断面図
である。
【符号の説明】
11,16 ガラス板 12 金属酸化物層または金属層 13,15 接着力調製層 14 膜基層 17 中間膜 21,28 ガラス板 22,24 接着力調製層 23,27 中間膜基層 25 金属酸化物層または金属層 26 シート 29 中間膜 2 グラビアロール 3 基層 3’ 塗液が塗布された基層 4 塗液 5 タンク 6 乾燥機 7 前乾燥装置 8 後乾燥装置 9 フロートノズル 30 基層 31,34 ガラス板 32 接着力調整層 33 ITO膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも内面側に金属酸化物層または金
    属層が形成された透明板と、ガラス板との間に介装され
    る合わせガラス用中間膜であって、ポリビニルアセター
    ル樹脂を主成分とする樹脂組成物より形成される基層
    と、該基層の少なくとも該透明板の金属酸化物層または
    金属層側の面に設けられており、変性シリコンオイルを
    含有する接着力調整層とを有する合わせガラス用中間
    膜。
  2. 【請求項2】少なくとも内面に金属酸化物層あるいは金
    属層が形成された透明板とガラス板との間に、請求項1
    の合わせガラス用中間膜が、その接着力調整層が該金属
    酸化物層あるいは金属層と接するように介装されてい
    る、合わせガラス。
JP14260992A 1991-06-26 1992-06-03 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス Pending JPH05178644A (ja)

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JP15464091 1991-06-26
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323429B1 (en) * 1997-07-08 2001-11-27 Karl-Otto Platz Electrical device, electrical appliance of lighting device
JP2011218610A (ja) * 2010-04-06 2011-11-04 Fujifilm Corp 転写用フィルム、合わせガラス及びその製造方法
JP2019147705A (ja) * 2018-02-27 2019-09-05 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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