JPH05168467A - ファージ耐性乳酸菌及びこれを用いる醤油の製造法 - Google Patents

ファージ耐性乳酸菌及びこれを用いる醤油の製造法

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JPH05168467A
JPH05168467A JP3353939A JP35393991A JPH05168467A JP H05168467 A JPH05168467 A JP H05168467A JP 3353939 A JP3353939 A JP 3353939A JP 35393991 A JP35393991 A JP 35393991A JP H05168467 A JPH05168467 A JP H05168467A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 信頼性の高いファージ耐性乳酸菌、並びにこ
れを用いて高品質の醤油を安定して得る。 【構成】 ファージと直接接触させないレプリカ法によ
ってファージ耐性の乳酸菌を造成し、これを用いて高品
質の醤油を安定して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はファージ耐性乳酸菌、並
びに麹及び/又は諸味にファージ耐性醤油乳酸菌を添加
する醤油の製造法の改良に関し、特に信頼性の高いファ
ージ耐性乳酸菌及びこれを用いて高品質の醤油を安定し
て得る醤油の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】醤油諸味の発酵において醤油乳酸菌[ペ
ディオコッカス・ハロフィルス(Pediococcus halophil
us)]は、糖から乳酸を生成して、諸味のpHを好まし
い値にまで低下させる他、アミノ酸類の分解変換、有機
酸の分解生成および還元作用など醤油の品質にとって重
要な働きをなす。従って香味共にバランスのとれた高品
質の醤油を製造するには、優れた性質を持つ醤油乳酸菌
による乳酸発酵を安定して確実に行うことが必要であ
る。
【0003】伝統的な醤油の製造法においては、諸味発
酵は通常開放系で行われており、乳酸菌等の微生物の人
為的添加は殆ど行われず、諸味中で活動する醤油乳酸菌
は総てその醸造場、施設、器具等に自然に住み着いてい
る菌群(ナチュラル・フローラ)の自然混入に委ねられ
ていた。このナチュラルフローラは非常に多種多様であ
り自然混入した乳酸菌の中には醤油の品質上、必ずしも
好ましくない性質の菌が含まれることも有る。また地域
により、あるいは時と共にその内容も変化するので、醸
造場所により製品品質に差がついたり、年間を通じて品
質の一定した醤油が得られない等の欠点があった。
【0004】この様な見地から、地域的或いは時間的な
制限に囚われずに常に品質の一定した醸造醤油を製造す
ることを目指して、予め選択された、または特に育種し
た、性質の優秀な醤油乳酸菌を人為的に、麹及び/また
は諸味に添加し、仕込み工程における乳酸発酵を安定し
て行わせようとすることが広く行われるようになった。
【0005】しかしながら、通常の醤油の製造法におい
ては、無殺菌の麹を使用し、微生物学的に開放系の容器
で諸味管理を行っているために醤油諸味の乳酸発酵には
特定不能の複雑なトラブル要因が入り込みやすく、添加
した乳酸菌を長期にわたり安定して生育させ、好ましい
乳酸発酵を続けることは非常に難しい状況にあった。
【0006】そこで、本発明者らは、添加した醤油乳酸
菌を常に安定して生育させ、内容の一定した乳酸発酵を
確実に行うことを目的として、鋭意研究を重ねた結果、
醤油の諸味から、醤油乳酸菌に感染し、これを溶菌する
多種類のファージを検出し、このファージによって添加
した乳酸菌が溶菌あるいは増殖阻害を受けることが乳酸
発酵トラブルの一大要因となっていることを見出し、こ
の要因を解消すれば上記目的が達成できることを知り、
先に、麹及び/又は諸味に醤油乳酸菌を添加する醤油の
製造法において、醤油乳酸菌としてファージ耐性醤油乳
酸菌を使用することを特徴とする醤油の製造法(特開昭
63ー216449号公報参照)を開発した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この方法において、フ
ァージ耐性醤油乳酸菌の造成は、醤油乳酸菌とファー
ジを接触処理し、自然突然変異によるファージ耐性菌を
分離するか、または醤油乳酸菌に突然変異処理を行
い、これとファージを接触処理し、得られた菌株の中か
ら他の性質は親株と同じでファージ耐性のみ強い[すな
わちファージに感受性の醤油乳酸菌(親株)が全く生育
できないくらいの高濃度のファージ存在下でも寒天平板
培養すると生育し、コロニーを形成する]耐性株を分離
するものである。
【0008】しかしながら、こうして得たファージ耐性
醤油乳酸菌は、該乳酸菌の遺伝子の中にファージ遺伝子
を組込んだ、いわゆる溶原菌である可能性があり、継代
培養の繰返しで組込まれたファージ遺伝子が発現し、培
養液中にファージを放出することがあり、この様な場合
この後の乳酸醗酵を続けることが難しくなる。即ち、こ
の方法によって造成されたファージ耐性醤油乳酸菌は信
頼性に欠ける欠点を有していた。
【0009】
【発明を解決するための手段】そこで 本発明者らは、
信頼性の高いファージ耐性醤油乳酸菌を造成し、この乳
酸菌を使用して高品質の醤油を安定して得る醤油の製造
法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ついに本発明を
完成した。
【0010】即ち本発明は、多数の乳酸菌コロニーを形
成したマスター平板を、滅菌した担体表面に軽く押しつ
け、該マスター平板上のコロニーをプリントし、次いで
この面に予めファージ懸濁液を塗布した平板培地を軽く
押しつけ、前記担体表面上にプリントされたコロニーを
写し取ってレプリカ平板を得、これを培養した後、前記
マスター平板と該レプリカ平板に形成したコロニーを対
比し、該レプリカ平板に形成したコロニーに対応する前
記マスター平板上のコロニーを分離することにより得ら
れたファージ耐性乳酸菌であり、また本発明は、麹及び
/又は諸味にファージ耐性醤油乳酸菌を添加する醤油の
製造法において、該ファージ耐性醤油乳酸菌として、上
記ファージ耐性乳酸菌を使用することを特徴とする醤油
の製造法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
於けるファージ耐性醤油乳酸菌は、醤油乳酸菌に感染
し、これを溶菌させるファージに対して抵抗性のある乳
酸菌で以下の方法によって得ることが出来る。
【0012】1.[ファージの分離] 醤油乳酸菌のファージは、食塩を10〜20%含有させ
る以外は通常のファージの検出、分離に用いられる培地
及び方法に準じて分離することが出来る(昭和45年1
0月10日、朝倉書店発行、植村定次郎、相田洗 編集
「発酵と微生物11」第75〜92頁「ファージ実験
法」参照)。例えば、任意の醤油乳酸菌に感染するファ
ージを検索するには、ファージの存在が推定される試料
あるいは野性乳酸菌が豊富に生育していると思われる天
然仕込み醤油諸味を濾過して諸味液汁を得、これを孔径
0.2〜0.4μmのメンブランフィルターで濾過して
微生物を完全に除去し、ファージ含有無菌濾過液を得
る。これを10〜20%食塩水で多段に希釈し、その一
部、例えば0.5mlと特定の醤油乳酸菌の培養液0.
5mlとを混ぜ、この混合液の一部、例えば100μl
を、予め調製しておいた寒天平板培地上に一様に塗布
し、通常の乳酸菌の寒天平板培養法に従い、嫌気的条件
下[Gas Pak(Becton-Dickson社製)法または重層培養
法]で、20〜30℃で2〜6日間培養する。塗布した
醤油乳酸菌(指示菌)に感染するファージが存在する場
合には、希釈の段階に応じて溶菌斑[プラーク(Plaqu
e)]が現れるので、これを釣菌し、これを再度同一指示
菌と混ぜて寒天平板培養すれば、再び生じたプラークか
ら前記醤油乳酸菌に感染するファージを分離することが
出来る。総ての醤油乳酸菌に対して常にファージが検出
されるとは言い切れないが、分離源に適当な試料を選ん
で実験を繰返せば、その菌株に感染するファージを取得
することができる。
【0013】2.[ファージ耐性醤油乳酸菌の造成] ファージ耐性醤油乳酸菌は、予め選択された、または特
に育種した、性質の優秀な醤油乳酸菌をそのまま、また
は人工変異処理して得られる多数の醤油乳酸菌コロニー
を形成したマスター平板を、滅菌したビロード、コロニ
ートランスファーパッド等の担体表面に軽く押しつけ、
該マスター平板上のコロニーをプリントし、次いでこの
面に予めファージ懸濁液を塗布した平板培地を軽く押し
つけ、前記担体表面上にプリントされたコロニーを写し
取ってレプリカ平板を得、これを培養した後、前記マス
ター平板と該レプリカ平板に形成したコロニーを対比
し、該レプリカ平板に形成したコロニーに対応する前記
マスター平板上のコロニーを分離することにより得られ
る。
【0014】そして、この中から特にファージ抵抗性の
強い菌株を取得したい場合は、更に次のような操作を行
えば良い。前記マスター平板より得られた菌株を、ファ
ージ液を1%、食塩15%を添加したMRS液体培地2
00μlに白金線で接種し、30℃、4日培養した後、
菌体の増殖が肉眼ではっきりと認められたものを選抜し
た。更にここで選抜された菌株の培養液を、ファージ液
を1%、食塩15%を添加したMRS液体培地、並びに
ファージ液を含まず、食塩15%を添加したMRS液体
培地(対比培地)400μlにそれぞれ10μlづつ接
種し、30℃で3日間培養し、菌体の増殖を580nm
の吸光度で測定し、対比培地に比べて菌体の生育が良好
で、ファージ添加の影響の無い菌株を選択する。
【0015】以下、実施例を示して本発明をより具体的
に説明する。
【0016】
【実施例 1】天然仕込み醤油諸味中より分離したペデ
ィオコッカス・ハロフィルス D10(親株)について
N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンに
よる突然変異処理を行い、その希釈懸濁液(2,000
個/ml)100μlを、食塩15%及び寒天1.5%
を添加したMRS平板培地(Difco社製、0881
−01−3)に接種し、30℃で6日培養して、多数の
醤油乳酸菌が形成したコロニーを有するマスター平板を
得た。ついで、これを滅菌したコロニートランファーパ
ッド(レプリプレート、FMC社製)表面に軽く押しつ
け、該マスター平板上のコロニーをレプリプレート表面
上にプリントした。次いで、後述する方法で調製したフ
ァージ懸濁液を塗布した平板培地を上記プリントしたレ
プリプレート表面に軽く押しつけ、コロニーを写し取っ
てレプリカ平板を得た。次いで、これを30℃で6日培
養した後、前記マスター平板と前記レプリカ平板に形成
したコロニーを対比し、該レプリカ平板に形成したコロ
ニーに対応する該マスター平板上のコロニーを分離する
ことにより目的とする菌株を得た。
【0017】次いで、ここで得られた菌株はファージ抵
抗性の弱い株を含んでいたので、更に次のようにしてフ
ァージ抵抗性の強い株を選択した。前記マスター平板よ
り得られた菌株を、ファージ液を1%、食塩15%を添
加したMRS液体培地200μlに白金線で接種し、3
0℃で4日培養した後、菌体の増殖が肉眼ではっきりと
認められたものを選抜した。次いで、更にここで選抜さ
れた菌株の培養液を、ファージ液を1%、食塩15%を
添加したMRS液体培地、並びにファージ液を含まず、
食塩15%を添加したMRS液体培地(対比培地)40
0μlにそれぞれ10μlづつ接種して、30℃で3日
培養し、菌体の増殖を580nmの吸光度で測定し、対
比培地に比べて菌体の生育が良好な菌株を選択した。以
上のようにして親株と比べて菌学的性質は同じだがファ
ージ抵抗性の非常に強い醤油乳酸菌ペディオコッカス・
ハロフィルスD10−No.1株を分離した。
【0018】次に、上記ペディオコッカス・ハロフィル
ス D10−No.1のファージ放出の有無について調
べた結果を示す。即ち、上記菌株の懸濁液50μlを1
5%食塩添加MRS液体培地5mlに接種し、30℃で
4日間培養し、この培養液50μlを上記MRS液体培
地に再び接種し、以下同様にして合計5回植え継いだ
後、この培養液を孔径0.2μmのメンブランフィルタ
ーで濾過し、その透過液2μlを、親株を塗布した食塩
15%及び寒天1.5%を添加したMRS平板培地上に
滴下し30℃で4日間培養して、溶菌斑の有無により、
培養液中のファージの有無を調べた。この結果、溶菌斑
は全く検出されなかった。
【0019】次に、比較の為従来のファージ耐性醤油乳
酸菌の造成法により得られた乳酸菌のファージ放出の有
無について同様に調べた結果を示す。即ち、親株ペディ
オコッカス・ハロフィルス D10について、N−メチ
ル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンによる突然
変異処理を行う。次いで、後述する方法で調製したファ
ージ液0.5mlと上記突然変異処理を行った親株培養
液0.5mlとを混合し、この100μlを食塩15%
及び寒天1.5%を添加したMRS平板培地(Difc
o社製、0881−01−3)上に塗布して、30℃で
6日培養した後、形成してきたコロニーから、他の性質
は親株と同じでファージ耐性のみ強い[すなわちファー
ジに感受性の醤油乳酸菌(親株)が全く生育できないく
らいの高濃度のファージ存在下でも寒天平板培養すると
生育し、コロニーを形成する]耐性株100株を分離し
た。次に上記で分離した耐性株のファージ放出の有無に
ついて示す。即ち、これらの菌株を15%食塩を添加し
たMRS液体培地5mlに接種し、30℃で4日培養
し、得られた培養液のうち50μlを上記MRS液体培
地に再び接種し、以下同様にして合計5回植え継いだ。
次いで、この培養液を孔径0.2μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、その透過液2μlを、親株を塗布した
食塩15%及び寒天1.5%を添加したMRS平板培地
上に滴下し、30℃で4日培養して、溶菌斑の有無を調
べたところ、耐性株として得られた親株(100株)の
中から10株について溶菌斑が確認され、ファージが検
出された。この結果から、上記の方法で造成したファー
ジ耐性の親株にはファージ遺伝子を組込んだ菌株が混入
しており、信頼性に欠けることが判った。
【0020】以上本発明と、比較例の結果から、従来法
によって得られたファージ耐性醤油乳酸菌は信頼性が低
いが、本発明により得られたそれはファージ放出の心配
が全く無く、安全性が非常に高いことが判る。
【0021】ファージ液の調製 天然仕込み醤油諸味を濾過して諸味液汁を得、これを孔
径0.2μmのメンブランファイルター濾過し微生物を
完全に除去し、ファージ含有無菌濾過液を得る。これを
15%食塩水で多段に希釈し、0.5mlと親株の培養
液0.5mlとを混ぜ、この混合液100μlを、あら
かじめ調整しておいた食塩15%及び寒天1.5%を添
加したMRS平板培地上に一様に塗布し通常の乳酸菌の
寒天平板培養法に従い、嫌気条件下[Gas Pak(Becton-D
ickson社製)法]で30℃で4日培養を行った。希釈の
段階に応じて溶菌斑[プラーク(Plaque)]が現れたの
で、釣菌し、これを再度同一親株と混ぜて液体培養する
と、溶菌が起り、溶菌液を孔径0.2μmのメンブラン
ファイルター濾過し微生物を完全に除去し、ファージ含
有無菌濾過液を得、これをファージ液とした。
【0022】
【実施例2】脱脂大豆100kgと小麦100kgとを
それぞれ変性処理し、種麹菌アスペルギルス・ソーエ
(Asp. sojae)を接種して、常法により醤油麹を造り、
これを3等分して、各々25%食塩水120lと共に別
々のタンクA、B、Cに仕込みを行った。次いで、タン
クAにはペディオコッカス・ハロフィルスD10(ファ
ージ感受性菌)を、タンクBには上記実施例1で得られ
たペディオコッカス・ハロフィルスD10−No.1
(ファージ耐性菌)をそれぞれ生菌数が1×105/g
となるように仕込み時に添加した。そして、タンクCに
はコントロール(対照)として醤油乳酸菌は添加しなか
った。次に、このように調製した諸味へのファージの自
然出現は前以て予測できないので、ここでは本発明の効
果を確認するためA、B、Cの各タンクにペディオコッ
カス・ハロフィルスD10に感染するファージ液を各々
20ml接種した。そして、各タンクの諸味間で相互感
染が全く起らぬよう良く注意して攪拌し、通常の諸味管
理を行い、発酵、熟成させた。
【0023】そして、仕込み後、50日目までの諸味の
経日的なpHの変化を調べたところ、ファージ耐性株を
接種したBのタンクでは、ファージの接種があっても乳
酸が次第に諸味中に生成蓄積してpHはほぼ正常に下が
ったが、ファージ感受性の醤油乳酸菌を接種したAのタ
ンクでは乳酸が全く生成せず、pHの経過は乳酸菌を添
加しないコントロールCとほぼ同様であった。仕込み後
約1ヵ月目に主発酵酵母チゴサッカロミセス・ルーキシ
ーを適量添加し、アルコール発酵を行わせ、以後常法に
より熟成させた後、圧搾して生醤油を得た。
【0024】このようにして得られた生醤油のpHと乳
酸を分析し、また熟練したパネル23名による官能検査
を実施したところ表1に示す如き結果が得られた。な
お、官能検査は風味について、次の基準で採点し、その
合計点で示した。 風味が優れている…1点、風味が劣る…0点。 表1の結果から、醤油乳酸菌としてファージ耐性菌を使
用すると、安定して乳酸発酵が行われ、高品質の醤油が
得られることが判る。
【0025】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 衛一 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の乳酸菌コロニーを形成したマスタ
    ー平板を、滅菌した担体表面に軽く押しつけ、該マスタ
    ー平板上のコロニーをプリントし、次いでこの面に予め
    ファージ懸濁液を塗布した平板培地を軽く押しつけ、前
    記担体表面上にプリントされたコロニーを写し取ってレ
    プリカ平板を得、これを培養した後、前記マスター平板
    と該レプリカ平板に形成したコロニーを対比し、該レプ
    リカ平板に形成したコロニーに対応する前記マスター平
    板上のコロニーを分離することにより得られたファージ
    耐性乳酸菌。
  2. 【請求項2】 麹及び/又は諸味にファージ耐性醤油乳
    酸菌を添加する醤油の製造法において、該ファージ耐性
    醤油乳酸菌として、多数の醤油乳酸菌コロニーを形成し
    たマスター平板を、滅菌した担体表面に軽く押しつけ、
    該マスター平板上のコロニーをプリントし、次いでこの
    面に予めファージ懸濁液を塗布した平板培地を軽く押し
    つけ、前記担体表面上にプリントされたコロニーを写し
    取ってレプリカ平板を得、これを培養した後前記マスタ
    ー平板と該レプリカ平板に形成したコロニーを対比し、
    該レプリカ平板に形成したコロニーに対応する前記マス
    ター平板上のコロニーを分離することにより得られたフ
    ァージ耐性醤油乳酸菌を使用することを特徴とする醤油
    の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013517785A (ja) * 2010-01-28 2013-05-20 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ ファージ耐性に基づいて選択された食品に質感を加えるための乳酸菌
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CN115141724A (zh) * 2022-05-21 2022-10-04 吕欣怡 物质抑菌实验用图章式菌种接种囊

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