JPH051584A - エンジン及び自動変速機の制御装置 - Google Patents

エンジン及び自動変速機の制御装置

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JPH051584A
JPH051584A JP3154491A JP15449191A JPH051584A JP H051584 A JPH051584 A JP H051584A JP 3154491 A JP3154491 A JP 3154491A JP 15449191 A JP15449191 A JP 15449191A JP H051584 A JPH051584 A JP H051584A
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torque
engine
automatic transmission
shift
speed
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JP3154491A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sasaki
和夫 佐々木
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時にエンジンのトルクダウンが行なわれ
るようになった自動変速機搭載車において、引き込みを
悪化させることなく有効に突き上げショックを抑制する
ことができるエンジン及び自動変速機の制御装置を提供
することを目的とする。 【構成】 自動変速機Tの変速時において、変速動作に
起因するタービン回転数変化が生じたときにエンジン1
の全気筒燃料カットによるトルクダウンを開始するよう
になったエンジン1及び自動変速機Tの制御装置におい
て、上記トルクダウンに先立って、半気筒燃料カットに
よる軽い先行トルクダウンを行なう一方、先行トルクダ
ウンが行なわれる際には、全気筒燃料カットの開始タイ
ミングを判定するためのタービン回転数変化の有無の判
定を禁止するようになっていることを特徴とする。好ま
しくは、上記制御装置が、高負荷時のみかかる先行トル
クダウン及びトルクダウンを行なうようになっているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン及び自動変速
機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと変速歯車機構とが設けられる。ここで、
トルクコンバータは、エンジン出力軸のトルクを変速し
てタービンシャフトに伝達し、変速歯車機構は、タービ
ンシャフトのトルクをさらに変速して、かつ後進時には
回転方向を逆転させて駆動輪側に伝達するようになって
いる。上記変速歯車機構は、通常、サンギヤとリングギ
ヤとピニオンギヤとキャリアとを備えたプラネタリギヤ
システムからなり、かかる変速歯車機構には、タービン
シャフトと所定の各ギヤとを締結または遮断する(オン
・オフする)複数のクラッチと、所定のギヤないしキャ
リアを固定または解放する(オン・オフする)複数のブレ
ーキとが設けられる。そして、変速歯車機構は、油圧機
構によって各クラッチと各ブレーキのオン・オフパター
ンが切り替えられ、これによってプラネタリギヤシステ
ム内での動力伝達経路が切り替えられ、変速及び前進・
後進切り替えが行なわれるようになっている。
【0003】そして、例えば前進4段の変速歯車機構を
備えた自動変速機搭載車において、変速時、例えば2速
から3速へのシフトアップ時には、2−4ブレーキがオ
フされる一方、3−4クラッチとコーストクラッチとが
オンされることになる。かかる変速動作においては、変
速動作開始直後に一時的に(一瞬)変速歯車機構がクラッ
チ等の作動により伝達トルクが吸収される状態となるの
で、変速初期に車体の前後加速度が落ち込むといった現
象、いわゆる引き込みが発生する。そして、変速中期以
降において、回転数が低下し始めると、エンジントルク
の駆動輪側への伝達量が急上昇するので、車体の前後加
速度が急上昇するといった現象、いわゆる突き上げが発
生し、これによってショック(突き上げショック)が発生
する。そこで、このような突き上げショックの発生を防
止するために、変速時にエンジンのトルクダウンを行な
うようにした自動変速機搭載車が提案されている(例え
ば、特開昭60−227049号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開昭60−227049号公報に記載されたような、
変速時にトルクダウンが行なわれる従来の自動変速機搭
載車では、変速初期に、トルクダウンと引き込みとが同
期すると、車体の前後加速度の落ち込みが非常に大きく
なり(引き込みが悪化し)、これによってショック(引き
込みショック)が生じてしまうといった問題がある。こ
れを改善するため、トルクダウンを開始する時期を、引
き込みが収まる時期、例えば変速動作に起因してタービ
ン回転数が変化し始める時期まで遅らせるようにした自
動変速機搭載車が提案されているが、このようにすると
引き込みの悪化ないし引き込みショックの発生は防止さ
れるものの、突き上げショックを十分に抑制することで
きなくなるといった問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、変速時にエンジンのトルク
ダウンが行なわれるようになった自動変速機搭載車にお
いて、引き込みを悪化させることなく有効に突き上げシ
ョックを抑制することができるエンジン及び自動変速機
の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、自動変速機の変速時において、変速
動作に起因する変速機入力側回転数の変化の有無を判定
する回転数変化判定手段と、該回転数変化判定手段によ
って上記回転数変化が生じたと判定されたときにエンジ
ンのトルクダウンを開始するトルク変更手段とが設けら
れたエンジン及び自動変速機の制御装置において、上記
トルク変更手段によるトルクダウンに先立って、該トル
クダウンよりは軽い先行トルクダウンを行なうトルク抑
制手段と、該トルク抑制手段によって先行トルクダウン
が行なわれる際には、上記回転数変化判定手段による変
速機入力側回転数の変化の有無の判定を禁止する回転数
変化判定禁止手段とが設けられていることを特徴とする
エンジン及び自動変速機の制御装置を提供する。
【0007】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ン及び自動変速機の制御装置において、トルク抑制手段
が、エンジンの一部の気筒への燃料供給を停止すること
によって先行トルクダウンを行なうようになっており、
かつトルク変更手段が、エンジンの全気筒への燃料供給
を停止することによってトルクダウンを行なうようにな
っていることを特徴とするエンジン及び自動変速機の制
御装置を提供する。
【0008】第3の発明は、第2の発明にかかるエンジ
ン及び自動変速機の制御装置において、トルク抑制手段
とトルク変更手段とが、エンジンの高負荷時にのみ、夫
々、先行トルクダウンとトルクダウンとを行なうように
なっていることを特徴とするエンジン及び自動変速機の
制御装置を提供する。
【0009】第4の発明は、自動変速機の変速時におい
て、変速開始後、変速動作に起因する変速機入力側回転
数の変化が生じる前に、軽いトルクダウンを開始する軽
度トルク変更手段が設けられていることを特徴とするエ
ンジン及び自動変速機の制御装置を提供する。
【0010】第5の発明は、第4の発明にかかるエンジ
ン及び自動変速機の制御装置において、軽度トルク変更
手段が、エンジンの一部の気筒への燃料供給を停止する
ことによって軽いトルクダウンを行なうようになってい
ることを特徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置
を提供する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、4気筒エンジン1と自動変速機Tと
からなる横置き搭載型パワープラントPTを備えたFF
車(フロントエンジン・フロントドライブ車)において
は、エンジン1の出力トルクが、自動変速機Tを構成す
るトルクコンバータ2及び多段変速歯車機構3によって
変速された後、ディファレンシャル装置4を介して、左
右のフロントアクスルシャフト5,6に伝達されるよう
になっている。そして、エンジン1の各気筒において
は、夫々、独立吸気通路7からシリンダ8内に混合気が
供給され、この混合気がピストン(図示せず)によって圧
縮された後点火プラグ9によって着火・燃焼させられ、
この後燃焼ガスが独立排気通路10を介して排出される
ようになっている。ここで、各独立吸気通路7に臨ん
で、夫々、吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁11
が設けられている。また、点火プラグ9へは、ディスト
リビュータ13と点火コイル部14と点火制御部15と
によって、所定のタイミングで高電圧の点火用電力が供
給されるようになっている。各独立吸気通路7は上流側
で1つの共通吸気通路17に集合され、この共通吸気通
路17には、アクセルペダル(図示せず)と連動して開閉
されるスロットル弁18が介設されている。
【0012】図2に示すように、自動変速機Tにおいて
は、トルクコンバータ2は、エンジン出力軸21のトル
クを変速してタービンシャフト22に伝達し、変速歯車
機構3は、タービンシャフト22のトルクをさらに変速
し、また後進段が選択されているときには回転を逆転さ
せて、出力ギヤ24を介してディファレンシャル装置4
(図1参照)に出力するようになっている。なお、タービ
ンシャフト22はパイプ状に形成され、その中空部には
エンジン出力軸21に連結されたポンプシャフト26が
配設され、このポンプシャフト26によってオイルポン
プ27が回転駆動されるようになっている。
【0013】トルクコンバータ2は、実質的に、連結部
材28を介してエンジン出力軸21に連結されたポンプ
29と、タービンシャフト22に連結されポンプ29か
ら吐出される作動油によって回転駆動されるタービン3
0と、タービン30からポンプ29に還流する作動油を
ポンプ29の回転を促進する方向に整流するステータ3
1とで構成され、ポンプ29とタービン30の回転数差
に応じた変速比で、エンジン出力軸21のトルクを変速
するようになっている。ここで、ステータ31はステー
タ用ワンウェイクラッチ32を介して変速機ケース33
に固定されている。なお、必要に応じてエンジン出力軸
21とタービンシャフト22とを直結させるロックアッ
プクラッチ34が設けられている。
【0014】変速歯車機構3は、一般に知られた普通の
プラネタリギヤシステムであって、この変速歯車機構3
には、タービンシャフト22に遊嵌された比較的小径の
スモールサンギヤ35と、このスモールサンギヤ35よ
り後方(図2では右側)でタービンシャフト22に遊嵌さ
れた比較的大径のラージサンギヤ36と、スモールサン
ギヤ35と噛み合う複数のショートピニオンギヤ37
(1つのみ図示)と、前部(図2では左側)がショートピニ
オンギヤ37と噛み合い後部がラージサンギヤ36と噛
み合うロングピニオンギヤ38と、さらにこのロングピ
ニオンギヤ38と噛み合うリングギヤ39と、ショート
ピニオンギヤ37とロングピニオンギヤ38とを回転自
在に支持するキャリア40とが設けられている。この変
速歯車機構3では、変速段に応じてスモールサンギヤ3
5、ラージサンギヤ36またはキャリア40がトルク入
力部となる一方、どの変速段でもリングギヤ39がトル
ク出力部となる。なお、リングギヤ39は出力ギヤ24
に連結されている。
【0015】そして、変速歯車機構3内でのトルク伝達
経路を切り替えるために、すなわち変速比を切り替えあ
るいは出力ギヤ24の回転方向を切り替えるために、複
数のクラッチ及びブレーキが設けられている。具体的に
は、タービンシャフト22とスモールサンギヤ35との
間には、フォワードクラッチ41と第1ワンウェイクラ
ッチ42とが直列に介設されるとともに、両クラッチ4
1,42に対して並列にコーストクラッチ43が介設さ
れている。そして、タービンシャフト22とキャリア4
0との間には3−4クラッチ44が介設され、タービン
シャフト22とラージサンギヤ36との間にはリバース
クラッチ45が介設されている。また、ラージサンギヤ
36とリバースクラッチ45との間には、所定の変速段
でラージサンギヤ36を固定するための、サーボピスト
ンによって作動させられるバンドブレーキからなる2−
4ブレーキ46が設けられている。さらに、キャリア4
0と変速機ケース33'との間には、所定の変速段でキ
ャリア40を固定するローリバースブレーキ47と、キ
ャリア40の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ
48とが並列に介設されている。なお、以下では、適宜
これらのクラッチとブレーキとを 「摩擦締結要素」 と総
称する。
【0016】そして、各クラッチ41,43,44,45
と各ブレーキ46,47のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。以下、表1を参照
しつつ、各レンジないし変速段におけるトルク伝達経路
とその変速特性とを説明する。
【0017】
【表1】
【0018】(1)Pレンジ(パーキングレンジ)…すべて
の摩擦締結要素がオフされる。この場合、タービンシャ
フト22のトルクは変速歯車機構3に伝達されない。 (2)Rレンジ(リバースレンジ)…リバースクラッチ45
とローリバースブレーキ47とがオンされ、他の摩擦締
結要素はオフされる。ローリバースブレーキ47がオン
されているので、これと並列に配設された第2ワンウェ
イクラッチ48は、格別の作用を及ぼさない。第1ワン
ウェイクラッチ42は、トルク伝達経路から外れ、格別
の作用を及ぼさない。この場合、タービンシャフト22
のトルクが、リバースクラッチ45を介してラージサン
ギヤ36に入力される。そして、ローリバースブレーキ
47によってキャリア40が固定されているので、ラー
ジサンギヤ36とロングピニオンギヤ38とリングギヤ
39とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能
する。したがって、ラージサンギヤ36に入力されたト
ルクは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、ラージサン
ギヤ36の歯数とリングギヤ39の歯数とによって決定
される大きな減速比で変速され、出力ギヤ24に出力さ
れる。このRレンジでは、リングギヤ39(出力ギヤ2
4)はラージサンギヤ36(タービンシャフト22)と反
対方向に回転し、フロントアクスルシャフト5,6(図1
参照)が後進側に駆動される。 (3)Nレンジ(ニュートラルレンジ)…Pレンジの場合と
同様である。
【0019】(4)Dレンジ(ドライブレンジ)1速…フォ
ワードクラッチ41がオンされ、他の摩擦締結要素はオ
フされる。第1,第2ワンウェイクラッチ42,48は通
常ロック状態となるが、コースティング時には空転す
る。この場合、タービンシャフト22のトルクが、順に
フォワードクラッチ41と第1ワンウェイクラッチ42
とを介してスモールサンギヤ35に入力される。そし
て、第2ワンウェイクラッチ48によってキャリア40
が固定されるので、スモールサンギヤ35とショートピ
ニオンギヤ37とロングピニオンギヤ38とリングギヤ
39とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能
する。したがって、スモールサンギヤ35に入力された
トルクは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、スモール
サンギヤ35の歯数とリングギヤ39の歯数とによって
決定される大きな減速比で変速され、出力ギヤ24に出
力される。この場合、リングギヤ39(出力ギヤ24)は
スモールサンギヤ35(タービンシャフト22)と同一方
向に回転し、フロントアクスルシャフト5,6(図1参
照)が前進側に駆動される。なお、このDレンジ1速で
は、第1ワンウェイクラッチ42の作用によりエンジン
ブレーキは得られない。
【0020】(5)Dレンジ2速…フォワードクラッチ4
1と2−4ブレーキ46とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチ42は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転する。な
お、第2ワンウェイクラッチ48は常時空転する。この
場合、ラージサンギヤ36が固定されるので、ロングピ
ニオンギヤ38が、自転しつつラージサンギヤ36まわ
りを公転する。したがって、基本的には上記Dレンジ1
速の場合と同様の経路でトルクが伝達されるが、リング
ギヤ39の回転数がロングピニオンギヤ38の公転分だ
け高くなるので、Dレンジ1速よりはやや減速比が小さ
くなる。なお、このDレンジ2速では、第1ワンウェイ
クラッチ42の作用によりエンジンブレーキは得られな
い。
【0021】(6)Dレンジ3速…フォワードクラッチ4
1とコーストクラッチ43と3−4クラッチ44とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラ
ッチ43がオンされているので、これと並列に配設され
たフォワードクラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ
42は、格別の作用を及ぼさない。なお、第2ワンウェ
イクラッチ48は常時空転する。この場合、スモールサ
ンギヤ35とキャリア40とが、コーストクラッチ43
とタービンシャフト22と3−4クラッチ44とを介し
て、互いにロックされるので、プラネタリギヤシステム
の一般的な性質に従って、すべてのギヤ35〜39とキ
ャリア40とが固定されて一体回転するようになり、タ
ービンシャフト22と出力ギヤ24とが直結され、した
がってタービンシャフト22のトルクが変速されずに
(減速比1)出力ギヤ24に伝達される。この場合、出力
ギヤ24はタービンシャフト22と同一方向に回転し、
フロントアクスルシャフト5,6(図1参照)が前進側に
駆動される。なお、直結状態にあるこのDレンジ3速
で、エンジンブレーキが得られるのは当然である。
【0022】(7)Dレンジ4速…フォワードクラッチ4
1と3−4クラッチ44と2−4ブレーキ46とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチ42,48は常時空転する。なお、第1
ワンウェイクラッチ42が常時空転するので、フォワー
ドクラッチ41はオンされているものの、格別の作用を
及ぼさない。この場合、タービンシャフト22のトルク
が、3−4クラッチ44を介してキャリア40に入力さ
れ、このキャリア40のトルクは、順に、ロングピニオ
ンギヤ38とリングギヤ39とを介して出力ギヤ24に
伝達される。2−4ブレーキ46によってラージサンギ
ヤ36が固定されているので、ロングピニオンギヤ38
は、自転しつつラージサンギヤ36まわりを公転する。
したがって、リングギヤ39の回転数は、キャリア40
の回転数すなわちタービンシャフト22の回転数より、
ロングピニオンギヤ38の自転分だけ高くなり、変速歯
車機構3はオーバードライブ(増速)状態となる。なお、
リングギヤ39はキャリア40(タービンシャフト22)
と同一方向に回転し、駆動輪が前進側に駆動される。
【0023】(8)2レンジ1速…Dレンジ1速の場合と
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ41とコースト
クラッチ43と2−4ブレーキ46とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ43がオ
ンされているので、これと並列に配設されたフォワード
クラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ42は、格別
の作用を及ぼさない。この場合、トルク伝達経路及び変
速特性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様である
が、第1ワンウェイクラッチ42が働かないので、エン
ジンブレーキが得られることになる。 (10)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合と同様であ
る。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ41とコース
トクラッチ43とローリバースブレーキ47とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ
43がオンされているので、これと並列に配設されたフ
ォワードクラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ42
は、格別の作用を及ぼさず、またローリバースブレーキ
47がオンされているので、これと並列に配設された第
2ワンウェイクラッチ48も、格別の作用を及ぼさな
い。この場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的
にはDレンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワ
ンウェイクラッチ42,48が働かないので、エンジン
ブレーキが得られることになる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
【0024】図3に示すように、多段変速歯車機構3の
各摩擦締結要素のオン・オフパターン(表1参照)を切り
替えるために、すなわちセレクトレンジないし変速段を
切り替えるために油圧回路部50が設けられている。こ
の油圧回路部50は、一般に用いられている普通の変速
機制御用の油圧機構であって、詳しくは図示していない
が、オイルポンプ27(図2参照)から作動油が供給さ
れ、この作動油の油圧を、プレッシャレギュレータバル
ブ52で、車両の運転状態に応じて調整してライン圧を
形成し、このライン圧をマニュアルバルブのセレクトレ
ンジ位置と、各シフトバルブのシフト位置とに応じて、
変速歯車機構3の所定の摩擦締結要素に供給しまたはリ
リースし、セレクトレンジないし変速段の切り替えを行
なうようになっている。この油圧回路部50において、
プレッシャレギュレータバルブ52は、ライン圧制御用
デューティソレノイドバルブ51によって形成されるパ
イロット圧に対応してライン圧を形成するようになって
いる。また、各シフトバルブ(図示せず)は、第1〜第4
ソレノイドバルブ53〜56(図1参照)によってシフト
されるようになっている。なお、ライン圧制御用デュー
ティソレノイドバルブ51と、第1〜第4ソレノイドバ
ルブ53〜56とは、後で説明するように、変速機制御
ユニット58によって制御されるようになっている。
【0025】再び図1に示すように、エンジン1に対し
て所定の各種制御を行なうエンジン制御ユニット57が
設けられるとともに、自動変速機Tに対して所定の変速
制御を行なう変速機制御ユニット58が設けられてい
る。なお、エンジン制御ユニット57及び変速機制御ユ
ニット58は、請求項1〜請求項5に記載された回転数
変化判定手段、トルク変更手段、トルク抑制手段、回転
数変化判定禁止手段及び軽度トルク変更手段を含む、マ
イクロコンピュータで構成された総合的な制御装置であ
る。エンジン制御ユニット57には、ディストリビュー
タ13に対して設けられた回転数センサ61から出力さ
れるエンジン回転数信号Sn、クランク角センサ62か
ら出力されるクランク角信号Sc、水温センサ63から
出力される冷却水温信号Sw、ノッキングセンサ64か
ら出力されるノッキング強度信号Sk、スロットル弁1
8に対して設けられたスロットル開度センサ65から出
力されるスロットル開度信号St、共通吸気通路17に
対して設けられたブーストセンサ66から出力されるブ
ースト信号Sb、その他吸入空気量信号等が制御情報と
して入力されるようになっている。なお、エンジン制御
ユニット57には、変速機制御ユニット58からも変速
状態等を示す所定の信号が入力されるようになってい
る。そして、エンジン制御ユニット57は、これらの制
御情報に基づいて、燃料噴射制御、点火時期制御等の普
通のエンジン制御を行なうとともに、自動変速機Tの変
速時には、変速ショック等の発生を防止するために、後
で説明するようなトルクダウン制御を行なうようになっ
ている。
【0026】ここで、燃料噴射制御は、エンジン回転
数、吸入空気量、吸気温度等に基づいて演算されるシリ
ンダ8への空気充填量をベースにして、エンジン1の運
転状態に応じて設定される所定の空燃比(A/F)の混合
気が得られるように、燃料噴射弁11の燃料噴射パルス
幅を調節することによって行なわれる。また、点火時期
制御は、エンジン1の運転状態に応じて点火進角値を演
算し、この点火進角値とクランク角信号とに基づいて設
定されるタイミングで、点火制御部15に点火時期制御
信号を出力し、これに従って所定のタイミングで点火コ
イル部14からディストリビュータ13を介して各点火
プラグ9に高電圧の点火用電力を供給するといった手順
で行なわれる。なお、トルクダウン制御は、後で説明す
るように、図5〜図8のフローチャートに示すような方
法で行なわれる。
【0027】変速機制御ユニット58には、水温センサ
63から出力される冷却水温信号Sw、スロットル開度
センサ65から出力されるスロットル開度信号St、タ
ービン回転数センサ67から出力されるタービン回転数
信号Su、車速センサ68から出力される車速信号Sv、
ポジションセンサ69から出力されるセレクトレバーの
セレクト位置信号Ss等が制御情報として入力されるよ
うになっている。そして、変速機制御ユニット58は、
これらの制御情報に基づいて、所定の変速制御を行なう
ようになっている。この変速制御は、基本的には、セレ
クト位置信号すなわちセレクトされているレンジ(P,
R,N,D,2,1レンジ)と、スロットル開度と車速とに
応じて、ライン圧制御用デューティソレノイドバルブ5
1と、第1〜第4ソレノイドバルブ53〜56とに、夫
々駆動信号Ca,Cb,Cc,Cd,Ceを印加して、変速歯車
機構3の各摩擦締結要素のオン・オフパターンを切り替
え、変速歯車機構3をセレクトレンジないし車両の運転
状態に応じた変速段に切り替えるようになっている。例
えば、前進用のレンジすなわちD,2,1レンジがセレク
トされているときに、変速段は、図4に示すような変速
用マップに従って、スロットル開度と車速とに応じて自
動的に切り替えられる。なお、本発明の主旨ではないの
で、詳しい説明は省略するが、ライン圧制御用デューテ
ィソレノイドバルブ51は、前記したとおり、プレッシ
ャレギュレータバルブ52(図3参照)用のパイロット圧
を制御するためのすなわちライン圧を制御するための油
圧制御手段であり、第1〜第3ソレノイドバルブ53〜
55は、変速段を切り替えるための油圧制御手段であ
り、第4ソレノイドバルブ56は、ロックアップクラッ
チ34(図2参照)のオン・オフを切り替えるための油圧
制御手段である。
【0028】ところで、エンジン制御ユニット57は、
前記したような通常の各種エンジン制御を行なうほか、
自動変速機Tの変速時には変速機制御ユニット58から
印加される各種信号を受けて、引き込みの悪化を招くこ
となく突き上げショックを有効に抑制できるようなエン
ジン1のトルクダウン制御を行なうようになっている。
以下、図5〜図8に示すフローチャートに従って、適宜
図1〜図4を参照しつつ、2速から3速へのシフトアッ
プの場合を例にとって上記トルクダウン制御の制御方法
を説明する。なお、かかるトルクダウン制御は、すべて
種類の変速時に行なわれるようになっているので、図示
していないが、各シフトアップないしシフトダウン毎
に、個別的にトルクダウン制御の制御ルーチンが備えら
れている。図5〜図8に示すフローチャートで用いられ
ている各記号の意味をまとめて次に示す。 (1)TVO…………スロットル開度センサ65によって
検出されるスロットル開度 (2)TREV………タービン回転数センサ67によって
検出されるタービン回転数 (3)VTREV……タービン回転数TREVを時間につ
いて微分することによって得られるタービン回転数変化
率 (4)CFT…………シフトアップ時に所定時間だけ燃料
カットの開始を遅らせるための燃料カット禁止タイマ (5)XHFINH…半気筒燃料カットが開始されたとき
に、所定時間だけシフトアップに起因するタービン回転
数変化の判定の開始を遅らせるための燃料カットタイミ
ング判定禁止タイマ (6)XHFC………1がたてられたときには、半数の気
筒への燃料供給が停止されるようになっている半気筒燃
料カットフラグ (7)XAFC………1がたてられたときには、全気筒へ
の燃料供給が停止されるようになっている全気筒燃料カ
ットフラグ (8)SFTUP……運転状態が、2速から3速へのシフ
トアップを行なうべき状態になったときに1がたてられ
るシフトアップフラグ (9)TREVn……シフトアップ後予想タービン回転数 (10)TREVX…燃料カット停止タービン回転数
【0029】制御が開始されると、まずステップ#1
で、燃料カット禁止タイマCFTと、燃料カットタイミ
ング判定禁止タイマXHFINHと、半気筒燃料カット
フラグXHFCと、全気筒燃料カットフラグXAFCと
が初期化される(すべて0がセットされる)。ステップ#
2では、スロットル開度TVOと、タービン回転数TR
EVと、タービン回転数変化率VTREVとが読み込ま
れる。ステップ#3では、シフトアップフラグSFTU
Pに1がたてられているか否かが比較・判定される。こ
のシフトアップフラグSFTUPは、変速機制御ユニッ
ト58によって、車両の運転状態が、図4に示すような
変速マップに照らして、2速から3速へのシフトアップ
を行なうべき状態となったときには1がたてられ、3速
へのシフトアップが終了したときに0に戻されるフラグ
である。かかるシフトアップフラグSFTUPは、常時
変速機制御ユニット58からエンジン制御ユニット57
に入力されている。ここで、シフトアップフラグSFT
UPに1がたてられていなければ(NO)、トルクダウン
を行なう必要がないので、ステップ#27で、燃料カッ
ト禁止タイマCFTと、燃料カットタイミング判定禁止
タイマXHFINHと、半気筒燃料カットフラグXHF
Cと、全気筒燃料カットフラグXAFCとに0がセット
され、ステップ#35で通常時用の燃料噴射制御が行な
われる。この後、ステップ#2に復帰する。
【0030】他方、ステップ#3でシフトアップフラグ
SFTUPに1がたてられていると判定されれば(YE
S)、ステップ#4でスロットル開度TVOが所定値T
VO1未満であるかまたは変速機制御ユニット58から
該シフトアップ(2速→3速)以外の変速信号が出力され
たか、それともこれらのいずれにも該当しないかが比較
・判定される。本実施例では、TVOが所定値TVO1
未満であるような低い負荷状態では(以下、これを低負
荷時という)、変速時にトルクダウンを行なわないよう
にしている。けだし、かかる低負荷時においては、もと
もとエンジン1の出力トルクが小さいので、変速歯車機
構3の各摩擦締結要素にかかる油圧を調節するだけで、
突き上げを抑制することができるからであり、トルクダ
ウンを行なったのではかえってエンジントルクが低くな
り過ぎ、摩擦締結要素のオン・オフ時に適度なすべりを
生じさせるためのトルクすら確保できなくなるおそれが
あるからである。また、2速から3速へのシフトアップ
以外の変速信号が変速機制御ユニット58からエンジン
制御ユニット57に出力されたときには、このフローチ
ャートに示す制御ルーチンではなく、図示していない他
の変速時用の制御ルーチンが実行されるので、この制御
ルーチンでトルクダウンを行なう必要がない。ステップ
#4で、TVO<TVO1であるかまたは他の変速信号
が出力されていれば(YES)、少なくともこの制御ルー
チンでは、トルクダウンを行なう必要がないので、ステ
ップ#3でNO判定となった場合と同様に、ステップ#
27とステップ#35とが実行された後、ステップ#2
に復帰する。
【0031】ステップ#4で、TVO≧TVO1であ
り、かつ他の変速信号は出力されていないと判定されれ
ば(NO)、ステップ#5で、スロットル開度TVOが、
上記TVO1よりは大きい値に設定される所定値TVO
2より大きいか否かが比較・判定される。本実施例で
は、スロットル開度TVOが所定値TVO2を超える高
い負荷状態では(以下、これを高負荷時という)、エンジ
ントルクが非常に大きいので、突き上げを有効に抑制す
るために、タービン回転数TREVがシフトアップ動作
に起因して実質的に変化し始める時点から、全気筒への
燃料供給を停止してトルクダウンを行なうとともに(全
気筒燃料カット)、これに先立って所定のタイミング
で、4気筒中の半数の気筒すなわち2つの気筒への燃料
供給を停止することによって軽い先行トルクダウンを行
なうようにしている(半気筒燃料カット)。他方、スロッ
トル開度TVOがTVO2以下となるような中程度の負
荷状態では(以下、これを中負荷時という)、エンジント
ルクがさほど大きくはないので、高負荷時と同様のトル
クダウンを行なったのでは、エンジントルクの不足によ
り摩擦締結要素に適度なすべりが得られなくなるおそれ
がある。そこで、タービン回転数TREVがシフトアッ
プ動作に起因して実質的に変化し始める時点から半気筒
燃料カットのみを行ない、全気筒燃料カットを行なわな
いようにしている。
【0032】ステップ#5で、TVO>TVO2である
と判定されれば(YES)、高負荷時用のトルクダウン制
御が行なわれる。図9に、このような高負荷時用のトル
クダウン制御が時刻t1で開始された場合の、タービン回
転数TREVの時間に対する変化特性を示す(曲線
1)。以下では、適宜この図9を参照しつつ、高負荷時
用の制御方法を説明する。ステップ#6〜ステップ#8
及びステップ#28〜ステップ#29の一連の制御ルー
チンでは、該シフトアップ開始時に燃料カット禁止タイ
マCFTに所定値T1がセットされるとともに、所定の
タイミングで燃料カット停止タービン回転数TREVX
が演算される。燃料カット禁止タイマCFTは、シフト
アップ開始後所定時間T1だけは、半気筒燃料カットの
開始を禁止するためのタイマである。すなわち、シフト
アップ開始と同時に半気筒燃料カットを開始すると、引
き込みが悪化するおそれがあるので、図9中にも示して
いるように、所定時間T1だけ半気筒燃料カットの開始
を遅らせるようにしている。また燃料カット停止タービ
ン回転数TREVXは、該シフトアップ時において、タ
ービン回転数TREVがこのTREVXまで低下したと
きに、燃料カット(トルクダウン)を終了させることにな
っているタービン回転数であって、ステップ#8で、次
の式1と式2とによって演算される。 TREVX=TREV0+OTR・(TREVn−TREV0)……式1 TREVn=TREV0・GR3/GR2…………………………式2 但し、 TREV0……変化開始時タービン回転数 OTR………変速の種類に応じて設定される1未満の定
数 TREVn…シフトアップ後予想タービン回転数 GR3………変速後(3速)のギヤ比 GR2………変速前(2速)のギヤ比 なお、上記TREV0は、基本的には、ステップ#29
が実行されるとき(1回のシフトアップで1度だけ実行
される)のタービン回転数TREVであって、該シフト
アップ動作によってタービン回転数が下がり始めた時点
におけるタービン回転数である。
【0033】これらの一連のステップにおいて、ステッ
プ#6では、前回のシフトアップフラグSFTUP(i−
1)が0でありかつ今回のシフトアップフラグSFTU
P(i)が1であるか否か、すなわち該シフトアップが開
始されて1回目であるか否かが比較・判定され、1回目
であれば(YES)、ステップ#7で、前記した燃料カッ
ト禁止タイマCFTに設定値T1がセットされるととも
に、この時点のタービン回転数TREVが仮の変化開始
時タービン開始時TREV0として記憶される。このT
REV0は仮の値であって、前記のステップ#29がフ
ェイルした場合のバックアップ用である。該シフトアッ
プ時において、2回目からはステップ#6の次にステッ
プ#28が実行される。そしてステップ#28で、前回
のタービン回転数変化率VTREV(i−1)が正であ
り、かつ今回のタービン回転数変化率VTREV(i)が
所定値VTREV1(0以下)より小さいと判定されたと
き(YES)、すなわちタービン回転数TREVが少なく
とも上昇しなくなったときに、1度だけステップ#29
が実行され、このときのタービン回転数TREVが真の
変化開始時タービン回転数TREV0として記憶され
る。このTREV0に基づいて、ステップ#8で燃料カ
ット停止タービン回転数TREVXが演算される。
【0034】ステップ#9〜ステップ#12は、該シフ
トアップが開始された後、燃料カット禁止タイマCFT
が0になるまで、すなわち所定時間T1が経過するまで
待機して、T1が経過したときに半気筒燃料カットフラ
グXHFCに1をたてるとともに、燃料カットタイミン
グ判定禁止タイマXHFINHに所定値T2をセットす
る制御ルーチンである。該シフトアップ開始後所定時間
1が経過すると、図9にも示しているように、時刻t2
で半気筒燃料カットが開始されることになるが、これに
伴って、エンジントルクが若干低下する。このため、A
で示すようなタービン回転数TREVの落ち込みが発生
する。他方、後で説明するように、ステップ#14でタ
ービン回転数TREVが下がり始めたと判定されると、
全気筒燃料カットが行なわれるようになっているので、
この状態でステップ#14の判定が行なわれると、上記
タービン回転数の落ち込み(図9中のA)のために、ター
ビン回転数が下がり始めたものと誤判定され、全気筒燃
料カットが開始されてしまうといった不具合が生じるこ
とになる。かかる不具合を防止するために、図9中にも
示しているように、半気筒燃料カット開始後、これに起
因するタービン回転数TREVの落ち込みが回復するの
に足りる所定時間T2だけ、ステップ#14での上記判
定が実行されないようにし、時刻t3から上記判定を行な
うようにしている。具体的には、ステップ#9で、燃料
カット禁止タイマCFT(i)が0以下であると判定され
れば(NO)、ステップ#10〜ステップ#12をスキッ
プする。他方、CFT(i)>0であると判定されれば(Y
ES)、ステップ#10でCFT(i)を1づつデクリメン
トしつつ、ステップ#11でCFT(i)が0に達したと
判定されたときに(YES)、ステップ#12で半気筒燃
料カットフラグXHFCに1がたてられるとともに、燃
料カットタイミング判定禁止タイマXHFINHに所定
値T2がセットされる。
【0035】ステップ#13〜ステップ#15及びステ
ップ#30は、半気筒燃料カットが開始された後、燃料
カットタイミング判定禁止タイマXHFINH(i)がス
テップ#30で1づつデクリメントされて0になるま
で、すなわち所定時間T2が経過するまでステップ#1
4でのタービン回転数TREVが下がり始めたか否かの
判定を禁止するとともに、T2経過後はタービン回転数
TREVが下がり始めたときに全気筒燃料カットを開始
させる制御ルーチンである。ステップ#14で、タービ
ン回転数変化率VTREVが設定値VTREV2(0以
下の値)より小さくなったと判定されたときに(YE
S)、ステップ#15で全気筒燃料カットフラグXAF
Cに1がたてられ、半気筒燃料カットフラグXHFCが
0に戻される。図9では、時刻t4で全気筒燃料カットが
開始されている。
【0036】ステップ#23〜ステップ#26及びステ
ップ#33〜ステップ#35は、半気筒燃料カットフラ
グXHFC及び全気筒燃料カットフラグXAFCの状態
に対応して、半気筒燃料カット、全気筒燃料カット、通
常時用の燃料噴射制御のいずれかを行なうとともに、半
気筒燃料カットまたは全気筒燃料カットが行なわれてい
るときにタービン回転数TREVが燃料カット停止ター
ビン回転数TREVXより低くなったときに燃料カット
を停止させる制御ルーチンである。具体的には、ステッ
プ#23で、タービン回転数TREVが燃料カット停止
タービン回転数TREVXより小さいか否かが比較・判
定され、TREV≧TREVXであると判定されれば
(NO)、XAFC=1の場合はステップ#26で全気筒
燃料カットによるトルクダウンが行なわれ、XHFC=
1の場合はステップ#34で半気筒燃料カットによる軽
いトルクダウンが行なわれ、XAFC=0かつXHFC
=0の場合はステップ#35でトルクダウンを行なわな
い通常時用の燃料噴射制御が行なわれる。
【0037】つまり、高負荷時においては、図9に示す
ように、時刻t1でシフトアップが開始された後、時刻t2
で半気筒燃料カットすなわち軽い先行トルクダウンが開
始され、時刻t4で全気筒燃料カットすなわちトルクダウ
ンが開始され、時刻t5で上記全気筒燃料カットすなわち
トルクダウンが終了する。このように、タービン回転数
が下がり始める前に、半気筒燃料カットによる軽い先行
トルクダウンが行なわれ、タービン回転数が下がり始め
たとき、すなわち変速歯車機構3の所定の摩擦締結要素
(コーストクラッチ43,3ー4クラッチ44)の締結が
ほぼ開始される時点で全気筒燃料カットによるトルクダ
ウンが行なわれるので、両トルクダウンによって突き上
げが有効に抑制され、突き上げショックないし変速ショ
ックの発生が防止される。また、シフトアップ開始後早
期に半気筒燃料カットが開始されるが、この半気筒燃料
カットによるエンジントルクの低下は、それほど大きく
はないので、引き込みの悪化を招かない。
【0038】ところで、前記のステップ#5で、TVO
≦TVO2であると判定されれば(NO)、中負荷時用の
トルクダウン制御が行なわれる。図10に、このような
中負荷時用のトルクダウン制御が時刻t1'で開始された
場合の、タービン回転数TREVの時間に対する変化特
性を示す(曲線G2)。以下では、適宜この図10を参照
しつつ、中負荷時の制御方法を説明する。ステップ#1
6〜ステップ#18及びステップ#31〜ステップ#3
2の一連の制御ルーチンでは、基本的には、前記した高
負荷時用の制御ルーチンであるステップ#6〜ステップ
#8及びステップ#28〜ステップ#29の場合と同様
の処理が行なわれ、燃料カット禁止タイマCFTに所定
値T1がセットされるとともに、燃料カット停止タービ
ン回転数TREVXが演算される。この場合も、高負荷
時用の制御ルーチンと同様に、燃料カット禁止タイマC
FTは、引き込みの悪化を防止するために、シフトアッ
プ開始後所定時間T1だけ、半気筒燃料カットの開始を
禁止する。なお、この場合燃料カット停止タービン回転
数TREVXは、半気筒燃料カットを終了すべきタービ
ン回転数である。
【0039】ステップ#19〜ステップ#20では、燃
料カット禁止タイマCFTが0になるまで1づつデクリ
メントされる。なお、燃料カット禁止タイマCFTが0
になったときには、これらのステップは実質的には何も
しない。ステップ#21では、燃料カット禁止タイマC
FTが0でありかつタービン回転数変化率VTREV
が、ステップ#14の場合と同様の所定値VTREV2
より小さいか否かが比較・判定され、CFT=0かつV
TREV<VTREV2であれば(YES)、ステップ#
22で半気筒燃料カットフラグXHFCに1がたてられ
る。中負荷時においても、基本的には高負荷時と同様
に、ステップ#23〜ステップ#26及びステップ#3
3〜ステップ#35で、半気筒燃料カットフラグXHF
C及び全気筒燃料カットフラグXAFCの状態に対応し
て、燃料カットないし通常制御が行なわれるとともに、
所定のタイミングで燃料カットが停止されるが、全気筒
燃料カットが行なわれることがないのはもちろんであ
る。
【0040】つまり、中負荷時においては、図10に示
すように、時刻t1'でシフトアップが開始された後、時
刻t4'で半気筒燃料カットによる軽いトルクダウンが開
始され、時刻t5'で上記半気筒燃料カットが終了する。
このように、エンジントルクが比較的小さい中負荷時に
は、タービン回転数が下がり始める時点から半気筒燃料
カットによる比較的軽いトルクダウンを行なうようにし
ているので、エンジントルクの不足が起こらず、変速歯
車機構3の所定の摩擦締結要素に適度なすべりを生じさ
せることができ、良好な変速特性が得られる。
【0041】なお、図5〜図8のフローチャートには示
されていないが、高負荷時、中負荷時ともに、シフトア
ップに起因してタービン回転数が低下し始める時点より
前の段階から、シフトアップが実質的に終了する時点ま
で、連続して半気筒燃料カットのみによる軽いトルクダ
ウンを行なうようにしてもよい。また、先行トルクダウ
ンあるいはトルクダウンを、本実施例のような燃料カッ
トによってではなく、点火プラグ9の点火時期のリター
ド量(遅角量)を変えることによって行なうようにしても
よい。
【0042】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、変速機入力
側回転数が変速動作に起因して変化し始める時点でトル
クダウンが行なわれるとともに、これに先行して軽い先
行トルクダウンが行なわれるので、エンジンの出力トル
クが高い場合でも、突き上げが有効に低減される。ま
た、先行トルクダウンが引き込みと同期した場合でも、
先行トルクダウンが比較的ゆるやかなので、引き込みを
悪化させない。
【0043】第2の発明によれば、基本的には、第1の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、先行トル
クダウンとトルクダウンとが、エンジンの出力トルクを
直接的に支配する燃料制御(燃料供給停止)によって行な
われるので、トルクダウン制御の精度が高まり、かつト
ルクダウン制御が容易となる。
【0044】第3の発明によれば、基本的には、第2の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、高負荷時
のみ先行トルクダウン及びトルクダウンが行なわれるの
で、エンジンの出力トルクが高くなる高負荷時には突き
上げを有効に抑制することができる。また、エンジンの
出力トルクが比較的低くなる中負荷時ないし低負荷時に
は、過剰なトルクダウンが防止され、自動変速機の所定
の摩擦締結要素に適度なすべりを生じさせることがで
き、変速特性の向上が図られる。
【0045】第4の発明によれば、変速動作に起因する
変速機入力側回転数の変化に先立って早期からトルクダ
ウンが開始されるので、突き上げが有効に抑制される。
また、軽いトルクダウンが行なわれるので、トルクダウ
ンが引き込みと同期した場合でも、引き込みを悪化させ
ない。
【0046】第5の発明によれば、基本的には、第4の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、軽いトル
クダウンが、エンジンの出力トルクを直接的に支配する
燃料制御(燃料供給停止)によって行なわれるので、トル
クダウン制御の精度が高まり、かつトルクダウン制御が
容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる制御装置を備えた、エンジンと
自動変速機の組立体(パワープラント)の平面説明図であ
る。
【図2】自動変速機のトルク伝達機構の模式図である。
【図3】自動変速機の油圧制御機構の概念図である。
【図4】自動変速機の変速マップであり、変速条件をス
ロットル開度及び車速の関数としてあらわした図であ
る。
【図5】シフトアップ時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図6】シフトアップ時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図7】シフトアップ時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図8】シフトアップ時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図9】高負荷時におけるシフトアップ時の、タービン
回転数の時間に対する特性を示す図である。
【図10】中負荷時におけるシフトアップ時の、タービ
ン回転数の時間に対する特性を示す図である。
【符号の説明】
PT…パワープラント T…自動変速機 1…エンジン 3…変速歯車機構 11…燃料噴射弁 18…スロットル弁 57…エンジン制御ユニット 58…変速機制御ユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速時において、変速動作
    に起因する変速機入力側回転数の変化の有無を判定する
    回転数変化判定手段と、該回転数変化判定手段によって
    上記回転数変化が生じたと判定されたときにエンジンの
    トルクダウンを開始するトルク変更手段とが設けられた
    エンジン及び自動変速機の制御装置において、上記トル
    ク変更手段によるトルクダウンに先立って、該トルクダ
    ウンよりは軽い先行トルクダウンを行なうトルク抑制手
    段と、該トルク抑制手段によって先行トルクダウンが行
    なわれる際には、上記回転数変化判定手段による変速機
    入力側回転数の変化の有無の判定を禁止する回転数変化
    判定禁止手段とが設けられていることを特徴とするエン
    ジン及び自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジン及び自動
    変速機の制御装置において、トルク抑制手段が、エンジ
    ンの一部の気筒への燃料供給を停止することによって先
    行トルクダウンを行なうようになっており、かつトルク
    変更手段が、エンジンの全気筒への燃料供給を停止する
    ことによってトルクダウンを行なうようになっているこ
    とを特徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたエンジン及び自動
    変速機の制御装置において、トルク抑制手段とトルク変
    更手段とが、エンジンの高負荷時にのみ、夫々、先行ト
    ルクダウンとトルクダウンとを行なうようになっている
    ことを特徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 自動変速機の変速時において、変速開始
    後、変速動作に起因する変速機入力側回転数の変化が生
    じる前に、軽いトルクダウンを開始する軽度トルク変更
    手段が設けられていることを特徴とするエンジン及び自
    動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたエンジン及び自動
    変速機の制御装置において、軽度トルク変更手段が、エ
    ンジンの一部の気筒への燃料供給を停止することによっ
    て軽いトルクダウンを行なうようになっていることを特
    徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置。
JP3154491A 1991-03-29 1991-06-26 エンジン及び自動変速機の制御装置 Pending JPH051584A (ja)

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US07/859,569 US5295415A (en) 1991-03-29 1992-03-27 Torque control apparatus for engine and automatic transmission
KR1019920005249A KR950003216B1 (ko) 1991-03-29 1992-03-30 엔진과 자동변속기의 토오크제어장치
DE4210416A DE4210416A1 (de) 1991-03-29 1992-03-30 Steuervorrichtung fuer einen motor und ein automatikgetriebe
US08/148,223 US5433676A (en) 1991-03-29 1993-11-08 Torque control apparatus for engine and automatic transmission

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017057829A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 本田技研工業株式会社 燃料噴射制御装置

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