JPH0512988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は配電用変圧器に装着する変圧器接続
体と、これに対し配電線を接続する分岐接続体を
着脱自由に備え、通常の配電と、配電用変圧器又
は高圧側の点検、修理、工事等の際に変圧器と分
離して他電源による別のバイパス回路とし無停電
で配電可能とした変圧器用低圧側接続装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、既存の配電用変圧器では器外に設けた低
圧側接続端子に低圧側の配電線への引下線をネジ
止め等で接続する構造のものがほとんどであり、
この変圧器又は高圧側の点検、修理、工事等は停
電による手段とか、活線状態で絶縁電線の皮む
き、バイパス線の接続、変圧器端子のネジ取外し
等の作業による無停電工法が行われている。

又、差込み接続器による無停電バイパス工法と
して変圧器とは別の場所に分岐接続箱を設けて、
これに変圧器からの引下線、本線、バイパス線を
接続し、分離しうる差込み式接続構造としたもの
もある。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたもののうち、前者の無停電
工法では柱上変圧器の接続端子のネジ締めを取外
して変圧器と配電線を分離する作業に甚だ手間が
かかり作業性が悪く、又活線状態で絶縁電線の皮
むき、バイパス線の接続等の作業を行うのに時間
を要し、しかも安全性に問題があつた。

又、後者の差込み式接続器による無停電バイパ
ス工法では分岐接続箱を変圧器とは別に設ける必
要があり、変圧器との接続、分離の煩雑さ、接続
部の増加、箱体に接続部が収容されているために
通常接続とバイパス接続の判別が確認し難い等の
問題点があつた。

この考案は従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、変圧器に装着の変圧器接続体の外部接
続構造を着脱自在とし、該接続体に分岐用接続体
を自在に着脱し、分岐用接続体の分岐側も着脱自
在構造に、本線側の接続は着脱を必要としないた
め圧縮接続として、変圧器或いは高圧側の機器点
検、修理、工事等で低圧側へ電力の供給が不可能
な場合、分岐用接続体にバイパス線を接続した状
態で変圧器接続体より分離すれば需要家に無停電
で電力を供給することが出来、且つ既存の変圧器
を容易に無停電バイパス化することによつて、広
範囲に需要家に対しサービス向上が可能となる変
圧器用低圧側接続装置を提供しようとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案における
変圧器用低圧側接続装置は、棒状導体の一端を螺
杆とし既存の絶縁碍子に挿通し変圧器の内部端子
に接続可能とし他端に後述の分岐用接続体を電気
的に着脱接続でき外周を絶縁被覆した接続部を備
えた変圧器接続体と、絶縁体で被覆した分岐導体
の主軸上端に前記変圧器接続体と電気的に接続で
きかつ着脱可能とした接続部を設けるとともに主
軸の下端に配電線を挿入圧縮して接続する接続部
を設け、かつ分岐軸に接続すべき配電線を着脱可
能とした接続部を備えた分岐用接続体とよりな
り、前記変圧器接続体に対し分岐用接続体を着脱
自在としたものである。

〔作用〕

この考案は変圧器接続体の導体の一端に設けた
螺杆を変圧器の内部端子に取着し、かつ他端の接
続部に分岐接続体の主軸の接続部を嵌合挿通して
電気的に接続する。分岐用接続体には主軸下端の
接続部に予め配電線を挿入圧縮して接続し、かつ
分岐軸の接続部に必要に応じバイパス線等を接続
するものである。又変圧器又は高圧側の点検、修
理、工事等で低圧側へ電力供給ができない場合に
は分岐軸の接続部にバイパス線を接続してから変
圧器用接続体より分岐接続体を取外し、該分岐接
続体を変圧器近辺の柱上の取付け杆等に仮に据付
け、無停電で配電できる。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図においてＡは配電用変圧器で、その低圧
側の内部端子１５にこの考案の変圧器用低圧側接
続装置を備えて配電線を接続する。この考案の変
圧器用低圧側接続装置は変圧器接続体３と分岐用
接続体８とよりなる。

第１図乃至第６図において、３は変圧器接続体
で、Ｌ型に屈曲した銅製棒状導体１を合成樹脂等
絶縁体で被覆し、その導体１の一端を螺杆９とし
前記変圧器Ａの内部端子１５に挿通してナツト１
６で着脱自由に締付け固定するようになし、かつ
導体１の他端には後述の分岐用接続体８を電気的
に接続できかつ着脱可能とする接続部２を設け
る。実施例の接続部２は導体１の絶縁体を延長し
て覆筒１７を形成し、該覆筒１７に導体１の端部
を若干突出させ、その導体１に関連して分割拘持
体１１を発条１２で周囲より挟圧拘持するように
備える。分割拘持体１１は縦横に分割し、内面に
拘持部１０を形成したもので、導体１の端部に設
けた間隔板１８と、間隔板１８の中心線上に直角
に固着した係合ピン１９とにより覆筒１７内に四
分割して備え、その分割拘持体１１の外周の凹所
２０に発条１２を巻付けて両端を間隔板１８の反
対側に設けた突部２１に掛止めて四分割した分割
拘持体１１を内方へ挟圧状に備え、後述の差込み
接触子２６を着脱自由に拘持できるようにしてあ
る。又覆筒１７には前記分割拘持体１１を若干小
径として覆筒１７と分割拘持体１１間の間隙２２
に後述の差込み筒２７の先端を挿入可能となし、
かつ覆筒１７の先端外周に螺子部２３を刻設して
後述の差込み筒２７に備えた袋ナツト２９を螺着
して締付け固定するようになす。２４は袋ナツト
２９のゆるみ止めスプリングで、覆筒１７の突出
部２５に植設する。

８は分岐用接続体で、主軸と分岐軸と〓型とし
た銅製分岐導体４を合成樹脂製等絶縁体で被覆
し、該分岐導体４の上部の接続部５として主軸上
端に差込み接触子２６を形成し、かつその外周を
囲うように絶縁体からなる差込み筒２７を主軸に
螺合するとともに分岐導体４の絶縁体と一体的に
結合固着し、差込み筒２７の外周に突条２８を設
け、袋ナツト２９を該突条２８と分岐導体の絶縁
体との間に介在して備え、かつ、分岐導体の下部
の接続部６として主軸下端に配電線の本線Ｃを挿
入圧縮する筒体３０を一体形成し、さらに分岐導
体の分岐側の接続部７として分岐軸の先端に差込
み接触子３１を形成し、かつその外周を囲うよう
に絶縁体からなる差込み筒３２を分岐軸に螺合す
るとともに分岐導体の絶縁体と一体的に結合固着
し、該差込み筒３２の外周に突条３３を設け、袋
ナツト３４を該突条３３と分岐導体の絶縁体との
間に介在して備えた構成としてある。

１３は分岐用接続体８の絶縁体の背面部に設け
た据付け部で、取付け用螺孔１４を設け、分岐用
接続体８を変圧器接続体３より外して変圧器近辺
の柱上の仮の取付け杆Ｄ等に取着できるようにな
す。

なお、３５は配電線の本線Ｃを圧縮接続する筒
体３０を覆う絶縁カバーで、分岐用接続体８の下
端の凹条３６に弾力を利用して嵌め付けて備え
る。３７は配電線のバイパス線C′の接続部で、前
記変圧器接続体３の接続部２と略同じ構造として
ある。即ち３８は絶縁体からなる覆筒で、バイパ
ス線接続用の導体３９を設け、該導体３９の一端
に分割拘持体４０を間隔板、係合ピンで区分して
備え、発条４１で挟圧拘持する構造となして前記
分岐用接続体８の差込み接触子３１を挿入拘持で
きるとともに差込み筒３２を間隙４２に挿入でき
るようになし、さらに端部外周に螺子部４３を設
けて差込み筒３２に備えた袋ナツト３４を螺着し
て締付け固定できるようになし、他方導体３９の
他端にはバイパス線の端子金具４４をボルト等で
取着するようになす。４５は袋ナツトのゆるみ止
めスプリングで、覆筒３８の突出部に植設してあ
る。

４６は分岐用接続体８の分岐支軸の接続部７の
不使用時にかぶせておく有底筒状の蓋体で、該蓋
体の開口部外周に螺子部４７を設けて、これに前
記接続部７の袋ナツト３４を螺着して締付け固定
するようになす。４８は袋ナツトのゆるみ止めス
プリングである。４９はバイパス線の端子金具の
接続部を囲繞する円筒状の絶縁カバーで、一端を
前記覆筒３８に取着するようにしてある。

図中、５０はパツキング、５１は蓋体４６を分
岐用接続体８に取付ける連結用の鎖である。

又実施例では分岐用接続体８の主軸と分岐軸側
を差込み接触子とし、対向する変圧器接続体、バ
イパス線用の接続体側に分割拘持体からなる挟圧
拘持部を設けて着脱可能としてあるが、これを逆
にして分岐用接続体側の主軸と分岐軸に挟圧拘持
部を備え、対向する変圧器接続体、バイパス線用
接続体側に差込み接触子を設けることもできる。
分岐用接続体８の分岐導体４の形状は前記のもの
に限られるものではなく、〓型、Ｙ型等としても
よい。又変圧器接続体３の棒状導体１の形状も前
記のものに限られるものではない。

次にこの考案の変圧器用低圧側接続装置を配電
用変圧器Ａの低圧側に取付けて配電線を接続する
実施例を第１図により説明する。

第１図において、変圧器Ａ内に備えた低圧側内
部端子１５に変圧器接続体３の一端の螺杆９を絶
縁碍子に挿通してナツト１６で固定して接続し、
配電線の本線Ｃを接続した分岐用接続体８の差込
み接触子２６を変圧器接続体３の他端の分割拘持
体１１に挿入して挟圧拘持し、かつ差込み筒２７
を覆筒１７の間隙２２に挿入して袋ナツト２９を
端部の螺子部２３に螺合して締付け固定し、袋ナ
ツト２９の外面のスリツトに端部のゆるみ止めス
プリング２４を係合させて変圧器接続体３に分岐
用接続体８を接続する。分岐用接続体８の分岐軸
の接続部７には使用しないものには蓋体４６を螺
子部４７に袋ナツト３４を螺合してかぶせ、使用
するものは蓋体４６を外してバイパス線C′の接続
部３７の分割拘持体４０を備えた覆筒３８を分岐
軸の差込み接触子３１に挿着するとともに袋ナツ
ト３４を差込み筒３２の螺子部４３に螺合しかつ
端部のゆるみ止めスプリング４５を袋ナツト３４
のスリツトに係止させる。

又、バイパス回路を構成する場合には予め分岐
用接続体８の接続部７にバイパス線C′を接続し
て、他の電源によるバイパス回路を構成してから
分岐用接続体８の差込み筒２７の袋ナツト２９を
変圧器接続体３の螺子部２３より外し、差込み接
触子２６を分割接続体１１より抜脱して変圧器と
分離し、取外した分岐用接続体８を柱上の変圧器
近辺の取付け杆Ｄ等に背面部の螺孔１４を利用し
て取着し、無停電で、配電用変圧器又は高圧側の
点検、修理、工事を行う。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したように構成されている
ので、次のような効果を奏する。

この考案の変圧器用配電線接続装置は既存の配
電用変圧器に対し変圧器接続体を置換可能とし、
かつその変圧器接続体に分岐用接続体を着脱可能
な構造としたので、変圧器接続体に対し分岐用接
続体を直接挿着又は離脱することにより変圧器へ
の配電線の通常の接続又は分離作業を簡単かつ的
確に行うことができ、又分岐用接続体の分岐側の
接続部は使用しないときは蓋体をかぶせ、かつ使
用する場合には蓋体を外して配電線を接続して使
用することができ、使用勝手が良い。

配電用変圧器が故障等で交換する場合、或いは
変圧器、高圧側機器の点検、修理、工事を行う場
合、変圧器接続体より分岐用接続体を外して変圧
器近辺の取付け杆に取付け、分岐用接続体を利用
して容易、迅速、安全にバイパス回路を構成し、
無停電で需要家に電力を供給しながら、交換、点
検、修理、工事等の作業を行うことができる。

変圧器接続体の一端を螺杆として既存の変圧器
の内部端子に接続できるようにしたので、既存の
変圧器の螺子締め接続端子と交換でき、現在大量
に使用されている既存の変圧器を容易にバイパス
給電型の変圧器とすることができる。

さらに変圧器接続体と分岐用接続体は柱上の変
圧器の外部に設けるため接続状態が外部から目視
でき、通常配電、バイパス配電の区別を判別し易
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の変圧器用低圧側接続装置を
示す縦断側面図、第２図は変圧器接続体の一部破
断側面図、第３図同底面図、第４図は分岐用接続
体の縦断側面図、第５図はバイパス線の差込み接
続部の縦断側面図、第６図は蓋体の縦断側面図で
ある。 Ａ……変圧器、１……棒状導体、２……接続
部、３……変圧器接続体、４……分岐導体、５，
６，７……接続部、８……分岐用接続体、９……
螺杆、１０……拘持部、１１……分割拘持体、１
２……発条、１３……据付け部、１４……取付け
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を変圧器Ａの内部端子等に接続する絶縁体
   で被覆した棒状導体１の他端に後述の分岐用接続
   体８を電気的に接続できかつ着脱可能とした接続
   部２を備えた変圧器接続体３と、絶縁体で被覆し
   た分岐導体４の主軸上端に前記変圧器接続体３と
   電気的に接続できかつ着脱可能とした接続部５を
   設けるとともに下端に配電線を挿入圧縮して接続
   する接続部６を設けかつ分岐軸に接続すべき配電
   線を着脱可能とした接続部７を備えた分岐用接続
   体８とよりなり、前記変圧器接続体３に対し分岐
   用接続体８を着脱自在としたことを特徴とする変
   圧器用低圧側接続装置。