JPH0514899U - ガス分析計用試料セル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 計測光路にテーパが付されたガス分析計用試
料セルを、容易にかつ低コストでうることを可能にす
る。 【構成】 内径が全長でほぼ同じに形成された外部ケー
シング１内に、テーパを付して形成された内部ケーシン
グ４が、それぞれの軸線を同方向にして収容されてい
る。そして、内部ケーシング４の一端に、外部ケーシン
グ１を経てガス導入路８が、他端にサンプルガスの導出
孔９がそれぞれ設けられ、かつ外部ケーシング１の端部
にガス排出口10が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サンプルガスに含まれた各種の成分を、その成分の光線吸収性を利 用して分析するガス分析計用試料セルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

サンプルガスの成分を光線を利用して分析するガス分析計の試料セルは、赤外 線などの光線を透過させるとともに、その一方から他方にサンプルガスを通過さ せるものであって、例えば、導入するサンプルガスの量を少なくする目的などの ために、図５に示した、円錐台形状にテーパを付したガス分析計の試料セルが知 られている。

【０００３】 図５において、21は試料セルで、これは断面台形状にテーパを付して筒状に形 成されたセル本体22の各端部に、赤外線などを透過する窓23a,23b を設けて構成 され、かつセル本体22の一端にガス入口24、他端にガス出口25がそれぞれ設けら れている。そして、窓23a と相対して光源26、窓23b と相対して半導体などから なる検出器27をそれぞれ配置してガス分析計が構成される。このガス分析計は、 ガス入口24から試料セル21にサンプルガスを導入して、それをガス出口25から導 出するとともに、光源26から射出されてセル本体22で構成された計測光路28を通 過した光線を検出器27に入射して、前記サンプルガスの成分を分析する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のガス分析計用試料セルは、セル本体22を必要な強度を付与するため に鋳物などで形成し、その内面の仕上げ加工をして構成しているが、セル本体22 に、例えば、円錐台形状にテーパが付されているから、全長が同径の筒体に比し て加工などが繁雑になって製造に多くの手間などを要し、コストが高くなるなど の課題がある。

【０００５】 本考案は、上記のような課題を解決するものであって、計測光路にテーパが付 されたガス分析計用試料セルを、容易にかつ低コストでの製造を可能にすること を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のガス分析計用試料セルは、内径が全長にわたってほぼ同じに形成され た筒状の外部ケーシング内に、テーパを付した筒状に形成されて計測光路を構成 する内部ケーシングが、それぞれの軸線を同方向にして収容され、かつ内部ケー シングの一端にサンプルガスの導入路が、他端にサンプルガスの導出孔がそれぞ れ設けられたことを特徴とする。

【０００７】 前記内部ケーシング外径と外部ケーシング内径との関係は任意であって、内部 ケーシングを外部ケーシングに収容可能に形成すればたりる。そして、内部ケー シングと外部ケーシングの軸線方向の各端部は互いにほぼ平行にできるから、そ の各端部を閉鎖する平板状の部材は、別体または共通に設けることができる。

【０００８】

【作用】

前記本考案のガス分析計用試料セルは、外部ケーシングと計測光路を構成する 内部ケーシングとが別体に形成されている。そして、強度を要する外部ケーシン グは、その全長がほぼ同径であるから製造が容易である。一方、内部ケーシング は外部ケーシングが保護するから特別な強度は不要であって、比較的薄くて加工 が容易な金属板などのほぼ任意の材料で形成することが可能であるから、テーパ が付されている内部ケーシングの製造も容易である。

【０００９】

【実施例】

本考案のガス分析計用試料セルの第１実施例を図１について説明する。

【００１０】 図１において、１は外部ケーシングで、これは全長にわたってほぼ同径に形成 された筒部２の両端を側壁3a,3b で閉鎖して、鋳物などで形成されて必要な強度 を備えている。４は外部ケーシング１内に軸線を同方向にして全体が収容された 内部ケーシングで、これは円錐台形状などにテーパを付してステンレススチール などからなる金属板で形成された筒体５の両端を光線透過壁6a,6b で閉鎖して構 成されている。７は筒体５で構成された計測光路、８は前記筒部２の壁体を貫通 して筒体５の光線透過壁6a側の端部に接続されたガス導入路、９は筒体５の他端 に設けられた複数のガス導出孔で、これらは筒体５の小径側を小径に、大径側に なるに従って大径にして、内部ケーシング４内のサンプルガスの導出がスムーズ に進行するように構成されている。10は前記ガス導出孔９から流出したサンプル ガスを外部ケーシング１から排出するために、外部ケーシング１の端部に設けら れたガス排出口、11は光線透過壁6aと相対して、その外側に配置された凹面鏡、 12a,12b は光線透過壁6bと相対して、その外側に配置された凹面鏡、13は光源、 14は検出器である。

【００１１】 前記のように構成されたガス分析計用試料セルは、そのガス導入路８から内部 ケーシング４の一端にサンプルガスが導入される。このサンプルガスは内部ケー シング４内を流動しガス導出孔９から導出されて、ガス排出口10から外部ケーシ ング１外に排出される。一方、光源13から射出された赤外線などの光線Ａが光線 透過壁6aの一端部から内部ケーシング４内に入射される。この内部ケーシング４ に入射された光線Ａが凹面鏡12a から凹面鏡11に、次に、凹面鏡12b に順次に入 射しかつ反射されることを反復して、光線透過壁6aの他端部を透過して検出器14 に入射されるから、この入射光に基づいてサンプルガスの成分を分析する。

【００１２】 そして、この試料セルは、内部ケーシング４を保護するために強度が必要であ る外部ケーシング１の筒部２は、その全長においてほぼ同径であるから製造が容 易である。一方、内部ケーシング４を構成する筒体５は、比較的薄い金属板など で形成することが可能であるから、テーパを付して円錐台形状などに形成するこ とも容易である。このように、外部ケーシング１と内部ケーシング４のそれぞれ の形成が容易であるから、これらを別体に形成して、外部ケーシング１に内部ケ ーシング４を収容して試料セルを形成しても、前記従来の試料セルのように、そ の筒状部に必要な強度を付与し、かつ円錐台形状などにテーパを付して形成する 場合に比して、能率よくかつ容易に製造することが可能であって、低コストで試 料セルをうることが可能である。

【００１３】 この試料セルは、外部ケーシング１内に光源13と検出器14とを配置している。 これは、外部ケーシング１内で内部ケーシング４外に生じる空間のために、内部 ケーシング４から導出されたサンプルガスの一部が、外部ケーシング１内を流動 するなどしてからガス排出口10から排出することが生じるから、内部ケーシング ４外において外部ケーシング１内を進行する光線の時間を短くして、外部ケーシ ング１内を流動する前記サンプルガスの影響を少なくするものである。また、内 部ケーシング４の両側に凹面鏡11,12a,12bを配置したのは、これらで光線を往復 させることで、光路を長くするものである。したがって、光源13と検出器14とを 外部ケーシング１内に配置すること及び凹面鏡11,12a,12bを設ける構成について は任意にすることが可能である。また、内部ケーシング４に設けるガス導入路８ とガス導出孔９との位置は、この第１実施例と逆にすることも可能であり、かつ ガス導出孔９は１個にすることもできる。

【００１４】 図２は第２実施例を示すものである。このガス分析計用試料セルは、内部ケー シング４の両端の光線透過壁6a,6b を、外部ケーシング１両端の側壁3a,3b の内 面に近接させ、かつ前記光線透過壁6a,6b とほぼ重なる側壁3a,3b の部分に、光 線を透過する窓15a,15b が設けられて、この窓15a,15b と相対して外部ケーシン グ１外に光源13と検出器14とが配置されている。他の構成は前記第１実施例と同 じであるから、同符号を付して示した。

【００１５】 前記のように、内部ケーシング４の光線透過壁6a,6b を、外部ケーシング１の 側壁3a,3b に設けた窓15a,15b に近接させているから、内部ケーシング４から外 部ケーシング１に導出されたサンプルガスの影響がほとんどなく、光源13と検出 器14とを外部ケーシング１外に配置して、精度よくサンプルガスの成分を測定す ることが可能である。なお、光線透過壁6a,6b と窓15a,15b とは接触させること も可能である。なお、光源13と検出器14は任意のものを使用することが可能であ り、かつ内部ケシング４に対する光線の入射方向は、この実施例と逆にすること も可能である。

【００１６】 図３は第３実施例である。このガス分析計用試料セルは、内部ケーシング４の 端部にガス導出孔９が設けられるとともに、このガス導出孔９から導出されたサ ンプルガスを外部ケーシング１外に直接排出するため、ガス導出孔９を包囲して 設けた導出路16を外部ケーシング１外に開口させている。そして、外部ケーシン グ１両端の側壁3a,3b において、内部ケーシング４両端の光線透過壁6a,6b とほ ぼ重なる部分に、光線を透過する窓15a,15b が設けられて、この窓15a,15b と相 対して外部ケーシング１外に光源13と検出器14がそれぞれ配置されている。他の 構成は前記第１実施例と同じであるから、同符号を付して示した。

【００１７】 この試料セルは、内部ケーシング４に導入したサンプルガスを、ガス導出孔９ から導出路16を経て外部ケーシング１外に直接排出するから、光源13と検出器14 とを外部ケーシング１外に配置して、精度よくガスを分析することができる。

【００１８】 図４は第４実施例を示すものである。このガス分析計用試料セルは、外部ケー シング１両端の側壁3a,3b において、内部ケーシング４の光線透過壁6a,6b と重 なる部分が、その光線透過壁6a,6b で構成されて、それらと相対して光源13と検 出器14がそれぞれ配置されている。他の構成は、前記第１実施例と同じであるか ら、同符号を付して示した。このように、外部ケーシング１の側壁3a,3b と内部 ケーシング４の光線透過壁6a,6b とはそれぞれ平行状になるから、互いに重なる 部分を共用にすることも可能である。

【００１９】

【考案の効果】

本考案のガス分析計用試料セルは、上記のように、全長の径をほぼ同じに形成 した外部ケーシング内に、これと別体にテーパを付して形成した内部ケーシング を収容し構成している。そして、外部ケーシングは強度が必要であるが、その全 長において径がほぼ同じであるから、容易に製造することが可能である。一方、 内部ケーシングはテーパを付すことが必要ではあるが、前記外部ケーシングで保 護され、特別な強度は要求されないから、金属などの比較的薄い板材をわん曲さ せて形成することが可能であって、その加工を比較的容易にかつ能率よく行うこ とが可能である。したがって、低コストで容易にかつ高い精度で能率よく試料セ ルを製造することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の断面構成図である。

【図２】第２実施例の断面構成図である。

【図３】第３実施例の断面構成図である。

【図４】第４実施例の断面構成図である。

【図５】従来例の断面構成図である。

【符号の説明】

１…外部ケーシング、４…内部ケーシング、７…計測光
路、８…ガス導入路、９…ガス導出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内径が全長にわたってほぼ同じに形成さ
   れた筒状の外部ケーシング内に、テーパを付した筒状に
   形成されて計測光路を構成する内部ケーシングが、それ
   ぞれの軸線を同方向にして収容され、かつ内部ケーシン
   グの一端にサンプルガスの導入路が、他端にサンプルガ
   スの導出孔がそれぞれ設けられたガス分析計用試料セ
   ル。