JPH05177322A - 連鋳鋳片の2次冷却方法 - Google Patents

連鋳鋳片の2次冷却方法

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JPH05177322A
JPH05177322A JP162392A JP162392A JPH05177322A JP H05177322 A JPH05177322 A JP H05177322A JP 162392 A JP162392 A JP 162392A JP 162392 A JP162392 A JP 162392A JP H05177322 A JPH05177322 A JP H05177322A
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JP
Japan
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pressure
cooling
nozzle
coolant
cast slab
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JP162392A
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English (en)
Inventor
Akira Yamauchi
章 山内
Kenichi Tanmachi
健一 反町
Koichi Tozawa
宏一 戸澤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連鋳鋳片と冷媒との接触効率を上げて2次冷
却能力の強化を図ること。 【構成】 連続鋳造鋳型下の鋳片に対し、噴射冷却に使
う液体冷媒の噴射ノズル直前における圧力を 100kgf/cm
2 超とし、かつ冷媒の流量密度を100 〜1000 l/m2・mi
n とする条件で冷媒噴射を行なうことにより連鋳鋳片の
2次冷却を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造プロセス
における連鋳鋳片の2次冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の鉄鋼材料は、高級化ならびに高生
産性化を指向している。そのために、たとえば、連続鋳
造においては、バルジングの小さい、偏析の少ない鋳片
を高いスループットで連続鋳造する方法として研究され
ており、とくに2次冷却帯における冷却能力を向上さ
せ、凝固定数を向上させることが効果的であると云われ
ている。しかしながら、この連続鋳造鋳片の冷却能力の
向上には種々の障害があり、たとえば冷媒として水を用
いる場合には、鋳片の表面温度が600 ℃以上では、伝熱
面に水蒸気膜を発生し、これが伝熱冷却の妨げとなるた
めに2次冷却を強化することができないという問題があ
った。
【0003】図2は、冷媒として水を用い、ノズル直前
での圧力(以下“ノズル圧”と略す)を10kgf/cm2 とし
た場合の鋳片表面温度と冷却能力、即ち熱伝達率との関
係を示したものである。この図2に明らかなように、鋳
片表面は、温度の上昇に伴い、沸騰の形態が核沸騰から
膜沸騰領域へと次第に移行し、熱伝達率を低下させる傾
向がある。これは、膜沸騰により生じた蒸気膜10が、冷
媒である水11と鋳片2との間に介在してそれらの直接接
触を妨げるためである。
【0004】もちろん、このような障害を打開するいく
つかの提案もなされている。たとえば、特開昭61−1196
17号公報、特開昭62−289315号公報に開示のように、冷
媒の流量密度を増加させることにより、前記蒸気膜を破
壊して熱伝達率を向上させる試みがそれである。もっと
も、この方法の実現のためには、多量の冷媒流量が必要
となる。すなわち、一般に、同一ノズルにおいてノズル
圧一定の条件の下では、熱伝達率αと冷媒流量Qの間に
は、 α∝Qm …(1) なる関係があり、流量の効果が認められているものの、
特に大流量域では流量増加に伴いm値が減少し、熱伝達
率向上効果が小さくなることが知られている。
【0005】従って、単に流量を増加させて高熱伝達率
を得ようとすれば、著しく多量の冷媒が必要となり、そ
のための設備やコストが嵩んで実質上冷却能力の強化を
困難にするという問題があった。
【0006】また、特開昭57−91857 号公報には、ノズ
ル圧を25〜100kgf/cm2に上げる方法が開示されている
が、単にノズル圧を上昇させることだけでは、結果的に
流量がノズル圧の平方根に比例して大きくなるため、冷
却面に発生した蒸気膜上に滞留している冷媒自身により
蒸気膜の除去が妨げられ、結果的に冷却能力の向上が得
られないという問題があった。以上説明したように、既
知のいずれの提案も、冷却能力を強化する有効な対策と
はなり得なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、連鋳
鋳片の2次冷却については、蒸気膜の形成により(鋼片
表面温度が膜沸騰域にある場合)鋼片と冷媒との直接接
触が阻まれて冷却能力が阻害されるという一般的な問題
と、そして、改善提案された従来技術についても、大流
量化、もしくは流量を抑制しない単なる高圧化に伴う方
法であるため、噴流の高い衝突力が、蒸気膜上に滞留し
ている多量の冷媒自身によって吸収される結果、蒸気膜
を破壊するまでには至らず、熱伝達率の向上が実質的に
達成されないという問題とがあった。本発明の目的は、
前記の問題を解決し得る連鋳鋳片の2次冷却帯における
冷却技術を提案するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、鋭意研究したところ、液体冷媒(以下は、「冷却
水」で説明する)の噴射に当たり、噴射冷却水の速度を
大きくして鋳片表面への衝突エネルギー(圧力)を沸騰
蒸気膜を破壊するに十分に高いものとすると同時に、蒸
気膜上に冷却水の滞留が起こらないような流量密度に制
御することで、蒸気膜を破壊しつつ冷却することが有効
であるとの知見を得た。
【0009】このような知見の下に開発した本発明は、
連続鋳造鋳型下の2次冷却帯における鋳片の冷却に当た
り、その2次冷却帯で噴射される冷却水の噴射ノズル直
前における圧力を、100kgf/cm2超とし、かつ冷却水の流
量密度を100 〜10000 l/m2・min とする条件の冷却水噴
射を行なうことを特徴とする連鋳鋳片の2次冷却方法で
ある。
【0010】
【作用】本発明は、前記ノズル圧を100kgf/cm2超の高圧
にすることで、ノズル噴流の衝突エネルギーを増大させ
る一方、冷却水の流量を 10000 l/m2・min 以下に制御
して、蒸気膜上の冷却水の滞留を抑制することによっ
て、前記噴流の衝突エネルギー減衰要因をなくし、もっ
て蒸気膜の破壊を効果的になして、高熱伝達率の鋳片冷
却を実現しようとするものである。
【0011】上記の如き作用効果を得るために、単位時
間当たりの噴流の衝突エネルギーを増大させるには、こ
の噴流のもつ全運動エネルギーEの値を大きくすれば良
い。その方法としては、冷却面積一定の下では、単位時
間当たりの噴流量Qを大きくする方法と、噴流速vを大
きくする方法とが考えられる。噴流速vはノズル圧Pの
平方根√Pに比例するので、E∝√P …(2)の関係が
得られる。また運動エネルギーEが熱伝達率αとの関係
で、α∝En が成立するとすれば、前記式は、α∝Qm
n …(3) のように整理することができる。この(3)
式より、ノズル圧Pと噴流量Qはどちらも熱伝達率を上
昇させる作用があるが、前述のごとく、噴流量Qは大き
すぎると冷却水の滞留作用を招いて熱伝達率αの上昇が
抑制するので、n>mの関係があり、運動エネルギー増
大については、ノズル圧力の上昇によるものの方が効果
が大きいと言える。
【0012】さて図4は、鋳片表面温度600 ℃における
熱伝達率αと流量密度W、スプレー圧Pとの関係を示す
ものである。この図に明らかなように、圧力100kgf/cm2
以下では、圧力上昇に伴い若干の熱伝達率αの上昇が認
められるものの、同一圧力で見ると、W>5000 l/m2
min ではαの上昇が頭打ちになることから、熱伝達率α
の増加の効果が現われ、鋳片の冷却に寄与するのは図4
からP>100kgf/cm2となることが判る。
【0013】また、流量密度W<100 l/m2・min では、
高圧により増加した冷却水の速度が空気抵抗により減衰
し、熱伝達率の向上は認められない。またW>10000 l/
m2・min では、冷却水の滞留が著しくなるため、150kgf
/cm2以上の高圧においても冷却能力の向上は認められず
熱伝達率αは頭打ちとなる。従って、同一流量密度すな
わち100 l/m2・min 〜10000 l/m2・min で熱伝達率を上
げるには100 kgf/cm2を超える噴射圧力か必要である。
【0014】
【実施例】図1は、連続鋳造機の2次冷却帯周辺設備の
概略図であり、図示の1は連続鋳造鋳型であり、この鋳
形から引き抜かれた鋳片2はロール5…にサポートされ
ながら下方に搬送する間に2次冷却帯においてスプレー
チップ4からの高圧噴射冷却水3によって強制2次冷却
される。なお、各スプレーチップ4へは高圧水発生装置
7から高圧水が冷媒配管6を通じて供給されるようにな
っている。
【0015】この実施例は、図1に示す装置を使い、次
の如き鋳造条件、即ちスラブサイズ200mm ×1200mm、鋼
種:極低炭素鋼、ロールピッチ300mm 、スプレーチップ
−鋳片間距離200mm で行ったものである。その他の条件
である鋳造速度、スプレー圧力等は表1に示す条件にて
実施した。表1に示す条件1及び2は、従来の低圧スプ
レーにおける流量の影響を見るための例、条件3及び4
は、水比を一定として高圧条件で行った圧力の効果をみ
るための例、条件5は、鋳造速度(スループット)を大
きくし、条件6は、高流量密度条件の例、条件7は、低
流量密度の例、条件8は流量下限以下の例、条件9は、
圧力下限での例である。この表1には、冷却能力向上を
反映する凝固末期における溶鋼静圧およびバルジング量
の測定結果を併記した。
【0016】表1に示すように、従来の低圧スプレーに
よる冷却(条件1,2)では、偏析の指標となる凝固末
期の溶鋼静圧は、流量密度の増加に伴い減少して僅かな
がら改善され、また、凝固末期のバルジング量も若干減
少している。ところが、この低圧条件1,2と高圧条件
4とを比較すると、同一流量密度においては、高圧の法
が溶鋼静圧、バルジング量とも優れており、圧力の影響
が大きいことが判る。即ち、この圧力の増大とともに、
溶鋼静圧は約30%減となり、また、バルジング量は約10
分の1以下と、殆ど認められない程度にまで改善されて
いる。
【0017】また、条件4と同じ条件で、鋳造速度だけ
を2.0m/minにしてスループットを上昇させた条件5の例
は、溶鋼静圧が条件2並みの高いレベルであるが、バル
ジング量は0.3mm と条件4と殆ど差がないという結果が
得られた。
【0018】条件6は、上記条件4において流量密度W
を10000 l/m2・min とした場合であるが、条件4と比べ
ると、溶鋼静圧、バルジング量とも全く改善は認められ
ず、冷却水の滞留が生じていることを示している。
【0019】条件7は、逆にW=100 l/m2・min と小さ
くした場合であるが、条件1とほぼ同等の効果が認めら
れ、条件8のW=90 l/m2・min ではバルジング量が悪
化しはじめており、W≧100 l/m2・min で本発明の効果
が現われることが判る。また、条件9のごとく、圧力10
0kgf/cm2では、溶鋼静圧、バルジング量ともに条件1と
同じ水準であり、条件3の結果とあわせ考えると、100k
gf/cm2超のノズル圧が本発明において効果を示すもので
あることが確かめられたといえる。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、連
続鋳造設備の2次冷却帯に、比較的少ない水量で、従来
のスプレー冷却では得られなかった高い冷却能力を付与
することができ、そのためにバルジングの少ない良好な
鋳片を、高いスループット操業の下で製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造機の2次冷却帯周辺設備の概略図であ
る。
【図2】ノズル直前圧力10kgf/cm2 のスプレー冷却時に
おける沸騰モード及び熱伝達に及ぼす鋼片表面温度の影
響を示す線図である。
【図3】図2の膜沸騰域での鋼片と冷却水との接触状況
を示す模式図である。
【図4】表面温度600 ℃の鋼片をスプレー冷却したとき
の熱伝達率に及ぼす流量密度と圧力の影響を示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳片 3 噴射冷媒 4 スプレーチップ 5 ロール 6 冷媒配管 7 高圧水発生装置 8 蒸気膜 9 滞留冷媒

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳型下の2次冷却帯における鋳
    片の冷却に当たり、その2次冷却帯で噴射される液体冷
    媒の噴射ノズル直前における圧力を、100kgf/cm2超と
    し、かつ冷媒の流量密度を100 〜10000 l/m2・min とす
    る条件の冷媒噴射を行なうことを特徴とする連鋳鋳片の
    2次冷却方法。
JP162392A 1992-01-08 1992-01-08 連鋳鋳片の2次冷却方法 Pending JPH05177322A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007152378A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Jfe Steel Kk 連続鋳造方法
CN114126782A (zh) * 2019-07-11 2022-03-01 杰富意钢铁株式会社 连续铸造铸片的二次冷却方法及二次冷却装置

Cited By (3)

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