JPH05162846A - 仕分装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トレイを進行方向に対し斜め前方に傾斜させ
て物品を滑降させるトレイ型仕分装置において、物品に
与える衝撃を最小限に抑え、かつシンプルで信頼性の高
いトレイ型仕分装置を提供する。 【構成】 カム溝１４を備えた一対の球面カムプレート
１０が作動アーム９と一体成形されている。この作動ア
ーム９の端部には球面カムプレート１０を駆動させるた
めの駆動レバー１１がボス２５を介して固定されてい
る。一方、筒状支持体８の屈曲した開口部上に筒状回転
体７が回転自在に連結され、該筒状回転体７の内周面上
には、球面カムプレート１０のカム溝１４に嵌挿して球
面カムプレートの回動に伴って筒状回転体７を回転させ
る駆動ピン１３を備えている。 【効果】 部品点数、組立工数の削減を図ることがで
き、構造が簡略化されたことで、仕分けのための運動が
簡略化された他、トレイの傾斜速度をコントロールでき
るため、仕分け時のショックがなくかつ確実な仕分けが
行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、物流過程において各種
荷物を行き先毎、或は種別毎に仕分けする際に用いて好
適なトレイ型の物品仕分装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から用いられている仕分装置には、
例えばコンベア上に仕分ける物品を配置し、所定の仕分
け位置において物品を適宜横取りする方式や、コンベア
上に連続的に取り付けられているトレイに順次物品を載
置し、所定の仕分け位置においてトレイを傾斜させて物
品を滑降させる方式等の種々のものがある。

【０００３】しかし、前記横取り方式は物品の形状によ
り制約を受けることが多く、多種多量の物品を取り扱う
仕分け工程にはそぐわない。一方、前記トレイを傾斜さ
せる方式は、物品搬送中においてトレイを水平になし、
仕分け位置でトレイの進行方向に対し真横方向に傾斜さ
せ、物品を滑降させるものである。ところが、滑降中も
トレイは移動しているので、物品は斜め前方に滑降する
ことになる。また、滑降時間、滑降距離は物品の重量に
よっても異なる。従って、物品を受ける場所の面積に余
裕を設けないと、物品が完全に滑降しないうちに次の荷
受け場所にかかる等の不都合が生じる。この問題は、ト
レイの移動速度が大きくなるほど顕著になり、高速仕分
けを図る際の障害になっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決する
ために、物品を載置したトレイを斜め前方に傾斜し得る
ものが、US4,744,454 号明細書中で提案されている。し
かし、前記明細書に開示されているものは、回転用ベア
リングやシャフトが複数個必要であり、しかもユニバー
サルジョイントを必要とする上に、滑降位置においてト
レイを傾斜させるレバー、ロック機構等が個別に設けら
れるなど、全体が複雑な構造になっている。また、トレ
イ転倒時、レバーが３次元的な動きをするため、レバー
及び転倒スイッチの構造が極めて複雑になっている。し
たがって、当然、部品点数、組立工数の何れも多く、こ
れらが相まってコスト高の要因になるばかりでなく、メ
ンテナンス時における作業が煩雑になる等の問題があっ
た。更に、従来のトレイ型仕分装置では、ラッチが外れ
ると、荷物は自重で滑降するため、滑降スピードのコン
トロールができず、荷物を破損することもあった。

【０００５】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は上述の従来の装置の如く複雑な構造
を用いることなく、トレイを進行方向に対し斜め前方方
向に速度をコントロールしながら傾斜させて仕分け、物
品にショックを与えず、かつ確実に滑降させるトレイ型
仕分装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る目的は、ガ
イドレールに沿って走行する台車上で鉛直方向に対して
所定の傾斜角を持って回転可能な筒状回転体と、該筒状
回転体上部に固着され物品を載置するためのトレイとを
備え、該トレイを傾斜させて物品を滑降させる仕分装置
において、前記筒状回転体の回転を制御するためのカム
溝を備え走行方向に対して直角に配置された支持軸を中
心に回転自在に設けられた一対の球面カムプレートと、
該球面カムプレートと一体的に２次元揺動して球面カム
プレートの回転を制御する駆動レバーと、前記筒状回転
体下部の内周面上に前記カム溝に嵌挿するように突出し
たピンとを設け、該ピンが前記球面カムプレートの回転
に伴ってカム溝に沿って摺動することにより前記トレイ
を３次元的に回転させながら傾斜させることを特徴とす
る仕分装置により達成される。すなわち、トレイの回転
開始時及び停止時の加減速度が極めて小さくなるような
カム溝を採用することにより、物品に与える衝撃を最小
限に抑えることができる。

【０００７】

【作用】定常走行にある時は、筒状回転体は回転しない
ように一対の球面カムプレートに挟まれロックされてお
り、回転体の頂部に設けられたトレイは水平状態にあ
る。従って、物品の仕分け位置以外では、トレイに載置
された物品が滑降することはなく、仕分けは行われな
い。一方、仕分け位置に来た時は、一方の駆動レバーが
仕分装置とは別部材のガイド部材によって後方に押上げ
られ、該駆動レバーに直結されている球面カムプレート
が回転する。この時、筒状回転体の内周面に設けられた
ピンがこの球面カムプレートのカム溝に嵌挿されながら
摺動され、該ピンと一体の筒状回転体はピンの摺動方向
と同じ方向に回転する。これにより、筒状回転体の頂部
に設けられた前記トレイは斜め前方に傾斜し、物品が滑
降して仕分けが行われる。なお、仕分装置全体を移動さ
せる駆動手段は、リニアモータ、フリクションドライ
ブ、ウォームホイール等でよく、各種手段に適用できる
ように基台等の走行に係わる部分は汎用性を持たせて構
成されている。

【０００８】

【実施例】次に、図１乃至図１０を参照して本発明を適
用したトレイ型仕分装置の実施例を説明する。なお、図
１はトレイ型仕分装置（以下、単に仕分装置という）の
進行方向に対して直角方向から見た側面図であり、図２
は進行方向に対して後方から見た正面図であり、図３乃
至図５は要部の拡大正面図であり、図６はガイド部材と
の関係を示した側面図であり、図７はガイド部材との関
係を示した正面図であり、図８は復帰レールとの関係を
示した側面図であり、図９は第２実施例を示した正面図
であり、図１０は第２実施例を示した側面図である。

【０００９】図１は本発明を適用した仕分装置の第１実
施例を示した側面図であり、仕分装置１の基本構成は、
一対のガイドレール２に案内されつつ基台３に配置され
たローラ４の回転によって走行する台車５と、この台車
上の所定位置に固定された略く字状に形成された筒状支
持体８と、この筒状支持体上部で所定の傾斜角を持った
屈曲部上に同じ傾斜角を持たせ回転自在に連結された筒
状回転体７と、該回転体の上端部の水平面内に固定され
たトレイ６とから構成されている。

【００１０】前記略く字状に曲がった筒状支持体８の上
部は開口しており、カム溝１４を備えた一対の球面カム
プレート１０が筒状支持体の上部にベアリングを介して
貫通支持された作動アーム９と一体成形されている。前
記球面カムプレート１０を駆動させるための駆動レバー
１１が筒状支持体の外周面側に突出した作動アームの端
部に直角に固定され、球面カムプレートと一体的に回動
するようになっている。この駆動レバーの他端部にはホ
イール１２を備えている。一方、前記筒状回転体７の連
結部１５側端部の内周面に設けたピン１３はカム溝１４
に嵌挿しながら球面カムプレート１０の回動に伴って筒
状回転体７を回転させる。なお、前記連結部１５は、ベ
アリング等を介して滑らかに回転するように構成されて
おり、回転した時のトレイ６の状態は２点鎖線で示した
様に進行方向に対して左斜め前方に傾斜する。

【００１１】ガイドレール２に沿って移動するためのロ
ーラ４は溝状のガイドレール２の内面に接触しながら回
転して移動する。特に、筒状回転体７の回転に伴い仕分
装置１全体が不安定となるため、このガイドレールの溝
により転倒を防止するものである。駆動レバー１１が作
動アーム９を中心に揺動すると、それに伴って球面カム
プレート１０が駆動レバーの揺動方向と同方向に回転す
る。球面カムプレート１０のカム溝１４に嵌挿している
ピン１３は球面カムプレートの回転に伴いカム溝中を摺
動する。これにより、前記ピン１３と一体の筒状回転体
７はピン１３の摺動方向に回転する。

【００１２】傾斜して設置されている前記筒状回転体７
に対して水平に固設されたトレイ６は、筒状回転体７の
回転に伴って、スパイラル状に回転し、進行方向の左斜
め前方に傾斜する（２点鎖線で示した状態）。なお、実
際には筒状回転体７は３６０゜回転させることはなく、
適宜な範囲で回転する。また、仕分装置全体を移動させ
る駆動手段は、リニアモータ、フリクションドライブ、
ウォームホイール等、特に限定するものではなく、また
走行手段もローラでなく、コンベア上に固設してもよ
い。よって、各種手段に適用できるように基台等の走行
に係わる部分は汎用性を持たせて構成されている。

【００１３】図２は進行方向に対して後方（図１の左方
向）から観た正面図であり、構造的に左右対称的な各々
独立した駆動機構になっている。基台３の両側面に配置
されたローラ４が溝状ガイドレール２の内側面上を転動
することにより仕分装置全体が走行して行く。トレイ６
上に載せられた搬送物品を搬送方向に対して右側に分配
するか、又は左側に分配するかによって、駆動部材が異
なる。即ち、右側の駆動レバー１１ａが進行方向に対し
て逆方向（図２中では手前方向）に揺動するとトレイ６
は左斜め前方に傾斜し（２点鎖線で示したトレイ６の状
態）、左側の駆動レバー１１ｂが進行方向に対して逆方
向に揺動するとトレイ６は右斜め前方に傾斜して物品を
滑降させる。以下、搬送方向に対して左側に搬送物品を
分配する場合について説明する。

【００１４】前記駆動レバー１１ａが進行方向に対して
逆方向（図２中では手前方向）に揺動すると、駆動レバ
ー１１ａとボス２５を介して連結され、ベアリング１６
によって筒状支持体８に支持されている作動アーム９ａ
が回転する。その動きに伴って、作動アーム９ａと一体
構造の球面カムプレート１０ａは駆動レバー１１ａの揺
動方向と同一方向に回転する。すると、球面カムプレー
トのカム溝１４ａに嵌挿されている筒状回転体７と一体
のピン１３はカム溝の形状に沿って嵌挿したまま右方向
に摺動する。よって、ピン１３を内周面上に固設した筒
状回転体７は反時計回りに回転し、筒状回転体上部に固
設されたトレイ６も同方向に回転する。しかも、回転に
伴ってトレイは徐々に傾斜を増して行き、搬送物品を滑
降させる左斜め前方で回転を停止させ、物品を滑降させ
る（２点鎖線で示したトレイ６の状態）。上記一連の運
動をしている時、左側の駆動レバー１１ｂ、作動アーム
９ｂ並びに球面カムプレート１０ｂは連動せず、静止状
態にある。よって、逆に左側の球面カムプレート１０ｂ
が回転する時、ピン１３は球面カムプレート１０ｂのカ
ム溝１４ｂに嵌挿したまま左方向に摺動し、右側の球面
カムプレート１０ａは静止状態にある。

【００１５】図３から図５は球面カムプレートの動作状
態を示すもので、搬送方向に対して左側に搬送物品を分
配する場合について、即ち中心から右側の部材の作動状
態について説明する。図３は定常走行時の球面カムプレ
ートがロックされている状態を示している。球面カムプ
レート１０ａは仮想球１８（２点鎖線）の表面上を作動
アーム９ａを中心に回転し、それに伴って、ピン１３は
回転軌道１９上をカム溝１４ａに嵌挿したまま移動す
る。この回転軌道１９は筒状回転体７が筒状支持体８に
対して傾斜して該支持体上部に連結されているため、大
円２０に対して角度を持ち、仮想球１８の表面上にあ
る。一方、駆動レバー１１ａは、図６中に図示されてい
るガイド部材によって進行方向とは逆の方向に作動アー
ム９ａを中心に揺動する。しかし、カム溝の最奥部１４
Ａでピン１３は係止されるので、駆動レバー１１ａの回
転範囲も制限され、単に所定範囲内の円弧運動をする。
作動アーム９ａは筒状構造をしており、球面カムプレー
ト１０ａと補強用の梁９Ａと共に一体的に鋳造成形によ
って形成されている。仮想球１８の中心を通り筒状支持
体８を貫通している支持軸１７が作動アームの中を貫通
しており、該作動アームの補強の役割をしている。尚、
支持軸１７の外径は作動アームの内径よりも小さく、し
かも作動アームとは別体構成のため、作動アームの回転
に伴って回転することはない。

【００１６】球面カムプレート１０ａは、該球面カムプ
レートの回転軸である作動アーム９ａが仮想球１８の中
心に向いているので、回転時に仮想球１８の表面を撫で
るように移動する。また、カム溝１４ａとピン１３との
仮想球の半径方向における位置関係は、ピン１３の軌道
も仮想球１８の表面上にあるため、変化することなく常
に一定となる。球面カムプレート上のカム溝１４ａの形
状により筒状回転体７の回転速度を自由に制御できるた
め、トレイの回転に伴う傾斜の変化と滑降による物品に
与えるショックを柔げることができる。

【００１７】トレイ６が傾斜していない定常走行時、仕
分物品の偏荷重によってトレイを回転させようとする力
が働く。しかしながら、ピン１３から球面カムプレート
１０ａに与えられる力は作動アーム９ａの軸方向に向い
ており、球面カムプレートを回転させる力とはならな
い。従って、ピン１３は図３中の筒状支持体８の中心線
上の大円２０と回転軌道１９とが一致する位置にロック
される。よって、ピン１３を旋回方向に移動させるため
には球面カムプレート１０ａを上方に回転させればよ
く、即ち駆動レバー１１ａを揺動させることによっての
み可能となる。

【００１８】図４は球面カムプレート１０ａが仮想球の
表面上を回転している中間状態を示している。駆動レバ
ー１１ａが進行方向と逆の方向（図４中では手前方向）
に揺動した時、左側の球面カムプレート１０ｂの一部と
左右対称に重なっていた球面カムプレート１０ａは仮想
球８の上方表面を撫でるように回転移動して行く。この
球面カムプレートの動きに伴い、ピン１３はカム溝１４
ａに嵌挿したまま右方向に移動することにより、筒状回
転体７は反時計回りに回転する。

【００１９】図５はピン１３がカム溝１４ａの最奥部１
４Ａまで移動し、球面カムプレート１０ａが仮想球１８
の表面上を回転して最上部に到達した状態を示してい
る。この時、図示されていないトレイは進行方向に対し
て左側前方に最も傾斜した状態になる。ピン１３がカム
溝の最奥部１４Ａで係止されることにより、筒状回転体
７はロックされる。よって、駆動レバー１１ａの揺動角
もこれ以上大きくなることはない。そして、図８に図示
した復帰部材によって駆動レバー１１ａを定常状態の位
置に戻すことにより、球面カムプレート１０ａは逆転し
て元の位置に戻り、筒状回転体７も時計回りに逆回転し
て定常状態の位置に戻る。

【００２０】図６は作動アーム９を中心に駆動レバー１
１を揺動させるためのホイールガイド部材２１の側面図
を示す。このホイールガイド部材２１は固定ガイド部材
２２と切替スイッチ部材２３とから成り、切替スイッチ
部材２３はロータリーソレノイド２４によって進行方向
に垂直な面内で円弧運動をする。固定ガイド部材２２は
ガイドレール２に固定されており、ロータリーソレノイ
ド２４は固定ガイド部材側部に支持されている。また、
固定ガイド部材２２と切替スイッチ部材２３の上部には
ホイール１２を誘導する所定の傾斜角を持ったホイール
ガイドレール２２Ａ，２３Ａが連続的に設けられてい
る。このホイールガイドレール２２Ａ，２３Ａの傾斜角
度の大きさによりトレイ６の回転速度が決定され、傾斜
の長さによってトレイ６の回転角度が決定される。

【００２１】物品を載置した仕分装置１がホイールガイ
ド部材２１の設置されている任意の仕分位置を単に通過
する場合、切替スイッチ部材２３は、ガイドレール２の
外側域に転倒した状態（待避状態）にあり、ホイール１
２はホイールガイド部材２１に接触することはない。よ
って、駆動レバー１１が揺動しないのでトレイ６は回転
することなく水平状態のままで通過して行く。一方、ト
レイ６上に載置した物品が仕分されるべき所定の仕分位
置に接近した場合、予め仕分位置に設置さている切替ス
イッチ部材２３がロータリーソレノイド２４によって待
避していた位置から駆動され、固定ガイド部材側のホイ
ールガイドレール２２Ａと該切替スイッチ部材側のホイ
ールガイドレール２３Ａとが連続的に連通する位置まで
円弧運動する。

【００２２】ホイール１２が切替スイッチ部材２３内の
レール入口２６からホイールガイドレール２３Ａ内を転
動して固定ガイド部材２２内のレール出口２７に向かっ
て、仕分装置１の移動速度に伴って転動して行く。この
ホイール１２の転動に伴って、駆動レバー１１が進行方
向に対して逆方向に揺動し、筒状回転体７を反時計回り
に回転させる。よって、トレイ６は回転しながら傾斜角
度を増して行く。そして、ホイール１２が固定ガイド部
材２２内のレール出口２７に達することで駆動レバー１
１の揺動角は最大となる。これによりトレイ６の回転は
止り、傾斜角度は最大に成る。この結果、トレイ６上に
載置された物品がトレイの傾斜方向に滑降し、物品の仕
分けが行われることになる。

【００２３】図７はホイールガイド部材２１と仕分装置
１との関係を示す正面図である。仕分動作をしない定常
状態では、左側のホイールガイド部材２１ｂのように、
切替スイッチ部材２３ｂは外側に転倒状態で待避してお
り、ホイール１２ｂは切替スイッチ部材２３ｂは勿論の
こと、固定ガイド部材２２ｂにも接触しない。よって、
駆動レバー１１ｂは揺動せず、筒状回転体７は回転しな
い。

【００２４】トレイ６上に載置された物品を滑降させる
所定の仕分位置に接近した時、ロータリーソレノイド２
４ａが作動して、切替スイッチ部材２３ａは待避してい
た位置から固定ガイド部材２２ａのホイールガイドレー
ル２２Ａと該切替スイッチ部材のホイールガイドレール
２３Ａとが連通する位置まで回転移動させられる。

【００２５】図８は、トレイ６を傾斜状態から水平状態
に戻すための復帰レール２８を示した側面図である。仕
分け動作終了後、仕分装置１全体がガイドレール２上を
走行して行き、揺動していた駆動レバーのホイール１２
が復帰レール２８の下面に沿って転動して行く。この復
帰レール２８の途中に進行方向に下る傾斜部２８Ａを設
け、ホイール１２が傾斜に沿って転動することにより駆
動レバー１１を動作前の垂直状態に戻すことができる。
よって、作動アーム９は進行方向に揺動して、筒状回転
体７を時計回りに逆回転させることにより傾斜状態のト
レイ６を定常時の水平状態に容易に戻すことができる。

【００２６】本実施例に示した仕分装置の回動部分は、
筒状支持体８と作動アーム９との支持部分と、筒状支持
体８と筒状回転体７との連結部分だけであり、ベアリン
グ機構等により回動を円滑に行うことができる。また、
筒状回転体７の回動及びロック機構も極めて簡単な構造
の作動アーム９と球面カムプレートによって行われる。
従って、仕分装置１の全体構造は簡略化され、部品点
数、作業工数の削減を図ることができる。

【００２７】次に、図９乃至図１０を参照して本発明の
第２実施例を説明する。図９は第２実施例の正面図であ
り、図１０は側面図である。基台３８上の前端部に支持
スタンド３５及び後端部に該支持スタンド３５より短い
支持スタンド３６を各々垂直に固設し、球面カムプレー
ト３０ａ，３０ｂを支持する支持軸４２が固設されたリ
ング状支持体４０は進行方向に対し後方に傾斜を持たせ
て基台３８上の支持スタンド３５及び３６に固設されて
いる。この筒状回転体３３はリング状支持体４０の内周
面上にベアリング機構等により連結されており、リング
状支持体４０が傾斜して固設されているため該筒状回転
体自身も傾斜している。よって、仕分物品を載置するた
めのトレイ３７を水平に配置するために、該トレイ３７
は筒状回転体３３に対して斜めに固設されている。

【００２８】この実施例の特徴は、筒状支持体を除外し
て、リング状支持体４０と支持スタンド３５及び３６に
よって球面カムプレート３０ａ，３０ｂ等の要部を支持
した点と、作動アームを除外して、駆動レバー２９ａ，
２９ｂを球面カムプレート３０ａ，３０ｂの各々側面の
溶接部３４に直接接合した点にある。よって、駆動機構
は基本的に第１実施例と同じであるが、筒状支持体がな
いため球面カムプレート３０ａ，３０ｂが露出してお
り、部材の取付けやメンテナンスが容易である。また、
作動アームがないため球面カムプレートの製作工程も簡
略化される。

【００２９】上記第１実施例と同様に、中心から右側の
各部材の動きに関して説明する。ガイドレールの内側面
をローラ３９により走行する仕分装置１において、図示
されてないホイールガイド部材上をホイール３４ａが転
動することにより駆動レバー２９ａが進行方向とは逆の
方向に揺動される。これにより、一体構成である球面カ
ムプレート３０ａも同じ角度だけ支持軸４２の外周面上
で回転する。よって、筒状回転体３３の下部内周面上に
あり、カム溝４３ａに嵌挿されているピン４１がカム溝
中を右側に摺動することにより、筒状回転体３３と共に
トレイ３７は反時計回りに回転しながら徐々に傾斜し
て、物品を滑降仕分することができる。

【００３０】筒状回転体３３上に設けた突起部３２が回
転に伴ってリング状支持体４０に設けた旋回ストッパ３
１に当接することで、ピン４１がカム溝４３ａの最奥部
まで至らなくても回転を停止させることができる。よっ
て、突起部３２または旋回ストッパ３１の位置を任意に
設定することにより、トレイ３７の適宜な傾斜角度を選
択することができる。これにより、トレイ３７の過度の
傾きによる物品の破損等を防止することができる。

【００３１】仕分装置全体を移動させる駆動手段は、リ
ニアモータ、フリクションドライブ、ウォームホイール
等、特に限定されるものではない。また走行手段もロー
ラでなく、コンベア上に直接固設してもよい。よって、
各種手段に適用できるように基台等の走行に係わる部分
は汎用性を持たせて構成されている。

【００３２】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は前記に限定されるものではない。例えば、物品の仕
分方向が斜め前方の場合の実施例を説明したが、斜め後
方にトレイを回転傾斜させて物品を滑降させることも可
能である。また、球面カムプレートの形状は部分的な球
面状であったが、単体での形状を半球状にしてもよく、
一対の球面カムプレートの設置状態が球状に構成される
ことも可能である。また、ピンの取付位置は進行方向側
にあってもよく、そのとき球面カムプレート上のカム溝
も進行方向側に構成される。更に、筒状回転体の形状は
筒状に限定せず、角柱状であってもよく、筒状支持体８
の傾斜角度も特に限定されない。

【００３３】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るト
レイ型仕分装置は、３次元の複雑な動きになるが、駆動
レバーの動きは２次元の単純な円弧運動となるため、切
替スイッチの構造が簡略化され、駆動レバーのホイール
に横滑りの不自然な力が働かず、信頼性が高くなり、部
品点数、組立工数の削減を図ることができる。また、仕
分けのための運動が簡略化された他、トレイの傾斜速度
をコントロールできるため、仕分け時のショックがなく
かつ確実な仕分けが行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例であるトレイ型仕分装置の
全体構造を示す側面図である。

【図２】第１実施例であるトレイ型仕分装置の全体構造
を示す正面図である。

【図３】球面カムプレートの駆動前の拡大正面図であ
る。

【図４】球面カムプレートの駆動開始時の拡大正面図で
ある。

【図５】球面カムプレートの最大駆動時の拡大正面図で
ある。

【図６】トレイ型仕分装置とホイールガイド部材との関
係を示す側面図である。

【図７】トレイ型仕分装置とホイールガイド部材との関
係を示す正面図である。

【図８】トレイ型仕分装置と復帰レールとの関係を示す
側面図である。

【図９】本発明の第２実施例であるトレイ型仕分装置の
全体構造を示す正面図である。

【図１０】第２実施例であるトレイ型仕分装置の全体構
造を示す側面図である。

【符号の説明】

１ トレイ型仕分装置 ２ ガイドレール ３，３８ 基台 ４ 走行ローラ ６，３７ トレイ ７，３３ 筒状回転体 ８ 筒状支持体 ９ 作動アーム １０，３０ 球面カムプレート １１，２９ 駆動レバー １２ ホイール １３，４１ ピン １４，４３ カム溝 ２２ 固定ガイド部材 ２３ 切替スイッチ部材 ２２Ａ，２３Ａ ホイールガイドレール ２８ 復帰レール ３１ 旋回ストッパ ３２ 突起部 ３５ 前方スタンド ３６ 後方スタンド ４０ リング状支持体 ４２ 支持軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドレールに沿って走行する台車上で
   鉛直方向に対して所定の傾斜角を持って回転可能な筒状
   回転体と、該筒状回転体上部に固着され物品を載置する
   ためのトレイとを備え、該トレイを傾斜させて物品を滑
   降させる仕分装置において、前記筒状回転体の回転を制
   御するためのカム溝を備え走行方向に対して直角に配置
   された支持軸を中心に回転自在に設けられた一対の球面
   カムプレートと、該球面カムプレートと一体的に２次元
   揺動して球面カムプレートの回転を制御する駆動レバー
   と、前記筒状回転体下部の内周面上に前記カム溝に嵌挿
   するように突出したピンとを設け、該ピンが前記球面カ
   ムプレートの回転に伴ってカム溝に沿って摺動すること
   により前記トレイを３次元的に回転させながら傾斜させ
   ることを特徴とする仕分装置。