JPH05164140A - トルクリミッタ - Google Patents
トルクリミッタInfo
- Publication number
- JPH05164140A JPH05164140A JP33506891A JP33506891A JPH05164140A JP H05164140 A JPH05164140 A JP H05164140A JP 33506891 A JP33506891 A JP 33506891A JP 33506891 A JP33506891 A JP 33506891A JP H05164140 A JPH05164140 A JP H05164140A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diameter
- inner ring
- coil spring
- torque limiter
- cylindrical member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D7/00—Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
- F16D7/02—Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type
- F16D7/022—Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with a helical band or equivalent member co-operating with a cylindrical torque limiting coupling surface
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 外筒部材と内輪との間にコイルばねを設けた
極めてシンプルな構成で左右両回転方向に異なるトルク
リミット値を設定できかつ蓋部材を回転させるだけで設
定トルクリミット値を調整できる部品点数の少ないかつ
安価で小型なトルクリミッタを提供する。 【構成】 トルクリミッタは、外筒部材１内にばね挿入
部２を有しその奥部に設けた軸受部３で内輪４を回転自
在に軸支し、内輪４の外周には小径部５ａ、大径部５ｂ
を有するコイルばね５を設け、大径部５ｂの外径と外筒
部材１の内径間に挿入される円環部６ａを有する蓋部材
６で他端を閉じている。小径部５ａは内輪４に対して又
大径部５ｂは円環部６ａの内径に対して若干の締まり嵌
めとされ、円環部６ａの外径とこれに対応する部位の外
筒部材内径面を同心円上の４ケ所で偏心曲率面を有する
ように構成している。これによって、左右両方向の回転
に対して作用し異なるトルクリミット値を設定でき、蓋
部材６を外筒部材１に対して回転すると円環部６ａの径
を縮小できる。
極めてシンプルな構成で左右両回転方向に異なるトルク
リミット値を設定できかつ蓋部材を回転させるだけで設
定トルクリミット値を調整できる部品点数の少ないかつ
安価で小型なトルクリミッタを提供する。 【構成】 トルクリミッタは、外筒部材１内にばね挿入
部２を有しその奥部に設けた軸受部３で内輪４を回転自
在に軸支し、内輪４の外周には小径部５ａ、大径部５ｂ
を有するコイルばね５を設け、大径部５ｂの外径と外筒
部材１の内径間に挿入される円環部６ａを有する蓋部材
６で他端を閉じている。小径部５ａは内輪４に対して又
大径部５ｂは円環部６ａの内径に対して若干の締まり嵌
めとされ、円環部６ａの外径とこれに対応する部位の外
筒部材内径面を同心円上の４ケ所で偏心曲率面を有する
ように構成している。これによって、左右両方向の回転
に対して作用し異なるトルクリミット値を設定でき、蓋
部材６を外筒部材１に対して回転すると円環部６ａの径
を縮小できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機、ファクシミ
リ、レーザービームプリンタ等のＯＡ機器の回転部等に
用いられるトルクリミッタに関する。
リ、レーザービームプリンタ等のＯＡ機器の回転部等に
用いられるトルクリミッタに関する。
【０００２】
【従来の技術】トルクリミッタは、一般に回転軸系で被
駆動部に何らかの原因で過負荷や衝撃力等が作用したと
きに駆動部の保護のため予め設定されたトルク値以上で
は回転力の伝達を遮断するものとして軸系の適宜位置に
設けられる。
駆動部に何らかの原因で過負荷や衝撃力等が作用したと
きに駆動部の保護のため予め設定されたトルク値以上で
は回転力の伝達を遮断するものとして軸系の適宜位置に
設けられる。
【０００３】しかし、トルクリミッタはこのような使用
方法に限らず、例えば各種事務機器等における紙の重送
防止装置や連続紙引込み部のバックテンション用ブレー
キに用いられたり、あるいはＯＡ機器の蓋板の開閉機構
などにも用いられる。
方法に限らず、例えば各種事務機器等における紙の重送
防止装置や連続紙引込み部のバックテンション用ブレー
キに用いられたり、あるいはＯＡ機器の蓋板の開閉機構
などにも用いられる。
【０００４】上記紙の重送防止装置等に用いられるトル
クリミッタの一例を図６に示す。このトルクリミッタ
は、外方部材となる外輪１１のばね挿入部１２内にコイ
ルばね１３を収納し、コイルばね１３の一端に設けたフ
ック１４を外輪１１の端壁１５における凹部１６に係合
し、他方の端部に設けたフック１４’は外輪１１の開口
端部内に嵌合固定した蓋１７の凹部１６’に係合し、コ
イルばね１３内に挿入した内方部材となる内輪１８を外
輪１１の軸受部１９と蓋１７で回転自在に支持した構造
になっている。
クリミッタの一例を図６に示す。このトルクリミッタ
は、外方部材となる外輪１１のばね挿入部１２内にコイ
ルばね１３を収納し、コイルばね１３の一端に設けたフ
ック１４を外輪１１の端壁１５における凹部１６に係合
し、他方の端部に設けたフック１４’は外輪１１の開口
端部内に嵌合固定した蓋１７の凹部１６’に係合し、コ
イルばね１３内に挿入した内方部材となる内輪１８を外
輪１１の軸受部１９と蓋１７で回転自在に支持した構造
になっている。
【０００５】一方、ＯＡ機器の蓋板の開閉機構などにト
ルクリミッタを用いる場合は、蓋板を持上げる際にスム
ーズに回動できるように小さなトルクリミット値で作動
し、蓋板を下げるときは蓋板が急激に落下しないように
保持できる大きなトルクリミット値で作動し、正逆両回
転方向に対して異なるトルクリミット値を有するトルク
リミッタを必要とする。
ルクリミッタを用いる場合は、蓋板を持上げる際にスム
ーズに回動できるように小さなトルクリミット値で作動
し、蓋板を下げるときは蓋板が急激に落下しないように
保持できる大きなトルクリミット値で作動し、正逆両回
転方向に対して異なるトルクリミット値を有するトルク
リミッタを必要とする。
【０００６】このような正逆両方向に対して異なる大き
さの回転トルクを伝達し、異なるトルクリミット値を有
するトルクリミッタとして、回転軸の周りに内輪と外輪
を嵌装し、回転軸と内輪の間及び内輪と外輪の間に互い
に逆方向に作用するトルクリミッタを２重に設け、例え
ば内輪と外輪間のトルクリミッタは外輪の内径面に対し
凹入状のくさび状空間を形成する複数の傾斜面を設け、
各くさび状空間にローラを組込んでそのローラをトルク
設定ばねによりくさび状空間の狭小部に向けて押圧する
ように構成したものが特願平２−２９６２０２号明細書
により既に提案されている。
さの回転トルクを伝達し、異なるトルクリミット値を有
するトルクリミッタとして、回転軸の周りに内輪と外輪
を嵌装し、回転軸と内輪の間及び内輪と外輪の間に互い
に逆方向に作用するトルクリミッタを２重に設け、例え
ば内輪と外輪間のトルクリミッタは外輪の内径面に対し
凹入状のくさび状空間を形成する複数の傾斜面を設け、
各くさび状空間にローラを組込んでそのローラをトルク
設定ばねによりくさび状空間の狭小部に向けて押圧する
ように構成したものが特願平２−２９６２０２号明細書
により既に提案されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】上述したトルクリミッ
タの例のうち、前者のものは機構としてはシンプルであ
り、微妙な設定トルクリミット値の調整も蓋に固定され
たコイルばねのばね力を蓋を回転することによって容易
に調整できる。しかし、この形式のトルクリミッタは一
方向へのトルクリミッタとして構成されており、正逆両
方向に異なるトルクリミット値を設定することができな
い。
タの例のうち、前者のものは機構としてはシンプルであ
り、微妙な設定トルクリミット値の調整も蓋に固定され
たコイルばねのばね力を蓋を回転することによって容易
に調整できる。しかし、この形式のトルクリミッタは一
方向へのトルクリミッタとして構成されており、正逆両
方向に異なるトルクリミット値を設定することができな
い。
【０００８】又、後者のものは正逆両方向に異なるトル
クリミット値を設定することは可能であるが、互いに逆
方向に作動する一方向のトルクリミッタを回転軸と内輪
及び内輪と外輪の間にそれぞれ２重に設けたものである
から、機構が複雑であり、従って部品点数が多く、組立
作業性など種々の点で満足できるものではない。
クリミット値を設定することは可能であるが、互いに逆
方向に作動する一方向のトルクリミッタを回転軸と内輪
及び内輪と外輪の間にそれぞれ２重に設けたものである
から、機構が複雑であり、従って部品点数が多く、組立
作業性など種々の点で満足できるものではない。
【０００９】この発明は、上述した従来のトルクリミッ
タ、特に正逆両方向に異なるトルクリミット値を有する
トルクリミッタの多くの問題点を一挙に解決すべくなさ
れたものであり、外筒部材を内輪との間にコイルばねを
設けたシンプルな構成で左右回転方向に対して作動し両
回転方向に異なるトルクリミット値を設定できかつ蓋部
材を回転させるだけで設定トルクリミット値を調整で
き、部品点数が少なく、安価な、従って作業組立性、保
守点検に優れたトルクリミッタを提供することを課題と
する。
タ、特に正逆両方向に異なるトルクリミット値を有する
トルクリミッタの多くの問題点を一挙に解決すべくなさ
れたものであり、外筒部材を内輪との間にコイルばねを
設けたシンプルな構成で左右回転方向に対して作動し両
回転方向に異なるトルクリミット値を設定できかつ蓋部
材を回転させるだけで設定トルクリミット値を調整で
き、部品点数が少なく、安価な、従って作業組立性、保
守点検に優れたトルクリミッタを提供することを課題と
する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明は外筒部材と、その内側に回転自在に軸支した
内輪と、その外周に組込まれ軸方向に伸びる小径部と大
径部から成る異径状のコイルバネと、外筒部材の他端に
嵌合し、かつ内輪に対し回転自在に外嵌挿される蓋部材
とを備え、コイルばねの小径部は内輪外径に対して若干
の締まり嵌めに設定され、蓋部材は内方向に臨む円環部
を有し、この円環部はコイルばねの大径部と外筒部材内
径との間に介在しかつ大径部の外径が円環部内径に対し
て若干の締まり嵌めとなるように設けられ、円環部の外
径とこれに対応する部位の外筒部材の内径が同心円上の
少なくとも２ケ所以上で偏心曲率面を有するように構成
して成るトルクリミッタとしたのである。
この発明は外筒部材と、その内側に回転自在に軸支した
内輪と、その外周に組込まれ軸方向に伸びる小径部と大
径部から成る異径状のコイルバネと、外筒部材の他端に
嵌合し、かつ内輪に対し回転自在に外嵌挿される蓋部材
とを備え、コイルばねの小径部は内輪外径に対して若干
の締まり嵌めに設定され、蓋部材は内方向に臨む円環部
を有し、この円環部はコイルばねの大径部と外筒部材内
径との間に介在しかつ大径部の外径が円環部内径に対し
て若干の締まり嵌めとなるように設けられ、円環部の外
径とこれに対応する部位の外筒部材の内径が同心円上の
少なくとも２ケ所以上で偏心曲率面を有するように構成
して成るトルクリミッタとしたのである。
【００１１】この解決手段では、前記円環部に対しその
適宜位置に切欠部を設けてもよい。
適宜位置に切欠部を設けてもよい。
【００１２】
【作用】以上の構成としたこの発明のトルクリミッタ
は、左右両回転方向に対して回転を伝達し、両回転方向
に対して異なるトルクリミット値を有するトルクリミッ
タとして作用する。
は、左右両回転方向に対して回転を伝達し、両回転方向
に対して異なるトルクリミット値を有するトルクリミッ
タとして作用する。
【００１３】コイルばねは小径部で内輪に若干の締まり
嵌めで係合しているから、内輪の回転がその係合をゆる
め小径部の径を広げる方向に回転すると締付け力と摩擦
力が釣合う状態以上の力の回転では内輪が滑ることにな
り、その時のトルクがその方向の設定トルクリミット値
となる。
嵌めで係合しているから、内輪の回転がその係合をゆる
め小径部の径を広げる方向に回転すると締付け力と摩擦
力が釣合う状態以上の力の回転では内輪が滑ることにな
り、その時のトルクがその方向の設定トルクリミット値
となる。
【００１４】反対にコイルばねの小径部の係合を強める
方向に回転すると摩擦力で小径部は益々径が小さくなる
が、この力は大径部には伝達され、大径部の径を縮小さ
せる。大径部は円環部の内径に若干の締まり嵌めで係合
して内輪と共に回転するが、径の縮小によりその係合が
ゆるみ、締付け力と摩擦力のバランスがくずれると円環
部に対して滑ることになる。このときのトルクがその方
向の設定トルクリミット値である。
方向に回転すると摩擦力で小径部は益々径が小さくなる
が、この力は大径部には伝達され、大径部の径を縮小さ
せる。大径部は円環部の内径に若干の締まり嵌めで係合
して内輪と共に回転するが、径の縮小によりその係合が
ゆるみ、締付け力と摩擦力のバランスがくずれると円環
部に対して滑ることになる。このときのトルクがその方
向の設定トルクリミット値である。
【００１５】上記２つの設定トルクリミット値は大径部
と小径部のばね定数が異なるため異なった値となる。
と小径部のばね定数が異なるため異なった値となる。
【００１６】さらに、この発明では蓋部材を外筒部材に
対してその設定位置を回転調整すると設定トルクリミッ
ト値を自在に変化させることができ、実際に組立後に正
確なトルクリミット値に設定することができる。
対してその設定位置を回転調整すると設定トルクリミッ
ト値を自在に変化させることができ、実際に組立後に正
確なトルクリミット値に設定することができる。
【００１７】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
して説明する。
して説明する。
【００１８】図１、図２に示すように、実施例のトルク
リミッタは、外筒部材１をその内側にばね挿入部２を形
成して一端開放状とし、その奥部に設けた軸受部３に内
輪４を軸支し、内輪４の外周には軸方向に伸びる小径部
５ａと大径部５ｂから成る異径状のコイルばね５が挿置
され、さらに外筒部材１の他端に嵌合しかつ内輪４に対
し回転自在に外嵌挿される蓋部材６とから成る。内輪４
の端面には切欠部７が設けられており、この切欠部７は
内輪４とその内側に挿通される軸とを連結するピンの係
合用として用いられる。
リミッタは、外筒部材１をその内側にばね挿入部２を形
成して一端開放状とし、その奥部に設けた軸受部３に内
輪４を軸支し、内輪４の外周には軸方向に伸びる小径部
５ａと大径部５ｂから成る異径状のコイルばね５が挿置
され、さらに外筒部材１の他端に嵌合しかつ内輪４に対
し回転自在に外嵌挿される蓋部材６とから成る。内輪４
の端面には切欠部７が設けられており、この切欠部７は
内輪４とその内側に挿通される軸とを連結するピンの係
合用として用いられる。
【００１９】蓋部材６は内方向に臨む円環部６ａを有
し、この円環部６ａはコイルばね５の大径部５ｂと外筒
部材１の内径部との間に介在するように設けられてい
る。コイルばね５の小径部５ａの内径は自然状態では内
輪４の外径より小さく内輪４に対して若干の締まり嵌め
となるように形成されている。又、大径部５ｂの外径は
円環部６ａの内径に対して自然状態では少し大きく若干
の締まり嵌めとなるように形成されている。
し、この円環部６ａはコイルばね５の大径部５ｂと外筒
部材１の内径部との間に介在するように設けられてい
る。コイルばね５の小径部５ａの内径は自然状態では内
輪４の外径より小さく内輪４に対して若干の締まり嵌め
となるように形成されている。又、大径部５ｂの外径は
円環部６ａの内径に対して自然状態では少し大きく若干
の締まり嵌めとなるように形成されている。
【００２０】さらに、図３、図４に示すように、上記円
環部６ａの外径とこれに対応する部位の外筒部材１の内
径が同心円上の互いに対向する４ケ所で偏心曲率部（半
径Ｒ）を有するように形成されている。図３（ａ）の外
筒部材１の内部には図４（ｂ）の円環部６ａが対応する
長さＬの部位で嵌合する。
環部６ａの外径とこれに対応する部位の外筒部材１の内
径が同心円上の互いに対向する４ケ所で偏心曲率部（半
径Ｒ）を有するように形成されている。図３（ａ）の外
筒部材１の内部には図４（ｂ）の円環部６ａが対応する
長さＬの部位で嵌合する。
【００２１】図３（ｂ）に示すように、外筒部材１の内
径は直交軸上の互いに対向する位置での曲率半径が中心
から偏心量δだけずれた点を中心とする４つの曲面を連
ねたものとして形成されている。従って、その最大径
は、Ｄ1 ＝（Ｒ＋δ）×２となり、最小径は２〔（Ｒ2
−（δcos ４５°）2 ）1/2 ＋δcos ４５°〕の偏心曲
面となる。図４（ａ）に示すように、円環部６ａの外径
も全く同様に形成されている。なお、円環部６ａには切
欠部８が４ケ所設けられている。円環部６ａの内径ｄを
収縮自在とするためである。
径は直交軸上の互いに対向する位置での曲率半径が中心
から偏心量δだけずれた点を中心とする４つの曲面を連
ねたものとして形成されている。従って、その最大径
は、Ｄ1 ＝（Ｒ＋δ）×２となり、最小径は２〔（Ｒ2
−（δcos ４５°）2 ）1/2 ＋δcos ４５°〕の偏心曲
面となる。図４（ａ）に示すように、円環部６ａの外径
も全く同様に形成されている。なお、円環部６ａには切
欠部８が４ケ所設けられている。円環部６ａの内径ｄを
収縮自在とするためである。
【００２２】上記実施例では偏心曲面は４ケ所とした
が、少なくとも２ケ所以上設ければよく、奇数ケ所でも
よい。
が、少なくとも２ケ所以上設ければよく、奇数ケ所でも
よい。
【００２３】上記のように構成した実施例のトルクリミ
ッタは、次のように作用する。例えば内輪４が左右いず
れかの方向に回転すると、コイルばね５の小径部５ａは
内輪４に対して締まり嵌めに設定されているから、その
回転方向が摩擦係合によりばね締付けをゆるめる方向で
あれば、内輪４の回転により小径部５ａは直径が広がる
作用を受け、締付け力と摩擦力が釣り合うところで内輪
４はコイルばね５に対して滑ることになる。このとき、
大径部５ｂはその外径が蓋部材６の円環部６ａの内径に
締まり嵌めされているが、小径側の摩擦力によって大径
部５ｂの直径は広くなる方向に作用し、円環部６ａの内
部に対してさらに緊縛力が増し、回転することはない。
ッタは、次のように作用する。例えば内輪４が左右いず
れかの方向に回転すると、コイルばね５の小径部５ａは
内輪４に対して締まり嵌めに設定されているから、その
回転方向が摩擦係合によりばね締付けをゆるめる方向で
あれば、内輪４の回転により小径部５ａは直径が広がる
作用を受け、締付け力と摩擦力が釣り合うところで内輪
４はコイルばね５に対して滑ることになる。このとき、
大径部５ｂはその外径が蓋部材６の円環部６ａの内径に
締まり嵌めされているが、小径側の摩擦力によって大径
部５ｂの直径は広くなる方向に作用し、円環部６ａの内
部に対してさらに緊縛力が増し、回転することはない。
【００２４】反対に、回転がばね締付けを強める方向に
回転すると、小径部５ａの直径が小さくなる側に作用
し、締付け力が増大しコイルばね５は内輪４と共に回転
しようとする。この回転はコイルばね５内で大径部５ｂ
に伝達され、大径部５ｂの直径が小さくなるように作用
する。大径部５ｂは円環部６ａの内径に締まり嵌めで係
合しているが、大径部５ｂの直径が縮小するため摩擦係
合力が減少し、その部分の締付力と摩擦力のバランスが
くずれたところで大径部５ｂは円環部６ａに対して滑る
ことになる。
回転すると、小径部５ａの直径が小さくなる側に作用
し、締付け力が増大しコイルばね５は内輪４と共に回転
しようとする。この回転はコイルばね５内で大径部５ｂ
に伝達され、大径部５ｂの直径が小さくなるように作用
する。大径部５ｂは円環部６ａの内径に締まり嵌めで係
合しているが、大径部５ｂの直径が縮小するため摩擦係
合力が減少し、その部分の締付力と摩擦力のバランスが
くずれたところで大径部５ｂは円環部６ａに対して滑る
ことになる。
【００２５】従って、内輪４がいずれかの方向に回転す
ると、その回転方向の滑りを決める小径部５ａ、大径部
５ｂによって予め設定されるトルクリミット値を越える
ことによりその方向の回転が遮断され、左右両方向に対
して異なるトルクリミット値を有するトルクリミッタと
して作用する。
ると、その回転方向の滑りを決める小径部５ａ、大径部
５ｂによって予め設定されるトルクリミット値を越える
ことによりその方向の回転が遮断され、左右両方向に対
して異なるトルクリミット値を有するトルクリミッタと
して作用する。
【００２６】なお、左右両方向の回転に対して作用する
トルクリミッタとして使用せず、一方向は小さなトルク
リミッタで空転する一方向トルクリミッタとするとき
は、小径部５ａ内径の内輪４に対する締付力を予め小さ
く設定しておけばよい。
トルクリミッタとして使用せず、一方向は小さなトルク
リミッタで空転する一方向トルクリミッタとするとき
は、小径部５ａ内径の内輪４に対する締付力を予め小さ
く設定しておけばよい。
【００２７】以上の説明では、コイルばね５の大径部５
ｂの直径は一定のものとして説明したが、この実施例の
トルクリミッタは大径部５ｂの直径を変化させて大径部
５ｂによって決められる設定トルクリミット値を容易に
変化させることができるという大きな特徴を有する。
ｂの直径は一定のものとして説明したが、この実施例の
トルクリミッタは大径部５ｂの直径を変化させて大径部
５ｂによって決められる設定トルクリミット値を容易に
変化させることができるという大きな特徴を有する。
【００２８】図３、図４によって前述したように、円環
部６ａの外径とこれに対応する外筒部材１の内径は、中
心が偏心量δだけずれた点を中心とする４つの偏心曲面
を連ねた形状を有している。なお、円環部６ａの内径は
ｄであり真円である。従って、円環部６ａを外筒部材１
に嵌合する状態を、互いの偏心曲面が対応する嵌合状態
から左右いずれかの方向に位相をわずかにずらして変化
させると円環部６ａは内径方向に縮小する力を受ける。
円環部６ａには４ケ所程切欠部８が設けてあるから、円
環部の内径が小さくなり易くなっている。このため、大
径部５ｂで設定されるトルクリミット値がその径の縮小
によって変化し、大径部５ｂに対して締付力が増大する
と共に設定トルクリミット値も増大する。
部６ａの外径とこれに対応する外筒部材１の内径は、中
心が偏心量δだけずれた点を中心とする４つの偏心曲面
を連ねた形状を有している。なお、円環部６ａの内径は
ｄであり真円である。従って、円環部６ａを外筒部材１
に嵌合する状態を、互いの偏心曲面が対応する嵌合状態
から左右いずれかの方向に位相をわずかにずらして変化
させると円環部６ａは内径方向に縮小する力を受ける。
円環部６ａには４ケ所程切欠部８が設けてあるから、円
環部の内径が小さくなり易くなっている。このため、大
径部５ｂで設定されるトルクリミット値がその径の縮小
によって変化し、大径部５ｂに対して締付力が増大する
と共に設定トルクリミット値も増大する。
【００２９】上記設定トルクリミット値を変化させたい
ときは、蓋部材６を外筒部材１に対して回転させればよ
い。この場合、蓋部材６は手では簡単に捩じることはで
きないが適宜工具を用いれば回転させることができる程
に強く外筒部材１に対して嵌合されているものとする。
従って、実施例のトルクリミッタを組み立てる際に組立
て時のトルク値に対してトルク値を変更することが可能
となり、極めて正確なトルク値を設定することができ
る。
ときは、蓋部材６を外筒部材１に対して回転させればよ
い。この場合、蓋部材６は手では簡単に捩じることはで
きないが適宜工具を用いれば回転させることができる程
に強く外筒部材１に対して嵌合されているものとする。
従って、実施例のトルクリミッタを組み立てる際に組立
て時のトルク値に対してトルク値を変更することが可能
となり、極めて正確なトルク値を設定することができ
る。
【００３０】図５に、内輪４を省略しこれに代えて回転
軸Ｘを設けた例を示す。他の部材は同じであり、同じ符
号を付して説明を省略する。この実施例では内輪４を省
略した分だけさらに小型化できる。
軸Ｘを設けた例を示す。他の部材は同じであり、同じ符
号を付して説明を省略する。この実施例では内輪４を省
略した分だけさらに小型化できる。
【００３１】
【効果】以上詳細に説明したように、この発明によるト
ルクリミッタは外筒部材内に内輪を軸支しその外周に小
径部と大径部を有するコイルばねを巻き付け大径部と外
筒部材間に挿入される円環部を有する蓋部材から構成
し、小径部は内輪に対して又大径部は円環部内径に対し
て若干の締まり嵌めとすると共に円環部外径とこれに対
応する外筒部材内径面を同心円上の少なくとも２ケ所以
上で偏心曲率面を有するものとしたから、左右両回転方
向に対して異なるトルクリミット値を有するトルクリミ
ッタが得られ、かつ蓋部材を外筒部材に対して回転させ
ることによって円環部の径を縮小させ設定トルクリミッ
ト値を変化させることができ、かかる機能を少ない部品
点数で構成して小型かつ安価な製品を市場に提供できる
という極めて顕著な効果が得られる。
ルクリミッタは外筒部材内に内輪を軸支しその外周に小
径部と大径部を有するコイルばねを巻き付け大径部と外
筒部材間に挿入される円環部を有する蓋部材から構成
し、小径部は内輪に対して又大径部は円環部内径に対し
て若干の締まり嵌めとすると共に円環部外径とこれに対
応する外筒部材内径面を同心円上の少なくとも２ケ所以
上で偏心曲率面を有するものとしたから、左右両回転方
向に対して異なるトルクリミット値を有するトルクリミ
ッタが得られ、かつ蓋部材を外筒部材に対して回転させ
ることによって円環部の径を縮小させ設定トルクリミッ
ト値を変化させることができ、かかる機能を少ない部品
点数で構成して小型かつ安価な製品を市場に提供できる
という極めて顕著な効果が得られる。
【図１】実施例のトルクリミッタの縦断面図
【図２】同上の分解斜視図
【図３】外筒部材及びその線III −III からの断面図
【図４】蓋部材及びその線IV−IVからの断面図
【図５】内輪を省略した実施例の断面図
【図６】従来例のトルクリミッタの断面図
１ 外筒部材 ２ ばね挿入部 ３ 軸受部 ４ 内輪 ５ コイルばね ５ａ 小径部 ５ｂ 大径部 ６ 蓋部材 ６ａ 円環部 ７ 切欠部 ８ 切欠部
Claims (2)
- 【請求項１】 外筒部材と、その内側に回転自在に軸支
した内輪と、その外周に組込まれ軸方向に延びる小径部
と大径部から成る異径状のコイルバネと、外筒部材の他
端に嵌合し、かつ内輪に対し回転自在に外嵌挿される蓋
部材とを備え、コイルばねの小径部は内輪外径に対して
若干の締まり嵌めに設定され、蓋部材は内方向に臨む円
環部を有し、この円環部はコイルばねの大径部と外筒部
材内径との間に介在しかつ大径部の外径が円環部内径に
対して若干の締まり嵌めとなるように設けられ、円環部
の外径とこれに対応する部位の外筒部材の内径が同心円
上の少なくとも２ケ所以上で偏心曲率面を有するように
構成して成るトルクリミッタ。 - 【請求項２】 前記円環部に対しその適宜位置に切欠部
を設けたことを特徴とする請求項１に記載のトルクリミ
ッタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33506891A JPH05164140A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | トルクリミッタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33506891A JPH05164140A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | トルクリミッタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05164140A true JPH05164140A (ja) | 1993-06-29 |
Family
ID=18284404
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33506891A Pending JPH05164140A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | トルクリミッタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05164140A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5620372A (en) * | 1994-08-30 | 1997-04-15 | Ntn Corporation | Torque limiting mechanism for two rotary members |
| JPH09166153A (ja) * | 1995-12-12 | 1997-06-24 | Origin Electric Co Ltd | 双方向トルクリミッタ及びそれを備えた電子情報機器 |
| US5947409A (en) * | 1996-10-21 | 1999-09-07 | Corrigan, Jr.; Richard W. | Spring finger assembly for engaging a spool |
| US6398434B1 (en) | 2000-10-02 | 2002-06-04 | Richard W. Corrigan, Jr. | Shaft assembly for applying an adjustable load to a thermal print head |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP33506891A patent/JPH05164140A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5620372A (en) * | 1994-08-30 | 1997-04-15 | Ntn Corporation | Torque limiting mechanism for two rotary members |
| JPH09166153A (ja) * | 1995-12-12 | 1997-06-24 | Origin Electric Co Ltd | 双方向トルクリミッタ及びそれを備えた電子情報機器 |
| US5947409A (en) * | 1996-10-21 | 1999-09-07 | Corrigan, Jr.; Richard W. | Spring finger assembly for engaging a spool |
| US6398434B1 (en) | 2000-10-02 | 2002-06-04 | Richard W. Corrigan, Jr. | Shaft assembly for applying an adjustable load to a thermal print head |
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