JPH05167565A - 衛星通信を用いたデ−タ伝送方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衛星通信回線を介して親局から各子局に同報
通信を送信する場合に、回線効率の向上、再送時間の短
縮、他の通常衛星放送への影響の抑制、および回線コス
トの低減を図る。 【構成】 センタと衛星通信回線の親局間を地上回線で
接続し、センタと衛星通信回線の各子局間をオンライン
地上回線で接続したデ−タ伝送システムにおいて、各子
局はデ−タの受信状態をブロック単位で誤りチェックを
行い、その結果を地上回線を介してセンタに通知する。
センタでは、チェックの結果をブロック単位に比較し、
少なくとも１つの子局で誤りとなったブロックの再送を
親局に指示する。また、必要に応じて、センタから地上
回線を用いて再送を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、衛星通信を用いたデ−
タ伝送システムにおいて、伝送誤りとなったデ−タを効
率的に再送する伝送方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、衛星通信を用いたデ−タ伝送シス
テムとしては、例えば、（ａ）特開平１−１３６４３３
号公報に示された『衛星通信地球局監視システム』のよ
うに、各衛星回線地上局（子局）における監視結果を公
衆回線を介して監視局に送ることにより、監視局で衛星
回線を集中的に監視する方法がある。また、（ｂ）特開
昭５７−９３７４６号公報に示された『衛星同報通信シ
ステム』のように、同報通信を受けた受信地球局（子
局）は受信したデ−タの誤りチェックを行い、ＡＣＫ，
ＮＡＣＫの一方を送信地球局（親局）に送信する。送信
地球局では、ＮＡＣＫを受けたときのみ、数ブロック遡
って再送する方法もある。その際に、各受信地球局は、
再送開始通知ブロックを契機として再送ブロックを廃棄
することにより、デ−タブロックの重複受信を回避して
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
（ａ）の方法では、監視結果を公衆回線を介して監視局
で集中的に監視しており、各子局での受信状態を監視局
で集中的に管理することが可能であるが、再送のための
考慮がなされておらず、親局は再送すべきか否かの契機
を子局の受信状態から判断することができない。従っ
て、親局から再送する場合、一定回数、常に再送する方
法を用いる等、回線コストの高い衛星通信回線を無駄に
使用することになり、回線コストの低減に対処できな
い。また、上記（ｂ）の方法では、誤り受信の有無を、
各子局側から親局側にデ−タブロック単位で送信するた
め、親局と各子局の間は双方向通信の形態を用いる必要
があり、回線コストが高くなる。さらに、親局で誤り制
御を行っているので、親局側の負荷が大である。本発明
の第１の目的は、このような従来の課題を解決し、衛星
回線を単方向通信で行うことにより、使用する衛星回線
数の削減を行い、回線コストを低減することが可能な衛
星通信を用いたデ−タ伝送方法を提供することにある。
本発明の第２の目的は、デ−タ伝送誤りの量に適した最
適な再送を行うことにより、回線使用時間の短縮を図
り、他の通常衛星放射への影響を小さくすることが可能
な衛星通信を用いたデ−タ伝送方法を提供することにあ
る。本発明の第３の目的は、衛星回線に障害が発生した
場合でも、速やかに切替え等で対処することが可能な衛
星通信を用いたデ−タ伝送方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記各目的を達成するた
め、本発明による衛星通信を用いたデ−タ伝送方法は、
（イ）センタと複数の子局間が地上のオンライン回線を
介して接続されており、かつ衛星通信回線を介して親局
から各子局に対してデ−タ伝送を行う伝送システムにお
いて、各子局は衛星通信による受信デ−タのブロック単
位の誤り結果をそれぞれ地上回線を介して上記センタに
送信し、センタは複数の子局からの受信結果を累積し、
少なくとも１つの子局で伝送誤りとなったデ−タブロッ
クの再送を親局に指示することに特徴がある。また、
（ロ）センタは、子局からの伝送誤りの通知結果を受け
取り、伝送誤りとなった子局の数が予め定めた数よりも
少ないときには、衛星通信回線で再送せずに、地上回線
を介して子局にデ−タを再送することにも特徴がある。
さらに、（ハ）センタは、衛星通信回線に障害が発生し
た場合、センタ側から子局へのバックアップ回線とし
て、地上回線による伝送に切り替えるように親局および
子局に指示することにも特徴がある。

【０００５】

【作用】本発明においては、親局から子局に衛星通信回
線を介して同報通信を行う場合、各子局はセンタに対し
てその結果の報告を行い、センタは親局にその結果を通
知する。この場合、子局とセンタとを地上回線（例え
ば、専用回線、公衆回線等）で接続し、センタで複数の
子局側からの伝送誤りの有無をデ−タブロック毎に集計
する。全てのデ−タブロックが伝送誤りでないときに
は、正常終了したことをセンタから親局に通知し、送信
終了を指示する。また、伝送誤りが発生したときには、
少なくとも１つの子局で伝送誤りとなったデ−タブロッ
クのみを親局から再送するが、回線コストの関係上、誤
りが少ない場合には、地上回線からの再送も可能にす
る。このように、伝送誤りによる再送通知を地上回線を
介して行うので、衛星通信回線は親局から子局に対する
単方向通信で行うことが可能である。また、再送するデ
−タは少なくとも１つの子局で伝送誤りとなったデ−タ
ブロックのみとするので、再送時間が短縮される。さら
に、デ−タ伝送誤りとなった子局の数が少ないときに
は、必要に応じて地上回線に切り替えることも可能であ
り、さらにコストダウンが図れる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図１は、本発明の一実施例を示す衛星通信回
線使用のデ−タ伝送システムのブロック図である。図１
において、１０は親局と子局を管理するセンタ、２０は
送信地球局である親局、１０１はセンタ１０と親局２０
とを結合する地上回線、３０，４０は受信地球局である
子局、１０２は親局と各子局とを接続する衛星通信回
線、１０３は各子局３０，４０とセンタ１０とを接続す
る地上回線である。親局２０から各子局３０，４０への
同報通信は衛星通信回線１０２を介して行い、各子局３
０，４０での誤りチェックの結果は地上回線１０３を介
してセンタ１０に送信される。誤りチェックの結果の通
知は、センタ１０から地上回線１０１を介して親局２０
に送られる。誤りブロック数が多い場合には、親局２０
から衛星通信回線１０２を介して各子局３０，４０に再
送されるが、誤りブロック数が少ない場合には、センタ
１０から地上回線１０３を介して各子局３０，４０に再
送される。なお、地上回線１０３としては、通常のオン
ライン回線をそのまま用いることができる。例えば、銀
行オンライン通信に本発明を利用する場合には、地上回
線１０３は通常のオンライン回線を用いる。

【０００７】図２は、図１において、各デ−タブロック
毎の伝送誤りの結果を送出するメッセ−ジ内容、および
センタから親局に対する指示のメッセ−ジ内容を示す図
である。デ−タブロック１，２，３，・・・・毎の伝送
誤りの有無が、子局（１）３０および子局（２）４０か
らセンタ１０に対して通知される。ＮＧは誤り有りブロ
ック、ＯＫは誤り無しブロックである。図２によれば、
子局３０では、ＮＧがブロック１、ブロック４、ブロッ
ク５、ブロック１０であり、子局４０では、ＮＧがブロ
ック３、ブロック４、ブロック８である。これらの誤り
有無結果を受けたセンタ１０は、親局２０に対して次回
再送指示デ−タとして、ブロック１，３，４，５，８，
１０を送信する。すなわち、１つでも子局が誤り有りと
なったブロックを、次回の再送指示デ−タとして、セン
タ１０から親局２０に通知することにより、これらのブ
ロックを親局２０から子局３０，４０に衛星通信回線１
０２を介して送信する。このように、センタ１０は、親
局２０に対して地上回線１０１を介して子局３０，４０
へのデ−タの伝送の開始、終了を指示することができ
る。

【０００８】図３および図４は、図１におけるセンタ、
親局および子局の処理フロ−チャ−トである。センタ１
０と親局２０と子局３０，４０とをそれぞれ縦線で区切
って、相互に授受される通信処理と内部処理が示されて
いる。先ず、センタ１０から親局２０に対して、デ−タ
伝送の指示と予めブロック化されたデ−タを地上回線１
０１を介して渡す（ステップ３１）。これにより親局２
０は、衛星通信回線１０２を介して全子局３０，４０に
対してデ−タ伝送を行う（ステップ３２）。受信側の子
局３０，４０は、伝送されたデ−タが伝送誤りを含むか
否かをデ−タブロック単位に判定し（ステップ３３，３
５）、伝送終了後に各デ−タブロックの受信結果をまと
めて、図２の形式のメッセ−ジとして地上回線１０３を
介してセンタ１０に通知する（ステップ３４，３６）。
センタ１０では、全ての子局３０，４０からのメッセ−
ジ通知を受け取り、全メッセ−ジを累積して（ステップ
３７）、伝送誤りとなった子局がある場合には（ステッ
プ３８）、伝送誤りとなった子局の数を予め設定されて
いた数と比較し（ステップ４２）、少なければ地上回線
１０３による再送で十分であると判断して（ステップ４
７）、今後の再送を地上回線１０３により、センタ１０
から各子局に対して行う（ステップ４８）。再送ブロッ
クを地上回線１０３を介して受信した各子局は、再度誤
りチェックを行い（ステップ４９）、そのチェック結果
をセンタ１０に送信する（ステップ５１）。センタ１０
は、チェック結果の集計を行い（ステップ５２）、伝送
誤りとなった子局があるか否か判定し（ステップ５
３）、あればステップ４８に戻って再度デ−タ伝送を行
う。なければ、送信終了処理を行い（ステップ５４）、
処理の終了となる（ステップ５５）。

【０００９】それ以外の場合、つまり、誤りブロックが
多い場合（ステップ４２）、全子局において伝送誤りと
ならなかったデ−タブロックを除いた残りのデ−タブロ
ックナンバ−を決定し（ステップ４３）、次回再送する
デ−タとして親局２０に対して衛星通信による再送指示
を行う（ステップ４４）。そして、再送デ−タ作成を行
い（ステップ４５）、地上回線１０１を介して親局２０
に対してデ−タ伝送指示を行う（ステップ４６）。親局
２０は、デ−タ伝送再送指示を受け取ると、デ−タ編集
を行った後、衛星通信回線１０２を介してデ−タ伝送を
開始する（ステップ３２）。デ−タブロックの再送を受
信した子局３０，４０では、デ−タ受信処理、ブロック
単位での伝送誤りのチェックを行い（ステップ３３，３
５）、そのチェック結果を地上回線１０３を介してセン
タ１０に報告する（ステップ３４，３６）。チェック結
果を受け取ったセンタ１０は、ステップ３７〜４８の処
理を行い、再送デ−タブロックを親局２０に指示する。
以上の処理を繰り返し行い、全ての子局が伝送完了とな
ったときに伝送を終了する。

【００１０】以上のように、本実施例においては、受信
局側の受信状態をセンタにより集中的に監視することに
より、伝送誤りによる再送指示を適切に行うことができ
るとともに、伝送誤りとなったデ−タのみを効率よく再
送することができ、その結果、回線効率の向上と再送時
間の短縮が可能となる。さらに、再送する伝送量が少な
い場合には、通常のオンライン地上回線を使用するの
で、衛星通信回線の回線コストを低減させることができ
る。例えば、銀行端末のオンライン通信に利用する場合
には、通帳ファイルが格納されているセンタを本実施例
のセンタ１０、送信局を持つ本店を親局２０、各支店を
子局３０，４０とすれば、従来の設置をそのまま利用し
て実施できる。銀行オンライン通信では、衛星通信回線
を用いて、昼間は通帳更新のオンライン通信に、夜間は
デ−タやプログラムの伝送等に、それぞれ利用してい
る。なお、本実施例では、受信状態の通知を地上回線で
行い、状況に応じて地上回線による再送指示を行ってい
るが、他の方法として、衛星通信によるデ−タ伝送の
後、伝送誤りとなった子局に対して、センタは衛星通信
回線か地上回線かの判断を行わずに、必ず通常のオンラ
インの地上回線を使用する方法もある。このような場合
でも、全く同じ効果が得られる。また、衛星通信回線に
何等かの障害が発生した場合に、センタ側からバックア
ップ回線として地上回線による伝送に切り替えるように
指示することができる。これにより、衛星通信回線が障
害のときでも、通信を中断せずに、引き続きオンライン
通信を行うことが可能である。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
（ａ）衛星通信回線を単方向通信で行うので、使用する
衛星回線数を削減することができ、その結果、回線コス
トの低減を図ることができる。また、（ｂ）子局のデ−
タ伝送誤りの量に合わせた最適な方法でデ−タ再送を行
うことができるので、回線使用時間の短縮を図ることが
できるとともに、通常の衛星放送に対する影響を最小限
に抑えることが可能である。さらに、（ｃ）衛星通信回
線に障害が発生したときでも、迅速に地上回線に切り替
えるので、中断せずにそのまま継続することができる。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す衛星通信を用いたデ−
タ伝送システムのブロック図である。

【図２】図１における伝送誤り通知メッセ−ジ、および
再送デ−タ指示メッセ−ジの内容を示す図である。

【図３】図１におけるデ−タ伝送システムの全体の処理
フロ−チャ−トの一部である。

【図４】図１におけるデ−タ伝送システムの処理フロ−
チャ−トの他の一部である。

【符号の説明】

１０ センタ ２０ 親局 ３０，４０ 子局 １０１ センタと親局間の地上回線 １０２ 衛星通信回線 １０３ 子局とセンタ間の地上回線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 忠 愛知県尾張旭市晴丘町池上１番地 株式会 社日立製作所旭工場内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 センタと複数の子局間が地上のオンライ
   ン回線を介して接続されており、かつ衛星通信回線を介
   して親局から各子局に対してデ−タ伝送を行う伝送シス
   テムにおいて、各子局は衛星通信による受信デ−タのブ
   ロック単位の誤り結果をそれぞれ地上回線を介して上記
   センタに送信し、該センタは複数の子局からの受信結果
   を累積し、少なくとも１つの子局で伝送誤りとなったデ
   −タブロックの再送を親局に指示することを特徴とする
   衛星通信を用いたデ−タ伝送方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の衛星通信を用いたデ−
   タ伝送方法において、上記センタは、子局からの伝送誤
   りの通知結果を受け取り、伝送誤りとなった子局の数が
   予め定めた数よりも少ないときには、衛星通信回線で再
   送せずに、地上回線を介して子局にデ−タを再送するこ
   とを特徴とする衛星通信を用いたデ−タ伝送方法。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の衛星通信を用
   いたデ−タ伝送方法において、上記センタは、衛星通信
   回線に障害が発生した場合、該センタ側から子局へのバ
   ックアップ回線として、地上回線による伝送に切り替え
   るように親局および子局に指示することを特徴とする衛
   星通信を用いたデ−タ伝送方法。