JPH05156028A - オレフィン系重合体組成物の水性分散液の製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体組成物の水性分散液の製造方法

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JPH05156028A
JPH05156028A JP3327356A JP32735691A JPH05156028A JP H05156028 A JPH05156028 A JP H05156028A JP 3327356 A JP3327356 A JP 3327356A JP 32735691 A JP32735691 A JP 32735691A JP H05156028 A JPH05156028 A JP H05156028A
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polyolefin
aqueous dispersion
olefin
mixture
copolymer
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JP3327356A
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Sakae Murakami
上 栄 村
Taku Tokita
田 卓 時
Hajime Inagaki
垣 始 稲
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】界面活性剤を使用することなく、オレフィン系
重合体組成からなる粒径1μm以下の分散球状粒子が分
散された分散液を得ることができる方法。 【構成】(a)オレフィン系重合体と(b)不飽和カル
ボン酸またはその無水物を含有するオレフィン系共重合
体とからなり、揮発分が0.3%以下であるポリオレフ
ィン溶融混合物を調製した後、該ポリオレフィン溶融混
合物を、高撹拌下でアルカリ性水へ分散することによ
り、界面活性剤を使用することなく、平均粒子径0.0
5〜1μmの球状粒子の水性分散液を製造するオレフィ
ン系重合体組成物の水性分散液の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界面活性剤を使用せず
に、貯蔵安定性に優れた球状微粒子のオレフィン系重合
体組成物の水性分散液を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンを接着、積層または塗装
したり、紙、木板、金属等のコーティング等の用途に利
用する場合、ポリオレフィンを有機溶剤に溶解して溶液
の形態で使用するよりも、ポリオレフィンの水性分散液
の形態で使用する方が、良好な作業環境の保持および安
全性等の点で有利である。このため、界面活性剤を用い
てポリオレフィンの水性分散液を得る方法が開発されて
いる。しかし、この方法は多量の界面活性剤を使用する
ため、得られる水性分散液の水を蒸発させた場合には、
ポリオレフィンとともに多量の界面活性剤が残存し、ポ
リオレフィンの機械的物性に悪影響を及ぼすことが多
く、また、耐水性が低下することも多い。
【0003】この問題を改良するために、本発明者ら
は、先に、界面活性剤の代わりにカルボキシル基または
酸無水物基を含有するポリオレフィンを使用して水性分
散体を得る方法を提案した。(特開昭52−13539
号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法によると、平均粒子径が1μm以下のオレフィン系
重合体の分散粒子を有する水性分散液を得ることは困難
であった。一方、市場では、貯蔵安定性に優れた平均粒
子径1μm以下、かつ水性分散液中に界面活性剤が存在
しないディスパージョンが要求されている。
【0005】そこで本発明の目的は、上記の問題点を解
決し、界面活性剤を使用することなく、平均粒子径0.
05〜1μmのオレフィン系重合体組成物の球状粒子を
有する水性分散液を得ることができる方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、 (a)固有粘度[η]が0.05〜5dl/gであるオレフィン系重合体 0〜60重量部および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物を含有し、固有粘度[η]が0.05 〜3dl/g、かつ酸価30〜150であるオレフィン系共重合体 100〜40重量部 からなり、揮発分が0.3%以下であるポリオレフィン
溶融混合物を調製した後、該ポリオレフィン溶融混合物
を、塩基性物質を前記ポリオレフィン組成物中のカルボ
キシル基に対して0.2化学当量以上(酸無水物基はカ
ルボキシル基2個と数える)含み、かつ前記オレフィン
系重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)のう
ち高融点の成分の融点以上の温度のアルカリ性水に分散
させて、平均粒子径が0.05〜1μmの球状粒子の水
性分散液を製造することを特徴とするオレフィン系重合
体組成物の水性分散液の製造方法を提供するものであ
る。
【0007】以下、本発明の方法を詳細に説明する。
【0008】本発明の方法は、オレフィン系重合体
(a)と不飽和カルボン酸またはその無水物を含有する
オレフィン系共重合体(b)とからなるポリオレフィン
溶融混合物を調製した後、該ポリオレフィン溶融混合物
を、塩基性物質を含有するアルカリ性水に分散させて水
性分散液を製造する方法である。
【0009】本発明で水性分散液中に分散されるポリオ
レフィン溶融混合物の主成分であるオレフィン系重合体
(a)としては、(1)1−オレフィン系不飽和炭化水
素の単独重合体または2種以上の1−オレフィン系不飽
和炭化水素の共重合体、(2)1−オレフィンの2種以
上と共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体、
(3)1−オレフィンと共役または非共役ジエンとの共
重合体、(4)1−オレフィンと酢酸ビニルとの共重合
体およびその完全もしくは部分ケン化物、(5)1−オ
レフィンの単独または共重合体に上記共役もしくは非共
役ジエンまたは酢酸ビニル等をグラフトさせたグラフト
共重合体およびその完全もしくは部分ケン化物等が挙げ
られる。上記1−オレフィンの具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、2−メチ
ルブテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、
3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、
3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−1、メチルヘ
キセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン
−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペン
テン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン
−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−
1、ジエチルブテン−1、プロピルペンテン−1、デセ
ン−1、メチルノネン−1、ジメチルオクテン−1、ト
リメチルヘプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエ
チルヘプテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−
1、ヘキサドデセン−1等が挙げられる。
【0010】また、前記の(1)1−オレフィン系不飽
和炭化水素の単独重合体または2種以上の1−オレフィ
ン系不飽和炭化水素の共重合体の具体例としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1
−ブテン共重合体等が挙げられる。これらは、ワック
ス、樹脂、ゴム状物として用いられる。
【0011】前記の(2)1−オレフィンの2種以上と
共役または非共役ジエンとのゴム状共重合体の具体例と
しては、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共
重合体、エチレン−プロピレン−1,3−ヘキサジエン
共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体等が挙げら
れる。
【0012】前記の(3)1−オレフィンと共役または
非共役ジエンとの共重合体の具体例としては、エチレン
−ブタジエン共重合体、エチレン−エチリデンノルボル
ネン共重合体等が挙げられる。
【0013】前記の(4)1−オレフィンと酢酸ビニル
との共重合体およびその完全もしくは部分ケン化物の具
体例としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体およ
びその完全もしくは部分ケン化物等が挙げられる。
【0014】本発明において用いられるオレフィン系重
合体(a)は、上記(1)〜(5)の重合体、共重合体
またはその完全もしくは部分ケン化物の1種または2種
以上の組合せからなっていてもよい。
【0015】このオレフィン系重合体(a)の分子量
は、固有粘度[η]で0.05〜5dl/gの範囲であ
るのが好ましい。[η]が5dl/gを越えると、得ら
れるポリオレフィン溶融混合物の溶融粘度が高くなり、
分散が困難になる。一方、0.05dl/g未満の場合
には、オレフィン系重合体(a)の機械強度が低下し、
また、得られるポリオレフィン溶融混合物の溶融粘度が
低くなりすぎるため、分散時に剪断され難く、小粒子径
の球状粒子を得ることが困難となる。
【0016】また、ポリオレフィン溶融混合物のもう一
つの主成分であるオレフィン系共重合体(b)として
は、不飽和カルボン酸またはその無水物を含有するオレ
フィン系共重合体であって、前記1−オレフィンと不飽
和カルボン酸またはその無水物との共重合体、オレフィ
ン系重合体に不飽和カルボン酸またはその無水物をグラ
フト共重合させたものを用いることができる。
【0017】本発明において用いられるオレフィン系共
重合体(b)を構成する不飽和カルボン酸およびその無
水物としては、モノカルボン酸およびジカルボン酸およ
びその無水物などが通常用いられる。
【0018】不飽和カルボン酸およびその無水物の具体
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロ
フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸(商品名:ナジック酸)、メチル−エンドシ
ス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびそ
の無水物などが挙げられる。
【0019】本発明で用いられる、不飽和カルボン酸ま
たはその無水物を含有するオレフィン系共重合体(b)
の分子量は、固有粘度[η]で、通常、0.05〜3d
l/g、好ましくは0.06〜0.8dl/gである。
本発明において、固有粘度[η]は、135℃のデカリ
ン溶液で測定される。(単位:dl/g)
【0020】また、このオレフィン系共重合体(b)の
酸価は40〜150であり、特に50〜130であるの
が好ましい。酸価が低すぎるとポリオレフィン溶融混合
物の乳化性が低下し、得られる水性分散液における分散
粒子の平均粒子径が大きくなる。酸価が高すぎると、親
水性が高くなりすぎ、耐水性が低下する。ここで、酸価
とは、オレフィン系重合体1g当りの中和に要した水酸
化カリウムのmg数である。
【0021】上記カルボン酸のオレフィン系重合体への
グラフト方法としては公知の方法を用いることができ、
特に限定されない。例えば、特公昭52−22988号
公報に記載された方法を挙げることができる。
【0022】本発明で調製されるポリオレフィン溶融混
合物における前記オレフィン系重合体(a)とオレフィ
ン系共重合体(b)の含有割合は、オレフィン系重合体
(a)0〜60重量部、好ましくは0〜50重量部に対
して、不飽和カルボン酸またはその誘導体を含有するオ
レフィン系共重合体(b)100〜40重量部、好まし
くは100〜50重量部である。
【0023】本発明の方法においては、まず、前記オレ
フィン系重合体(a)とオレフィン系共重合体(b)と
からなるポリオレフィン溶融混合物が調製される。
【0024】このポリオレフィン溶融混合物の調製は、
予め、粉体またはペレット状の前記オレフィン系重合体
(a)とオレフィン系共重合体(b)とをヘンシェルミ
キサー等の混合機を用いて混合して混合物を調製した
後、この混合物を加熱溶融する方法、あるいは前記オレ
フィン系重合体(a)とオレフィン系共重合体(b)と
を、直接、ドラム、押出機等に投入し、加熱溶融しなが
ら混合する方法のどちらの方法にしたがって、行っても
よい。これらの方法の中でも、ドラム内で加熱溶融混合
する方法が好ましい。
【0025】本発明の方法においては、このポリオレフ
ィン溶融混合物の調製において、溶融混合物の揮発分が
0.3%以下となるように調整される。この溶融混合物
の揮発分の調整は、オレフィン系重合体(a)とオレフ
ィン系共重合体(b)の加熱溶融の前後、いずれの段階
で行ってもよい。例えば、ポリオレフィン溶融混合物の
原料であるオレフィン系重合体(a)およびオレフィン
系共重合体(b)を、それぞれ、あるいはこれらの混合
物を減圧下で加熱して脱気する方法;オレフィン系重合
体(a)およびオレフィン系共重合体(b)を、それぞ
れ、あるいはこれらの混合物を加熱溶融して直接脱気す
る方法;加熱溶融混合物の調整後、脱気体する方法のい
ずれの方法によって行ってもよい。特に、オレフィン系
重合体(a)とオレフィン系共重合体(b)とを、両者
の融点のうち高い方の融点以上の温度に加熱溶融する方
法が連続プロセスを構成する場合に好ましい。さらに、
加熱溶融の際に、窒素等の不活性気体によるバブリング
を行うか、あるいは減圧すると、揮発分が除去され易く
なるため、工程時間の短縮に有効である。通常、これら
のオレフィン系重合体(a)およびオレフィン系共重合
体(b)は0.3〜1.5%の揮発分を含有している。
ここで、揮発分とは、2gの試料を150℃のエアオー
ブン中で2時間加熱した後の重量減の割合をいう。
【0026】溶融のための加熱は、使用するオレフィン
系重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)の種
類、ならびにその含有割合等によって異なるが、通常、
融点より10〜40℃高い温度で0.5〜5時間行われ
る。
【0027】ポリオレフィン溶融混合物の揮発分が0.
3%より高くなると、アルカリ水中へのポリオレフィン
溶融混合物の分散の際に発泡し充分な剪断力がかからな
くなり、得られる分散球状粒子の平均粒子径が1μm以
下にならない。
【0028】本発明の方法においては、次に、上記のよ
うにして得られたポリオレフィン溶融混合物を塩基性物
質を溶解したアルカリ性水中に分散させる工程が行われ
る。この分散操作は、強力な撹拌翼を備えた耐圧容器、
好ましくは大きな剪断力を生じる高性能分散手段、例え
ばタービン型撹拌機、コロイドミル、ホモミキサー、ホ
モジナイザー等を用いて行うことができる。この分散に
際して用いる分散手段は、剪断速度を好ましくは3〜3
0m/s、さらに好ましくは5〜25m/sの範囲に調
製するとよい。
【0029】分散は、ポリオレフィン溶融混合物を構成
するオレフィン系重合体(a)およびオレフィン系共重
合体(b)の融点の内、高い方の融点以上の温度で行わ
れ、溶融混合物が発泡しない温度で行われることが好ま
しい。具体的にはポリオレフィン溶融混合物を調製した
際の加熱溶融温度あるいはそれ以下の温度で、例えば、
120〜200℃程度の温度で行われることが好まし
い。
【0030】本発明で用いられる塩基性物質としては、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、および
アミン等また、アルカリ金属の酸化物、水酸化物、水素
化物、弱酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、
水素化物、弱酸塩等の水中で塩基として作用する物質、
あるいはこれら金属のアルコキシド等を挙げることがで
きる。
【0031】アルカリ金属の具体例としては、ナトリウ
ム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属の具体例
としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が
挙げられ、また、アミンの具体例としては、ヒドロキシ
ルアミン、ヒドラジン等の無機アミン化合物、メチルア
ミン、エチルアミン、エタノールアミン、シクロヘキシ
ルアミン等の有機アミン化合物などが挙げられる。
【0032】また、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の酸化物、水酸化物もしくは水素化物の具体例として
は、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、過酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチ
ウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化
バリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化
カルシウム等が挙げられ、アルカリ金属およびアルカリ
土類金属の弱酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸カルシウム等が挙げられる。
【0033】また、アンモニアまたはアミンの化合物の
具体例としては、水酸化アンモニウム、4級アンモニア
化合物、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、ヒドラジン水和物等を挙げることができる。
【0034】これらの塩基性物質は水溶液として用いら
れる。塩基性物質は、ポリオレフィン組成物中のカルボ
キシル基に対して、通常、0.2化学当量以上、好まし
くは0.3〜1.2化学当量(酸無水物基の場合はカル
ボキシル基2個として計算する)の割合で使用される。
【0035】本発明の方法で得られる水性分散液には、
前記ポリオレフィン溶融混合物が分散してなる、前記オ
レフィン系重合体(a)とオレフィン系共重合体(b)
とからなるオレフィン系重合体組成物の球状粒子が分散
されている。この球状粒子の平均粒子径は0.05〜1
μmである。
【0036】ここで、本発明において、球状粒子の平均
粒子径は、光散乱法により、マイクロトラック(LEE
DS & NORTHRUP INSTRUMENTS
製)を用いて測定した。
【0037】本発明の方法によって得られる水性分散液
は、紙、木、金属、プラスチックのコーティング用、イ
ンキの耐摩剤用、ブロッキング防止剤用、離型剤用、エ
マルジョン改質剤用等に使用することができる。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示し、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
によってなんら制限されるものではない。
【0039】(参考例1) <無水マレイン酸含有ポリエチレンの調製>分子量22
00、密度0.92g/cm3 、内部2重結合を100
0炭素原子当り0.5個有し、溶融粘度60cP(16
0℃)である直鎖状ポリエチレンワックス150gを、
撹拌翼を備えた300ccのガラス製容器に入れ、油浴
で加熱して溶融させた後、150℃で窒素ガスをガラス
製容器底部から約40l/hrの流速で30分吹き込ん
で容器内を窒素置換した。次に、溶融状態の無水マレイ
ン酸25g、ベンゾイルペルオキシド5gを2時間かけ
て滴下した後、150℃で1時間反応させた。反応終了
後、撹拌下、容器内を5mmHgに減圧して1時間保っ
て、未反応の無水マレイン酸やベンゾイルペルオキシド
分解物等の揮発成分を除去してから、生成した無水マレ
イン酸含有ポリエチレンを容器から取り出した。得られ
た無水マレイン酸含有ポリエチレンの酸価、固有粘度
〔η〕および融点を測定したところ、それぞれ60、
0.17dl/g、および110℃であった。
【0040】(実施例1)撹拌翼を備えた1lのオート
クレーブに、[η]が0.25dl/g、密度0.98
g/cm3 、融点126℃のポリエチレンワックス60
g、および参考例1で調製した無水マレイン酸含有ポリ
エチレン140gを入れ、140℃で溶融混合した。混
合した後、さらに1時間加熱を続け、同時に窒素を10
l/hrの流速で吹き込んでバブリングを行い、溶融混
合物を得た。得られた溶融混合物の150℃での揮発分
は0.12%であった。
【0041】次に、内容量4lの耐圧ホモミキサーに、
水1500mlおよび水酸化カリウム8.4gを入れ、
140℃に加熱して5000rpmで撹拌しながら前記
に得られた溶融混合物をギアーポンプで1時間かけて供
給した。その後、さらに15分間撹拌後、室温まで冷却
して水性分散液を得た。得られた水性分散液中の分散粒
子は真球状で平均粒子径を測定したところ、0.6μm
であった。この水性分散液は1週間静置しても分離が起
こらなかった。
【0042】(実施例2)ポリエチレンワックスの代わ
りに、[η]が0.12dl/g、密度0.89g/c
3 、融点144℃のポリプロピレンワックスを使用し
て、150℃で溶融混合した以外は、実施例1と同様に
して溶融混合物を得た。得られた溶融混合物の150℃
での揮発分は0.08%であった。
【0043】次に、得られた溶融混合物を用いて、実施
例1と同様にして150℃でアルカリ性水と混合撹拌し
て水性分散液を得た。得られた水性分散液中の分散粒子
は真球状で平均粒子径を測定したところ、0.5μmで
あった。この水性分散液は1週間静置しても分離が起こ
らなかった。
【0044】(実施例3)ポリエチレンワックスの代わ
りに、[η]が1.5dl/g、密度0.96g/cm
3 、融点93℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用
して、130℃で溶融混合した以外は、実施例1と同様
にして溶融混合物を得た。得られた溶融状態の樹脂の1
50℃における揮発分は0.22%であった。
【0045】得られた溶融混合物を用いて、実施例1と
同様にして130℃でアルカリ性水と混合撹拌して水性
分散液を得た。得られた水性分散液中の分散粒子は真球
状で平均粒子径を測定したところ、0.8μmであっ
た。この水性分散液は1週間静置しても分離が起こらな
かった。
【0046】(比較例1)実施例1と同様の組成の組成
物を溶融混合後、熱処理および脱気工程を行うことなく
塩基性物質を含むアルカリ性水中に分散させて水性分散
液を得た。この溶融混合により得られた溶融混合物の揮
発分は0.6%であった。また、得られた水性分散液中
の分散粒子には真球状以外に異形物が混ざり、平均粒子
径は2.5μmであった。この水性分散液は静置後1日
で分離が生じた。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、界面活性剤を使
用することなく、粒径1μm以下のオレフィン系重合体
組成物の球状粒子が分散された水性分散液を得ることが
できる。この水性分散液は分散粒子の粒子径が小さいた
め、相分離を起こし難く、貯蔵安定性に優れた水性分散
液である。また、界面活性剤を使用していないため、原
料オレフィン系重合体の機械的物性、耐水性等の諸物性
が損なわれず、かつ他のディスパージョンと混合する場
合にも、凝集、分離が起こりにくい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)固有粘度[η]が0.05〜5dl/gであるオレフィン系重合体 0〜60重量部および (b)不飽和カルボン酸またはその無水物を含有し、固有粘度[η]が0.05 〜3dl/g、かつ酸価30〜150であるオレフィン系共重合体 100〜40重量部 からなり、揮発分が0.3%以下であるポリオレフィン
    溶融混合物を調製した後、該ポリオレフィン溶融混合物
    を、塩基性物質を前記ポリオレフィン組成物中のカルボ
    キシル基に対して0.2化学当量以上(酸無水物基はカ
    ルボキシル基2個と数える)含み、かつ前記オレフィン
    系重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)のう
    ち高融点の成分の融点以上の温度のアルカリ性水に分散
    させて、平均粒子径が0.05〜1μmの球状粒子の水
    性分散液を製造することを特徴とするオレフィン系重合
    体組成物の水性分散液の製造方法。
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