JPH05177485A

JPH05177485A - 速度増減装置

Info

Publication number: JPH05177485A
Application number: JP35848991A
Authority: JP
Inventors: Takashi Tsutsui; 孝筒井; Tokuzo Sekiyama; 篤蔵関山
Original assignee: TSUTSUI SEIMITSU KOGYO KK; Nisso Electric Co
Current assignee: TSUTSUI SEIMITSU KOGYO KK; Nisso Electric Co
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1991-12-27
Publication date: 1993-07-20

Abstract

(57)【要約】【構成】駆動源に連結されるスピンドル１と、スピン
ドル１と回転自在に結合したカバー部材２と、スピンド
ル１と回転自在に結合した回転部材３とを有し、固定部
材３とスピンドル１との間には両者の相対的な回転運動
により発電する発電機４が設けられており、固定部材２
と回転部材３との間には発電機４により得られた電気に
より駆動されるモータ５が設けられている。発電機４の
コイル４１の極数とモータ５のコイル５１の極数を任意
の比とすることにより、速度の増減を任意に設定するこ
とができる。【効果】本発明の速度増減装置は、発電機４とモータ
５の組み合わせにより、動力伝達効率が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種の回転体の速度を増
加又は減少する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】速度増
減装置とは、例えば工作機械に装着する工具のように所
定の速度で回転する部材の回転速度を所望のレベルに増
減するものである。工作機械用工具の速度増減装置（特
に増速装置）には、従来から機械式のものと電気式のも
のとがある。

【０００３】機械式のものは、図６に示すように、工作
機械のホルダー内に挿入されるテーパ部１１付きスピン
ドル１と、スピンドル１と回転自在に結合したカバー部
材２と、同様にスピンドル１と回転自在に結合した工具
把持部材３とを有する。スピンドル１は、テーパ部１１
と、カバー部材２内に延在する円管部１２とからなり、
カバー部材２は、スピンドル１の円管部１２とは一対の
ベアリング部１４ａ、１４ｂにより結合している。ま
た、カバー部材２の内部に延在した工具把持部材３のシ
ャフト３１は、スピンドル１の円管部１２の内面に設け
られたベアリング部１５ａ、１５ｂにより、スピンドル
１に回転自在に支持されている。

【０００４】図７に示すように、カバー部材２の内面に
は円周状の歯６が設けられており、工具把持部材３のシ
ャフト３１の対応する位置にも円周状の歯７が設けられ
ている。両歯６、７の間の円環状の空間には遊星歯車８
が複数個設けられており、これらの遊星歯車８はスピン
ドル１の円管部１２の先端部に回転自在に支持されてい
る。歯６及び７の歯数が異なっているだけでなく、それ
らと遊星歯車８の歯数とも異なっている。そのため、ス
ピンドル１が回転すると、遊星歯車８は両歯６、７の間
で回転するが、両歯６、７の歯数が異なるので、工具把
持部材３の回転数はスピンドル１の回転数と異なること
になる。なお、カバー部材２の外周には、工具の先端部
にオイルを供給するためのパイプの作用を有する突起部
２１が設けられているが、この突起部２１は、スピンド
ル１の回転時にカバー部材２の回転を防止する役割をす
る。

【０００５】このような機械式の速度増減装置において
は、スピンドル１の回転は遊星歯車８を介して工具把持
部材３に伝達されるので、遊星歯車８及び歯６、７の寸
法精度が非常に高いことが要求される。その上、機械式
の動力伝達方式であるので、速度の増加比に限界があ
り、また抵抗によるエネルギーロスの問題もある。

【０００６】一方、電気式の速度増減装置は、図８及び
図９に示すように、スピンドル１とカバー部材２とは固
定されており、カバー部材２の内面と、工具把持部材３
のシャフト３１との間には、固定子用コイル９１と回転
子９２とからなる誘導モータ９が設けられている。モー
タ９は、いわゆる高周波モータであり、外部の高周波電
源から供給される電気により高速回転されるようになっ
ている。このため、外部の高周波電源との接続用の端子
９３が突起部２１に設けられている。しかしながら、高
周波電源は一般に高価であるだけでなく、工作機械の方
にも端子用ソケットを設けなければならないという問題
がある。

【０００７】従って本発明の目的は、上記問題がなく、
簡単な構造で任意の速度増減を行うことができる装置を
提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、スピンドルと回転部材との間に発
電機とモータとを同軸的にまたは同心円状に設け、両者
のコイルの極数を所定の比に設定すれば、外部の電源を
必要とすることなく、スピンドルに伝達された動力だけ
で回転部材の回転速度を増減することができることを発
見し、本発明に想到した。

【０００９】すなわち、本発明の速度増減装置は、駆動
源に連結されるスピンドルと、前記スピンドルと回転自
在に結合した固定部材と、前記スピンドルと回転自在に
結合した回転部材とを有し、前記固定部材と前記スピン
ドルとの間には両者の相対的な回転運動により発電する
発電機が設けられているとともに、前記固定部材と前記
回転部材との間には前記発電機により得られた電気によ
り駆動されるモータが設けられていることを特徴とす
る。

【００１０】

【作用】本発明の速度増減装置は、図１に示すように発
電機とモータとが同軸的に配置された場合と、図２に示
すように発電機とモータとが同心円状に配置された場合
のいずれをも含む。いずれの場合も、スピンドルと固定
部材２と回転部材３とはそれぞれ回転自在に結合してお
り、発電機４はスピンドル１と固定部材２との間に設け
られており、モータ５は固定部材２と回転部材３との間
に設けられている。また、固定部材２は、適当な係止部
材（例えば突起部材）により、回転を防止される。

【００１１】そのため、スピンドルが回転すると、発電
機４のコイルと多極磁石とは相対的に回転するので、発
電が起こり、次に発電機より供給された電気によりモー
タ５の両コイル間の相対的な回転を生じることになる。
このため、回転部材３は所定の回転速度で回転すること
になるが、発電機５のコイルの極数とモータの極数を適
当な比に設定すれば、所望の回転速度の増減比を得るこ
とができる。

【００１２】

【実施例】図３(a) は、本発明の一実施例による速度増
減装置を示す一部破断正面図であり、図３(b) は、その
Ａ−Ａ部分断面図である。図３の(a) 及び(b) に示すよ
うに、本発明の一実施例による速度増減装置は、工作機
械のホルダー内に挿入されるテーパ部１１付きスピンド
ル１と、スピンドル１と回転自在に結合したカバー部材
２と、同様にスピンドル１と回転自在に結合した工具把
持部材３とを有する。カバー部材は固定部材として作用
する。スピンドル１の先端にはカバー部材２内に延在す
る円管部１２があり、スピンドル１の円管部１２の外面
とカバー部材２の内面とは一対のベアリング部１４ａ，
１４ｂにより回転自在に結合している。また、カバー部
材２の内部に延在した工具把持部材３のシャフト３１
は、スピンドル１の円管部１２の内面との間に設けられ
たベアリング部１５ａ，１５ｂにより、スピンドル１に
対して回転自在に支持されている。なお、カバー部材２
の外面には突起部１０が形成されているので、工作機械
の固定用部材と係合してカバー部材２の回転を防止す
る。そのため、スピンドル１の回転を発電機４及びモー
タ５を介して変速して工具把持部材３に伝達することが
できる。また、図中３０は、把持部材３に把持された工
具を示す。

【００１３】カバー部材２の内面には発電機４用のコイ
ル４１が固定されているとともに、スピンドル１の円管
部１２の外面には多極磁石４２が固定されている。コイ
ル４１と多極磁石４２とにより構成される発電機４は、
高周波で高出力を出す同期発電機とするのが好ましい。
なお、多極磁石４２は場合によっては直流電源に接続さ
れたコイルであってもよい。

【００１４】一方、カバー部材２の内面に固定された別
のコイル５１は、モータ５の固定子を構成し、工具把持
部材３のシャフト３１に固定されたモータ５の回転子５
２と磁気ギャップを介して対向する位置にある。このよ
うなモータ５は誘導モータであるのが好ましい。なお、
発電機４のコイル４１とモータ５のコイル５１とはリー
ド線（図示せず）により接続されている。

【００１５】発電機４のコイル４１の極数とモータ５の
コイル５１の極数を任意の比とすることにより、速度の
増減を任意に設定することができる。例えば、発電機４
として１０極の同期発電機を用い、モータ５として２極
の誘導モータを用いた場合、スピンドル１の回転数が仮
に３０００ｒｐｍとすると、発電機４の周波数ｆ（Ｈ
ｚ）は、以下の通りとなる。ｆ（Ｈｚ）＝Ｐ・Ｎ／120 ＝10・ 3000 / 120 ＝250 [ Hz]

【００１６】この電力を２極の誘導モータに供給する
と、モータの回転数Ｎは以下の通りとなる。Ｎ＝120 ・250 ／Ｐ＝120 ・250 ／２＝15000 [ Hz]

【００１７】このように、極数比を１０：２とすること
により、回転数を５倍（15000 ／3000）に増大すること
ができる。

【００１８】図４は本発明の他の実施例による速度増減
装置を示す要部断面図である。図４において、発電機１
０４は図３の場合と同じであるが、モータ１０５のコイ
ル１５１は、カバー部材１０２の内面から内方に突出し
た環状部材１２１の内面に固定されている。モータ１０
５の回転子１５２は工具把持部材のシャフト１３１に固
定されている。このような構成により、図３の速度増減
装置と同じ原理で速度の増減を達成することができる。
なお、その他の部分については、図３の実施例と同じで
ある。

【００１９】図５は本発明のさらに他の実施例による速
度増減装置を示す要部断面図である。図５の速度増減装
置は、テーパ部２１１付きスピンドル２０１と、スピン
ドル２０１と回転自在に結合したカバー部材２０２と、
同様にスピンドル２０１と回転自在に結合した工具把持
部材２０３とを有する。ここでもカバー部材は固定部材
として作用する。スピンドル２０１の先端にはカバー部
材２０２内に延在する円管部があり、スピンドル２０１
の円管部の外面とカバー部材２０２の内面とは一対のベ
アリング部により回転自在に結合している。また、カバ
ー部材２０２の内部に延在した工具把持部材２０３のシ
ャフトは、スピンドル２０１の円管部の内面との間に設
けられたベアリング部により、スピンドル２０１に対し
て回転自在に支持されている。なお、カバー部材２０２
の外面には突起部２１０が形成されているので、工作機
械の固定用部材と係合してカバー部材２０２の回転を防
止する。そのため、スピンドル２０１の回転を発電機２
０４及びモータ２０５を介して変速して工具把持部材２
０３に伝達することができる。また図中２３０は、把持
部材２０３に把持された工具を示す。

【００２０】カバー部材２０２の内方突出部の後面には
発電機２０４用のコイル２４１が固定されているととも
に、スピンドル２０１の前方壁には多極磁石２４２が固
定されている。コイル２４１と多極磁石２４２とにより
構成される発電機２０４は、高周波で高出力を出す同期
発電機とするのが好ましい。なお、多極磁石２４２は場
合によっては直流電源に接続されたコイルであってもよ
い。

【００２１】一方、カバー部材２０２の内方突出部の前
面に固定された別のコイル２５１は、モータ２０５の固
定子を構成し、工具把持部材２０３のシャフトに固定さ
れたモータ２０５の回転子２５２と磁気ギャップを介し
て対向する位置にある。このようなモータ２０５は誘導
モータであるのが好ましい。なお、発電機２０４のコイ
ル２４１とモータ２０５のコイル２５１とはリード線
（図示せず）により接続されている。

【００２２】図５の速度増減装置はこのような構成を有
するため、図１の速度増減装置と本質的に同じ駆動原理
により、スピンドル２０１の回転を工具把持部材２０３
に固定された工具２３０に伝達することができる。

【００２３】以上において本発明の速度増減装置を工作
機械用加工工具用に用いる場合について説明したが、本
発明の速度増減装置はその他の用途にも用いることがで
きるのは勿論である。

【００２４】

【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の速度増
減装置は、発電機とモータとを具備し、スピンドルの回
転により発電する発電機をモータの電源として利用する
ことにより、外部の高周波電源を必要とすることなく、
回転部材の回転速度を増減することができる。また、本
発明の速度増減装置は機械式の動力伝達方式を採用して
いないので、動力伝達効率が良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の速度増減装置の一例の原理を説明する
ための概略図である。

【図２】本発明の速度増減装置の他の例の原理を説明す
るための概略図である。

【図３】本発明の一実施例による速度増減装置の要部を
示し、(a) はその部分破断正面図であり、(b) はそのＡ
−Ａ部分断面図である。

【図４】本発明の他の実施例による速度増減装置の要部
断面図である。

【図５】本発明のさらに他の実施例による速度増減装置
の要部断面図である。

【図６】従来の機械式動力伝達方式の速度増減装置を示
す部分断面図である。

【図７】図６のＢ−Ｂ断面図である。

【図８】従来の電気式動力伝達方式の速度増減装置を示
す部分断面図である。

【図９】図８のＣ−Ｃ断面図である。

【符号の説明】

１、１０１、２０１・・・・・スピンドル１１、２１１・・・テーパ部１２、１１２・・・円管部２、１０２、２０２・・・・・カバー部材２１、１２１・・・環状部材３、２０３・・・回転部材（工具把持部材）３０、１３０、２３０・・・工具３１、１３１・・・シャフト４、１０４、２０４・・・・・発電機４１、１４１、２４１・・・コイル４２、１４２、２４２・・・多極磁石５、１０５、２０５・・・・・モータ５１、１５１、２５１・・・固定子用コイル５２、１５２、２５２・・・回転子１０、２１０・・・・突起部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】駆動源に連結されるスピンドルと、前記
スピンドルと回転自在に結合した固定部材と、前記スピ
ンドルと回転自在に結合した回転部材とを有し、前記固
定部材と前記スピンドルとの間には両者の相対的な回転
運動により発電する発電機が設けられているとともに、
前記固定部材と前記回転部材との間には前記発電機によ
り得られた電気により駆動されるモータが設けられてい
ることを特徴とする速度増減装置。
【請求項２】請求項１に記載の速度増減装置におい
て、前記発電機と前記モータは同軸的に設けられている
ことを特徴とする速度増減装置。
【請求項３】請求項１に記載の速度増減装置におい
て、前記発電機と前記モータは同心円状に設けられてい
ることを特徴とする速度増減装置。
【請求項４】請求項１乃至３のいずれかに記載の速度
増減装置において、前記発電機が同期発電機であり、前
記モータが誘導モータであることを特徴とする速度増減
装置。