JPH05164903A - ハードコート用組成物 - Google Patents

ハードコート用組成物

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JPH05164903A
JPH05164903A JP3352890A JP35289091A JPH05164903A JP H05164903 A JPH05164903 A JP H05164903A JP 3352890 A JP3352890 A JP 3352890A JP 35289091 A JP35289091 A JP 35289091A JP H05164903 A JPH05164903 A JP H05164903A
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JP
Japan
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hard coat
refractive index
parts
coat film
acrylate
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JP3352890A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kokubu
健一 国分
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線照射により容易に硬化して、屈折率が
高く、耐擦傷性、耐薬品性、樹脂製基材との密着性に優
れたハードコート膜を形成することができるハードコー
ト用組成物を提供することにある。 【構成】 下記化1で表されるフルオレン誘導体10〜
95重量%と、多官能アクリレート90〜5重量%とか
らなるアクリレート系単量体混合物100重量部に対
し、平均粒径1〜300nmの金属酸化物微粒子が10
〜250重量部含有されてなり、紫外線照射により硬化
してハードコート膜を形成し、当該ハードコート膜の屈
折率が1.54以上であることを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハードコート用組成物に
関し、さらに詳しくは、樹脂製基材に塗布された後、紫
外線照射により容易に硬化して、屈折率が高く、耐擦傷
性、耐薬品性、樹脂製基材との密着性に優れたハードコ
ート膜を形成することができるハードコート用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近において、眼鏡レンズや光学機器に
搭載される光学レンズなどの光学製品として、合成樹脂
製のものが広く使用され始めている。しかしながら、合
成樹脂製の光学製品は、その表面が軟らかいため、砂や
ほこりなどにより容易に傷つきやすい。そして、これら
の傷による光線透過率の低下は、光学製品にとって致命
的な問題である。このため、樹脂製レンズなどの光学製
品においては、その表面に耐擦傷性を有するハードコー
ト膜を形成して保護することが必要である。
【0003】このハードコート膜は、ハードコート剤を
光学製品の表面に塗布し硬化させることによって形成さ
れる。従来において、これら樹脂製の光学製品に塗布さ
れるハードコート剤としては、シリコン系の熱硬化型ハ
ードコート剤(特開昭59−102964号公報参照)
が主流であり、この種のハードコート剤は、浸漬法によ
り容易に塗布することができ、加熱することで非常に硬
いハードコート膜が形成される。しかし、シリコーン系
のハードコート剤によるハードコート膜は、一般に、耐
薬品性、特に耐アルカリ性に劣るものである。また、眼
鏡レンズなど樹脂製レンズの高屈折率化の要請に伴い、
その表面に形成されるハードコート膜の屈折率も高いこ
とが要求される。しかし、上記シリコーン系のハードコ
ート剤によるハードコート膜は、十分に高い屈折率を有
するものではない。そして、基材である樹脂製レンズと
ハードコート膜との屈折率の差が大きくなると、光の干
渉縞が現れ、外観が見苦しくなって実用的ではない。
【0004】高い屈折率を有するハードコート膜とし
て、特定の有機ケイ素化合物、酸化セリウム微粒子およ
びシリカ微粒子からなる膜が知られている(特開昭63
−223701号公報参照)。しかし、このようなハー
ドコート膜は、屈折率を高めるために含有される酸化セ
リウム微粒子により黄変を生じやすく、また、ハードコ
ート膜の硬度が低くて耐擦傷性も不十分である。
【0005】一方、紫外線硬化型の塗料組成物として、
特開昭63−301233号公報などに記載された組成
物が知られているが、これらの塗料組成物によるハード
コート膜は、屈折率が低く、耐擦傷性、耐候性に劣る。
また、ハードコート膜上に、真空蒸着法などにより金属
薄膜を形成させる場合において、当該金属薄膜との密着
性に劣るという欠点がある。
【0006】このように、紫外線照射により容易に硬化
して、高い屈折率を有するとともに耐擦傷性、耐薬品
性、樹脂製基材との密着性をバランスよく満足するハー
ドコート膜を形成することができるハードコート用組成
物は、いまだ存在せず、その開発が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基いてなされたものであって、その目的は、紫
外線照射により容易に硬化して、屈折率が高く、耐擦傷
性、耐薬品性、樹脂製基材との密着性に優れたハードコ
ート膜を形成することができるハードコート用組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のハードコート用
組成物は、下記化2で表されるフルオレン誘導体10〜
95重量%と、多官能アクリレート90〜5重量%とか
らなるアクリレート系単量体混合物100重量部に対
し、平均粒径1〜300nmの金属酸化物微粒子が10
〜250重量部含有されてなり、紫外線照射により硬化
してハードコート膜を形成し、当該ハードコート膜の屈
折率が1.54以上であることを特徴とする。
【0009】
【化2】
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のハードコート用組成物は、紫外線硬化性のアクリ
レート系単量体混合物と金属酸化物微粒子とを含有して
なるものである。
【0011】アクリレート系単量体混合物は、上記化2
で表されるフルオレン誘導体(以下「特定のフルオレン
誘導体」ともいう)と、多官能アクリレートとの混合物
である。特定のフルオレン誘導体は、それ自体の屈折率
が高く、重合時における体積収縮率が小さい、という特
徴を有している。従って、特定のフルオレン誘導体が含
有されたハードコート用組成物を硬化して得られるハー
ドコート膜は屈折率の高いものとなる。
【0012】特定のフルオレン誘導体は、その分子中
に、 「−O(CH2 CH2 O )n COCH=CH2 」 または 「−O(CH2 CH(OH)CH2 O )m COCH=C
2 」 のいずれかで示されるアクリロイルオキシ基を2個有し
ている。上記のアクリロイルオキシ基において、繰り返
し数nおよびmは、組成物を硬化して得られるハードコ
ート膜の性能に影響を与えるものである。繰り返し数n
およびmが大きくなると、得られるハードコート膜の樹
脂製基材に対する密着性が向上する反面、ハードコート
膜の硬度および透明性が低下する傾向がある。上記のア
クリロイルオキシ基において、繰り返し数nは0〜3の
整数とされ、好ましくはn=0とされる。また、繰り返
し数mは1〜3の整数とされ、好ましくはm=1とされ
る。特定のフルオレン誘導体は、多官能アクリレートで
あるエポキシ系アクリレート、ウレタン系アクリレート
との相溶性が極めて高い特徴を有している。
【0013】アクリレート系単量体混合物中における特
定のフルオレン誘導体の含有割合としては、10〜95
重量%とされ、好ましくは15〜70重量%、より好ま
しくは20〜60重量%とされる。含有割合を斯かる範
囲に規定することにより、ハードコート用組成物は、紫
外線照射による硬化性が優れたものとなるとともに、硬
化して得られるハードコート膜は高い屈折率を有するも
のとなる。特定のフルオレン誘導体の含有割合が10重
量%未満では、特定のフルオレン誘導体の有する特徴を
十分に発揮することができず、本発明の目的を達成する
ことができない。一方、この割合が95重量%を超える
と、紫外線照射による硬化性が低下するので好ましくな
い。
【0014】本発明において、特定のフルオレン誘導体
と共に、アクリレート系単量体混合物を構成する多官能
アクリレートとしては、特に限定されるものではない
が、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基を有する
多官能アクリレートは、形成されるハードコート膜の硬
度を高め、耐擦傷性を向上させることができるので好ま
しい。
【0015】斯かる多官能アクリレートの具体例として
は、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多価ア
ルコールのアクリル酸エステル;トリレンジイソシアネ
ートなどのポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチル
アクリレートとを反応させて得られるウレタン系アクリ
レート;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジア
クリレートなどのエポキシ化合物にアクリル酸やヒドロ
キシル基含有アクリル酸を反応させて得られるエポキシ
系アクリレートなどを挙げることができる。これら多官
能アクリレートのうち、ウレタン系アクリレートおよび
エポキシ系アクリレートを含有してなる組成物において
は、得られるハードコート膜が、樹脂製基材との密着性
に優れたものとなるので好ましい。
【0016】特定のフルオレン誘導体と多官能アクリレ
ートとからなるアクリレート系単量体混合物には、組成
物の粘度を調節するために、有機溶剤が添加されていて
もよい。添加される有機溶剤の具体例としては、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、イソブチルアルコールなどの脂肪族飽和炭化
水素系アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチルなどのエステルおよびエチルセロソ
ルブなどのエーテルなどを挙げることができる。これら
の有機溶剤は単独で、あるいは2種以上を混合して用い
ることができる。
【0017】本発明のハードコート用組成物を構成する
金属酸化物微粒子は、形成されるハードコート膜の屈折
率を高め、ハードコート膜の硬度を高めて耐擦傷性を向
上させるものである。また、ハードコート膜上に、真空
蒸着法やスパッタリング法により金属薄膜を形成させる
場合において、当該金属薄膜との密着性を向上させるも
のである。
【0018】金属酸化物微粒子は、その平均粒径が1〜
300nmとされ、好ましくは2〜150nmとされ
る。平均粒径が1nm未満の金属酸化物微粒子は、微粒
子としての安定性に欠け、製造が困難であり、また30
0nmを超えると、形成されるハードコート膜の透明性
が低下するので好ましくない。一方、金属酸化物微粒子
の屈折率は、通常、1.5〜3.0とされ、好ましくは
1.6〜2.8とされる。
【0019】斯かる金属酸化物微粒子としては、例えば
酸化チタン(TiO2 )、酸化アンチモン(Sb
2 3 ,Sb2 5 )、酸化タングステン(WO3 )、
酸化ジルコニア(ZrO2 )、酸化セリウム(Ce
2 )、酸化スズ(SnO2 )および酸化鉄(Fe2
3 )などを挙げることができ、これらの金属酸化物は単
独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0020】金属酸化物微粒子の含有量は、アクリレー
ト系単量体混合物100重量部に対し、10〜250重
量部とされ、好ましくは20〜150重量部とされる。
この含有量が10重量部未満では、形成されるハードコ
ート膜の屈折率および硬度を十分に高めることができ
ず、また、ハードコート膜上に金属薄膜を形成させる場
合において、当該金属薄膜との密着性を十分なものとす
ることができない。一方、この含有量が250重量部を
超えると、形成されるハードコート膜にクラックが発生
しやすくなり、さらにハードコート膜の透明性が低下す
ることがあるので好ましくない。
【0021】上記の金属酸化物微粒子は、各種媒体中に
分散させたコロイド状液体として入手することができ
る。本発明のハードコート用組成物を調製する場合にお
いては、金属酸化物微粒子の分散媒として、特定のフル
オレン誘導体や多官能アクリレートと相溶性に優れた有
機溶剤を用いることが好ましい。これにより、アクリレ
ート系単量体混合物中に金属酸化物微粒子を均一に分散
させることができる。また、当該金属酸化物微粒子の表
面に親油化処理を施したり、カルボン酸やアミンなどを
添加することにより金属酸化物微粒子の分散性を高める
こともできる。
【0022】また、本発明のハードコート用組成物に
は、光重合開始剤や光増感剤を添加することが望まし
く、これにより、紫外線照射による硬化反応を促進させ
ることができる。斯かる光重合開始剤や光増感剤の具体
例としては、例えばベンゾインメチルエーテルなどのベ
ンゾインエーテル類、3,3−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4−ジエ
チルチオキサントンなどのキサントン類、アセトフェノ
ン誘導体などを挙げることができ、これらは単独で、あ
るいは2種以上混合して添加することもできる。光重合
開始剤や光増感剤の添加量としては、アクリレート系単
量体混合物100重量部に対し、0.1〜10重量部と
され、好ましくは0.1〜7重量部とされる。この添加
量が0.1重量部未満では、重合による硬化反応が十分
には進まず、一方10重量部を超えると、ハードコート
膜が着色したり、ハードコート膜の耐候性が低下する傾
向がある。
【0023】更に、本発明のハードコート用組成物に
は、光安定剤、酸化防止剤、貯蔵安定剤、着色剤、可塑
剤、帯電防止剤、シリコン系もしくはフッ素系表面平滑
剤などを、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じ
て添加することができる。
【0024】本発明のハードコート用組成物は、光学製
品である樹脂製基材の表面に塗布され、紫外線照射によ
り硬化されてハードコート膜を形成する。ハードコート
膜が形成される樹脂製基材としては、その屈折率とハー
ドコート膜の屈折率との差が±0.05以内のもの、特
に好ましくは±0.04以内のものであれば特に限定さ
れるものではない。屈折率の差が±0.05を超える場
合には、ハードコート膜上に干渉縞が生じ、外観が見苦
しくなり好ましくない。
【0025】本発明のハードコート用組成物を樹脂製基
材に塗布してハードコート膜を形成する方法は特に限定
されるものではない。ここに、好ましい形成方法の一態
様を示せば、樹脂製基材の表面を、酸もしくはアルカリ
の水溶液、例えば硫酸−クロム酸混液もしくは20%水
酸化ナトリウム水溶液などで薬品処理を行い、あるいは
コロナ放電処理や低温プラズマ処理、紫外線もしくはオ
ゾンを利用した処理などを行うことにより洗浄精製す
る。次いで、本発明のハードコート用組成物を浸漬法な
どによって樹脂製基材上に塗布し、その後有機溶剤など
の揮発性化合物を乾燥除去する。そして、塗布されたハ
ードコート用組成物に、高圧水銀ランプなどを用いて波
長180〜350nmの紫外線を照射し、組成物を硬化
させてハードコート膜を形成する。
【0026】本発明のハードコート用組成物によって形
成されたハードコート膜は、その屈折率が1.54以
上、好ましくは1.58以上である。これにより、高い
屈折率を有する樹脂製基材上に形成された場合であって
も、光の干渉縞による外観不良は生じない。
【0027】
【発明の効果】以上のように、特定のフルオレン誘導体
を含有するアクリレート系単量体混合物と、金属酸化物
微粒子とを含有してなる本発明のハードコート用組成物
を、樹脂製レンズなどの樹脂製基材に塗布し、紫外線照
射により硬化させることにより、屈折率が高く、耐擦傷
性、耐薬品性、樹脂製基材との密着性に優れ、しかも干
渉縞を生じることがなくて外観の良好なハードコート膜
を形成することができる。更に、本発明のハードコート
用組成物によって形成されるハードコート膜は金属薄膜
との密着性にも優れているので、当該ハードコート膜上
に、反応防止膜または反射増加膜などを容易に形成させ
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるも
のではない。なお、以下の実施例および比較例におい
て、「%」および「部」は、それぞれ「重量%」および
「重量部」を表す。
【0029】また、「特定のフルオレン誘導体」、「多
官能アクリレート」、「金属酸化物微粒子(ゾル)」お
よび「樹脂製基材」としては、以下のものを用いた。
【0030】<特定のフルオレン誘導体> R−1:上記化2の置換基Rにおけるmが1であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−OCH2 CH(OH)
CH2 OCOCH=CH2 ) R−2:上記化2の置換基Rにおけるmが3であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−O(CH2 CH(O
H)CH2 O)3 COCH=CH2 ) R−3:上記化2の置換基Rにおけるnが0であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−OCOCH=CH2 ) R−4:上記化2の置換基Rにおけるnが3であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−O(CH2 CH2 O)
3 COCH=CH2 ) R−5:上記化2の置換基Rにおけるmが5であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−O(CH2 CH(O
H)CH2 O)5 COCH=CH2 ) R−6:上記化2の置換基Rにおけるnが5であるフ
ルオレン誘導体(置換基Rが、−O(CH2 CH2 O)
5 COCH=CH2
【0031】<多官能アクリレート> 「エポキシエステル80MFA」(共栄社油脂化学
(株)製:下記化3で表されるエポキシ系アクリレー
ト) 「ユニデイックV−5502」(大日本インキ(株)
製:エポキシ系) 「ADP−6」(新中村化学(株)製:ポリオール
系) 「KAYARAD UX−2201」(日本化薬
(株)製:ウレタン系) 「ユニデイック17−813」(大日本インキ(株)
製:ウレタン系)
【0032】
【化3】
【0033】<金属酸化物微粒子ゾル(比較用シリカゾ
ル)> 「オプトレイク1120F」〔触媒化成(株)製:二
酸化チタンと酸化第二鉄のメタノール分散ゾル,平均粒
径10〜20nm,固形分濃度20%,固形分重量比
(TiO2 /Fe2 3 )=98/2〕 「オプトレイク1120A」〔触媒化成(株)製:二
酸化チタンと二酸化セリウムのメタノール分散ゾル,平
均粒径10〜30nm,固形分濃度20%,固形分重量
比(TiO2 /CeO2 )=80/20〕 「AMT−130S」〔日産化学(株)製:酸化アン
チモン(Sb2 5 )のメタノール分散ゾル,平均粒径
10〜20nm,固形分濃度30%〕 「メタノールシリカゾル」〔日産化学(株)製:シリ
カ(SiO2 )のメタノール分散ゾル,平均粒径10〜
15nm,固形分濃度30%〕
【0034】<樹脂製基材> 下記作製例1で作製された凹レンズ(L−1) 下記作製例2で作製された凹レンズ(L−2) 下記作製例3で作製された凹レンズ(L−3)
【0035】〔作製例1〕ヘキサメチレンジイソシアネ
ート10.6部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト44.4部と、2,4,6−トリブロモフェニルメタ
クリレート20部と、α−メチルスチレン15部と、ジ
ビニルベンゼン10部とを十分に混合し、これにジブチ
ルチンジラウレート0.01部を添加し、60℃で2時
間ウレタン化反応を行い、液状のウレタン単量体を得
た。このウレタン単量体にラウロイルパーオキサイド
1.0部を添加した単量体組成物を球面状の内面を有す
るガラスモールド中に注入し、40℃で10時間、60
℃で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と条件を
変えて共重合反応を行い、中心厚1.2mm、直径72
mmの無色透明な共重合体よりなる凹レンズ(L−1)
を得た。この共重合体よりなる凹レンズ(L−1)の屈
折率をアッベ屈折計により20℃で測定したところ、n
D =1.553であった。
【0036】〔作製例2〕下記化4で表されるヘキサメ
チレンジイソシアネートの環状三量体(有効NCOの割
合:82%)5.27部と、下記化5で表される1−
(2−フェニルフェノキシ)−2−ヒドロキシ−3−ア
リロキシプロパン28.73部と、2,4,6−トリブ
ロモフェニルメタクリレート30部と、スチレン24部
と、ジビニルベンゼン12部とを十分に混合し、これに
ジブチルチンジラウレート0.01部を添加し、60℃
で2時間ウレタン化反応を行い、液状のウレタン単量体
を得た。このウレタン単量体を用い、作製例1と同様に
して共重合反応を行って、中心厚1.2mm、直径72
mmの無色透明な共重合体よりなる凹レンズ(L−2)
を得た。この共重合体よりなる凹レンズ(L−2)の2
0℃における屈折率はnD =1.608であった。
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】〔作製例3〕ジフェニル(p−ビニルフェ
ニル)ホスフィン40部と、スチレン25部と、トリブ
ロモフェニルメタクリレート5部と、2,2−ビス−
(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン30部とを温度70℃で溶融混合し、十
分に均一な無色透明な混合液を得た。この混合液を温度
60℃まで冷却し、これに重合開始剤としてラウロイル
パーオキサイド1部を添加し、作製例1で用いたと同じ
ガラスモールド中に注入し、窒素雰囲気下、60℃で1
2時間、100℃で1時間、120℃で1時間の条件で
共重合反応を行って、中心厚1.2mm、直径72mm
の無色透明な共重合体よりなる凹レンズ(L−3)を得
た。この共重合体よりなる凹レンズ(L−3)の20℃
における屈折率はnD =1.645であった。
【0040】〔実施例1〕特定のフルオレン誘導体(R
−1)46部と、エポキシ系アクリレート「エポキシエ
ステル80MFA」30部と、ポリオール系アクリレー
ト「ADP−6」24部とからなるアクリレート系単量
体混合物100部に、金属酸化物微粒子ゾルとして、二
酸化チタンと酸化第二鉄からなるメタノール分散ゾル
「オプトレイク1120F」250部(固形分換算:5
0部)を混合し、この混合液に150部のセロソルブア
セテートを添加して、混合液中のアクリレート系単量体
混合物と金属酸化物微粒子との合計の濃度が30%とな
るように調製した。更に、この混合液に光重合開始剤
「イルガキュア184」4部と、シリコン系表面平滑剤
0.5部とを添加し、十分に攪拌混合して本発明のハー
ドコート用組成物を得た。
【0041】〔実施例2〜4〕特定のフルオレン誘導体
(R−2〜R−4)と金属酸化物微粒子の種類および配
合量並びにエポキシ系アクリレートとポリオール系アク
リレートの配合量を、表1に示す処方に従って変更した
こと以外は実施例1と同様にして本発明のハードコート
用組成物を得た。
【0042】〔比較例1〕表1に示す処方に従って、特
定のフルオレン誘導体(R−5)46部を用いたこと以
外は実施例1と同様にしてハードコート用組成物を得
た。
【0043】〔比較例2〕表1に示す処方に従って、特
定のフルオレン誘導体(R−6)58部を用いたこと以
外は実施例2と同様にしてハードコート用組成物を得
た。
【0044】〔比較例3〕表1に示す処方に従って、特
定のフルオレン誘導体を用いないでアクリレート系単量
体混合物を調製し、実施例1と同様にしてハードコート
用組成物を得た。
【0045】〔比較例4〕表1に示す処方に従って、金
属酸化物微粒子ゾル「オプトレイク1120F」に代え
て「メタノールシリカゾル」167部(固形分換算:5
0部)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてハード
コート用組成物を得た。
【0046】〔比較例5〕表1に示す処方に従って、特
定のフルオレン誘導体(R−2)5部と、「エポキシエ
ステル80MFA」50部と、「ADP−6」45部と
からなるアクリレート系単量体混合物を用いたこと以外
は実施例1と同様にしてハードコート用組成物を得た。
【0047】〔比較例6〕表1に示す処方に従って、特
定のフルオレン誘導体(R−2)100部に、「オプト
レイク1120A」175部(固形分換算:35部)を
混合してなる混合液を用いたこと以外は実施例1と同様
にしてハードコート用組成物を得た。
【0048】〔比較例7〕表1に示す処方に従って、
「オプトレイク1120F」を用いなかったこと以外は
実施例1と同様にして、金属酸化物微粒子ゾルを含有し
ないハードコート用組成物を得た。
【0049】〔実施例5〜7〕アクリレート系単量体混
合物の組成および金属酸化物微粒子ゾル「オプトレイク
1120F」の配合量を表1に示す処方に従って変更
し、光重合開始剤を2,4−ジエチルオキサントン2部
とp−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル2部
に変更したこと以外は実施例1と同様にして本発明のハ
ードコート用組成物を得た。
【0050】
【表1】
【0051】<凹レンズへの塗布>作製例1〜3で得ら
れた凹レンズ(L−1〜L−3)を複数枚用意し、これ
らを温度120℃で1時間アニールした後、80℃に加
熱された20%水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬
してレンズ表面の脱脂処理を行った。次いで、これら凹
レンズを水洗いし、さらにアルコールおよびフロンで洗
浄した。表2に示す組合せに従って、表面の脱脂処理お
よび洗浄が施された凹レンズの各々に、実施例1〜4お
よび比較例1〜7で得られたハードコート用組成物を浸
漬法により塗布した。なお浸漬速度は毎分300mmと
した。ハードコート用組成物が塗布された凹レンズの各
々を室温にて通風乾燥し、さらに70℃で5分間予備乾
燥した。
【0052】<ハードコート膜の形成>出力500Wの
高圧水銀ランプを発生源とする紫外線照射装置「ミニキ
ュアシステムUV−450」(ウシオ電機(株)製)を
用いて、紫外線を5秒間照射してハードコート膜をレン
ズ上に形成させた。
【0053】<ハードコート膜の評価>得られたハード
コート膜の性能評価は下記の方法により行った。 (イ)耐擦傷性試験 #0000のスチールウールにより、ハードコート膜の
表面を、1000gの荷重をかけながら10回摩擦し、
傷の発生の有無および傷の程度を目視により観察し、以
下の判定基準に従って評価し、下記「A」および「B」
ランクを合格とした。 A:傷の発生が全く認められない。 B:1〜2本の傷が認められる。 C:数本の細い傷が認められる。 D:10本以上の傷が認められる。 E:無数の傷が認められる。 F:無数の太い傷が発生し、全面の白濁が認められる。
【0054】(ロ)耐アルカリ性試験 5%水酸化ナトリウム水溶液に室温で24時間浸漬し、
ハードコート膜の表面状態を調べ、以下の判定基準に従
って評価した。 ○:全く異常が認められない。 ×:ハードコート膜の剥離など異常が認められる。
【0055】(ハ)凹レンズに対する密着性試験 ハードコート膜を1mm間隔で縦、横11本の直線によ
りカットして100個のゴバン目をつくり、セロハン粘
着テープ「ビッグエコ」(セキスイ(株)製)による剥
離試験を行い、剥離した数を調べて以下の判定基準に従
って評価した。 ○:全く剥離が認められない。 △:1〜5個の剥離が認められる。 ×:10個以上の剥離が認められる。
【0056】(ニ)外観試験 蛍光ランプ「メロウルックFL15EX−S」(東芝
(株)製)下での反射光を目視観察し、以下の判定基準
に従って外観を評価した。 ○:干渉縞が全く見えない。 △:干渉縞が少し見える。 ×:干渉縞が強くはっきりと見える。
【0057】(ホ)金属蒸着薄膜に対する密着性試験 ハードコート膜上に、二酸化ケイ素−酸化アルミニウム
膜、酸化ジルコニウム−二酸化チタン膜および二酸化ケ
イ素膜をスパッタリング法で積層形成し、これを前記
(ハ)と同様の方法による剥離試験を行って、金属蒸着
薄膜に対する密着性を評価した。
【0058】(ヘ)屈折率の測定 実施例および比較例により得られたハードコート用組成
物の各々をシリコンウエハーにスピナーコートし、「エ
リプソメトリーAEP−100」(島津製作所製:光源
よりヘリウム−ネオンレーザー光線を照射する)を用い
て測定した。以上の評価を表2に示す。
【0059】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるフルオレン誘導体1
    0〜95重量%と、多官能アクリレート90〜5重量%
    とからなるアクリレート系単量体混合物100重量部に
    対し、平均粒径1〜300nmの金属酸化物微粒子が1
    0〜250重量部含有されてなり、 紫外線照射により硬化してハードコート膜を形成し、当
    該ハードコート膜の屈折率が1.54以上であることを
    特徴とするハードコート用組成物。 【化1】
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