JP3290456B2 - 熱線反射合わせガラス用中間膜及び熱線反射合わせガラス - Google Patents

熱線反射合わせガラス用中間膜及び熱線反射合わせガラス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱線反射合わせガラス
用中間膜及びその中間膜を用いた熱線反射合わせガラス
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より積層安全ガラスは、建築用及び
自動車のフロントガラス用等に広く使用されている。こ
の積層安全ガラスの代表的なものとして、可塑化された
ポリビニルアセタール樹脂組成物からなる中間膜を、一
対のガラス板間に介装して貼り合わせたものがある。こ
のような積層安全ガラスは、外部から衝撃が加えられる
とガラス部分が破損するが、ガラス板の間に介装された
中間膜は容易に破損せず、また破損したガラス板は中間
膜に貼着した状態であるため、そのガラス破片が飛散す
ることが少ない。従って、輸送機関や建造物の中の人体
がガラスの破片により傷害を受けることを防止すること
ができる。
【0003】このような安全ガラスとしての機能を満足
するためには、中間膜とガラス板との接着力をある範囲
内に調整する必要がある。ガラス板と中間膜との接着力
が小さい安全ガラスでは、外部からの衝撃によってガラ
ス破片が中間膜よりはがれて飛散してしまい、一方、接
着力が大きい場合には、ガラス板と中間膜とが同時に割
れてしまう。従って、中間膜とガラス板との接着力をあ
る範囲内に調整することは、自動車事故等の場合では、
運転者及び乗客がガラスへ衝突するときの衝撃を吸収し
たり、安全ガラスの貫通を防止するために必要であり、
また建築物の場合では、外部からの飛来物に対してガラ
ス板の貫通を防止したり、ガラス破片の飛散を防止する
ために必要である。
【0004】そこで、従来から中間膜とガラス板との接
着力を所定の範囲に設定できるように、中間膜用の接着
力調整添加剤が種々検討されており、今日では、主にカ
ルボン酸の金属塩、特に経時変化の小さい炭素数の少な
い化合物が用いられている。このカルボン酸金属塩を中
間膜に含有させると、特に中間膜形成時及びガラス板と
の圧着に際し用いられるオートクレーブ等の中、高温に
おいて、中間膜中からカルボン酸金属塩がブリードして
中間膜表面に多く集まる。そして、カルボン酸金属塩の
水吸収性のために中間膜とガラス板との界面に水分を多
く保持することにより接着力が低下する。従って、カル
ボン酸金属塩の接着力調整効果は、中間膜中と中間膜表
面とのカルボン酸金属塩の分布状態を変化させるか、あ
るいは膜中の水分量を変化させることによって調整され
る。
【0005】現状では、所定の混練条件によりカルボン
酸金属塩の分布を一定とし、また水分量も0.4〜0.
5wt%程度に一定としてガラス板と中間膜との接着力
がある範囲に入るようにカルボン酸金属塩の添加量を決
めている。
【0006】ところが、カルボン酸金属塩を添加した中
間膜を合わせガラスに使用した場合、耐湿性に問題があ
ることがわかっている。すなわち、湿度の高い雰囲気中
に置かれた場合、合わせガラスの周辺部では中間膜が直
接空気と接触している為にカルボン酸金属塩の量に応じ
て中間膜が白化してしまい、周辺部における接着力が低
下してしまうという問題がある。
【0007】このような白化や周辺部の接着力低下を少
なくするには、カルボン酸金属塩の量を少なくすること
が最も効果があるが、これでは周辺部以外の接着力が高
くなり過ぎるという欠点がある。
【0008】ところで、熱線反射ガラスが知られてい
る。この種の熱線反射ガラスは、主に金属酸化物層ある
いは金属層を真空蒸着やスパッタリング法により、ガラ
ス板の片面に形成することで得られる。
【0009】例えば、建築物用熱線反射ガラスは、ガラ
ス板に金属酸化物層を設けて構成されたものが多い。ま
た、自動車用熱線反射ガラスでは、ガラス板に貴金属層
を金属酸化物で挟みこんだ被膜層を設けて構成されたも
のが多い。
【0010】本発明者は、上記したような熱線反射ガラ
ス板を、通常のガラス板と同様に用いて合わせガラスを
作製することを試みた。この場合、金属酸化物または金
属層を保護するために、中間膜と金属酸化物層あるいは
金属層とが接するように介装させる。ところが、慣用の
接着力調整剤(カルボン酸金属塩)を含有した中間膜を
用いて、これと熱線反射ガラスとを積層すると、通常の
ガラス板の場合とは異なり、屋外暴露や紫外線照射によ
り経時で両者間の接着力が低下し易く、衝撃等によりガ
ラス板が中間膜より剥離しやすくなるという欠点がある
ことが分かった。
【0011】この接着力低下は、合わせガラスにおいて
中間膜と金属酸化物または金属層とが接触している部分
に紫外線が当った場合に、この中間膜の含水率が高い
と、中間膜に含有される可塑剤が加水分解されて有機酸
が発生することによるものと考えられる。つまり、中間
膜の接着力は、ガラス板と中間膜との界面に液体が多く
存在することによって低下するが、この場合は、水のか
わりに上記有機酸がカルボン酸金属塩に結合し、上記界
面に集まることによって接着力が低下すると推測され
る。
【0012】また、上記金属酸化物または金属層を有す
るガラス板を使用した合わせガラスにおいても、前述の
通常のガラス板を用いた合わせガラスと同様に空気中の
湿気により、カルボン酸金属塩が水分を吸収して白化を
起こすという欠点があることが分かった。
【0013】そこでこれら合わせガラスの白化を防止す
るために、カルボン酸金属塩の含有量を減少させる方法
が考えられるが、この方法では合わせガラス製造初期の
接着力が大きくなりすぎるために、衝撃により合わせガ
ラスが貫通しやすくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解決しようとするもので、その目的は、接着力に優れ、
耐湿性が良好で透明性に優れ、かつ屋外暴露、紫外線照
射により接着力が低下しない熱線反射合わせガラス用中
間膜及び熱線反射合わせガラスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の熱線反射合わせ
ガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂、可塑
剤、カルボン酸の金属塩および有機酸を含有する樹脂組
成物より形成されており、そのことにより上記目的が達
成される。
【0016】本発明の熱線反射合わせガラスは、片面に
金属酸化物層あるいは金属層が形成されてなるガラス板
あるいはシートとガラス板との間に、上記熱線反射合わ
せガラス用中間膜が、該中間膜と上記金属酸化物層ある
いは金属層とが接するように介装されており、そのこと
により上記目的が達成される。
【0017】次に本発明を詳しく説明する。
【0018】本発明の熱線反射合わせガラス用中間膜に
使用される樹脂組成物は、ポリビニルアセタール樹脂を
含有する。
【0019】上記ポリビニルアセタール樹脂としては、
従来安全ガラス用の中間膜用樹脂として用いられている
種類の樹脂が使用でき、具体的にはブチラール化度60
〜70モル%、重合度1000〜2000のポリビニル
ブチラールが好適に使用される。
【0020】また本発明の熱線反射合わせガラス用中間
膜に使用される樹脂組成物は、可塑剤を含有する。
【0021】上記可塑剤としては、エチレングリコール
−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,4−ブ
チレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,2
−ブチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエ
チレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、ジプ
ロピレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリ
エチエレングリコール−ジ−2−エチルペントエート、
トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエー
ト、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレ
ート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチ
レングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート
等が挙げられる。これら可塑剤の添加量は本発明におい
てポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して20
〜60重量部の範囲が好ましい。
【0022】また本発明の熱線反射合わせガラス用中間
膜に使用される樹脂組成物は、カルボン酸金属塩を含有
する。
【0023】上記カルボン酸金属塩としては、炭素数が
12以下の脂肪族モノまたはジカルボン酸のアルカリま
たはアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。金属成
分としては、各種挙げられるが、特に好ましくはMg,
Ca,Zn等、またカルボン酸としては、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、琥珀酸、アジ
ピン酸等が挙げられる。カルボン酸金属塩の例として
は、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カ
リウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸ナト
リウム、酪酸カリウム、酪酸マグネシウム、酪酸ナトリ
ウム、カプロン酸マグネシウム、カプロン酸ナトリウ
ム、2−エチルカプロン酸マグネシウム、2−エチルカ
プロン酸ナトリウム、カプリル酸マグネシウム、カプリ
ル酸ナトリウム、琥珀酸マグネシウム、琥珀酸ナトリウ
ム、アジピン酸マグネシウム、アジピン酸ナトリウムな
どが挙げられる。特に好ましくは酢酸マグネシウム、酢
酸カリウムである。これらは単独で使用しても良いが、
併用することも可能である。カルボン酸金属塩の添加量
としては、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対
して、通常0.01〜0.5重量部であり、好ましくは
0.02〜0.2重量部である。添加量が0.01重量
部未満の場合、接着力調整効果が得られず、一方、0.
5重量部を超える場合、接着力が低くなりすぎ、かつ耐
湿性が低下し、膜の透明性が失われる。
【0024】また本発明の熱線反射合わせガラス用中間
膜に使用される樹脂組成物は、有機酸を含有する。
【0025】上記有機酸としては、例えば、ブタン酸、
ヘキサン酸、2−エチルブタン酸(2−エチル酪酸)、
2−エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−
エチルヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸
等が挙げられる。
【0026】これら有機酸の含有量は、上記ポリビニル
アセタール樹脂100重量部に対して0.02〜0.5
重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05
〜0.5重量部である。0.02重量部未満の場合に
は、接着力を十分保持することができず、0.5重量部
より多い場合には、樹脂組成物が比較的高温下におかれ
ると発泡する恐れがある。
【0027】また上記樹脂組成物には、紫外線吸収剤ま
たは酸化防止剤を含有させてもよく、これらは従来公知
のものが使用される。
【0028】本発明の熱線反射合わせガラス用中間膜
は、上記組成物をシートに成形した後、接着力を調整す
るために含水量を調節して得られる。このときの含水量
は、0.3〜0.5%程度が望ましいが、0.2〜0.
7%程度でも使用可能である。この中間膜は、その脱気
性を良好にするために、押出工程においてエンボスのつ
いたロールを用いてその表面にエンボスを施してもよ
い。
【0029】本発明の熱線反射合わせガラスは、通常の
一対のガラス板の間またはガラス板とシートとの間に上
記中間膜を介装して作製される。そのガラス板またはシ
ートの片面には金属酸化物層または金属層が形成されて
いる。上記ガラス板は、通常の無機ガラスで形成されて
いてもよく、合成樹脂ガラスで形成されていてもよい。
【0030】上記片面に金属酸化物層または金属層が形
成されたガラス板またはシートとしては、次のような
属酸化物層または金属層片面に有するものがある。
【0031】熱線を通さない光選択透過性の例として
は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウ
ム、スズ及びこれらの合金、あるいは混合物の金属薄
膜、またはこの金属の片面あるいは両面に同種または異
種のこれら金属の酸化物を積層したものが挙げられる。
さらに、金属酸化物の例として、チタンの酸化物、ビス
マスの酸化物、タングステンの酸化物、イソジウムの酸
化物、ジルコニウムの酸化物、珪素の酸化物、亜鉛の酸
化物等が挙げられる。また、これら各種金属酸化物層ま
たは金属層を有するガラス板もしくはシートのガラス板
及びシートの材料としては、従来あるものが全て利用可
能である。
【0032】
【作用】中間膜にカルボン酸金属塩と有機酸とが共存す
ると相乗効果を示し、カルボン酸金属塩の含有量が少な
くても、中間膜のガラス板またはシートに対する接着力
が大きく低下する。よってカルボン酸金属塩の含有量を
従来より減量したとしても、中間膜の接着力を所望の範
囲に調整することができる。従って、中間膜の接着力を
調整しながら中間膜中のカルボン酸金属塩の含有量を少
なくすることができるので、合わせガラスの白化を減少
できる。これを更に詳細に説明すると、合わせガラスを
湿度の高い雰囲気に置くと、その周辺部は中間膜が空気
と接触している為に水分率が高くなる。例えば、中央部
の水分率が0.45%であっても、湿度100%、温度
55℃の環境下では2週間で周辺部の水分率は2%程度
まで上昇する。
【0033】このとき、カルボン酸金属塩を含む場合に
はその添加量に応じて周辺部より白化が進行する。これ
は、カルボン酸金属塩が中間膜中では微小な結晶として
存在し、これを中心として水分が凝集し光を散乱する為
に起こるものと推定される。すなわち、カルボン酸金属
塩が少ない場合には水分が凝集する部分が少ないので白
化が起こりにくいのである。
【0034】片面に金属酸化物層あるいは金属層が形成
されてなるガラス板あるいはシートとガラス板との間
に、熱線反射合わせガラス用中間膜が、該中間膜と上記
金属酸化物層あるいは金属層とが接するように介装され
てなる熱線反射合わせガラスの場合は、カルボン酸金属
塩の含有量が少なくなるので、中間膜に含有される可塑
剤が紫外線照射により加水分解されることによって有機
酸が生成しても、接着力の低下を少なくすることができ
る。さらに、上記加水分解の生成物である有機酸をあら
かじめ中間膜に存在させることにより有機酸が存在する
状態で中間膜の接着力を設定範囲に調整することで、紫
外線照射によって生じた有機酸によって接着力が大きく
変動することが抑制される。
【0035】従ってこの熱線反射合わせガラス用中間膜
を用いて、該中間膜と上記金属酸化物層あるいは金属層
とが接するようにガラス板またはシートと貼り合わせた
熱線反射合わせガラスにおいては、紫外線による接着力
の経時変化が起こらず、また起きたとしてもその変化が
小さくなる。さらに、金属酸化物層あるいは金属層が内
側となっていて露出していないので、これ等の層が良好
に保護され、熱線を効果的に反射できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る熱線反射合わせガラス用
中間膜及び熱線反射合わせガラスの実施例を挙げて詳細
に説明する。
【0037】実施例1 ポリビニルアセタール樹脂として、ブチラール化度65
モル%、アセチル化度1モル%、残存ビニルアルコール
34モル%で重合度1700のポリビニルブチラール樹
脂100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコー
ル−ジ−2−エチルブチレート40重量部、有機酸とし
て2−エチルヘキサン酸0.2重量部、カルボン酸金属
塩として酢酸マグネシウム0.015重量部、紫外線吸
収剤0.2重量部及び酸化防止剤0.2重量部をそれぞ
れ加える。これらの混合物を80℃に加熱された二本ロ
ールでよく混練して厚さ0.8mm程度のシートを得
た。このシートを0.76mm厚みスペーサにより規制
して温度120℃のプレスで加熱、加圧して厚みの均一
なシート(中間膜)を得た。その後、このシートを恒温
恒湿室で含水率が0.4〜0.5%になるように調整し
た。
【0038】得られたシート(中間膜)を、ガラス/Z
nO/Ag/ZnOの構造をもつ熱線反射ガラスとフロ
ートガラスとの間に、該シート(中間膜)と上記ZnO
/Ag/ZnO層とが接するように挟み込み、ロール法
で予備接着した。ついで140度のオートクレーブで1
3kg/cm2 の圧力で圧着し、熱線反射合わせガラス
を得た。
【0039】得られた熱線反射合わせガラスについて、
以下に示すように耐光性試験を行った。熱線反射合わせ
ガラスの金属酸化物層を有する面側よりJIS R32
12に規定される耐光性試験に準じて750Wで200
時間の紫外線照射前後で下記パンメル試験を行った。
の結果を表2に示す。
【0040】〈パンメル試験〉 熱線反射合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度に1
6時間放置して調整し、金属酸化物層を有する面側およ
びその反対のガラス面側側を、頭部の重量が0.45k
gのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下にな
るまで粉砕した。ガラスが部分剥離した後の膜の露出度
を、表1に示したように、あらかじめグレード付けした
限度見本で判定した。これは熱線反射ガラス板と中間膜
との接着力が所定の範囲にあるかどうかを判定するため
のものであり、その数値は3〜6の範囲内にあること
が、衝撃によりガラスが割れてその破片が飛散すること
およびガラス板が貫通することを防止する点から望まし
い。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 可塑剤としてジヘキシルアジペート38重量部、有機酸
としてヘプタン酸0.3重量部、カルボン酸金属塩とし
て酢酸カリウム0.02重量部を用いたこと以外は、実
施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0043】比較例1 カルボン酸金属塩の添加量を0.03重量部とし、有機
酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行っ
た。その結果を表2に示す。
【0044】比較例2 カルボン酸金属塩の添加量を0.04重量部とし、有機
酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行っ
た。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例1および実施例2で得られた組成物
を混練押出機を用いて、180℃にてシート化し、表面
にエンボスを付けたシートを用いて上記と同様にして作
製した合わせガラスについても、それぞれ上記と同様に
試験した結果、上記表2においてそれぞれに相当する
施例1および実施例2と同様の結果を得た。
【0047】表2の結果から、本発明の合わせガラスは
紫外線照射後のパンメル値の変化が少なく、耐光性に優
れることがわかる。
【0048】実施例3 実施例1で得られたシート(中間膜)と、ポリエチレン
テレフタレートフィルム/酸化チタン/Ag/酸化チタ
ンの構造を持つ熱線反射フィルムとを用い、以下に示す
90°剥離接着強度測定用試験片を作製した。
【0049】得られた試験片について、下記のとおり、
90°剥離接着強度を測定した。
【0050】〈90°剥離接着強度試験〉ガラス板/中間膜/熱線反射フィルム/離型材フィルム
/ガラス板の積層構造で加熱、加圧して試験片を作製し
た。次いで、上記離型材フィルム/ガラス板を完全に剥
離、除去した後、熱線反射フィルムと中間膜間の一端を
剥がし、90°をなすように前記中間膜を曲げて、その
際の剥離強度を求めた。また、上記試験片から上記離型
材フィルム/ガラス板を除き、熱線反射フィルム側より
紫外線を照射した。紫外線照射後の試験片について、上
記と同様に90°剥離接着強度を求めた。その結果を表
3に示す。
【0051】比較例3 カルボン酸金属塩の添加量を0.03重量部とし、有機
酸を添加しなかったこと以外は、実施例3と同様に行っ
た。その結果を表2に示す。
【0052】
【表3】
【0053】以上の結果より、本発明の熱線反射合わせ
ガラスは、中間膜の接着力が良好で、かつ紫外線による
経時変化がほとんどなく優れていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明の熱線反射合わせガラス用中間膜
及び熱線反射合わせガラスによれば、金属酸化物層ある
いは金属層が形成されてなるガラス板あるいはシートと
ガラス板とを良好な接着力で接着させることができ、し
かも、屋外暴露、紫外線照射による接着力の低下を最小
限にとどめることができるので、衝撃によりガラスが割
れてその破片が飛散することおよびガラス板が貫通する
ことを長期間にわたって防止することができる。さら
に、耐湿度性に優れ、透明性を維持することができる。
さらに、金属酸化物層あるいは金属層が内側となってい
て露出していないので、これ等の層が良好に保護され、
熱線を効果的に反射できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、カ
    ルボン酸の金属塩および有機酸を含有する樹脂組成物よ
    り形成されていることを特徴とする熱線反射合わせガラ
    ス用中間膜。
  2. 【請求項2】 片面に金属酸化物層あるいは金属層が形
    成されてなるガラス板あるいはシートとガラス板との間
    に、請求項1に記載の熱線反射合わせガラス用中間膜
    、該中間膜と上記金属酸化物層あるいは金属層とが接
    するように介装されていることを特徴とする熱線反射
    わせガラス。
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